イキリキャシー(5)が恐れたもの ~遊具編~
今週も、幼少期のイキリキャシーをおびやかしたものについて書いていきたいと思う。
先々週はミッキーマウスの夢、先週は蛇の迷信、そして今週は遊具だ。
幼稚園にあった複合遊具のはしごの途中で立ち往生してしまったという思い出である。
まずはそのはしごの説明からしたい。
フラフープのようなものが並んでいて、それをよじ登っていくと複合遊具の本体に到着する、というものだ。
非常に説明が難しいので、株式会社イシヌキ様のホームページから写真をお借りした。
引用元: 複合遊具③
この緑のはしごである。
途中で立ち往生してしまったわたしは、とにかく大泣きした。
同級生の怪訝な目なんて関係ない。
だって、降りられないのかもしれないのだから。
先生はなんだかアドバイスしてくるが、ちっとも頭に入ってこない。
少しでも動こうものなら、バランスを崩してしまいそうだ。
まるで生まれたての小鹿のように、円の中で四つん這いになって震えるしかできない。
先生もきっと大変だっただろう。
勝手に登ったくせに途中で動けなくなって大泣きし、一切指示を聞かないんだから。
並んでいるフラフープのようなものが半円だったら簡単にわたしをリムーブできただろうに、それもできずに声で誘導するしかなかったのだ。
やっとの思いで避難を済ませたわたしは、しばらくこのはしご以外の道で複合遊具に登っていた。
幼稚園を卒園するまでに克服したのか、はたまた最後まで勇気が出なかったのかは覚えていない。
ただ、軽々と登っていく同級生を尊敬のまなざしで見ていたことは覚えている。
ちなみに今は、複合遊具も高いところも大好きだ。
なんたらと煙は高いところが好き、と言いますからね。
イキリキャシー(5)が恐れたもの ~迷信編~
先週は、幼少期のイキリキャシーをおびやかしたミッキーマウスの話をした。
今週は幼少期のイキリキャシーをおびやかした迷信の話をしようと思う。
今でも心のどこかでおびやかされているかもしれない。
「夜に口笛を吹くと蛇が出る」
そんな迷信を聞いたことがないだろうか。
幼少期のわたしは、それにひどくおびえていた。
その迷信をリアルにしたのは二つの要因があると思う。
まずは、母が蛇年だったこと。
そのせいで、
「夜に口笛を吹くと蛇が出る。母が蛇になって襲ってくる可能性がある」
という認識でいた。
母がオリジナリティを加えるためにそう言ったのか勝手に解釈したのかわからずにいたが、ちょうど今母がいたので確認してみた。
どうやら後者だったらしい。
「わたしの父(イキリキャシーの祖父)から『夜に口笛を吹くと蛇が出る』って聞いていたからそれを教えた。蛇になって襲うとは言ってない」
とのことだった。
加えて、
「キャシーはそんなに口笛うまくないでしょ」
と謎の見解も示してきた。
お言葉だが、わたしは口笛がうまい。
鼻歌代わりに口笛を吹けるくらいにはうまいのだ。
「失礼な。わたしはドレミファソラシドだって吹ける」
と言い、披露して帰ってきた。
迷信を信じていたから、親がいる夜に口笛を披露する機会がなかったのだろう。
さて、閑話休題。
わたしが迷信を信じることになった二つ目の理由だ。
わたしの実家はそこそこな田舎にある。
一時間に一本のバスを使えば、30分で駅に行くことができるくらいの場所だ。
最近は開発が進んでいて家も増えたが、それもここ数年の話。
田んぼと畑と林と訛りの強いお年寄りとともに、イキリキャシーは幼少期を過ごした。
車にはねられた蛇の死骸を見てから、より一層口笛の迷信は恐ろしいものとなった。
さすがに二十歳を超えた今は信じていない。
気分が乗ったときは夜でも口笛は吹くし、蛇にもいちいち口笛に反応して出てくる暇はないことは知ってるし、出てきたところで追いやるかお亡くなりになってもらえばいいと思っている。
ただ、少し背徳感みたいなものはどこかで抱いている。
背徳感とともに夜に口笛を吹くのも悪くないのだ。
イキリキャシー(5)が恐れたもの ~夢編~
わたしは基本、自分が見た夢を覚えていない。
夢が織りなすシュールでわけのわからない世界観は大好きなので、覚えていられないことが残念だ。
友人から聞いて楽しんだり、珍しく覚えていられたときは詳細に書き記したりしている。
そんなわたしが今でも覚えている夢について書こうと思う。
確か幼稚園の頃だったと思う。
気づいたらわたしは芝生の上にいた。
そして目の前には笑顔のミッキーマウス。
