コロナ禍におけるGrant Writing Support実施報告(2)
思いがけず長くなったので二回に分けます。
第1回では始めたきっかけ、実施結果(定量・定性)について書きました。第2回では、Grant Writing Supportを実施した気づき等についてまとめたいと思います。
Grant Writing Supportに必要なスキルは何か?
実際にサポートをしてみて一番の大きな気づきは、Grant Writing Supportは代筆業ではないということでした。
この活動を思いついた当初は、「リーダー達の頭の中にある計画をヒアリングし、書き起こして少し文章を整えれば申請書の形に整えることが出来るだろう」と思っていたのです。
…が、これは1件目のサポートを行った段階で大きな誤りであったことに気が付きました。
当然なのですが、「完璧なプラン」を作っているリーダーなんて居ません。それは「完璧なプランを作り切る時間があるならば、まず走り出してみよう。目の前に、今、まさに助けを求めている人がいるのだから」というリーダーの行動特性に起因するものでもあると思います。
その為、リーダー達の頭の中にあるものは「目指したい理想の状態と、現在の状況、ぼんやりと作っている事業プラン」です。その状態からヒアリングをスタートし、一つ一つ状況を整理しながら理想の状態に近づくための事業プランのロジックを整理し、また実現可能な事業計画に落とし込んでいく必要があります。
この作業が非常に時間がかかり、かつ大変な作業でした。。上記以外にもGrant Writerには複数のスキルが必要とされることが分かりましたので以下に雑感とともにまとめます。
【Grant Writerに必要なスキルや理解】
- 非営利組織の事業プラン策定の経験、理解
これは前述した通り「既に応募できるだけ整った事業計画が出来ているリーダーはいない」ため、非営利事業の事業計画をざっくりでも良いので作れるスキルが必要とされました。とても簡単にでいいので予算も作れる必要があります。
そしてここが最も時間がかかるのに、助成金申請においては最も手が抜けないところ…忙しいリーダーたちにヒアリングの時間を割いてもらい、限られた時間の中で適切な質問を繰り返しながらリーダーの頭の中にある計画を言語化していかなければなりません。
ここに手間取るとリーダーたちに「自分で書いた方が早い」と思われて何も貢献できてないという事態になりかねないので、質問はクリティカルかつ大胆に突っ込んで聞くことを意識しつつもそれをその場で理解して組み立て、その場でリーダー達の大枠の承認を取るという事を意識して行いました。
綺麗な文章に整えた資料は別途見てもらうのですが、記載する内容については大枠合意するという方法で、短期間での提出にこぎつけたのです…(が、とても大変でした。。。) - 財団等の資金提供者のニーズ、言語、ロジックの理解
これは表現が難しいのですが、財団等の資金提供者側も「お金をばらまきたい」訳ではなく、ある一定の理念、ニーズ、目指したい状態があって助成金プログラムを設定しているので、その文脈を読み取る、推測するスキルがあるかどうか?という事を指しています。
例えばですが、「限られた小さなエリアであっても、社会的弱者一人ひとりに物資等の支援が渡り、粛々と確実に現在の困りごとが解決される」事を志向する資金提供者と、「上記の事は志向しつつも、数年後にその取り組みがシステム化され横展開されるなどより広範な影響を与えることが出来る」事を志向する資金提供者では、こちら側が申請書に記載する内容、トーンがかなり変わります。
また、複数の助成金プログラムに申請するのはそれなりに手間がかかりますので、獲得の確度が高いものに絞って申請をするという戦略もあります。その場合には自分たちの志向と資金提供者の志向がなるべく近い方が獲得しやすいため、「どの助成金プログラムに申請するか」という相談をリーダーと出来るというのもGrant Writerには必要なスキルであると思いました。(どんどんGrant Writerのスキルのハードルがあがってゆく…) - タスク・マネジメント・スキル(スケジュール管理等)
通常期の助成金プログラムは公募~〆切まで数か月あるものが多いですが、Covid-19対応の助成金プログラムは〆切までの日数が非常に短いものが多く、1日単位でのスケジュール管理が求められました。
意外と大変だったものが添付資料の数々。特に会計報告資料は認定NPO法人やNPO法人はすぐに提出可能な団体が多いはずなのですが、今回は時期が悪かった…。5月~6月の提出〆切の場合、「3月が決算月」の団体にとっては理事会の承認が…や、税理士との確認が…等、時間がかかるケースも見られました。
それ以外にも提出すれば加点されそうな資料の用意、作成など「申請書以外」の準備に意外と時間がとられるため、リーダーの忙しさの様子を見ながら相手の負担にならないようなリマインドをし、確実に〆切に間に合わせるためのタスク・マネジメント・スキルが必要とされました。これも中々、気を使いました。。
何故かって、既に社会課題に立ち向かっているリーダー達なのでコロナがあったからといって既存の事業が止まる訳じゃないんですよね。これまでの事業対象者たちへの対応に加えてコロナ対応をしているので、余計な手間を取らせるわけにいきません。この辺りはあまりうまく出来なかったなと反省をしていて、もっと上手くやらなきゃいけなかったなぁと思っています。 - 支援先の専門性の理解(医療、精神ケア等の専門領域がテーマの場合)
これは特に支援先が「専門領域」である場合です。とはいえ、「専門」領域ではない領域は無いので全てに言える事と言えばそうなんですが、例えば今回でいうと医療や精神的ケアの領域については医療的に誤りがある内容は絶対にNGですし、その専門領域が何故必要とされているのか社会的背景および医療分野における文脈を結び付けて事業プランを作る必要がありました。
今回、たまたまですが、Grant Writerとして手伝ってくれた友人が元出版社でその専門領域の編集プロジェクトに参加したことがあり、専門領域のカバーも出来たというミラクルなマッチングがありましたが、それが無ければ私一人ではできなかったと思います。(そしてそのライターは、非営利組織の記事も書きなれており、かつ非営利組織での勤務経験もあり、人柄的にも信頼して任せられるというミラクルのミラクルが起きたマッチングでした。。) - ライティングスキル(記事作成)
