高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)

読んだ書籍について紹介するブログ。時折、労働法関連についても役立ちそうなことを紹介します。

【「めんどくさい」がなくなる脳/加藤俊徳】~脳のクセがあなたの人生を邪魔してた⁉~(読みすぎ記録#20)

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」にお越しいただきありがとうございます!

 

皆さんは「あ~めんどくせぇ」って思うことはありますか?
私はしょっちゅう思います(笑)
とはいえ、生きているとめんどくさいと思っても避けられないことってありますよね。
今回はその「めんどくさい」の原因を解析し、「よし!やろう!」とすぐに動く方法をご紹介します。

 

本日、ご紹介する書籍はこちら!

 

著書名:「めんどくさい」がなくなる脳
著者名:加藤俊徳(医学博士)
出版社:SBクリエイティブ

 

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このような方にオススメ!

  • 「めんどくさい」が口癖の人
  • 人付き合いが「めんどくさい」と思う人
  •  課題を先送りにしてしまう人
  • 新しいことに挑戦することが「めんどくさい」と思う人
  • 自己肯定感が低い人

 

加藤俊徳さんについて

加藤俊徳さんは医師であり、株式会社「脳の学校」代表者でもあります。 
肩書や功績はたくさんあるようです。
加藤俊徳さんのお人柄を紹介するには、本書から引用した方が良いかと思いますので、以下をご覧ください。

私が脳科学の道に進んだきっかけについて、少し触れさせてください。それは、医学部に進んで間もないころのことでした。
大学には「公衆衛生」という授業があり、そこで厚生労働省が毎年発行している「国民衛生の動向」を概観します。(中略)

死因のランキングには、ガンや心疾患が並びますが、何より私がショックを受けたのは、自殺者の多さでした。データを見れば、じつに交通事故による死者よりはるかに多くの人が自殺していたのです。(中略)

もともと「脳をもっと伸ばすにはどうしたらいいか」という関心は、14歳のころから持っていました。そこへ加えて、自殺者の多さにショックを受けたことも一つのきっかけとなり、私は脳科学を志すようになりました。

ケガや病気で死にかけている体を治すのは、内科や外科の領域です。

でも、仮に50歳の人に自殺願望があるとしたら、そう願う自分は、ケガや病気ではなく、過去50年分の自分の産物です。ただし、脳は変わります。つまり、これからの自分の蓄積次第で、そんな願望を抱かない自分を作っていくこともできるはずです。

このように、体はどこも悪くないのに、みずから「死にたい」と思ってしまう衝動をどうにかするには、それを生みだしている「脳」を診る必要があると考えたのです。(中略)

「めんどくさい」は、放置すれば、人生を邪魔する厄介者となる一方、有効利用すれば、自分の可能性を伸ばしてくれる「成長スイッチ」にもなります。

 また、「おわりに」では読者に対してこのようなメッセージを綴られています。

めんどくさがる自分を「ダメなやつだ」と責めていたあなたが「自分のせいじゃないんだ。脳のクセなんだ」と、一つ安心を得られたとしたら、それだけでも私は十分うれしいです。(中略)

一つだけ、声を大にして言いたいことは「めんどくさいは悪ではない」ということ。(中略l)

医者らしからぬ言葉かもしれませんが、「めんどくさくたって、いいじゃない」。これが最後に私からあなたへ贈る言葉です。

とあります。

私はあまり自己肯定感が高い方ではありません。しかし、この書籍に出会ってからは、周囲への不満が減りましたし、自己肯定感も高まったように感じています。

そのように思わせる一書であるのは、引用部分からも分かるように、加藤俊徳さんのお人柄によるものだと思います。

 

それでは、 本書の詳細についてご紹介します。

 

この書籍の特徴

本書は5章で構成されております。
第1章 脳はもともとめんどくさがり—「脳」の性格を知ろう 
第2章 「させられ脳」から「したい脳」へ—「めんどくさい」をなくす脳の強化法
第3章 欲張りでご褒美好きな脳のあやし方—その「めんどくさい」を有効利用しよう!
第4章 「めんどくさい人」と「めんどくさくない人」の違いとは?—人間関係の「めんどくさい」解消法
第5章 「めんどくさい」は脳の成長スイッチ—幸福脳は自分で育てられる

という内容で構成されております。

その中でも、第1章より、少しだけ抜粋してご紹介したいと思います。
前述したとおり、第1章では脳の性格について述べられています。
日常生活の中で「めんどくさい」と思うことはたくさんあるのではないでしょうか?
しかし、その「なぜめんどくさいと思うのか」という点について考えたことのある人は少ないのではないでしょうか。
本書では、その「めんどくさい」の原因を次の7つに分けております。

  1. 眠いとき、不機嫌なとき
  2. 不慣れなこと、不得意なことを求められたとき
  3. 「めんどくさい」がクセになっているとき
  4. 体がつらいとき
  5. 空腹のとき
  6. スイッチを入れるとき
  7. 「めんどくさい人」に出会ったとき

と紹介しております。

1つめの「眠いとき、不機嫌なとき」について。
脳の酸素不足の状態が続いており、低覚醒のためだといわれております。そのため、本当はたいしたことでもないのに、だた「眠い」というだけで、人は不機嫌になり、脳は「めんどくさい」と反応してしまう。
これは誰もが経験したことあると思います。

 

2つめの「不慣れなこと、不得意なことを求められたとき」について。
脳は約120分野に分かれており、8つの分野に分類されるそうです。加藤さんは分かりやすく「脳番地」という表現を用いております。
その内訳は、
「思考系」脳番地・・・「考える」を担当する
「運動系」脳番地・・・「動く」を担当する
「感情系」脳番地・・・「感じる」を担当する
「理解系」脳番地・・・「入ってきた情報を理解する」を担当する
「伝達系」脳番地・・・「人に伝える」を担当する
「記憶系」脳番地・・・「覚える」を担当する
「聴覚系」脳番地・・・「聴く」を担当する
「視覚系」脳番地・・・「見る」を担当する
といった8つであり、これらは人によって発達ぶりが異なるそうです。
だから人それぞれの得意・不得意が分かれるようです。
加藤さんはこれを「脳の個性」と称しています。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、不慣れなことや不得意なことを求められたときに脳はサクサク処理することができず、負担に感じます。
だから、そのときに「めんどくさい」と感じるそうです。

 

3つめの「めんどくさいがクセになっているとき」 について。
これは脳が習慣性の高い器官であることから起因しているそうです。私たちがい反復練習することで、物事が上達していくのもこの習性のおかげだそうです。
脳は一度「めんどくさい」というイメージが定着して、脳内に「めんどくさい」回路ができあがると、本当はそれほどめんどうではなくても、すぐに「めんどくさい」回路が働きやすくなり、新たなイメージを上書きすることが難しくなるそうです。

 

4つめの「体がつらいとき」について。
本来、「疲労」や「不調」というものは「めんどくさい」とは関係ないもの。
しかし、「疲労」「不調」は体を休ませてというSOSのサインであるにも関わらず、適切に処理できていないと、脳はその状況に対して正しい判断ができなくなるため、「めんどくさい」と判断してしまうそうです。

 

5つめの「空腹のとき」について。
これは皆さんも経験的にお分かりかと思います。
1つめと同様に脳内に酸素が足りないときですね。脳を動かすエネルギーが足りていないため、「めんどくさい」と思ってしまいます。

 

6つめの「スイッチを入れるとき」について。
いわゆる重い腰を上げるとき、ですね。皆さんも「皿洗いしなきゃ」とか「議事録作らなきゃ」とか、やらなくてはいけないことをわかっているのに、なかなかやる気になれないとき。まさしく、脳も同じように「めんどくさい」と思ってしまうようです。
その脳が立ち上がるときの「めんどくさい」は3つに分けられるようです。

  1. 手順が分からない場合
  2. 融通を利かせなくてはならない場合
  3. 現実と自分の気持ちにギャップがある場合

ちなみに私が転職した最初は、この中でも1と2によってよく「めんどくさい」と思うことがありました。(新人なのに申し訳なかったと今では思います(笑)) 

 

そして最後に7つめの「めんどくさい人に出会ったとき」について
「めんどくさい人」と思われる人の特徴として「めんどうを見てほしい人」と言えるから。すなわち、周囲に余計な頭を使わせる人のことですね。
皆さんも一度は経験があるかと思います。「なんかわかんないけど、この人イライラしてるから気を付けなきゃ」とか「よくわかんないところで怒ってる」とか。
こういう人は「よくわかんないけど、気を付けよう」と思わせる、言い換えれば、余計な思考を強いられるから「めんどくさい人」とみなされるわけです。
なので、このような人と接したり、何か頼まれたりしたら「めんどくさいかも」という脳のアラームが鳴ってしまうわけです。
余談ですが、私は転職により3つの会社を経験していますが、私より上の立場の人で、まさしく「めんどくさい人」に出くわしているため、どこにもいるんじゃないかと思っております。(それとも私の器が小さいのか?)

と、第1章だけでも有益な情報が詰まっております。 

 

実践例

私はこの書籍を読んでから、主に2つのことを実践しました。その点についてご紹介したいと思います。

  • 「めんどくさい」の原因を追究すること
  • 脳番地の違いを意識すること

先ほどの「第1章」を踏まえたうえで、加藤さんはこのように述べております。

「めんどくさい」アラームは、どれも脳の正直な反応といえますが、放っておいては、動けないままです。動けないままでは何も前に進まないし、動かない。つまり、自分の能力も未来も広がりません。
今、自分が感じている「めんどくさい」は、どんな「めんどくさい」なのか?
漠然と感じている「めんどくさい」の正体を明らかにし、きちんと取り扱ってあげることが、脳を伸ばし、より可能性に満ちた人生を送ること糸口になる。 

とおっしゃっています。

 

そこで、1つめの「めんどくさいの原因を追究すること」 についてご紹介します。

さきほど少し触れたのですが、私が「めんどくさい」と感じるのは、
物事の手順や目的が分からないとき、
めんどくさい人に出くわしたとき、
の割合が高いです。
そのため、社内でも新たな仕事を振られたときなど、「とりあえずやっといて」といった丸投げタイプの先輩・上司にはかなりのストレスを感じていました。納期などは確認するものの、どこまでのクオリティを求めているのか(顧客に見せる資料なのか、社内での検討用資料なのか)、どのような背景がある案件なのか、といったことは一切伝達されません。
そのため、こちらから質問するものの、イライラしている様子がこちらには伝わってきていました。(しかも明確な回答は得られず。)

そのようなこともあり、この人からの依頼は「めんどくさい」と思っていました。何よりもストレスが大きかったですね。今振り返ってみると、それは、自分の「めんどくさい」の原因が分からなかったから。

そのため、この書籍に出会ってからは「今、自分がめんどくさいと思っている。何がめんどくさいんだろう?」「そうか。手順が分からないからか。では、その点を具体的に掘り下げてきいてみよう。」といったように気持ちの余裕が生まれるようになりました。

とはいえ、先ほどの件に関しては、相変わらず明確な回答が得られないので、こちらは大変でしたけども。

そこで、2つめの「脳番地の違いを意識すること」を実践しました。
本書で加藤さんは次のように記載していたんです。

人は、自分の脳番地の発達具合と人の脳番地の発達具合は異なるということに、なかなか想像が及びません。(中略)

たとえば、言葉で伝えるのが得意な人は、人にも言葉で的確に伝えることを求めます。それができない人を見ると、「なんて説明が下手なんだろう」「どうして、もっとわかりやすく伝えられないんだろう」「語彙が少なくて、バカっぽい」などとイライラしてしまいます。(中略)

でも、その発し手は、言葉こそ乏しくても、表情で多くを語っていたのかもしれません。受け手が「わかりにくい」と思ったのは、発し手の伝達が下手だったからではなく、受け手の発達していない脳番地に向けて伝達していたから、という可能性もあるということです。(中略)

自分が発達していない脳番地に情報が送られてきても、即座に拒否せず、なるべく理解するように努めよう。

とあります。この考えを取り入れるようになって、コミュニケーション上においてのモヤモヤしたストレスはかなり軽減されました。

掴みどころがない「めんどくさい」が具体化されたことによって対応策が見えてきた、ということです。

この方法は本当にオススメなので、皆さんも意識してみてください。

 

最後に

本書は「めんどくさい」の正体がつぶさに紹介されています。

何より、今まで「自分の性格のせいで」という悲観的な視点がある人にとっては「自分の脳のクセなんだ。だから改善できる」という自信を持たせてくれる一書だと思います。

そのため、ぜひ、皆さんにも読んでいただけたらと思います。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!

【面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略/DaiGo】~もう面接はこわくない!~(読みすぎ記録#19)

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びに来てくださりありがとうございます。

 

最近のテレビドラマを見ると会社員の物語がを多いように感じますね。
つい先日までは、
吉高由里子さん主演「わたし、定時で帰ります。」
福山雅治さん主演「集団左遷」
などが放送されていましたね。

 

会社員といえば、かならず「就職活動」は避けられませんね。
そして、就職活動には「面接」は避けられません。

 

本日は、その面接に対しての対策を心理学の観点から紐解いたものがこちら。

著書名:面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略
著書名:メンタリストDaiGo
出版社:KADOKAWA

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前回に引き続きメンタリストDaiGoさんの著書です。
前回は「集中力をコントロール方法」について、ご紹介させていただきました。

www.takasugi-room.com

 

こんな方にオススメ!

