生態学徒の備忘録

生態学理論と統計に関する知識の整理やメモの場

順序尺度データの解析 - Jonckheereの検定

 

最近、研究データを解析していて順序尺度データを説明変数とした解析をやらなければならない状況になりました。

 

ダミー変数を使ってGLMで解析するのはしっくりこないし、チューキーとかの多重比較をするのも違う気がするし...。

ネットで探していると、Jonckheereの検定という検定を見つけました。

この検定は、カテゴリの順序が進むに伴って応答変数が増加するのか減少するのかを検定できます!まさに求めていたもの!!

使われる機会が多そうですが、あまり使われていないようです。

 

例えば、カテゴリが1から4まである状況で、応答変数が以下のときを考えます。

カテゴリ1:33 38 31

カテゴリ2:40 37 42

カテゴリ3:48 50 46

カテゴリ4:53 49 51

この場合、カテゴリが進むにつれて応答変数が増加するという仮定をおきます。

各カテゴリ間の各データを比べて仮定に合うペアの数を数える。

(1と2だと、33vs40、33vs37、33vs42、38vs40、38vs37...)

1 vs 2:カテゴリ2の方が大きいペア数は、8つ

1 vs 3:カテゴリ3の方が大きいペア数は、9つ

1 vs 4:カテゴリ4の方が大きいペア数は、9つ

2 vs 3:カテゴリ3の方が大きいペア数は、9つ

2 vs 4:カテゴリ4の方が大きいペア数は、9つ

3 vs 4:カテゴリ4の方が大きいペア数は、8つ

検定統計量は、ペア数の合計52となる。

 

Rでは、clifunというパッケージにあるjonckheere.testという関数で実行できる。

jonckheere.test(x,g,alternative="",nperm=NULL)

x:応答変数

g:順序尺度

alternative:two.side、increasing、decreasingから選択(例の仮定にあたる)

nperm:よくわからない...。デフォルト(NULL)のまま...。

 

使える検定なのにまだまだ知らないものはたくさんあるなと感じた一日でした。

メタ群集の話

最近、メタ群集にはまってます。

簡単に群集生態学の説明をすると、ある場所にいる複数種の生き物を対象にした分野です。

その1つ下の階層に個体群生態学があり、ある場所にいる1種の生き物を対象にした分野です。

 

簡単に言うとメタ群集とはいくつかの群集の集まりのことです(正確さは欠いているかも)。

例をあげると、Aという地域に4箇所の森があります。各森に生息する昆虫や植物などからなる群集を局所群集と言います。そして、その4箇所の森全体からなる群集をメタ群集と言います。

 

メタ群集理論には、メタ群集を考える上での4つのパラダイム(視点?)があります。

パラダイムに関しては、また今後まとめていこうと思います。

今週は統計week

今週は統計weekでした。

5日間で弾丸統計モデリング勉強会をしました。

研究で必要となるスキルなので、ブラックボックス統計ではダメですね。

推定結果がどういうことを表してるのか、どういう推定がなされているのか、ランダム項の使い方などなど気をつけることがいっぱいです。

 

今回の勉強会は、通称緑本(久保さん(北大))に沿っておこないました。

勉強会で重要なポイントは今後まとめていこうかな。

 

それにしても、今年度中には階層ベイズができればいいな。勉強勉強。