当然ながらライターとしてのスキルも必要です。リーダーの頭の中にあるBig Visionをヒアリングし、言語化し、それを助成金プログラムの趣旨に沿う形に適切に変換し、かつ適所に「非営利セクターのトレンドワード」を入れながら相手の目を引く文章に仕上げていく…
プロのライターであればいつもやっていることだと思いますが、「非営利セクターのトレンドワード」はこの業界にいる人じゃないとピンときにくいのかなと思いますので、そういう事に感度を高めていくことも重要だなと感じました。 - 資金提供者側とのコネクションや、過去採択者とのネットワーク
必須ではありませんが、あってよかったなと思ったのがこのコネクション、ネットワークです。正直、募集要項読んでいるだけでは真意が測りかねる事があったんです。そんな時には、助成金プログラムを出している担当者や過去に採択された団体の人に直接連絡を取り、率直に質問をしていました。この手段は裏口ではなく(笑)、どの助成金プログラムも応募を考える団体からの質問は受け付けていますので、必須ではありません。ただ、〆切まで日が短い中で迅速に情報収集が出来たのは日ごろからのご縁があるからというのは大きいなと実感しました。
【Grant Writing Supportに必要なこと:番外編】
〇支援を受ける人と支援する人の相性(気持ちのマッチング)
あくまで番外編なのですが、結構大事だなと思うのは、Grant WriterとNPOの相性かなと。上述したようにプロボノとしてやるにはかなり大変な作業なんです、Grant Writing って。だから「リーダーの理念や志に心から共感しており、その事業の実現のために自分が貢献できる事が嬉しい」と思えるかどうかがとても重要です。また、その気持ち無くして申請書は書けません。(これは断言)
それもあって、今回は支援するリーダーの募集はJapanese Women Leadership Initiativeのリーダーコミュニティ(クローズド)に限定しました。結果、とても尊敬できるリーダーの方々とご一緒でき「その事業をぜひ実現したい、実現に向けて自分の力で役に立てることがあれば」と強く思えたのでやりきれたのだと思います。
正直に言えば、2歳の子供がいる私にとって保育園が登園自粛になったあのコロナの時期に通常の仕事もこなしながら、更にこのような重たいプロボノの時間を取ることは並大抵の事ではありませんでした。
これが例えば、私のことを「申請書を書いてくれる代筆屋さん」ぐらいの扱いしかしてこないリーダーだったら、きっとこんなにもしっかりとは取り組めなかったと思います。
素晴らしいリーダー達が、この社会全体が混乱に陥りかけている中、新しい挑戦をしようとしている。そしてそれをスタートさせるために私のスキルを活かすことが出来る。
そんな素晴らしいめぐりあわせがあったからこそ、やり抜くことが出来ました。
【終わりに…雑感のまとめ】
アメリカではGrant Writerという職業は一般的だそうです。獲得した資金の10%程度を成功報酬として貰う、ファンドレイザーの一つの仕事として確立されているそう。
日本では「助成金確定前の費用は助成金から出せない」という理由から職業として広がっていくのはまだまだ難しそうな印象ですが、今回のプロボノ経験で間違いなく必要とされている職業、スキルだなと感じました。(ファンドレイザーの皆さんはもうやっていると思いますが、Google で検索してもその成果報告等があまり出てこなかったんですよね~。)
最後に青臭い事を言いますが、「想いあるリーダー」と「資金提供という方法を通じて社会をよくしていこうと思う志あるお金」のマッチングの一助を担う事ができたのが一番嬉しかったです。まだまだコロナの影響は収束の様子を見せませんが、(私がサポートした非営利組織に限らず)資金提供を受けた多くの非営利組織の事業を通じて、社会的弱者が救われ、少しでも明るい方向を向くことを心から祈っているとともに、自分でも更にできることを探していこうと思っています。
コロナ禍におけるGrant Writing Support実施報告(1)
少し前になりますが2020年に行ったプロボノ活動として最も力を入れた「非営利組織に対するGrant Writing Support」活動について、実際にやってみて色々な知見が溜まったので備忘録がてらブログにまとめたいと思います。
最初にお断りしておきますが、私自身はファンドレイザーとしての資格も経験も全く無く、あくまで一介の非営利セクターの人間です。その為、プロのファンドレイザーの方から見て「それは違うんじゃないか」等のご意見もあるかもしれませんが、私自身が手を動かしてみて得た実感と知見をまとめておこうというのがこのブログの目的です。
また、いくつかお問い合わせいただいているのですが、Grant Writing Supportはあくまで私のコロナ禍におけるプロボノ活動のため、これを収益化し事業として実施する、もしくは恒常的なプロボノ活動とするつもりはありませんので、ご承知おきの上、ご覧ください。
【Grant Writing Supportを始めたきっかけ】
2020年、Covid-19により少しずつ、でも気が付いた時には急速に、私たちの生活に影響が及ぶ事態となっていました。忍び寄る緊急事態に対して、非営利セクターのリーダー達はこれまでの活動の知見を活かして一早く対応を開始、Facebook等でその活躍を拝見しながら、私自身はこの事態において何をすべきか考えあぐねていたのです。
Covid-19に対応しようと奔走するリーダーの様子を見て、「直接的に役に立てることは無いか。」そんな風にヤキモキしながら考えていた末に思いついたのがGrant Writing Supportでした。
Covid-19による社会的な影響の大きさが現れ始めた2020年3月~4月ごろから、民間財団による大型助成プログラムが相次いで開始されました。社会的弱者に対する活動を行っていた非営利組織リーダー達は、その助成プログラムにエントリーし、未曽有のこの事態に対応する資金を手に入れることが出来る訳ですが、当然ながらエントリーするための「申請書」の作成にはかなりの時間と労力を要します。また、申請先によって「書き方」の工夫が必要になること、また申請先によって項目が全く異なるためコピー&ペーストによって効率的に出すということも出来ません。