  • 理想の仕事に就けていない方
  • 面接・プレゼンになると不安や緊張に襲われてしまう方
  • 就職活動を行っている方

 

本書の特徴 

「面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略」では3部構成となっております。
第Ⅰ部 後悔しない就活&仕事選びとは?—「いい仕事」を選ぶ3つの原則
第Ⅱ部 好感度は作れる—面接を支配する7つの戦略
第Ⅲ部 人生は2か月で変えられる
という内容です。

 

この書籍は、一般的に言われる「就活本」とは様子を異にしています。

就活本では自己分析の方法、集団面接時のテクニックなどが紹介されていますが、科学的根拠というよりは、今までの蓄積された経験則が書いてあるものが多いかと思います。(就活本が役に立たないという意味ではありません。)

対して、本書では冒頭にも述べた通り、心理学・脳科学といった科学的根拠に基づいたテクニックを紹介しております。
テクニックは主に第Ⅱ部で紹介されており、

  1. 好感度の作り方
  2. ハロー効果
  3. 知性
  4. トークによって面接官の判断基準を支配する
  5. 自信のまとい方
  6. 警戒すべき面接官を見抜く

といった切り口で紹介されています。

また、テクニックを淡々と紹介するのではなく、第Ⅰ部にて、自分のやりたい仕事を手に入れるためのマインドについても記載されています。 

第Ⅲ部では、理想の仕事に就くための効果的なワークを5つ紹介されています。
その5つとは、

  1. 連想ゲーム
  2. 「だからどうした?」ゲーム
  3. 3つ挙げる、3つ褒める
  4. 口を読む
  5. 72時間内に実行する

です。

以上のように、テクニック・基本的マインド・ワークが収納された一書となります。

 

ちなみに、「はじめに」の中でDaiGoさんはこのように言われております。

私は、職業選択の自由は権利だとは思いません。しかし、職業選択の自由が存在しないとも思いません。
職業選択の自由は、権利ではなくスキルなのです。

自分のやりたい仕事、自分が本当にやるべき仕事、理想の仕事をしている自分を思い描く。
その目標にたどり着くために、今の自分の能力と、理想の自分の能力との差を見極める。
そして、今、目の前にある選択肢の中から、必要なスキルを手に入れられる仕事を選んで経験する。
さまざまな仕事を経験しながら、理想の仕事に就くために必要なスキルを、1つ1つ集めていく。
その結果として、自分が本当にやりたいこと仕事をする自由が手に入れられる。
職業選択の自由を手に入れることができる。

職業選択の自由とは、与えられる権利ではなく、自分で磨き、鍛え、手に入れるべきスキルなのです。

本来なら日本国憲法で”権利”として記載されているものを、
DaiGoさんは”スキル”として解釈しております。

つまり、自分のやりたい仕事をするというのは、「受け身」ではなく、自ら勝ち取りにいくという「攻め」によるものということでしょうか。

心理学を通して「戦略的」に考える、いかにもDaiGoさんらしい表現だと思います。

実践例

私がこの書籍を読んだときはすでに社会人で塾講師として勤務していましたので、
「就職活動」にて実践したわけではありません。

しかし、掲載されている内容は就職活動中の人でなくても活用できるものがあります。
私が実際にこの書籍を参考にして取り組んでいたことをご紹介しますね。

 

私が意識的に導入していたのは以下のものです。

  • ハロー効果
  • 「だからどうした?」ゲーム

順に説明しますね。
まずはハロー効果について。
「ハロー効果」とは、1つの際立った特徴に引きずられて相手の全体像を評価してしまう現象のことです。

ハロー効果による例を本文より引用します。

ある日、会社に突然、取引先の外国人が訪問してきたとします。英語しか話せないようなのですが、あいにく海外担当の社員は出払っています。みんなが顔を合わせているなか、たまたま留学経験があった新入社員の一人が英語でうまく対応したとしましょう。それを目にした周囲にした人はどう思うでしょうか。おそらく、「すごい新人が入ってきた」と思うはずです。まだほとんど仕事ができないという点では、ほかの新入社員と同じであるにもかかわらずです。

本来、英語ができることと仕事ができることには全然関係がありません。(中略)しかし、日本のたいていの会社では、英会話ができる人はごく少数派です。つまり、英語力という目立った特徴のためにハロー効果が生じた結果、「すごい新人だ」と判断されているわけです。

これは、自分の特徴を分析することができれば、かなり活用することができます。

私は塾講師として転職したので、生徒からすると既存の社員と私を比較してきます。
また、他の社員も社員同士で比較することもあります。

何か特徴を際立たせることが必要だと思い、私はお得意の労働法の知識をフル活用しました。
特に高校生たちは年齢的にも、進学先だけではなくその後の仕事も考え始めるため、労働法関連の話をすると食いつきがとてもよかったです。
そのこともあってか、キャリア関連の相談を受けることも多くなりました。
このキャリア関連の話は講師に大ウケでした。
というのも、講師の中には大学生講師もいるため就職活動の準備をする子も多かったからです。エントリーシートの添削や模擬面接の練習などにも付き合わされることも増えたため、「高杉先生は、信頼がおける」という雰囲気が出来上がってました。
(自分で言うのは大変恐縮ですね)

逆に、私自身が初対面の人と接する際はハロー効果に惑わされないように気を付けています。 

 

その次に「だからどうした?」ゲームについて。
このゲームについて、DaiGoさんは次のように紹介しています。

①紙とペンを用意

②自分の得意なこと、持っているスキル、経験などを書き出す。
例:心理学に詳しい

③自己アピールとそれに対するツッコミをシミュレーション
まず、目の前に人がいると考えて、その人に今書いた自分のスキルをアピールするところを想像します。次に、それに対して目の前にいる人が「だからどうした?」と返してきたところを想像します。

④ツッコミへの返しを用意する
「だからどうした?」というツッコミに対するうまい返しを考えて書き出します。

⑤さらなるツッコミと返しを考えていく
さらに相手が「だからぢうした?」とツッコんできたことを想像します。また返しを考えて書き出します。さらに相手が「だからどうした?」とツッコんできます。さらに返しを考え、書き出し……をできるだけ長く続けます。こじつけでも構わないので、瞬時に考えて書くのがポイントです。

これは、自己分析を行うにあたり、とても役に立ちます。
質問に対して自身が用意した解答は、表層的なものが多いため、「だからどうした?」と自問自答することで深めることができます。

私の場合は自己分析に用いたのではなく、課題解決手法として用いていました。
どういうことかと言いますと、「だからどうした?」はコンサルタントの思考法で用いられる「ロジックツリー」と類似しているんですよね。

複数の課題・質問に対して、「だから何が言える?(so what?)」を繰り返していく。
そして、それぞれの解答が共通するところが、それらの課題の仮説につながる、という手法です。
その逆が「なぜ?(why?)」を繰り返すことです。これを繰り返すことで、課題・質問の本質にたどり着くことができます。

このおかげで、「生徒がこの問題を苦手とするのはなぜなのか?」「まじめに授業を受けているのに成績が伸びないのはなぜなのか?」 などの課題に対して、一定の対策を行うことができ、実際に克服したケースもあります。

そういった意味で、自己分析以外にも使える手法ですのでオススメですよ!

 

最後に

前回同様、メンタリストDaiGoさんの書籍についてご紹介させていただきました。
DaiGoさんの書籍は文字数が少ないにも関わらず、内容がとても充実しています。
そのため、本当にオススメできる著者の一人です。

全部が全部、実践する必要もなく、自分に必要だと感じた項目だけを実施すればよいので、ご自身の生活に支障がない程度のことを実践してみることをオススメします。

DaiGoさんの書籍にはまだまだ役立つものがあります!
それはまた今後、ご紹介させていただきますね!

 

本日も、最後まで読んでくださりありがとうございました! 

【自分を操る超集中力/DaiGo】~結果、スピード、時間のすべてが手に入る~(読みすぎ記録#18)

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてくださりありがとうございます。

 

6月1日からアクセス数などの動向を軽く分析しており、
土曜日は平日に比べてアクセス数が多い傾向が続いていたのですが、
22日は労働法関連の記事を載せたところ、思うようにアクセス数が伸びなかったので、
実は「労働法」関連の記事はそれほど需要がないのかもしれませんね。
少々見直しが必要なのかもしれません。

それはともかくとして、
本日は「読みすぎ記録」としてご紹介します。
本日紹介する書籍はこちら・・・

 

著書名:自分を操る超集中力
著者名:メンタリストDaiGo
出版社:かんき出版

 

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このような方にオススメ!

  • 集中力が続かないことでお悩みの方
  • 時間が足りないことでお悩みの方 

メンタリストDaiGoさんについて

メンタリストといえばDaiGoさん。
DaiGoさんは幼少時代は、長時間机に向かうことできないほど集中力に欠いていたそうです。それもあってか、周囲からは奇異な目で見られ、小学校1年から中学校2年までのべ8年間いじめに遭っていたという経験の持ち主。

学力もビリということもあり「自分を変えよう」と決意し、やみくもに勉強するのではなく、心理学や脳科学の専門書をひもとき、科学的に集中力を作り出す方法を研究し始めたそうです。

その結果、予備校に通うこともなく、独学で慶應義塾大学の理工学部に合格。
現在では1日に10~20冊の読書をしながらも、企業向けアドバイザーや講演・研修担当、TV出演、ニコニコ動画を配信といったスケジュールをこなしています。

 

この書籍の特徴

「自分を操る超集中力」では4章構成となっております。
1章 集中力を自在に操る3つのルール
2章 高い集中力を生み出す7つのエンジン
3章 疲れをリセットする3つの回復方法
4章 集中力を自動でつくり出す5つの時間術
といったものです。

DaiGoさんいわく、集中力は鍛えることができ、生まれつきのものではないそうです。
では、その集中力とはそもそも何なのか。

それは、前頭葉だそうです。
前頭葉は「ヒトをヒトたらしめ、思考や創造性を担う脳の最高中枢」であり、他の動物よりも発達しているといわれております。
そして、それは思考や感情をコントロールする力。
これは通称「ウィルパワー」と呼ばれるそうです。
(ちなみに、ウィル=will=意志、のこと)

DaiGoさんはこのウィルパワーをわかりやすく次のように説明しています。

ウィルパワーは前頭葉の体力のようなもの。イメージをつかむため、ロールプレイングゲームのキャラクターの体力や魔力を思い浮かべてください。敵の攻撃を受けると体力が減り、魔法を使うと魔力が減っていくように、ウィルパワーにも一定の量があり、集中力を使う度に少しずつ消耗していきます。ちなみに、薬草や魔法を使えば体力が回復し、睡眠によって魔力が戻るように、ウィルパワーも良い睡眠を取る、エネルギー源となる食事を心がけるなどの行動によって補給することができます。

このウィルパワーがこの書籍のテーマになります。
ウィルパワーこそが脳の体力、すなわち集中力であり、その総量は決まっている。
では、集中力を保つためにはどうするのか。

それは、
ウィルパワーを鍛えること。
ウィルパワーを節約すること。

これらの方法を順に科学的根拠に基づいて紹介していくというのがこの書籍の特徴です。

ウィルパワーが消耗されるときというのは日常の中に多く潜んでいます。
「選択や決断を必要とするとき」です。
たとえば「今日の服装はなにしようかな」「あ。こっちのワンピースの方がいいかなぁ」「あ。でも、今日は日差しが強いからこちらの方がいいかなぁ」といったような単純な意思決定でもウィルパワーは消費されてしまうそうです。

一方でウィルパワーの回復方法は
「食事」「睡眠」「瞑想」「運動」といった方法です。
一見、ありきたりな内容に思えるかもしれませんが、
DaiGoさんの紹介する方法はとりわけ難しいものではなく、取組みやすいことばかりなので、試してみる価値はあるかと思います。

実践例

実際にDaiGoさんが紹介されていることを実践したこともあります。

私は塾講師として勤務していた傍ら、社会保険労務士試験の学習も行っていました。
働きながら国家試験の勉強をするっていうのは、なかなかハードなものなんですね。

  • 時間の捻出
  • 効率よいインプット

を必ず意識しないといけませんからね。
だから、仕事は早く終わらせる必要があり、ダラダラ勉強する時間を極力減らす方法を追求していました。
どちらにも言えることは「集中力」が問われるということです。
そのようなときにこの書籍に出会いました。

DaiGoさんが紹介している方法の中で実践したのは次のことです。

  • 超早起き
  • 意思決定の最小化
  • パワーナップ
  • 低GI食品・ヨーグルト・コーヒーの導入
  • スケジュールに余白を作る(意図的なモラル・ライセンシング)

順にご紹介しますね。

 

まず、超早起きについて。
DaiGoさんいわく、「脳は、朝起きてから2時間の間に最もクリエイティブな力を発揮する」とのことです。
そのため、5:00に起きて簡単に食事を済ませ、5:30~7:50まで勉強していました。
ちなみに私が勤務していた塾では出勤が昼過ぎから夜までの勤務なので、実質的にフリータイムは午前中だけです。
ちなみにAppleのCEOティム・クックやスターバックスのCEOハワード・シュルツたちは超早起きという点で共通しているそうです。

 

そして意思決定の最小化
私の場合、服装を選ぶことについてよく迷っていました。そのため、曜日ごとに上下のセットを作っておきました。
これは有名な話ですが、スティーブ・ジョブズは公の場に出るときには毎日同じタートルネック、ジーンズ、スニーカーというように複数所有していたそうです。
そんな彼の有名な発言として「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定を私は本当にやりたいだろうか?」と残していますね。 

 

そして、パワーナップについて。
いわゆる仮眠のことなんですが、これは集中力を劇的に回復させる効果があります。
授業中にうとうと寝て起きたとき、めちゃくちゃ頭が冴える!
っていう経験がある方はまさしくパワーナップの効果を体感していますね。
最近は民間偉業や学校にも制度として導入しているところもありますよね。
このパワーナップですが、20分の浅い眠りが集中力回復するのに最適と言われているそうです。
私の場合は、5:30~7:50の勉強後、8:30頃にパワーナップを導入していました。
ちなみに8:00~8:15はお楽しみタイムとしてとっておきました。(これは意図的なモラル・ライセンシングにてご紹介します)
やはり少し眠ったあとは頭も冴えて、体の疲れも少しとれるので本当にオススメです。

 

次に低GI食品・ヨーグルト・コーヒーの導入について。
脳の集中力には血糖値が大きく関与しているそう。
血糖値が上昇するにつれて、脳の集中力が高まるそうです。
ちなみにGIとはGlycemic Indexといい、食事後2時間の血糖値がどのように上昇していくかを示した指標のことです。
食後に血糖値が急上昇するものを高GI食品というのに対し、緩やかに上昇していくものを低GI食品といいます。
高GI食品は血糖値が急上昇する半面、急激に下降するそうです。
一方で、低GI食品は血糖値が緩やかに上昇し、徐々に下降していくそう。
この血糖値の乱高下がストレスになり注意力散漫につながります。
その低GI食品にはヨーグルトやリンゴなどがあります。
朝食は決まってこれらを食べていました。

そして、コーヒーとヨーグルトの効果についてご紹介します。
コーヒーに含まれるカフェインの作用である認知能力低下防止作用は、摂取後20~30分後で作用するといわれています。
カフェインの効果が切れるのは90分~120分の間だそうです。このカフェインの効果が切れた場合、体がだるさを感じるようなのですが、ヨーグルトを一緒に摂取しておくことでそのだるさを軽減できるようです。

そのため、私は上記でご紹介したパワーナップを実施する前にコーヒーを飲んで後に仮眠をとるようにしていました。

この効果は抜群です!寝起き後すぐに勉強に取り掛かっても、集中力が2時間以上続いていました。
私は8:30~9:00までパワーナップをし、そのあとまた11:00まで社会保険労務士の勉強に取組みました。

 

いよいよ最後。スケジュールに余白を作る。
これは、そのまんまの意味です。しいて言うならばご褒美タイムです。
しかし、ここで大切なのが「無意識に」ダラダラ過ごすのと「意識的に」ダラダラ過ごすことは圧倒的に違うということです。
DaiGoさんは心理学の観点から「モラル・ライセンシング」を紹介しています。
モラル・ライセンシングとは、「今日は頑張ったから少しはさぼっちゃってもいいかな」や「いつも以上に頑張ったから今日はちょっと手を抜いてもいいかな」っていう心理状態のことです。
誰しもが一度は経験したことありませんか?
私の場合は、これを無意識的にやってしまうと、予想した以上にダラダラしてしまいます。テレビを見ると「この番組だけ」と”なんとなく”決めていたのに結局その次の番組まで見てしまう、といったことがありました。
この”なんとなく”が魔物でしたね。そこで、「この時間は絶対に怠ける!」と決めて”意図的に”ダラダラしました。
これは大成功です。意図的にダラダラと過ごすことで、気持ちの切り替えができました。
そして、皆さん、お気づきだと思いますが、私にとっては8:00~8:15がご褒美タイム。
そうです。連続テレビ小説を見ます(笑)
ちなみに私が連続テレビ小説に魅了されたのは「マッサン」がきっかけです。
さらにいえば、それ以降ウイスキーのとりこになりました。

最後に

いかかでしょうか。
メンタリストDaiGoさんの書籍は科学的根拠もあること、実践するのにハードルが低いということもあり、私はとても助けられました。
私の場合、国家試験合格のために取り入れましたが、特にそのような必要に迫られていない方でも、時間を上手に活用する、という意味ではとても参考になると思います。
また、本記事が会社員の方で国家試験などの学習に取り組んでいる方の参考になればと思います。

それでは、またブログに遊びに来てくださいね。

しゃべりすぎ記録No.06【労働法の観点からCMにツッコミを入れてみた】~バイト代払うキウイ君~

最近暑くて飲み物を大量に飲んだ結果、お腹がゆるくなってしまうことで有名な高杉です。通称、「お腹ゆるキャラ」と呼ばれております。

 

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びに来てくださってありがとうございます。
Googleアドセンスの審査を2週間待った結果、審査が通らなかったけどそんなことはあまり気にしていません。
(あ。今、強がり言ってるって思ったでしょ?本当に気にしていないんだからね!)

