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日本の“生き様”を見せる!精神性こそが『SHOGUN 将軍』の素晴らしさ

こんなに面白いとは。


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徳川家康ら、歴史上の人物にインスパイアされた「関ヶ原の戦い」前夜、窮地に立たされた戦国一の武将<虎永>と、その家臣となった英国人航海士<按針>、二人の運命の鍵を握る謎多きキリシタン<鞠子>。

歴史の裏側の、壮大な“謀り事”。そして、待ち受ける大どんでん返し。

SHOGUNの座を懸けた、陰謀と策略が渦巻く戦国スペクタクル・ドラマシリーズ。

GWに入り、なにか普段見れてないものを一気見しようと思い立ちまして、真っ先に気になっていたのが本作「SHOGUN 将軍」。

基本的に外国人が手掛ける時代劇モノというのはあまり好みでは無く、といってもラストサムライなどほどほどに好きな作品はあるんですが。

なぜかと考えた時、表現の違いによるところが大きいんだろうなとは思うんですが、外連味が目立ち過ぎ、壮大さが際立ち過ぎるとでもいいましょうか。ダイナミズムの認識が違うのかなと。

とりわけ、”荘厳さ”の表現がしっくりこない感じがして。

それがこの作品においては絶妙なスパイスとして機能していて、むしろ心地良い。

確実に海外視点で見た時代劇なのに、日本の良さ、精神性を汲み取っているような映像表現であったり脚本、構成。

見ると、トップガンマーヴェリックの原案を手掛けたジャスティン・マークスが製作総指揮を務め、主演の真田広之もロデューサーを兼務し、主演のかたわら、撮影現場での衣装や美術、殺陣などをコーディネートしているらしいじゃないですか。

それはそれは。

オープニングビジュアルの庭園を船で行くようなゲースロ感もあり、とにかく時代考証、美徳としての文化の捉え方が良く纏まっている。

別段歴史に詳しいわけでは無いのですが、そんな私ですら観ていて違和感を感じないような圧倒的世界観。

元々時代小説などはわりと好きな方だったんですよ。ですが、映像でここまで満足感が高い作品というのはそうないんじゃないでしょうか。

そんな感じで雰囲気として観ていても既に面白い作品なんですが、内容も抜群に惹き込まれ、抜群に面白い。

まず、観ているもののミスリードを誘うような脚本構成により、誰に感情移入して良いのか、どれが正しさへと導いてくれる人間なのかということが分かりづらいんですよ。

これが物語に蛇行を与えるようドライブ感をもたらし、短絡的な道筋にならず、観ているこちらも試されているような脚本になっているんです。

普通の時代劇だったりすると、それってある意味明確じゃないですか。悪にしても善にしても。よくある、士道とはこういうものとかもそうですし。

それが全く無く、見ようによって、タイミングによって、視点によって変わってくる。だからこそ、揺さぶられるんですよ。

個人的には時代劇に求めているのって”生き様”なんですよね。良くも悪くも人間味がどうなのかという、人としての様が見たいんです。

その見せ方がとにかく上手い。

宗教であるとか、時代背景、性別や年齢、地位、そういったあらゆる観点からの絶妙な駆け引きがある中で、全体像を見せ、個別の人物としての様を見せてくれる。

そして、それらを存分に引き立ててくれているのが演者なんですよ。

バチバチにハマった役が多く、配役がまずもって素晴らしい。毎回誰かにハッとさせられる感がありますし。

あくまでも全員最高というのは前提として、個人的に一番痺れたのが「鞠子様」。

演じているのはアンナ・サワイさんという、ニュージーランド出身で海外にて活躍されている日系人の方なんですが、抜群にハマり役でカッコいい。

生き様が一番凛としており、時折見せる弱さの部分には人間味もあり、それを体現できているということが素晴らしいんですよ。

物事の考え方も良く表現されており、鞠子様がどういった人物像なのかということが良く伝わってくるんです。

いやぁ、カッコ良かった。

序盤からの成長過程というのも魅力的で、徐々に自分という人間の本質を取り戻していく過程、葛藤、”生き様”という意味での強度が強固で、自分の背筋も正さなければと思わせてくれるほど、とにかく魅力的な人物として描かれ、良く表現されていました。