こうした事情により、リーダー達が動きたくても動けずにいる。そんな状況を目の当たりにし、ふと閃いたのが「申請書を書くサポートをすればよいのではないか」というとてもシンプルなアイディアでした。
前職のNPOで「助成金の申請書を見る」立場にあったこと、また現職のNPOの事務局長として「書類を書く」事には慣れている事、この二つはこの事態に生かせる私のスキルだと思い至ったのです。
ただ、また各団体にとって貴重な助成金申請の機会をファンドレイザーとしての経験も無い私が「やります!」という意欲だけで奪ってしまっていいのだろうか、全く助成金が取れなかったらサポート先のNPOに対して顔向けができない。
そんな不安があり、公開してサポート先を探すのではなく、フィッシュ・ファミリー財団(拠点:ボストン)が運営するJapanese Women Leadership Initiativeのプログラム卒業生が集まるクローズドコミュニティの中で趣旨に賛同いただけるNPOを募集し、支援を開始することにしました。(私も同プログラム卒業生で、コミュニティについて良く知っており、やりやすかったというのが理由としては大きいです。)
実施内容
細かく書くと大変なので…ざっくり以下の3点を行いました。
- 民間財団に申請する際のGrant Writing(申請書作成サポート)
- 行政等の補助金申請書記入サポート
- 税理士等の専門家との相談会の開催
このうち、今回は特に「1.民間財団に申請する際のGrant Writing」の実施における気づきについて書こうと思います。
実施結果報告(定量結果)
こうした活動は結果がどれぐらい出たのかもとても大事なので、先に報告するとコミュニティ全体で合計数千万円台前半の獲得金額となりました。このうち半分ぐらいが私が直接的にディレクションおよびライティングを行って獲得した金額、もう半分ぐらいがコミュニティメンバーの方々との連携により、場を設定したり、波及効果的にコミュニティメンバーが獲得した金額です。
※合計金額には民間助成財団以外にも行政からの補助金等も全て含みます。”申請さえすれば獲得できる”補助金もカウントしていますので「テクニックじゃなくない?」という見方もできるのですが、非営利組織のリーダーを良くご存知の方であれば「出せば獲得できる資金の申請書を書く暇もない、また書類を目の前にすると手がフリーズしてしまう」という状況の中で、その申請をサポートする存在の意義の高さはご理解いただけると思います。)
実施結果報告(支援を受けたリーダーからのコメント)
支援を行ったリーダー達からは以下のようなフィードバックを頂きました。活動を開始した時には想定していなかった「助成金申請のテクニック」以外のところでの貢献が大きかったことが明らかとなり、大きな発見でもありました。(改善点も教えてほしいとお願いしましたが、あまり聞けず。資金獲得の支援をしたのでネガティブな事は言わないだろうなというのは前提としてありますが。笑)
(プロジェクト・マネジメント面)
- 新しいプロジェクトであり、放っておけば後回しになりかねないところを、先に進む後押しをしていただけた
- プロジェクトマネジメントをしっかり行っていただけたこと(内容の精査から、進行管理まで・・・)
(事業計画面)
- 詳細が詰められていない部分について、丁寧にヒアリングしてくださり、質疑応答を繰り返すなかで、計画を詳細化していくことができた
(仲間づくり)
- 丁寧にヒアリングしていただき財団に対する言語を一緒に作る中で、自分たちのほかの場面でのプレゼンもブラッシュアップされ、仲間が増えた。
(精神的安心感)
(助成金申請の知識面)
(総括的コメント)
- このような存在が団体に伴走してることでの社会への波及効果ある。誰かに伴走してる人の伴走者がいることは、どこかで孤立がうまれるのも防ぐしエンパワメントが連鎖してくなとも思う。
…なんだかどんどん長くなってきているので、二回に分けます。。。
「鬼が来るよ!」と言わずに済む我が家大ヒットの睡眠導入グッズ
えーっと、いきなり引かれるかもしれないのですが、我が家、夜になるとオバケか鬼がやってきます。
しかもオバケ、結構怖いんですね。
9時になると「あー、9時オバケが来た…!」って言われて、
9時半になると「え、、、今、9時半オバケが窓から娘ちゃんの事、見てた…💦」
10時になると、どこからともなく、「トントン…トントン…」と何を叩く音が聞こえ始める………
そんな手の込んだオバケシリーズで寝てくれてたのは2歳前まで。2歳になるとさすがに効かなくなってきて、遂に鬼が登場します。
最初は、「鬼が来るよ!」だけで済んでたのが、最近は効かなくなり、ついには「鬼から電話」がかかってくるアプリを入れ、「…!!!鬼から電話来た…!!!」とガラスの仮面ばりの演技で場を盛り上げる訳ですが。
…あまりにも、あまりにも効きすぎて(笑)本人、トラウマになってるんじゃないかなぁーと心配になるレベルで、泣き叫びながら寝るんです。
もう、11時近くになると「そうしてでも寝てほしい」という気持ちが強くなってつい使っちゃうのですが、何か良い方法ないかなぁと思ってました。
そんな時に見つけたこちら。「お空の絵本」
https://osora-no-ehon.oyakonojikanlabo.jp
スマホに取り付けるミニプロジェクターで、天井や壁に投影しながら、子供に寝かしつけ絵本を読んであげられる知育玩具です。
こういう本体を買って…
絵本は、別売のカートリッジを購入します。たぶん、15ー20種類ぐらいのシリーズがあって、年齢に合わせた絵本のチョイスができるようになっています。
本体がトーマスのバージョンもあるみたいで、トーマス好きな娘にはこっちを買えば良かったと後悔中…
それでも、絵本の種類にトーマスがいくつかあるので、娘が好きなものをいくつか買い、寝る前に楽しんでます。
この絵本のメリットは、
1、「暗くしないとトーマスが見れないよ!」という声がけに素直に納得する。
うちの娘、そもそも電気消すのを嫌がる…のに、電気消さないと寝れないんですね。なので、まず「電気を消す」ことがスムーズにいき、ストレスが減りました。笑
2、暗い中、ゴロンとすることに納得する。
ゴロンとしないと見れないので、自然とゴロンします。以前は、もー、このゴロンとするっていうのがハードル高くて高くて…大人になったら『寝るのが幸せ』になるのに、子供はなぜこんなに寝ないのか!?
