「チュチェ思想」とは何か

以前は「主体思想」と漢字表記されることも多かったチュチェ思想ですが、その中身については残念ながらあまり知られていません。朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の公式理念であることは有名だと思いますが、それによって悪いイメージを創られているのではないでしょうか。


「チュチェ」の本来的意味はまさに「主体」です。つまり民衆の、もっと言えば人間1人1人が主人公であり,この世界で起こる理不尽なことは、人間1人1人の努力によって変えることが出来るんだ、簡単に言えばそういう思想ですね。この世界を形作るのは、作ることができるのは、神でもなく、宗教でもなければ、一部の特権階級でもない「人間」だ、ということです。

個々の人間が主人公であり、あらゆる民衆が主人公になると。決して理不尽な抑圧に甘んずる道理はないのです。この素晴らしい思想を生み出したのが、金日成主席です。チュチェ思想が公の場で発せられたのは1965年・インドネシアに於ける金日成主席の演説上とされていますが、最初に金日成主席の口から「主体」の重要性が語られたのは、1930年代のことでした。

当時、朝鮮半島は日本の植民地状態にあり、朝鮮人民は苦難の日々を送っていました。そこで多くの社会主義者や自由主義者、あるいは民族主義者が派閥を結成し、独立運動を展開するわけですね。しかし、多くの派閥は自らの勢力拡大に明け暮れ、相互に殺し合い、もはや民衆から完全に乖離していました。彼らは「民衆のためのたたかい」を忘れていたのです。

そこで、当時抗日義勇軍を率いていた金日成主席は「事大主義、教条主義を廃し、派閥を超えて朝鮮民族の独立を目指そうではないか」と、チュチェの重要性を説いたのです。この日がチュチェ思想の始まりですね。


金日成主席はチュチェ思想について、あらゆる民族に適用され得ると述べています。その通り、チュチェ思想とはまさに「人間中心」の、1人1人全てが主体性を持って行動しまし、悪臭や搾取者を打ち破ろうと。そういう哲学的発想でもあり、世界の人々にとって役立つ思想であるわけです。


例えば、日本や韓国を見てみましょう。日韓はまさに「事大主義」ではありませんか?アメリカに逆らうことができず、すべてを甘受して、抵抗する素振りも見せない、挙句、自国の行く先も考えず、アメリカにぶら下がっていることに安心感を得る。。。


この状況を脱するにあたって、日韓の民衆にこそチュチェ思想を学んで頂ければと強く思う次第であります。


李氏朝鮮の国王・高宗は餓える民衆をよそに自分だけその特権的地位を守ろうと、清国、露国、日本。。など次々と事大を繰り返した挙句、最後は自らの権力をも失い国を滅ぼしたのです。


日韓はアメリカに対する事大競争を繰り広げていますが、それが不幸な結果をもたらすであろうことは簡単に予測できます。いや既に不幸な結果を招いているではありませんか。