「うごメモへのメッセージ」

うごメモへのメッセージ

 始めたての頃は、ただただ投稿されていく作品を傍観し、他人として一歩離れたところから観続けるだけでした。良い作品があれば☆をつけ、ダウンロードし、感嘆しながら惰性に、徒に日々を過ごす。そんな毎日でした。

 しかし、なにが《キッカケ》だったのかは忘れてしまいましたが、むくむくと創作意欲が湧いてきました。それは、ついに作品の作成にまで至り、投稿しました。最初の作品は、他の人の作品を少し弄ったり、写真機能を使ったとんでもなく間抜けな作品の数々だったと思います。

 しかし、時がたつにつれ、自分オリジナルの作品を評価してもらいたいと思うようになりました。

 それからは、生き生きとした日々を過ごしていたと思います。自分にできる類のジャンルを探し、いままでのいわゆる《パクリ》とは違う、新しい作品の作成に勤しみました。

 それと同時に、ユーザーとの交流もありました。はてなIDを取得し、シアター内の交流の場である《チャット》に赴き、たくさんのユーザーと出会いました。その時から、《うごメモは、ただメモの評価を行う場所ではない》と思い始めるようになりました。

 そんな懐かしいと思えることがあってから、早くも2年が経過していました。その時には、リレーメモや、RPGといった自分ができるジャンルの作品の作成が疎かになり、そのほとんどを友との交流に費やしていました。今思えば、サービス終了には、全体的な《うごくメモ》の数の減少も関わっているのではと思えてきます。

 ――そして、2ヶ月ほど前。

 すっかりメモの投稿数を減少させてきた俺に、みんなに告げられた《DSiうごメモのサービス終了》。

 シアターのメモで見つけたその情報に、我が目を疑いました。その後公式サイトに行って事実であることを確認しましたが、現実だと認識するのに時間を有しました。

 心の底では、分かっていたのかもしれません。3DSの登場、その3DSに搭載されるかもしれないという《うごメモ3DS》の噂。明らかにDSiうごメモとは機能が違うと思われるそれに。

 それからのシアターは、再び息を吹き返しました。皆が皆、最終日までに投稿させようと躍起になり、俺は他のチャンネルを観ていませんでしたが、恐らく投稿数が伸びていたと思います。

 俺は3DSを持っていないので、せめて最終日までに何かできないかと、久しぶりにメモの作成に取り組みました。いくつか投稿しましたが、やはり気力が続かなかったのだろう、最終日に出した俺の最期の作品は、みんなに向けて書いた、数ページの感謝メモでした。

 それを最後に、DSiうごメモのサービスは、終了しました。

 自分なりに最後まで足掻いたつもりでしたが、やはりメモが作れなかったことと、たくさんの友との別れが、後悔として残りました。

 ……笑えますよね。最終日になって、ようやくその実感が湧いてくるなんて。もう覆せないと分かっていたのに……。その時、シアターの画面が変わってから、本当に終わったんだ、と思いました。

 しかし、うごメモは俺にたくさんのモノを与えてくれました。もともと現実でも友達が少なかった俺に、気軽に話し合える仲間ができ、競い合えるライバルができ、そして勇気を貰いました。

 うごメモに出会わなかったら、あるいは友に巡り合わなかったら、いまの俺はいなかったでしょう。それほどに、俺にとっては欠かせないものでした。

 終了したことは、非常に悲しいことでしたが、それ以上にとても有意義な時間を与えてくれました。

 

 とても素敵なサービスを、ありがとうございました!!