何も言わずにひたすらゴルフをしながら笑顔で近づいてくるのである。
大人はミッキーマウスの闇、なんてネタでよく盛り上がるが、子供にとって笑顔のミッキーはただの愉快なネズミだ。
にもかかわらず、子供であったはずのわたしはなぜか恐怖に包まれた。
笑顔でボールを打ちながら少しずつ迫ってくるなんてシュール極まりないが、その頃のわたしはシュールさを楽しむ余裕も感性もなかった。
大人びていたとはいえ、5歳である。
しかしボールが当たるかもしれないという恐怖ではなく、ミッキーの笑顔そのものに恐怖を見出した。
あれがもう少し人間味ある表情だったり親しみを持てる存在だったりしたら、あそこまでの恐怖は抱かなかっただろう。
5歳とはいえ、大人びている。
迫りくるミッキーマウスの悪夢から目を覚ましたわたしは、急いで母のもとへ行った。
SOS要請を受けた母は丁寧にわたしをベッドに送り返し、
「目閉じて5数えたらいなくなるからね」
とアドバイスをくれた。
しかし幼少期のイキリキャシー、笑顔のミッキーを前にして母すら信じられず、
「いなくなる?本当に?」
と問い詰めた。
夢から覚めている時点でいなくなっているはずなのだが、リアルすぎたのかまだいるような気がしてならなかった。
「いなくなるから、目閉じて」
そう説得されたわたしはミッキーにおびえながら目を閉じて5秒数えた。
目を開けると、当たり前だがミッキーはいない。
先ほども言ったが、ミッキーは夢から覚めてる時点でいなくなっているのである。
それでも目を開けたらミッキーが消えたことにわたしは感激した。
チョロい5歳児である。
わたしは母にお礼を言って、再び眠りについた。
普段は数時間ですら覚えていられないのに、二十年近く覚えているんだから相当衝撃を受けたのだろう。
この調子でもっと夢を覚えていられるようになりたい。
おばけなんてないさ キャシー語訳
先週に引き続き、「おばけなんてないさ」のキャシー語訳だ。
個人的にはこちらの方が気に入っている。
何個か書いて、キャシー語訳の要領がつかめてきたから上手くかけたのだろう。
それではどうぞ。
お化けという存在はない
お化けという存在は偽である
目撃したという人物は、起床直後で脳の一部がまだ覚醒していない状態だったために、情報処理に不備が生まれたのだろう
しかし本当に微々たるものではあるが、私にも恐怖心が芽生えている
お化けという存在はない
お化けという存在は偽である
お化けが目前に現れたと仮定する
どのような行動をとるべきか
冷蔵庫に入れて凝固させるべきだ(冷蔵庫に入れてカチカチになるということは、お化けは凝固点が比較的高いのだろうか?)
しかし本当に微々たるものではあるが、私にも恐怖心が芽生えている
お化けという存在はない
お化けという存在は偽である
だがそれが青少年であるなら、友好関係を結ぶ
握手をし、共に間食を食べる
しかし本当に微々たるもの(略)
友好関係を結んだお化けと行動を共にしていれば、周囲にいる人々は驚愕すると推測される
しかし本当に微々たる(略)
お化けの国たるものは、お化けの集団で構成されているとのことだ
そのような知識を得たところで、身体の汚れを落とすこととしよう
しかし本当に微々たる(略)
にんげんっていいな キャシー語訳
日本人の多くが知っている名曲の一つ
「にんげんっていいな」
にんげんっていいな 歌詞 クノシンジ <クノシンジの痛快ウキウキカヴァーその1> ふりがな付 - うたてん
今日はこちらの歌詞のキャシー語訳を発掘したので載せようと思う。
2019年10月に書いたものだが、なかなかの勢いで嫌いじゃない。
クマがこちらの様子をうかがっている最中に、集団の大半が自ら姿を消して残りのメンバーがその人たちを探すイベントをとりおこなう
臀部を露出した方が、最も尊敬される
日没により空の色が変化したため、続きは明日に延期する
人類に羨望の目を向ける
舌鼓を打つような軽食と、給仕されてまもないためにぬくもりを保つ食事
青少年の帰宅を期待しながら過ごすだろう
自身も帰宅の意向を固めた
前転をし、別れの挨拶をする
モグラがこちらの様子をうかがっている最中に、集団がチームに分かれ、そのチームの中から選抜されたメンバーが特定のルールに基づき勝敗を争い(体を激しく動かすものがおおい)複数繰り返した後に、合計の勝敗数に基づきチームの順位を決めるイベントをとりおこなう
最後尾にいる方が、最も尊敬される