 

さて、本日は労働基準法やら最低賃金法について、
考えていきたいなと思って、筆を執らせていただきました。

 

最近、見かけるCMでおもしろいなと思ったのがこれです。 

www.youtube.com

とりわけ、今回紹介するのはこちら。
ゼスプリ キウイ TVCM 2019 #02 「みんなでアゲリシャス」篇

CMを見て頂ければお分かりになるかと思いますが、
これはゼスプリのキウイくんたちが陳列棚で歌いながら踊って、
消費者へのPRを行っているんですが、
果物仲間のりんごくん・バナナくん・オレンジくんにも一緒にやろうと誘う・・・
といった内容なのですが、
踊ることを渋っている上記3人にキウイくんがこんな発言をします。

 

キウイくんが「バイト代払うよ」と。

 

私は即座に思いました。
「いくらもらえるんだろうか」「ここに雇用関係が生じているのだろうか?」と。

 

日本には最低賃金法というものがありますよね?
名称のとおり、賃金の最低基準を設けている法律です。
もしこれがないと、会社側の裁量で低い賃金で働かされてしまうわけです。

極端な話、1時間労働したにも関わらず10円しか支払われないなんていうことだってありえるわけです。
それを踏まえると、最低賃金法は労働者の生活保障のために定められた法律ということです。
(マニアックな話ではありますが、こういう法律って第1条に主旨が書いてあるから確認してみてください。最低賃金法の場合は、労働者の生活保障だけではなく、事業の公正な競争の確保など事業者側のためのものでもあることが分かります。)

使用者は労働者に最低賃金額以上の賃金を支払う義務があり、これに違反すると刑罰が科されます。ちなみに50万円以下の罰金です。
(最低賃金には地域別最低賃金と産業別最低賃金というものがあって、それによって適用される罰則規定も異なりますが、ここでは詳細は割愛します)

ちなみに、平成30年10月以降の地域別最低賃金は、
最高額が東京都:時給985円
最低額が鹿児島県:時給761円
となります。
また、地域別最低賃金は毎年10月に改定されますので10月以降の給与明細を確認してみてくださいね。(特に時給制のパートの方・アルバイトの方は要チェック!)
以下に厚生労働省の参考資料を掲載しておくので、ご自身の地域の最低賃金が気になる方は確認してみてください。

あなたの賃金を比較チェック|最低賃金制度

 

ここで「アゲリシャス」とテンション高く歌いあげているキウイくんたちに話を戻します。
彼らの職場がどこの都道府県によって変わりますが、
仮に職場が東京都であれば時給985円は死守されますね。

 

余談ではありますが、バイト代を支払うということは、
雇用契約が結ばれているわけですから、
使用者(≒経営者)はキウイくんで、労働者はリンゴくん・バナナくん・オレンジくんとなります。
労働条件通知書をきちんと用意していないとトラブルのもとです。
キウイくんがその点をしっかり対処していることを切に願います。

 

これでキウイくんが皆に最低賃金額以上の給料を支払えばめでたしめでたし。

 

・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

と言えるのか、それについては次回にゆっくり検証してみたいと思います。

 

それでは、本日はここまで!
まぁ、何が言いたいかっていうと、
みんな、ゼスプリのキウイ食べてみな、ってこと。
おいしいから!私も3日に1回は食べてます(笑)

ちなみにキウイの栄養についてゼスプリさんが紹介してくれてるので、お時間のある方はご確認ください。

www.zespri-jp.com

 

それでは、ばいばいき~ん(@^^)/~~~

 

P.S
Googleアドセンス審査に落ちたこと、ちょっとショックを受けてます。
やっぱり、冒頭だったり今見たいな最後が適当なかんじがGoogleさんには気に食わなかったのかな?

読みすぎ記録No.17【俺か、俺以外か。/ローランド】~究極のポジティブライフ~

自己肯定感が高い人にとっては、共感を。
自己肯定感が低い人にとっては、よりいっそうの励みを。
いずれにしても、誰が読んでも元気になれる本。
今日は、そんな本を皆さんに紹介させていただきます。

 

あ。いつものご挨拶が遅れましたね。
どうも、夏でも短パンは穿かない高杉です。パンツの方がスマートに見せてくれるので・・・いや、魅せてくれるので。
そんなことはともかく、本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてくださってありがとうございます。

 

前回は、しゃべりすぎ記録として「メモにこだわる理由」をご紹介させていただきました。よく家族には言われるんですよね。
「そんなに本に書き込んだら売れなくなるじゃん!」って。
それに対して、私は
「ん?大丈夫だよ。売らないから。本は友達さ。」
って返します。

 

そんなことはともかく、
本日、ご紹介する書籍はこちら!

 

著書名:俺か、俺以外か。ローランドという生き方
著者名:ROLAND(ローランド)
出版社:KADOKAWA

 

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最近、メディアでもよく取り上げられているため、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
現代ホスト界の帝王なんて呼ばれていたりしますね。
テレビでも特徴的な名言(迷言?)を連発しているため、一度見たら忘れられない存在。
私もテレビで初めてみたときは「この人、おもろ!!(笑)」ってテレビに釘付けになったほどです。

 

今日は、そんなローランド氏の書籍「俺か、俺以外か。」をご紹介いたします。
最初に言っておきます。

この本を読むと、ローランド氏に病みつきになります。

 

まじです。
ちなみに、私はこの書籍を勝手ながら「メンタルヘルス対策必読書」として認定しました(笑)

 

 

こんな方にオススメ!

  • 自己肯定感が低くて悩みやすい人
  • 自分を好きになれない人
  • 自己肯定感の高い人
  • 成し遂げたい夢ある人
  • 仕事を誇りに思えない人
  • プライドを持てない人
  • 信念や哲学がない人
  • 世界中の人間(笑)
もはや、世界中の人に読んでほしいです。
そう思えるほど、このストレス社会では大切な考え方があると思います。
 

この書籍を購入したきっかけ

 この書籍を手にした理由は・・・
 
 
 
ノリです。
 
というのと、テレビでのイメージのローランド像が出来上がっていたので、
正直なところ、
「もはや遊び半分でネタ本でも出したのかな?」
っていう偏見丸出しで購入しました。(それでも購入するんだから、ある意味、ローランドの虜になっていますね(笑))
 
読んでからこの印象はすべて崩壊します。
偏見丸出しの自分を反省。ローランドごめんなさい。
 
と、まぁこんな軽い気持ちで手に取ったわけです。 
 

この書籍の特徴 いや、もはやローランド氏の特徴だね。

全ページめくってもポジティブ。
超絶自己愛の塊(笑)
でも、これがいかにすごいことか。
 
私はどちらかというと自己肯定感が低い方です。
最近は多少マシになりましたが、日常から「周りの目」を気にしすぎて、自分の意見・考えを押し殺して我慢することが多いタイプです。
しかも日本人特有の「我慢は美徳」という考えがこびりついていて、ストレスを溜めやすい人間です。
 
でも、そんな私にとっては、ローランドの生き方や考え方はかなり励みになりました。

「もっと自分を愛していいんだよ。いや、愛さなきゃもったいないよ」
って言われているようでした。(そんなことはどこにも書かれていませんが。)
 
というのも、ローランドの名言は、その言葉だけ聞くと面白い、単なる”パフォーマンス”のように見えるのですが、
この書籍では、その名言の真意を紹介しているんですよ。
それを読むと、ただのリップサービスではないことを誰しも認めざるを得ないと思います。
「ホストだからチャラチャラしている」なんていうイメージを持つ方もいるかと思いますが、その考えがどれほど浅薄なものだったのかを突き付けられます。
彼の生き方には”誰かを喜ばせる”というホスト的サービスもあるかと思いますが、それ以上に、”自分の人生に本気で向き合っている、自立した人間である"ことがすべての発言の根幹にあるのだと思います。
 
本書にある一例をご紹介したいと思います。
「年齢は、どれだけ生きたかは教えてくれても、どう生きたかは教えてくれないだろ?」
この背景には、ローランドが二十歳だったときの勤務先で、代表者を決めようということになり、自ら名乗り出た際に、「お前は若すぎるから、絶対に代表は務まらない」と言われたときに、返答した内容が上述の内容だそうです。
ちなみに、売り上げが一番あるローランドが代表者として決まったそうです。
 
さらにローランドはこのように記載しています。
年齢って、そんなに大切?
若いからできないなんて、どうして言い切れる?
俺は、どれだけ生きたかよりも、どう生きたかが人を決めると思っている。
年齢なんて関係ないのだ。
できる奴はできるし、できない奴はいつまでも経ってもできない。
(中略)
新しい人間関係を築くときに、あえて相手の年齢は聞かないことにしている。
そんな先入観や物差しは一切排除して、相手にどれだけの器量があるのか、どんな人間なのかということだけを見る。

実際のところ、ローランドは1992年生まれなので、27歳くらいです。
まだまだ”若者”と言われる年代であるにも関わらず、このような発言をできることが、そして実際にそうやって人と接することができるというのは凄いことだと思います。
とても説得力があります。

このように、他にもたくさんローランドの人生観が詰まったエピソードが紹介されております。(できることなら全部紹介したい!!!)

 

最後に

ローランドは自分でも自覚しているほど、自分大好きっ子です。
自己愛の塊です。誤解のないように言っておくと”正しい”自己愛です。
”歪んだ”自己愛は、自己を適正に客観的に見られないから、周囲に何かしらの軋轢を生みますからね。
 
適正に自分を愛すること。本当に大切なことだと思います。
自分を愛せない人が他者を愛することなんてできないと思うんですよね。
この書籍を最後まで読んでいただくとお分かりになると思いますが、
ローランドは周囲の方への感謝と愛情をとても大切にしています。
歪んだ自己愛の人間にはできないことです。
しかも相当な努力も欠かさず続けています。自分にストイックです。
 
彼の生き方は「自分らしく生きる」ための参考になるかと思います。
 
ぜひ、手に取ってみてください。
必ず、良い刺激をいただけますから。
 
 
それでは、ばいなら~(@^^)/~~~

しゃべりすぎ記録No.05【メモに対する想い】~メモ魔が語る「メモの魔力」~

どうも、意識高すぎ高杉くんに憧れる、というよりも神木隆之介くんに憧れる高杉です。本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてくださりありがとうございます。

 

ブログを開始してから約20日くらいが経ちました。

ありがたいことにたくさんの反響をいただいております。

 

「裁判シリーズもっと見たい」

「書籍にメモしすぎ!」

「書籍へのメモは何を基準にしているか知りたい!」

「ブログを始めたきっかけは何ですか?」

「高杉さんのこともっと知りたい!」

「高杉さんの普段って何をしているの?」

「高杉さん好き」(※)

「高杉さんに会いたくて会いたくて震える」(※)

 

※一部、願望が記載されております。

 

まぁ、そんなこんなで皆さんからの反響を楽しみにしながら、
私自身、ブログ更新を楽しみにしております。
つまり、私の半分は皆さんの優しさでできております。
皆さんはバファリンです。
したがいまして、今後は読者の皆さんのことを「バファリン」と呼ばせていただきますね。

 

冗談です。

 

さて、今日は「読みすぎ記録」ではありません。
冒頭にて皆さんからの反響をご紹介しましたが、
「高杉は何をメモをしているの?」という点について述べたいと思い、筆を執らせていただきました。

 

筆を手にしてみたけど、
気付いたらブログってPC入力するんで、筆は必要なかったですね。

 

さて、それでは、私のメモに対する想いを伝えていきたいと思います。
ここまで書くと、SHOWROOM代表取締役の前田裕二さんみたいなことを書くのかとご期待されている方もいらっしゃるかと思いますので、
あらかじめ言っておきます。

 

「今回は単なる雑記です。期待しないでください。まじで。」

 

ちなみに、前田裕二さんの「メモの魔力」は本当に素敵な書籍ですので、一度手に取って読んでみてください。

www.takasugi-room.com

 

私がメモを始めたきっかけ

中学生・高校生編

私がメモを始めたきっかけ、というと少し大げさなのですが、
高校生時代のときからメモ魔になったと思います。
中学生のときまでは、先生が「しっかり板書してね~」というお決まり文句に従い、ただノートに写すという、いわば”作業”をしているだけでした。
ですので、とりわけ、メモに対する想いなんてものは皆無でした。
 
しかし、高校生になってから豹変します。
私が通っていた高校は、授業ペースが猛烈に早かったんですよ。
(まぁ、他の高校と厳密に比較できたわけではないのですが、体感的にはそう感じます。)
とりあえず授業に関する情報はすべて記録に取ろうと思って、
先生が授業中に説明したことはひたすらメモ。先生の口が開けばメモ。先生の身体が黒板に向かえばメモ。メモ。メモ。メモ。
もはや、先生が教室に入ってくる様子すらメモ。(そんなわけない。)
ただ、先生が授業中に雑談することってあるじゃないですか?
あの、授業中に時折挟まれる先生の謎の雑談。
「わしが若いときは福山雅治似だったんだぞ」とか
「先生には兄弟がおってな~」とか
そんなことですらメモする勢いでした。
そんなメモ魔の私は大学に行っても進化(?)を遂げます。
 

大学生編

大学生になってからも講義中にメモを取りまくる習性は続いていましたね。
メモを取りまくるせいもあってか、講義を休んでしまった友人には
「ごめ~ん。ノート貸して~」
なんて言われることが多かったのですが、
貸したあとはお決まりのごとく、
「このメモ書きなんやねん!いらんやろ、この情報(笑)!」
って言われてましたね。
「借りといて文句言うなよ(笑)」
って返答するまでがセットでしたね。
でもですね、その甲斐もあってかわかりませんが、
成績はどちらかというと良いほうでしたね。

私のブログをご覧になってくださっている方からすると、
少しだけ驚かれるかもしれませんが、
私、大学に入学するまでは、読書大きっらいでした。
1冊読破したものなんて何があったかも覚えていないほどです。
中学生の頃なんかは、夏休みの宿題で読書感想文があっても、
なるべく厚みのない本を手に取り、なるべくあとがきのページが多い本を選定して、その書籍の各章をところどころ読む。そして適当に感想文を書くという、
いかにも読書感想文が嫌いな子あるあるを実施していました(笑)
 
そんな私も大学生になり書物に触れるようになってから、
今では読書の楽しさを感じております。
そのようなとき、童門冬二さんの作品「吉田松陰」を読んで、私にとっては慰め(?)のような内容が目に飛び込んできました。
 
吉田松陰はメモ魔だった
(※詳細な表記は覚えていませんが、このような趣旨です)
 
なんと!あの歴史に名だたる吉田松陰がメモ魔だったとは!
しかも、そのメモ魔の吉田松陰は歴史を動かす偉業を成し遂げている!

単純なやつです。
私、すぐに影響を受けます。
はい。そうです。メモに拍車がかかります(笑)。吉田松陰に憧れて(笑)
授業中のことをメモするならまだしも、
雑誌などのお気に入り内容があれば、手帳にすぐメモしていました。
(ちなみに、当時のお気に入りの雑誌は「人材教育」っていうやつでした。今は廃刊になっているのかな?)

