そのための「黄金の3年間」であったはず。
続きを読むテレビ朝日「立憲民主党の有権者への戸別訪問」を2回サイレント修正、変更経緯・理由の記載なし
自分らは文書管理だの改竄だの言ってきたくせに
テレビ朝日「立憲民主党の有権者への戸別訪問」をサイレント修正
自民王国「島根1区」で惨敗…取材で見えた「静かなる怒り」(変更前魚拓)
そうした中で力を入れたのが、有権者への戸別訪問だった。これまでの街宣車での演説中心の戦い方を変更し、一軒一軒有権者の家を訪問。きめ細やかな選挙活動で自民党の組織力に対抗しようとした。
そうした中で力を入れたのが、業界団体へのローラー作戦だった。これまでの街宣車での演説中心の戦い方を変更し、きめ細やかな選挙活動で自民党の組織力に対抗しようとした。
テレビ朝日が衆議院の補欠選挙を特集した4月29日付のWEB記事において、立憲民主党の選挙戦略に関する記述の中で「有権者への戸別訪問」「一軒一軒有権者の家を訪問」と書いていたことが話題になっていましたが、サイレント修正されていました。
実際には間に「企業や団体へのローラー作戦」という修正も挟まっていました。
テレ朝「一軒一軒有権者の家を戸別訪問」
— Chum(ちゃむ)🪿🌼 (@ca970008f4) 2024年4月30日
SNS「それ公職選挙法違反」
テレ朝「じゃあ企業や団体へのローラー作戦」
SNS「それもアウト」
テレ朝「んじゃ、業界団体へのローラー作戦」
玉川徹「(立民問題は)別に取り上げなくていい。権力を持っているのは自民党政権」
ワイ「は?」 https://t.co/Z5O6BdC9pY pic.twitter.com/HDfwbVVtRl
変更経緯・理由の記載なし:投票目的戸別訪問は公職選挙法違反だが…
「投票関係目的の戸別訪問」については、公選法で禁止されている行為です。
公職選挙法
(戸別訪問)
第百三十八条 何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。
このように、自らが投票を得るためや、他人に投票させ又は投票させないようにする目的での戸別訪問が禁止されています。
この禁止規定は家庭に限らず、会社、工場等も含まれると説明されています。*1
ところで、当該記事の2頁目には自民党の側も「企業」や「業界団体をまわ」るとする記述もあるのですが、立憲民主党に関する記述部分は明示的に「きめ細やかな選挙活動」と書いています。
ここで、「選挙運動」は、特定の候補者に投票を得または得させるため有権者に働きかける行為ですが、「選挙活動」は字面としてはこれを想起させるものの、選挙運動と使い分けられている場合があります。
いずれにしても、テレビ朝日の当該記事は全部で6頁にまたがっていますが、記事のどこを見渡しても、変更経緯・理由の記載はありません。
2回も変更されたことからすると、実態をそのまま書くと公選法違反の事実になるから表現を変えたのでは?という疑問が出てくるのは当然でしょう。例えば「戸別訪問はしたが投票関係目的ではなく、公選法で禁止されているところの戸別訪問と誤認する表現を変更した」というような事情はあるのでしょうか?
日ごろから政府に関して文書管理だの文書改竄だの言い立てていたテレビ朝日が、重要部分の実質的変更に関してこういう態度なのは理解しがたいものがあります。
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*1:一例として:大阪市大阪市選挙管理委員会:答え (Q&A)
「帝国の慰安婦」著者の朴裕河名誉教授の無罪が確定:「慰安婦が売春婦」日韓裁判所の違いの理由
日本の裁判所との違いはどこで…?
- 「帝国の慰安婦」著者の朴裕河(パク・ユハ)名誉教授無罪確定
- 朴裕河「学界では「軍人による強制連行」という議論はしていない」
- 「慰安婦は売春婦」が虚偽ではなく学問的主張と認定:竹田恒泰vs山崎雅弘との比較
- 言葉を扱う者の問題によって、言葉そのものの評価も変動するのが現実世界
「帝国の慰安婦」著者の朴裕河(パク・ユハ)名誉教授無罪確定
「帝国の慰安婦」著者、無罪確定 韓国検察が再上告せず - 産経ニュース
朴氏は2013年8月に出版した「帝国の慰安婦」に関し、慰安婦が「売春婦」にあたり「日本軍と同志的関係にあった」などとする虚偽の記述で慰安婦の名誉を傷つけたとして、15年に在宅起訴された。1審無罪、2審逆転有罪となった後、上告審は公判が長期化し約6年を費やした。
韓国最高裁は昨年10月、問題となった著書の記述はいずれも「学問的主張、意見の表明」にとどまり、虚偽事実の記載にはあたらないと判断。無罪の趣旨で高裁に審理を差し戻し、ソウル高裁が今月12日に無罪判決を言い渡していた。
【帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い】の著者である朴裕河(パク・ユハ)名誉教授の無罪が確定しました。
いったんは大法院(日本でいう最高裁)まで係属しましたがソウル高裁に差し戻し、差戻高裁判決を受けて検察側が4月19日の期限までに再上告しなかったため、無罪が確定したという運びです。
さて、本稿は「売春婦」という用語について、朴裕河氏の事案との比較で論じていきたいと思います。
朴裕河「学界では「軍人による強制連行」という議論はしていない」
朴裕河氏の慰安婦に関する認識は同書以外でも例えばハンギョレの以下記事で見ることができ、一面的な見方をしていないことが分かります。
- 朝鮮人慰安婦動員はいわゆる「軍人が連れていった物理的強制連行」ではなく「人身売買」の枠組みのなかでのことで、学界ではもはや「軍人が強制的に連れていった」というような議論はしていない
- 慰安所での性関係が基本的には対価が支払われた関係だった