いずれにせよ、海外ドラマにおける時代劇部門ではかつて無い満足感に満ちた作品だったのは間違いなく、ホント観てよかった。

なんか時折感じるんですが、悪い部分を直視した上で、日本人で良かったと思える精神性の部分って軽視しが地だと思うんですよね。

でも、そういった日本人であるが故に必要な”日本の善き部分”にフォーカスすることも自分の中で重要な視点なんだと改めて思わされた次第であります。

世界観の構築、物語性の引き、人物表現の豊かさ。

そういった”物語”というものを楽しみたい方は絶対に観たほうがいい作品な気がします。

満足感は存分にあるものの、10話とコンパクトに纏まっており、1話も大体60分程度なのでサクッと観れるかと思いますので。

是非。

 

勝つか負けるか、それこそが全て『アーセナルvsトッテナム』

いやぁ、ギリギリでした。でも、勝ちは勝ち。しかもダービーとなれば、なおさら。むしろあの終盤の猛攻でも勝ちきれたのは大きいですよ。トッテナム相手に。

10分、サリバのあの場面でワンテンポ遅らせられる度胸よね

26分、サカ上手すぎやろ、落ち着きも半端なし

34分、マガリャン良い判断やな

35分、サリバちぎられないなぁ

36分、やっぱこういうとこでキープできるのがハヴァさんなのよね

42分、ライスの粘りがピンチを未然に防いでるわけで

43分、トーマス、ギリであれ出来るんか

 

60分、ウーデのポジションへの嗅覚が素晴らしいのよ

64分、冨安はやはり読みが良い

というような試合だったわけですが、とにかくトッテナムの熱量が高い試合でしたね。

特にロメロの存在は大きかった。攻守に関して凄まじいクオリティ。ゴールシーンなんて一瞬”えっ”ってなりましたから。あとファンデフェン早過ぎ、クルゼフスキ超人、ポロのクロス怖い。などがありました。

後半の方が猛攻に感じたんですが、前半の方がヒートは圧倒的に高かったんですね。これ意外。

今回全体的にデュエル数も多かったんですね。まああれだけの強度でしたから納得ではありますが、サカとハヴァさんよくやりました。

とにかくこの試合の2人はMVPでしたよ。

地上波サカ、空中はハヴァさん。攻守にわたり、とにかくよく動いてました。ともに得点にも絡んでますし、脅威になっていたのは間違いないかと。

前節もそうでしたが、中盤のライス、トーマスはやはり安定しますよね。ライスはもとより、トーマスも改めて制圧力があるなと。

一つ難点としては機動力が劣る部分はあるので、快速系のウインガーや中盤などがいると一瞬で置き去られるというのはこの試合でも何度か有りましたが、それは相手が素晴らしすぎるというのもあるわけで、まあ仕方ない部分でもあるのかなと。

