aaiaiai’s blog

本質を捉えたいんだと思います、たぶん

映画「ヒトラーの忘れ物」【感想】

第2次世界大戦後、デンマークの西海岸に埋められた地雷撤去をドイツ兵が行った史実に触発された作品。2000人が地雷撤去を強要され、半数が命を落とすか重症を負った。原題は『LAND OF MINE』(地雷の国)。

 

地道で危険と隣り合わせの過酷な地雷撤去の現場を抜き取ってきたかのような映画だ。史実を伝える映画として最低限のストーリーを持たせてある。少年兵らに食料が用意されず、近くの家の家畜のえさを食べ、そこにネズミの糞が入っていたために集団で食中毒が起こる。さらに地雷撤去中に嘔吐し、両腕を失うという大けがを負う者が出る。悲惨なストーリーが進み、双子の兄弟や仲間が事故で亡くなっていくという中で、自ら命を絶つものが出るなど精神的に追い詰められていく少年兵たち。最初は非情だった軍曹が彼らに情を持つ場面が少しずつ増え、食べ物が支給されるようになったり、軍曹と少年兵らが一緒にサッカーをするまでの信頼関係が作られていく。撤去作業を終え、最後まで生き残った少年たちが、家に帰されずに次の現場に連れていかれたところを軍曹が呼び戻し、少年兵たちとの約束を守るため、ドイツとデンマークの国境近くで逃がす場面でこの映画は終わる。

 

 

 

西海岸について

西海岸とはナチス・ドイツがイギリス軍の侵攻に対して張った防衛線のことで、上からノルウェーデンマーク、オランダ、ベルギー、北フランスにかけて構築された、全体で2685kmに及ぶ「大西洋の壁」。砲台・トーチカ・地雷による(未完の)壁だ。(余談だが、北海道の最北端の岬から沖ノ鳥島まで直線距離2,842km。海岸線で考えたときは鹿児島が2665km。(https://uub.jp/pdr/g/s.htmlz)。このように比較しても想像しがたい距離だった。。)

 

ジュネーブ条約

捕虜の強制労働を禁じるジュネーブ条約戦時国際法、傷病者および捕虜の待遇改善のための国際条約だ。永世中立国のスイス・ジュネーブで締結された。デンマーク当局が行ったことはこの条約に反する命令であった。

1864年からあり、第二次世界大戦に伴い1949年に改正されたジュネーブ諸条約などがある。

空間に漂う熱の存在を意識したこと

無性に柔らかくて甘いものが食べたくなり、猛暑の中カップケーキを作った。出来上がったそれを食べている時に、ふと疑問に思った。作ったカップケーキと保存状態にあった食物、それぞれレンジによる加熱・気温の変化といった様に、大なり小なり熱の影響を受けているという条件は共通だ。では熱の視点から見たときに、それらを違わせるものは何なのかと。

 

料理の意味を調べると、こうあった。 

食品を処理したもの,またその方法をいう。調理,割烹,炊事ともいい,古くは包丁,煮炊きともいわれた。料理は「生」「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」が基本的な方法で,それに各種の調味料で変化をつける。その際考慮しなければならないのは,栄養価,衛生,味,色彩・形などの調和,季節感,経済性などである。従来は,経験に頼る名人芸的傾向が強かったが,近年だれにでも理解できる合理的な料理法の指導も盛んである。また,人々の嗜好も複雑化して,形式にこだわらない,新しい料理もつくられている。(-ブリタニカ国際大百科事典)

 料理の基本的な方法のうち、「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」は加熱という前提があり、どの様な手法を用いるのかによって分類される。他にも、冷やして固める方法がある。熱を奪う過程で液状の物体が凝固しその性質は変化する。

 

つまり、熱は温度をある値まで変化させることによって、物質の固さや形、色や味などの性質を大きく変化させるエネルギーとなる。例えば、カップケーキは牛乳・ホットケーキミックス・卵・砂糖などを混ぜ合わせレンジで熱を加えると、液状だったものが膨らみ気泡を含んだ弾力性のある固体へと状態変化する。一方、身の回りに溢れている物は、姿形などの性質を維持している状態にあると言える。逆に、物の性質が簡単に変化したりしない、熱の変化が少ない環境で私たちは暮らしているとも言える。真逆の環境に住んでいたら生活するのも困難だし、そもそもそんな環境に私たちは存在できない。そう考えると、熱によって性質が変化する事の方が限定的な現象だ。

 

熱がその物の持つ基本的な性質を変化させるまでに影響を与えたか否かが、熱の視点から見たときにカップケーキと保存物との間で起こっていたことの違いである。