初版 ぼく語辞典

長崎

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初めて訪れる街で湧き上がる高揚感が、昔と比べると明らかに薄れている。

”土地”に対する琴線が、何かしらの意味において変化している。

 

長崎市。
九州は長崎県の県庁所在地。
人口41万人弱。面積およそ400㎢。
海外の文化が多様に流入したことで、異国情緒の漂う街。

9月12日早朝、東京を出発してより5日を経て、到着である。

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福岡

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9月7日午後4時に東京を出る。

 

ぼくはどこまでも計画をたてる能力に欠ける人間であるらしい。肝心なことを忘れていて、九州移動をするためには九州にまずは上陸しなければいけないのだ。果たしていかにして、九州まで行けばよいのだろう?

飛行機をとろうにも出発の直前過ぎて価格はやはり高騰。大体ここで早速空の旅なんかしてしまったら、自分で言ったことと行動との矛盾も甚だしい。

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仕方がないので、東京からは陸路で九州に向かうことにした。

東京からヒッチハイクで長崎に帰ったことのある友人に聞いてみたら、約24時間ほどで帰宅できたと言っていたので、まあ何とかなるだろう。絶対。たぶん。

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ヒッチハイクなんてするもんじゃない。【九州移動 前日譚②】

諸事情で、九州を巡ることにした。

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前回『移動』するということはつまり云々……と偉そうに高説を垂らしてしまったので、肝心の移動方法についても少し時間を割いて書こうと思う。

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旅ではない、旅行でもない、移動の記録。【九州移動 前日譚】

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「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」(松尾芭蕉『奥の細道』)

 あるいは、

「私は常に思つてゐる。人生は旅である」(若山牧水『独り歌へる』)

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人生はしばしば、旅に喩えられる。

人生は旅行というよりも、旅であるらしい。
人生、なんて大きな言葉に重ねられるくらいだから、『旅』にもまた安易には捉えきれぬ何かがある。雲を掴もうとするように、近づきすぎれば見失い、遠ざかればその大きさに圧倒されるような。

『旅行』はそれに比べれば、少し俗っぽいというか、近しすぎるというか、まあこれは個人の偏見であるが。

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セブンイレブン化する思い出。

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留学を終えて帰国したのち、僕が育った青森市に帰省をしている。

 

僕は基本的に年に2~3回ほど、地元に帰る。夏季および冬季の大学の長期休暇に合わせてだ。

そしてその地元へ戻るたびに、気が付くことがある。
セブンイレブンの店舗数の拡大だ。

青森県にセブンイレブンが初上陸したのは2015年6月12日。
全国的に見ても非常に遅い、45都道府県目の出店であった。

僕が大学に入学したのは、2015年4月。僕が地元を出ていく時点では、まだセブンイレブンは街に存在していなかった。

 

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とりとめのない、とりためたもの【欧州編②】

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入り口(クロアチア・ザグレブ、2017年12月)

クロアチアの首都ザグレブにて。

境界には不思議な力を感じる。門、鳥居、暖簾etc...くぐることで、気持ちがシャキッとさせられるような気がすることがある。

ここには、真っ白な扉と、大胆に広がった木の穴。
いずれもどこか特別な目的地へ誘うための境目でもないが、実益性がないにも関わらずそこにある分、つい足を止めて、気を引かれてしまう。

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サラエボへと向かう道(ボスニア・ヘルツェゴビナの山道、2017年12月)

クロアチアのザグレブから、バスでボスニア・ヘルツェゴビナの首都であるサラエボへと向かう。途中ずっと山道を行くことになる。車中からの景色は、常に壮大だ。

大きな山が見えてくると、近くの席の少年らが「マウント・フジ!マウント・フジ!」とふざけるようにはしゃぎ出す。おそらく日本人の僕がいたからだろうが、富士山の名前がこの辺り(バルカン半島)でも知られているようであることに驚く。

僕が日本人だからというよりは、アジア人を見て適当にアジアの知っている山の名前を出しただけの可能性も高いが。

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鳴り響くあのメロディー(クロアチア・ドゥブロブニク、2018年1月)

ドゥブロブニクの城壁内を適当に散策していると見つけた石の階段。

反射的に上りたくなる。デッケデッケ……ドラゴンクエストの階段を上る効果音を頭の中で鳴らしながら。

現在のすっかり立体的な映像となったドラクエも臨場感があって面白いが、2D時代もいまだに色あせない。

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狛猫(クロアチア・ドゥブロブニク、2018年1月)

何とも規則正しい並び。
よく見ると、尻尾の位置まで左右対称になっている。規則正しすぎる。

ドゥブロブニクは街中のあちこちに猫がいる、猫好きにはたまらない場所だろう。

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MajiでKoiする5秒前(クロアチア・ドゥブロブニク、2018年1月)

年明けをのんびりと壁際で過ごす1匹の猫。
その視線の先には………。

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カナかな?(セルビア・ベオグラード、2018年1月)

セルビアの首都ベオグラードにある日本食店。

中で働くのは現地の人々だが、店内は非常に凝っている。
メニュー1つとってもそれが分かる。

一瞬、「あれ、日本語のメニューあるんだ?」と思ったがよく見ると英語。
もはや暗号のようですらある。

読み辛い文字もところどころあるが、この遊び心に感服。ラーメンの味も大満足。

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かくれんぼ(クロアチア・ザグレブ、2018年1月)

再びザグレブ。

目玉観光スポットの一つ聖母被昇天教会。
その裏をよく観察してみると……発見。
見つかっちゃったと観念した、無邪気な坊主の可愛げのある笑顔。

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Majiで盗られる5秒前(フランス・パリ、2018年1月)

ルーブル美術館周辺でのんきに写真撮影。
逆光を浴びる被写体は、知らない観光客。

この1分後くらいにこの場でスリに遭った。上着のポケットに入れていたスマートフォンを撮られた。その時は犯人が現行犯逮捕されて助かったが、ルーブル周辺及びパリには窃盗犯が非常に多いので、油断するなかれ。

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おしどり夫婦(フランス・パリ、2018年1月)

シャンゼリゼ通りにて。凱旋門近く。

左のポストが右に寄り添うように立っている。
そもそもポストがこんな近距離に2つも必要なのだろうか。どの夫婦もそうであるように、この2台にも知られざる馴れ初めストーリーがあるに違いない。

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韋駄天(フランス・パリ、2018年1月)

パリのポンピドゥー・センターにて。

疾風の如く駆けていくピクトグラム。
風と共に走る姿はまさに韋駄天。
この施設が要求しているであろう走行速度に、有事の際に応えられる人間は何人いるのだろうか。

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カラフル(ドイツ・ヴァイル アム ライン、2018年1月)

ドイツ・フランス・スイスの3国の国境に際する街、ヴァイル・アム・ライン。

人工的な色と自然の織り成す色の、カラフルコラボレーション。

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パーティーカクテル効果(ドイツ・フライブルク、2018年1月)

あだ名が「あべべ」であるがゆえに、壁面の落書き「ABB」に視線が思わず反応。
が、よく見れば、おそらくこれは「ABR」ではないだろうか。
それはそれで何なのか、むしろ気になるが。