50代アプリエンジニアの積み上げ日記

50代からの学び直しブログ

【読書メモ】心理学的経営(1)

心理学的経営 個をあるがままに生かす

 

読もうと思ったきっかけ

こちらの記事を読んで、「面白そうだな」と思ったのがきっかけです。

comemo.nikkei.com

 

まだ読み始めたばかりですが、言語化できずにモヤモヤしていた思いをスッキリさせてくれる本、というのが率直な印象です。

 

まずは、目次から概観しておこうと思います。

 

序章 心理学的経営とは

第1章 モティベーション・マネジメント

第2章 小集団と人間関係

第3章 組織の活性化

第4章 リーダーシップと管理能力

第5章 適性と人事

第6章 個性化を求めて

 

序章 心理学的経営とは

 

著者の大沢武志さんはリクルートの創業世代の一人です。

東京大学在学中から産業心理学を学び、学会でも発表されていたようです。

そんな著者が定義する心理学的経営とは、経営リアリズムであり、人間を人間としてあるがままにとらえるという現実認識が出発点になっています。

 

抜粋ですが、次のような文章にも、その考えがよく表れているなぁと感じます。

人間を見る眼が本当にリアリズムに徹していますね。

 

そもそも人間の行動は、このいわばノイズとしてのムダな情緒や感情を基底にもつところにその本質がある。効率性と合理性を優先させる組織論は、人間存在の一方の重要な側面を無視している。

 

一人の人間をとらえても、自分のなかに高い目標に挑戦し、困難な課題にも積極的にとりくむ意欲溢れるときがあるかと思えば、一方ではできる限り煩わしいことは避けて、楽をしようとする明らかに怠け者の自分を見出すこともできるはずである。状況によって、相手によって、あるいは気分によって、いずれかの自分が顔を出し、もう一方の自分がかくれているというのが現実であろう。

 

この序章の最後は次の一文で締めくくられています。

 

企業における働く人々の自己実現、そして豊かな人生の実現自体が心理学的経営のゴールなのだが、それは一筋縄では解決に至らない究極、永遠のテーマであることも認識しなければならないだろう。

 

リクルートで実績を残されてきた方の言葉だけに、重みがありますね。

各章の内容もよく味わいながら、この連休中に読み進めたいと思います。

【読書メモ】スクラムの拡張による組織づくり(4)

スクラムの拡張による組織づくり──複数のスクラムチームをScrum@Scaleで運用する

 

前回は第5章の内容を深掘りして学んだことを書きましたが、今回は第6章の内容について書いていこうと思います。

 

その前に、目次を概観しておきます。

 

第1章 スクラムのスケーリングと大規模の難しさ

第2章 スクラムのおさらい

第3章 とあるチームのScrum@Scaleでの1スプリント

第4章 スクラムマスターサイクルとプロダクトオーナーサイクル

第5章 Scrum@Scaleを形成する12のコンポーネント

第6章 現場へどのように導入していくか

第7章 Scrum@Scaleで運用される現場

 

第6章 現場へどのように導入していくか

 

この章ではScrum@Scaleを現場にどのように適用していけばよいかの順序の一例として、次の3つのステップを紹介しています。

 

Step1:SoSを立ち上げる

Step2:メタスクラムを立ち上げる

Step3:改善サイクルを回す

 

各Stepでいったいどういうことをするのか、ポイントになることを書いていきたいと思います。

 

Step1:SoSを立ち上げる

 

SoSとは、スクラムオブスクラム(Scrum of Scrum)の略です。

複数のスクラムチームが同じ目標に向かって活動するために、チームを同期させる必要があります。

その足場となるのが、SoSということになります。

 

SoSは関心事の近いチームどうしが集まって、情報を密にやりとりしていきます。

 

SoSのスクラムイベントしては

  • デイリースクラム(朝会)
  • レトロスペクティブ(ふりかえり)

を必須イベントとして行っていきます。

 

SoSとして何か具体的な成果物を作ることはありません。

 

SoSが立ち上がり、機能しはじめると、SoSだけではすばやく解決できない問題や障害物が増えてきます。

そうした時には、EAT(Exective Action Team)の出番です。

EATには、CTOやアジャイルコーチなどかなり強い権限を持った人が参加するのが望ましいです。

EATは、スクラムマスターサイクルの中核であり、「How」に関する迅速な意思決定を担います。

 

Step2:メタスクラムを立ち上げる

 

メタスクラムとは、プロダクトの共通のゴールやビジョンを共有し、一貫性を持って各チームのプロダクトバックログを作っていくプロダクトオーナーによるチームです。

 

メタスクラムの活動の中心者(チーフプロダクトオーナー)を決めて、メタスクラムのイベントを行っていきます。

 

メタスクラムのイベントとしては、

があります。

 

