濁流

濁流です。
個人的に、NTFで一番メロウな曲だったと思っています。
ライブでは毎回演奏していた人気曲なのですが・・・。
実は、何らかの音源という形として出すのは、これが初めてです。

ツインベースという特徴が難しい方向に働いていたのか、バランスが非常に難しく、どの音源も必ずどこかに問題があり、今まで出すことができなかったのです。

唯一、このリハーサルのバージョンが何とか聞けるだろう。。。ということでアップしてみました。それでも、ヴォーカルが聞こえ難く、音割れ等が酷い状態ですが・・・。

オープニングからして、両ベースともにダブルストップを使っているので、メロウな曲という割には、かなりカオスな内容になっているのではないかと。

二分あたりから始まる、二回り目のAメロ、ギターのツインリードっぽい部分は、片方がベースです。ピッチシフターのようなエフェクトを使用しています。
おそらく、ベースだと判断できる人はいないでしょうね。

この曲は、NTFというバンドの特徴であった、オーバープロデュース、オーバーワークをあえてやるという部分が如実に出ています。
詰め込めるだけ、なんでも詰め込むという感じですね。

無駄とも言えるアンサンブル。それがオルタナティブなイメージを形作っていたのではないかと考えています。

同アカウントで他の曲もあがっていますので、聞きたい方はどうぞ。

90年代のメタル話(2)

世界中のメタル野郎からバッシングされ続けた男。


「The X Factor」は、アイアン・メイデンの10枚目のアルバム。1995年に発売された。
二代目ボーカルであるブルース・ディッキンソンの脱退があり、後任としてブレイズ・ベイリーが加入したという流れだった。


というわけで、ブレイズベイリーである。これほど罵詈雑言、誹謗中傷を浴び続けた男はいないだろうと思う。
ことあるごとに、新しいメイデンのシンガーはクソだと言われていた。
ブレイズにしてみれば、まさに世界中のメタル愛好家が敵に回ったという感じだったのではないだろうか。

特に専門誌での彼への非難は凄まじく、歌だけではなく「生意気だ」「モミアゲが気に入らない」と容姿にまでケチをつけて十字砲火を放っていた。
それも一度や二度ではなく、かなりの長期間に渡ってブレイズに対して文句を言い続けていた。
驚くことに、ブルースがメイデンに復帰して、ブレイズが表舞台から姿を消してもなお、その攻撃は続けられたのである。
本当に異常なことだった。
彼は、悪事を働いた人間でない。アイアンメイデンに加入して歌を歌っただけなのである。
そもそも彼は、オーディション等を進んで受けたのではなく、メイデン側の打診を受けて加入したのだ。それも前任者は解雇されたわけではなく、自ら脱退していった後にである。

確かにブレイズの歌はメイデンに合っていない。音程もフラフラで、表現力もなく一本調子だ。
しかしながら、ブレイズは元々デイヴィッド・リー・ロス的な歌い方をするシンガーで、ウルフズベインはアメリカンロック的な曲をやっていたバンドだ。

こうやって、ウルフズベインの曲を聞くと、本当にデイブかと思うほど堂に入っているのがわかる。いかにもハードロックな感じで好感すら持てるだろう。
問題があるとすれば、このようなシンガーを選んだスティーブ・ハリスにあるのではないだろうか。
特に冒頭の動画の「Sign Of The Cross」のようなプログレに近い曲は最悪の組み合わせと言える。


もっと言ってしまえば、アイアンメイデンというバンドは、ポール・ディアノもブルース・ディッキンソンも「非常に上手いシンガー」だったわけではない。
メイデンはそういった部分で評価されたバンドではないはずだ。
中心はあくまで曲そのものであって、ベースを軸とする見事な展開を聞かせるバンドとして人気を得ていたはずなのである。
当時の他のメタルバンドとは違い、音符の縦にも横にも気を配ったスケールの大きなアンサンブルこそが肝だったのだ。

当然、スティーブ・ハリスはそれを熟知していた。にもかかわらず、それをいかす歌い手を選ばなかったのだ。

誰だって「アイアンメイデン」のようなバンドから加入の話が来れば、断らないだろう。
金の問題だってある。少なくともウルフズベインよりも安定するだろう。名声も一気に上がる。キャリアを一段高くすることもできる。
そういう状況で、ブレイズを非難し続けるのは間違いではないだろうか。特に脱退後まで、笑い者にしたり、非難する必要はどこにもないはずである。

90年代のメタル話(1)

ブラック・サバス・ディヒューマナイザー Dehumanizerは本当に駄作だったのか?

