悪魔のミカタ⑬ うえお久光

 はや、13巻目。編の完結。今回は生物学がモチーフ。私はバックグランドに生物学があるんだけど、筆者の書くのが正しいのかどうか、判断できない。(テロメアの寿命に絡めた部分はわかるけど、サークルなDNAが自己複製だけっていうのはちと、いいすぎかも)。
 世界を斜に構えて見る=ザ・ワンというのは古いと久々の主人公=コウはいいはなつ。
そろそろ、熱い時代の到来なのか?

創価学会 島田裕巳

 あの、オウム事件の島田先生の本。新潮選書ではあるが、スタンスは中立であると思う。(学会員からもそうであるかは?であるが)。
 宗教団体なのになぜ「学会」なのかということを明かしていく。この本の主旨は、創価学会とは農村の次男、三男が高度成長期に都市部にでてきて、大企業(=労働組合がしっかりしている)にはいれない層が中心となった、巨大な都市にできた「村」であるということ。「村」とはいえ、巨大な組織であるための官僚組織は必須であり、こうした「村」のエリート層と従来からの支持層との乖離を防ぐため、池田大作はがんばっていること。
 田中角栄伝である「異形の将軍」を読んだ時の感想もそうであるが、こうした、農村部の非エリート層というものに対する、シンパシーは私にはまったくといってない。むしろ、日本をだめにしている元凶でしかないとの評価である。巨大な克服すべきものを冷静に分析するのには役立つのではないか?

挑戦者たち みなもと太郎

 彼が京都人(ただし、生まれは関東だが)だったことにびっくり。DX東寺が(実名ではでてこないが、その筋では有名なストリップ劇場)でてきたこともなつかしい。
 彼の作品は代表作の風雲児たちもそうであるが、目からうろこの話が多い。本作でも日本刀が実際の武器として用いられたのは幕末期だけであり、それまではあくまでも、手柄首を切り取るための道具であり、その後も緊急用の護身用でしかなかったことを教えてくれる。