メタスクラムの活動を円滑に進めるために、高速に意思決定ができる人たちで構成されるEMS(Exective Meta Scrum)があります。

EMSには、CEO、CFOマーケティング責任者、セールス責任者、事業責任者といった経営戦略に関する意思決定権を持った人が参加するのが望ましいです。

EMSは、プロダクトオーナーサイクルの中核であり、「What」に関する迅速な意思決定を担います。

 

Step3:改善サイクルを回す

 

本章の中では残念ながら、あまり具体的なことには言及されていません。

しいて言えば、前回書いたScrum@Scaleの12のコンポーネントについて、自分たちの組織がどの程度実践できているか自己採点し、結果が一番低いコンポーネントから順に取り組んでいけばよい、と突き放すような一言が書いてありました。

 

これはちょっとひどいなぁと感じました。

弱いところを強くするのは、そんなに簡単なものではないと思います。

なぜ弱いのか、その原因を探り、仮説を立て、実践してみて、検証する。

このサイクルを回していくことになるんだとは思いますが、強みを伸ばすのとは違い、弱みと向き合い続けるのはかなりしんどいものです。

このしんどい時をいかに乗り越えるか。

人・組織のレジリエンス力、ネガティブケイパビリティがどの程度あるのか、ここがまさに試されることになると思います。

月刊「先端教育」が面白そう。

今日たまたま日経1面に出ていた広告。月刊「先端教育」。

初めて知りました。

今月号の特集は「AI活用のリスキリング。」

 

www.sentankyo.jp

 

初月無料で購読できるみたいなので、早速申込しました。

これから先のことを考えたときに、「教育」という分野にとても関心があります。

情報収集しながら、キャリア転換にもつなげられたらと思っています。

【読書メモ】スクラムの拡張による組織づくり(3)

スクラムの拡張による組織づくり──複数のスクラムチームをScrum@Scaleで運用する

 

前回は第5章の内容をさらっと書きましたが、今回は同章の内容を深掘りして学んだことを書いていこうと思います。

 

その前に、目次を概観しておきます。

 

第1章 スクラムのスケーリングと大規模の難しさ

第2章 スクラムのおさらい

第3章 とあるチームのScrum@Scaleでの1スプリント

第4章 スクラムマスターサイクルとプロダクトオーナーサイクル

第5章 Scrum@Scaleを形成する12のコンポーネント

第6章 現場へどのように導入していくか

第7章 Scrum@Scaleで運用される現場

 

第5章 Scrum@Scaleを形成する12のコンポーネント

 

昨日書いた、12のコンポーネントについておさらいしておきます。

 

<共通>

  • チームプロセス:2つのサイクルの交差点
  • プロダクトリリースとフィードバック:プロダクトバックログの更新
  • メトリクスと透明性:検査・適応のための手段

 

スクラムマスターサイクルのコンポーネント

  • 継続的改善と障害の除去:開発の障害を迅速に取り除く
  • チーム横断の調整:コラボレーションの合理化
  • デリバリ:完成したプロダクトを届ける
  • EAT:Exective Action Team

 

<プロダクトオーナーサイクルのコンポーネント

  • 戦略的ビジョン:組織全体の方向性を作る
  • バックログの優先順位づけ:価値の提供の最適化
  • バックログの分割とリファインメント:チームの理解を深める
  • リリースプランニング:長期的な計画を作る
  • EMS:Exective Meta Scrum

 

コンポーネントの目指すゴールは何か、それぞれ見ていきたいと思います。

 

チームプロセス

目指すゴールは、開発者、スクラムマスター、プロダクトオーナーからなるスクラムチームが、スクラムのプロセスを正しく行えている状態です。

 

プロダクトリリースとフィードバック

目指すゴールは、プロダクトリリースにより得られた様々なフィードバックを解釈し、プロダクトの継続的改善を促している状態です。仮説の検証もこのコンポーネントの範疇になります。

 

メトリクスと透明性

目指すゴールは、プロダクトのリリースがうまくいっているか、安定稼働しているか等の情報(メトリクス)を継続的に収集し、メンバーの誰にでも見える状態です。

 

<ソフトウェア開発の現場で扱われるメトリクスの具体例>

  • チームのパフォーマンス
    • デプロイの頻度:本番環境へのリリースの頻度。多いほど良い
    • 変更のリードタイム:ソース修正着手からリリースまでの所要時間。短いほど良い
    • 変更失敗率:デプロイが原因で障害が発生する割合。低いほど良い
    • MTTR(Mean Time To Repair、平均修理時間):障害発生から復旧までの所要時間。短いほど良い
  • SLI(Service Level Indicators、サービスレベル指標)/SLO(Service Level Objectives、サービスレベル目標)
    • SLI:システムの可用性に関するユーザー体験を対象とした定量的な測定値
    • SLO:システムに対してどのくらいの可用性を期待するかの目標
  • ビジネスを測る指標
    • 扱うプロダクトによって指標は様々ある
    • 例)SaaSサービスでよく使われる指標
      • ARPU(Average Revenue Per User):1ユーザーあたりの平均収益
      • ARPPU(Average Revenue Per Paid User):有料ユーザー1人あたりの平均収益
      • LTV(Life Time Value):1人の顧客がサービス利用の開始から終了までの期間にもたらす収益の指標
      • Churn Rate:解約率
      • NPS(Net Promotor Score):顧客ロイヤルティ(サービスへの好意・愛着度)を測る指標