中盤を締めた形でのこういったポジション主体であれば、まあ特段問題ないのかなとも思いますし。

ラヤのミスからの失点もありましたが、ハイボール処理を見れば、ラヤの未然に防ぐポジショニングの良さは見逃せません。

そう考えるとミスは誰にでも起きうるわけで。とはいえ3点取れていて良かったですが。

そういえば試合後のファンのスタンドへ向かう彼らの勇姿は、なんかシーズン通しての雰囲気を感じて感慨深いものがありましたね。

いずれにせよ一番燃えるダービーマッチ。勝つか負けるかが全てなわけで、その意味でめでたさしかないことは確か。

では。

【圧巻】ウーデが神懸かり!今季ベストパフォーマンス披露!『アーセナルvsチェルシー』

やっぱ、サッカーって同じチームを追っていると、熱のある試合って、入りからわかるんですよね。

なんなのかわからないんですけど、画面越しでも伝わってくる熱量の感覚。

このロンドンダービーもまさにそれ。

4分、ライスの溜めるドリブルからのサーモンの完璧なシュートよ

12分、今日トーマスのポジショニング良いかもな

14分、ウーデのクロスの精度

19分、サーモンの落としの判断痺れるわ

20分、サカの崩しヤバっ。これみるとやっぱ前節疲れてたな

22分、冨安のインターセプトも切れ味が

27分、ちょっと今日のサカのキレはエグいぞ

31分、ウーデの空間認知能力の高さ

40分、ラヤ、ドンピシャやな

 

48分、ライスこういう突き方上手いなあ

50分、ウーデのスルーなんじゃこりゃ

56分、ウーデからのハヴァさんのベストゴール級な完璧さ

59分、サーモンのトラップ上手っ

59分からの冨安またまたインターセプト

61分、ラヤよく耐えた

68分、ウーデのプレス回避上手し

69分、ウーデの浮き玉スルーのクオリティ

69分、ホワイトの阿吽の呼吸感ヤバない

82分、ジェズスのヒール痺れた

 

ヒート見てもそうですけど、後半の序盤の勢いヤバくないですか。

前半もそうですけど、入りのテンション高いですよね。

とまあ、序盤から面白くなりそうなにおいを感じさせるスタートだったわけですが、その口火を切ったのはトロサールの目の覚める一発から。

あのタイミングで、あのコース(ニアロー)に蹴れるってのはさすがの一言。

いつ見ても思うんですけど、トロサールってボール受けた時の準備が常に出来てますよね。それくらいファーストタッチからの流れが常にスムーズ。

このシュート数もエグくないですか。

怒涛のシュートラッシュで、前半こそ、なんでこんなに決まらないのかと思っていたほどで、でも結果的にそれは後半に払拭されたわけですが。

sofascoreでこのレートも初めて見ましたよ。

特にウーデのスタッツが凄まじい。

実際試合を観ていてもその脅威を感じたわけですが、これを最後までやりきるっていうキャプテンのいつも通りのヤバさは健在でした。

キーパス8って。

おそらく今シーズンベストパフォーマンスですよね。攻撃、守備、全ての精度に関して完璧過ぎましたし、質も強度も申し分ない仕上がりで。

これなんかを見てもほぼ全てのスタッツトップクラスですし。むしろ受けての部分はしょうがない(出し手だから)と考えるとまあパーフェクトですよ。

そーいえば後半感じたのが、ライスとの関係性の良さですね。

核が二つあるような感覚を抱き、それらが相互に影響しあいながら適度な関係性で調和している感じ。

デュアルコアですよ。これはもうサッカーのデュアルコアシステム。

ライス加入当初は共存できるのか的なことも言われていたことを考えると、今はその考えすら杞憂ですし、むしろ共存した方が互いの能力を高められすらするっていう。

その意味で言うとハヴァさんとホワイトもそうですよね。

単独でというより、共存することで良さがより引き出されるようなキャラクター。二人とも器用なんですよね。

あっ、これはハヴァさんとホワイトの関係性ってよりも各々の他選手との連動性っていう意味ですよ。

ホワイトのタイミングの取り方であったり、痒いところに手が届く対応なんて最たるものですし。

この試合でのドンピシャ感は色々と素晴らしい限り。

ハヴァさんもワントップとしての強引さにはまだまだ欠けるものの、立ち回りや運動量、ポジショニングなんかに関してはもう完全にワントップのそれですから。

欲を言えばもうちょっとボックス内での強引さが付いてくれば最高なんですけど、別にずっとこのポジションをやってきた人間では無いので。

受けてる本数なんかは上記のスタッツ見ても問題無しなわけですし。

アクションの半分をシュートが占めているというのも凄いですよ。単純に。

直近での右に流れて、左にライスが上がるっていう連動性も好調ですよね。以前だと左寄りに流れてという印象があった気がするんですが、最近はなんかバランスが取れだしたといいますか。右への顔出しも意識的に増えている印象で。

