ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 SF/アクション『プレデター2』「警部補VSプレデター」

引用元:20thcenturystudios.jp

ストーリー

ロサンゼルス──人口過密、異常気象、麻薬犯罪。この街に蔓延する“熱”と“争い”に引き寄せられて、奴がやって来た! より残忍に、より狂暴に、新たな殺戮武器を装備した最新型プレデター。壮絶な闘いがLAを舞台に始まった!

引用元:https://filmarks.com/movies/6169

 

近未来のロサンゼルスを舞台に人食いエイリアンと警察の壮絶な対決を描くSFアクション・シリーズ第2作。エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・レヴィとロイド・レヴィン、製作はローレンス・ゴードンジョエル・シルヴァーとジョン・デイヴィス、監督は「エルム街の悪夢5 ザ・ドリーム・チャイルド」のスティーブン・ホプキンス、脚本はジェームス&ジョン・トーマス(2)兄弟、撮影はピーター・レヴィ、音楽はアラン・シルヴェストリが担当。出演はダニー・グローヴァーゲーリー・ビシューほか。

1991年製作/アメリ
原題:Predator 2
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1991年1月25日

引用元:https://eiga.com/movie/49024/

登場人物・キャスト

マイク・ハリガン警部補
本作の主人公。ロサンゼルス市警所属の刑事。正義感の強い腕利きで功績も多いが、命令無視などの問題行動も多く、劇中ではパトカー数台とバス1台を大破させた経歴が語られている。作中では、プレデターによるギャングの虐殺事件を追う最中、プレデターに部下が殺害されたことで仇討ちを決意する。高所恐怖症
劇中で使用した銃器は大型レーザーサイト付きのデザートイーグルソードオフ型ベネリM1M203付きのM653。車のトランクを武器庫として使用しており、大小多数の銃(ハンドガンは、軍隊並みの武装をしたギャングには「小さ過ぎる」と判断される場面がある)、鉄板を追加できる防弾チョッキなどを収納している。
フルネームは「マイケル・R・ハリガン」である事が、作中のパソコン画面に表示されてる。
ピーター・キース特別捜査官
政府の密令によりロサンゼルス市警に麻薬捜査官として出向した特別捜査チームのリーダー。虐殺事件について捜査しておりハリガンらの介入を頑なに拒む。
しかし麻薬捜査官とは表向きで、本当はプレデター捕獲のために派遣された特殊部隊であり、終盤にその正体をハリガンに明らかにした。プレデターに姿を消させない策や、逆に自分たちの姿がプレデターから見えない策など、万全の態勢でプレデター捕獲作戦を実行するが、それを見破ったプレデターから逆に奇襲を受け突入チームは全滅。自身はプラズマキャノンでの攻撃を受け、さらにロケットブースターの噴射を浴びて血まみれになりながらも戦線に復帰し、プレデター液体窒素で攻撃するが、最後はプレデターが放ったスマートディスクで体を真っ二つにされて死亡する。
ダニー・アーチュリータ
ロサンゼルス市警所属の腕利き刑事。ハリガンとは15年来の付き合いでカナディアンネックレスとハンチング帽がトレードマーク。ハリガンからは「ダニーボーイ」と呼ばれることがある。
装備はタクティカルライト付きのS&W M4506。
プレデターの2回目の襲撃が起きたペントハウスに突き刺さったスピアガンの弾体を回収していた際にプレデターに遭遇、銃で応戦したため殺害された。直接描写は無いが、医師の検死解剖でリストブレイドによる刺殺であったことが判明している。
レオナ・キャントレル
ロサンゼルス市警所属の女性刑事で、ハリガンのチームの紅一点。男勝りな性格の持ち主。
装備はジェリーと同様、レーザーサイト付きSIG SAUER P226
地下鉄でプレデターに襲撃されるも、妊娠していたため、プレデターのルールとして殺害を免れる。
ジェリー・ランバート
ニューヨークから配属された若手刑事。お調子者でいつも軽口を叩いたりナンパをしたりだが、尾行捜査を得意とするなど刑事としては優秀で、ニューヨーク市警ではローン・レンジャーの異名で呼ばれていた。
ゴルフが趣味らしく常時ポケットの中にゴルフボールを1つ入れている。(最初の登場シーンでゴルフの話で女性署員を口説いている)
装備はレーザーサイト付きのSIG SAUER P226ニッケルメッキ仕様。
レオナと共に地下鉄を使ってハリガンとの合流地点へ向かう最中にプレデターの襲撃に遭い、乗客を避難させる為に単身囮となってプレデターと対峙。弾を撃ち尽くしたため、最後は同乗していたギャングのマチェットを拾ってプレデターに切り掛るも返り討ちに遭い死亡する。
その後、死体は一度電車の中で逆さ吊りにされた後プレデターに持ち去られ、地下鉄構内で背骨と頭蓋骨を引き抜かれてしまう。
DVD等のパッケージでプレデターが持っている血まみれの人骨はジェリーのものである。
フィル・ハイネマン本部長
ロサンゼルス市警の最高責任者。命令無視を繰り返すハリガンに頭を悩ませるが、彼の優秀さも理解しており、処分が軽減されるように計らっている。
B・ピルグリム署長
演 - ケント・マッコード
ハイネマンに次ぐL.A市警のトップ。ハリガンの良き理解者。
トニー・ポープ
演 - モートン・ダウニーJr.
犯罪報道番組「HARD CORE」のアナウンサー。
報道規制されている現場に無断で忍び込む、抗争事件の死亡者を「人間のクズ」と呼ぶ、放送中に休暇で不在の市長に罵声を浴びせるといった報道倫理を軽々しく無視する非常識な人間。レオナ曰く「血の匂いを嗅ぎつけてやって来る男」。
地下鉄での殺戮事件でジェリーを殺され、レオナも殺されかけたことで怒りを露にしたハリガンに向かって笑いながら「お仲間が死んだってね?」と尋ねた際に担いでいたカメラごとハリガンに殴り倒された。
ガーバー
キースの右腕的存在。プレデター捕獲作戦では指揮車での管制任務を担当し、プレデターの居場所を無線でキースに伝えていた。しかしプレデターが突入チームに気付いたような動きを見せると、想定外の展開にパニックで硬直、キースたちに伝達出来ずチームを全滅させてしまう。終盤にプレデターたちの宇宙船が去った現場へ駆けつけるが、すべては終わった後であった。
キング・ウィリー
演 - カルヴィン・ロックハート
ロサンゼルスを牛耳る麻薬犯罪組織「ジャマイカ団」のボス。ブードゥー教の聖者であり、占いを基にプレデターの素姓を分析する。共同戦線を申し込みに来たハリガンと面会した直後にプレデターの襲撃を受け、仕込み杖を構えるも殺害されて首を持ち去られ、その頭蓋骨は宇宙船内に飾っているトロフィーにされた。
演 - ケヴィン・ピーター・ホール、ハル・レイル(声)
シリーズ内の個体区別の都合上、「プレデター・ハンター」と呼ばれているケースが多い。映画シリーズでのプレデター内で人間の殺害数は最多である。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/プレデター2