でも、プロジェクターは明かりがついてると見られないので、『トーマス見たかったら、電気消して、ゴロンとするよ?』というとすんなりゴロンしてくれるようになりました。
3、途中で起き上がってどこかに行かなくなった。
これまでは、『にゅーにゅー(牛乳)のみたい!(から、居間に行かせろ)』、『アイス食べたい(から、居間に行かせろ)』、『パパは〜?(パパに会いたいと見せかけて、寝室から脱走したい!)』等々…寝室に入ってから外に出たがって大変で大変で…
でも、この絵本はカートリッジを変えたら違う絵本になるので、飽きてきたみたいだなと思ったらすかさず違う絵本に替えて、『あれー?まだ見てないやつが始まるよー?』とやると戻ってきてくれる。。なんて、、なんて素晴らしい…
4、何より『恐怖心を煽って親の言うことを聞かせてる』という罪悪感が無くなる!
これが一番の価値かも。ともかく、穏やかで、優しい、ホームドラマに出てきそうな寝かしつけの時間が訪れます。母のメンタル的にとても良い。笑
お値段も手頃なので、本当にオススメです。願わくばあと一年くらいは楽しんでくれますよーに!
友達家族との子連れ旅行のススメ
今年の年末年始は、インドネシア・バリに滞在しました。
国内旅行好きの私と、海外旅行好きの夫と好みが違う夫婦ではありますが、子供が小さいうちは、気を使わなくていい海外(アジア)にどうしても足が向きがちです。(でもそろそろ、子供に日本の地域の魅力を体験させたいと思って、とある地域のコミュニティハウスの会員になりました♡)
今年の年末年始は、どうするかねぇ〜なんて話しているうちに、年末に近づいた時に急に夫が言い放った一言…
「年末年始で、論文一本書き上げないとやばい…」
そうです、実は大学教員でもある夫、とある事情で論文を書かねばならない事情になったのです。
そんなわけで、私は年末年始、ワンオペ育児決定!もう、この時思ったのです。
「ワンオペだろうがなんだろうが、楽しかった!と思える旅行先にしないと、新年早々、死闘(単なる夫婦喧嘩)の果てに死者が出る!(死者はもちろん夫)
しかしながら、時すでに遅し。国内のめぼしい旅館(しかも子連れフレンドリー)は一泊2-3万(一人当たり)超え!どう考えても二泊が限度…!論文、書き終わらない。(最低でもフルタイムで5日は必要とのこと)
いやー、国内のホテルって高い…(準備不足なだけだけど…)
海外も正直、子連れで行きやすいところは粗方行っていて、目新しさもないし、テンションもらあがらないなぁ…なーんて思ってた所に、
そういえばお友達家族がバリに旅行いくって言ってたじゃん…!
と思い出して、急遽「行ったら、一緒に遊べる?」と聞いたら快くオーケー!(神!)
※お友達家族は、私の娘より一歳年上のお子さん持ち。
これまでも子連れで泊りがけで遊びに行ってきた仲良しのお友達なので、それだけ一緒にいたら色々話せるし、楽しいしでワンオペなんて気にならないぞー!
…ということで、旅行先決定!急に旅行が楽しみになってきた。笑
ホテルトラブルとかは色々あったけど。汗
でも、すっごい楽しかったので、「友達家族との子連れ旅行」の良かった点を書いてみたいと思います。
①何より、自分が友達に会えてたのしい。笑
まあ、正直これに尽きる。笑
旅行中、いっぱい時間はあったはずなのに結局「時間足りなかったね!?」って言ってたけど笑
普段、海外在住な友達なので、会って話せるのが楽しい。
②同じく子連れなので、タイムライン・配慮のポイントが同じ
例えば、お昼寝の時間を考慮した移動スケジュールだったり、子連れならではの気になるポイントを暗黙知で共有してるのでストレスフリー!
騒ぐ・泣く・予定に遅れるも、お互い理解があるので、気を使わない…楽…楽すぎる…
③子供が楽しそう!
一歳上のお姉ちゃん(友達の子供)は、娘にとって大きな存在。同じことをやりたがって、それも良い刺激になったようでした。帰国後、夫が「娘ちゃん、年末年始で活発になったね?!」と言ってましたが、間違いなくお姉ちゃんの影響強し。
④スケジュールをゆるーく決められる
同じ子連れなので、日中に色々なところに行く予定を立てる必要もなく、「ウチの子はホテルのプールで大満足だけど…」「うちもうちも!」みたいな感じで、わざわざ特別なアクティビティを用意する必要がない!楽!!そして子供は楽しい!
