宮崎県都城市にある鍼灸治療院たけしたのブログ

はり・きゅうや健康、食べ物、地域(都城、三股、曽於、宮崎)のネタ、お酒の話などアップしていきます!

弱った肺臓を強化!

弱った肺臓を強化!

肺臓の働き

西洋医学の肺臓の働き

ちなみに肺臓は自分自身で動いているわけではなく、胸郭が動いて膨らんだり、縮んだりして空気を取り込んでいるんですね~

 

東洋医学の肺臓の働きと関係する器官

  • 呼吸作用
  • 水はけをよくする
  • 皮膚

呼吸作用は同じですね!

 

水はけを良くする?

肺臓はおしっこ(尿)に関係しています。実際におねしょの治療で使う「尺沢」というツボは肺経のツボです。

 

鼻?

呼吸器の始まりは鼻です。最近は口呼吸をする人が多いそうですが、本来は鼻で呼吸をするのが本当です。

 

口呼吸を鼻呼吸に矯正すると、運動能力や学業の成績が上がったりするそうです!

 

皮膚?

肺臓と皮膚がどんな関係があるか、不思議ですよね~

 

私もそう思います。(おまえもか~い)

 

肺虚証

肺虚証とは肺臓の働きが弱くなっている状態です。

 

症状

  • 呼吸器疾患
  • 肩こり
  • 肩関節疾患
  • おしっこがよく出ない
  • うつ

肺虚証の患者さんというのは風邪をひきやすい体質が多い感じがします。

 

しかも、風邪をひくと長引いてなかなか治りません。

 

このような患者さんに刺す鍼(はり)をすると悪化する可能性が高いです。

 

刺さない鍼(はり)で治療をするとスーッと良くなります!

 

中学生のうつ

これは私が数年前に経験した治療です。

 

中学校生の女の子で普段は明るくて、よく喋っていたのですが急に元気がなくなったということでした。

 

私もよく知っている女の子だったのですが話かけても、小さい声でボソボソと話して明らかに普段の状態と違っていました。

 

母親から話しを聞いてみると、学校の友人から妬まれて、友人の輪の中に入れないということでした。

 

要は人間関係がうまくいかなかったようでした。

 

その年代の子にはありがちな話ですねー

 

さぁ、こんな状態が鍼(はり)で治せるか不安と期待が入り混じりながら治療にかかりました。

 

脈診をすると肺虚証でした。

 

著名な先生の症例で治療のやり方は把握していたので、まずはその通りにやってみました。

 

鍼(はり)は刺さずに当てるだけです。

 

その時の中学生の肩は非常に凝っていました。

 

刺したい気持ちを抑えながら鍼(はり)を当てる事に徹底しました。

 

そんな治療を2回ほどしたあとに話を聞いてみました。

 

妬んでいる友人とは距離を取って、別の友人と付き合うようにしたそうです。

 

また、別の日に会った時はいつもの明るく、よく喋る女の子に戻っていました!

 

著名な先生が鍼(はり)で「心の病」が治ると言っておりましたが、実際に自分も経験して正直ビックリでした!

 

次は肺臓を強化する食べ物を紹介します!

 

症例紹介↓

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弱った脾臓を強化!その2

脾臓とは消化器系のこと!

医食同源という四字熟語がありますねー

 

いしょくどうげん【医食同源

病気の治療も普段の食事も、ともに人間の生命を養い健康を維持するためのもので、その源は同じであるとする考え方。
出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

 

みなさん、普段の食事 には気を使っておられるでしょうか?

 

主婦の方は毎日の献立を考えるのもひと苦労ですよね~

 

私も妻から「今日、何がいい?」

 

「何でもいい!」

 

料理を作る側としては何の解決にもならない答えだそうです。

 

最近は「一汁三菜」ではなく「一汁一菜}でもいいという料理研究家がおります。

 

ごはんと具だくさんの味噌汁があれば十分という考え方ですねー

 

よくテレビ番組で海外の一般家庭の食事風景などをみますが、意外と質素なんですよねー

 

あるドイツの家庭ではソーセージとマッシュポテトとパンというふうに。

 

食の都、フランスなども平日は質素な食事だけど週末は普段作らない料理を作って、ワインを飲みながら数時間かけて食事を楽しむようです。

 

しかし、美味しく食事を楽しむには消化器系の働きが良くないといけません。

 

「空腹は最高の調味料だ!」

 

と言った人もいましたが、確かにお腹が空いていると大概のものは美味しく感じますよね!

