2019年、うたの☆プリンスさまっ♪のことを何も知らなかったわたしは、マジLOVEキングダムでプリンス達に出会った。
その当時、HE★VENSの7人のキッチリ揃ったパフォーマンスを見て、体格も身長も性格もバラバラな人たちが、振り付けを揃える過程をいつも想像していた。そして、HE★VENSという名前の通り、天国、ここではないどこか、あの世という死を連想しながらも、強い生を感じていた。
もう20年ほど前になる、雑誌に5人組のアイドルに向けてのインタビューが載っていた。
仲良しグループとはまだ言えない、若さ特有の刺々しい時期の彼らへのインタビューだった。
味方は?「4人だけ」
そっか〜〜。ファンの皆さんとか、お世話になってる人って言わないんだ。
味方は?「4人だけ」
HE★VENSも、そうだったのだろうか。味方は「6人だけ」だったのだろうか。
HE★VENSの歴史はまだ明かされていない部分が多いが、決して明るいものではないと予測できる。初期は3人で登場し、後に4人が加わった。ライバルグループであるST☆RISHに反抗するメンバーもいた。芸能界から追放され、冷遇期もあった。
そんな時、味方はやっぱり「6人だけ」だったのだろうか。
先週、ASSMUに参加した。HE★VENSのパフォーマンスを見るのは約4年半ぶり。
「HEAVEN SKY〜!」という産声をあげ、パフォーマンスが始まった。そこで彼らの技術とかたまり感を見て、圧倒された。
味方は?「6人だけ」
多分彼らもそうなんだろうと思った。7人が1つの獣のように、ぞろぞろと動く。そこには誰も介入できないし、誰か1人が欠けてもいけないし、ステージ上には7人だけ。
ステージに向かってペンライトを振り声援を送る人はいても、彼らがその人たちを信用することはできても、それ以上何もできない。
彼らはやはりバラバラで、だけどやっぱりひとつで、味方はこの6人で、存在を轟かせ君臨する多頭龍なのだ。7人の中だけで循環している愛があった。
HE★VENSは、誰も辿り着けない場所に到達することに集中してこだわっている。
その理由や背景は、まだ明かされていないから分からない。
けれど、その一点に集中することに、理由はないように思う。ただそうしたい、そうあるべきだからという強い意思。ある種の怒りで、それは生に対してとても前向きであるということだ。だから彼らのステージには強い生がある。
そして何か一つにこだわるということは、他に集中しないということであり、他に集中しないということは、それが彼らの隙になる。その隙は危うさでありながらも、彼らの世界観なのだ。
サモトラケのニケという勝利の女神の彫刻がある。その彫刻は一部が欠けていて、その欠けている部分は見る人に本来の姿を連想させ、欠けているそれこそが美しいという考えがある。HE★VENSの割れたハートを見るといつもそれを思い出す。
光の中に立つと必ず影ができるように、その欠けている部分が、彼らの美しさを際立たせる。
彼らは、死を纏いながらも強い生に息を吹き込み続けている。
ステージの上に7つのいのちが宿っている。循環している愛がある。
ステージの上が、生きている証、味方の証拠。
幕張初参加おめでとう★おつかれさまでした!