日没により空の色が変化したため、続きは明日に延期する
人類に羨望の目を向ける
一致団結し、一般的に浴槽と呼ばれる主にプラスチック製(まれに大理石)の中が空洞で上部の面が取り外された直方体にお湯を貯め、体を動かす
ぬくもりを感じられる寝具で、睡眠を取ると推測される
自身も帰宅の意向を固めた
前転をし、別れの挨拶をする
どこかを飛んでいるイキリキャシー
今わたしは、飛行機に乗っている。
予約投稿機能を使っているので、どこを飛んでいるのか記事を書いている時点ではわからない。
ただ、お空の上にいることだろう。
先週春学期が終わり、退寮した後1週間ほどテキサスとニューヨークを旅行した。
愉快なことがあれば、きっと来週以降に載るだろう。
幸せな一日より、animacyの意味を
期末試験を目前にして、わたしはスライドとにらめっこしていた。
これはいったい何の話をしているんだ。
授業を聞いていなかった自分が悪い。
きちんと聞いてメモを取っていればよかった話だ。
ただ、大学の授業すべてが魅力的なわけではない。
卒業するためにとらなければいけない授業もあり、言語学の授業もその一つだった。
中間もひどかったし、せめて落単は避けたい。
そう思い、7個分のパワーポイントを開いてスクロールする。
Important! と書いてあるスライドも見覚えはない。
一応出席はしていたはずなんだけどな。
「この文章の続きになりえないのはどっち?どうしてかな?」
いや、知らない。
知っていたら試験当日にこんなところでつまずいていない。
次のスライドには、でかでかとAnimacy! と書いてあった。
盛大な種明かしをしてくれたところ申し訳ないが、わたしにはanimacyの意味が分からない。
Animeなら知っているが、残念ながらこれは言語学の授業。
おそらくわたしの知っているあのanimeではないだろうし、animeのつもりで試験に挑むわけにはいかない。
そのあとのスライドにもちょくちょく出てくるので、調べておいたほうがいいだろう。
「animacy 意味」
わたしはそう検索ボックスに入力した。
難しそうな解説じゃなくて、なんとなく意味をつかみたい。
そう思いつつ最初に出てきたWeblio辞書さんたちをスルーしていると、4番目に非常に気になるサイトが出てきた。
開いて出てきた文章は、
「animacyに関する情報は比較的少ないので、バイリンガルの話を見て気分をリラックスさせることができるかもしれません。幸せな一日をお過ごしください。」
だった。
スクロールしても、「今日のバイリンガルリーディング」という謎のコーナーと、広告と、サイトマップしかない。
日本語という言葉は理解できても、文章が理解できない。
「animacyに関する情報は比較的少ない」まではわかる。
その部分を読んだわたしは、てっきりその少ない情報を教えてくれるものだと思っていた。
しかし、
「バイリンガルの話を見て気分をリラックスさせることができるかもしれません」
とはどういうことか。
animacyに関する情報は比較的少ない→だからバイリンガルの話を見て気分をリラックスさせることができる
この因果関係はどこから来たのか。
百歩譲って、
「animacyに関する情報がないから、お詫びにバイリンガルの話を見て気分をリラックスさせてください」
と解釈したとする。
それでも、
「そもそもバイリンガルの話を見てリラックスできるのか」
という問題が残る。
おそらくここでの「バイリンガルの話」は、下にある「今日のバイリンガルリーディング」のことだろう。
「今日のバイリンガルリーディング」もまた不思議なコーナーで、ペットショップに行った女性が犬にかみつかれた話が書かれていた。
途中で終わっており、「もっと」を押しても出てくるのはError 500の文字。
わたし側の不備ではなく、サイト側のエラーだ。
「今日のバイリンガルリーディング」を読んでリラックスしろとのことだが、これではどうしようもない。
丁寧に「幸せな一日をお過ごしください」と言ってくれているのはありがたいが、これでは幸せになんて到底なれない。
幸せな一日を祈るくらいなら、animacyの意味を教えてほしい。
animacyなくしてわたしは幸せになれないのだ。
animacyがあったからといって幸せになれるわけではないが。
Wikipediaでなんとなく意味を把握したわたしは、再びスライドを開きなおした。