臨床をしながら、知識のアウトプットについて思ったこと。

医学知識はとにかく膨大で、日進月歩する分野で、日々必要とされる知識量は増加していっている。

今、ブログを書いているこの瞬間にも新しい研究成果が世界のどこかで誕生しているのだ。

常に長生きを求める人類にとっては、うれしいことだけれど、医療者にとってはなかなか煩わしい。

せっかく覚えた最新知識が陳腐なものになったりする。

だからといって、やみくもに知識を詰め込めばいいというものでもない。

常に使える知識は正確で無ければならない。

たとえば、原因菌がわかるまでは、市中肺炎に使う抗菌薬は、マクロライド系にセフェム系をかぶせると覚えても、具体的に用量はどれぐらいいけばいいのか、患者に合わせて決めなければならない。

薬の用法・用量を覚えてなければ、処方できず、全く知らないのと同じになる。

カリウム血症の患者が目の前にいても、具体的に投与するカリウム量を決め、投与速度を指示できなければ、何の意味もなさない。

あらゆる知識はアウトプットできてはじめて、意味をなす気がする。

経験の長い医者にとっては当たり前のことかもしれないが、研修医の僕にとっては、実に新鮮な気づきであった。

セックスは何歳まで?

医者になって、セックスについて少し驚いたことがある。

セックスは僕たち若者の特権だとずっとおもっていた。

ところが、である。

割とご高齢、とはいっても60歳代の男性などで、セックスを楽しんでいる人も多い気がする。ほかにも、よくよく聞いてみると50代の女性も割と盛んだったりする。

世にバイアグラが蔓延しているのも納得である。60になって、性機能が弱ってきても、セックスしたいのである。

ちなみに、患者から性行為歴を聞き出すのは、比較的難しいが、大切な問診項目の一つなのだ。バイアグラは冠血管系の病気を持っている人には、リスクが高いため、隠れて薬を飲んでいないかを確認しないといけない。

命を危険にさらしてまでセックスしないでくれよ、とは思うけれど、60歳でもセックスするんだ、と素直に感心した。

年をとっても男女の関係でいられるのは、幸せなことかもしれない。