蜘蛛
会社の近くに大きめの植物園があることを知り、昼休み時間があれば行くようになった。意図的に手入れをしていない森はうっそうとしていて、自然に遷移しているらしい。背の高い木が増えるにつれて背の低い木には光が届かなくなり、低層部ではそれらに代わって光が弱くても生きていけるクマザサなどが増えていく。そうやって成長していく森を観察・記録していくのが目的の場所のようだ。
公園ではなく植物園。道も狭いし入場料もかかるため、人が少なく静かな自然を感じられる。こんな場所が東京のど真ん中にあるのが不思議でありがたい。
はじめて行って驚くのは虫の多さ。虫は季節に関係なくいつでもいるらしい。
蜘蛛の巣も多い。10mに1つくらいのペースで蜘蛛が巣を張っている。そしてよく見るとどの巣にも獲物がかかっていない。かかっているのは枯葉ばかりで、蜘蛛は巣の中央でじっとしている。
よく考えると当たり前なのだ。こんなに大きな森の中で数10cm四方の巣を張ったところで、そこに獲物がかかる確率はとても少ない。蜘蛛はその少ない可能性を、栄養が満ちることのない細い体で、エネルギーを使わないようじっと動かず待っている。
蜘蛛にとって生きるとは何なのか?そんなことを考えながら歩くのも、仕事で固まった頭にはよい刺激になる。
これからこのブログに植物の写真が増えるのは間違いない。