2024年はじまりました

2024年が始まりました。

1日から大きな災害、事故があり、おめでたい感はゼロです。

被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。

 

2023年の振り返りとしては、

何かやったようなやっていないような、

あっという間に過ぎ去ったという感じです。

仕事を大分積み残しているので、まずはそこから手をつけないとと思っています。

 

そして、年末に大学入試学会が設立されました

https://www.jaruas.jp/

 

さまざまな経緯もあって発起人に声をかけていただきました。

正直、かなりチャレンジングな学会だと思っています。

声をかけてもらった段階では、

まさかこのような形になるとは思ってもいませんでした。

(怒られるかもしれませんが、ソフトランディングを考えていました)

ただ、いろいろ話しているなかで、少し欲がでてきました。

 

大学入試学会発起人会(12/17)では、大学等協議会(私が担当)について

話をさせてもらいました。

(この協議会というのがこの学会の少し変わったところです。

 大学等協議会と高校等協議会という2つの協議会があります。)

 

説明の際に、調子にのって言っちゃいけないということもあり、

今回は原稿を作りました(笑)

下記、その中でお話したことの一部です。

 

「なぜ大学入試を研究するのか」に対して、私なりの見解です。

日頃から高校・大学がそれぞれの立場で様々な取り組みをしています。

それは何のためかというと「教育の質を更に向上させるため」ではないかと思います。

(もちろん他にもあるとは思います)

 

大学入試は「教育の質」を高めることも低めることもできる存在です。

 

例えば、高校生は、高校生活の中で、勉強やスポーツなど様々なことに取り組んでいます。

大学入試は、この高校生の生活や学習の仕方を一変させる力を持っています。

例えば、英語外部資格試験の受験率は数年前に比べて格段に上がっていると思いますし、

情報の学習も進んでいるのではないでしょうか。

今の小学生の習い事も、

私が子どもの頃のそろばんやピアノといった定番の習い事とは一変していて、

英会話やプログラミングが上位になっているようです。

 

つまり、大学入試によって、高校の教育・教育内容が少なからず左右されています。

 

大学入試という施策が高校生、子どもにどのような影響を与えるか、

さらに教育の質を高めるためには、どのような入試を行うと良いかを

よく考える必要があると思います。

 

ということで、大学等協議会では、高校等協議会と連携して

このあたりの情報交換や交流をしていければと考えています。

 

正直、理想論なのかも知れません。

それも理解した上で、何かできないかなと思っているところです。

 

 

 

総合型選抜の合否

何となく書いてみたくなりました。

 

今日、総合型選抜の合否発表がされる大学が多いと思います。

ふと、総合型選抜の合否はシビアだなと思いました。

 

一般選抜の場合、その合否は点数です。

合否を分けるのは1点で、配点が設定された問題を解けたか解けないかできまします。

これはある意味では、(おそらく)公平で、誰も文句を言いませんし、

「点数が足りなかった」という消化をしやすいと思います

(簡単にはいかないことも分かっていますが)。

 

一方で、総合型選抜の場合は明確な点数が存在しません。

例え点数が存在したとしても、合否ラインにいる1点差の2人がいた場合、

(真に)合格させるべき(するべき)かがどちらの受験生なのかは

何とも言えません。

 

総合型選抜で不合格になるということは、

それまでの活動や高校生活を否定されたように感じてしまうのでは?と

少し怖くなりました。

 

不合格であったとしても、

それはこれまでの実績を否定されたわけではないということを認識して、

結果を消化して、前に進んでもらえることを切に願います。

そして、保護者や学校の先生はそれを受験生に伝えてあげて欲しいです。

 

大学の立場からすると、総合型選抜にも定員が存在し

どれだけ「入学して欲しい」と思っても、全員に合格を出すことはできません。

相対的な評価になってしまいます。

 

同じ不合格でも、一般選抜と総合型選抜ではインパクトが違うのではないかと

思った次第です。

 

 

7月の移動距離

7月も最終日です。

この7月はかなり移動をしました。

理由は高校訪問。

営業です。

 

高校の先生に対応をして頂くわけですが、

忙しい中時間を作って頂けることに感謝です。

(作ってもらえないところもあります(笑))

 

7月の遠距離出張としては、

浜松、(松本、長野)、(千葉・東京)、(熊本・八代・佐賀)というラインナップ。

この間に名古屋も2,3回いっているのかな。

 

それぞれの土地でおいしいものを食して満足しています。

 

話を戻すと高校訪問ですが、

もう少し高校生が気軽に(大学・大学教員に)

進路相談ができる機会があっても良いのになぁと思う次第。

高校生は、限られた情報、偏った情報(誤った情報)で

大学選択をしているのかなと思えてきました。

 

高校側も、大学のことを調べるように指導はされていますが、

やはり表立った、外向けの情報しか目に入ってきません。

その結果として、偏差値とかに頼るのかな、、と思ったり。

 

そして、来週末はオープンキャンパスです。

コロナで縮小していたものが元にもどります。

私は、個別相談と模擬講義を担当します。

教員にとっては(義務的で)あまり楽しい行事ではないのかもしれませんが、

私は結構楽しみだったりします。

 

 

 

 

 

 

筑波大が面接や小論文重視へという記事

下記、個人の意見です。

 

5年後を目処にという話ですが、Yahooコメントを見ると否定的なコメントが多いですね。

 

誤解を怖れずに言えば、おそらく

学力試験(マーク式)>学力試験(記述式)>小論文>面接

の順で、客観性は下がっていきます。

 

客観性が高い=公平と考えれば、

入試が公平であるべきという観点からすれば

学力試験のみで決定することが望ましいと思います。

これが誰からも文句が出ないやり方だと思います。

 

一方で、理念からすると、小論文や面接、あと調査書も?

