相場所感

不定期

2020/6/18

相変わらず含み損は出ている。

上方向に放たれてはいないが、地合いは固い。しかしながら、時々面白いように売り崩れては戻る。しばらく下方向に動くことを期待して含みは持たせておく。

しかし、市場の分析記事を見るたびに急上昇のあとの一服する相場を「利益確定売り」と称されるが、利益確定売りとはそもそも何なのだろうか。株価がこれ以上上がるという見込みがあるのならわざわざ利益を確定する必要ないのだ。そのまま手持ちを保持していればいい。本当に利益確定売りだとするならばその株や相場はもう上がる見込みがないと大衆が判断していることになる。

実情は明快だ。急激な上昇や下落の後では人は怖気づく。一旦手仕舞いたいと考える。この考えが相場を一時的に制圧すれば動きは一旦止まる。一旦止まるなら多少手持ちを売り払ったところで儲けのタイミングを失うことはなくなり、腰掛のような相場が形成される。

市場レポートはこのような急な相場の変動の後の動きを軒並み利益確定売りと称するが、出来高を見ても様々なことが多い。とても一斉に手仕舞ったとも思えない小さな相場のこともある。

とどのつまり、次の動きが予想できないだけなのだ。このこと指して利益確定売りと言っているに過ぎない。

さて、翻って、今の相場を見てみるとかなり難しい。このまま何もなければ自然と相場は下落の方向に向かうだろう。悪いニュースは多い。しかしながら、今週は主要な指数の発表が多い。下落へのトレンドが始まりかけているこの時点でこのような大きな指数は相場全体を左右することが多い。もちろんそれが助けになればトレンドの形成は固い。しかし、反対に動けば一時的とはいえ株価は上がる。すると方向が下だと言っていても短期的には上昇して、一種の持ち合いのようになり下落の時期が遠のく。これは長く含み損を抱えていないといけないことを意味する。当然、そんな事態になる前に血を流して損切をするが、とにかく、今はそんな神経質な相場なのは疑いがない。 新しく玉は立てられない。むしろ手仕舞って小さい建玉で事態を分析したいような相場だ。

2020/6/16

昨日はずいぶん疲れたと思ったが、今日の心労に比べたら子供だましのように思える。仕事の上でも随分と嫌なことがあったが、こうも凶事が続いて気が滅入るのは勘弁願いたい。

いくら下がり初めに売りを積んだとはいえ、ずいぶんと含み損があるが、このような動きがあるからこそ市場は面白いと思えてしまう。私自身今の市場で弱気の姿勢を崩してはいない。軒並み新高値というわけではないし、小売、工作機械も価格が新しい峰を見たとは言えない。NYダウが150ドル程度の上げで日経が1000円を取り戻した。NYダウの下げは取り戻せてはいない。日経は高値圏でもみ合いというのは不思議な話だ。恐ろしいことに800円下げた翌日に1000円上げた。誰もが何かを恐れて下げたがっているような狂乱だ。相場が強気でも弱気でもない誰かの動きに着いていくような相場だ。これ以上誰かが買うとは思えないが、このある意味法外な上げの相場が2週間も続いている。明日200円も300円も上がるようなら痛みを覚悟して損切りも考えなくてはいけない状況だ。1000円というのは異常な上げだが、前日の800円がなければ実質は200円の上げだ。先週末の下げは取り戻せない。値嵩株もすべてが取り戻せているわけではない。今日の上昇は怖くない、恐ろしいのはこのままトレンドが流されることだ。ボードゲームがひっくり返ってゲームが中断されるような気分だ。どれだけ局面を有利に進めたとしてもそんな状況ではなんの意味もない。素直に結果を受け入れるしかないだろう。

とはいえ、私は見方を変えてはいない。 今日の米国指標とその結果次第だ。 昨日ほどの売りのチャンスは喫緊では回ってこないかもしれない。しかし、かなりいい地点で建玉を建てられたと思っている。あとは反転の兆候がない限りは待ちだ。もし私が正しければ何も心配する必要はない、一方でもし踏み間違えたら当然の痛手を覚悟しなければならない。 なかなか面白い局面だというのは正直なところだ。