感想

ギャング組織の抗争が激化する近未来のロサンゼルスを舞台に、プレデターとギャング、プレデターと警察の戦いが幕を開ける。

プレデター1』では、シュワちゃんが密林の奥深くで、プレデターと戦いましたが、今回の『プレデター2』では、ロサンゼルスの街中でプレデターと戦うことになるのです。

当然、街中ですから民間人も巻き込むことになり、地下鉄に現れたり、高層ビルの立ち並ぶ繫華街に現れたりするんですね(^▽^;)

しかも! プレデターには自爆機能があるので、もし、自爆されたら甚大な被害が出てしまう恐れもあるんですよ( ̄▽ ̄)

まるで『GANTZ』っぽい雰囲気があります。

 

ギャングたちが次から次に殺される事件が起き、警察が捜査に乗り出すと、光学迷彩を使う謎の存在が浮かびあがって来るんですね。

いったい、何者なのか?

科学捜査班のような組織が、プレデターの使ったと思われる武器を調べていると、地球には存在しない元素が使われていることがわかり、地球外生命体であることがわかります。

プレデター1』の方では、プレデターが何者なのかの描写はされませんでしたが、やっと『プレデター2』でプレデターが地球外生命体であることが明確に描写され、プレデターの生態も掘り下げられました。

 

調べたところによると、プレデターが人を襲うのは食べるためではなく、強い奴と戦って自分磨きをするためなんですね。

だから『映画・COM』の解説に書かれている、人食いエイリアンという説明は適切ではないようです。

食べようと思えば人間も食べるのでしょうが、地球でのプレデターの好物は牛肉なのだそうで、人間を喰らう描写は描かれていません。

なのに、人食いエイリアンと書かれてしまったのは、倒した相手の内臓を取り出し、皮をはぎ、逆さ吊りにするプレデターの文化にあるのでしょう。

 

確かに、人食いエイリアンと誤解されても仕方ない、野蛮に思える文化なのですが、これは、プレデターの世界においては、神聖な儀式なんです。

プレデターは礼儀を重んじており、『プレデター1』でシュワちゃんが、プレデターを追い詰めた時などは、プレデターシュワちゃんを一人の戦士として認め、マスクを取って顔を見せたり、武器を捨てて素手で闘ったりと、誇り高い姿を見せます。

人間を襲うのも、人間の脊椎を用いて異種交配を行い、より強い種になることを目的としているそうで、正に『ドラゴンボール』のサイヤ人のような、戦闘民族ですね(^▽^;)

もし、人食いだけを目的としたエイリアンだったら、ここまで人気はでなかったのではないでしょうか(≧▽≦)ゝ

予告

www.youtube.com

韓国映画 ファンタジー\ロマンス『ビューティー・インサイド』「設定の勝利(≧▽≦)b」

引用元:https://rd.listing.yahoo.co.jp

ストーリー

明日も君に会いたくて・・・ウジンは18歳のときから目覚めると外見が変わるようになってしまった。男、女、老人、子ども、外国人…。人に会う仕事ができないウジンは、才能とインターネットを活かして家具デザイナーとして活躍している。そんな彼の “病気”のことは母と親友だけが知っていた。ある日、家具屋で働くイスと出会い、恋に落ちたウジン。彼女に会いたい一心で、毎日初めてきた客のようにその店に通うようになる。ついに誘ったデートはうまくいくが、同じ顔をキープするため寝ないようにする。三日連続で二人は会い、イスもウジンが好きになるが、ウジンはとうとう眠気に勝つことができず、うっかり寝てしまった。起きると別の顔になっていた彼はイスに真実を話すことができるのか…?

引用元:https://filmarks.com/movies/60781

 

眠りから覚めると外見が変わってしまう主人公の恋愛を描いた韓国製ファンタジックラブストーリー。男性、女性、老人、子ども、外国人など、目が覚めるたびに外見が変わるため、人に会う仕事ができないウジンは、インターネットを生かして家具デザイナーとして働いていた。ある日、家具屋で働くイスに恋をしたウジンは、彼女をデートに誘い、同じ顔を保つために3日連続で寝ずにイスと会う。しかし、眠気に勝てずに眠ってしまい……。目覚める度に外見が変わるウジンを、ユ・ヨンソク、イ・ジヌク、パク・シネ、コ・アソンら韓国の人気俳優、女優たちが演じ、上野樹里もウジン役のひとりとして韓国映画に初出演。イス役は「王になった男」「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」のハン・ヒョジュ。2013年のカンヌ国際広告祭でグランプリを受賞した、インテル東芝によるソーシャルフィルム「The Beauty Inside」を原案に、CMディレクター出身のペク監督が長編映画化。

2015年製作/127分/G/韓国
原題:The Beauty Inside
配給:ギャガ・プラス
劇場公開日:2016年1月22日

引用元:https://eiga.com/movie/83328/

登場人物・キャスト

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ビューティー・インサイド

感想

18歳のときから眠りから目覚めるたびに、姿が変わってしまう体質になった家具職人のキム・ウジン。

ある時はイケメンに、ある時は美女に、ある時はおじさんに、ある時はおばさんに、ある時はおじいさんであるし、ある時はおばあさんだった。

毎日姿が変わってしまうことで、日常生活にも支障をきたすが、数少ない理解者である友人の誘いでインターネットを活かした家具販売の仕事を共にはじめることになる。

それから数年の月日が流れ、家具職人として働いているある日、偶然に立ち寄った家具屋でホン・イスと出会い、ウジンは恋に落ちるのだった。

だが……その特異体質ゆえに気持ちを打ち明けられないでいた……。

 