社会人編

まぁ、ここでも相変わらずのメモ魔っぷりを発揮していますね。
とりあえず、先輩や上司の言うことはメモを取りまくる。
しかし、ここで私の常識は覆される事件が起きるんです。
私、大学を卒業したときは某商社にて営業職として勤務していたんです。
私の教育担当者は当時の係長。
取引先に同行していたんです。
顧客への御用聞き中などもメモしてました。
帰りの車中、言われたんですよ。
 
「お客さんの前でメモ取るの見栄えがよくないからなるべくやめろよ」
 
それ以来、私はメモを取ることをやめ・・・・ませんでした。(笑)
だって顧客の前でメモ取っても特に問題なんて起きなかったし。
 
まぁそんなこんなで、以上が私のメモ魔としての半生です。 
 
では、そんなメモ魔で良かったことがあるのかないのかと言えば、
良いことしかありません(笑)
それを次にご紹介したいと思います。
 
メモ魔になって得られたもの
メモ魔になった学生時代はとても成績が伸びましたね。
勉強に関する記憶力はものすごく向上したと思います。
定期試験な模試など、問題を解いているときに自分のメモが映像で浮かんでくるんですよね。
「あ。この内容、確か教科書のp.250あたりの右上にあったなぁ」とか
「この内容を先生が説明しているとき、授業とは関係ない〇〇の話をしてたなぁ」とか。
記憶の種類には二つあって「意味記憶」と「エピソード記憶」があるそうです。
「意味記憶」とは「apple=りんご」のように文字媒体のみを記憶すること。
一方、「エピソード記憶」とは出来事や体験のようにストーリーが伴う記憶のことで、意味記憶よりも定着しやすいようです。
この点に関しては「アウトプット大全」(著:樺沢紫苑)を参考にしてみてください。

www.takasugi-room.com

おそらく、「メモを取る」という行為はエピソード記憶に変換する作業なのだと思います。それゆえに、自らメモを積極的に取る行為は記憶力向上や成績向上につながるのだと思います。
 
ちなみに、私が各種国家試験(社会保険労務士試験)や検定試験(日商簿記検定2級)などの学習をする際、通信教育や独学などを行ってきましたが、このメモの効果が大いに力を発揮したなと思います。
しかも”自分の言葉”でメモすることで、自分の理解力レベルに応じた言葉が選び出されるので、より自分に適した理解ができるようになっていたと思います。
 
また、記憶力が上昇すると、関連ワードや関連事項などに対するアンテナが敏感になりましたね。
「あれ?この内容と類似したことを別の以前見かけたな?」といった具合に。
すると、関連事項との比較ができるようになります。
そのため、類似点・相違点を意識して把握することができるようになりましたね。
 
こんな感じにメモの効果は絶大だなと実感します。
ちなみに授業・講義などのリアルタイムに対応できるようにメモしようとするときれいな文字ではかけないため、かなり殴り書きになっています。
自身のメモは正直、他人では完全に解読できないレベルです(笑)
学生のときの文字と比較するとかなり変わっていると思います。
 
「メモの魔力」との出会い
そのような中、さらに大きな出会いがありました。
冒頭でもご紹介しました、SHOWROOM代表取締役の前田裕二さんの著書「メモの魔力」です。
この書籍の中で前田裕二さんはメモによる効能を5つ紹介しております。それは以前の記事にも記していますので、そちらを参考にしていただければと思います。
またメモの役割を2つ紹介しています。
それは「記録のためのメモ」「知的生産のためのメモ」の2種類です。
私が学生時代にしていたのはまさしく「記録としてのメモ」だったということです。
そのため「知的生産のためのメモ」という概念は新しいものだったので、私にはかなりの衝撃的なものでした。
 
それ以来、書籍にもたくさんメモするようになりました。
私が自分の書籍にメモをしたりするのは簡素なものですが、その内容は、
自身の仕事に生かせそうなもの、
人間関係に生かせそうなもの、
自身には今までなかった考え方、
過去の書籍などで見かけた類似内容、
などに線を引いています。
(ちなみにマーカーの色に決まりはありません。)

書籍に直接メモする場合もありますが、
深く掘り下げたい場合などは、前田裕二さんが紹介していたものを参考にノートに書きなぐっています。

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最後に
私はメモを取ることで記憶力が良くなることはもちろんのこと、思考プロセスをまとめやすくなりました。
というのも、私は考えたものを誰かに伝えることがあまり上手ではないことが悩みだったんです。(今も完全に解消されているわけではありませんが。)
また、考えを深めることが上手ではありません。(すごい短絡的なやつなんです。)
それが、我流メモ術と前田裕二流メモ術を行うことで、物事を深く掘り下げる習慣が身についてきたように思います。

また、いつかご紹介しようかと思いますが、
私がブログをはじめようと思いきったのも、物事を深堀した結果です。
(最初はブログなんてめんどくさいだろうし、私には不要だと認識していました)
またブログの中で多くの方の記事を見させてもらう中で、さらに自分のやりたいことなどが見つかりましたし、それに向けて行動を開始している途中です。

前田裕二さんはおっしゃっています。

情報をアイデアに変える。自分を客観視して、自分を理解する。そして「人生のコンパス」を手に入れる。
メモは、僕たちの可能性を広げ、人生をより良いものにしていくための、この上なく心強い味方なのです。
(メモの魔力より) 

私もそう思います。実際にメモを取り、深堀することで、次々と行動をイメージすることができますし、実際に行動に移すことができているわけですから。

 

皆さんも「記録としてのメモ」も大切にしていただきたいですし、「知的生産のためのメモ」を取り入れていただけると、より人生が輝くのではないかと思います。

 

それでは、今後のメモライフで実現に至ったものがあれば、そのつど紹介しますね。

 

では、またね~(@^^)/~~~

読みすぎ記録No.16【「人望力」の条件/童門冬二】~part.5 人間の器の大きさとは?~

どうも、意識高すぎ高杉です!
(そんなに意識高くないですけどね(笑))

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてくださりありがとうございます!

そういえば、ふと思ったのですが、
ブログを行っている方って結構ご自身のプロフィールについて詳細に語っている方って多いですよね。
それに比べると私のプロフィールって適当すぎますよね(笑)
まぁ、「ゆる~い」ってのが私のブログのコンセプトですので、
こだわりすぎる気もありませんが、
仕事内容とは裏腹にブラック企業とかも経験していますので、
その辺の詳細もジョジョにご紹介できればと思います。
ちなみにブラック企業に勤めていたときは、

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※ジョジョの奇妙な冒険(荒木飛呂彦)より引用

 

っていうかんじでした。
でも、私は人間の心を捨てきれなかったので、人間をやめるのでなく、仕事を辞めました。
そんなことも後々ご紹介したいと思います(笑)
あ。私、ジョジョの奇妙な冒険好きなんです。
とは言っても、まだ5部までしか読んだことないのでにわかファンです。

 

さてさて、それはともかく、
本日は「人望力の条件」の最終章「人間力」についてご紹介いたします。

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あらためて、この作品についてご説明しますね。
この書籍「人望力の条件」では「人望力」というものを5つの要素で分解しています。
①人間通
②世間通
③経済通
④影響力
⑤人間力
といった具合です。この5つの要素を5回に分けて皆さんにご紹介しておりまして、本日がシリーズ最終章第5弾となります。

ちなみに、今までの内容について参考としてリンク付けしておきますので、お時間のある方は読んでみてください。
リンク貼りすぎるとと鬱陶しいと思うので、前回のものだけ貼っておきますね。

www.takasugi-room.com

 

それでは、どのような方にオススメな書籍なのか。
あらためてご紹介しますね。

この書籍がオススメの方は??
  • 会社などで指導職立場の方(係長・主任など)
  • 管理職の方(課長・部長など)
  • 経営者の方(取締役以上の方)
  • 学生対象に指導を行う方(教師・塾講師など)
  • 童門冬二さんを愛してやまない方
  • 歴史人物からビジネスを学びたい方

童門冬二さんは組織論という目線で書籍を書くことが多いことに加えて、とっつきづらい歴史用語も少ないため、読みやすい構成であるので・・・略(part.4と同じなので、上述リンクをご参照ください(笑))

 

人間力 ー自分を育てる、人間の器を大きくするー
今回ご紹介する「人間力」に関して、童門冬二さんは以下のように記載しております。

人間力の要諦の第五は人間力である。すなわち、人間の器の大きさである、生まれながらに器の大きい人も中にはいるが、多くの器量人といわれる人は、自分で器を大きくしてきた。器を大きくするのも、小さくとどめるのも自分しだいである。人間の器は自然に大きくなるものではない。自分を知り、自分を育ててこそ、人はさらに、自らの器を大きくすることができる。器の大きい人には、自然に人が集まってくる。 

この第五章「人間力」の章は次のような節に分かれています。

第1節 自分を知る
第2節 挫折を生かす
第3節 自分をコントロールする

この章は本書の中でも、締めくくりということもあって、ページ数も多く割り当てられています。そのため、多くの歴史人物のエピソードが紹介されています。
たとえば、蜂須賀家政・黒田如水・福沢諭吉・北条早雲・前田利家・松平定信といった有名な人物たちのものである。
(ん?童門冬二さんって黒田如水を紹介しすぎだって?童門冬二さん、「軍師 黒田如水」って書籍を書いているくらいですからね。そりゃ仕方ないです。)

今まではエピソードを一つに絞って詳細にご紹介していたのですが、今回は詳細を省いて、印象的だった記述を列挙しようかと思います。
それでは題して「器拡大スペシャル ヒストリア」っていうことで。

 

蜂須賀家政の場合~批判を受け入れる~
これは、蜂須賀家政の孫にあたる忠英が藩主となる際に「前藩主とは異なったことをしよう」と意気込んでいるという場面。そこで童門冬二さんの切れ味のある意見を記載しております。
こういうとき(=組織人事の変革時※)トップがまわりに集めるのは、必ず自分の気に入った連中だ。
そして意見をきくのはそういう連中からのものに限る。自分に対立する者や、自分の政策に反対する者の意見はきかない。また、トップのまわりに集まった連中も、いつのまにか茶坊主になっておべんちゃらをいい、トップが怒るような情報は耳に入れなくなる。いまの時代でも同じだが、これがトップを堕落させる第一歩である。とにかく、トップが自分に対立するような意見をきかなくなったらもうだめだ。

 (※部分は私が補足的に記載しております)

以下は家政が忠英を戒める場面。

「トップに立つ者は、決して自分に対する批判を恐れてはならない。何でもきくことだ。自分を批判する者を左遷しようとしたり、あるいは飛ばそうなどと考えるのは間違いだ。批判の中にも正しい意見がある。上に立つ者はそれに耳を傾けなさい。このスズメ(※)と同じだ。可愛がれば、必ず慕って寄ってくる。」
※孫である忠英に縁側でこの話をしようとした際、スズメがたくさん家政に寄って来た。実は家政はいつもスズメにエサを与えていたことから、縁側に現れた家政を見て懐いて近寄ってきたのです。
そして、さらに、童門冬二さんは次のように結んでいます。
批判を謙虚にきくことは、自分を知ることである。そして、それは自分を育てることにもなる。
トップの立場でなくても、これはどのような関係においても大切なのかもしれませんね。
人の話を聞けないというのは視野狭窄に陥るし、そうなれば新しい刺激や変化を感じることができなくなる。そしてもはや成長はなくなる。
これは本当に心にとどめておきたい内容だと思います。
 
童門冬二さんの場合~人を育てる=自分を育てる~
ものすごいツッコミが飛んできそうですね。
「童門冬二さんは歴史上人物じゃねぇだろ!」「筆者を出すんかい!」など。
 
まぁ、それはそれでいいじゃないですか(笑)
というのが、これから引用する箇所は、歴史上人物のエピソードというより、童門冬二さんのお考えが縷々説明されているところですから。
人を育てる場合に、育てる側自身が常に自己の向上に努力をしなければならない(中略)
ところが、人を育てる側にまわると、なかなか自分の未完成部分に気がつかない。つまり人を育てているから、ともすれば、「俺はパーフェクトだ」と思い込む。
そうなると、自分の長所ばかり目について、短所が目に入らない。自分を向上させる努力を怠るようになる。(中略)育てられる側は気がついて、(このリーダーはだめだ)と思うようになってしまう。そうなると育てる側がいきり立って、(こいつはしだいに俺のいうことをきかなくなってきた。生意気だ)と思い込む。
せっかく良好な関係にあった育てる側と育てられる側の関係にヒビが入り、しだいに亀裂を生ずる。やがて大きなミゾができ、両者は完全に隔たってしまう。
 
よい友人をもつということは、「自分でまだ気がついていない自分」に目を向けさせてくれるということだ。仲間たちと議論し、いろいろ志を語り合うことは、場合によっては、「自分を客観的に見直す」という機会がたくさんあるということだ。
 
人づくりとは、「人を見る・育てる・生かす」ということであるが、別の面から見れば、人を育てるということは、「自分を育てるということ」でもある。
それには、「常に客観的に自分を見つめ、いいところを伸ばし、悪いところを捨てる。そして、社会に生かす」という気持ちが必要だ。

 

真理だと思いますね。塾講師をしていた時に積極的に行っていたのは、本来教わる側の生徒を、講師としてみなし身振り手振りで講師である私に教えさせる、というもの。
やはり、自らが教わる側になると受け身だった立場から積極的に立場に変わるため、「一次関数」を説明するのにも、彼・彼女たちが持っている知識を総括用して教えようとしてくれていました。
だからこそ、うまく説明できなかった点などは、その後自分で調べ上げ、よく理解できるようになっていました。
このことからも、人を育てる側に回ろうとすると自分を客観的に見つめなおすきっかけになり、自分が育つのだなと思います。

 

前田利家の場合~痛みが分かるからこそ慈悲の心を~

これは前田利家のエピソードからの引用を通して、童門冬二さんはこのように分析しております。

前田利家は、「自分が不幸な経験をもったから、世の中に仕返しをしよう」、ましてや「部下につらくあたってやろう」とは思わなかった。むしろ逆に、「傷の痛みを知った自分は、部下の傷の痛みも共有しなければならない。というよりも、部下が傷を負わされないようにトップが守らなければならない」と考えた。

これもまたとても素晴らしい点ですよね。
あたりまえといえばあたりまえなんでしょうけど、自身の周りの上司などを見ると、実行できている人って少ないように思えます。
この件で苦い思い出もありますが、それはまた別の機会にでもご紹介しましょう(笑)

 

最後に
今回を含めて5回に分けて「人望力」をご紹介しましたが、いかかでしたか?
歴史上人物と言えど、現代にも通じることは多々あったのではないでしょうか。

本書のタイトルは「人望力の条件」です。
「人望」の意味は、

信頼できる人物として、人々から慕い仰がれること。
(デジタル大辞泉より)

とあります。

確かに童門冬二さんのおっしゃる通り「人間通」「世間通」「経済通」「影響力」「人間力」が欠かせないと思います。
各個人の長所・短所を見抜くことができない人に、適切に個々人と相対することができない。
冷静に物事を分析し、先を見通すことができない人に、信頼は生まれにくい。
お金にとらわれ、お金に溺れる。そんな人にはいつかお金で破滅することが目に見えてしまう。
人を感化させることができる影響力、情熱、真摯さがない人間についていく者はいない。
なにより、謙虚さがない人間。反省のできない人間。すなわち、器の小さい人間の周囲に人は寄り付かない。

 

皆さんがこの書を手に取って少しでも自己啓発のお役に立てていただければと思います。

 

また楽しい書籍がありましたらご紹介いたしますね。
part.1~part.5までお付き合いいただきありがとうございました!
(part.2だけ反響が少なかったのは何が原因なのでしょうかね(笑))

また「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてださいませ~。

 

ばいばいき~ん(@^^)/~~~

読みすぎ記録No.15【「人望力」の条件/童門冬二】~part.4 お金の使い道~

どうも~、意識高すぎ高杉です!
本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてくださりありがとうございます!

