Garritan CFX Concert Grand

気になったのでGarritan CFX Liteを買ってみたんだけど、気に入ったのでアップグレードパスを買ってしまいましたとさ。
けど実際に弄ってみて、CFXとLiteは単純に通常版と廉価版という位置付けにはならないことが判明。
ということで、2つの違いをざっくり紹介。

  • 使えるマイク、音色の数が異なる

これは当たり前。LiteはClassicのCloseしかないのに対してCFXはClassic、Contemporary(モダン楽曲向け)、Player(アビーロードスタジオのStudio 1を再現)それぞれにClose、Ambientが付いている。
ただこの音源のAmbientは音が丸くなりすぎてしまうため、Estate Grandみたいに単体で使うよりもCloseと組み合わせて使ったほうがいいかもしれない。

  • 音色、リバーブのプリセットが別物、リバーブパラメータも一部異なる

音色のプリセットが違うのはまだわかる。でもリバーブもまったく別物だとは思わなかった。というよりLiteのほうが種類が格段に多い。音色うんぬんの問題だろうが、Liteで使ってたStandard Concert Hallがなかった。
LiteではDecayとSizeのパラメータが存在したが、CFXではAmb. Pre-delayに置き換わっている。Timble Effect(サンプル自体のピッチを弄って音を鳴らすエフェクト)はLiteのみ実装。

  • CFXでは音の強弱により敏感(特に低音)

たぶんこれはAmbientの特性と思われる。ベロシティが小さいと音が丸くなって聞こえづらくなる。逆にベロシティが強いと一気に音量が増す。特に低音で顕著。同条件でClassic Closeのみで鳴らしてみればLiteでの鳴り方の違いがわかるだろうが未検証。

Sforzando

SFZ形式は今まで目もくれなかったけど、SFZ再生ソフトSforzandoのベースがGarritanシリーズにも使われているARIA Playerだと知って導入してみた。
ということでようやくSFZデビュー。SFZもピンキリだけど、やっぱりSF2に比べてクオリティの高い音源が多い。
ということで以下は設定や使用感についての雑多なまとめ。

User files pathでSFZのフォルダを指定すれば左上のInstrumentから簡単に選べるようになる。
Max Engine RAM Allocatorはオーディオキャッシュの最大容量なので大きいほうがいい。右上のPOLY(同時発音数)は128を推奨。メモリ16GBにしてよかった(
そして右側のTUNINGでSCLファイルによる調律も可能。ルート音や基準ピッチも指定できるが、後述のRender offlineでは基準ピッチは絶対値ではなく、あくまでAを±0セントとしたときの相対値になる模様(SCLはデフォルトでCを基準とした調律)。
PB RANGEはDEFで無効?どうやらTUNE(セント単位のピッチ調整)と連動している様子。Bend設定はいちいちリセットされないようなので色々弄るとピッチがおかしくなる。


実際にSMFファイルを再生するには左下からSMFを選んで再生。WAV出力は右側からWAVファイル名を入力し、録音ボタンを押して録音開始。停止ボタンで終了。
ただしギガバイトクラスのSFZは読み込んだばかりだと音が切れるので何度か再生してオーディオキャッシュを十分に作っておかないとうまく録音できない。
曲が長いと手間になるのでそんなときはメニューのToolsにあるRender offlineを使うことで時短を狙える。RAM TOTALがほとんど増えなくなるまでレンダリングすると大抵うまく録音できるはず(通常2回、1GB程度なら3回で十分)。
ただし欠点は生成されたWAVの後ろ10分程度が無音になって無駄に容量がでかくなることと実際に聞くまで成功してるかわからないこと、音量の確認がしづらいことか。