という、カフカの『変身』的、あるいはスティーヴンソンの『ジキルとハイド』的不条理な設定で、カフカの『変身』同様、最後までウジンの変身体質の根本的な原因は説明されることはありません。

本作は、変身体質を科学的に説明するSF作品でもなければ、変身体質を活かしたサスペンス・ミステリ、あるいは異能バトルものでもなく、ファンタジー・ロマンスだからです。

美女と野獣』のように、外見よりも心が大切ということをテーマにした物語ですね。

色々、言い分はあるでしょうが、多くの人が外見よりも心が大切であることに同意してくれるでしょう。

 

けれど心ではわかっていても、人間そうすぐには受け入れられるものではないんですよね(^▽^;)

外見ではなく心だとわかっているのに、それがなかなか受け入れられない葛藤がメインに描かれていくのです。

そのような恋愛物語としても面白いですが、やはり本作の見どころは、設定の斬新性ですよね。

よく、この斬新な設定を物語という形に仕上げたものだと感心しました。

 

奇抜なアイデアを思いつくことは誰にでも少なからずあると思いますが、それを形にすることは困難ですよね。

形にしなければ、思いついていないのと同じです。

しかし、そのアイデアが奇抜であれば、奇抜であるほど形にすることは難しい。

ですが、本作はロマンスとして、一応物語として成立しており、そこに感心したんですよ。

 

この手の特異体質を扱った作品だと、最近観た『水曜日が消えた』や、以前見た「ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が思い浮かびます。

『水曜日が消えた』は一つの体の中に、曜日ごとに入れ替わる7人の人格が共存しているという物語で『ぼくは明日……』は時間逆行体質の彼女との恋愛が描かれた物語です。

そして『ベンジャミン・バトン』は老人の姿で生まれて、歳を重ねるごとに若返っていく男の数奇な人生を描いた物語でした。

 

今、例にあげた作品以外にも、異能バトル漫画などでは特異体質のキャラクターが登場するので、決して珍しくないのでしょうが、一つの特異体質を掘り下げて物語にしている作品って少ない気がするんですね。

日本の漫画やアニメは、凡庸な能力の見せ方が巧いといわれているようですし、一つの特異体質を掘り下げた物語がこれからブームになればいいなと思いました(≧▽≦)

予告

www.youtube.com

映画 ホラー『ミッドサマー』「理解不能 理解不能 理解不能 理解不能」

引用元:https://rd.listing.yahoo.co.jp

ストーリー

長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。

2019年製作/147分/R15+/アメリ
原題:Midsommar
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2020年2月21日

引用元:https://eiga.com/movie/91493/

登場人物・キャスト

登場人物のうち、ホルガの住人たちは主にスウェーデン人俳優が演じており、そのうちの何人かにはスウェーデン語を話す場面がある。また、ダニーの家族などの脇役数名はハンガリー人が演じている。

ダニー・アーダー
演 - フローレンス・ピュー日本語吹替 - 井上麻里奈[17]
アメリカの大学で心理学を学ぶ女子学生。パニック障害を抱えており、自分自身の不安や焦燥感を共有してくれる友人が少ないことに苦悩する。
クリスチャン・ヒューズ
演 - ジャック・レイナー、日本語吹替 - 前野智昭[17]
ダニーと同じ大学に通う大学生。院試を控えているが、論文作成の題材が決まっていない。ダニーが家族を亡くす半年以上前から彼女と別れたがっていたが、切り出せずにいる。
ジョシュ
演 - ウィリアム・ジャクソン・ハーパー英語版、日本語吹替 - 濱野大輝[17]
ダニーと同じ大学に通うクリスチャンの友人。今回のスウェーデン旅行のほか、文化人類学でドイツや英国を巡る予定。
マーク
演 - ウィル・ポールター、日本語吹替 - 沢城千春[17]
ダニーと同じ大学に通うクリスチャンの友人。学問的な事よりセックスとドラッグの事にしか頭になく、仲間の中でも特に軽薄な行動が多い。
ペレ
演 - ヴィルヘルム・ブロムグレンスウェーデン語版、日本語吹替 - 落合福嗣[17]
ダニーたちの大学に留学しているホルガ出身の青年。仲間たちをホルガの夏至祭に誘う。
サイモン
演 - アーチー・マデクウィ[18]、日本語吹替 - 三瓶雄樹[17]
イギリスの農園で知り合ったイングマールの招待をうけホルガを訪れる青年。コニーと婚約している。
コニー
演 - エローラ・トルキア[19]、日本語吹替 - 丸山ナオミ[17]
サイモンの婚約者。イギリスの農園で知り合ったイングマールの招待をうけホルガを訪れる。
ダン
演 - ビョルン・アンドレセン
ホルガの村人の老齢男性。夏至祭の初日にアッテストゥパンの儀式に登場する。
エバート
演 - マキシミリアン・スラッシュ・マートン
ホルガの村人の若い男性。夏至祭の初日にアッテストゥパンの儀式に登場する。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ミッドサマー_(映画)

感想

率直な感想は「気持ち悪い……」です(褒めています)。

いや~、こんな生理的な嫌悪感を感じる映画はそうないかもしれません(本当に褒めています( *´艸`))。

何なんでしょうね、この不思議な感覚は……。

何から、何まで少し気持ち悪いの積み重ねで、最後は狂気で畳みかけて来る。

カルト的な恐怖がよく表現されています。

 

アメリカの大学に通うダニー・アーダーはパニック障害統合失調症のようにも見える……(・△・?)を患っており、追い打ちをかけるようについ最近、家族を亡くし精神的に追いつめられていたのです。

そんな彼女の支えはクリスチャン・ヒューズという民俗学を研究する同じ大学に通う彼氏でした。

クリスチャンとダニーは付き合いだして約3年ほどになるらしいのですが、2人の仲はすでに崩壊寸前だったのです。

その原因は、ダニーの依存体質によるものだと仄めかされています。

 