パーティもここ数試合の中では一番良かったんじゃないでしょうか。

一度自陣で迷いが生じてたシーンはありましたが、前半なんかはポジショニングも悪くなかったですし。全体的に悪くないかと。

なんかライスと一緒にプレーしているのを見てて思ったんですが、ライスがアグレッシブに守備を行うのに対して、パーティはパッシブに守る感じなのかなと。あくまでも比較するとということではありますが。

それでも調子は取り戻しつつあるなと思ったわけです。

冨安も良かったですよね。何度かちぎられてた時もありましたけど、全体的にはマジでタフに対応してましたし、インターセプトが光りましたよね。特に。

チェンコよりもやはり守備強度も上がりますし、攻撃時の連動性も良いなと。

とにかく今季ベストマッチの可能性もあるくらい全選手の躍動感が半端ない一戦。これを終盤にやれるようになったとは。感慨深いです。

では。

【文豪ボストン・テラン】春休みに読んだ『神は銃弾』がヤバすぎる! 心抉るダークノワールの世界へようこそ

春休み、以前から気になり買っていたけど手をつけられていなかった小説を読もうと思い、手にしたのがこちら。

まさかこんなに食らうとは思いもしませんでした。

本にしろ映画にしろ音楽にしろ、出会った瞬間に何か予感めいたものがあるモノってあると思うんですよ。

この本も自分にとってはそんな作品で、何かの書評を読んで作者が妙に気になり、中でもこのタイトルが目を引いたんですよね。

神は銃弾ですよ。痺れますよ。タイトルからして。

それからわりと年月も経ち、でも、ずっと頭の中にはあったような、そんな出会いのある作品でした。

この作品、まずもってヘビーです。

本のカバーに書かれているあらすじだけでもゾッとするような内容はわかるんですが、それ以上に文体から滲み出る力強さ、ワードセンス、表現の豊かさ、それら全てから濃厚に搾り出されたような言葉の弾丸が突き刺さってくる。

言い回しや表現の難しさもあり、スラスラと読める感じではないですが、それでも惹かれてしまうほど魅力的で、腹に響いてくる物語。

風景であったり、感情であったりの表現がいちいち詩的で美しいんですよ。情緒もあって、深みもあり、その世界観にずっと埋没していたいと思うほどダークなのに重く響いてくる。

小説のていとしてはノワール、もしくはクライムものになるのかな。

でも、読み進めていくと、それもありつつ、ヒューマン的、純文学的な深みがそこかしこにあって、だからこそ描かれる世界の豊かさが半端ないんですよね。

特に色にまつわる表現は恐ろしくソリッドで生々しい。言葉尻だけでもイメージを肥大化させるようなワードセンス。

翻訳でその印象なので、原文はさらに複雑で難解なのかもしれないですが、その感覚は十分に堪能できてしまう。

物語自体はほんとシンプルな構成なんですよ。

カルト集団に娘を連れて行かれた父親がそのメンバーだったジャンキー女性と娘を取り返しに行くっていう。

それだけなのになぜか重厚さがクセにさらなるこの感覚。思い出されるのは濃密な会話劇と、人生への問い。

出てくる人物もそこまで多くないんですが、ボブとケイスのやりとりは見所しか無いんですよ。

考え方も人物像も確実に異なる人生を歩んできたような二人。でも、旅路を共にする中で確実にわかり合ってくるわけですよ。なんならかけがえない存在と言えるかもしれないくらい。

