悩めるママ達に!学習塾の塾長が教えるかしこい子育て方法

とある学習塾塾長が他塾の塾長から怒られそうな勉強・進学・育児についてのヒントをお伝えします。

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【重要解説】これでバッチリ!神奈川県高校入試について知っておくべきこと②ー試験・面接編ー

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毎年変化の激しい神奈川県高校入試。皆さん仕組みは理解していますでしょうか?

先日ご紹介した内申・学費編に引き続き今回は第二弾です。

 

 ↓第一弾

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<試験-公立>

高校の入試には筆記試験があります。(※クリエイティブスクールでは筆記試験はない)

神奈川県公立高校の筆記試験は全校共通の問題が使用されます。入試の次の日に新聞に問題も解答も載りますよね。

 

それに加え、成績上位校(主に偏差値50台後半以上)では特色検査という試験を実施するところもあります。

 

この特色検査は非常に面倒なもので、実施している各学校で色々違います。教科横断型、分野横断型、論述形式等、様々なので、今回は解説しません。とにかく共通試験の他に上位校では面倒くさい試験がもう一個あると思ってください。

 

特色検査を実施していない学校は共通テスト1種類のみ受験します。

教科は5科目(英・数・国・理・社)

です。

 

この公立高校入試試験は毎年傾向が色々変わり、ひと昔前は英語の変化に塾業界全体ビックリこきまろ。

次いで数学の変化、理科の難化、昨年度は社会の難化と、毎年傾向がころころ変わります。

 

また、神奈川県の入試問題は全国的にみても文字数がダントツに多く、読んでいるだけで時間がなくなってしまいます。また、隅々まで読まないと解けないようになっています。

 

問題作っている人は性格が悪くて、頭がおかしいんだとおもいます。(←コラ!)

 

個々の問題の分析についてはいつか別記事にて解説しようと思いますが、

平均点は

    英   国   数   理   社   合計

H31  49.8  59.1  50.3  61.3  42.5  263.0

H30  56.1  65.6  56.0  45.3  41.8  264.8

H29  51.9  73.1  63.5  46.9  54.5  289.9

H28  43.0  64.7  52.6  37.4  50.2  257.9

 

こんなかんじです。

H31年度は英数国が平均点さがりましたね。

H28年度には難化してずっと警戒されていた理科(当時の平均点30点台)が今回「ガスバーナーの使い方」など、小学校範囲の基本を出してきたということで、前年度よりも平均点が15点以上も上がっています。

 

問題作っている人は性格がいやらしくて、悪くて、頭がおかしいんだと思います。(←コラコラ!!)

 

とにかく、毎年傾向が読みにくいので、過去問があまり役に立ちません。

基本を忠実に理解しておくことが重要です。

 

 

 <試験‐私立>

私立の筆記試験は各学校オリジナルの問題を行います。

教科は3科目です。(英・数・国)

ですから、理社が不得意な子には良いと思います。

 

難関校ではレベルの高い問題が出題されますが、普通~それ以下の学校はちゃんと受験用に過去問を何年分か解いて対策をしておけば大丈夫でしょう。

 

私立の推薦受験の場合、試験はありません

 

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<面接>

入試では前回解説した内申・調査書(評定)の他に今解説した入試の得点とさらに面接が必要になります。

 

 ↓内申について

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公立も私立も全校面接を行います。

 

各学校で違いはありますが、だいたい比率としては公立難関校が試験5評定3面接2ぐらいで合否判定します。普通~以下では試験4評定4面接2 または 試験3評定4面接3 ぐらいです。

私立の推薦では試験はありませんので、面接がとても重要になります。

 

事前に中学校で「面接シート」というものを記入します。だいたいそれにそって面接の質問をされます。

 

ですから、書いている事と言っている事が違わないようにしないといけません。

 

面接時間はおよそ、3分~15分。

 

面接についてもまた別記事で詳しく解説するつもりですが、

  • 中学3年間のがんばったこと
  • 中学3年間の思い出
  • 得意な科目・不得意な科目、その理由
  • 長所・短所
  • 志望理由
  • 部活動について
  • 高校でがんばりたいこと

 

など、一般的な質問から、

 

  • 自分がスーパーマンになったら何をしたいか。
  • お小遣いは月いくらもらっているか。何につかっているか。
  • 受験が終わったらなにをしたいか。
  • 高校生が髪を染めたり、ピアスをあけることについてどう思うか。

 

というような意外な質問まで色々あります。

 

同じ点数、同じ評定の生徒がいた場合、どちらを合格にするかは面接で決まりますので、たとえ2割だとしても、面接はとても大切なものです。

 

私立の推薦では、中学校の校長先生と面接をして、推薦しますよーの許可がもらえたら受験校で面接をするということになります。推薦の面接は一般入試の面接よりも長くなり、10分から15分程です。稀にとても短い所もあります。

 

一般入試では学校によって面接の仕方が違い、先生と1対1、先生2人の2対1、他の生徒4~5人とのグループ面接、親も一緒に行う面接など、様々なので、しっかり調べて準備をしておきましょう。英語に力を入れている学校では英語でのグループ面接を行うところもありますよ。

 

さて、今回は試験・面接編についてお伝えしました。本当は2記事くらいで説明できるかと思ったのですが、読み易くしたいため、小分けにします。

 

別記事で引き続き神奈川県高校入試の知っておくべきことについて解説していきますね。それではまた~。

 

 

(写真:ぱくたそ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【重要解説】これでバッチリ!神奈川県高校入試について知っておくべきこと①ー内申・学費編ー

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神奈川県高校入試は毎年と言っていいほど試験内容や受験者人数、倍率傾向などがコロコロ変わるやっかいなものです。

 

今回は知らないで闇雲に高校入試に挑んで無駄なことをしないように、簡単に神奈川県高校入試の仕組みについて解説したいと思います。

 

なるべく1からわかりやすいように解説するつもりなので、細かい難しいことは混乱を避けるため、あえて省いています。

 

 

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<公立と私立>

神奈川県高校入試はざっくり簡単に分けて2つ。公立と私立ですね。

 

ー公立高校受験の特徴ー

  • 学費が安い(※学費は最近色々変わってきたので後で解説)
  • 公立高校共通の筆記試験と面接受験必須(※試験についても各学校で違うので後で解説)
  • 公立高校受験は1校のみ。私立は併願可(例:×公立A校と公立B校を受験  〇公立A校と私立B校を受験)
  • 全日制の他、単位制、定時制、通信制等様々な形の学校がある。

 

