I/O比、もっと早く知りたかった
3年以上ぶりの投稿。
自分のために書いているものの、公開投稿している以上は見てもらいたいはずで、ビューが増えないと自分が書いている中身について自信が持てなくなる。そうすると書かなくなる。という本末転倒。若いというか、視野が狭いというか…
一時はサイトを閉鎖しようかとも思ったけど、しなくてよかった。
アウトプットを蓄積する場所として残しておけば、こうしてふと書きたいと思ったときに書けるから。
I/O比という概念
立花隆「東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義」(文春新書)を読んでいる。
出典は語られていないので、アカデミズムの世界では共通語彙なのか、はたまた立花の造語なのかわからない。
I/O比…Iは「インプット」、Oは「アウトプット」
例えばインプットが10、アウトプットが1であれば、I/O比は10。
この数値を高くすることが、知的世界で生きる人間には重要だという。
たいていの知的世界であれば、I/O比は少なくとも100以上ないといけません。つまり、少なくとも100冊以上本を読んだ人でないと、平凡な内容の本でも、一冊の本を書ける域には達しないということです。
もっとも、どれぐらいの比であれば一定以上の水準のアウトプットになるかは学問やその他の領域によって異なると立花は指摘しているが、いずれにしても、「アウトプット能力はそれまでのインプット量に比例して大きくなって」いくとのことだ。
「I/O比」主義で考えると…
立花が言うようにアウトプット能力はインプット量に比例するのが事実だとしたら、
僕のアウトプット、インプットにまつわるいくつかの考え方は誤っていることになる。
とにかく書き散らすだけで上達することはない
まずはこれ。アウトプット能力はインプット量に比例するのだから、アウトプット量を増やしても変わらない。
書くことが大変だからこそ、書くことを繰り返すことに意味がある、そう思っていた僕でした。
インプットの質は関係ない
読書の質を高めることの重要性を謳う本は古今あるが、過度な精読はアウトプット能力には関係しない?
一冊読んでもザーッと読んだだけではあまり深い理解は得られないから、しっかり読んだほうがいいと思ってたけど、スピード優先でも?
※インプットの「質」とは、つまり「単位分量あたりのインプット量」ではないのかという気もするので言葉に惑わされているのかも。
I/O比は創作・スポーツにも適用可能か
僕は創作に携わる仕事をし、また趣味でサッカーをしていて、どちらのアウトプット能力も高めたいと思っている(スポーツにアウトプットという言葉は違和感あるけど、パフォーマンスってつまりアウトプットでしょう)。
だから創作、スポーツでもインプット量を増やせば能力を上げられるのなら…!と希望を持っている次第。
創作について
直感的には、完全に適用可能だと思う。
周囲の偉大な作家さんで全然インプットをしないという人はいないし、むしろどこに読む時間があるのだという人ほど多読家。
編集者でも、優秀な人たちはみんな知識がそもそもえげつないので、創作能力でもインプット量が決定的に重要な意味を持つと思う。
ただ、学問の世界よりは知識への依存度は低いと思う。オタクであればあるほどアウトプット能力が高い、訳ではない。
自分の作品が、どのように評価されるかということが学問の世界よりも測定しづらいことによると思う。
そう考えると、アウトプット量を増やしてみることも重要にはなってくる。こういう書き方をするとこういう印象を与えるんだな、というズレを修正する作業が大事になるので。
しかしこれもまた、別の次元でのインプットであるし、学問の世界でも同じようにフィードバックに基づくインプットは大事だと思うので、もしかしたらやっぱり完全に適用可能かもしれない。
スポーツについて
これもI/O比の黄金比は違うだろうが、それなりに適用可能だと思う。
まず上で書いたフィードバックに基づくインプットは大事。「ボールを真っ直ぐ蹴ろうとしたら、違う方向に飛んだ。だから次はこう蹴る」みたいなPDCAを回していくことが基本だと思う。
ただ、思っている以上に座学は大事なのかなという気もする。自分のチームで上手い人たちは海外サッカーとかめちゃくちゃ見てるし、戦術や人体の勉強をしている。(サンプル数には難があるけど)
上手い人を見て真似しろって、スポーツでも芸能でもよく言うし。
やりまくれば上手くなる、なんて考えはやっぱり甘えなのだろうと言う気がして自分が情けなくなってきた…
終わりに
ということで、I/O比を自分の生活に適用できそうかまとめてみた。
適用できるかどうか、という問いを立ててはみたけど、ただ何より驚いたのは
1つのアウトプットに対して1000のインプットぐらいするでしょ、ってのが立花隆的スタンダードだということ。
自分のなあなあさ、不徹底を恥じるしかない!
ではまた。(この記事のI/O比は1です)