結局、会った日は毎日プールに入ってた…笑。そしてそれが一番子供たちにとって楽しかったと思う。
…他にいっぱいあるけど、キリがないのでこの辺で…
1番の効能は「ワンオペ育児にも関わらず、一度も夫にイライラしないで、楽しく過ごせた!」ということかなぁと。笑
あと、「現地集合・現地解散」だったことも大きなポイントだと思う。前後は、自分たちの家族だけで遊んでたし。
あ、書き忘れてたけど、「トイレ行きたいからちょっと見てて!」みたいなのがお互いに出来るので、親的にはすごい楽!というのもありがたかった…。子供もお友達と楽しく遊んでいるので、泣かれることもないし。
もう少し大きくなったら「子供の友達家族と」みたいなことも発生するのかもしれないけど、「自分の友達家族と」は、自分が楽しいし、楽だし、とにかく、まぁ楽しかった!笑
今後も続けたいなと思うことの一つです。
新しい学校教育のかたち - Most Likely to Succeedを見て
最近、私の周辺(主に教育系NPOの方々)を騒がせている映画「Most Likely to Succeed」の上映会に夫婦で参加してきました。
Most Likely to Succeedについては、上映会を開催している以下の団体のサイトが詳しいので、ぜひご覧ください。
FUTUREEDU TOKYO
「Most Likely to Succeed」 は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、「学校は創造性を殺しているのか?」TEDトークで著名なケン・ロビンソン卿、カーンアカデミーのサルマン・カーン氏、ハーバード・イノベーション・ラボ所属の、トニー・ワグナー氏などの有識者や多くの学校取材を2年間積み重ねられ制作されたドキュメンタリー作品です。2015年の公開以来、7000以上の学校や図書館、公民館といった公共施設や、SXSW edu を含む教育カンファレンスなどで上映されています。
米国のカリフォルニア州にある High Tech High というチャータースクールに通う二人の高校1年生の成長を追いかける過程で、日本と同様な受験偏重型教育と、生きる力を身につける実践的な教育のバランスをどう考えるかなど、国は違えど似た状況も多く、教育を取り囲む様々な視点について考えさせられる作品です
我が家の娘は今年の前半で2歳になります。北海道出身で、地方あるあるの「公立校が最もレベルが高く、安定した教育環境を提供している」地域出身の私と、「クラスの半分以上が中学受験をする」地域出身の夫。
それぞれが経験してきた教育環境は違えど、共通した認識なのは「自分たちが受けてきた教育では、娘の生きていく時代には立ち行かなくなる」ということでした。
一方で、「より良い教育環境」を求めたとしても、今持っている情報では定番なルートしか示しません。
「有名幼稚園にお受験で入れて、小学校受験をさせて、エスカレーター式で大学まで?」、もしくは「激戦の中学受験」をさせる?
本当にそれでいいのだろうか。現在の仕事の50%は概念を獲得したAIに代替されると予想されている。しかも技術進歩のスピードを考えるときっとそれ以上だろう。
娘が幸せに生きていくために、親である私たちは何ができるだろうか。
そう考えたのが始まりです。
幸せに生きていく要因はいくつもあると思いますが、最も重要なものの一つは「教育環境」だと考えています。人は環境によって成長し、自ら成長するスパイラルに入っていける。
娘が幸せに生きていくための学校って、どんな学校だろうか。
そんなことを考えながら日々情報収集をしていたところ、この映画を知りました。
結論から言うと、すっごく面白かった!
そして夫婦揃って「公立校」ではない、娘に合った学校を探そう(かといってお受験させるブランド私立校ではないと思う)という結論で合致しました。
以下、映画を見た所感。
1. 「新しい教育」のかたちは素晴らしいが、基礎学力がつかず、結果として彼女の「出来ること」を狭めることになるのではないか。という疑問が解消された
学校に居る時間は限られています。そしてテキスト・ラーニング(教科書による授業)は、今ですら詰め詰めで、既定の時間内に内容を終わらせるだけで手一杯。
一方で、アメリカ留学時に受けた大学の統計学101の授業では、「英語での理解が大変だけど、内容は小学校~中学校レベル」の説明が繰り返し、繰り返し行われていました。同じく詰め込み教育を受けてきた中国人、韓国人、そして日本人は英語さえ理解出来ればあとは楽勝、という感じ。
詰め込み教育と批判されがちですが、一定水準以上の授業がしっかりと行われてきたことによる、高い基礎学力は評価されて然るべきだと感じています。
そうした基礎学力は、新しい学校教育の形では身につかないのではないか。その結果、娘が「出来ること」の幅が狭まるのではないか。そんな疑問を持っていました。
映画の中では、その疑問に一つの回答が示されていました。
詰め込み教育やテキスト・ラーニングに代わる新しい教育スタイルとしては、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)等があります。
映画の中でも、PBL型授業が行われる学校が紹介されていました。あるプロジェクトが生徒に課され、プロジェクトを実行していく中で必要な知識やスキルを身に着ける、科目横断型の手法です。
プロジェクトといっても、図工の時間に制作物を創るのとは訳が違い、生徒たちは半年間かけてテーマに取り組み、その中で「国語・歴史・物理・数学・生物・美術」等の知識・スキルを習得していきます。
こうして、テキストは使わないものの、教師の絶妙なファシリテーションにより、生徒たちは自然と「学ぶべき時に必要な知識を学ぶ」といった事が行われる訳ですが、その学校の教師(いずれの教師もハイレベルな知識を有した人物)も、映画の中ではっきりと言っていました。
「この学校で行われるPBL型授業では、テキスト・ラーニングで学ぶ内容の40-60%しかカバーできないだろう。」
PBL型授業では、チームでのコミュニケーションにも時間が取られるため、テキストで学ぶのより効率が悪いのです。
この学校に通わせている親からの率直な疑問も紹介されていました。
「この学校に通っていて、本当に大学受験はパスできるのかしら。」
(実際には、この学校の卒業生が有名大学に進学する割合は同じ州の州立高校より高いという結果が出ているそうです)
この疑問はまさに私が知りたかったことの一つでした。この問いに対して、映画内での回答は「それでもコミュニケーション・スキルやクリティカルシンキング等のソフトスキルを身に着けることの方が、子供たちにとっては重要なのではないか」ということ。