それがLOVEなのかLIKEなのか。はたまたそれ以外の感情なのかも含め、容易な展開には絶対に転がさない。

良い意味で全てにおいての安易さがないんですよね。

実際、人生もそうで、唐突に全てが起きる以外はあり得ないじゃないですか。本当のところ。

物語だからって必ずしも分かりやすい展開に持っていく必要もないと思うし、それって、逆に見るものを単純化して捉えてる気もしますし。

なので、起きる事柄も想像の遥か上をいくし、容赦も無い。

そこをサバイブしていくボブとケイスの関係性がとにかく魅力的に浮き出てくるんですよ。

本当は相対すら存在だったわけだし、境遇もそう。でも、本質的に世界の輪郭を捉えるという意味においては正しさだけでは生きていけない。

賢さとずる賢さの狭間で、誰もが聖人ヅラしているという皮肉めいた視点で描かれる物語には妙な説得力納得感があるんですよね。

救われないからこその視点というか、だからこそ説得力のある描写や言動というか。

作者自身も順風満帆に過ごしてきていないことを感じさせる部分が多く、それも物語上の要因だと感じさせられる気がします。

最後に個人的に一番感動し、心揺さぶられたフレーズを。

「自分のしたことをちゃんと自分で支えられる勇気を持った男だ」

これはケイスが自分自身を責めるボブに対して言ったセリフなんですが、それまでの二人の旅路を考えるとあまりにも自分自身にも響いてしまって。

ボブ自身、行われた行為は常に善だったとは思っていないはずなんです。

だとしてもそれらを肯定し、ただ、肯定するだけでなく、勇気という行動と意思を尊重するところにあまりに深く、さりげない中にどれだけのリスペクト、気遣があるのかということを感じさせるセリフに、マジで脳天直撃したような衝撃と感情の波が襲ってきたわけです。

何が正しいとか間違ってるとか。偽善や忖度で無く、本当のそれらを見ることの大切さを改めて強く感じた作品でした。

ボストン・テラン、遅ばせながら素晴らしい才能です。

では。

実体の無さはすべてに存在していることなのかも『ある男』

どうしても原作から読みたい作品ってあると思うんですよ。それは漫画でも小説でも。その意味で平野さんの作品は全てそういうところがあるなと。

この作品もあらすじからして興味深く、目の付け所というか、思考の巡らせ方がとにかく好み。

愛したはずの夫は、まったくの別人であった――。

「マチネの終わりに」の平野啓一郎による、傑作長編。

弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。

宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。

ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。

愛にとって過去とは何か? 幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか?

「ある男」を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。

第70回読売文学賞受賞作。キノベス!2019第2位。

考えてみると”他人”を認識する時ってどうやって認識してるんでしょうね。

固有名詞や、人となり、喋り方や、過去の経歴、家族、容姿、学歴、挙げればきりが無いくらいには出てくるものですが、いざその人を明確に捉えている点を挙げろと言われるとひどく不確かだなと思ってくるわけです。

なんなら自分という人間だってそうですよね。自分が思う自分と人が思う自分は全く異なるかも知れないわけで。

その辺の要素を物語的にもミステリアスに描いており、日常レベルの話に上手いこと落とし込んでいる感じ。

少しづつ謎解きをして確信に迫っている感覚があるものの、むしろ確信から遠ざかっている気もしてくるという変な感覚も同居している構成。

これには読んでいるものの想像から生まれてくる構造的なミスリードというより、感覚的ミスリードに依存することろが大きい気がしています。

結局なんでもそうですけど、全ての事柄って”実体が無い”んですよね。

全てが想像や思惑で形成され、多くの人にとっての既成事実に成り代わっていく。

よく会話にも出てきたり、自分でも言ってしまう「普通さぁ」という言葉もまさにそうで、誰から見た普通なのか、対象は誰なのか。そうしたことが当たり前のように抜け落ちてしまい、そこに疑問は無くなってしまう。

