それはそれとして。

気になることをつまみ食い

ミルミラレル

映画見たよ。何というか、工藤さん、長回しに耐えられるなあと。何かを声高に叫ぶではなく、笑う訳でも泣く訳でもない、ただ、じっと壁を見つめてるだけなのに、絵になる。画面が持つ。ディレクターの人が、「この人で!」って言った気持ちわかる。

 

伊藤くんもいい。と言うか出てくる人たち皆上手い。誰か一人でもトゥーマッチな演技をすれば破綻する、繊細な世界を適切な距離感でもって形作っている。何しろ小寺さんと彼彼女たちの関係と言えば直接的ではなくて、あくまで見る/見られる関係なので、凄く距離感大事。

クラスで夏まで喋ったことない人、の空気感な。

 

そして、それを撮る監督さんの目線。これみよがしに寄ったり、音楽で煽ったりせずに、近藤くんたちが小寺さんを見つめるみたいに、近藤くんたちを見つめてる。と言うか、近藤くん達の目を通して小寺さんを見つめてる。この、近藤くん達=小寺さん=監督さんがそれぞれ等距離っぽいんだよな。決して踏み込まないけど、ゆるく丸くつながってる感じ。らぶ。

 

工藤さん、いい映画に当たったよな。その時しか撮れない映画って確かにあって、のぼる小寺さんは確実にその一本だと思う。何より近藤くんを見る小寺さんが見られてよかった。目は口ほどにものを言う、ってね。

 

それにしても見事な化けっぷりだったわ。映画中、ずっとそこに居るのは小寺さんで、工藤遥を意識することはなかったよ。その可愛らしい唇からこぼれる言葉は、漏れなく小寺さんだった。

初見さんはひょっとしたら工藤さんのことをああいう子だと思っちゃうんじゃないかな。でも、私は言いたい。いや、その子はかつては狂犬チワワなんて呼ばれてたんですよと。

あるいは、遡って娘。の工藤さんにキラキラ具合にやられてしまうかも知れない。

でも、アレもコレも工藤さんなんですよと。

 

ああ、永遠の命を持つ吸血鬼も、どこかの町にいそうな女子高生も、同じテーブルの上に上げて平らげてしまう工藤遥の健啖さよ。

 

だから多分、「次」も見ちゃうと思う。近藤くん達ではないけれど、工藤遥って女優さんがどんな風に変わってゆくか、見ていたいと思う。

きっと私が思うようなものにはならんのだろうけど。それがまた楽しみでもある。

 

PS.

氷菓のアニメ版とか好きな人は結構ハマるんじゃないかな?