- 日本軍は業者を軍属待遇し彼らに軍服を支給し、日本政府は業者の便宜をはかったが「管理」は管理監督の意味が強く、業者が慰安婦を搾取しないようにした
- 業者や抱主に騙されて慰安所に来た場合、軍部が他の場所に就職させたケースや、あまりに幼ければ帰しもした例がある
- 朝鮮人を含む植民地警察も当時横行した詐欺や誘拐を基本的には取り締まった
こうした「管理売春」の見方はアメリカのマーク・ラムザイヤー教授と共通しているものもあります。ラムザイヤー論文⇒"Contracting for sex in the Pacific War"
また、この前提として当時の日本における芸娼妓契約の分析論文もあります。
芸娼妓契約 -性産業における「信じられるコミットメント (credible commitments)」
「慰安婦は売春婦」が虚偽ではなく学問的主張と認定:竹田恒泰vs山崎雅弘との比較
裁判所は竹田が指摘する虚偽を発する元慰安婦について「嘘をつく老婆」「売春婦」と評した事を「侮蔑的表現」と即解している
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年4月21日
金学順など一部元慰安婦が発言を変遷させて虚偽を言っている事は常識だが、ここでは全慰安婦について語っていると捉えられたか、訴訟での主張が不十分だったのかもね pic.twitter.com/CgxCMrbOHt
韓国の裁判所は、あくまで朴裕河氏の書籍等での文脈においては「慰安婦は売春婦」が虚偽ではなく学問的主張と認定しました。
が、日本の裁判所では妙なことが起こっています。
それは、竹田恒泰vs山崎雅弘の民事訴訟での判決文では、竹田が指摘する虚偽を発する元慰安婦について「嘘をつく老婆」「売春婦」と評した事を「侮蔑的表現」と判断していることです。「竹田の使い方としてそうなっている」という書き方ではありません。
本件は山崎氏が竹田氏に対して「人権侵害常習犯の歴史修正主義者」とTwitterで投稿したことについて竹田氏が名誉毀損・侮辱であるとして訴訟提起した事案でした。*1
判決文は以下で公開されています。
もっとも、竹田氏のツイートでは「テロリスト」と並列して「売春婦」を使ってるものもあった上に、取り上げられたツイートや主張の文脈からして「すべての慰安婦について」「そういう使い方」をしてると裁判官に認識された可能性はあります。*2
言葉を扱う者の問題によって、言葉そのものの評価も変動するのが現実世界
慰安婦の中には、親や女衒に騙されて強制的に連れてかれた人は居ます。しかし、それは全体からすれば少数。そういう人に対して「売春婦」と言うことは侮辱であると言われても仕方がない。募集に応じて慰安婦になった者と、騙されて慰安婦になった者とでは境遇が違い過ぎて後者は売春婦と呼ぶべき実態が無いですから。
特定界隈の人たちが「慰安婦は売春婦!」などといい加減な認識の下に全部をひっくるめて語っていることも良くないと思いますよ。
こうした「言葉が使われている環境」は、ともすれば現実を歪めることになる。
その例が「大東亜戦争」という言葉についての日本政府の扱い。
イデオロギーに基づいた用語法だと受け取られる時勢のせいであり、陸自第32普通科連隊が削除したのは、要するに政府機関が使用するには誤解を招くため、時期尚早だったということ。
「慰安婦は売春婦」という言い回しも、「大多数は募集に応じた者らで構成され、騙されて職に就いた者も居たが少数なので職業売春婦」という認識が文脈に無いといけない。世の中で罵倒する文脈が横行していたら、そう解されないおそれがある。
さらに特定の元慰安婦が当時の実態と異なる内容を発言したことについて「嘘を付いていた」と行為を評することはともかく、「嘘つき売春婦」と属人評価をすることには注意が必要です。
元慰安婦として証言した金学順や文玉珠を殊更に「嘘つき・悪人」と捉えるのは真実・公平の観点からも戦略的観点からも良くない傾向です。
吉田清治の嘘に端を欲した政治的文脈に引きずり込まれた年老いた彼女らの証言が事実と異なっていたとして、その責任は扇動者にある。認識と客観的事実がずれることも良くある事。
彼女らの発言をすべて根拠なきものとして扱うと、例えば文玉珠の「私の歌は日本の軍人を楽しくしたの。私は軍人たちを楽しくさせることが嫌いじゃなかった…良い人がとても多く居たの。皆、可哀想だった」といった証言も否定・無視することになる。
一般的普遍的に、汚い言葉・刺激的な言葉というのは読み手を興奮させるのでバズのためには有用です。しかし、露悪的表現の価値というのは、実はそんなに貴重なものではないんじゃないか?というのが私見ですし、実際に現実もそうなっています。*3
言葉を扱う者の問題によって、言葉そのものの評価も変動するのが現実世界なんだろうと思います。
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*1:本判決では「人権侵害常習犯」は、法的な意味での人権侵害の事実としては扱わず、そのように評することの妥当性の問題として扱われました。このような判断の仕方それ自体と、その妥当性の認定も疑問ですが、この点は主題から外れるので本稿では扱いません
*2:当該ツイートは削除済み:https://twitter.com/takenoma/status/927814442347196416
日本ファクトチェックセンター『事実だが他もやってるからミスリード』と強要:江東区の外国人学校保護者負担軽減制度
ついに一般人にSNS上の投稿内容を強要し出した、表現の自由の問題。
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