2:ジャーナリズム崩壊
上杉隆氏の『ジャーナリズム崩壊』を読みました。
背表紙の要約を引用します。
「日本の新聞・テレビ記者たちが世界中で笑われている。その象徴が日本にしかない「記者クラブ」制度だ。メモを互いに見せ合い同じカンニング記事を書く「メモ合わせ」、担当政治家が出世すれば自分も出世する歪んだ構造、権力におもねり掴んだ事実を報道しない体質。もはや新聞・テレビは権力をチェックする立場と国民に知らせる義務を放棄したも同然である。恐いもの知らずのジャーナリストがエリート意識にこりかたまった大マスコミの真実を明かす、亡国のメディア論。」
著者の上杉氏は、
「株式会社NO BORDER設立者・代表取締役。公益社団法人自由報道協会創設者。かつてはジャーナリストとして活動していたが、2016年5月20日付けで引退した人で、同年東京都知事選に立候補した人物」です。(Wikipediaを参考)
要約にもある通り、この本は閉鎖的な「記者クラブ」に批判的な論が続きます。
そもそも「記者クラブ」自体、知らない人もいるかと思います。
マスコミやジャーナリズムについて軽く勉強してきた人は知っていることでしょう。
この本によれば、「記者クラブ」内では、記者同士で「メモ合わせ」が行われ、「カンニング行為」と言ってもよい、風景が見られるらしいです。
そして、他社に抜かれないように、独自取材をしようとする記者には嫌がらせをしたり、自身が仲間はずれにならないように、他社と同じような取材をしたり、結果的にどこも同じような報道がなされるということです。
面白い視点だなと思いました。
ですが、私が一番印象を受けたのが、「日本の記者の多くはいまだに「客観報道」を標榜している。権力が発表したものを「客観だ」とする感性は論外だが、真剣に「うちの新聞は客観的だ」と信じている記者が多いのには驚きを禁じ得ない」(27頁より引用)という記述です。
同様の指摘が、「新聞が、客観報道という便利な隠れ蓑を利用して、自らの立場を明確にしないことが問題なのではない。その実は偏向しているのにもかかわらず、客観を装っているという点が問題なのである。客観を装った偏向報道ほど性質の悪いものはない。それはすなわち、読者を欺き、新聞自身をも騙していることに他ならないからだ」(36頁より引用)とあります。
かなり、重要な指摘だと思います。新聞社の社是を見てみると、公正や公平・中立といった言葉が並んでいます。
しかし、その原則は全く守られていません。報道の自由だと言うのでしょうか。本当に便利な権利だなと思います。
そもそも、メディア界には、ダブルスタンダードが多すぎます。
私は大学でジャーナリズムについて学びました。
まず取材というのは、色眼鏡をつけてはならず、結論ありきの取材は良くないと学びました。
一方、ジャーナリズムの役割は権力監視だと学びました。なぜなら、権力は腐敗する存在だから、だそうです。
決めつけですよね(笑)
昨日、放送法遵守を求める視聴者の会がありましたが、言論空間の歪みを正す時期なのだと思います。
ここで話題を変えます。森友学園問題についてです。
明らかに新聞報道の過熱さはなくなってきています。朝日新聞でさえ、紙面の扱いは小さくなっています。
まあ、その記事の内容は相変わらずひどく、辻元清美氏の疑惑も記事文章内では登場せず、答弁をしている安倍首相の写真とともに、吹き出しで小さく書かれているだけでした。
マスメディアは、辻元氏の疑惑を追及する気はないのでしょうか。
先ほど羽鳥慎一のモーニングショーを見ていましたが、これもまたひどい。
途中から見たので、間違いがあったら申し訳ないのですが、森友学園問題で新たな火種として、VTRが数分流れ、その最後に辻元氏の疑惑についても放送されました。
しかし、VTR後のパネルを使ったディスカッションでは、辻元氏の疑惑について、全く触れず、一応触れておきましたよという、アリバイ作りのような扱いでした。
番組内では、ゼロ回答かどうかであったり、賃借料がああだこうだと言っているだけでした。
出演していた、青木理氏も、籠池さんを追求するのはやりすぎだと思うだとか、発言するたび自民党批判をしているような勢いでしたが、全く論理的でなく、本当にジャーナリストなのかと疑うレベルで、薄っぺらいコメントばかりでした。
このブログも始めたばかりですので、今回はこの辺で。
1:はじめて
放送放遵守を求める視聴者の会 緊急記者会見が行われた、2017年3月28日。
このブログはまさに、偏向報道に、誠実に向き合うことを目指したものです。
森友学園、豊洲移転問題など、近頃はメディア不信が拡散されている気がします。
私はもうすぐ社会人になりますが、大学生の頃はメディアについて、特にジャーナリズムについて勉強してきました。
このブログでは、メディアや左翼、沖縄の問題などを中心に扱っていくかと思います。
とはいえ、政治系のブログは幾つかありますので、ここでは書籍を含めて議論していこうかなと思います。
まあ、どんなブログになるかは、今後ゆっくり考えていって、徐々に固めていこうかなと考えております。
みなさんの考える材料に、何か与えるものがあればなと思います。