Sforzandoは安定して動くのが強みだが、SMFの再生時にBPM変化の細かな再現性が乏しいという大きな欠点がある。ピアノならリアルタイム入力推奨。

Piano Steinway B Perfect 2.0.sf2

音が薄いだのなんだの言ってたけど、ベロシティ82以下で音量を上げるとそれなりに生ピアノみたいな音に化ける(おそらく実機からのサンプリングだから当然だけど)ことを以前発見した。
Unkotimで再生したときだけかもしれないけど。
ただし高域が弱くなるので注意。
サンプル
D
ベロシティ83以上だとアタックが強くなるので、ここぞというときに使うとよりリアルになるか。
少し癖がある音源だけど、ピアノSoundfontにありがちな不完全な減衰(EquinoxのSteinway Dなどで顕著)や低音域なのに減衰が短いといったような要素がなく、やっぱり音は全体的に薄目なのは否めないけどもそれさえ目をつぶれば理想形に近い音源なのかな。

Soundfontぺたり

これだというSoundfontを発見したので紹介。鳴らしてるのはワルツ第14番ですです。

癖の強い音ではあるが、グランドピアノ寄りの音色でフォルテのアタックも強いので、しっとりとした曲から堂々と力強い曲までこなせる。
容量は282MBなので環境によってはうまく再生できないおそれあり。
もともとの音源の調律の問題か、オクターブで鳴らすと唸りが目立つ音域があるほか、リリースのせいか音が鳴りっぱなしになるのが難点か。
それにさえ目をつぶれば、化けそうな気はするが・・・?

ステージピアノ仕様で音こそ細いが、総合的にみれば今までのSoundfontの中では一番かな?音色もリアルで不安なく使える。
容量は143MB(145MBという情報もあり)で、前述のClavinovaより少し大きい程度。
レイヤーも8あるが、切り替わりも自然。差異が小さくてかえって抑揚が物足りないくらいか。
音自体のアタックが控えめ(低〜中音域の境目辺りで顕著)なので堂々とした曲調はやや不向きだが、ノクターン、バラードのような曲調にはぴったり。
相対的に低音域が弱いのでイコライジングは必須か(このサンプルも低〜やや中域をゲインしている)。


現在のところここで手に入るが、ここもいつなくなるかわからないので気になったら早めに手に入れておくといいかもしれない。
これ以外にもSplendid Grandの上位版とかが手に入れられるので、押さえておいて損はないはず。
入手先についてはこちらのブログでも紹介していただきました。

新しいSoundfontを導入

PCを新しくしたついでにTimidity++も入れ直して新たなSoundFontを追加してみた。
あくまで単独で鳴らしてみた場合なので、あしからず。


Yamaha U1

音の感じは悪くない。でもやっぱり音域によって音色ががらりと変わってしまうところは違和感が拭えない。


Keppy's Steinway Piano

Steinwayとあるが、音のキャラクターはClavinovaPiano1V2.0に近い。ポップス系向き。
低音域の音量は充実している。音も澄んでいて音律の違いもわかりやすい。
ただし容量が大きいためかTimidityでは中低音の連打で音が不自然に切れてしまう。PCスペックが上がってもせいぜい150MBくらいが限界なのか・・・?
64bit版で問題なく鳴らせることを確認。でもさすがにSalamanderは駄目でしたとさ。


Keppy's YAMAHA C7

上に同じくKeppy StudiosからC7。C7自体はEquinoxにもあるが、クオリティはこちらのほうがはるかに高い。
容量もそこそこで破綻要素がないのでClavinovaPiano1V2.0と同様に扱える。硬めの音色だがアタックが少し弱めなのでそこまで耳障りでもない。

またもSoundFont聞き比べ

今回はショパンのValse Op.34-3で聞き比べをしてみる。調律はキルンベルガー第1だが、純正音程うんぬんよりも速いフレーズでの挙動などでそれぞれの音源の問題点、弱点が露呈してきたのでそっちをメインに紹介。前回と合わせて聞き比べるとさらにいいかも。
なお、音が途切れるノイズは何度再生しても同じところに入るものなので、あしからずご了承ください。

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