火山のふもとから

日記、考察

シャガール、夢

時が静かに流れ出し

その舌先に私は触れた

 


それはひんやりとし ざらざらしていて

思っていたのとは ちょっと違った

 


川のほとりに突っ立って

悴んだ手をポケットに入れたまま

澱みの中舞い散る泥の妖精を

みつめて

 


舌先から滴り落ちる ひとすじの時間は

過去という広大な暗闇の果てへと

どこまでも続いている

 

山田古旧 『詩篇』より