昨日は「読みすぎ記録」ではなく、「しゃべりすぎ記録」として裁判例をご紹介させていただきました。

 読みすぎ記録を楽しみにしてくださっていた方には申し訳ありませんでした。
(え?誰も楽しみにしていないって?いいんです。読んでてくださる方が一人でもいれば(笑))

 

さて、本日も「人望力の条件」よりご紹介します。
もしかしたら、私のブログをはじめてご覧になる方もいらっしゃるかと思いますので、あらためて、本日の書籍についての概要をご説明いたします。

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この書籍「人望力の条件」では「人望力」というものを5つの要素で分解しています。
①人間通
②世間通
③経済通
④影響力
⑤人間力
といった具合です。この5つの要素を5回に分けて皆さんにご紹介しておりまして、本日が第4弾となります。
(ん?そろそろ飽きてきたって?あと1回で最終編ですから、もう少し辛抱してください。)
現在、①人間通、②世間通、④影響力に関してはすでにご紹介いたしましたので、お時間のある方もない方も以下をご覧いただければと思います。

www.takasugi-room.com

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そして、今回は「経済通」についてご紹介いたします。

その前に、あらためて本書がどのような方にオススメなのかを記載しておきますね。 

この書籍がオススメの方は??
  • 会社などで指導職立場の方(係長・主任など)
  • 管理職の方(課長・部長など)
  • 経営者の方(取締役以上の方)
  • 学生対象に指導を行う方(教師・塾講師など)
  • 童門冬二さんを愛してやまない方
  • 歴史人物からビジネスを学びたい方

童門冬二さんは組織論という目線で書籍を書くことが多いことに加えて、とっつきづらい歴史用語も少ないため、読みやすい構成であるので、多くのビジネスパーソンになじみやすいので、是非とも手にとってみてください。

経済通 ー無駄を省く、生きた金を使うー
 
今回ご紹介する「経済通」に関して、童門冬二さんは以下のように記載しております。
人望力の要諦の第三は金銭通である。まず、無駄な死に金を使うことは節約しなければならない。だが、節約する以上にむずかしいのは、お金の使い方である。お金は使ってこそ生きてくるからだ。しかも、時代の流れに敏感であってこそ、経済通、金銭通であることができる、金銭通として、人の心をつかむお金の使い方ができてこそ、人が集まってくる。
では、どのようにお金を使えば「経済通」と言えるのでしょうか。
その内容を3節に分けて記載してあります。
第1節 節約する
第2節 斬新な経済感覚をもつ
第3節 時代を先取りする
 
この「経済通」の章では、豊臣秀吉・黒田如水・石田三成・増田長盛・長束正家などの歴史人物を通して紹介しています。
どのエピソードも経営者の方には参考になるかと思いますが、今回は石田三成のエピソードの一端のみをご紹介したいと思います。
 
石田三成のエピソード ~意味のあるお金の使い方とは?~
石田三成と言えば、名前くらいは誰しもが聞いたことがあると思います。
豊臣秀吉の右腕とも呼ばれる存在でした。
ある時、長雨の影響で、大阪の淀川の堤が切れ洪水が起こった。
そして、秀吉が堤を修復するように命じた際、石田三成が自ら挙手し、修復作業を担うことになる。
修復作業を行うにあたり、「河川に生息している葦を私にお譲りください」と申し出る。秀吉もこの申し出には不思議に思うんです。(この申し出の真意は後ほど紹介します。)
そのような中、石田三成にはある噂が流れていた。
「石田三成は部下である島左近に自分の給料の2分の1を与えている」という。
しかも、秀吉が石田三成に確認したところ、その噂は事実らしい。

それでは、石田三成はなぜ自分の給料の半分も島左近に渡していたのか。
 
ここが石田三成のすごいところです。
それは・・・・
 
「私があなた(=豊臣秀吉)からちょうだいする給与は、よい部下を養い、何があったときにあなたのためにお役に立つための費用です。子孫に給与の一部を残すようなのは、本当の武士ではありません」
皆さん、このようなことを言えますか?
これ、石田三成の考えも立派ですけど、そのように思わせる豊臣秀吉もなんと立派なことなんでしょうか。
言い換えれば「あなたに尽くすために給料をもらっている」って言っているのと同義ですからね。

このエピソードを聞いたとき、
私の学生時代にお世話になった就職課の方を思い出しました。
その方は営業職として勤務していたことがあるそうなのですが、
「給料のほとんどを顧客に関する情報や顧客にとって有益となる情報を収集するためのものに使用していた」そうです。
その甲斐もあってか、その方は営業成績においても常にトップクラスを走り続けていたそうです。
これに相通ずる話だと思いました。

余談ではありますが、その話を参考jに私もお給料の10%は仕事に関する書籍に充てるようにしています。
その甲斐もあってか、クライアントとは話が盛り上がることが増えたように感じます。
 
さて、話は石田三成の河川氾濫の話に戻しますが、
河川氾濫を鎮める手法が驚きです。
河川などが氾濫した際、土俵を用いるのは現代でも同じですよね?
しかし、石田三成はそれらを袋に土を入れる工程を待っているととても河川氾濫修復するのに間に合わないと考えます。
その結果、彼は城内にある米俵を土俵の代替品として用いるのです。
これだけだと、「あぁ、代替品に使ったんだな」と驚くことでもないのですが、
石田三成の聡明さを物語るのはこの次なのです。
当時のお米は生きるためのものでもあり、経済的価値を生み出す商品でもあったため、大変貴重なものでした。
防波堤を修繕中に「土俵をひとつ持ってきたものには、今積んである米俵一俵と交換する。米は濡れているかもしれないが、干せば食べられる。」
提案するんです。
半信半疑ながらも民は土俵を持っていく。
そして本当に米俵と交換される。
「石田三成様は嘘をつかない」ということが証明されたため、
次から次へと土俵が集まり、河川の修復は瞬く間に完成した、という内容です。
この話には続きがありまして、石田三成は城内の米俵を借りたため、その金額を支払うというんですね。
しかし、ただでさえ、島左近などの部下に自分の給料の大半を支払っているので、秀吉は「お前にそのようなお金はないだろう?」と言うんです。
しかし、三成は「お金は十分あります。」と返答。
実は、河川修繕の際に頂いた葦を売りさばいていたという。
当時は農民にとって、葦は屋根の材料として使われたりする貴重品のため、豊かな農民に売っていたそうです。
それを聞いた秀吉は三成に対して、より目を見張った。というエピソードです。

最後に
いかかでしたか?
 
お金って日本人の感覚からすると、
「お金のことを話題に出すと汚い」っていうイメージがまだ強い面があります。
しかし、それはお金を自分の私利私欲に使う人間に限られます。
 
大切なのはお金を「何のために使うのか」ということだと思います。
「お金はすべてじゃない」と聞いたことはありますよね?
これは一つの真理だと思います。
けど、お金がないとスケールのでかいこともできません。慈善事業も事業もできません。もっというと、自分の生活も家族の生活も守れません。
 
結局、お金が汚いのではなく、何のために使うのかという部分で現れる人間の心次第なんだと思います。
 
そういった意味でも、日本人の学校教育でもマネーリテラシーをもっと身につけた方がよいのではないかと、個人的には思います。
誰だって、「お金がたくさんある方がいいじゃん」って思うんではないでしょうか。

そういった意味で、経済通というのは、お金を「何のために使うのか」を明確にできる人のことを言うのだと思います。
そして、それが正しいことに使えば使うほど、人の共感を生み、人が寄り添ってくるのだと思います。
 
私自身、正直ケチです。自分だけに使う衣服や趣味の道具などはかなりケチります(笑)
しかし交際費はケチりません。それは、人との交流で得る刺激や情報、信頼関係は生涯有益なものだと思うからです。
お金を使って信頼と自己成長を得ているようなものです。
まぁ、私は石田三成みたいに社会的な力を持ち合わせていませんが、このスタイルで仕事の依頼を得たりしています。
 
「何のため」
これを徹底的に追及することは人生において大切なのだと思います。
 
 
あ。思わず真面目に語りすぎました。
気恥ずかしいので、最後はふざけます。
本音を言います。
 
 
あぁ、酒池肉林に溺れたい。
 
 
それでは、いよいよ次回「人望力」シリーズ最終回!
乞うご期待!

しゃべりすぎ記録No.04【普通解雇】~解雇の種類を知っておこう~

どうも、本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びにきてくださってありがとうございます!

 

今日は「解雇」についてのトラブルについてご紹介しますね。

本日は法律関係の記事です。

何が言いたいか、わかりますか?

・・・

・・・・・

・・・・・・・

記事作成するのに時間かかって大変だったから、褒めてねってこと。
(承認欲求が凄まじく強くなるのです(笑))

 

それはさておき、
皆さん、「解雇」は自分とは縁遠いものって感じてませんか?

 

「縁遠いと感じる」と思った方は日本の法制度の恩恵を感じてください(笑)
「縁遠いことない。むしろ身近だ」と思った方は危機感が強いですね(笑)

 

何が言いたいかというと、
日本の場合、法制度的には「労働者はよく守られている」ということです。
つまり、日本では「解雇」のハードルはめちゃくちゃ高い、ということです。
一方で欧米では解雇なんて日常茶飯事なんですよ。
まぁ、それは諸外国では転職市場やらセーフティネットが整っているからでもあるんですけどね。(それはまたの機会に触れようかと思います)

 

さて、話は本題に戻りますが、事前に注意事項を一つ。

当ブログは労働法関連を、なるべくわかりやすい表現に置き換えております。
また実際の裁判の判決はケースバイケースであり、ここで紹介されているのは過去の裁判例をご紹介しているに過ぎないため、参考程度のものであることを前提にご覧ください。


労働者と会社の雇用関係が終了するには、主に次の種類があります。

①辞職(最低でも辞める2週間前に「会社、辞めさせてください。さーせん。」のパターン)
②合意解約(①辞職と類似しますが、こちらは期間が決まっていないパターン)
解雇(「きみ、明日からこなくていいよ、クビ」のパターン)

※①②の違いは下記サイトが分かりやすいため、興味のある方はご覧ください。

http://www.hotlaw.jp/blog/2926/

 

その中でも、今回は「③解雇」に焦点を当ててみます。
「解雇」とは会社が一方的に労働契約を終了させること、を言います。

いわゆる、クビとかリストラとか肩たたき等のことだね!

解雇の種類としては次のようなものが挙げられます。

【解雇】
①普通解雇
→勤務態度が悪いし、就業規則に書いてあることを守れないから辞めさえちゃえ、っていうパターン。
②諭旨解雇
→懲戒解雇でもおかしくないけど、情状酌量してあげる。退職金も一応あげるね。っているパターン。
③懲戒解雇
→社会的に悪いことしたからクビっていうパターン。②とは異なり退職金なんて出ない。
④整理解雇
→会社の採算が合わないので人員整理するパターン。いわゆるリストラっていうやつ。
 
んで、この「解雇」って、会社が一方的に従業員を辞めさせるわけですよ。
めちゃくちゃ恐ろしいですよね。
1回遅刻したくらいで、社長から「お前、なんか気に入らねぇんだよね。だから明日からこなくていいよ。クビ。」なんて言われたらどう思いますか?
「厳しすぎだよぉぉぉぉぉ!明日からの生活どうすんの!」
って言いたくなりますよね。
こんなことがまかり通っていいわけがないですよね。
ですから、労働基準法や労働契約法では「解雇」に関して規制を設けているんです。
 
かといって、会社側としても正当な理由がある場合には解雇できないと、会社にダメージを与えるような人をいつまでも雇っているわけにはいかないし。
コンビニのレジからネコババするような店員、アイスケースの中に入って写真撮ったりする店員、レジ横のおでんを食べるような店員、一度捨てた魚を再度まな板に載せる店員などを雇い続けるのも企業側の社会的信用失っちゃうし。
 
っていうことで、企業には解雇する権利があるけど、それをむやみやたらと実行すると労働者の社会生活基盤まで失われちゃう。
先ほど挙げた例なんかは極端すぎるから、「これは社長あかんやろ」「従業員側に問題ありやな」っていうのが明白ですが、
たまにグレーゾーンなケースがあるんですよね。まさしく、そのグレーゾーンの時にトラブルになりやすい。つまり、裁判に発展しやすいんですね。
 
ということで、今回はこの「解雇」トラブルの裁判例をご紹介しましょう。
 
事件名:高知放送事件
事件番号:昭和49年(オ)第165号
 
裁判内容を確認する前に、少々事件概要を確認しておきましょう。

<Y放送>
当社ではラジオ放送があるんです。
通常はFAX担当者がおり、その者がアナウンサーXを起こしてニュース原稿を手渡すことになってるんです。
うちは就業規則もきちんとあります。
もちろん、解雇に関する内容も記載してあります。

ここまでの会社状況を押さえたうえで、裁判に至るまでの流れを見てみましょう。 
それでは、裁判劇場のはじまり、はじまり~(^^)/

<FAX担当者>
やべ!ラジオ放送開始時間を寝過ごした!アナウンサーXを起こさなきゃ!やべ!マジやべ!

<アナウンサーX>
スヤスヤ・・zzz

<Y放送>
アナウンサーX来ないやんけ。放送できんやん。(結果10分間放送できず)

放送終了後・・・

<アナウンサーX>
本当すみませんでした!以後気を付けます!

<Y放送>
うん。まぁ、寝過ごしたとはいえ、極力早くスタジオ入りするようにしていたから、今回はおとがめなしにしておくよ。以後気を付けてね

1週間後・・・

<FAX担当者>
やべ!また寝過ごした!アナウンサーXを起こさなあかん!やべ!マジでやべ!これ先週と同じ失態やん!

<アナウンサーX>
スヤスヤ・・・zzz

<Y放送>
あれ?これ先週もやん。また放送できんやん。(結果5分間放送できず)
※ちなみにアナウンサーXはこの放送事故の件を会社には報告していませんでした。

放送終了後・・・

<アナウンサーX>
すみませんでした。

<Y放送>
とりあえず、事故報告書を提出してくれ。

後日・・・

<Y放送>
あれ?これ事実と少し違うところあるよね?
しかも、2回目の寝坊のとき報告を怠ったでしょ?
これは、就業規則上の懲戒事由にあたるよね?本来なら懲戒解雇になるけど、あなたの将来のことも考えて、普通解雇にするね。ちなみにFAX担当者はけん責処分な。(=反省文みたいなもの)

<アナウンサーX>
まじですか!?解雇だなんて、あぁぁぁんまりだぁぁぁぁ!!!・・・訴えてやる!!

 

そして・・・判決の日。

<最高裁判所>
アナウンサーXの解雇は認めません。無効です!
よって、労働者側であるアナウンサーXの勝ち~!

<アナウンサーX>
やった~!これで働き続けることができる~!安心や~!