こんな世の中に沢山溢れた認識の誤謬みたいなものがわかりやすい形で興味深く綴られていく物語。

まず、根幹にある物語の掴みが素晴らしいですよね。「好きになった人が全くの別人だったとしたら」って。

そんな掴みの良いフックがありつつ、それだけのコンセプトに埋没していない。これほど興味深く読めてしまうというのは間違いなく平野さんの文体や言葉選びの部分にあると思うんですよ。

クラシカルな純文学的でありつつ、どこか近未来的な装いもある澄んだ言葉選び。なんか頭に残るところがあり、ハッとさせられるんですよね。文字を読んだ時にそのイメージが圧縮されて弾けるような。

人の感情というか認識の確信はどこにあるのか、もしくはそれすらまやかしなのか。

良きお話でした。

映画化もされ、評判も良いのでそちらも観てみたいところではあります。

では。

19この世界と自分との留め金

53愛にとって過去とは

100子供は成長が早過ぎて

118若い頃は、愛することと

130端的に言って、彼は

131自分とは何か

156みんな、この世界の評価

171話は虚実が複雑に

200人はなるほど

205広告表現の芸術性

263若い頃には想像だに

282事務所では、城戸さんの

294誰も、他人の本当の

314僕たちは誰かを好きになる

319消せないなら

336この人生を誰かから

361瓦礫からいつの間にか

厳しい戦いの果てに導かれた勝利!アーセナルの魂の戦い『アーセナルvsウルヴス』

中二日でこれだけの運動量、しかも、CL明けでこの結果は上々じゃないでしょうか。

1分、ハヴァさん空中戦やはり強いしポジショニングも今日良いかもな
13分、キヴィの早めのクロスは中々良かったな、後は精度
18分、ライス受けたとこちょっと悪いかなと思ったけど、あそこまで運べちゃう個の力
26分、ホワイトはサカとの関係性ホントわかってるな
44分、ハヴァさんのこういうパス初めて見たな。からのジェズスの良トラップ、サーモンの決定力

51分、サカのワンタッチええやん
78分、ラヤの対応クールだな
91分、この時間でライスここまで抉れるとは
92分、あのショートコーナーおもろかったな
94分、ウーデのシュートコース選びヤバっ

 

それくらい、キツさが伝わってきていた試合だったにも関わらず、この結果を残したのは大きいですよ。

それにしてもこの試合、アーセナルのシュート数ヤバくないですか。24本て。

それでこの得点差で終わったのは、正直アーセナルの疲れによる精度の低下が原因だったのは明白でしょう。

いつもと異なり、際の部分での判断や感覚がズレているように感じたのは、間違いなく疲労が溜まっていることを暗示していたのかと。

それでも、それを承知で、やれるだけのことを各選手がやっていたのもわかりましたし、だからこそこの結果を得られたのかと思うと、メンタリティが向上したなと感慨深いところではあります。

そんな中、疲労も溜まっているであろうに、ハヴァさんの相変わらずの空中戦の強さ、際立ってましたよね。

攻撃時にも、守備時にも、ハイボールの処理と、フィジカルの強さから大抵収めてしまう懐の深さ。なんかこの淡々とした感じも好きなんですよね。

あとウーデもヤバくないですか。

バイエルン戦でもあれだけ動き回って、この試合でもどんだけ動くんだよという働きっぷり。

そりゃ疲れが見える部分も多々有りましたし、いつものウーデならと思う場面もありました。

でも、それを鑑みてもこの強度とクオリティは異常ですよ。それを物語るのが2点目の得点シーン。

あの時間であのコースに蹴れないですから。普通。

トロサールも、彼だから決めれるような良きゴールでしたよ。

最近だと厳しいときに助けてくれるのは決まって彼。それくらいハイパーなオールラウンダーですよ。マジで来てくれて有り難うと言いたい。

そしてライス。

彼も厳しい時こそ効いてきますよね。キーパス5本に、タックル4て。

攻守にわたり、獅子奮迅の働き。それ以外にもタメを作ったり、キャリーしたりと、欲しい時に欲しいアクションを取り、さらに期待以上のクオリティでそれをこなしてしまうっていう何なんですか、怪物ですよ。それくらいの存在感ありましたから。