「彼女が精神的に追いつめられていたら、それを支えるのが恋人だろう!」と言いたいですが、現実はラブストーリーのようにスイートではないんでしょうね(^▽^;)

例えば、物語に登場するヤンデレ・メンヘラ・ツンデレなどは可愛いと思うのに、現実ではそのような人と付き合うのは相当の覚悟を必要とするでしょう……(^▽^;)

だから、クリスチャンはダニーの重さに愛想を尽かしてしまったのです。

でも、バニラは一途な愛の物語が好きなので、クリスチャンは薄情な彼氏だと思いますが……責めることもできませんね。

 

そんな、精神的に追いつめられたダニーとクリスチャンをはじめとする、大学の仲間たちは、ペレという友達から自身の故郷であるスウェーデンの山奥にあるホルガ村に誘われることになるのです。

ホルガ村では90年に一度の祝祭が迫っていました。

クリスチャンたちは論文を書くという理由で、祝祭を見に行くことにします。

引用元:映画『ミッドサマー』

ホルガ村は牧歌的な雰囲気が拡がり、太陽が一日中沈まない白夜の時期で、まるで天国あるいはヒエロニュモスの『快楽の園』の絵のような少し不気味なコミューンでした。

美し過ぎるゆえに、恐ろしいという感覚はわかるでしょうか?

ホルガ村は美しいところなのですが、その美しさが不気味さを引き立てているのです。

引用元:映画『ミッドサマー』

引用元:映画『ミッドサマー』

本作はホラージャンルとされていますが、あからさまなホラー要素があるわけではないんですね。

画面も明るく、エログロ要素はあるのですが、それも印象的な場面で一二度描写されるだけで、あとは今いったような、人間の疑心から来る不気味さの積み重ねで、生理的な恐怖を煽ってくるのです。

以前観た『LAMB ラム』という映画にとても似ていると思いました。

『LAMB』もあからさまなホラー要素はないのですが、なぜか不安を煽られる映画なんですよね(^▽^;)

 

本作『ミッドサマー』でも、コミューンの人々の行動がとにかく不気味に感じられるのです。

ホルガ村にはホルガ村の文化風習があり、部外者が「ああだ、こうだ」口を挟むべきではない気もしますが、文化の違う人々が見たら、完全にカルトです。

特に日本人は宗教に対してアレルギーをもっている人が多いとされていますよね。

ちなみにバニラも、宗教=怖いという印象を持っています(^▽^;)

宗教自体が怖いものではないのでしょうが、歴史やニュースなどをみていると、宗教に対してあまり良い印象は持てません(>_<)

 

本作『ミッドサマー』はそんな、宗教の怖いところがいい意味で「これでもか」と描かれていました。

ホルガ村の人々は自分たちの文化・風習になんの疑問も持たずに盲信的に突き進む。

これは、宗教だけに言えることではありませんよね。

集団の恐怖とでもいうか、国などが一つの思想のもとに、国民を洗脳して誘導する。

いってしまえば、人間はその環境の常識に沿って行動しているのです。

この心理をうまく描いた話に『片目の猿』というたとえ話があります。

 

ある山に暮らす猿には片目しかありませんでした。

しかしあるとき、両目のある猿が生まれたのです。

片目の猿たちは両目のある猿を馬鹿にしました。

それに耐えられなくなった両目の猿は、片目の猿たちの山から離れ違う山に行きます。

そして両目の猿がたどり着いた山にいた猿たちには、両目があったのです。

この話の出典は『今昔物語』にあるようで、原話の方では目ではなく鼻がある猿とない猿の話なのだそうです。

それがいつから『片目の猿 両目の猿』になったのかはわかりませんが、この話は価値観の相対性がよく表れていると思うんですよ。

 

片目の猿たちの山では片目であることが当たり前で、両目の猿は異端者でしたが、場所が変われば当たり前になる。

本作で描かれるホルガ村はまさに、片目の猿の山であり、両目の猿たちが片目の猿たちの山を訪れ、「ミイラ取りがミイラになる」という物語なんですね(^▽^;)

予告

www.youtube.com

映画 SF/アクション『プレデター』「シュワちゃんVSプレデター」

引用元:20thcenturystudios.jp

ストーリー

宇宙から襲来した凶悪エイリアンと米国特殊部隊の死闘をアーノルド・シュワルツェネッガー主演で描いたSFアクション。ダッチ・シェイファー少佐率いる特殊部隊は、ゲリラ部隊の捕虜となった政府要人を救出するため南米某国にやって来る。ジャングルの奥地へ入り込んだ彼らは、皮膚を剥がされて木に逆さ吊りにされた米軍兵士たちの死体を発見。部隊はゲリラのアジトを襲撃し壊滅させることに成功するが、光学迷彩技術で姿を隠した異星人プレデターが、隊員たちを1人また1人と襲っていく。監督は「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン

1987年製作/107分/アメリ
原題:Predator
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1987年6月27日

