メッシュの図から見るメッシュの課題

メッシュの図は、ひらたくいえば、

http://www.geocities.jp/hibiyank/musen/mesyu.htm

の図のようなものです。シンプルに良く書けた図です。

ただ、この図はどちらかというと、無線LANスイッチでのカバレッジエリアに近いですね。
実際にはアクセスポイント同士で電波をやりとりしなければならないので、近隣のアクセスポイント同士、電波がかぶっていなければなりません。

メッシュはたくさんの電波がかぶってしまうので、

  1. コリジョン(電波の衝突)
  2. チャネル(干渉し合わないチャネルは少ない)

の問題が出てきます。
また、たくさんのアクセスポイントを経由するので、

  1. 遅延
  2. 経路制御の仕方

の様な問題が出てきます。
この辺が、メッシュの難しさであり、醍醐味です。
さらに、アクセスポイントが動くと、

  1. バッテリ
  2. 経路制御情報の更新

という問題も出てきます。
これらを解決するには、電波技術だけでなく、グラフ理論の応用が用いられます。

また、これらの問題が全て解決され、うまく繋がったとしても、今度は繋がってはいけない問題、つまり

  1. 盗聴
  2. なりすまし

の問題が出てきます。

特に無線LANを使うと、仕様上、アクセスポイントから「お誘い」シグナルを受信すると、端末から「繋がりたいシグナル(Association)」が出ますので、これを回避しないと

  1. 偽アクセスポイントへの接続

されてしまいます。
これはメッシュに限った問題ではないですが、メッシュでより顕在化されます。

メッシュとは?

メッシュに興味を持って、メッシュに関することをつらつらと書いてみます。

まず、メッシュとは?というところから。

無線メッシュ(Wireless Mesh)とは、無線の多段中継の技術です。ちょっと昔は、技術的な側面からアドホックマルチホップ(Ad-hoc Multihop Wireless )という言葉を使っていました。

メッシュの難しさは、やはり経路制御でしょう。ホップ数(中継数)が多くなると、幾何級数的に経路情報が増えてしまうから、各社とも、この情報を如何に少なく、かつ効率的に作るかということに注力して開発しています。

2000年頃から、いくつものメッシュベンダーが出てきました。米国では2004年あたりに大きく普及し出し、日本では2005年つまり今年からという感じです。

一番有名なのは、MOTOROLA(Meshnetworksを買収)でしょう。日本では、2004年3月に伊藤忠商事がメッシュネットワークスジャパンを作りました。MOTOROLAの最大の強みはなんと言ってもQDMAという変調方式なので、それを有効に活用出来るフィールドが日本にあれば、MOTOROLAが勝つでしょう。

こなれた商品を出しているのは、Tropos、Firetide、Strixの3社ではないでしょうか。
Strixは、日本にもう進出してはいましたが、最近ルート社が代理店をするようになり、また脚光を浴びてきたようですね。手のひらサイズのルータです。プロセッサはIXPです。