とにかく全員よくやり抜きましたよ。

途中からターンオーバーを図ってくるかと思いきや、以外にもそこまでの交代もなく、サカもホワイトもかなりヘトヘトになりながらよくやり切りましたよ。

ホント素晴らしい。

この先も厳しい戦いが続きますが、とりあえずの現状首位、CL無き今、リーグでの優勝を是非お願いしたい。

では。

CLベスト8敗退も、未来への希望が生まれた一戦『アーセナルvsバイエルン』~CLベスト8 2nd leg編~

残念ではあったけど、正直悔いは無い・・・とも思う。

Daily Schmankerl: The aftermath of Bayern Munich vs. Arsenal in the  Champions League; Kim Min-jae headed back to Napoli?; João Felix wants  permanent move to FC Barcelona; Liverpool wants Jeremie Frimpong; Chelsea

27分、ジョルジこういう位置からのパスの方が良い気が

39分、サリバあの場面であのプレーするかね

44分、サカトラップ上手いわ

 

51分、トミーのダブルタッチええな

60分、サリバのあの一歩がデカいわけよ

 

ついにCLの舞台に戻り、14シーズンぶりのベスト8。ここまで良い夢見させてもらいましたし、ここまでこれたことも感慨深いわけですよ。

でも、やはりCL。この辺まで来るとちょっと調子が良いとか、勢いでいけるとか、そんなことが通らない、痺れる試合が続くわけです。

他のベスト8の試合もハイライトで全部見ていたんですが、どれもが劇的で、熱量に満ちた凄まじい攻防でした。

正直なところ、この2ndレグに関して言えば、アーセナルのこの試合が一番の塩試合だったことは否めず、それこそが、CLの舞台なんだなと。

別に試合全体を通して悪かったわけでは無いですし、全然良い部分もありました。

でも、トータルで観た時の”色々な足りなさ”というのはあったわけで、これが現時点においての限界値なのかなとも思ってしまうわけです。

悲観的に聞こえるかもしれませんが、ここ数年でよくここまで作り上げたなと思いますよ。数年前を思うとCLの舞台に戻れる気すらしてなかったですから。そう思うと、これからのアーセナルには期待しかないわけですよ。チームの年齢的にもまだまだ発展途上なわけですから。

そんな感じで終わってしまったわけですが、この試合、前半は静かな戦いでした。

アリアンツということもあり、前半は様子見な感じなのかなと思うほど、いつものようなプレスもかけず、攻撃時も遅行目な印象でした。

1stレグのことを考えると、前半はあまり過剰に攻めず、手堅いプレーの方が自分自身も良いのかなとは思っていたんです。

早い時間に得点して、変にスタジアムの空気を一変させたり、チームを目覚めさせてもあれなので。

そんな、バイエルン側もそこまでガツガツ来るわけでも無く、結局静かに進んでいったのが前半でした。

からの、後半ですよ。

思ったよりギアも入らず、若干攻めに転じる場面もありましたが、そこまで。なんならシュート数も後半激減してしまい、2本ですからね。

ボールの繋ぎに関しても中々ファイナルサードまでいけず、エリア内に侵入してもスペースが無過ぎて展開できずで、とにかくチャンスメイクが出来なかった。

こじ開けられないんですよね。組織では崩せても、個でちぎれないというか。中盤でボールを回している状況が下のスタッツでも良くわかりますからね。

ただあのキミッヒのゴールに関しては単純にエグ過ぎましたね。これが勝者のメンタリティなのかと思い知らされましたよ。

やっぱり勝ち切れる力が備わり、どんな局面でもやれるという経験が必要なのかなと。

兎にも角にも現時点での限界点、それを知ることになり、これが次への糧となることを信じて応援したいと思います。

お疲れでした。

では。