引用元:https://eiga.com/movie/49023/

登場人物・キャスト

アラン・"ダッチ"・シェイファー少佐
部隊指揮官。元グリーン・ベレーの隊員で、ディロンとは元戦友。屈強な体格と優れた身体能力はもちろん、過去に数々の困難な作戦を成功させ、百戦錬磨の優秀な指揮官として内外から絶大な信頼を得ている。その一方で「自分たちはレスキュー部隊であり殺し屋ではない」というポリシーを持ち、暗殺などの作戦は引き受けない。ただし、作戦遂行時には手段を問わず、相手を壊滅させることも厭わない。葉巻愛好家で、戦場でも吸っている。
早くからプレデターの存在を察知し、これに勝利しなければ全滅は免れないことを悟る。プレデターとの戦闘の中で相手の決定的な弱点を発見、相手の脅威で不利に陥り、ほぼ全ての近代的な武装を失いながらも策を巡らせ、弓矢などの原始的な武器や罠を用い、死闘の末に勝利した。
プレデター2』『プレデターズ』では、名は出ないものの、プレデターと遭遇した特殊部隊の唯一の生還者として語られている。
プレデター ハンティンググラウンズ』では、2025年時点でも生存しており、地球に現れたプレデターを狩り続けている事を自ら語っている。
弟がおり、コミックおよび小説で刊行された『プレデター: コンクリート・ジャングル』に主人公として登場している。ニューヨーク市警察の刑事という設定である。続編の『プレデター: コールドウォー』及び『プレデター: ダークリバー』にも登場する。
アル・ディロン
ダッチの元戦友。現在は軍を退役し、CIA職員を務めている。部下の搭乗機がバル・ベルデのジャングルに墜落したため、機密書類の漏洩を防ぐべく、グリーンベレーのホッパーやダッチとその部隊を現地へ派遣し、書類確保のために自分も随行する。兵士としても優秀だが、現役時代に比べて若干衰えがある描写がされている。また互いに仲の良いマックとブレインからは嫌悪感を持たれており、表向きの救出作戦を疑われていた節がある。
物語の後半でマックとともにプレデターを追跡するが逆に待ち伏せされ、プレデターのプラズマキャノンによってを持った右腕を切り落とされる。なお応戦を試みるが、腹部をリストブレイドで貫かれ断末魔の絶叫をあげながら絶命した。
アンナ・ゴンザルベス
ゲリラに所属する女性兵士。事件に関する重要な証人としてダッチの部隊に捕囚され、随行することになるが、徐々にダッチを信頼し協力するようになる。一同の中で最初のプレデター目撃者。当初はスペイン語しか話せないふりをしていたが、実は英語でも普通に会話できる。現地の先住民の末裔で、ダッチらに古くから部族に伝わる「蒸し暑い夏に現れ、人間の頭蓋骨をトロフィーにする悪魔」の伝説を教えた。ポンチョが殺害された際に彼の銃で応戦しようとするが、プレデターが「武器を持たない者を殺さない」ことを見抜いたダッチに阻止される。ダッチと共に生還を果たす。
マック・エリオット
黒人の軍曹ベトナム戦争ではブレインと同じ小隊に属し、共に過酷な戦場を潜り抜けてきたため、彼とは「兄弟」と呼び合うほど仲が良い。ディロンに対して好意的ではなく、行軍中に足を踏み外した彼を激しく恫喝した。アンナの次にプレデターを目視し、射撃で傷を負わせる。プレデターに殺されたブレインの復讐を誓い、ディロンとともに追跡するが、光学迷彩で接近してきたプレデターに気づけず、プラズマキャノンで頭部を撃ち抜かれ死亡した。
ブレイン・クーパー
かつてベトナム戦争でマックと同じ小隊に属し、その小隊が2人を残して全滅するという激戦から生還した屈強な兵士。噛みたばこを常用し、ぼろぼろのスローチ・ハットを被っている。ディロンのことを快く思っておらず、行軍のヘリコプター内で彼の靴に唾を吐き、挑発した。7.62mmミニガンを愛用する。ホーキンスの死体の捜索中、背後からプレデターのプラズマキャノンで撃ち殺される。
ビリー・ソール
インディアンスー族の末裔。鋭い第六感を持ち、プレデターの存在を最初に察知した人物。ダッチらが退避する時間を稼ぐため、丸木橋の上でマチェテ一本のみを手にプレデターを迎え撃つが、目前に現れたプレデターにあえなく殺され、頭蓋骨をトロフィーにされる。
ホルヘ・"ポンチョ"・ラミレス
チカーノで、スペイン語に堪能。グレネードランチャーを装備。終盤、負傷してダッチに担がれて退却する途中でプレデターのプラズマキャノンで頭を撃たれ、死亡する。
リック・ホーキンス
通信兵。大きなワイヤー眼鏡がトレードマーク。猥談の要素を含んだジョークコミックが好き。ゲリラの拠点から回収ポイントに向かう途中、逃走を図ったアンナを追跡した際にプレデターの襲撃を受け、部隊の中で最初の犠牲者となると、死体は内臓を引きずり出されて樹上に逆さ吊りにされた。
ジム・ホッパー
グリーンベレーで、ダッチの古い友人。ダッチらに先立って派遣されたが、プレデターにより殺される。その死体は皮を剥ぎ取られ、木に吊るされていた。ダッチの弁では優秀な兵士であり、ホッパーに対してゲリラが待ち伏せを仕掛けたとしても回避、あるいは突破することが可能だという。
ホーマー・フィリップス少将
ダッチの部隊を派遣させた後、ヘリコプターで彼を救出した少将。コミックと小説『Predator: Concrete Jungle』と『Predator: Cold War』と『Predator: Dark River』の3作品にも登場する。
パイロット
フィリップス少将の指示でダッチを救出した、ヘリコプターのパイロット。映画では無名だったが、コミック『Predator: Dark River』ではマーサーという名前が設定されている。
演 - ケヴィン・ピーター・ホールピーター・カレン(声)[3]
外宇宙からやってきた異星生物種族。人類を遥かに凌駕する身体能力と技術力、高い知能を持ち、「強い生命体を狩ること」を生き甲斐とする好戦的な種族。しかし反面、強くない・武器を持っていない生命体は歯牙にもかけずに見逃す。光学迷彩とプラズマ兵器を用い、赤外線を探知する。
ロシア人顧問
バル・ベルデのゲリラ部隊を支援するため、ソ連から送られた無名のロシア人の顧問。ゲリラ陣地の小屋で捕虜の人質を銃殺した後、捕虜を救出しに来たダッチたちのグレネードランチャーの攻撃で死亡する。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/プレデター_(映画)

感想

百戦錬磨の優秀な指揮官であるアラン・シェイファー(通称:ダッチ)は、ゲリラ部隊によって捕獲された政府の要人達を救出するために、ダッチの元戦友で、現在はCIAで働いているジョージ・ディロンにより緊急招集される。

引用元:映画『プレデター

黒人の軍曹マック・エリオット、噛みたばこを常用しているブレイン・クーパー、インディアンで鋭い第六感を持つビリー・ソール、メキシコ系アメリカ人のホルヘ・”ポンチョ”ラミレス、大きなワイヤー眼鏡の通信兵リック・ホーキンスを加えたエリート・チームを率いて、中央アメリカに位置するバル・ベルデ共和国の密林地帯に出動する。

