詩について 詩:うたたね
夏休みも終わり、酷暑にも目処がついたかと思っていたら、台風が忙しくやってきていますね。何かと休まらない日々です。
何か手頃な趣味はなかろうかと、詩を書き始めたのですが、なかなか奥深く面白いです。
というのも、高名な詩人の詩は、まるで私の心を覗いていたかのように、言葉を使って、私を言い当ててくるのです。それは、これまで1度たりとも言葉にしてこなかった何かを、その言葉の他にはいかようにも言い表せないだろう、そう思わせるほどに美しく表現してくれるのです。
「私を言い当て」る、と述べましたが、このことから「言い当てられたもの」というのは少なくとも詩人と私の間で共有されているもので、同時におそらく数えきれないほどの詩人と「私」の関係のうちに共有されているものなのでしょう。すると、「私」は決して独りではないことを、こうも身近に「独我論」から束の間の逃避を図れるのです。平たく言えば、「誰しもが持つもの」というのは確かに存在しているのです。
最後に詩を一編
うたたね
悪夢にうなされ、目が覚めた
遠くから聞こえるラジオの音は、しゃがれてる
セミのうるさい昼下がり
朗らかな日差しのなかに
たしかにあった悲しみ