OsakaMICTの日記

最先端の低侵襲心臓血管治療を紹介します。 どなたもご覧になってください。

保険償還後国内初となるLotus Edge valveを用いたTF-TAVIを施行いたしました

保険償還後国内初となるLotus Edge valveを用いたTF-TAVIを施行いたしました。Balloon expandable valveであるSAPIEN, Self expandable valveであるEvolut Rとは異なるMechanically expandable valveという特殊な機構がLotusの最大の特徴ですが、完全展開後に再回収可能であること、peri-leakが大幅に抑制できることが強みとされています。
留置は滞りなく行われ、peri-leakもほぼ認めない良好な結果となりました。今後のAS治療戦略にがっちり食い込んでくるデバイスとなりそうです。

ENDO-ARCH OSAKAを開催いたします

2018年6月9日(土曜日)、リーガロイヤルホテル大阪にてInternational Symposium of ENDOvascular Aortic ARCH Repair in OSAKA: ENDO-ARCH OSAKAを開催いたします。近い将来に期待されるArch branch deviceの本邦導入に備え、国内外のarch repairの第一人者から臨床使用の実際をご講演をいただくとともに、各企業からデバイスコンセプトや開発状況の紹介を行ってもらうプログラムとなっております。詳細はURL:https://west-vadseminar.wixsite.com/endo-arch をご参照ください!

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低侵襲循環器医療学のホームページがオープンしました

お待たせしました、我らが低侵襲循環器医療学のホームページがついにオープンしました!

大阪大学 低侵襲循環器医療学寄附講座


とことんこだわった内容になっており、TEVAR、TAVIを中心とした情報を随時upしていきます。
もちろんTEVARやTAVIに特化した特設サイトもありますので皆さん是非ご覧ください!

世界初、カテーテルを用いた人工弁手術に成功

先日紹介させていただきました心移植待機患者僧帽弁人工弁機能不全症に対する、経心尖・経カテーテル的僧帽弁植込み術が「世界初」としてニュースなどで取り上げられましたので再度ご紹介させて頂きます。
日本経済新聞の記事

www.nikkei.com
人工弁機能不全に対するカテーテル治療は保険適応外とされてますが、大阪大学では倫理委員会承認のもと積極的に行っております。
お悩みの方がおられましたら是非ご連絡下さい!

患者さんの声をご紹介します

当院で4年前にTA-TAVIを施行した当時96歳の患者さんです。
その後心不全症状なく経過し、先日術後4年目フォローに来院されなんと100歳!


現在も認知機能に問題なく、杖歩行で元気に来院していただいております。
本人のみならず家族も手術を受けてよかったと仰られてました!
まさに医者冥利(TAVI冥利?)に尽きる患者さんでした。


大阪大学TAVIチームでは患者さんに安全かつ有効な治療を提供しております。
年齢を問わず、あきらめずに一度ご相談ください!

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(写真は患者様・ご家族様の許可を頂いて掲載しております)

大阪大学TAVIチーム500例達成!

2017年7月に節目となる500例目のTAVIを施行しました。
2009年本邦第1例目のTAVI施行以来、苦節いろいろありましたが、海外proctorの先生方のご指導のおかげで、ここまで来ることができました。
totalの30日死亡0.8%!
患者群を考慮すると凄まじい数値だと思います。
今後もTAVIチームは力を合わせて、より安全で有効な治療を目指していきます。

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高齢者胸腹部大動脈瘤に対し開窓型ステントグラフト治療が有効であった症例

胸腹部大動脈瘤の手術は侵襲度が高いことが大きな問題でありますが、今後承認が期待される分枝型・開窓型ステントグラフトを用いることで、まさに「きらずに治す」ことが可能となります。
今回は、臨床研究にて開窓型ステントグラフトを使用し、高齢患者にその有用性が示されたのでご報告致します。

 

患者さんは88歳女性。
最大径60mmの胸腹部大動脈瘤(クロフォード分類5型)を指摘され、当院に紹介となりました。
ご高齢でありfrailtyも高いことから、通常の開胸人工血管置換術はもちろん、腹部分枝のデブランチ手術もリスクが高いと考えられました。

 

今回の臨床研究では、患者さんにあわせた企業製カスタムメイドステントグラフトを用いて手術を行いました。

 

術中に撮像したDynaCTのガイド下に、開窓型ステントグラフトの「窓」をSMA開口部に合わせ、まずはステントグラフト本体を留置しました。
続いて開窓部からSMAに小口径ステントグラフトを留置することで動脈瘤をexclusionし治療を完遂いたしました。
手術時間は118分でした。

 

術後経過は良好で、合併症を認めず約1週間で退院となりました。
術後のCT検査ではエンドリーク(脇漏れ)を認めておらず、分枝の開存も良好でした。

 

治療の難しい胸腹部大動脈瘤に対し、開窓型ステントグラフトを使用することで低侵襲に治療が可能であった1例となりました。

 

⇒術中映像を供覧しました。ぜひ関係の皆様にてシェアしてくださるようお願いいたします。

 

★医師の方は術中映像とCT画像をQLifeBOXからダウンロードできます。自由にご閲覧ください。

qlifebox.jp