引用元:映画『プレデター

そして、ダッチたちは瞬く間にゲリラ部隊を制圧するも、その密林には、得体の知れない”何か”が潜んでいた……。

ネタバレでもなんでもないと思うのでいいますが、その潜んでいる”何か”とはタイトルにもなっている『プレデター』です、はい( ̄▽ ̄)

引用元:iam-publicidad.org

いや~、デザインが最高ですね( *´艸`)

ちなみに『エイリアン』のエイリアンと同様、『プレデター』に登場するプレデターと呼ばれているクリーチャーは、あくまで視聴者・製作者の用いるメタ視点での呼び名であり、本作に登場するクリーチャーの作中設定の種族名ではないそうです。

 

Wikipediaによると脚本は、1985年に『ハンター』とう題名でジム・トーマスとジョン・トーマスの兄弟によって書かれたそうで、制作のどこかの過程で『プレデター』にタイトルが変わったのでしょう。

プレデター(predator)」とは動物学用語で「捕食動物」や「天敵」を意味するそうで、つまり、人間よりも生態系の上位に位置している存在なんですね。

ですが、どうやら作中で『プレデター』が人間を食べる描写はないようで、ただ狩りや戦いを楽しむ戦闘民族。

ドラゴンボール』でいうサイヤ人です。「オラ強い奴みっと、わくわくすっぞ!」ですね( ̄▽ ̄)

だからタイトル的には『プレデター』より『ハンター』の方が正しいのでしょう。

 

そんなプレデターですが、公開当初は賛否両論あったようで、中でもストーリーへの批判が多かったのだとか(^▽^;)

今でこそ『プレデター』シリーズは沢山制作され、プレデターという存在の詳細がわかってきましたが、当初はすべてが謎だったのです。

「結局あの生物はなんだったの?」

「高度な科学技術を有しているから、地球外生命体なの?」

そのような疑問は本作だけでは何一つ語られず、これだけ観てもモヤっとした謎だけが残ると思います。

 

ですが、続編が制作されていく中で、プレデターの生態もより掘り下げられて、批評家の評価も年々上がったそうです。

ストーリーは確かに本作だけでは評価できかねる作りになっていますが、アクションが最高です(≧▽≦)

なんたってシュワちゃんが出ているのですから!

シュワちゃんが出るアクション映画にハズレはありません(知らんけど)。

ひと昔前のアメリカアクション映画は、見ごたえがありますね( ̄▽ ̄)b

予告

www.youtube.com

映画 サスペンス/スリラー『ナイトメア・アリー』「ドグラ・マグラみたいな作品」

引用元:disneyplus.com

ストーリー

シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞したギレルモ・デル・トロ監督が、ブラッドリー・クーパーはじめ豪華キャストを迎えて送り出すサスペンススリラー。過去にも映画化されたことのある、1946年に出版された名作ノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作に、野心にあふれ、ショービジネス界で成功した男が、思いがけないところから人生を狂わせていく様を描く。ショービジネスでの成功を夢みる野心にあふれた青年スタンは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座とめぐり合う。そこで読心術の技を学んだスタンは、人をひきつける天性の才能とカリスマ性を武器に、トップの興行師となる。しかし、その先には思いがけない闇が待ち受けていた。スタン役を「アリー スター誕生」「アメリカン・スナイパー」などで4度のアカデミー賞ノミネートを誇るブラッドリー・クーパーが務め、2度のアカデミー賞受賞歴をもつケイト・ブランシェットほか、トニ・コレットウィレム・デフォールーニー・マーラらが共演した。2022・第94回アカデミー賞では作品賞に加え撮影、美術、衣装デザインの計4部門にノミネート。

2021年製作/150分/G/アメリ
原題:Nightmare Alley
配給:ディズニー
劇場公開日:2022年3月25日

引用元:https://eiga.com/movie/95745/

登場人物・キャスト

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ナイトメア・アリー

感想

1946年に出版された名作ノワール小説『ナイトメア・アリー 悪夢小路』を原作に、野心にあふれ、ショービジネス界で成功した男が思いがけないところから、人生を狂わせていく様を描いた映画『ナイトメア・アリー』。

なんだか夢野久作っぽい雰囲気のある作品です( ̄▽ ̄)

 

過去のある主人公スタントン・カーライル(通称スタン)は、あることをきっかけに怪しげなカーニバル(見世物小屋)に迷い込み、ひと悶着の末に、カーニバルで雇われることになります。

そしてスタンはカーニバルで雑用の仕事を続けているうちに、カーニバルにいた読心術師ピーター・クルンバイン(通称ピート)から読唇術を学び、スタンは瞬く間に読唇術の才能を開花させ、カーニバルにいたメアリー・エリザベスと共に独立することを決めカーニバルを去ってしまうのでした。

引用元:映画『ナイトメア・アリー』

ここから、話の雰囲気は大きく変わり第二部に突入した感じです。

カーニバルを去った二人は読心術の公演を各地で催しながら、生計を立てていたある日……スタンは読心術だけにとどまらず降霊術まがいなことを始めてしまうのでした……(^▽^;)

引用元:映画『ナイトメア・アリー』

引用元:映画『ナイトメア・アリー』

次第にスタンは降霊術詐欺に味を占め、大富豪の男を詐欺にかけようとするが……。

世界観が秀逸で、ディテールもしっかりしていますし、メタファーに溢れた作品でした。

何も知らずに観ても面白いのですが、視聴後に考察サイトを読んでみると、新たな発見があって作品の見え方が大きく変わる系の作品です。

 

本作『ナイトメア・アリー』はユング心理学フロイト心理学がテーマに組み込まれていると思われ、考察サイトによると、本作は「エディプス・コンプレックス」と「エレクトラ・コンプレックス」を扱った映画だと考察されていました。

主人公スタンは物語の冒頭に自分の父親を殺し、逃げた先のカーニバルで読心術の師匠で育ての親のような存在のピートを殺し、そして最後はホルマリン漬けにされた赤ちゃんのエノクに憑依されて、富豪の男を殺してしまうのですが、「エディプス・コンプレックス」の語源となったギリシャ悲劇『エディプス王の悲劇』の物語を簡単に要約すると、父王に足を串刺しにして捨てられたエディプスは、成長して自分の父親と知らずに父王を殺してしまい、そして色々あって自分の妻と結婚してしまいますが、最後は真実を知ったエディプスは絶望して自分の両目を潰し、荒野を彷徨うという話だったと思います。

