悪とはなにか。「ヘヴン」
あらすじ(裏表紙より)
<わたしたちは仲間です> ̄ ̄十四歳のある日、同級生から苛めに耐える<僕>は、差出人不明の手紙を受け取る。苛められる者同士が育んだ密やかで無垢な関係はしかし、奇妙に変容していく。葛藤の末に選んだ世界で、僕が見たものとは。善悪や強弱といった価値観の根源を問い、圧倒的な反響を得た著者の新境地。
<ハッチャの戯言>
「いじめ」「友達」「自分」「悪」。言葉にするのがもったいないほどに汚い美しさがみれます。”普段自分の周りにいる友達は本当に心が通じ合っているのか”、”ただ一人が怖い自分を覆う鎧なのではないか”。自分が当たり前として歩いてきた道はどこか違ったかもしれない。今を必死に生きようとすることにまっすぐぶつかる作品。今の子供たちはきっと馬鹿らしいと素通りする道をここまでかというほどに突き付けられます。
少し元気をもらえる作品!おすすめ小説『ヒーローズ(株)!!!』
あらすじ(裏表紙より)
「なーんの面白みもない人生だったなあ」 ̄病床にある祖父の言葉が頭から離れないコンビニ店員の修司・26歳は、ある日、借りのある同僚から『ヒーローは君だ!』という胡散臭い求人広告のアルバイトを持ちかけられた。その会社にいたのは、ちょっと癖のある人たち。いきなり任された仕事は、今を時めく人気漫画家の”お守り”?わけがわからないながらも真面目に仕事をこなす修司は、次第に信頼を得るように。しかし、修司の前に過去のトラウマが立ち塞がる ̄ ̄ ̄。
<ハッチャの戯言>
無性に明日への一歩を踏み出したくない日ってありますよね。自分なんかは毎日ですが…そんな時に勇気や元気がもらえる物語です。基本ハッピーな物語は好まないのですが、これはすらすら読めてそういう方にもおすすめです。ぜひお手に取ってみてください。
自分のミステリーはこれ!おすすめ小説!「少女」
あらすじ(裏表紙より)
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生のこくはくを、ある種の自慢のように感じた由紀、自分なら死体ではなく、ひとが死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えることのある敦子は死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行くー死の瞬間に立ち会うために。高校二年の少女たち衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
<こんなアナタにおすすめ!>
- ひとの死に興味を持ったことがある
- ミステリー好きで最後をはすっきりしたいタイプ
- なんとなく世界をズバッと切る主人公に快感を覚える
<ハッチャの戯言>
高校二年生の女の子の心理描写もさることながら圧巻のストーリー構成でした。いったいどこまで計算されているのか…読み終わった後衝撃で失笑してしまったのを今でも覚えています。罪を重ねてた少女たちがみたものとは!?おすすめ小説です!ぜひお手に取ってみてください。
バイブル本の決定版!おすすめ小説「夢をかなえるゾウ」
(裏表紙より)
ダメダメな僕のもとに突然現れた、ゾウの姿をしてなぜか関西弁を話す、とてもうさん臭い神様”ガネーシャ”。聞けばナポレオン、孔子、ニュートン、最近ではビルゲイツまで歴史上のキーパーソンは自分が指導したという・・・。しかし、その教えは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。困難で僕は成功できるの!?
<こんなアナタにおすすめ>
- 自分に自信がなく周りの目が気になってしまう
- なんとなくの夢はあるけどどうしたらそれに近づくのかわからない
- 最近疲れていて、少し元気が出る作品を探していた
- 本を読むのがあまり得意ではない
<ハッチャの戯言>
自分がこの本に出合ったのは大学一年の時でしたが、もっと早く出会いたかったと思える一冊でした。入学したばかりで友達もおらず、人の顔色ばかり窺っていた自分の肩の力を緩めてくれた思い出深き本でもあります。夢をかなえるゾウというタイトルですがディズニーのジーニーのようにすぐにかなえてくれるのではなく、表紙のガネーシャの課題を一日一つこなしていくと夢がかなうというもの。ページ数は約350ページとやや多めですが読みやすい文体とガネーシャのユニークな会話が多めでとても読みやすいです。きっと今のあなたに必要言葉がここにあるはず!ぜひお手に取ってみてください。
最近読んだおすすめ小説!「インストール」
あらすじ(裏表紙より)
学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。ゴミ捨て場で出会った小学生、かずよしに誘われておんぼろコンピューターでぼろもうけを企てるが!?押入れの秘密のコンピューター部屋から望井あ大人の世界を通して、二人の成長を描く第三八か文藝賞受賞作書下ろし短編併録。 ◎解説 = 高橋源一郎
<こんなあなたにおすすめ!>
- 長くは続かないとわかっている、切なくも愛おしい関係性の二人が見たい
- 純文学はあまり読み慣れていないがチャレンジしてみたい
- 明日なんて来なくていいと思ったことがある
<ハッチャの戯言>
二部作構成になっている本書ですがハッチャの注目は何といってもタイトルにもなっている「インストール」です!ページ数が125ページ(インストールのみで)と短く読みやすい文体でした。普通の女子高生、みんなと同じ授業を受ける、同じ制服で。きっと誰しもが通ったことのある青春の一ページ。根拠もなく永遠に続くと思っていた小さくも大きい押入れでのふたりはなにを思い感じたのか!サクッと読めて、しっかり純文学のにおいも感じられて個人的に大満足の一冊でした!最近これって本がなくて困っている方、お手にとってみてください。
彼女たちのあの夏の砂浜はここに…おすすめ小説!「対岸の彼女」
あらすじ(裏表紙より)
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされハウスクリーニングの仕事を始めるが・・・。結婚する女、しない女。子供を持つ女、持たない女。それだけのことで、なぜ女同士分かり合えなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。 解説・森 絵都
<こんなアナタにおすすめ!>
- 友達は近くにいるのに、たまに少し遠くに感じる時がある
- 切ない青春をまだ体験できていない
- 幸せや成功ばかりじゃない友情の形をみたい
<ハッチャの戯言>
この作品では現在と登場人物葵の中学時代と交互に物語が構成されています。明るく元気で前向き葵。その裏側に隠された暗く湿った過去。関わるにつれて徐々にみえてくるもとは。淡いあの夏へはもういくことはできない。少し気取りましたがおすすめです!ぜひお手に取ってみてください。
女は怖い。ただ一緒にいてほしいだけなのに…おすすめ小説!「ナイルパーチの女子会」
あらすじ(裏表紙より)
商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。一方、翔子も実家の問題を抱え-------------。
<こんなアナタにおすすめ!>
- 人間のどろどろとした汚いくおぞましい部分をみたい
- 人間関係は簡単なものではないと感じたことがある
- 自分も気づいていない自分の中の”怖いもの”に触れてみたい
<ハッチャの戯言>
どろどろした人間関係を描いているとは思えない可愛らしいジャケットの本書。ナイルパーチという攻撃的な魚が題材に使われています。怖いのはいったい誰なのか、何なのか。そういえば自分にもそういう節があったようなと思わされる人間関係の核心を突いた一冊。ぜひお手にとってみてください。