 

では、どのような点を考慮して、解雇無効の判決にいたったのでしょうか。手順を見てみましょう。

 

まず、最高裁判所はこのように言っております。

<最高裁判所>
本来は懲戒解雇とするべきところを、本人の将来を考慮してあげた結果、目的は「懲戒」だけれども、形式として(懲戒解雇よりハードルの低い)普通解雇にすること自体は特に問題にはなりません。

つまり・・・ 裁判所としては、懲戒解雇の変わりに普通解雇にすること自体に問題はないですよ、っていうことですね。

ここで、そもそも「解雇」が有効となるための法的解釈を見てみましょう。
※「解雇」だから普通解雇も懲戒解雇も諭旨解雇も含まれますからね。その点を踏まえて下の解説を見てください。
※条文は頭が混乱するから無視してもいいからね。カッコ書きの中に解釈を書いているからそっちを見るだけでもいいよ。

 

【解雇権濫用法理】(労働契約法第16条)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

(つまり、解雇するには、きちんとそれ相応の客観的に理由が必要で、その理由も社会一般的に常識的なものでない場合は、むやみやたらと解雇権を使用したものとして無効にします、ということです。)

 

ちなみに「懲戒」も同じように有効となるには条件があります。
ちょっとややこしくなってきたと思うけど、もう少し続きを読んでね。
「懲戒」っていうものにも種類があるんです。
これは法律的に定められたものでないから、会社によって違うけど、だいたい同じだよ。たとえば一般的にはこんなんがあるよ。

 

【懲戒の種類】
けん責:始末書を書かせて、もう二度とするなよ、っていう戒めのもの。
減給:文字通り、給料を減額させる。
(※労働基準法で減給できる割合は決まっているんだけど、ここでは説明を省くね。)
出勤停止:これも文字通り、決めた日数の間、会社に来なくていいから、お家で反省しなさい、っていうやつね。もちろん、その間は無給だよ。
懲戒解雇:即時解雇。今回の裁判はこれが少し絡んでるんだね。
 
そして、「懲戒」もきちんと法律的に認められる場合と認められない場合があるので、その規定をされているのが下記の内容です。
これも条文を読むとややこしいので、混乱する場合はカッコ書きを読むのでかまいませんよ。
【懲戒権濫用法理】(労働契約法第15条)
使用者が労働者を懲戒とすることができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

(つまり、懲戒を与えるためには、その原因となった労働者の行為の内容や性質などから見て、それ相応の客観的な理由が必要で、しかも、社会一般常識的なものでない場合は、むやみやたらと懲戒権を使用したものとみなして無効にしますよ、ということね)

 

そして、「懲戒解雇」は文字を分解してみると、「懲戒」+「解雇」になるでしょ?
そこからも分かるかもしれないけど、懲戒解雇を実行するにはハードルがかなり高いものになるんだよ。
解雇権濫用法理や懲戒権濫用法理と同じように、下の説明を見てみてね。

 

【懲戒解雇】
懲戒解雇がその他の処分と比し、労働者に与える不利益がきわめて大きいことを考えれば、その労働者を直ちに職場から排除するものもやむを得ないほどの事由が認められる場合でなければ、これを社会通念上相当として是認することはできない。

(懲戒解雇って、労働者にとってはかなりダメージがでかいでしょ?再就職のときも履歴書に退職理由で「懲戒解雇により退職」って書かないといけないし。だから、そのダメージが大きいから、懲戒解雇を行う場合は、今すぐにこの労働者を職場から排除しないと会社にかなりのダメージが出てしまうっていう場合でないと、むやみやたらと懲戒解雇したものとみなして無効になるよ、ってことね。)
ここまで見て気付いた人もいるかもしれないね。
つまり、「解雇」も「懲戒」も条文が似ていますよね。
これは、結局のところ、「客観的に合理的な理由」が必要で、かつ、「社会通念上相当として認められる」必要があるっていうことなんですよ。
だから、今回の高知放送事件のように「解雇」トラブルの事件では、まさしく、この点が裁判上での争点になることが多いです。

だから良い子のみんなは解雇を言い渡されても、泣き寝入りしたらダメだぞ!

 
 
では、また裁判内容に話を戻すね。
ここまで見て解雇権を行使するのに必要な条件はなんとなくお分かりいただけたかと思います。
 
ん?ちょっと待てよ。
今回の高知放送事件の場合は、Y放送は、アナウンサーXに対して懲戒解雇になるところを恩情で普通解雇でいいですよ、っていう対応をしたわけですが、
この場合の「解雇」は懲戒解雇の要件として判断するのか、普通解雇の要件として判断するのか、という点が気になります。
(前述にもあるように、懲戒解雇は、普通解雇とちがって、「今すぐにその労働者を会社から排除しないとまずい」っていう条件が必要なので、普通解雇よりもハードルがかなり高いですからね。)
 
そこで最高裁判所は次のように判断しております。

<最高裁判所>
あくまでも、今回は普通解雇として解雇するんだから、懲戒解雇までの要件を満たしていなくていいよ~。たしかに、アナウンサーXの2回の放送事故は、就業規則(※)に書いてある普通解雇の条件に該当するね。
※就業規則は各会社が独自で作れます。ただし、法律に違反するような内容は無効になります。

お。だったら、今回のアナウンサーXは普通解雇にしてもいいじゃん。って思われそうですが、
最高裁判所は続いてこのように言ってます。

 

<最高裁判所>
会社が独自で作れる就業規則には普通解雇ができる理由があったとしても、会社側は常に解雇できるっていうわけではなく、具体的な事情があって、解雇にとして処分することが理不尽なものであり、社会一般常識的に認められることができないときは、解雇の意思表示は、解雇権をむやみやたらと使っているとして無効になります。

やっぱり、ここまで見ると、「解雇できそうじゃん。アナウンサーXは2回も放送事故起こしているし」って思いますよね。 もう少し最高裁判所の言葉を見てみましょう。

<最高裁判所>
本件の放送事故は、いずれもアナウンサーXの寝過ごしという過失行為によって発生したもので、悪意はないし、故意でもない。しかも、通常はFAX担当者が先に起きてアナウンサーXを起こすことになっていたのに、2回の放送事故は2回ともFAX担当者が寝過ごしたからことが原因だよね。それなのに、アナウンサーXだけを責めるのは酷だよね。しかも、
・1回目の放送事故では即謝罪をしている、
・2回目の放送事故でも起床後に一刻も早くスタジオ入りするように努力したこと、
・両事故とも空白時間はさほど長時間とは言えないこと、
・Y放送側も早朝のニュース放送が万全にできるように何らの措置を準備しなかったこと、
・事故報告書を虚偽していたことについても、短期間内に2度の放送事故を起こして気後れしていたことを考えると強く責めることはできないこと、
・アナウンサーXはこれまでは放送事故歴はなく、平素の勤務成績も別段悪くないこと、
・2回目の放送事故では、FAX担当者はけん責処分にしかされていないこと、
・Y放送では、今までは放送事故を理由に解雇したことはないこと、
・2回の事故とも、アナウンサーXは自分の非であると認めて謝罪していること、
などの事実があるので、このような事情をもとで、アナウンサーXを解雇にすることは、いささか苛酷であり、解雇にする合理的な理由が欠けているし、社会一般的であるとは認められない
したがって、この事件での解雇権は濫用したものとして無効になる。

 
これ、どういうことかというと、上述の「懲戒権濫用法理」の枠を見てほしいのですが、「懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして」というフレーズがありますね。 この部分について、最高裁判所がつらつらと検証している部分なんです。
つまり、「ほら、こういう事情があるでしょ?アナウンサーXはそれほど酷いことしていないでしょ?」っていうことを証明しているんですね。
 
 
おしまい♪♪
参考:
 
 
こんな感じで懲戒解雇や普通解雇ってのはかなり慎重に、事実や状況を検証していくんですね。
皆さんはいかが思いましたか?今回の高知放送事件に関して、
「このアナウンサーXは懲戒解雇または普通解雇にされても当然だろ。」と思いましたか?
それとも、
「さすがに、これだけで懲戒解雇・普通解雇にするのは重たすぎる処分でしょ」と思いましたか?
 
懲戒権や解雇権において「社会一般常識的に(法律用語で「社会通念上相当に」といいます)」というキーワードが出るのですが、
社会通念なんてかなり曖昧な言葉ですからかなり争点になりやすいところです。
 
だからこそ、この点を意識して判例を見ていると、”自分の中にある”社会通念と”法律的にみる”社会通念が一致しているかどうか確認することができますよ。
 
それでは、また興味深い判例がたくさんあるので、
順を追ってご紹介しますね!
 
解雇されることなんかないように気を付けてね!
 
ばいばいき~ん!(@^^)/~~~ 

読みすぎ記録No.14【「人望力」の条件/童門冬二】~part.3~

はいさ~い!

本日も「高杉の!読みすぎ!書き・・・」に遊びにきてくださり、ありがとうございます!
(いつも読んでくださっている方は、「あ。こいつブログタイトル読み上げるのめんどくさくなっている」って思ってますか?すんません。)

 

さて、5回に分けて紹介している「人望力の条件」ですが、
今回で折り返し地点part.3に突入しました。

 

この本では「人望力」を5つの要素で分解しています。
①人間通
②世間通
③経済通
④影響力
⑤人間力
といったものです。

part.1では「影響力」について、
part.2では「人間通」についてご紹介しました。

こちらの記事に記載していますので、お時間のある方は見てくださいね。各記事5分~10分くらいで読み終わると思います。

www.takasugi-room.com

www.takasugi-room.com

 

あらためて、この「人望力の条件」がどのような方にオススメなのかをご紹介しますね。

 

こんな方にオススメ!
  • 会社などで指導職立場の方(係長・主任など)
  • 管理職の方(課長・部長など)
  • 経営者の方(取締役以上の方)
  • 学生対象に指導を行う方(教師・塾講師など)
  • 童門冬二さんを愛してやまない方
  • 歴史人物からビジネスを学びたい方
 
それでは、本日紹介するのは、人望力の要諦のひとつである「世間通」についてご紹介します。 
 
世間通 ー情報に通じる、時代を読むー
 世間通について、著者・童門冬二さんは以下のように記しています。
人望力の要諦の第二は世間通である。情報を集め、分析し、世間の事情に明るくなければ、先の時代を見通すことはできない。いまの時代を読み、これからを見る先見力がなければ、人はついてこない。世間通であってこそ、人は、その人のまわりに集まってくる。
そのうえで、「世間通」の章は3節に分けて構成されています。
第1節 情報を集める
第2節 情報を活用する
第3節 世間を読む
 
そして、この章は皆さんも一度は聞いたことがあるであろう人物のエピソードが盛りだくさんなんです。
吉田松陰、織田信長、坂本龍馬、徳川家康などが紹介されます。

どのエピソードも紹介したいのですが、
吉田松陰のエピソードを紹介しますね。
(どのエピソードも教師・ビジネスマンの参考になるかと思うので、めちゃくちゃオススメの章です!)
 
吉田松陰 ー社会問題を題材に人材教育を実施ー
吉田松陰と言えば松下村塾にて幕末の大人材を育て上げた教育者で有名ですね。
吉田松陰の薫陶を受けた人物では、高杉晋作・久坂玄瑞・伊藤博文・山形有朋・前原一誠・木戸孝允(桂小五郎)などが挙げられます。
 

ヅラじゃない!桂だ!(銀魂より)

なんて声も聞こえそうですね。
 
そのような人材を育てあげた吉田松陰の教育法とは?
そしてそれが今日のテーマ「世間通」とどのような関係があるのか?
これらを少し紐解いていきましょう。
 
吉田松陰って、今で言えば、「メモ魔」なんです。
いや、”超”がつくほどのメモ魔です。そして社会的事件などを見たり耳にしたものは全部メモしていったといわれています。それらをまとめた「飛耳長目録」と名付けるくらいです。
 

現代で言えば、SHOWROOM代表取締役の前田裕二さんみたいだニャ。

 

本当に前田裕二さんに匹敵するほどのメモ魔です。
余談ではありますが、前田裕二さんのベストセラー「メモの魔力」もとても有益な一書ですので、ぜひ読んでみてくださいね。内容はこちらを参考にしてみてください。

www.takasugi-room.com

 

しかも、吉田松陰は日本全国を歩き回って様々な情報を入手していました。
当時はテレビもラジオなどもないので、自ら全国を飛び回って情報収集する姿勢はとても凄まじい行動力であったといえるかと思います。

 

松下村塾では教材は決まったものがあるのではなく、
自分の先ほどのメモ書きが書かれている「飛耳長目録」を題材に、現在起きている政治問題や経済問題について一緒に議論しよう、というスタイルをとっています。
なぜ、このような形式をとるのかというと、松陰には教育についてある方針を持っていました。

 

それは、
「自分は君たちを教えるのではない。君たちと一緒に学ぶのだ」というスタイルである。
だからこそ、門下生に対する言葉遣いとしては、自分のことを「僕」と呼び、門下生のことを「君」と言っていた。
あくまでも門下生と自分は上下関係なのではなく対等の立場である、ということです。
さらには、「京都や江戸に行って、優れた人々と会い議論すべきだ。そして、必ずそのときの議論の内容を私に教えてほしい」とも告げています。

 

つまり、当時の江戸や京都は栄えている町だからこそ、情報の流通も多く、政治・経済の動きの中心地とも言えます。だからこそ、最先端の情報を入手することの大切さを言っているのでしょう。

 

このような姿勢を持っている松陰はアメリカ船が下田港に停泊していることを聞きつけると、小型船でアメリカ船に近づき、「ペリー司令官に会わせてほしい」というほどです。

当時は鎖国時代なので、このような行動に出るのは世間一般論として言えば”無謀”と言われてもおかしくないですね。

 

ちなみに、吉田松陰の開いた松下村塾。
開講期間は何年だと思いますか?

 

・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

たったの2年なんです。
わずか2年の間に、今後の幕末を動かす人材を世に送り出すのです。

これは、松陰の教育方法がいかに優れていたのかを物語っているのではないでしょうか。

 

最後に
吉田松陰のように「情報」を追い求める姿勢は今にも通じるものがありますよね。
 
やはり「知っている」「知らない」はわずかな差にも関わらず、その後の対応や行動を大きく変えてしまう。
 
「知」は自らの身を守るための「盾」にもなります。
また、目標をつかみ取るための「剣」にもなります。
特に、変化の速い今の時代では情報をいかに握るか、活用するか、踊らされないかが勝敗を決することもあるかと思います。
 
そのために、積極的に情報を入手する努力は惜しまないようにしたいですね。
 
最後に、童門冬二さんのお言葉を引用して終わりたいと思います。この言葉は、ある社会研究機関が「あいまいな時代におけるリーダーは、どういう条件をもつべきだとお考えですか?」というアンケートの結果より述べたものです。

もっとも投票総数が多かったのは次の六つだ。
(一)先見力、(二)情報力、(三)判断力、(四)決断力、(五)行動力、(六)体力。
(中略)
何が一番大事かといえば、やはり「情報力」ではなかろうか。先を見るのも、判断するのも、決断するのも、行動するのも、すべて情報がもとになる。「ものごとはすべて、情報によってスタートする」といっていいのではなかろうか。情報力こそ世間通になるカギである。

 

それでは、次回は「経済通」についてご紹介したいと思います!

お楽しみに!