 

本作の『ナイトメア・アリー』の主人公スタンもエディプスと同じような運命をたどるんですよ……。

スタンも実の父親を殺し、最後は獣になってしまうのです。

その考察サイトを読んだとき「なるほど!」と様々なことが腑に落ちました。

正に、本作は多重構造になっていて、冒頭にもいったように夢野久作の『ドグラ・マグラ』のような感じなのです。

ですが『ドグラ・マグラ』のような理解不能な難解さではなく、エンターテインメントとして成立する、理解できる難解さだと思いました( ̄▽ ̄)ゝ

予告

www.youtube.com

映画 サスペンス/ドラマ『十二人の怒れる男』「1人VS11人 言葉の殴り合い!」

引用元:Amazon

ストーリー

ニューヨークの裁判所。18歳の不良少年が実父殺害の容疑で裁かれようとしていた。12人の陪審員たちは評決の投票をするが、ただひとり陪審員8番だけが無罪を主張し、改めて審議が行なわれることに。それでなくても疲れきっていた11人は苛立つが、8番の説得によって次々と無罪に転じていく。はたして審議の行方は? レジナルド・ローズ脚本のテレビドラマを映画化。シドニー・ルメットがこの作品で映画初監督を飾った。

1957年製作/96分/G/アメリ
原題:12 Angry Men
劇場公開日:1959年

引用元:https://eiga.com/movie/15997/

登場人物・キャスト

陪審員1番
中学校体育教師フットボールのコーチ。陪審員長として議論を進行させる。
陪審員2番
銀行員。気弱だが慎重に無罪説に同意する。
陪審員3番
メッセンジャー会社経営者。息子との確執から有罪意見に固執する。
陪審員4番
株式仲介人。冷静沈着な性格で論理的に有罪意見を主張する。
陪審員5番
工場労働者。スラム育ちで、ナイフの使い方に関してその経験を述べる。
陪審員6番
塗装工の労働者。義理、人情に篤い。
陪審員7番
食品会社セールスマン。裁判にまったく興味がない。ヤンキースの試合を観戦予定で時間ばかり気にしているが、夕立で試合が流れたため面倒くさくなる。
陪審員8番
建築家検察の立証に疑念を抱く。最初から無罪を主張した唯一の人物。
陪審員9番
80前後の老人。8番の意見を聞いて最初に有罪意見を翻す。鋭い観察から証人の信頼性に疑問を投げる。
陪審員10番
居丈高な自動車修理工場経営者。貧困層への差別意識から有罪を主張。
陪審員11番
ユダヤ移民時計職人。強い訛りがある。誠実で、陪審員としての責任感が強い。
陪審員12番
広告代理店宣伝マン。スマートで社交的だが軽薄な性格で、何度も意見を変える。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/十二人の怒れる男

感想

ニューヨークの裁判所で、実父を殺害した容疑で裁判にかけられた18歳の不良少年。

12人の陪審員たちの内11人は少年を有罪だとしたが、ただ1人8番だけは無罪を主張した。

そこから、たった1人で11人の陪審員たちを相手に壮絶な議論が始まる。

舞台は一つの部屋の中だけで繰り広げられ、会話劇だけというシンプルな構成なのに、俳優たちの鬼気迫る演技と、有罪だった陪審員たちが議論によって判決を無罪に変える展開が熱くて、気づけば観終わっていました(; ・`д・´)

 

すごい映画です……。

以前観た『三島由紀夫VS東大全共闘』とも通じるところがあり、まさに言葉の殴り合い。

シンプルイズベスト「会話劇だけでこれほど面白くできるのか!」と感動すらしてしまいます。

陪審員たちは少年が有罪か無罪かを議論するのですが、有罪だと言っている陪審員たちの多くは感情論で少年が有罪だと判断していたのです。

感情論で人の運命を判断する危うさをこれほど描いた映画を知りません。

そんな感情論の陪審員たちを、8番は理論で黙らせていく姿はアッパレです。

そして、8番の主張に他の陪審員たちは次々に無罪に変わっていんですね。

 

それだけ観ていると8番の主張は正しいように思うのですが、映画では事件の真実が明かされることがないのです。

この、真相を明かさない演出が「もしかすると本当に少年は有罪かもしれない」という想像の余地を与えており、物語に深みが出ているのです。

「疑わしきは罰せず」、疑いは感情論なのです。

人一人の命運がかかっている裁判ともなれば、感情論は置いといて、弁証法のように議論を重ねて真実に近づかなければいけません。

これは同時に民主主義についても言えることで、民主主義は議論の上にしか成り立たないのでしょう――。

予告

www.youtube.com

映画 ロマンス/ミュージカル『ウエスト・サイド物語』「認めたくないものだな、若さ故の過ちというものを」

引用元:https://rd.listing.yahoo.co.jp

ストーリー

第34回アカデミー賞10部門受賞のミュージカル映画。ニューヨークのウエスト・サイドで対立するジェット団とシャーク団。ジェット団の元リーダー・トニーとシャーク団のリーダーの妹・マリアが恋に落ちてしまい……。

引用元:https://filmarks.com/movies/10346

 

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きにした大ヒットブロードウェイ・ミュージカルを、巨匠ロバート・ワイズとミュージカル版を手掛けた演出家のジェローム・ロビンスが共同で映画化。ニューヨーク・マンハッタンのスラム街を舞台にイタリア系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団の抗争と悲劇を描く。主演はナタリー・ウッド。61年度のアカデミー賞では作品賞、監督賞を含む10部門で受賞した。日本では1961年に初公開された後も幾度かリバイバル公開されており、2002年12月にはニュープリント・デジタルリマスターバージョンでリバイバル公開されている。

1961年製作/152分/G/アメリ
原題:West Side Story
配給:シネカノン
劇場公開日:2002年12月28日

その他の公開日:1961年12月23日(日本初公開)