重視するというのは分からなくもないです。

ただし、客観性は下がります。

 

社会としてこれを許容できるか否かというところなのかもしれません。

 

例えば、就職活動で不採用になっても、

その理由を説明されることはないと思います。

大学入試でも、合否に関する説明責任がないのであれば、

面接や小論文による合否査定もアリだと思います。

 

面接や小論文のように、客観的な採点基準がないものを

用いるというのはそういうことです。

もちろん、面接や小論文でも「採点・評価基準」は作っていますが、

その客観性は何とも・・・。

 

ということで、若干モヤモヤしつつも

学力重視 vs 小論文・面接重視 では難しいのかもしれません。

 

筑波大のやり方を考えると、

共通テスト+学力重視

共通テスト+小論文・面接重視

という2つのトラックを用意して定員も分けるのが良い気がします。

 

私大の場合、

後者を2月以降で実施するのは物理的に難しいので、

結果として総合型選抜が増えるように思います。

総合型選抜に、学力試験を課すことができれば良いのですが・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞いてるふり」は通じない? 集中しない生徒をリアルタイムで把握 教員からは期待、「管理強化」に懸念も

センサーを使って、生徒の集中度を測定するという記事。

 

こういうことを考えないでもなかったですが、

基本的には倫理的・教育的な観点から望ましくないと

考えています。

というか、意味あるのでしょうか。

授業中にぼーっとしたって、考え事したって良いじゃないかと思います。

 

こういう波形って、かなり曖昧で、怪しいところがあります。

個人差も大きいですし。

 

本人に分からないところで、

勝手に解析されて、それが教師に伝達される、

成績には反映されないと言いつつ、

教師が持つ印象には影響があるわけで、

成績に反映されないことは皆無ではないという点で

問題があります。

 

例えば、生徒の机の上に現在の状況を表示しているなら

許容されるかもしれません。

 

ポジティブな面、ネガティブな面を併せて評価することが

大切だと思います。

加速する「年内入試」の流れ 受験生・保護者・高校はどう対応するべきか?というEduAの記事

Yahooに挙がっていたのでクリック。

 

院生時代からよく知っている&今も良くして頂いている先生の

インタビュー記事でした。

 

年内入試の加速、これ自体はおそらく避けられないのでは

ないかと思います。

記事は国立大学の視点でしたが、

私立大学は国立大学以上に死活問題のように思います。

 

もちろん、高校生が、自ら興味・関心があることを

学ぶために大学を選択して、進学することは

当たり前ですし、そうあるべきだと思います。

 

その上で、私立大学の立場からすると

入学者確保と受験料・入学金収入の側面で

大きな構造改革が必要になってきます。

 

総合型選抜の場合、学校型選抜と異なり、

複数の大学に出願ができ、複数の合格を得たら、

希望する大学を選んで進学することができます。

これは定員管理の観点からするとなかなかしんどい状況です。

 

さらに、手間暇をかけて選抜した学生さんが

他大学に行ってしまうというのは、精神的にもつらいところです。

(選ばれなかった大学の責任ですが・・・)

 

たいてい、、この受験生こそは!と思う学生さんは、

(他大学にも出願していれば)、他大学にも合格するんですよね。

 

合格しても来てもらえないとなると、

大学にとっては総合選抜は

コストパフォーマンスが悪い入試になってしまいます。

入試にコストパフォーマンスを求める事が間違っているのです。

間違ってはいるのですが・・・。

 

そして気づけば同じ話ですが、

もうひとつが受験料収入、

何だかんだ受験料収入は大きいわけです。

少子化+年内で決まるという流れは

一般選抜まで残る受験生の縮小、

つまり受験料収入の縮小をもたらします。

 

こうなると私立大は何とか併願で数を維持しようと

するわけですが、歩留まりの読みなど

自らの首を絞めている状況になります。

 

本当に真剣に考えなければならない時期に来ていると思います。

 

 

 

 

 

 

デジタル採点導入

「令和5年度の千葉県内の公立高校入試で多数の採点ミスが発覚した問題で、外部有識者からなる「改善検討会議」が原因や再発防止策をまとめた報告書を県教育委員会に提出した」そうです(産経新聞 6/14)。

 

「デジタル採点」という言葉、おっと思いましたが、結局はマーク式・・・。

 

記事にもありましたが、採点ミスを考えると、結局はマーク式が安全ということですね。

現時点では、記述式の自動採点はハードルが多くて難しいと思います。

1. 手書き→デジタルの文字

  字がきれいな人、そうでもない人、筆圧などなど。

  読み取った字が、正しいかを確認する必要まであるのでは?レベル。

  もちろん実用上は問題ないのでしょうが、入試となると

  「多少間違いがあっても効率が良いから」は通用しないです。

 

2. 文章の評価

  てにをは?、書いてある内容?、さらにもっと深いところ?

  おそらく、「要約しなさい」であれば、採点はできるとは思いますが、

  「考えを書きなさい」はなかなか。

 

こういう問題は、ぐるぐるまわりますね。