2020/6/15

今日は月曜日だというのに週末のように疲れた。 もちろん、仕事のこともあるが相場のことだ。

トレンドが下向きになりつつあるということはすでに分かっていた。同時に、現在の株価が実情経済に照らしても高いということはこれまでもあからさまではないにしろ述べてきたつもりだ。 当然、先週半ばから売りに回っていた。めぼしい銘柄ではすでに建玉を積んである。あとは下げに連れてどのように積み増していくかという問題だったが、今日の相場は今まで上げに回っていた人間はどこに消えたのかと疑うほどの下落模様だった。下げが200円を超えるか、あるいは後場で目押し買いのような上げが見えなければ買おうと思っていたが、後場寄り付きの弱さを見て動くことを決めた。そのあとにあの下げだ。予想はしていたが、波に乗れたのは完全に幸運だ。ホームから走り出す列車に運よく飛び乗れたようなハラハラした感覚だが、あまりよろしいものではない。

さて、賢明な取引は予想と、相場に入るタイミングと相場を出るタイミングだと思っている。今日の下げはかなり強い。NYダウ先物も先週から弱含みが続いている。今日の後場でほぼ-800ドルだが、これがそのまま今日のNYダウに反映されれば安心していられるが、多少強気な兆候が見られる――400ドル程度の下げに留まるならば、明日の日経は少し注視する必要があるだろう。というのも、今日の下げで中期のトレンドラインに触れるレンジまで下げたからだ。急反発する心配ほとんどないが、これで持ち合い相場に突入すれば今から買いに出る人は浮かばれないだろう。

しかし、半導体や小売りの下げが鮮明になったのはうれしい誤算だ。 これで値嵩株が一斉に下げる準備に入った。あとはこの流れが続いて、第2波が来ることを見極めるだけだ。これが来そうになければ売り払ってまた様子見に徹するとしよう。

それにしても、今まで日経やNYダウの上げは何だったのだろうか。第2波が来ることもアフターコロナはV字回復の望み薄なことも、米国内のデモのことも先週からずっと分かっていたことであるのに、ある地点まで株価が一気に上がってそれが伸び切ると滝から流れ落ちるように下がる。考えるよりトレンドを読むことの方が重要な相場だ。

2020/6/13

随分と日付が空いた気がする。

書くことがあったのだが、時間とやる気の問題だ。

さて、前回の上げに関する所感の後、今一度上げの強さを確認した。相場は軒並み上昇で為替が108円をブレイクしたところで金融なんかがおいしい株へと変わった。結局先週初めまで日経平均インデックス、三菱UFJルネサス日産自動車でいくらか儲けた。日経が上に伸び切ったところで手仕舞いのタイミングにミスがあって利鞘は想定の半分程度になってしまったが、うまく予想ができたことが肝要だ。

伸びきった株価は当然下へと落ちる。当初はゆっくりとしたトレンドの転換を予想していたが意外にもNYダウが火種となって荒れた相場模様になった。ありがたいことに金融が下がることは簡単に予想がついたので日経逆インデックス、金融、あとは小売を空売りしている。

NYダウが1800ドル下げたのに日経が160~300円の下げに留まっているというのは大した胆力だと思う。日経に関してはもはやなにも支えはないと言ってもいい。コロナの収束でかなりの経済活動が戻ってきたが、世界経済に牽引されて成長を期待するような場面ではない。NYダウも慎重な相場になるし為替もほとんどムードの牽引役にもなれない。日経寄与度の高い株が一斉に上げにでも転じれば話は別だが、現時点でその兆候はない。これらの大型株が下げのトレンドをはっきりと見せればすべてを売りに出ても問題ないような気さえしてくる。

ただし半導体とIT関連株だけは怖くて触れない部分がある。先週までの上げで今までの行ったり来たりの持ち合いを突破してしまった。これらはコロナの状況下でも一定の需要は見込める業界で、トレンドが下げとはいえ直前まで3週間も留まっていた持ち合いレンジを突破して下へ振れるかというのは微妙なところだ。 結局売り叩くことに魅力的な株は現時点でコロナの状況でも大型株に釣られて伸び切った人気株、先週の上げで上昇機運に乗りそうになった株の中でも経済活動の煽りを強く受ける業種に限られる。

ただ、NYダウの下げがかなり強いとはいえ、NYダウ自体が下落トレンドに転じた証拠はない。今週の下げ分の戻しが急なら日経もそれに釣られて大きな下落もなく持ち合いに入る可能性もある。株の積み増しタイミングに関しては少し慎重になる必要がある。
逆にNYダウの戻りが弱く、日経がそれに連動しないならすべてを売っても安心できる相場だ。