 

継続的改善と障害の除去

目指すゴールは、仕事を進める上での障害物となるものを取り除けている状態です。

 

チーム横断の調整

目指すゴールは、関心事の近いチームどうしを結び付けて、密にコミュニケーションができるようになっている状態です。逆に、関心事が遠いチームとは、頻繁に同期しなくてもよい状態を維持する。

 

デリバリ

目指すゴールは、デリバリをスムーズに短いサイクルで実施するために、CI/CDの仕組みを構築し、開発したインクリメントがいつでもリリース可能な状態を保っていることです。

 

戦略的ビジョン

目指すゴールは、チームが有機的に動いてプロダクトの価値を作るために、全体の方向性を定めたビジョンが不可欠。

 

バックログの優先順位づけ

目指すゴールは、プロダクトバックログが「創発的である」という状態です。

 

バックログの分割とリファインメント

目指すゴールは、プロダクトバックログを階層ごとに整え、最終的にチームが作業に着手できる状態にまで落とし込む。

 

リリースプランニング

目指すゴールは、複数のチームに依存関係があり、各チームのインクリメントを統合してリリースするような場合、リリースまでの長期的な計画を作成している状態です。

 

まとめ

スクラムマスターサイクル、プロダクトオーナーサイクルの各コンポーネントの目指すゴールについてみてきました。

次回は第6章の内容について書いてみたいと思っています。

【読書メモ】スクラムの拡張による組織づくり(2)

スクラムの拡張による組織づくり──複数のスクラムチームをScrum@Scaleで運用する

 

前回は第4章の内容について書きましたが、今回は第5章から学んだことを書いていこうと思います。

 

その前に、目次を概観しておきます。

 

第1章 スクラムのスケーリングと大規模の難しさ

第2章 スクラムのおさらい

第3章 とあるチームのScrum@Scaleでの1スプリント

第4章 スクラムマスターサイクルとプロダクトオーナーサイクル

第5章 Scrum@Scaleを形成する12のコンポーネント

第6章 現場へどのように導入していくか

第7章 Scrum@Scaleで運用される現場

 

第5章 Scrum@Scaleを形成する12のコンポーネント

 

まず、12のコンポーネントとは何か、ざっと書き出していきます。

(EATとEMSは昨日のブログでも少し触れてます)

 

<共通>

  • チームプロセス:2つのサイクルの交差点
  • プロダクトリリースとフィードバック:プロダクトバックログの更新
  • メトリクスと透明性:検査・適応のための手段

 

スクラムマスターサイクルのコンポーネント

  • 継続的改善と障害の除去:開発の障害を迅速に取り除く
  • チーム横断の調整:コラボレーションの合理化
  • デリバリ:完成したプロダクトを届ける
  • EAT:Exective Action Team

 

<プロダクトオーナーサイクルのコンポーネント

  • 戦略的ビジョン:組織全体の方向性を作る
  • バックログの優先順位づけ:価値の提供の最適化
  • バックログの分割とリファインメント:チームの理解を深める
  • リリースプランニング:長期的な計画を作る
  • EMS:Exective Meta Scrum

 

明日、改めて各コンポーネントの内容を詳しく見ていこうと思います。

特に、スクラムマスターサイクル、プロダクトオーナーサイクルに共通する「メトリクスと透明性」に関しては、以前書いたブログとの関連もあるので、詳しく掘り下げてみたいと思ってます。

 

gajumarusdgs.hatenablog.com

 

【読書メモ】スクラムの拡張による組織づくり(1)

スクラムの拡張による組織づくり──複数のスクラムチームをScrum@Scaleで運用する

 

組織開発の一環で積読していた本です。

パラパラとめくっているうちに面白くなって、スキミングした中で、印象に残ったことを書き残しておきます。

 

その前に、目次を概観しておきます。

 

第1章 スクラムのスケーリングと大規模の難しさ

第2章 スクラムのおさらい

第3章 とあるチームのScrum@Scaleでの1スプリント

第4章 スクラムマスターサイクルとプロダクトオーナーサイクル

第5章 Scrum@Scaleを形成する12のコンポーネント

第6章 現場へどのように導入していくか

第7章 Scrum@Scaleで運用される現場

 

