ここ何日か、何冊か本を読んでいる。
いつも読んでいるわけではなく、どっちかというとYouTubeを見ていることが多いが、年に何回か、文庫本を手に取って読み始めると勢いづいて、日常に本を読む時間が入ってくる。
仕事で使う本を買いに行った時に、星野源のエッセイが100円で売っていて買ってみたのが今回のきっかけだった。そこから数日置いた後に、ふと読み始めて、何ともくだらない日常の姿を描いてくれている文章をニヤニヤしながら読み終え、調べればもう2冊ほど出しているということで、古本屋に行った。残念ながら、星野源の本は売っていなかったが、そこで、益田エミの「泣き虫チエ子さん」という本を買った。愛情編と旅情編の2冊。これもまた100円。
益田エミは「僕の姉ちゃん」がドラマ化したことで、知ったのだと思う。何だか読みやすそうだったことと、僕の姉ちゃんを少し見た時に感じた人間臭いめんどくさい人を描いてて、好きだなと今回手が伸びた。
今回読んだ、泣き虫チエ子さんは短編の漫画で、10年夫婦として歩んでいる二人の何気ない日常が描かれている。子どもはおらず、自営業の夫と会社勤めの妻。この二人がとっても良い。何より二人ともお互いのことが大好きなのだ。愛し合っている。そんな愛が伝わってくる。
何だかこんなに愛情いっぱいの何気ないことを書いた作品があるんだなと嬉しくなった。
結婚してまだ一年たっていないが、それでも自分達と重なることも多くあり、何だか自然と一言ひとことがしっくりくる。相手を思いやるそのこと。日常の些細な頭にくることと、でもこの人でよかったという幸せの心持ち。
旅情編を読み終わった後に、今これを書いているが、今日あった出来事を書き留めときたくなった。今日は夜中に妻の携帯のバイブで起きるということがあり、普段はほどんどないのだが、眠ることが難しかった。結局、30分ぐらいゴロゴロしていたら寝ていたのだが。
6時半くらいに起きた時、僕が眠りを邪魔されるのが心底嫌いなので、寝起き時点で少し不機嫌にこのことを妻に言うか迷いつつ、せっかくの二人の休日なので、楽しい時間にしたいなと。何だかモヤモヤというかぐるぐるしながら、結局夜の出来事を言って、妻もごめんねと言ってくれて何だか解決。言い訳のように聞こえるが、あやまってほしいわけではない。あえて言うなら、嫌な気持ちだったって言うことを共有したいと言うことと近いのだとは思う。そして、今後も僕は眠りのためなら勝手に携帯をいじるよと言いたかったのだと思う。実際にスリープモードにしたことも伝えた。
そんな寝起きの一幕がありつつ、今日はいつもモーニングにいくカフェではなく、去年一回だけ行ったパン屋さんのイートインスペースで食べようかと提案。良いねと妻は言ってくれて、準備。7時半からやっていると言うことで、開店とほぼ同じくらいに到着。
こじんまりとしたパン屋。住宅街にあって朝からやってくれている。開店直後と言うこともあり、綺麗に並べてあるパンの数々とこれから出されるだろうパンの匂いが、ドアを開けた瞬間から香ってきて思わず、良い匂いだねと。
そこから、あれかこれかと悩みながら、二人で食べるパンを4つ。
いつもはコーヒーかカフェオレだけども、今日は何だか紅茶の気分だったので、僕はイングリッシュブレックファーストと言う紅茶。正直どんな味かは知らない。妻はコーヒー。
雨の外を見ながら、しっくりくる木の椅子に座って、パンと飲み物が運ばれてくるのを待つ。
久々だねと言いながら、朝からこんな時間を妻と過ごせるのもとても幸せだった。先に運ばれてきたパンを一口、冷たかったけど、食感がもちもちでとても美味しかった。冷めていても美味しい一つ目のパン。妻もレモンが聞いていて美味しいねと。次のパンも、鮭と舞茸とホワイトクリームのパン。これもまた美味しい。紅茶とも会う。三つ目はクロワッサン。良いバターを使ってるね。とほんとかわからないけども、バターのいい香りとサクサクの王道クロワッサン。最後がこし餡と胡桃のパン。どれも食感、味ともにとても幸せなパンだった。
そんな4つのパン。十数種類のパンの中から選ばれたパンだった。色々な可能性があったパンの組み合わせ。去年初めてきた時は何のパンを食べたのかなと、妻が言うので、去年の写真を探してみたら、LINEのアルバムにあった。そして驚いた、全く同じ4つのパンがそこには写っていた。二人の座る位置が逆なだけ。
二人してすごいね!と大笑い。美味しそうに見えるのは、変わらないのかもと。色々な種類のパンから、あれもこれも良いねと。妻も色々と提案してくれたのだが、そこからじゃあ、これにしようかと。他の可能性も十分にあった。むしろ、今回選んだものとは違うものを選ぼうとしていた。でもこの4つを選んだ。日常の些細なこと。でも何だかすごいことだった。
そんな出来事を振り返るときに、大げさではなく、数ヶ月もこんなふうにして、朝に美味しいね、と言いながら朝の時間を妻と過ごせる幸せのすごさも感じていたなと。
今読み終わった泣き虫チエ子さんを読んで、ふと書きたくなった。
また素敵な本との出会いと、自分に与えられている日常を書けたらいいな。さて、銭湯でも言って明日に備えよう。