キャリア教育がなぜ必要か(明治図書出版)を読んで

フリーターやニートが増加した原因は、バブル崩壊以後10年間に渡り続いた「就職氷河期」である。この時期、企業は新たな採用を凍結し、正社員を非正規雇用に置き換えることでコストの削減を図ったため、多くの若者が失業し、不安定な就労を強いられることとなった。しかし著者は、そのような社会的背景があることには関心を持たず、「フリーターやニートが増えたのは、若者が就職を忌避しているためだ」と思い込み「職業観や勤労観を醸成すれば、そうした若者は減る」と確信した文体で本書を書き上げている。これこそまさに「教師の世間知らず」ではないか?いくら子供に正社員になることを促したところで、その採用枠には上限がある。希望すれば誰でも正社員になれるというわけではないのだ。実際に、これから社会に送り出される子供たちの何割かは正社員になれないだろう。著者は、その子供たちが受ける挫折感や絶望感を想像したことがあるだろうか?正社員になった人は立派で、そうならなかった人は蔑視されても仕方がない、そういう価値観を刷り込まれた子供たちは、自分がその立場に立たされた時、いったいどういう気持ちになるだろう?…著者が熱心に推奨する「職場体験」も、断定的に良いことだと決めつけているが果たしてそうなのか?無論、プラスの経験になることもあるだろうが、受け入れる側の協力体制が整っていなければ、トラウマになることだってあり得るだろう。むしろ「運用次第では毒にも薬にもなる」と心得ておいたほうが良い。「なぜキャリア教育が必要か」その理由がここに書かれている通りなら、今すぐにでもやめるべきだ。

NHK土曜ドラマ「スロースタート(後編)」

「スロースタート」をひと言でいえば「ニートは働く意思が無いという誤解を助長しかねないドラマ」ということになるでしょうか…実際に増えているのは働く意思がありながら職を得られず、自助努力をしている人たちなのですが、NHKさんはまったくそのことに気付かれてないようですね。もっとも保険の営業マンが客を営業所に呼びつけて契約を取るシーンや、パン屋さんの見習いが料理長の帽子をかぶっていたシーンを見れば、このドラマを作った人が「いかに世間を知らないか」ということが分かるので納得もしますが、あまりにも研究不足だと思います。…さて、あまり長々と書いても仕方がないので、今回は象徴的な1シーンに絞り、問題を指摘させていただきます。まず喫茶店で早川が最初に未散と会うシーンでの、「普通」という言葉に対する早川の台詞「日本ではニートは15歳から34歳までの無業者を指すんです」…前段は正しいですが、「無業者」という表現は失業者も含まれてしまいますから正しくありません。そしてその直後の未散の台詞も「おっしゃるとおり、一般的な定義には当てはまらないかもしれませんけど、私たちが考えるニートはちょっと違うんです。半年以上家族以外の人と会話をすることが無い、そういう人たちのことをニートって呼んでるんです。必ずしも部屋に閉じこもっているっていう解釈ではないし、若者に限定したものでも無いんです」…苦しいですね。まず「一般的な定義」って何ですか?ニートの定義は厚労省内閣府の2つの定義しか存在しませんよ。得体の知れない民間団体が勝手に定義を変更してもらっては困ります。それに「半年以上家族以外の人と会話をしていない」というのもニートとひきこもりを混同してしまってますね。…他にも指摘したい箇所はいくつかありますが、このシーンの会話がもっとも制作者の意図を象徴していると思ったので書かせていただきました。もしNHKさんがこの文章を読んでいたら参考にしてほしいですね。

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