この中でも、特に第4章~第6章で学んだことを書いていこうと思います。

 

第4章 スクラムマスターサイクルとプロダクトオーナーサイクル

 

まず、Scrum@Scaleの定義から。

Scrum@Scaleとは、通常の単一スクラムチームの活動にチーム間連携のしくみを追加したもの。

そして、このScrum@Scaleでは、開発者たちの活動プロダクトオーナーの活動の2つの軸に分けて定義されています。

これをそれぞれ「スクラムマスターサイクル」と「プロダクトオーナーサイクル」と呼んでいます。

 

スクラムマスターサイクル

重要キーワード

  • SoSスクラムオブスクラム
    • SoSは1つのスクラムチームとして機能する
    • SoSとしてのゴールを持ち、通常のスクラムチームと同じようなイベントをこなしながら、チームが連携して、統合されたデリバリ可能なインクリメントを完成させる
    • SoSにもスクラムマスターがいる(スクラムオブスクラムマスター)
      • SoSの開催支援、ファシリテートを行う
      • SoS全体として障害物の除去、プロセスの改善を行う
      • SoSとして統合されたインクリメントを届けることに責任を持つ
      • SoSそのものの継続的な改善に責任を持つ
    • SoSの最適なチーム数は4~5チーム
    • SoSは共通の関心事どうしで作る
      • 自分たちの仕事をスムーズに早く終わらせるために、自分たちが設計した適切なアーキテクチャに沿って組織を編成する(逆コンウェイの法則)
      • チームどうしの依存関係の強さでSoSの組み合わせを考える
  • チームトポロジー
    • チームトポロジーとは、ビジネスの速度と安定性を実現する技術組織の適応型設計モデルの1つ
    • 4つのチームタイプがある
      • ストリームアラインドチーム:ビジネス価値を生み出すメインチーム
      • プラットフォームチーム:ビジネス価値の提供を支える基盤チーム
      • イネイブリングチーム:チームに必要な知識を届ける学習支援チーム
      • コンプリケイテッド・サブシステムチーム:専門特化チーム
    • 3つのインタラクションモードがある
      • 4つのチームをどのように結合していくか、のバリエーション
  • EAT:Exective Action Team
    • SoSで解決できない障害物をこのチームで解決する(食べる=イート)
    • かなり強い権限を持った人の参加が求められる
      • プロダクトの方針を決定できるリーダー(CEO、CTO)
      • 予算を握っている人(CFO
      • 組織構造や人員配置に関する決定権を持っている人
      • スクラムのプラクティスに関する意思決定ができるアジャイルコーチ(EATのスクラムマスター)

 

プロダクトオーナーサイクル

スクラムチームは、スプリント期間を通してインクリメントを作る。

一方、プロダクトオーナーは、プロダクトの価値を高めるための活動をする。

 

重要キーワード

  • メタスクラム:プロダクトに関する方向性を合わせるためのプロダクトオーナーによるチーム
  • EMS:Exective Meta Scrum
    • 組織全体の戦略ビジョンを策定し、組織全体に浸透させる

 

まとめ

今回は第4章の学びをアウトプットしました。

現在の事業部構造と大変似ていることもあり、理解を深めるため、細かい部分まで書きました。

次回はスクラムマスターサイクル、プロダクトオーナーサイクルのもっと細かい中身について書かれている第5章を見ていきたいと思います。

【TVメモ】今週のカンブリア、ガイア

今週の「カンブリア宮殿」と「ガイアの夜明け」を視聴した感想を書き残しておきます。

 

カンブリア宮殿

www.tv-tokyo.co.jp

 

「や台ずし」を展開する会社のお話。

「お客様にケチをつけられるお店」を目指しているらしい。

気取った店じゃなく、気楽に入ってもらえる店づくりがポリシー。

開店前の朝礼風景も紹介されたが、独特。

お客様を元気良くお迎えするための発声練習も兼ねているとのこと。

 

番組後半で、「赤字が2ヶ月続いたら店を閉める」理由が語られていた。

「赤字の店は会社にとっても、社員にとってもしんどい」

この一言に、この会長の人間味を感じた。

 

や台ずし、いつか行ってみたい。

 

 

ガイアの夜明け

www.tv-tokyo.co.jp

 

高速道路のサービスエリア・パーキングエリアのお話。

旅の目的地にもなりうるぐらい、最近は充実しているらしい。

番組の中で、Youtubeで情報発信しているご夫婦も紹介されていた。

www.youtube.com

 

また、高速道路の利用客以外の一般客も立ち寄れるサービスエリアも紹介されていた。

そこで地産地消の料理を創作しようと、料理長と地元の方たちとの交流模様が描かれていた。

みんなで地域を盛り上げよう、という気持ちが伝わってきて、応援したくなった。

 

チョコZAPもサービスエリアに1号店を出店する、という戦略も面白いと思った。