 

脾臓(消化器系)が弱ると「お腹が空かない」とか「食事が美味しくない」といった事がおきてきますが、さて原因はなんでしょうか?

 

考え事が多すぎたり、運動不足、生まれつき消化器系が弱い、夏バテなどがあります。

 

逆にストレスが多いと過食ぎみになる人もいますが食べ過ぎて胃腸を壊すというパターンですね。

 

東洋医学では「甘」脾臓を養うと言われています。

 

「甘」の作用

疲れ、虚弱を改善、痛みを和らげる

 

確かに疲れたときには甘いものが欲しくなりますよねー

 

でも、摂り過ぎは逆効果です。

 

最近の果物は昔と違って甘いものが多いです。

 

昔の果物は酸っぱいものが多かったですよねー(年輩者はご納得!」)

 

甘いものは取りすぎると体を冷やすので気をつけましょうね。

 

消化器系に異常があって、冷え性、疲れやすい、食欲が少ない人におススメの食べ物

シナモン、羊肉、アジ、イワシ、カツオ、鮭、カボチャ、サクランボ、ミカン、キンカン、クロザトウ、ココア、小松菜、もち米など

 

消化器系に異常があって、のぼせ、ほてり、多汗の人におススメの食べ物

リンゴ、イチゴ、キュウリ、大根、ナス、ほうれん草、蕎麦、アサリ、タコ、タケノコ、コンニャク、豆腐、トマト、バナナ、スイカなど

 

食事はバランスが大事です。

 

片寄りがないようにして、消化器系が弱いと感じている方は体質に合わせて上記の物を試して頂けると幸いです!

 

 

 

弱った脾臓を強化!

脾臓とは!

皆さんが御存知の臓器の名前は全て中国からきた言葉です。

 

西洋医学が日本に入ってきた時に西洋の言葉で臓器を説明するのは難しかったのでしょう、東洋医学の臓器の名前を西洋医学の臓器に当てはめたのですが、この脾臓だけは位置と働きが違ってしまったのです!

 

西洋医学でいう脾臓の働きは

 

  • 老化した赤血球の破壊
  • 血小板の貯蔵庫
  • 免疫機能と深い関係がある

 

東洋医学でいう脾臓の働き

  • 消化器系を統率するもの
  • 現代でいう膵臓
  • 胃と共働して消化を助ける
  • 手足の働きに関係する
  • 口や唇に関係する

 

脾虚証とは!

日本人は消化器系が弱いといわれていますけど、皆さんはどうですか?

 

私も以前は「いつも胃がムカムカ」、「ゲップや下からガスがよく出る」、「朝食が食べられない」などの消化器系症状がよくありました。

 

朝食に関しては20歳頃から36歳位までちゃんと食べた事がありませんでした。

 

今、問題の朝食抜きですね!

 

なぜ、食べなかったかというと、まず「起きて食べる気がしなかった」、「食べると胃がムカムカする」というのがあったからです。

 

それが、食べられるようになったキッカケはと言うと「結婚して子供が出来、生活習慣が変わったこと」、「鍼灸師になって自己治療をするようになった」からです!

 

結婚するまで、結婚してから子供が出来るまでは夜更かしをしていつも2時位に寝ていたのです。こんな生活習慣では万全の体調を維持するのは難しいですよね。

 

それが子供が出来てからは妻の願いというよりも強制的に9時に寝るようになったのをキッカケに少しづつ朝ごはんが食べられるようになったのです。

 

やっぱり!生活習慣はだいじだなぁと身にしみて実感しました。

 

それからは毎日朝ごはんを食べています!(二日酔い以外は・・・)

 

本題にもどります。

 

脾虚とは簡単にいうと消化器系の弱りです。

 

脾虚の時の症状

 

  • 食欲がない
  • 痩せる
  • 体が重い
  • ガスや便が出ると気持ちが良い
  • よく眠れない

 

上記のような症状があるときは消化器系の弱りが考えられます!

 

診断をして脾虚となったときの使用するツボは

 

太白内関脾兪を基本に治療をします。

 

以前、私が鍼(はり)の体験会に参加した時の話なのですが、腰痛を訴える体験者が来ました。

 

男性、歳は20代、肌は青白く見た目にも元気がないのが分かりました。

 

1人の持ち時間は15分だったので、臨床のようにじっくり診断は出来ないので素早く判断して脾虚証で治療をしました。(もちろん、腰の治療も)

 

治療が終わったときには顔に赤味が出て顔色が良くなったのです!