ブラック・サバスが1992年に発表した「ディヒューマナイザー Dehumanizer」は、発売当時に滅茶苦茶な程に叩かれまくったアルバムである。
特に雑誌等のプレスは散々に酷評しまくり、存在を抹消したいほどの駄作だと攻撃を繰りかえしていた。

時代的にグランジオルタナが隆盛し、メタルアーティストが苦戦を強いられレーベルドロップを始めたあたり。

そのグランジオルタナ勢が攻撃するならまだしも、率先して飽和攻撃を行っていたのは、誰あろうメタル陣営だったのが興味深い。

これには、90年代的な時代背景がある。

当時メタルのプレスは、新たなカウンターカルチャーだったグランジオルタナを敵として認定し、紙面で攻撃を繰りかえしていた。

なぜ敵として認定してしまったか?
それは、カウンターカルチャーが起こる時、新しき者は古き者を揶揄するものであるが、それが顕著だったこと。
誰だって自分の好きな音楽を貶されると、ムカつきますわな。
また、リフなどで旧態然とした影響を受けつつも、彼らがそれを否定したこと。
何より決定的だったのは、今までクールとされてトレンドのトップだったメタルが、聞いていると恥ずかしい音楽に成り下がってしまった為に、それを愛好する者が焦りを感じていたからだろう。

だから、ディオがブラックサバスに復帰したと聞いて「ヘヴン&ヘル Heaven and Hell」のような様式美を期待していたところ、出来上がったのはヘヴィネスさに重きをおいたものだった為に、憎さ100倍になってしまったのではなかろうか。

あの頃、メタル系雑誌の「モダン化」に対する神経質さは、魔女狩りのような様相を呈していて、少しでも音が暗くなっていれば「裏切った」と書き散らし、それに賛同するメタルファンを巻き込んで波状攻撃を行っていた。

ストラトを使っていたギタリストが、ハムバッカー搭載のギターを弾いただけで攻撃された例すらある。

ここまで行くと「正気じゃねぇ」というレベルだが、当時のメタルファンっていうのは、ターザン山本に騙されるプロレスファンのように「正気を失っていた」んだろう。

さて、肝心の「ディヒューマナイザー Dehumanizer」だが、聞いたとおりカッコイイのである。
ケチョンケチョンに貶されるレベルではないだろう。

ジー在籍時から評論家などをやっている人達からすれば、相容れないのかもしれないが…。多分、ディオということでフックのあるメロディでも求めていたのかも…。

でも、ディオってレインボー初期とソロの初期くらいじゃないかな、良いメロディを書いていたのって。
しかも、そんな打率が高かったわけじゃないし。
おそらく、後年のディオ作品を認められなかった人っていうのは、何十年経っても、キャッチ・ザ・レインボーやスターゲイザーを求め続けていたのかも。
正直、自分の好みでしかないが、80年代的なバブルガムバンドの臭いメロディのほうが、よほど辛いよ。

それに今聞くと、全然ヘヴィでもなければ、メロが無いわけじゃないしね。あくまで2013年になった今の意見だけど。

自分はブラックサバスのアルバムは全部好きです。特にマーティンの「ティール Tyr」が好きかな。

昔から聞いてる人は、最初の5〜6枚だけしか聞かないみたいだけどね。


ちなみに、グランジオルタナ陣営は初期のサバスを異常に評価し、それ以外を一切認めていなかった。
メタルもグランジオルタナも、やってること同じやんけ…。


マーティン時代。こっちは様式美を追求した作品だったが、それでも評価はされなかった…。いったいメタルファンは何を求めていたのだろう…。
マーティンに華がない、髪の毛が薄いとか、そんなことばかり話題になっていた感がある。
Black Sabbath - Cross of Thorns
http://www.youtube.com/watch?v=ZR-wgQNrR1U

Black Sabbath - The Battle Of Tyr / Odin's Court / Valhalla
http://www.youtube.com/watch?v=HEUrhtxo7aE


2009年だから、もうかなり前のことになってしまった。このテイクtakutune.氏のギターが素晴らしいと思うんですよ。単純なだけに心に届くものがある。
ジャムセッションは会話だ。そこに打算や偽りはない。人間性がストレートに出る。なぜなら隠しようがないから。