…まあ、そうなんだけど、それはもう知ってるし…それでも気になるから別の角度の意見が知りたいんだよなぁと思っていたところ、ピンとくる内容がありました。
それは、「統一テストで優秀なスコア(A)を取った学生たちが、数週間後に同じテストをもう一度受けたら、軒並み低スコア(E)を取った」という研究結果です。
つまり、「詰め込み知識でテストは乗り切れるけど、すぐに忘れてしまう。学校で教えられるのは不活性知識である」ということ。
…そっか。忘れちゃうのか。確かに私も覚えてないもんな…
ここから以下の2点を考えました。
- 忘れてしまう知識を詰め込むことに時間を使うより、「必要になった時に自ら学べる力を身に着けることが有意義なのではないか」、「学びたい、取り組みたいという意欲を育むことの方が結果として、”忘れない知識”習得に繋がるのではないか」
私は30歳を超えて今さらながら統計学の勉強を始めていますが(仕事で必要に迫られて)、学生時代はチンプンカンプンだったものが今、興味を持って勉強すると理解が早い早い…そして面白いです。習ったことも忘れない。でも、「学ぶことは面白い」ということがインプットされてないと学ばないと思うんですよね。だから、学校で体験させるべきことは「学ぶ面白さ」なんだろうなと思いました。 - 今、「学ぶべき」と言われている内容は本当に「全てを学ぶべき」内容なんだろうか?
これ、そもそも論ですが、教科書に載っているのは「文科省制定の内容」であって「激動の変化がある未来からの逆算で設定された学ぶべき内容」ではないんですよね。そして学んでいる理由は「大学受験に必要だから」。
この状況に一度疑問を投げかけてみる必要があるなと感じました。
2.忍耐力は育まれるのか?
私もちょっと古い考えな人間なのかもしれませんが…笑
「質は量から生まれる」と考えている人間で、新しいことを始めるにはまず「量をこなす」ことの大切さを信じています。一方で、新しい事なので最初は出来ないことが多いですし、失敗して落ち込んだり、とにかく「量をこなす」ことは大変。
こんな時、これまで育まれた「忍耐力」に助けられているなぁと感じるのですが、PBLって忍耐力って育まれるのかな、テストに向かってがむしゃらに何時間も勉強したから身についたんじゃなかったかな。と思った訳です。
しかし、映画の中で語られていたことには大変納得しました。
曰く、「プロジェクトは、いわゆるものづくり。ものづくりは、長い時間をかけて完成させていくものだからすぐには報酬は発生しない。しかし、テストでAを取るのは、すぐに報酬が発生するもの」。
うん、確かに。仕事も一緒で大きなプロジェクトになればなるほど、ゴールは遠い。それでも完成に向けて進めていく、というのはすごい忍耐力だ。(しかも一人で出来る勉強とは違って、チームでやらなければならない。)
きちんと設計されたPBL型授業では、社会に出た時に必要な忍耐力も育まれるんだろうなと感じました。
3.どんな人間が育まれるのか?
この疑問については「良く聞かれるけど、人それぞれだから、なんとも言えない」という回答。(それはそーだ。そういうことを大事にしている学校だから。笑)
でも、映画で紹介された生徒の中で、印象に残った生徒がいます。
映画で追ったのは、4週間かけてエキシビションに向けてチームで制作物を創る授業。「文明が起り、滅ぶまでを理論化し、具体的なものを作る」というのがお題でした。
ある男子生徒は、次から次へと新しいアイディアが思い浮かび、それを口に出さずにはいられず、またそのアイディアにワクワクして次々と設計図を更新していく、そんな男の子。
技術クオリティ責任者でもあったのに、そうした性質もあって、結局エキシビションまでにものを完成させられませんでした。複数あるチームの中で、完成に至らなかったのはその男の子のチームだけ。そして完成しないのは、本当にごく稀なことだそうです。
そんな男の子に対して、エキシビションの振り返りを授業で行った時の教師からのフィードバックは
「あなたは、ビジョナーだけど、プランニング力や人のアドバイスを聞く力が足りなかった。それは反省点。でも、私たちはあなたの良さであるビジョナーな所を失ってほしい訳ではないの。」
男の子もそれに対して「自分は、技術責任者で皆を引っ張っていく立場だったのに…」と反省をしていました。
「努力が報われなかった時こそ、自分自身を見つめなおすきっかけになる。今回のことがあったから、彼は自分の不足していることを受け止められただろう」と教師は語ります。
素晴らしいなぁと思ったのは「あなたの良さを失ってほしい訳ではない」と教師から明確に伝えられたところ。また、不足している点について、安心安全な環境でフィードバックがあり、こうしたトレーニングを積むことで成長し、自信を深めていくんだろうなと感じました。
感想は「疑問が解消されてすっきりした!」
内容からの学びもさることながら、ドキュメンタリーとしても非常に面白かったです。登場する生徒の成長に感動して、5回くらい泣きました。(笑)
内容について、まだまだ書き足りないけど、長文になったのでこの辺りまで…。
あ、あとこの上映会を主催した会社の代表のメッセージが朗読されたのですが、その中で仰っていた、「自分のものさしで、自分の幸福度を決められる人になることが、今、大事なのではないでしょうか」という一言にいたく納得。混沌とした、多様な価値観が普通になる世界において、「私の幸福」は自分で決める。これが一番「私、今しあわせだな」と思えるようになるんだろうなと思いました。
夫が1か月のワンオペ育児を経験して何が変わったか
私、生後10か月の娘が居ながら、1か月間ボストンに滞在していました。
日本のソーシャル・セクターの女性リーダー向けに提供されている、Japanese Women Leadership Initiativeという、ボストンをベースに活動を行うフィッシュ・ファミリー財団が提供するプログラムに参加するために、です。
それに参加して自分の人生がどう変わったかはまた別に書きたいと思っていますが、
みんなから同じことを聞かれるんですね。
「その間、娘さんはどうしたの?連れて行ったの?」と。
実はこのプログラム、子連れ参加NGのプログラムなんです。アメリカは未成年の保護者に対する規制が非常に厳しい国(すぐに虐待で通報されたり)ということもあって、子連れ女性に対してサポートを提供するまでは難しく、どうにかして1か月間、子供を日本に置いていかなければならない状況でした。