ー私立高校受験の特徴ー

  • 学費が高い(※最近補助制度が拡充されてきましたので、後で解説)
  • 大きく分けて一般入試と推薦入試がある
  • 公立と併願可。一般入試で条件が合えば他私立校との併願も可
  • 筆記試験は各学校で内容が違う
  • 入試に必要な内申点に加点措置がある
  • 奨学金制度などがある

 

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<内申点と偏差値>

公立私立の特徴の解説の前に内申点と偏差値の解説をします。

 

高校入試では公立も私立も

  1. 内申点
  2. 筆記試験
  3. 面接
  4. 調査書

 

この4点が重要になります。

 

この中の内申点についてですが、

簡単に言うと内申点=中学校の成績です。

高校入試には2年の後期の成績と3年の後期の成績を2倍したものの合計点が使用されます。

 

ややこしいですねー。

 

2年後期の5段階評価×9教科+3年後期の5段階評価×9教科×2

ということになるので、

5×9+5×9×2=135

 

135点が満点となります。

 

具体的に

2年生の後期の成績

英4 数4 国3 理4 社3 美4 技4 保3 音3

合計32点

3年生の後期の成績

英4 数5 国3 理4 社3 美4 技5 保3 音3

合計34点

 

の生徒がいたとして、高校入試に使う内申点は

32+34×2=100

 

ということになります。

 

3年生の前期で良い点を取ったとしても、一切加味されませんし、3年の後期で2年の後期より悪い成績をとってしまうと、それが2倍されるので、そうとうな痛手です。

 

この内申点と偏差値で自分のレベルを把握し、だいたい行ける学校を選びます。(内申点と偏差値に対応した学校のリストを中学校の先生や塾がもっているのでそれを参考にする)

 

偏差値は、試験の点数のレベルです。

 

ざっくり説明すると、平均点ピッタリだと偏差値50となり、50を超えたらまあまあ。60を超えたら頭良いと言われる。50未満だと。。。と思ってください。

 

この偏差値に関しては入試前に必ずどこかの塾で実施している模試を受検して、把握しておくようにしてください。それも、1度や2度ではだめです。1回目の結果が良くても2回目も良いとは限りません、何度か受検して、自分の平均偏差値を把握しておきましょう。

また、本番の偏差値はもっと下がると思ってください。なぜなら、毎年神奈川県の高校入試試験問題は過去の問題と似ていない出題傾向をとり、それだけで当日動揺してしまったり、冬の寒い中、緊張も重なり100パーセントの力を発揮できない可能性があるからです。

 

 <学費>

さて、内申点と偏差値についてわかったところで、先ほど紹介した公立高校と私立高校の特徴の解説をします。

 

学費ですが、公立高校はもちろん安いです。ここでは私立の解説を。

私立高校は公立高校に比べて学費が高いです。それは、公立高校に比べて

  • 施設の充実に注力している
  • 新しい機材導入による質の高い授業を提供している
  • 部活動指導に外部から良いコーチを招いている
  • セキュリティーにも注力している

 

などがあるからです。

 

逆に言えば、高い学費をとっているのに、汚くて古い学校(特に職員室やお客さんが使う施設は充実しているのに生徒の使用する物にお金をかけない)や、授業の質が高くない学校は要注意です。お金何に使ってんだ!と勘ぐってください。

 

受験料、入学金、年間授業料、制服代等ほとんどが公立高校より高いと思ってください。

 

しかし、最近私立高校受験に際して国と県からの補助拡充がされています。(朗報!)

 

私立高校の学費支援制度

 

左から、

(年収の目安):国の授業料補助(A)/県の授業料補助(B)/県の入学金補助(C)/合計

とします。

 

(生活保護世帯):297000円(A) + 147000円(B)+ 100000円(C)=544000円

(250万円未満):          同上

(350万円未満):237600円(A) + 206400円(B) + 100000円(C)=544000円

(590万円未満):178200円(A) + 265800円(B) + 100000円(C)=544000円

(750万円未満):118800円(A) +  74400円(B) + 100000円(C)=293200円

(910万円未満):118800円(A) +  0円(対象外) + 0円(対象外)=118000円

 

 

2019年度時点で上記のような補助が受けられます。

年収590万円未満の世帯では私立高校の授業料が実質無償化されました!

 

近年私立人気が強まっていますが、これもさらに私立人気に拍車をかける要素になりそうですね。

 以前小学校英語改革~大学改革の話をさせていただきましたが小・中・高と公立でバラバラに改革の影響を受けるよりも私立で質の高い英語授業を受けるという選択肢が、この学費の補助により高いハードルではなくなるかもしれませんね。

 

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もっと言えば、中高一貫の私立で6年通して同じ学校で英語を教わった方がメリットは大きいと思いますので、中学から私立受験を考えてもいいかもしれません。

過去記事にはデメリットもメリットもたくさん述べているので是非チェックしてみてください。

 

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 今回は解説はここまでにして、次回は<試験><出願>等について解説したいと思います。

 

 

【噂】失敗?小学校英語改革ってどんなもの??

 

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みなさん、小学校英語改革ってご存知ですか?

 

これ、国が今推し進めている入試改革・教育改革の一環なんです。

大学入試が2020年に大きく変わる事はもう色々言われていますよね。

もうすぐなのにまだハッキリ決まっていない少々不安を感じる改革です。

 

でも、大学入試は大きく変わるんだ!という目標は決定です。

 

現行のセンター試験はなくなり、大学入学共通テストが実施されます。すでにプレテストは実施され、段々と試験内容の方針が定まりつつあります。

 

その大学入試に対応するために、高校でも今までの授業をガラリと変え、大学入試に対応するような授業を意識しています。でも高校だけで急に変えるのは大変です。生徒に意識させるにはどうしたらいいか。

 

そのためには、中学校から準備してもらおう!ということで高校入試をガラリと変えます。すると、中学校から授業改革が必要になります。こうなると、中学校でも同じ発想になり、特に政府が力を入れたいと思っている英語改革が小学校に降ってきたという流れです。

 

今の中1・小6年生は昨年度から試験導入された英語の授業を小学校で体験しています。そして2020年には小学校5・6年生(今の小4・小5)で英語が完全に教科化、小3・4で履修開始。また、プログラミング教育も必修化されます。

 

でも、先ほど大学入試改革の全貌がまだはっきりしていないとお伝えしましたよね?元がまだはっきり決まっていないので、この英語改革も非常にふわっとしています。

学習塾で働いている身としては、今はまだ試験導入といえど、一時のゆとり教育の大失敗のようにならなければいいなという気持ちです。

 

今回は噂レベルの英語改革を試験導入が1年経過して、塾に通っている生徒の様子などを通して英語改革の影響が実際にどうなのかをお伝えいたします。

 