 

それから10日ほどして、私の治療院に電話がありました。

 

電話をしてきたのはその男性の母親だったのですが、私が所属する会に問い合わせて電話をかけてきてくれたのです。(名刺類を渡さなかったのでわざわざ探してくれたのです!)

 

電話連絡後、当院に母親といらしたのですがその時に男性のお母さんが「息子がこんなに食べるのを初めて見ました。」と体験後に食事に行った時の事を話してくれました。

 

この男性は元々消化器系が弱く、少食だったようでした。

 

鍼の効果を実感でき家の近くの治療院に行こうとしたようですが、私の所に行きたいと訴えたようでした。(治療家冥利に尽きますね。)

 

生まれつき消化器系が弱い人、ストレスなどで弱る人条件は様々ですが消化器系の弱りは全身に影響します!

 

胃腸の調子が悪いなぁと感じている人はお近くの鍼灸院に訪ねてみてはどうでしょうか?

 

次回は脾臓に効果のある食べ物を紹介します!

 

 

 

弱った肝臓を強化!その2

肝臓に良い食べ物

CM、テレビショッピングやラジオショッピングなどで「二日酔いにはシジミ」とか「お酒の前にウコンエキスを!」とかのサプリメント系の情報をよく見聞きしますねー

 

私はそういった物を試した事はありません。鍼灸師なのでツボで何とかします。飲み会があるときは「大敦」というツボに粒を貼って出かけます。

 

「大敦」というツボは肝経の一番端にあるツボですが、悪心とかめまいとか頭痛などに効果があります。「大敦」に粒を貼って飲み会に参加した翌朝は「二日酔い」や「頭痛」が軽いです。

 

その効果を踏まえた上で予防的にそのツボに粒を貼っている訳です。

 

以前、二日酔いでムカつきや頭痛が酷かった時にヘロヘロな状態で「大敦」に鍼(はり)をしたらその症状がスーッと引いた経験もあります。

 

しかし、やっぱり「」も大事ですよね。

 

医食同源」という言葉もありますからね。

 

私は家飲みのときは芋焼酎なのですが、ロックやお湯割に「レモン」や「カボス」の汁を足して飲みます。

 

飲み会の席ではなかなかレモンやカボスを置いてある店はないですね。

 

そのときは唐揚げなどに付いてくるレモンを拝借して、ギューッと絞ることもあります。

 

これはには理由があって、お酒類の味は「」となるので、それを抑える役目がある「酸」を加えると中和されるからです。

 

これは東洋医学五味というのが関係しているのですが、詳しい説明はまたの機会にしますね。

 

酸の作用

酸は多汗(汗をかきやすい)、下痢、頻尿を改善する作用があります。

 

冷え性、生理痛、下痢、疲れやすい、食欲がないタイプで多汗、下痢、頻尿の症状がある人

シナモン、羊肉、えび、うなぎ、ニラ、小松菜、キンカン、モモ、黒砂糖などがおすすめです。

 

寒い北海道でジンギスカンがよく食べられているのは何か関係があるのかもしれませんね。

 

のぼせ、ほてり、食欲が旺盛、赤ら顔タイプで多汗、下痢、便秘、頻尿の症状がある人

イチゴ、オクラ、酢、ビワ、アサリ、ウコン、コンブ、トマトなどがおすすめです。

 

ご自身の症状と見合わせてみて、あてはまるものがあれば試してみて下さい。

 

今回は五臓の中のに注目してみましたが、五臓はそれぞれが助けあったり、抑制しあったりしてバランスを取っています。

 

次は別の蔵に注目してみたいと思います!

 

 

 

 

弱った肝臓を強化!