 

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読みすぎ記録No.13【「人望力」の条件/童門冬二】~part.2~

どうも、高杉です。

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」にお越しいただきありがとうございます。

もう6月半ばですね。2019年も半分を過ぎました。
時の流れは早いですね。

 

っていう形式ばった挨拶は置いといて・・・

 

本日ご紹介する読みすぎ記録は、
前回に引き続き「人望力の条件」(童門冬二)よりpart.2をご紹介します。

 

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あらためて、本書の構成についてご紹介しますね。

 

本書では「人望力」を5つの要素に分けて紹介しております。
①人間通 -人を見きわめる、人を動かす-
②世間通 -情報に通じる、時代を読む-
③経済通 -無駄を省く、生きた金を使う-
④影響力 -個性を見抜く、人を育てる-
⑤人間力 -自分を育てる、人間の器を大きくする-

当ブログでは、この5つについて5回に分けてご紹介してまいります。ちなみに順不同でご紹介します。(理由はとくにありません。私の気分です(笑))
前回は④影響力についてご紹介しました。

www.takasugi-room.com

 

本日は「人間通」の章をご紹介します。

 

その前に、再度、このような方にオススメしていますので、
皆さんにあてはまらなくても、皆さんの身近の方にご紹介してみてくださいね。
(私は上司にさりげなく紹介しておきましたよ。深い意味はないですよ。上司のマネジメント能力に不満があるとかそういうのではないですよ、いや、ほんとに(笑))

 

こんな方にオススメ!
  • 組織内において指導職についている人(主任・係長)
  • マネジメント職についている人(課長・部長)
  • 経営者層の人(取締役以上)
  • 学生対象に教育指導を行う人(教師・塾講師)
  • 童門冬二さんを愛してやまない人(笑) 
人間通 ー人を見きわめる、人を動かすー

 この章では「人間通」について、このように紹介しています。

人望力の要諦の第一は人間通である。人間通とは、人に通じていること、すなわち人間というものをよく知っていることである。人間に通じていればこそ、相手に応じて人を見きわめることができる。人を見きわめてこそ、どうすれば相手が動くかがわかる。上に立つ者は、ときに応じて、人を叱って指導しなければならないが、怒るのではなく、相手のために叱るには、人を見きわめることができる人間通でなければならない。ほんとうに自分のために働いてくれる人がいてこそ、人望力は生きる。

と、概要を示した上で、歴史上の人物のエピソードを通して、3つの節にわけて紹介しています。

第1節 人を動かす
第2節 怒らずに叱る
第3節 人を見きわめる

というものです。

とりわけ、第2節の「怒らずに叱る」は、仕事上だけでなく、パパさん・ママさんの参考にもなると思いますので、ぜひご参考ください。

 

さて、「叱る」「怒る」って似ているようで、どうやら違うようです。
では、どのように違いがあるのか。童門冬二さんはこのように記載しています。

叱る—リーダーが、相手に愛情をもって潜んでいる可能性を引き出そうという気持ちを込め、きびしい態度で臨むこと。

怒る—相手に悪感情をもって、憎しみや怒りの感情を露骨に表して相手にきびしく迫ること。この場合は、相手の可能性を引き出すよりも、むしろ自分の感情発散と一種の自己満足を得ることを目的としている。 

とあります。

これ、皆さんも経験したことありませんか?
叱る(怒る)側でも叱られる側(怒られる側)でも経験があるのではないでしょうか?

職場などでも上司が怒鳴っている内容を聞くと、
私はこの点をとてつもなく敏感にかぎ分けています。

本当に相手側の成長を思って伝えようとしているのか
自分の心の中で盛んに燃えている怒りの感情をどこかにぶつけたくて言っているのか。
余談ですけど、感情にまかせて「怒る」人に限って、普段は「愛情があるから厳しく言っちゃうんだよなぁ」と言ってる方が多いように思います。

(これ、気付かずパワハラ加害者になりかねないよ!)

 

まぁ、それはともかくとして、こんも「叱る」「怒る」との違いを踏まえて、
黒田如水のエピソードから「叱る」ことの効能をご紹介しましょう。
(黒田如水とは、数年前にNHK大河ドラマでも取り上げられた「黒田官兵衛」のことです。岡田准一さんが演じていましたね。もう5年前なんですね!)

 

黒田如水の部下で雑務を行う、竜若(たつわか)という若者がいた。
竜若はよく働くが、独りよがりで動作が乱暴。
その竜若が黒田如水の大切な道具を壊してしまった。
黒田如水は「懲らしめのために3日間、柱にしばりつけておく」と命じた。
数時間後に、黒田如水が縄を解く。
当然、竜若は「あれ?許してもらえるのかな?」と期待する。
すると、黒田如水は竜若に対して、「知人が良い瓜ができたから届けたいと言っているそうだ。こちらから受け取りに行ってこい。」
と命じる。

そして、お使いから帰ってきた竜若に「ごくろうだったな。お前も食べろ」とニコニコしながら瓜を一緒に食べた。
竜若が瓜を食べ終えると、「ここへ来い」と言って、再度、柱に縛りつける。
竜若は「許してくださるのではないのですか?」と黒田如水に尋ねる。
黒田如水は「いったはずだ。おまえの罰は3日間柱に縛り付けることだと。」と言う。
当然、竜若だけではなく、側近の者たちも不思議に思ってしまう。

その後も何かと小さい用事につけて、竜若の縄を解き、お使いから帰ってくると再度縛り付ける、ということを繰り返した。

竜若は観念して、黒田如水の真意を考え始める。
「そうか。如水様は俺が憎いのではない。俺の動きが乱暴だからそのことを戒めようとしているのだ。そのためには俺自身に根気が必要だから、俺から根気を引き出そうとしてくださっているのだ。だからすぐ罪を許すのではなく、宣言通り3日間縛りつけることが大切だとお考えに違いない」と。

そして、3日目の夕方に黒田如水が「どうだ?懲りたか?」と竜若に問う。
それに対し、竜若は「はい。お教えが身に染みました。これからは乱暴は致しません」と返答したという。

側近は「なぜ3日間縛りつけにせずに、縄を解いて用事をお命じになったのですか」と尋ねた。
黒田如水は答える。「別に理由はない。縛りつけにしておいたら、あいつの腕に縄の跡がついていつまでも消えないだろう。かわいそうだから、ときどき解いてやっただけだ。あいつは根は善良の人間だ。目をかけてやれ。」

それからというものの、竜若の行動は柔軟さが身につき、自分の中にある別な能力を引き出すようにして喜んで仕事に取り組んだそうだ。

 

最後に

黒田如水の器の大きさには脱帽してしまいますね。

何よりも怒鳴りつけるなどではなく、部下(子ども)の持っている能力を引き出そうとする自己啓発・考える機会を与えるということが「叱る」ということなんでしょうね。 

叱るとか褒めるって、相手の動きが良い方向に変わることが前提だと思うんですね。
その点を意識しなかったら、単なる自己満足になってしまうんですよね。
そして結果的に、叱る・褒めるという本来の手段がいつのまにか目的にすり替わってしまうことって多いように感じます。

私自身も相手に注意を促すときは気を付けるようにしています。
叱られる(怒られる)側の人だって自分が悪いことなんてわかっているんですから、反省しようとする心があるはずなんですよね。
けど、必要以上に責め立てられたら、反省する気持ちを超えて、それこそ憎しみや怒りの感情が湧きたつものが人間というものではないでしょうか?

やはり、そのことを考えると、上司(親)の影響ってのは大きなものだと思います。

皆さんも「叱る」「怒る」を上手に使い分けてくださいね~

 

それでは、またやーさい(@^^)/~~~

読みすぎ記録No.12【「人望力」の条件/童門冬二】~part.1~

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びに来てくださりありがとうございます。

 

先日は箕輪厚介さんの書籍「死ぬこと以外かすり傷」のブログ記事をTwitterにて投稿したところ、
箕輪さんご本人より「いいね」をいただきました。
箕輪さんありがとうございます。
前回記事をまだご覧になっていない方はぜひご覧になってくださいね。

www.takasugi-room.com

 

さて、本日は「人望力」についてこの書籍からご紹介したいと思います。

著書名:「人望力」の条件 歴史人物に学ぶ「なぜ、人がついていくか」

著書名:童門冬二

出版社:講談社+α文庫

 

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この「人望力の条件」ですが、「人望力」の要諦を
①人間通
②世間通
③経済通
④(人に対する)影響力
⑤人間力
の5つに分けています。

この書籍では以上の5つの点を基準に5章に分けて構成されております。
各章の内容は短いものなのですが、どれも興味深いものでしたので、
この際、各章を毎回細かく紹介していきたいと思いました。
そのため、今回はpart.1~part.5という5回に分けてご紹介してまいります。

 

こんな方にオススメ!
  • 組織内において指導職についている人(主任・係長)
  • マネジメント職についている人(課長・部長)
  • 経営者層の人(取締役)
  • 学生対象に教育指導を行う人(教師・塾講師)
  • 童門冬二さんを愛してやまない人(笑)

 

童門冬二さんの経歴は?

以前、作者の童門冬二さんについては「読みすぎ記録No.02」にてご紹介させていただきましたが、
再度、簡単にご紹介させていただきます。

1927年東京都のご出身。
東京都庁に勤め、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。
退職後は作家活動に専念。
歴史人物に焦点を当てて、現代の政治・経済・経営などについて述べられた作品を世に送り出している。

といった経歴の持ち主。

余談ではありますが、社会保険労務士登録をすると、「月刊社労士」という会報誌が届くのですが、その中でもコラム記事を執筆されています。
やはり、歴史上の各時代・各大名(組織)の知見があるため、現代の組織マネジメントについても含蓄のある内容が記載されております。

個人的には、童門冬二さんの作品は、
時代小説というよりは「ビジネス書」だと思っております。それほどビジネスパーソンにとって学びがある作品をたくさん執筆されてあると思います。

 

影響力—個性を見抜く、人を育てる—
今回は「人望力」の要諦である「影響力」について取り上げたいと思います。
(普通、第1番目「人間通」から紹介するだろ!って思った方、後で体育館裏に来なさい。)
童門冬二さんは、この「影響力」について3節に分けて記載されています。
第1節は、個性を見抜く
第2節は、人を鍛える
第3節は、人を育てる
という具合です。
私の仕事柄、クライアントの人材に関する悩みというものを多く聞きます。
とりわけ、「若手が育たない」「どのように育てたらよいのかわからない」「部下が思うように動かない」「人材が定着しない」などの声は断トツで多いです。
ここの部下・若手を「生徒」と置き換えると塾講師の方にはなじみやすいかもしれません。(教職の方は少し塾講師とは性質が異なるかと思いますが、本書は参考にはなると思います。)
 
そんな課題の解決の参考になるようなエピソードが歴史上人物を通してご紹介されています。
 
その中でも、細川重賢のエピソードはとても興味深いものです。
※細川重賢:肥後熊本藩の第6代藩主。今でいえば、熊本県知事のようなもの。
 
細川重賢は幼少の時から貧乏生活をしていたが、自分の乏しい小遣いをすべて書籍に費やすほどの読書好き。
挙句の果てには、自身の着ている羽織を質屋にもって工面したお金で本を買うほど。
自身が貧窮生活で苦労したからこそ、今では民衆の塗炭の苦しみに敏感に反応することができる。そういった人の苦しみを理解できるリーダーである。
そして「時習館」という学校を建てるのだが、学長を秋山玉山に任命する際にこのように言ったという。

秋山先生、人づくりは木づくりだとお思いください。(中略)人を教える存在を、私は国家(この場合は熊本藩)の名大工だと思っております。名大工は、材木になってから木を見るわけではありません。苗木のうちからよく凝視しております 。最初に名大工が行うのは、”木くばり”です。

木くばりというのは、育てる相手が何の木なのか、という確認をすることです。スギなのかヒノキなのかケヤキなのかイチョウなのか、というように苗木の種類を確定します。そうすれば、のちの肥料はどれがいいか、剪定を行うべきかどうか、枝が痛んだときは副木(そえぎ)をしてやるかどうかなどの対策が自ら生まれてきます。

そしてその木に見合った育て方をします。この方法は人間にもそのまま通用できるでしょう。つまり、人間を木に見立てるならば、木は口がきけません。人間も同じです。育てられる側がまだ未熟で、自分の考えや能力をうまくいえない場合があります。育てる側がこれを確認し、その人間の生命と可能性を伸ばすようにすべきだと思います。その意味では、人づくりは木づくりであり、まず最初に木くばりが大切だと思います。 

 

教育というのは、大きな川の前に立った連中を向こう岸に渡してやることだと思います。つまり、川を渡る知識と技術と勇気を与えることではないでしょうか。

 

まさに、教育の本質を突いたものではないかと思います。
学問や技術を教えるだけならば、それはある意味、まだ簡単なレベルだと思います。
なぜなら、育てられる側の努力で成長は担保されるからです。

しかし、「生命と可能性を伸ばす」「勇気を与える」ことこそ、人が人を教えることの欠かせない点ではないでしょうか。これは本人の努力だけではなく、教える側の人格や精神によって左右されるからです。

 

最後に

 今、クライアントの組織を見るにつけて思うに、技術などを教えていても、「姿勢」「目的」「理念」なんていう精神的な部分にはあまり目がいっていないように思えます。

そこは指導職と経営者層が一枚岩となって伝えていく極めて重要な点であると思います。
組織において人材教育も戦略の一つですので、上記の点を取り入れることができれば、”組織風土に合った”人材が残りやすくなります。(組織風土に合わない場合は、自ら辞めていきますからね。)

教育は”木つくり”
木を育てるには長い年月が必要です。
その長い年月の中で、害虫や病気から守り、水を上げ、日光を浴びせる。

人材も同様です。

困難や挫折といった経験があったとしても、そこに励ましと勇気を与え、少しでも自分の力で活躍できる場を与える。

このような繰り返しがいつの間にか大木を育て、
木々の集まりが林になり森という人材群になるのではないでしょうか。

 

いつになく真面目にしゃべりすぎましたね。
次回も童門冬二さんの「人望力の条件」よりお送りいたします。

遊びにきてくださいね!

 

したっけね~(@^^)/~~~

読みすぎ記録No.11【死ぬこと以外かすり傷/箕輪厚介】~絶対に心震わせずにはいられない~

本日も「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」に遊びに来ていただきありがとうございます!

 

箸休め的に労働法関係の記事を載せていましたが、

ぶっちゃけ、あれ、けっこう疲れるんですよ(笑)

法律用語って堅苦しい表現が多くて、平易な表現にすると、大切な法的解釈が伝わらなかったりしますし。

なので、労働法関連の記事を書いたときは、いつも以上に「頑張ったね~」と褒めてあげてください(笑)

 

さて、本日はあの書籍をご紹介!

 

 著書名:死ぬこと以外かすり傷

 著者名:箕輪厚介

 出版社:マガジンハウス

 

 

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著者の箕輪厚介さん。

早稲田大学第一文学部卒業。

双葉社に入社。広告営業として勤務。

編集部に異動。

その後、幻冬舎に転籍。

今では自身のオンラインサロン「箕輪編集室」を運営。

今では数多くのヒット作を編集している。

 

といった経歴の持ち主。

 

この「死ぬこと以外かすり傷」。

箕輪厚介さんの激熱なメッセージがにじみ出るような、

いや、もはや一文字一文字のすべてから箕輪厚介さんの想いが溢れ出るような書籍。

 

私の記事はいつも「〇〇の方にオススメ!」って紹介するんですけど、

今回はあえてオススメ対象者は紹介していません。

 

なぜなら・・・

 

誰が読んでも、必ず刺さるメッセージがあるから!

必ず心震えるから!