<小学校での英語導入の発想>

とにかく「日本は母国語以外の言語にとても弱い」というイメージ。

これからグローバルな人材を育てていくにはやっぱり英語をもっと話せるようにしないとね!ということでの英語改革です。

 

そこで、もっと英語を小さい内から話していれば得意になるんじゃない?の発想で、小学校から導入。ついでに大学入試に合わせて中学も高校も英語のレベルをあげよう!だって小学校から英語やるんだもの!土台はできているよね☆と、簡単にいうとこんな感じです。

 

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<授業>

では具体的にどういう授業をするのか

  • 会話
  • 教科書の文章リーディング

 

基本の授業はほとんど歌や会話です。まあ、小学生ですから、とにかく楽しみながら英語に慣れていってほしいということです。

 

【現実】

英語が好きな子→別に楽しくない

英語が嫌いな子→もっと嫌い

 

という意見が当塾では多かったです。というより、学校の英語の授業が楽しいと答える子は今のところいません。あらら。。。

 

「英語が好きな子」は、すでに英会話教室に通っていたり、家で英語に触れる機会がある子で、「英語ができる子」ととらえてください。今は英会話教室に幼い頃から通っていたり、ご両親、または片親が外国の方、親戚が外国の方、または親戚が外国に住んでいる。しょっちゅう海外に行く家庭も多いので、「英語ができる」子は1クラスに3割程度います。小学校ですでに英検3級を持つ子も増えています。(それ以上は日本語が難しいのであまり取得している子はいませんが、それ以上の級を保持している子もいます。)

 

そんな英語ができる彼らにとって、小学校の授業はつまらないそうです。

できる子とできない子の間に差がありすぎるのと、それを教える先生が日本人で英語がそんなにできない先生ですから、当然といえば当然のような気もします(ネイティブの先生が指導してくれる学校もあり)

 

そして、もちろん「英語ができない子」にとっては楽しくない時間なのだそうです。

 

<基本方針:書けなくても、聞けて話せればそれでいい>

教科書の中身は正直なところ、現在の中学校の内容よりも高度です。(教科書は本格導入の時にまた変わるようですが、レベルはそんなに変わらないと思います。)

 

ips細胞の山中教授についての話や宇宙ステーションの仕事の話など、(英語の前に国語だろうと突っこみたくなる内容)今までの英語の教科書の使えない英語代表「This is a pen.」の影はありません。

 

そんな難しいレベル無理なのでは?と思うかもしれませんが、「子供は好きな事ならすぐ吸収して話せるでしょう?」という希望の元、「聞いてなんとなく意味が分かって、自分の事をいっぱい話せればOK!」ということらしいです。

 

そして文法や「書く」ということは一切しません。また、主語も「I」と「You」のみの学習です。

 

「They」「We」「He」「She」などは覚えなくてもいいし、とにかく書く必要はないということで、英語の難易度のバランスを保っています。

 

小学校で会話重視の英語をやってくれるのであれば英会話教室に通う必要なさそうですね。

 

<問題点>

苦手な子、得意な子がいても、英語に触れる機会があるのはいいことだと思います。

でも、以下のような問題があります。

 

  • 教える先生の質に差がある
  • 各小学校で英語の授業の時間が統一されていない
  • 小学校で英語を学習することになったので中学校での学習単語量が今までより大幅にアップする

先ほども少し触れましたが、教える先生の質に差があるのは、上達に大きく影響します。

ネイティブの先生がいる学校はいいですが、(それだって、オーストラリア英語、イギリス英語、アメリカ英語 等 発音も単語も違うのですが)日本人のそんなに英語が得意ではない先生しかいない学校は、先生も子供達も大変です。

 

また、一応「〇時間やった方が好ましい」という授業時間の指針はありますが、他の教科も削れないので、「やれるところはやってください」という、完全に各学校に任せた指針なのです。

 

ということは、1週間の内にたくさん英語をやる小学校と、全くやらない小学校が存在するということです。

 

これでは各学校によって、英語のレベルに差がでてしまいますよね?そしてもっと恐ろしいのが、それぞれ違うレベルの英語力の小学生達が同じ中学校に進学する場合があるということです。

 

近隣の小学校を卒業した生徒さんは同じエリアの中学校に通いますよね。そして片方の小学校では英語をかなりの時間学習していて、片方では全くやっていないとします。

中学校としては、小学校のカリキュラムはしっかり履修している前提で授業をするわけですから、小学校で英語をほとんど学習していない子はおいていかれます。

 

さらに現在の中1から英語の学習レベルは上がり、学習する単語数も約5000語ほど増えることになりましたので、かなり急いで学習しないと間に合いません。

 

しかも、一番大変なのが、中学からは「書く」ことがあたりまえになります。

 

今まで一切書けなくて良かった小学校英語からいきなりたくさんの単語を書けなければいけなくなります。

 

結局小学校で「書けなくてもいい」として、難しい英語をたくさんやらせておきながら、その難しいことを中学でいきなり「書けなければいけない」状況に置かれます。その間、誰も「書く」ことを教えていないのにも関わらずです。

 

国語で想像してみてください。「あいうえお」も何も書けなくていいよーと言っておきながら中学校で漢字や四字熟語をいきなりやりますか?英語も本来言語なのですから国語と同じように「書く」ということをしっかりやらないといけません。

 

そこで、結局誰も教えてくれないわけですから自主的に「書く」をやっていかなければならなくなるんですね。

 

<ベストな対策は>

英語が難しくなるならば、英会話教室にいかなければ!とお思いになるかもしれませんが、むしろ今までよりも「書く」ということが重要になってきます。

 

英会話教室のようなことを学校がやるわけですから、これからもし習い事を検討するのであれば、「書く」ことを中心に教えてくれる塾をオススメします。

 

これは、私は学習塾の塾長だから言っているのではなく、今の中学校や高校、大学入試を見据えて必要なことを語っています。

 

読めて聞けて話せても、書けなければ点はとれません。

 

結局点数が成績に一番ひびきます。

 

以前の記事に習い事の話について書きましたが

 ↓

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「幼い内に英語に触れないと英語耳が育たない」とお考えの方多いですよね?