肝臓

現代医学での肝臓の働きには主に3つあります。

 

代謝 ・・・ 糖・たんぱく・脂肪を体に使えるように変化し、供給する

解毒 ・・・ アルコール、薬、老廃物が体に影響しないように無毒化する

胆汁の生成・分泌 ・・・ 胆汁は脂肪の消化・吸収を助ける

 

肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、分からないうちに症状が進んでいることがあります。気付いたら肝硬変とか、肝がんとかという話はよく聞きますね。

 

最近、疲れやすいとか疲れが取れないとか症状があるときは検査をするとよいでしょう。

 

 

肝虚証

東洋医学では肝の経絡と肝臓が共に作用し合って働いているとみます。

 

経絡治療では肝に異常がある場合は肝虚とか肝実という言葉をつかいます。

 

一般の方は肝虚?肝実?と頭の中に?マークが浮かぶでしょう。

 

肝虚とは肝の経絡の歪みまたは肝臓の働きの低下を意味します。

肝実とは肝の経絡の流れの滞りまたは肝臓の機能亢進を意味します。

 

肝虚ではどんな症状があるか挙げてみましょう。

 

頭重、眼疾患、腰痛、股関節痛、膝痛、肝疾患、泌尿生殖器疾患、イライラなどがありますが、臨床では肌荒れやシミなどの肌トラブルもあります。

 

肝実ではどうでしょう。

 

私の経験では肝実になると肺や脾に影響を与えるようです。鼻づまりや下痢、あとは怒りっぽくなるなどです。ニュースなどで見聞きするキレて事件を起こす人は肝実ではないかと推測します。

 

私自身の事なのですが、季節の変わり目になるとよく鼻づまりを起こします。昨年の3月頃だったと思うのですが就寝後1時間ころに鼻が詰まって目が覚めたのです。いつもどおり右の鼻が詰まって横を向いたり、鼻をかんだりしたのですが改善しません。ここは鍼灸治療を試す機会だと思い自分自身に鍼をしていました。

 

脈を診ると肺虚肝実という脈でした。こういうときは肺と脾のツボを補って肝のツボを瀉(しゃ)します。

 

ここでまた一般の人には補う?、瀉(しゃ)す?とまたまた?マークが浮かぶでしょう。

 

補うとは足らないもを足してあげる、瀉(しゃ)すとは余っているものを取り除いてあげるということです。

 

そのときはまず太淵と太白を補ったのですがほんのわずかに鼻づまりが改善した程度でした。

 

その後、肝のツボで曲泉というツボを瀉(しゃ)したらその瞬間に右の鼻がスーッと通ったのです!いやー、この時は嬉しかったです。自分自身の鼻が通ったのもですが、鼻づまりで困っている方の役に立てるという思いもあったからです。

 

どんな症状でもそうなのですが、同じ症状でも人によって証が違うこともあるので、人によっては別のツボを使うこともあります。

 

肝臓を強化するには精神状態または食べ物も不可欠です。

 

続きは肝臓、強化!その2で・・・

 

 

 

 

 

不安神経症 克服!

不安神経症 克服!

初診日 H3X年 4月X0日

患者:30代女性

主訴:胃の不調、食欲不振、不眠、首・肩こり、足冷たい、不安

VAS:9

病院での診断:胃潰瘍

その他の症状:胃が痛い、お腹が空かない、食欲がない、眠れない、首肩背中が凝 る、咳が出る、喘息、お腹は空くが食べたくない、足が冷える、立ちくらみがする、疲れやすい、くよくよと思う、恐がりである

体温:36.8℃

血圧:上が110位

血糖値:90

 

脈状:やや浮(軽く押さえて脈がふれるが強く押さえると脈が消えてしまう)

腹診:巨闕(みぞおち辺り)がやや硬い

脈証:脾虚腎虚

本治法:右太白、右太谿 補法  左外関 瀉法

標治法:右三陰交、風池、欠盆、肩井、心兪、神道、左膏肓、右脾兪、右腎兪、首の下部督脈、身柱、脊中、命門

 

2回目、3回目は4~5日間隔。

4回目、5回目は1週間間隔。

6回目、7回目は10日間隔。

8回目は2週間後。

9回目は10日後。

10回目は2週間後。

11回目、12回目は1ヶ月間隔。

 

こちらの女性は二人目の子供を出産後(2ヶ月後)に体の不調が顕著になっています。

 

若い時から心配性で胃の症状があり、一人目を出産した時も疲れがひどく、肩こり等があったそうです。

 

特に子供が保育園から帰ってくると症状が出ることが多く、または人の世話をした後も症状が出ることがありました。

 

心の病に罹りやすい人は生真面目、几帳面、正直という性格が多いです。

 

この女性もやり残した仕事があると気になって眠れず、ついついやってしまうという話をされていました。

 

心の病は励ますのは厳禁で特にうつ症状があるときは特にです。

 

初診時は笑顔がなく表情は暗く、話しかけてもあまり返答はありませんでした。

 