 

もし、これを読んで心が1ミリでも揺れ動かなった方がいたら、いつでも言ってきてください。

とりあえず、謝りますんで(笑)

 

箕輪厚介さんは、会社員として幻冬舎で働きながらも、副業として自身のオンラインサロンを運営しており、
なんと、本業の収入よりも副業で得られる収入の方が約20倍も多いそう。

それでも本業のサラリーマンは辞めない。
会社が持っている資産(金銭的なものだけではなく信頼・人材なども含む)を最大限に使うことができるのは会社員の特権だから。
フリーランスになるとそれはできないから。

まぁ、細かい内容は皆さんの手に取って読んでいただきたいので、詳細には触れません。

 

ただ、箕輪厚介さんの「死ぬこと以外かすり傷」を読んで思ったこと。

 

 

 

この人、狂ってる。

 

 

でした(笑)

でも、狂ってるっていっても、相当の努力と失敗をしていることが分かります。

しかも、一つ一つの説明がスッと心に染みわたる感覚があります。

そして、染みわたった言葉が自身の身体中に巡りまわって爆発しそうな感覚。

アドレナリンがバンバン出てきます。いや、本当に。

 

それほど、エネルギーを分け与えてもらえます。

 

私自身、仕事において新たなことに挑戦しようとしているのですが、
「死ぬこと以外かすり傷」だと、今なら思える。
失敗なんて失敗じゃない。
できないことなんて何一つない。
できないことがあれば、すぐに方向転換すればよい。
そんなことを思います。

 

ぜひ手に取っていただけたらと思います。

 

【今日の高杉の見せすぎ!】

サラリーマンであっても、個人としての覚悟を示すからこそ相手が信用してくれる。告白した相手に「一度お母さんに相談する」と言われたら冷めるだろう。トラブルが起きたときに「上司に相談します」と言わず「僕が何とかするんで余裕ですよ」とその場で返す。あとでつじつまを合わせればいい。お前はどれだけ覚悟を持っているのか。それだけを人は見ている。会社の看板など関係なく個人として生きているかを問われるのだ。 

 

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しゃべりすぎ記録No.03【配置転換②】~転勤命令に従わないといけないパターン~

先日掲載した内容の反響がいつも以上に大きかったので、補足として別の裁判例をご紹介したいと思います。

 

先日は「配転命令に従う必要がない」パターンでしたが、

今日掲載するのは「配転命令に従う必要がある」パターンをご紹介したいと思います。

 

配転命令に従う必要が”ない”パターンは以下の記事に記載しておりますので、

ご参考にしてくださいね。

www.takasugi-room.com

 

再度、配置転換命令が正当に成り立つ要件についてご説明します。

※裁判の判決は各事案ごとに判断されるため、ここに記載されているものあくまでも参考程度としてご覧ください。また、法の要点をお伝えするために判旨などは一部省略している部分もあります。

【重要】(判例法理)

会社は、労働協約や就業規則に、会社都合で転勤を命ずることができる旨を記載していることを前提として、労働者の個々人の同意がなくても配転命令を出すことができる。

でも、下記3点にいずれかに当てはまるような場合は、権利の濫用(※)として配転命令は無効になります。

※権利の濫用=権利として許されていても、必要性がないのに、むやみやたらとその権利を行使すること。

①配転命令に業務上の必要性がないとき

②配転命令が不当な動機・目的でおこなわれたとき

(あいつ、気に食わないから遠方に転勤させちゃえ、っていうパターン)

③労働者に被る不利益が、通常我慢できる程度を超えているとき

 

本日紹介する事件は、

事件名:東亜ペイント事件

事件番号:昭和59年(オ)1318号

 

では、まずは事件概要からご紹介しましょう。

 

<会社Y:背景>
就業規則に「業務の都合で異動を命ずることがあり、社員は正当な理由がないのに拒否することはできない」って書いてある。実際に今までも頻繁に転勤が行ってきた。

<労働者X:背景>
勤務地を限定することなく、会社Yに採用されている。
8年間、神戸営業所で営業職員として働いている。

 

それでは、ここから裁判の流れはじまり、はじまり~

 

<会社Y>
神戸営業所から広島営業所へ転勤しなさい。

<労働者X>
家庭の事情があるので無理です。すみません。

<会社Y>
じゃあ、広島営業所のポストには名古屋営業所の者を充てることにするね。
その分、名古屋営業所の空いたポストにはあなたが行ってくれるね?

<労働者X>
無理っす。すんません。

<会社Y>
会社の命令に従わないなんて・・・。それは就業規則の規定にあるように、あなたは懲戒解雇とします!!

<労働者X>
はぁ!?その配転命令は権利の濫用だ(※)!だからその結果につながる懲戒解雇そのものだって無効のはず!訴えてやる!!!
権利の濫用=権利として許されていても、必要性がないのに、むやみやたらとその権利を行使すること。

 

という流れで裁判になったわけです。

もう少し背景を押さえておきましょう。

この会社Yは確かに業務上の必要性から、名古屋営業所へのポストを埋めるために後任者が必要だったが、必ずしも労働者Xでないといけないという事情はなく、労働者Xの代わりに労働者Aを名古屋営業所に転勤させたため、業務上の支障は生じることはなかった。

 

では、労働者Xが配転命令を拒んていたのはなぜなのでしょうか?

ここで労働者Xの背景をもう少し確認してみましょう。

<労働者X>
配転命令が言い渡されたときは、71歳の母親、28歳の妻、2歳の長女と母親名義の家に住んでいました。母親は元気ですが、生まれてからこの地を離れたことがなく、月2,3回は老人仲間と俳句会を開いています。
妻は無認可保育所の保母として勤務し、保育所の運営委員となりました。
職場の保母は全員、正式な資格を取得していないので、保母資格を取得するために勉強もしています。
だから、転勤命令を拒んだんです。
 

<裁判所1審および2審>
う~ん・・・。そうね!本件の転勤命令は権利の濫用だから無効!よって労働者Xの勝ち~!

<会社Y>
まじっすか!?納得できませんわ!上級裁判所に訴えを申し立てます!

 

<最高裁判所>
う~ん・・・全国規模の会社Yの神戸営業所で勤めている労働者Xが母親・妻・長女と母親名義の家に住んでいるなど、判示の事実関係のみからでは、権利の濫用にあたるとはいえない。だから、この転勤命令は有効です。
はい、労働者Xの負け~!

 

※このように、下級審の判決と上級審の判決が相違する場合はかなり重要となります。それが最高裁判所と食い違うときには、よりいっそうの重要性があります。なぜなら、最高裁判所の判決というのは今後の類似する裁判において、同じ理論にて判決が出るようになるからです。(つまり、モデルケースができあがるということですね)

 

では、どのような法的解釈によって、最高裁判所は下級審の判決をひっくり返したのでしょうか?すなわち、転勤命令は有効と判断したのでしょうか?

前回の記事では転勤命令は無効だったのに。)

<最高裁判所>
今回、会社Yの転勤命令が有効という判断要素は下記のとおりです。
・転勤命令を発する権限があるのかどうか
・転勤命令が権利の濫用になるかどうか
・転勤命令の対象者となる人選の合理性

というのが今回のざっくりとした内容です。

それではもう少し詳しく説明するね。

 

まず、「転勤命令を発する権限があるのか」について。

この点は、前回の記事を参考にしていただきたのですが、会社には労働者個人の同意なしに配転命令を行うことができる権利があります。

しかも、きちんと就業規則にもその旨を記載しているので、会社Yの配転命令の権利があることは言うまでもありません。

ちなみに、労働者Xが採用されるときにも「勤務地を限定する」合意はなかった。(つまり、どこでも働きますよ~、ということね。)

 

では、その次に「転勤命令が権利の濫用になるかどうか」について。

この点も前回記事と冒頭の【重要】でも示したとおり、
①業務上の必要性があること、②転勤命令が不当な動機・目的があってなされるものではないこと、③転勤命令による労働者への不利益が通常我慢できないほどの程度を超えていないこと、
を満たしていれば問題なく、配転命令は権利の濫用とはみなされず、配転命令は有効なものと判断されます。

①②は条件クリアだとお分かりだと思いますが、③の「不利益が通常我慢できないほどの程度」を超えていないかどうかが論点になります。(前回記事の内容も同じでしたね。)

この点について最高裁判所はこのように述べております。

<最高裁判所>
労働者Xの家族状況に照らすと、名古屋営業所への転勤が労働者Xに与える家庭生活上の不利益は、転勤に伴い通常我慢できる程度のものというべきですね。
だから、この裁判の下級審(高等裁判所のこと)の認定した事実関係から判断すると、転勤命令は権利の濫用にあたりません。

この点がかなり重要ですね。

前回ご紹介した「ネスレジャパンホールディング事件」では、転勤命令を受けてしまうと介護ができないことになる、っていう不利益を加味した結果、「転勤命令は無効」となったのに対し、今回は「転勤命令は有効」となっております。

 

では、その次「人選の合理性」について。

<最高裁判所>
業務上の必要性についても、転勤先への異動というのは、この人ではないとダメだ、というような必要はないのです。
労働力の適正配置、業務の能率推進、労働力の能力開発、勤労意欲の高揚、業務運営の円滑化など企業の合理的な運営に必要だと認められるのであれば、業務の必要性は認められます。

つまり、組織内のマンネリ化を解消するため、といった程度の理由であっても、配転命令は「業務の必要性」が認められるっていうことです。

しかも、絶対にこの人ではないとダメ、っていうところまでは法律的には求めていないのです。

<労働者X>
なに~~!負けました。(配転命令も有効になったし、それに従わなかったから懲戒解雇になっちゃった・・・) 

 

おしまい♪♪

 

参考:

2-2 「配置転換」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性|裁判例|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省

 

いかかでしたか?

配転命令が有効なときと無効なときの論点は「配転命令による不利益が通常甘受できる程度のもの」かどうかという点にありそうですね。

前回ご紹介したネスレジャパンホールディング事件では労働者側には、
親の介護という名目が考慮されていましたが、今回の東亜ペイント事件では介護や子の養育といった特別な事情が見受けられませんでしたね。つまり、この労働者Xに与える不利益はそれほど大きいものではないし、我慢できるでしょ?という裁判所の判断です。

そのため、ケースバイケースではあるといえますが、ひとつの参考にはなるのではないかと思います。

 

裁判例をご紹介しようとすると、どうしても長文になってしまいますが、
お付き合いしていただいた方ありがとうございました。
また、皆さまのお役に立てるような裁判例がありましたら、ご紹介しますね!

しゃべりすぎ記録No.02【配置転換①】~転勤辞令って絶対従わないといけないのか?~

※スマホで見ている方、うまく反映されていないので、現在修正中ですので、よかったらPCで見ていただくか、今しばらくお待ちください。

修正完了しました。 

 

ようこそ、「高杉の!読みすぎ!書きすぎ!しゃべりすぎ!(仮)」にお集まりいただき、ありがとうございます!

 

私のブログを覗きにきてくださる方の声が聞こえるような気がするんです。

 

「あ。高杉のブログって本紹介しかしてないな。」

 

と。

 

まぁ、そう思っていらっしゃるかはわかりませんが。

 

そこで、今日は今までの方向性を変えて「しゃべりすぎ記録」として書いてみました。

内容がつまらんかったら教えてください(笑)

速攻で方向修正しますので(笑)

 

数年前から「ワークライフバランス」なんて言葉をよく聞くようになりました。

そこで、ワークライフバランスと関連して起こりうる裁判例を紹介しようかなと思います。

 

極力、堅苦しい表現は抜きにしていきたいと思うが、そのような表現が多用されている蓋然性も拭いきれないため、あらかじめご了承くださいますようよろしくお願いいたします。

 

え?すでに堅苦しいし小難しい表現使うなって?

分かりました。以下、ゆる~くご紹介していきます。

あえて法律用語を避けながら紹介していきますね。

※裁判の判決は各事案ごとに判断されるため、ここに記載されているものあくまでも参考程度としてご覧ください。また、法の要点をお伝えするために判旨などは一部省略している部分もあります。

 

今回は「転勤は絶対命令なのか?」というテーマです。

転勤って生活環境がガラッと変わるじゃないですか。

だから、そのことをきっかけにトラブルになって裁判になることって結構多いんですよ。

 

その裁判例で有名なのがこれです。

事件名:ネスレジャパンホールディングス事件

事件番号:平成17年(ネ)1771号

 

<事件概要>

<会社Y>
きみ、姫路工場に転勤ね。

<労働者X>
え。まじ?そりゃないよ~。配転先での勤務する義務ないでしょ?訴えてやる!

 

それで、どうなったか・・・

地方裁判所では、「会社Yは、労働者Xの同意なしに転勤を命ずる権限があることはたしかです。 しかし、業務上の必要があるからといっても、今回の配転命令による労働者Xに被る不利益は、 通常我慢できないほどの大きなものです。だから、今回のケースの配転命令は無効です!」

<会社Y>
は?まじで?納得いかねぇわ。高等裁判所に上告してやる!

 

<高等裁判所>
う~ん・・・。この場合は配転命令は無効です!労働者Xの勝ち~!
以下の点が判決の判断要素です。
・当該配転命令における業務上の必要性
配転命令による不利益とそれに対する企業側の配慮
(「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益・企業の配慮」といいます)

 

 っていうのがざっくりな内容なんですけど、

もう少しだけ細かく説明するね。

 

配転命令ってそもそも法律的には以下のように規定されているんですよ。

【重要】(判例法理)

会社は、労働者の個々人の同意がなくても配転命令を出すことができる。

でも、下記3点にいずれかに当てはまるような場合は、権利の濫用(※)として配転命令は無効になります。

※権利の濫用=権利として許されていても、必要性がないのに、むやみやたらとその権利を行使すること。

①配転命令に業務上の必要性がないとき

②配転命令が不当な動機・目的でおこなわれたとき

(あいつ、気に食わないから遠方に転勤させちゃえ、っていうパターン)

③労働者に被る不利益が、通常我慢できる程度を超えているとき

じゃあ、今回のケースでは、なぜ転勤命令が認められないのか。

 

それは、③の通常耐えられないほどの不利益、が労働者Xに認められたからなんです。

では、どのような不利益だったのか?

 

<労働者X>
実は、私の母には夜間の行動見守りや介助・援助が必要なんです。
これを私が今までやってきてたんです。
昼間に関しては、妻がやってくれています。
でも、私が転勤になっちゃうと妻が朝から夜間まで一人でやることになっちゃうんです。

<高等裁判所>
なるほどね。それは実際不可能ですな。しかも、お母さまは老齢ですし新天地での生活に慣れることは一般的に難しいよね。 それを考えたら、あなたと一緒に転勤先についていくことなんて無理ですな。 しかも、会社Yはこの労働者Xの不利益が被ることに対する代替案を検討するなどの配慮が必要でしょ?(育児介護休業法第26条より※) さらに、この労働者Xの配転が実現できないことによって、どのような不都合があるのか、具体的に証明してよ。 それがないのに、配転の権利を主張されたとしても、裁判官側も判断できないよ。
だから、会社Yの主張は受け入れることができません。高等裁判所は労働者Xの主張を支持します。
(※育児介護休業法第26条では、雇用する労働者の配置の変更で就業場所の変更が伴うものをしようとする場合は、その就業場所の変更によって子の養育や家族の介護が困難になるようなときは、その子の養育状況や家族の介護状況に配慮しなければならないことが規定されているのです。)

 

これで、配転命令によって被る不利益が通常耐えられない程度のものであることを、裁判所が判断しました。

<会社Y>
(ぐぬぬ・・・)負けました。

 

以上です。

本来の裁判内容を部分的に省略していたりする箇所があるので、

詳細はこちらの判決文をご覧くださいね。

(誰も見ないと思うけど(笑))

裁判所公式ホームページより↓

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail6?id=37783

 

いかがでしたか?

再度、要点をお伝えしますね。

  • 会社は労働者の同意なしに配転命令を出すことができます。
  • だけど、要件を満たしていないと権利の濫用として配転命令が無効になる。
  • その要件は、配転命令が①業務上の必要性がある、②不当な動機・目的ではないこと、③配転による労働者に被る不利益が通常耐えられる程度を超えていないこと

その他の裁判例では、配転命令が有効になったケースもあります。

興味がありましたらご覧ください。

東亜ペイント事件や帝国臓器製薬事件などがあります。

 

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それでは!ばいばいき~ん!