 

それは今の子供達においては全く心配いりません

今の子供達は格段に昔よりもリスニング能力がたけています。

 

なぜなら日常に英語があふれているからです。

 

海外旅行へ行く機会も増えました。

英語の歌もいつでも流れています。

海外ドラマも増えています。

街に外国人が増えています。

 

自然と英語に触れる機会が格段に多いのです。

 

事実、当塾の生徒さんで、小さい頃に英会話教室に通っていた子と、全く通っていない子と、リスニング能力に差はありません。

 

英語が嫌いといっている子でもカラオケで海外アーティストの曲を完全に歌い切ります。

 

将来海外で生活することを見据えているのであれば、幼い頃から英会話教室に通うのも必要かもしれませんが、日本の大学へ進学するならばリスニングや発音を気にするよりも、誰も教えてくれない「書く」ことに集中した方が確実です。

 

また、もし幼い頃から英会話スクールに大金を使うのであれば、ぜひ中高一貫の私立の学校で英語に力を入れている学校(難関でなくてよい)を検討してください。

 

難関私立を受験する必要はありません。

 

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私は中学受験については色々思うところがありまして、一概に「受けたほうがいい」「受けない方がいい」と判断できるものではないと思います。特に難関私立受験は中途半端な気持ちや知識ならば「やめたほうがいい」とアドバイスすることの方が多いと思います。

 

ただ、難関私立でない私立中高一貫校受験は推奨する場合もあります。それは

 

  • いじめが少ない学校が良い
  • 英語教育のしっかりした学校が良い
  • 厳しい躾をしてほしい

という場合です。

 

中高一貫のメリットは、同じ学校で統一した授業を受けられるという事です。

国の教育指針が実験的にコロコロ変わる影響を受けやすい公立の中学校高校で3年ごとに入試が入ってくると、教育方針も違う上に入試勉強で時間を奪われます。

 

中高一貫であれば、同じ環境の教育を6年間通して受けられますし、公立よりも授業の質は高いです。高校入試の必要もありませんし、余裕をもって大学入試の準備もできます。

 

もし、英語を重視するのであれば、英会話教室より是非私立中高一貫校にお金を費やす事を強くお勧めします。

 

しかし、そもそもなぜこんなに英語英語とあわてなければいけないのか、一番大切な日本語すらあやふやになってしまっている時代です。もっと力をいれて勉強しなければいけないものがたくさんあるのに、変な流れになってしまっていると常日頃疑問をもちます。

 

この改革にまどわされず、自分の子供にはこういう教育をしたい!という理念があれば全く心配することはありません。ご自分達の判断を信じて英語以外の理系科目に特化した学校を目指すもよし。芸術の道に進むもよしです。大事なことは子供がどうしたいのか、どう育ってほしいか、よく考える事と、周りの意見に惑わされない事です。

 

「皆が英会話教室にいっているから」「皆が受験するっていってるから」ということで子供の将来を決めないでください。

 

この改革が後に「改悪だったね」といわれないことを願います。

 

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(写真:ぱくたそ)

 

 

 

【指導事例⑤】小学1年生で入塾Eちゃん:IQテストで記憶力に問題ありと判定。

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 シリーズでご紹介している、今まで当塾に在籍していた学習障害のあった生徒さん達の実際の指導事例です。

 

当塾は学習障害専門塾でもなく、普通の学習塾なので、専門家でも何でもない普通の塾長や講師達が試行錯誤・悪戦苦闘しながら体当たりで個性の違う生徒さん達を指導してきた生の声をお伝えしています。

 

今までのシリーズでお伝えしてきた生徒さん達、色々な事がありました。

↓↓過去記事こちらです↓↓

 

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今回は私が講師だった頃に出会った小学1年生の女の子Eちゃんの事例です。

 

<小学1年生で入塾Eちゃん>

Eちゃんは専門家のところへ行っても学習障害はないといわれました。ただ、IQテストで「記憶力に難がある」と断定されたそうです。

原因は低体重で生まれたからとのことでした。(低体重で生まれるとなぜそんなことがおきるのかはよく知りません。)

 

Eちゃんはとても女の子らしく、優しい素敵な女の子でした。

ただ、体の発達が遅いように見受けられ、体は小さく、しゃべるときも口に唾がたまりやすく、「先生」と発音するときも「ちぇんちぇい」となってしまいました。視力もかなり弱く、指の力も弱かったので、文字を書いたり、細かい事をするのがとても困難でした。

 

それと、答える時に自信がなくて、先生の顔を見て判断してから答えるクセがあったので、質問をするときはどんな時でも一定の表情を保つように心がけました。

 

入塾時は1年生で、お母様は塾に通うという事に不安を感じているようだったので、無料体験授業をお母様にも見学していただきました。

 

体の発達もそうですが、なんとなく精神的にも幼いように感じられたので、初回は私の膝の上にのせて授業をしました。

 

数字が覚えられないというのが悩みだったそうで、一緒にホワイトボードに絵をかきながら、「2」ならば、2本の脚で立つ動物の絵を描いてもらったりして、緊張をほぐしました。1~10までの数字で特に覚えられなかったのは8と9でした。

 

どうしても覚えられなかった「8」と「9」を覚えさせた方法

 

「8と9がどうしてもおぼえられましぇん。。。」ともじもじ言うEちゃん。本人も相当悩んで気にしているようでした。

 

ここで大事なのは「覚えらない」の意味を把握することでした。

音がわからないのか、形がわからないのか。

Eちゃんは音は「ハチ」「キュウ」と発音していて、どちらが大きいかもわかっていました。でも「8」「9」と数字にされるとどっちがどっちかわからなくなってしまいます。

 

彼女は形の認識が少し弱いように感じられました。

そこで、8を大きく描いて、何に似ているか聞いたところ、「雪だるま」と言ったので、一緒に8を雪だるまになるよう落書きしました。そして、その雪だるまに私がアテレコをしました。「はじめまして、Eちゃん!」と雪だるま役で会話をすると、Eちゃんも楽しそうに「はじめまして」と挨拶をしてくれます。そして「僕の名前はハチです。」と自己紹介をしたら、「雪だるまのハチさん」と覚えてくれました。

 

今度は9を大きくかきました。何に似ているか聞いたところ、「風船がしぼんでいる」と言いました。

この時子供の感性はおもしろいなー。と感動してしまいました。たしかにしぼんだ風船のように見えます。

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「じゃあ、風船がキューッってしぼんだんだね」

と言ったら、「9」の名前もおぼえてくれました。

 

そこで、1から10まで大きな声で読みながらホワイトボードに書いてもらったところ、パーフェクトにできました。

ものすごく嬉しそうで、自信をつけたように見えました。

 

そして入塾を決意してくださり、国語と算数を受講することになりました。

 

足し算引き算 

 