こういう時は無理に話さず黙って治療することにしています。

 

回数を重ねる毎に体調が良くなり、4ヶ月後にはほとんど症状もなくなり、笑顔も見えるようになり、体重も4キロほど増えました。

 

この方は自宅でもお灸を続けたことも症状の改善に継ったと思われます。

 

様々な症状を訴えていますので、現代医学的には不安神経症といったところでしょう。

 

東洋医学では脾虚腎虚証という診断がでました。

 

脾虚というのは消化器系の症状、婦人科疾患、不眠症、考えすぎなどの症状がでやすくなります。

 

腎虚というのは腰の鈍痛、足の冷え、疲れ易い、ビクビクするなどの症状が出やすくなります。

 

鍼は接触鍼(針先をツボに当てるだけで、刺さないやり方)のみで軽微な治療をしました。

 

以前、病院でうつと診断された方の治療をしたことがあったのですが、1ミリほど鍼を入れたら帰る途中に目眩がしてしゃがみ込んでしまったという経験があったので心の病は接触鍼に徹しています。

 

心の病の方は症状が改善しても、時々(月に1,2回)の治療を勧めています。

 

なぜかというと、何か出来事があると症状が強く出てしまうからです。

 

時々の治療は予防になりますし、何かあってもひどくならずに済むからです。

 

こちらの患者さん今では物事に対してほどほどを心がけるようになり気分的にも快適な生活を送っているようです。

 

症例紹介↓

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経絡治療とは

経絡治療とは

皆さんははり・きゅうというとどこの治療院でも同じだと思っていませんか?

 

現在、大まかに分けるとはり・きゅうのやり方は3つ分けることができます。

 

中国式、西洋式、経絡治療です。

 

この中でも、様々な流派があって複雑に枝分かれしています。

 

日本にはり・きゅうが伝わったのは5,6世紀あたりだと言われています。たぶん、仏教の伝来と一緒にやって来たのだと想像できます。

 

それまでの病気の治療は祈祷が中心だったようです。

 

現在でも病院に行っても原因が分からない病気などで祈祷してもらうということはあるみたいです。というよりも、先日、頭の痛みが治まらず藁をも掴む思いで祈祷に行ったという患者さんがいらっしゃいました。

 

平安時代あたりから明治時代初期まで鍼医という職業が存在していました。

 

現在では鍼医という称号は使用できないことになっています。

 

はり・きゅうが伝わってから約1000年位かけて日本人に合うはり・きゅうの技術が磨かれ今に伝わっています。

 

基本的に中国式は鍼が太く、深く刺すのが主流だったのですが、日本人は基本的に繊細でそのような術式が合わなかったのだろうと思います。

 

そのような治療法が確立されていたのですが、西洋から医学が入ってきてからはり・きゅうのやり方に変化が起きたようです。

 

東洋医学は全体を見て病気を診るのではなく、人を診るという概念があります。西洋医学は部分を診て治療をしていくというやり方です。

 

西洋医学の概念ではり・きゅうの治療をする人が現れ、従来のはり・きゅうをやる人が減ってきたようでした。

 

しかし、昭和の初期に”柳谷素霊”という方が「古典に還れ」というスローガンを掲げ、ご自身の弟子が研究を重ね「経絡治療」という治療法を作り上げました。

 

経絡治療という名称は他のはり・きゅう治療と区別するために名付けられたようです。

 

この経絡治療の利点はシンプルで効果が高いということです。

 

問診や脈診などで得られた情報から肝虚証、脾虚証、肺虚証、腎虚証の中からどの証かを判断し、その証に従って治療を進めるというやり方だからです。

 

たとえば、肝虚証と判断したら本治法(根本治療)から始めます。曲泉、陰谷というツボに鍼をします。

 

すると不思議と全体に影響を与えます。それを、確認するために脈を診たり、腹を診たりするわけですが、柔らかかった脈に弾力がでたり、硬かった脈が柔らかくなったり、お腹に張りがでたりします。

 

本治法が終わると全体を調整しながら局所治療します。

 

しかし、本治法だけで症状がなくなることもあるので、そういうことを経験するたびにすごい治療法を考えたなぁと感心します。

 

この経絡治療も時代に合わせて進化しています。まさに伝統治療といえます。

 

この記事を見られた方でつらい症状で悩んでいる方がいらしたら近くの経絡治療をしている治療院を探されてみてはどうでしょうか。