2020/6/2

 失敗した。調子を上向きに修正したのはいいが、銘柄選びを間違えた。自動車株は悪材料出尽くしの上昇トレンドだと思ったが、今日の値動きはそこまで顕著ではなかった。一方で、小売、半導体、IT株のコロナ上昇株はいまだに騰勢が衰えない。一昨日売った良品計画を売らなければ今頃利ザヤは膨らんでいただろうけれども、私の予測できたのは最初のトレンドブレイクまでで、それ以上上がったところで私の予測不能の上りだ。ギャンブルはできない。  昨日買った日産自動車を今日売って、日経のインデックスを買った。手持ち資金に対してはほんの少しだが。特定の株が澄んだ日本酒だとしたらインデックスなんてどぶろくみたいなものだが、このような値がさの特定株が上がるような相場では安定して放っておける株である。  それにしても今日の昼時点ではダウ先物がマイナスだったが、今の時点ではプラ転。米国の国内の状況はよろしくない。コロナの状況は好転しているが米中対立と黒人関連のデモ、11月には大統領選。この状況を踏まえて思うのは株式や金融の連中というのは貧乏人や弱者の状況には一切関知しない。それどころか黒を白と言い張って金がもらえるなら喜んで白という連中だということだ。それが意識的にしろ、無意識にしろ、最終的には現状を見直さざるを得なくなる。  明日は日経の値が飛んで、しかも出来高がしっかりとするなら今週は米国の状況に気を配るくらいで、ある程度安心できるだろう。

2020/6/1

 見方を真反対にすることにした。  今日の日経は250円までスムーズに上がり、後場のダレも少しあるものの180円高で引けた。予想通り金融や鉄鋼は下がったが、全体としては動きが強い。特にファーストリテやソフトバンクなど値嵩株が上昇トレンドをとっているせいで日経全体がかなり騰勢を見せている。自動車も材料出尽くしで経済の回復局面の上昇トレンドが見られる。出来高も十分高い。  ここ最近の動きで面白いのが、日本株が米国の動きとは必ずしも連動していないことだ。特に為替。米国の神経質な問題はあまり世界の懸念にはなっていないように思う。一方でコロナの終息という観点が強く株価に反映されている。小売り、通信の回復がいい証拠だ。この局面で人々の楽観視が続くなら騰勢はもう少し維持するはずだ。  高値での試し買いをしたが22000円まで上がってくれれば安心できる。

2020/5/31

 かなり不自然な上昇相場。日経平均が22000円手前。 コロナの底値でのもみ合いの後はしばらく緩やかな上昇トレンドが楽しめたが、先週頭うちになりかけたところでとうとうトレンドブレイク。当初のような超長期的なコロナの影響がないことが分かってきたこととIT株、半導体株、小売株が先行していたが、それに回復が追い付いていない鉄鋼や金融、商社などが上がった形になる。 とはいえかなり上昇が急峻なのは否めない。出来高は軒並み高く、日中の取引では下がりを見せることなく上昇している。一部には海外の売り勢が買い戻しに走る踏み上げ相場だと言っている記事もあったがあながち間違いでもない。一方で、かなり上昇が大きすぎる。米中の対立は続くだろうし、コロナも終息したわけではない、コロナ前の相場が24000円だとするならば、コロナの影響でワクチンが開発されたとしても人間の行動や購買力は落ちざるを得ないはず。実情経済として現在の22000円は高い相場と言える。 それを見てか、トランプ大統領の中国制裁を待つ週末は出来高も低く下を探る動きのように見えた。通常強い上がり――価格が跳ねるような相場は最初の飛びと次の飛びのあと出来高の小さい上りが1つあるというのがスタンダードな形だが、今回の騰勢を見るにその形をとるかと予想していたが、予想外に下がった。石油と小売り株を持っていたが午前で売り抜け。 産業が回復しておらず為替もドル円108を突破できない状態でJFEUFJを注目株とは思えないので手を出さず。日経の逆連動株を少し買って持ち越し。 来週はトランプ大統領の発言がそこまで深刻でないことから楽観に行くとは思うが、一方で高値警戒も強いはず。前述の鉄鋼や金融は一度下がりさえすれば誰も警戒して買い手はつくまい。下がりさえすれば買い戻しを迫られる売り方や押し目買いも動き出すはず、全体としてはやはりコロナ情勢に左右されるものの、予想としては21000円程度まで一度戻して、上がるだろう。 一方、21700円から22000円までジワリと攻防が続くなら上値を放たれる可能性もあり。自信をもって張れない相場。 また、コロナ第2波が来るならば20000円まで戻る可能性を見る必要もある。その場合半導体や小売りは先んじて上昇した分を返上せざるを得ない。

来週は下がりを見つつ、金融と鉄鋼など次の上昇ジャンルを重視して上りの可能性を探る方針。