数字を覚えられたことで少し自信をもってくれたEちゃん。今度は足し算引き算です。なかなか大変でした。しかし、子供は体で覚えたことやインパクトのあることは割と早く覚えてくれるので、今度は教室の床のタイルを使いました。スタートのタイルとゴールのタイルを決め、スタートのタイルにEちゃんを立たせ、足し算をさせます。その数のタイルをゴールまで進んでいきます。「グリコ」「チョコレート」「パイナップル」のゲームみたいな感じですね。

 

ゴールまでいったらご褒美として休憩をとって、塾の休憩室で5分間ジュースを一緒にのみました。休憩しているつもりのEちゃんは楽しそうにしていましたが、実はこの時ついでに時計を使って足し算の練習をし、時計の読み方も教えました。

 

「あと〇分で休憩終わりよ、足したらいくつ?」

という風にです。

 

そんな感じで、ままごとのお店屋さんごっこをしてお金の計算をしたり、とにかく勉強は楽しいという感覚を大事にしてもらうために、色々な工夫をしました。

 

ご家庭でも宿題を丁寧にみてもうよう協力してもらい、お手伝いもさせるようにお願いしました。

コミュニケーションで足し算引き算時計九九などはおぼえられるからです。

 

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学年が上がるにつれ、Eちゃんは何度も勉強の壁にぶつかりました。

 

<国語での特徴>

  • 音読では文字を読み飛ばしてしまう。
  • 字を小さく書けないので枠からはみ出してしまう。
  • 丁寧にゆっくり書いても字が乱雑。

 

<算数での特徴>

  • 形の認識が弱い
  • 書く文字が大きすぎてひっ算を余白に書けない
  • 書く文字が乱雑で見間違い、計算ミスをする
  • 指の力が弱く、ものさし等道具を使って作図ができない。

 

とにかく算数で困ったのは形の認識と作図でした。

鋭角と鈍角の違いや、異なる図形を判断するのが困難だったので、作図にも影響しました。

 

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( ↑ 左が鋭角:鋭い角 右が鈍角   これが見分けられない)

 

 

また、指の力(力加減の操作?器用さ?)が極端に弱く、ものさしで真っすぐに〇cm線を引くということもできませんでした。必ず線を引くまでにものさしがずれてしまい、斜めになったりガタガタしてしまうのです。コンパスもつかえませんでした。

本人は何度も集中してやっていましたが、(集中しすぎるとよだれがたれてしまう)なかなかうまくいかず、コンパスも片手で弱い力でも楽に使えるものを色々探してきて用意しましたが、全てうまくいきませんでした。

 

唯一、「〇cmの直線を引く」という問題だけはなんとか克服しました。

 

その方法はまず、長さは気にせずにものさしで長めに直線を一本ひき、あとから〇cmになるまで線を消すという方法がうまくいきました。コンパスもものさしにあてて〇cm分開くということができないので、3cmの半径の円を描くときは長めの直線をものさしで書いて、3cmになるまで消し、その線にコンパスを当てるという方法で開きました。(それでも綺麗に回せないので、円がずれる。。。)

 

なんとかそれでも小学6年生まで進んだのですが、お母様から通級の相談をされました。

 

私はその時「通級」というものを知らなかったので、聞いて驚いたのが、「ちょっと授業についていけない子がたまに授業の時間に別の教室へ行き、授業とは関係のないもの(全学年の復習や図工等)をやり、授業がおわったら戻ってくるシステム」ということでした。

また、授業にでていなかったのに、その授業の宿題やプリントは渡されてやってこなければならないとのことでした。

 

私には、それは「集団授業で面倒な子を省いて先生が楽をする」ためのシステムにしか思えませんでした。(本当によく知らないのでこういう印象をその時もちました。すいません。)

 

例えばその抜けていた授業のフォローを放課後先生がマンツーマンでしてくれるならば、まだ良いと思いますが、そのフォローがないとどんどん授業にはついていけなくなります。そして学校側は「塾へ行ってください」と保護者に言うそうです。

 

お母様は通級のシステムを最初によく知らずに言われるがまま受けたそうです。

こちらも学校で「習っていないものが増えていく」とふまえて授業をしていくことにしました。

 

素直で明るいEちゃんにいじめの影が。。。

Eちゃんも6年生になって、なんとかお勉強はがんばっていましたが、相変わらず道具を使った細かい作業ができないのと、話し方や見た目の幼さは小学校1年生のままのようでした。新たに弟も生まれ、ご家族がEちゃんにつきっきりで勉強をみることも大変になってきました。

 

そんななか、いつも明るかったEちゃんがだんだんとぼーっとしていたり、暗い時があったので、

「どうしたの?」ときくと、「学校でEだけお友達から仲間外れにされるのよねー。少し寂しいの」というのです。

「そうなんだ。それは嫌ね。ママやパパは知ってるの?」とたずねると、

「ママは『そんなの気にしない方がいいよ』っていうんだけど、頭ではわかっててもやっぱりEは気になっちゃうのよねえ。気にする自分が嫌になっちゃうのよ。」

と気持ちを教えてくれました。

 

なんとも心が痛かったです。

詳細はわかりませんが、小学校の頃の女子って時々そういうことしますよね?私も仲間はずれにされた経験ありました。私の場合は体がクラスで一番大きく、(態度も)ケンカには自信があったのでなんともありませんでしたが、それでも良い気分ではありませんでした。

 

Eちゃんは、そういうお友達を嫌うのではなく、気にする自分を嫌になるという、純粋でいじらしい子なのです。

 

色々励ましの言葉を考えましたが、良い言葉がみつからず、「1年生以来久しぶりに先生の膝に乗りますか?」ときいたら、「え~、いいんですかあ?」と恥ずかしそうに反応してくれたので、「たまにはいいんじゃないですか?」と言ったら、嬉しそうに膝の上に座りました。

 

そこで「つらかったね。」と言ってぎゅーっと抱きしめだら、Eちゃんはボロボロと大粒の涙を流しました。自分でも6年生だから甘えてはいけないとがまんしていたみたいです。私の腕やスカートに涙がついて、「先生、ごめんなさい」と気を遣うので、「大丈夫だよ。気にしないで、それより誰にも言わないから今いっぱい泣いていいよ。」といったら、声には出さずに静かにたくさん泣いていました。

 

中学生になって

とうとう中学生になりました。

進学にあたり、中学校からは特別支援学級の打診があったそうですが、以前特別支援学級にいた生徒さんの保護者がとても後悔していたので、塾としてはオススメしない旨をお伝えしました。そのかわり、とても大変な毎日になることもお伝えしました。

 

 

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そして、今の神奈川県公立高校の入試システムや私立高校についての説明もこの時にしました。

 