生後10か月といえば、離乳食中期で少しずつ喃語も出てきて、ハイハイも少しできるようになって…と可愛い盛りです。当然ながら、私の心の中には「こんな可愛い子の1か月を捨ててまで、私が、今、このプログラムに参加する必要があるのだろうか」。
そんな葛藤がずっーーーーーーーーと残っていました。
そんな状態だった私がプログラムに参加した理由は、一つは夫の存在があります。
夫がどんな人かというと、
・誠実
・裏表がない
・誰に対しても丁寧
・滅多な事では怒らない、イライラしない
・論理的で合理的判断の塊
といった人です。
あ、そうそう、忘れてましたが何より、「娘LOVE♡」です。その次ぐらいに私が来ていると…いい…な…という感じですが、私という2番手がいることを感じさせないぐらい、,<<< 娘推し >>> な激甘デレデレパパです。
年齢が17歳離れている年の差婚ということもあって、30代・40代のキャリアの築き方を考えていかなけれればならない私にとって、良いメンターでもあったりします。
そんな中で、今回のこのプログラムへの参加、実は夫が激推ししてくれたから実現したものでした。
1か月、子供を置いてボストンに妻が行く。
この選択を妻が気後れしているにも拘わらず、「絶対、行くべきだよ」と背中を押してくれる夫はこの世の中に一体、どれぐらいいるでしょうか。(いっぱいいることを願ってます)
多分、一度でも夫が「やっぱり…ちょっと心配だから…止めてほしいかな…」とでも言ったら、
「やっぱり!?!?そーーーーーだよね!!!わかった、すぐ事務局に辞退の連絡する!!!」となっていたと思います。
でも、夫は一度も言いませんでした。むしろ、このチャンスをどう生かすべきか、夫婦で色々話し合えた、とても良い機会になったと思います。
一方で、現実問題、夫は仕事は超絶忙しく、土日もフル稼働しているような人間です。平日の夜、子供が寝る前に帰宅できる日が週1日あれば良い方…というぐらいなので、夫がワンオペ育児をするためには、色々な準備を整える必要がありました。
頼った先は、
①義母(夫の母):元教師。区立保育園での保育補助業務従事経験あり。
②ベビーシッター:本業ではないものの、こどもに関わる経験あり。
の2人の方。
義母には、夫がお迎えが難しい日のサポートを、ベビーシッターの方にはゴールデンウイーク期間中の日中のシッティングをお願いしました。
そんなこんなで、私が一人で子供を見ている時よりはかなり体制が厚いものの、無事1か月間、海外研修に行く機会を得られました。
手厚い体制を整えたものの、ワンオペ育児という状況に変わりはありません。
夫は、一人で朝、子供を保育園に連れていき、仕事が早く終われる日はお迎えに行き、ごはんを作り、お風呂に入れ、寝かしつける。
そんな1か月のルーティンの中で、
・私が行き忘れた乳児健診に連れて行き。(これは本当ごめんw)
・急な発熱に対応し。
・保育園から日々指示されるアレコレに対応する。
そんな日々を送ってもらったところ…
1か月の研修を終えて、帰国したら、なんだかより「一緒に育児をしている」感覚が強まったような気がします。
■変化その①:「”今”来てほしい」の暗黙の共有値が高まった
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そもそも娘LOVEなので、育児全般を私抜きでやれるぐらいではあったのですが(1か月も離れる前には何回も夫のワンオペ育児は経験済み)、
帰国後、「あ~~~、”いま!”、ちょっときて手伝ってほしいんだけどなぁ」という、見えない要望を汲み取ってくれることが増えました。
元々、「必要な箇所に手助けにいく」ということは当たり前にしていた夫ですが、ワンオペ育児を経験して「必要な箇所」への想像の範囲が相当広がったようです。
極端に言うと、育児って一人でやろうと思えばやれるじゃないですか、めっっっっっちゃ大変で辛いですけど。(もう一度言いますけど、大変すぎて、辛いですけど。)
で、その中で「手がもう2本あれば、楽なのに」とか、「気晴らしに誰か居てほしい」とか、そういう要望ってあると思うんです。
うちの場合は夫のワンオペ育児経験後、この「特に要望してないけど、来てくれたら嬉しい」というタイミングに絶妙に来てくれるようになりました。
これ、地味に嬉しいんですよね。地味すぎてお礼言い忘れるぐらい。
しかも、「手伝ってくれる?」と頼むには小さすぎる頼みでわざわざ下の階から呼び出すほどでもないし(我が家は2階建てです)、むしろお願いするためにタスクを整理して切り出したりする方が面倒、というときが以前はあったのですが、今はほとんど無くなりました。
これが精神的に一番嬉しい…です。
■変化その②:「自分で先回りして調べる」ことが増えた
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「ママがこどもの事をよく考えている、方法を提案してくる」のは何故かということを考えると、それって「じっくり観察し、その症状や状況を検索し、同じ状況の子どもにどう対応しているか、ぐぐってる」ということだと思うんです。
お座りをサポートするためにコレ買おうよ、とか。ベビーゲート、そろそろ買わなきゃ、とか。
色々な情報が入ってきたり、自分で探しに行ってるから提案できるんですよね。我が家も以前は、全て私がリードしていました。
…が、ボストンから帰ってきた時、私では気づかない視点で娘を見て、対応を検索したり、それを私に共有してくれたり。
異なる視点2つから娘の成長を見守る体制ができた、という風に感じています。こうして信頼できるパートナーがいることは育児を行うことにおいて本当に重要だと思います。
■変化その③:夫の育児手法、考え方へのリスペクトが生まれた
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この変化は夫じゃなくて、私の変化かもしれませんが、さすがに1か月間も育児をすると夫も学びます。笑
だから、夫が提案してきた事や感じたことに対してリスペクトを持って接するようになりました。(それ以前はなんだったんだ、という話でもありますが。笑)
結局、育児って正解がないものなので、夫婦で話し合って自分たちなりの正解を見つけていくしかないと思うんです。
その意味で、「娘の状況を十分理解し、お互いに対等に話し合えるパートナー」になったということは非常に大きいなと感じました。
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「夫のワンオペ育児」(妻は仕事)、となると今の日本社会だととにかく
・まあ、旦那さん、偉いのね~~~~!
