心理カウンセラー 長谷川由紀のブログ

米国ニューヨーク州公認の心理カウンセラーが心について解説します

“語ることができれば、全ての悲しみは耐えられる”

前回の記事では、浮気(不倫)が発覚したときに傷つく理由の一つは、これまでつむいできた自分の歴史・物語の一貫性・信憑性が失われるためである、というお話しをしました。今回の記事では少し横道にそれますが、人間にとって語ること、物語を作ることの大…

浮気をされるとなぜ傷つく①<「記憶」と「現実」が乖離する>

前回の記事では浮気(不倫)が発覚したときの心理を解説しました。パニック状態になるほど心理的ダメージが強いというお話をしましたが、それではなぜそれほど深く傷つくのかを今回は紐解いてみたいと思います。 浮気をされたとき、人は何に深く傷つくのか。…

不倫が発覚するとどんな心理状態になる?<まずパニックに>

はじめに過去の記事の中で恋愛に関する内容に最も多くの反響があったため、今後何回かにわたって、恋愛の中で起きる問題の中で特に心理的ダメージの大きい不倫についてお話しする予定です。不倫により影響を受けた方々が気持ちを整理しやすくなり、そして今…

『恋のトキメキはどうして終わる?』が最も読まれた理由を考えてみる

これまで約45記事ほど、心理のお話をこのブログに投稿してきました。うつやパニック障害、不安症、親子関係等、さまざまな分野を取り上げてきましたが、その中でも圧倒的に多く読まれているのは恋愛関係に関する記事でした。 恋愛関係の中でも特にアクセスや…

カウンセラーの本棚2<米国経済学者が教える、育児における賢い選択術(新生児期〜幼児期編)>

前回の記事では産後育児中に不安に陥りやすい理由を睡眠不足の観点からお話ししました。今回は、不安になりやすい育児中に役立つ本をご紹介します。 今回ご紹介する本は、米国ブラウン大学の経済学教授エミリー・オスター氏が執筆した『育児のカンニングペー…

その不安、睡眠不足のせいかも?

睡眠が不足することによってイライラしたり、気分が優れなかったりすることは、経験的に容易に想像できるのではないかと思います。しかし、睡眠不足と不安の関係について考えたことはあるでしょうか。 2024年4月号の『Psychological Bulletin』という雑…

米国ニューヨーク州公認心理士が心についてお話しするブログです

私は米国ニューヨーク州公認心理カウンセラーです。米国のコロンビア大学臨床心理学修士課程を修了し、資格を取得、当地で開業してカウンセラーとして活動していました。ニューヨークで10年ほど暮らした後、現在はシンガポールに拠点を移し、引き続きカウ…

トラウマは現在進行形<フラッシュバックのメカニズム>

先週から数回にわたり、危機的状況に陥ると「闘争・逃避反応」(扁桃体ハイジャック)を起きることをご紹介しました。「危機的状態」といってもさまざまなものがありますが、強度によってはトラウマ(PTSD)として残る場合があります。今回はこれまでご説明…

感情チャート<感情の種類、どれだけ知っている?>

前回のブログでは、気持ちを落ち着ける方法として、感情を言葉にする(Affect Labeling)というテクニックをご紹介しました。感情を的確に言い表す言葉を見つけるのは簡単なことではありません。しかし、前回の記事で書かせていただいた通り、私は感情表現の…

感情に振り回されない方法<気持ちを言葉にする>

前3回にわたって、脳の中にある小さなアーモンド型の扁桃体が活発になると、感情に振り回されてしまうことがあるというお話をしました。今回は、感情的になってしまったときにどうやって気持ちを落ち着け、理性を取り戻すことができるか、簡単にできる方法…

感情に支配される<扁桃体ハイジャック?!>

不安や恐怖、怒りといった強いネガティブな感情によって扁桃体が活性化されると、理性を失い、感情に振り回される状態になるというお話を前2回にわたってしました。このように、感情に体と脳を乗っ取られてしまったような状態はまるで、ハイジャックされて…

脳科学から理解しよう<闘争・逃避反応>

前回の記事では、私たちが理性を失ってしまうとき、その原因となる「闘争・逃避反応」について解説しました。今回は、なぜこの反応が起きるのか、脳のメカニズムからご説明します。(以下、分かりやすさのためにかなり簡素化している点をご了承ください。) …