神奈川県の私立高校では

  • 部活動を3年間続ける
  • 皆勤賞
  • 委員会役員
  • 部長
  • 英検等各種検定

等、その他にも色々優遇されることが多いからです。他にもバスケ部や吹奏楽部等特定の部活動で良い成績を残すと特待生として奨学金がもらえたり、ほぼ学費が免除されたりします。場合によっては公立よりも学費がかかりません。

 

「最初から言ってくれればやったのにい!」ということを防ぐために当塾では新中学1年生には保護者にもこの説明は必ずします。

 

Eちゃんももし学業がうまくいかなくても私立高校なら皆勤賞などで優遇してもらえるチャンスをフルで活用して少しでも行ける学校の選択肢を増やしてほしかったのです。

 

Eちゃんの異変

中学校生活のスタートはEちゃんにとって大変なものでした。

まず板書がうまくできないので、授業中のノートを十分にとれず、大量の宿題もなかなか終わらず、文字も小さく余白も少ない教科書や問題集に書き込む事も困難でした。

だんだん、暗記が出来なくなってきて、宿題も中途半端なやり方で終わっていたり、(「~であるから。」 と答えようとしているのに 「~であるか」 というように途中まで書いて終わっている)

 

呼びかけへの反応もさらに薄くなり、問題を考えるときに目をしばしばと瞬きさせる回数が増えていました。

 

テストも4割~5割で、正直な所、こちらの予想通りだったのですが、小学校でそんな点数を取ったことがなかったので、本人はショックで泣いていました。

 

解答をみると、最初から丁寧に解いていって、後半の時間がなくなってしまったようで、後半は何もこたえられていませんでした。

 

手の不器用さも小学校の頃から変わっていないので、丁寧に書こうとすると時間がどうしても足りなくなります。「選択問題だけでも探して先にやる」なんて技は彼女には難しく、テストで内申点を稼ぐのは難しかったです。

 

では、提出物で巻き返せるかというと、それも難しかったです。理科や数学ではきれいにグラフを描く事ができず、先生が「大事なところは色分けをして」といってもどこが大事か判断がつかず、問題集や教科書ほとんどの文章をマークしてしまい、全ページがピンク色に。。。フリクションのマーカーをつかっていたので、何度もやりなおすうちに教材もノートもぼろぼろになってしまいました。

 

先生からは提出物をしっかりできていないとみなされ、内申点は「2」に。。。

 

以前神奈川県公立中学校の内申について書いた過去記事です。↓

 

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Eちゃんのストレスはかなりのものになっていたと思います。

 

がんばっているのにできない。

やりたいのにできない。

親も塾の先生もがっかりさせてしまった。

 

日に日に元気がなくなっていくEちゃん、とうとう宿題もやらなくなってしまいました。

 

小学校の頃は「お勉強楽しい!」と言っていたのに中学生になって、もう楽しくは感じていなかったでしょう。

 

 

<苦渋の決断>

 

苦渋の決断でしたが、Eちゃん、Eちゃんのお母さんと話し合い、「退塾」ということになりました。

 

理由は彼女の精神的ストレスを軽減する為です。

 

もちろん、塾を辞めれば彼女の成績は下がってしまいます。勉強も大変でしょう。

でも、このままでは学校も大変、塾も大変。さらに塾の先生の期待を裏切りたくないというEちゃんの気持ちはただのストレスになってしまいます。

 

Eちゃんのお母さんには

  • とにかく一度塾を辞めて、休ませる方が良い
  • でも勉強は大変だから、ころあいをみて、また塾か家庭教師を検討してほしい
  • Eちゃんが当塾を大好きという気持ちが、「期待を裏切りたくない」になるとかわいそうなので、別塾の方が今は良いと思う。もちろん当塾に戻りたければいつでも大丈夫
  • 高校はこだわらなければ絶対にどんな人でも行けるので、お母さんもEちゃんもそこまでストレスに感じないでほしい
  • 別の塾に行っても高校入試などわからないことはいつでも遠慮なく聞いてほしい
  • 用がなくてもいつでも塾に遊びに来てほしい

ということを伝えました。そして、別の塾に行く時に参考になるようにEちゃんの苦手分野と今後指導した方が良い事などを書いたお手紙もお渡ししました。

 

Eちゃん本人には

  • Eちゃんが自分にがっかりしても、自分の事をどんなに嫌いになっても先生はEちゃんにがっかりしないしずっと大好きそれは一生変わらない。
  • 中学は大変だけれどもう少したてば慣れるから心配しないでほしい
  • 学校の先生の言うことをしっかり守ってほしい
  • いつでも塾に遊びに来てほしい

 

ということと、Eちゃんの勉強以外の良い所をたくさん言って(歌が大好き、歌が上手、かわいい、美人さん、小さい子供にやさしい、女の子らしい、敬語がとても上手等他にもたくさん)だから、将来は良いことしかないよ!と伝えました。

 

実際彼女は今の子供達が使うような「うち」「やばい」「~じゃねえ」などの汚い言葉遣いは一切しない、上品で女の子らしい子でしたし、挨拶もしっかりでき、赤ちゃんをあやすのも得意でしたので、将来保育の仕事などやれることはたくさんあると思いました。

 

<現在>

 

現在中3になった彼女は別の集団指導塾に通い、時々当塾に遊びにきてくれます。高校入試のアドバイスなどもしています。そして、遊びに来てくれた時はお互い思い切りハグをします。

 

私の判断が正しかったのか間違っていたのか、もっと出来た事はなかったかまだ今もできることはないか等、ずっと考えています。

 

当塾は在籍生徒以外への連絡は一切しませんので、基本的にEちゃんがこちらを頼ってきたときのみのアクションになりますが、いつでも頼ってこれるように今も彼女のカルテと彼女へのアドバイスシートはすぐに出せるように用意してあります。

 

高校入試を無事乗り切ってほしいです。

 

(写真:ぱくたそ)

【裏技】トイレの時間を有効活用!暗記のテクニック

最近暗記が苦手なお子さんが多く、当塾でも「うちの子暗記が苦手なんで、塾に行こうと思って」という理由で入塾を希望される方が増えています。

 

でも暗記って、実は若ければ若いほど得意で、年齢を重ねていけばいくほど衰えていくものなのです。(悲しいー)

 

だから、暗記は実は子供のうちが絶頂期で、この幼い内にどれだけ色々な事を覚えさせるかでその子のその後の人生に大きく影響していきます。

 

しかも、暗記は家庭で工夫してやった方が断然効率もいいですし、よっぽどすごい暗記法を専門に伝えている塾等でない限り、塾で暗記をするのはお金と時間の無駄です。

 

解き方を解説してもらう→塾

 

暗記→家

 

と思ってください。

 

脳みそに直接ペンで書きこんで暗記できるならやってあげたいですが、実際に暗記というものは自分で覚えようとして、集中しなければ難しいです。

 

中学・高校生になると、ゴロ暗記や、ひたすら書いて覚える暗記法など、塾で教わることもあると思いますが、簡単な英単語や漢字、九九、年代暗記などの小学生までのレベルのものは家で覚えたほうが断然良いです。

 

以前コミュニケーションで簡単に九九を覚える方法をご紹介しました。普段の何気ないコミュニケーションを、将来あまり役に立たないゲームキャラクターや子供番組のキャラクター名を覚えることに使うかわりに九九や英単語の暗記に活用しましょう!