・奥さん、小さいお子さんがいるのに放置するだなんて…母親失格よ!
みたいな風潮になりがちなところ、今回、夫からのサポートがあって自分にとって無くてはならない1か月間を過ごすことができました。
夫以外にも色々な方からのサポートを頂いて実現したことではありますが、私一人で1か月間、娘をワンオペ育児しろと言われたらしんどいのに(笑)、よくぞ積極的に送り出してくれたなと感心するとともに、本当に感謝しています。
私自身の変化は別途書きたいと思いますが、仕事をバリバリこなしていた女性が出産後も同じように社会に価値を提供し続けられるように。
今回がよい1事例になったらいいなと思っています。
制約があるから物事が進む
仕事でもなんでもそうだと思うのですが、
「全くの白紙の状態です!さあ、自由に絵を描いてください!」
と言われて、物事が進むタイプと、戸惑うタイプと二種類の人がいると思うのです。
私は後者のタイプ。
仕様書にぐちぐち、タイトな〆切にぷちぷちキレながらも、ある程度「制約がある」方が、(色々なものを諦め、そして事情を大人に飲み込みながら)進められるタイプです。
そして、それは子供が生まれた後も一緒。むしろ、その特性がいい方向に生かされていると思います。
子供が生まれたら、とにかく子供が最優先!友達とご飯を食べにいくのも、フラッと飲みにいくのも、行きたいイベントに行くのも、基本的に出来ません。
出来るとしたら、夫とスケジュール調整が出来たら、という前提。それでも、もし、子供が熱を出したら、気になって自分の趣味とかのイベントには行きにくい。(行ってもいいけど、気になって本気で楽しむ、というのはできない)
これは、子供が欲しいと思った時から覚悟していたことなので、そこに文句を言うつもりは全くないのですが、
それ以上に驚きだったのは、「子供が生まれたから、私の人生が計画的に進む」ということ。
子供が生まれたら、我慢の連続だと思ってたんですね。何においても、子供優先。自分のキャリアも何もかも。
でも、短期的な「やりたい事(イベントに行きたい、飲み会に参加したい、夜中まで仕事に没頭したい等)」は確かに叶えられませんが、長期的なやりたい事に関しては、むしろ積極的に進む、という事が分かりました。
例えば、大学院の進学。海外か国内かは決めてませんが、専門性をアカデミックに極めるために修士・博士課程への進学が頭の片隅にありました。
頭の片隅にしかなかったソレは、子供が生まれてから「いつまでに」準備しなければならないか、が具体的に。
だってもし海外大学院に行くなら
・子供の保育園問題(現地の保育園の保育料やビザ、私の勉強時間)
・小学校時期なら、勉強の質
・中学受験するなら、それに合わせて帰国…
…等々、子供の話だけでも検討すべき事項がたくさん出てくるのです。
大きいのは子供の教育かな。
私は母国語教育を重視するので、日本語の定着が重要な時期に海外に出て英語教育を子供にすることがいい事とは思っていません。(早くても中学か高校かな。出来たら高校1年生がベスト)
それと同時に、私の脳細胞の老化問題との兼ね合いを考える必要が出てくるのです…
そんなこんなで、
・子供にとってベストな時期
・私の脳細胞の老化問題
2つをクリアする時期を想定し、それに向けて逆算で自分の人生設計を考えることになるのです。
白紙な状態だと絶対「いつかは」って言って、何か御縁がくるまで動かないですよね。
でも、子供がいると、そんな事は言ってられない。
子供がいる、という制約は、「自分の人生の計画を明確にし、マイルストーンが見え、そしてその行動をせざるを得なくなる」
ということに繋がるんだなぁと。
だからこそ、人生を主体的に動かしていくことに繋がるなぁと。
子供がいたからこそ、ダイナミックに動く人生。
いつか子供が大人になった時に「アナタがいたから、ママはこんな事が出来なかった」みたいなことは絶対言いたくないし、思いたくない。
私は私で、子供に胸を張れるような、自分自身が満足いける人生を目指したいし、その背中をきちんと見せたい。
そんか大層なことを成し遂げようとは思ってないけど、せめて自分の子供には、
「アナタがいたから、ママの人生がこんなに計画的に、進化したのよ」
と語れるようになりたいな、と思っています。