どうでもいい

頭の中は君のことばかり

しがないオタクが担降りをする話

こんにちは、さやきちです。

この度、カラースプレーぶっかけアイスの担当を降りることにしました。 

以下、しがないオタクによる長文ポエムです。お暇な方は読んでいただけたら幸いです。

 

私がカラースプレーぶっかけアイス担当になったのは2019年の12月のこと。1ヶ月弱くらい、私はカラースプレーぶっかけアイスの担当をしていた。

 

私がこのアイスに出会ったのは、確かTwitterで誰かがこの組み合わせがおいしいとツイートしているのを見かけたときだった。

最初は、ちょっといいなあと思ってた程度だった。まさかあのときは担当になるなんて思ってもみなかった。

 

本格的に沼に落ちたのは、ある日友達とドーナツを食べてて、私チョコレートドーナツにかかってるカラースプレーが好きだな…てかカラースプレーが好きなのかもしれない…と気がついたのがきっかけだった。

カラースプレーをアホほど食いたい…そう思ったときに思い出したのが、あのアイスだった。

 

その日の帰り、近所のスーパーの普段踏み入れない製菓材料売り場で、カラースプレーを購入した。もちろんバニラアイスも忘れずに買った。

家に帰って真っ先に封を開け、これでもかというほどのカラースプレーをアイスにかけたとき、今までにない胸の高鳴りを感じていた。

一口食べた瞬間、これが恋の始まりなのかもしれない…そう感じていた。

 

それからというものの、私の毎日は貴方にまみれになった。

 

アイスにカラースプレーをぶっかけるために学校もバイトも頑張れた。嫌なことがあっても、家に帰ればあれが食べれるんだと思えば笑顔でいられた。

頑張って稼いだお金は全て貢いだ。

最初はファンサなんていらない、食べてるだけで満足だと思ってたけど、ある日目を合わせて笑いかけてくれたような気がして、自然に涙が溢れた。

カラースプレーぶっかけアイスは見た目がめちゃくちゃかわいい。カラフルでちょっとバカっぽくて、だけどほんの少しワイルドで…とにかくこの世のものとは思えないほどかわいいのだ。だから私もできる限りかわいくいたくて、メイクもオシャレも楽しめるようになった。

 

貴方がくれたキラキラは全部私の宝物だ。この気持ちにいつだって嘘はない。

 

あの幸せな日々がいつまでも続いてほしかった。

 

だけど、それはもう叶わぬ願いだ。

 

 

あの日、私はいつものようにバニラアイスにカラースプレーをかけていた。そしていつものように口に運んだ。口の中でとけていくアイスクリームとカラースプレー。いつもならその瞬間に脳内麻薬が溢れ出るのだが、このときはいつもとは何かが違った。

 

甘すぎる。

 

急に夢から醒めたように真実を叩きつけられ、膝から崩れ落ちそうになった。

 

いや、そんなことは前からわかっていた。だけど、これまではそういうところが好きだと思っていた。喉がキンとするくらいの甘さの虜だった。

 

なのに気づいてしまった。これは甘党じゃない人が食べたら卒倒するレベルの甘さだと。

そして、私は元来そんなに甘党ではないと。

そんなに甘党じゃないのに何故か好きだったのだ。あのときの私は甘さを求めてやまなかったのだ。そんなときに目の前に現れたのがカラースプレーとバニラアイスだったのだ。

本当にそれだけ。それだけだった。あんなに好きだったのに、こんなことであっけなく終わってしまうなんて。

 

ああ、これが担降りか。Twitterはてブロでそんな人をたくさん見てきたけど、まさか自分がそうなるなんて考えてもいなかった。

 

わかってる。貴方が変わったわけじゃないって。貴方はきっと昔からそういうアイスだったんだ。変わってしまったのは、きっと私のほう。貴方に盲目になれなくなってしまった私のほうが昔と変わってしまったんだ。

 

受け入れ難い現実を目の前にして、涙を堪えながら残りの貴方を食べる。

子供の夢を詰め込んだような見た目、ジャリジャリとした食感、微かに香るケミカルな風味、カラースプレーのチョコより砂糖の主張強めな荒々しい甘さとバニラアイスの大衆的な甘さのハーモニー……そのどれもが愛おしかった。そのはずなのに、今はもういい加減にしてほしいという憎しみすら湧いてくる。可愛さ余って憎さ百倍とはこういうことかと、こんな状況なのに少し笑ってしまった。

 

楽しかった。貴方のオタクができて楽しかった。これ以上に無我夢中にオタクができるものにこの先出会えるのかな。ううん、貴方以上のアイスなんてきっとこの先出会えない。担降りを決めた今だってそう思えるくらい、貴方は最高のアイスだったよ。こんなことで降りてしまう私のほうが愚かなのかもしれないという思いすらある。

だけど、もうさよならだ。

そう思いながら、最後の一口を飲み込んだ。

 

 

私はカラースプレーぶっかけアイスの担当を降りる。

 

だけど、カラースプレーぶっかけアイスのことが嫌いになったわけじゃない。上手く言えないんだけど、こんなに感情をぐちゃぐちゃにされたのに今でも好きなのだ。

私に無我夢中になることの楽しさを教えてくれたのは他でもない貴方だから。

だから、私は担当を降りてもずっと貴方の幸せを願っている。どうかこれからも沢山の人に愛されて、その中心でいつまでも笑顔でいてね。

貴方は人を笑顔にする天才です。

 

今までありがとう、カラースプレーぶっかけアイス。