 

 

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漢字などは体で覚える

 

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その他に、裏技として、暗記した方がメリットだらけなものは

円周率3.14の倍数です。

 

これは10倍までの10個でいいですし、厳密にいえば、1倍と10倍は覚えなくていいので8個で済みます。

これを覚えてさえいれば、いちいち毎回計算する時間が省けますし、計算ミスがなくなります。

 

難関私立校受験をする子は皆暗記しています。

 

スッと暗記できる子はいいですが、暗記が苦手な子はどうしたらいいでしょう?

 

その方法は、暗記したいものを紙に書いてトイレに貼る事です。

 

トイレは短い時間ですが、一日に必ず一回はいきますし、意外と集中する場所です。しかもヒマをもてあます空間でもあります。トイレに漫画やスマホを持っていくのではなく、暗記の時間にしましょう。

 

ただ、トイレに暗記したいものを書いた紙を貼っても見慣れてしまっては効果は薄いですし、見なければ意味がありません。

 

ちょっとしたコツがあります。

 

<トイレ暗記 初級編>

まず、暗記するものを書いた紙を貼る場所ですが、

用を足すときに真正面に見えるところにしてください。

 

女の子なら便座に座った時の正面の壁1か所で済みますが、男の子なら2か所ですね。

 

紙はなんでもいいですが、なるべくシンプルなものにしてください。コピー用紙やチラシの裏などでいいです。かわいいキャラクター等が印刷されたものだとそっちに集中がいってしまい、効果が半減してしまいます。

 

インテリアをかっこよくしたいご家庭には向いていませんが、トイレだけかっこ悪くなると我慢して、子供が暗記をしやすいようにサポートしてあげてください。

(くれぐれもデザインよく額などに入れたりちょっとでもかっこよくみせようとDIYなんてしないでくださいね!)

効果がなければ外せばいいわけですし。

試しにやってみてください。

 

1度に覚えるものは10個以内

たくさんあってもヤル気を失いますし、トイレの短時間では覚えきれません。10個以内にしてください。

曜日の英単語なら7個ですし、円周率の倍数なら10個。月の英単語などは12個になってしまいますが、1月~6月、7月~12月の6個ずつに分けてもいいでしょう。

 

縦に大きく書く

暗記するものは必ず縦に1個ずつ書いてください。また、大きくないと視覚的なインパクトが弱いので、必ず濃く、太く、大きく、きれいに書いてください。

 

そうすると、例えば英単語の場合

 

横に書いてしまうと September    October   November  December

となりますが、

 

 

(9月)  September

(10月)     October

(11月) November

(12月) December

 

 

このように縦に書くと、一見複雑そうな単語でも9月から12月は全て最後が[~ber]となっていることに気がつきますし、9月から12月までの4つの内3つは[~ember]が共通していることが視覚的にわかりやすくなります。

(注:一番最初に貼るときは色も下線もつけず、シンプルに)

 

<トイレ暗記 中級編>

初級編だけだと、最初の内は興味を持ちますが、見慣れてしまい、しかも暗記しない可能性があります。

より効果を高めるために、テストをしてあげてください

お母さんがトイレに行く度に覚えておいてもいいですし、台所の目立たないところに同じ紙を貼り、それを見ながらテストをしてあげてください。

 

覚えていなかったら本人が望めば何回でも覚え直し、挑戦しなおしさせてあげてください。別に1日1回でなくていいです。

 

そして、何度も間違えてしまうものはいつも間違えるところを赤く線をひいたりして目立たせて貼ります。

 

期限を決める

 

暗記するものを書いた紙に暗記を完了させる期限を設定し、明記してください。

期限がないとだらだらして、覚えません。

 

<トイレ暗記 上級編>

ここからは上級編です。

より暗記の効果を高めるには

親も一緒にやる

事が大事です。

 

ドンドン暗記をやっていって、テストもされると、子供はその内「なんで自分だけやらなきゃいけないの?」となります。

 

親が一緒になってお互いにテストしあったりすることで、「お父さんよりできた!」

「お母さんもう覚えてる!すごい」など、競争心が出ます。そして、親もやっているのでそれが当たり前な感覚になります。

 

ご褒美はあげない

できたからといってご褒美をあげないでください。

別に何も偉いことはしていません。ご褒美をあげてしまうと自分は偉いことをしたような勘違いをしてしまい、その後もご褒美をあげないと勉強をやらなくなってしまいます。

 

私はお小遣いもいらないと思っている派ですが、勉強をしてその対価をもらうなど変なしつけはいりません。労働に対価を払ってあげてください。

家のお手伝いをしたらお菓子をあげたり、兄弟の勉強を見てあげたらゲームを許してあげたりです。

 

当塾で「うちの子勉強嫌いなんです」と相談に来るお母様のほとんどが、テストでいい点をとったら1000円あげる、スマホを買ってあげる等過剰なご褒美で子供をやる気にさせようとしますが、すべて逆効果になります。そんなことをしなくてもやる子はやります。むしろ、性格悪く育ってしまいますよ。

 

やってあたりまえのことにご褒美はあげない

 

そのかわりに言葉で、「すごいね!できたね!」と、評価してあげてください。

 子供が一番喜ぶのはちゃんと認めてあげることです。ですからできたときに、「じゃあ、つぎ!」とすぐ次の暗記をさせるのではなく、「すごいね!がんばったね!」と評価してあげてください。お母さん、お父さんの「愛情を注ぐ」という労力をお金や物で代わりにして楽をしないでください。

 

他にも飽きさせない工夫として、ご褒美ではありませんが、気になるクイズの答えを賞品にするというのも使える手です。

 

暗記する紙の最初にクイズやなぞなぞを書きます。そして、暗記ができたら、なぞなぞの答えを教えるという条件にします。

 

どんなに簡単ななぞなぞだとしても、暗記ができなければ答えは教えません。すると、ずっと気になって、答えを聞きたがり、結局暗記を頑張ってくれます。

 

この方法だと、なぞなぞを考えることで脳も鍛えられますし、暗記もできますし、ご褒美もいりません。(素晴らしー!)