引用元:https://eiga.com/movie/42598/

登場人物・キャスト

役名 俳優 日本語吹替
TBS旧版[2] TBS新版[2]
WOWOW版追加録音部分
テレビ東京
マリア ナタリー・ウッド
歌:マーニ・ニクソン
大竹しのぶ 堀江美都子 小島幸子
トニー リチャード・ベイマー
歌:ジミー・ブライアント英語版
国広富之 大塚芳忠 石川禅
リフ ラス・タンブリン
一部歌:タッカー・スミス英語版
尾藤イサオ 塩沢兼人
千葉一伸
林延年
アニタ リタ・モレノ
一部歌:ベティ・ワンド英語版
安奈淳 佐々木優子 松本梨香
ベルナルド ジョージ・チャキリス 沢田研二 山寺宏一 川崎麻世
シュランク警部補 サイモン・オークランド英語版 木村幌 幹本雄之 坂口芳貞
ドック ネッド・グラス英語版 松村彦次郎 納谷六朗 山野史人
クラプキ巡査 ウィリアム・ブラムリー英語版 蟹江栄司 亀井三郎
原田晃
岩崎ひろし
アイス タッカー・スミス英語版 富山敬 田中秀幸 平田広明
アクション トニー・モルデンテ英語版 古谷徹 目黒裕一  
A・ラブ デヴィッド・ウィンタース英語版 野島昭生 荒川太郎
櫻井トオル
菊池正美
ベイビー・ジョーン エリオット・フェルド英語版 三ツ矢雄二 松野太紀  
スノーボーイ バート・マイケルズ 安原義人 菅原淳一  
タイガー デヴィッド・ビーン 西村知道 高宮俊介 くわはら利晃
ジョイボーイ ロバート・バナス 千葉繁 飛田展男  
エニーボディズ スーザン・オークス 太田淑子 安永沙都子
芝原チヤコ
 
ビッグ・ディール スクーター・ティーグ英語版 石丸博也 渋谷茂  
マウスピース  ハーヴェイ・ホーネッカー 曽我部和恭    
グラジェラ ジーナ・トリコニス 弥永和子 こおろぎさとみ  
ヴェルマ キャロル・ダンドレア 小宮和枝 麻見順子 水間真紀
チノ ホセ・デ・ヴェガ 中尾隆聖 関俊彦  
ペペ  ジェイ・ノーマン 石丸博也 森利也 堀川仁
インディオ ガス・トリコニス 曽我部和恭 石田彰  
ロコ ジェイム・ロジャース 林一夫 金丸淳一 鈴木正和
コンスェーロ イヴォンヌ・ワイルダー 松金よね子 大谷育江  
ロザリア スージー・ケイ 麻上洋子 佐藤ユリ 黒崎彩子
ダンスホールの指導員 ジョン・アスティン[注 1] 阪脩 塚田正昭
宗矢樹頼
岩崎ひろし
マダム・ルシア ペニー・サントン[注 1] 此島愛子 向殿あさみ  
不明
その他
中村武己
藤城裕士
  落合弘治
亀井芳子
石田彰
柴本浩行
猪野学
竹村叔子
田坂秀樹
浅野まゆみ
横尾博之
天田真人

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ウエスト・サイド物語_(映画)

感想

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を下敷きにした大ヒットミュージカルを、巨匠ロバート・ワイズとミュージカル版を手掛けた演出家のシェローム・ロビンスが共同で映画化した、ニューヨークのウエスト・サイドで対立する、シャーク団とジェット団に属する男女の恋を描いた『ウエスト・サイド物語』。

 

ストーリーは確かに『ロミオとジュリエット』を下敷きにしているというように、ほぼ『ロミオとジュリエット』です。

色々とツッコミどころはあるのですが、ミュージカル映画としては確かに傑作ですね。

指を鳴らしながら、人々が行進するシーンの元ネタってこの『ウエスト・サイド物語』だったことを初めて知りました。

 

それ以外にも、バレエやラテンやスタンダードなど様々なダンスを織り交ぜ、踊りのことがわからなくても、観ていて美しいです( *´艸`)

ただ、述べたように、ストーリーはちょっとモヤっとするというか、私的に納得のいかない箇所が多々ありました(;^ω^)

もともと『ロミオとジュリエット』の物語が苦手なんですよね(^▽^;)

『認めたくないものだな、自分自身の、若さ故の過ちというものを』というか、あまりに激情的で愚かに思えてしまうからです。

 

恋とはそんなものなのかもしれませんが、モヤっとしてしまうんですね。

ロミオとジュリエット』の話を簡単にまとめると、ロミオとジュリエットは出会い、一目惚れするも、自分たちが対立するモンタギュー家とキャピュレット家の人間であることを知り、駆け落ちを計画をするも、その計画のすべてが裏目に出て、最後は2人とも亡くなってしまう悲劇です。

バニラが納得いかないのは、ロミオとジュリエットが一目惚れしてからの、展開の速さなんですよね(^▽^;)

 

シェイクスピア作品の多くには原型となる話があって『ロミオとジュリエット』の話も原型となる話があるそうです。

その原型となる話をシェイクスピアは少し手を入れて、発表したんですね。

その手を加えた箇所とは、確かロミオとジュリエットの年齢と、作中の経過時間だったと思います(うろ憶えです)。

シェイクスピアロミオとジュリエットの年齢を下げて、作中の経過時間を短くしたそうなんですね。

ロミオとジュリエットの年齢を下げたことで、若さ故の愚かさに説得性を持たせ、経過時間を短くしたことで、ドラマ性を高めたそうです。

 

本作『ウエストサイド・物語』も登場人物の設定が若いから「若さ故の過ち」に説得性を持たせたのでしょうが、愚かだと冷めた気持ちになってしまいます(^▽^;)

そして、作中での時間経過は僅か数日ほどの出来事です。

その数日で、マリアとトニーがあれほど愛し合っていることに、ちょっと違和感がどうしてもあるんですよね(恋とはそんなものでしょうけど……)。

でも、そうすることでドラマ性が高まっているのも事実で、そんなところを気にするのはバニラがひねくれているだけなのですが(^▽^;)

ストーリーは合いませんでしたが、ミュージカル映画としては素晴らしいと思いました(≧▽≦)b

予告

www.youtube.com