 

おまけ

初級編から上級編までトイレ暗記の裏技をご紹介しましたが、もっと効果を高める方法としては

 

親もトイレに漫画やスマホを持ち込まない

 

ということが大事です。

 

まず、スマホ等をトイレに持ち込むのはお行儀が悪いですし、メリットひとつもありません。でも、結構やっている人います。

 

今すぐやめましょう。

 

汚い(トイレにいった手でスマホを触り、料理もするのですか?)

痔になる

他の人が待っている

スマホのカメラで盗撮されているかも!?

 

ほら、良いこと一つもありません。

親もスマホ等をトイレに持ち込まない事で、子供に良いお手本を見せられますし、同じように暗記の紙を見ることで、「どうしたらもうちょっと覚えやすくなるかな?」など、工夫のアイデアを考えることもできます。「確かに暗記は難しいな」と思えば子供に対しても「なんで覚えられないの!」なんてイライラしませんし、「お母さんはこうやって覚えてみたよ」なんてアドバイスもできて、コミュニケーションが深まります。

 

トイレ暗記、オススメです!

 

「指導事例④】中学3年Dちゃん 。学習障害の有無不明。

シリーズで紹介している、今まで当塾に在籍していた学習障害のあった生徒さん達の指導事例集です。

 

当塾は学習障害専門塾ではありません。普通の個別指導塾です。そして私も専門家でもなんでもないフッツーのおばさん塾長です。

 

そんなフツーの塾のフツーの先生達が悪戦苦闘・試行錯誤しながら、それぞれ個性の違う学習障害の子達と向き合った指導事例です。

 

これまでの記事はこちらをご覧ください↓↓↓

 

 

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気持ちを伝えるという事

これまでの記事に私が生徒達に「大好き」「愛している」と伝えているということをお話しました。

 

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文字だけで見ると、まるでセクハラしているみたいですが、(笑)

決してそういうわけではないのですよ。

 

これは褒めて伸ばすの延長というか励ましの要素が大きいです。

 

 

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でも、みなさん、ご自分のお子さんに心では思っていますよね?

 

ママがいないと不安で泣いてしまう子

小さい体でがんばって重い荷物を運ぶお手伝いをしてくれる子

知らない事を知って大喜びで両親にも教えてくれる子

 

可愛いし、大好きだし、愛してますよね?

 

親は言葉に出さなくても信頼で伝わることもあると思います。もちろん、言葉にだしている家庭もいるでしょう。

 

でも、他人も言ってもいいんじゃないでしょうか?

 

私の生徒は私の子供ではありません。でも、確実に教え子です。

 

そう、教えです!(無理矢理)

 

ぎりぎり「子」が入っています!(ごり押し)

 

でも他人です。だから思っている事、正直に言います。

「他人でも、あなたの事を思っている人がいる」ということをわかってほしいからです。

 

それは私が思春期の頃、色々進路で悩んだり、葛藤があったとき、家族にも相談したくない時がありました。

 

そんな時、誰かにただ話を聞いてほしい。それだけで救われるような気がしました。でも、そんな人はいませんでした。

 

下手に学校の先生に相談したら、家に連絡されたりするかもしれない。家族は「くだらない」と一蹴するかもしれない。

 

現在大人になって、学習塾の塾長という立場になり、時代もかわって、「今」を生きる子供達をみていると、寂しがっている子が多い印象を持ちます。

 

当塾の7割の子が親が共働きです。2割が父子・母子または親以外の親戚とくらしている家庭です。1割が専業主婦のお母様が常に家にいる家庭です。

 

親がいないからさみしがっているとは言い切りませんが、お母様が常に家にいるご家庭よりも普段一人でいる時間の多い子のほうが甘えん坊のような気がします。

 

子供は何が原因で勉強につまずくかわかりません。

 

私が子供の頃、「赤」がきらいで、赤いデザインを多用することの多い国語が苦手でした。「青」を使用する事の多い算数は好きでした。そこで、自分で国語のノートや教科書のカバーを青にしてみたところ、まだ苦手意識が薄れる気がしました。

 

他にもいじめで悩んでいて集中できなかった子

兄弟が留学してしまい寂しかった子

好きな子ができて何も手につかなかった子

 

色々な理由で集中できなかった子がいます。

 

そんな時に、ただ話を聞くだけの他人がいてもいいのではないかとおもっています。

 

そう、私は子供達にとって「ちょうどいいおばさん」になりたいのです。

 

色々な悩みを聞いてもらった上で、「君が大好きだよ。だから応援するし、もっと頼っていいんだよ。勉強がんばろう。」と伝えてもらったら、子供たちはちょっとでも安心してくれるのではないでしょうか?

 

子供達はちゃんと「見てくれている」という確証を得られると本当にがんばります。ですからかなり多くの宿題を出さなければいけない時も、ただだすのではなく、本人の日々の過ごし方を聞いて、一緒に計画表を作ります。

 

そしてどんなに忙しい子でも、ご飯を急いで食べることにしたり、お風呂の時間をもう少し短くしたり、寝る前の10分すらも暗記に活用したり、時間は作ろうと思えばいくらでも作れるのです。

 

そこをごまかさせず、「この時間があればプリント1枚できるね」という風に1日単位でどの範囲をどのくらいやるかしっかり計画を一緒にたててあげると、「えー!」というリアクションはあれど、しぶしぶ観念してやってきてくれます。それは、ただ何も考えずに宿題をどっさりだしているわけではないこと、生徒自身のことを親身に考えてやってくれているということを生徒が理解してくれるからです。

 

子供は信頼していない相手に説教されたら嫌いになるだけです。

「自分の為を思ってくれている」と思うと、それにこたえてくれます。

 

そういう時、本当に「がんばっているな」「偉いな」「大好きだな」

と思いますし、やはり言葉で伝えたくなります。

 

また、がんばれなかった子でも、頑張ろうとしていたり、まだ悩みが解決できていないからこそ殻を破れていない子もいます。そういうときは先生である私の努力がたりません。もっと信頼されるように、「先生が一生懸命やってくれているから自分も頑張ろう」と思ってくれるように、こちらがもっと努力をしないといけません。

 

私なんぞの「愛している」を苦笑いしながらも受け止めて、塾に通い続けたり、卒塾してからも遊びにきてくれる生徒達に囲まれて、私はつくづく幸せ者です。

 

今日も10連休なんて縁のないおばさんは子供達に向けて一方通行の愛を送り続けます。

 

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