広告屋から見た新規オープンして成功するお店失敗するお店《広告屋と付き合う意味》

僕は人口140万人の県(以下都市A)でフリーペーパーの営業をしており、この度900万人の県に転職することになった。もちろん転職した都市でも広告屋を続けている。これから書くことは、たかだか広告屋の戯言であり、例外はあるものの、新しくオープンしたお店が少しでも長く営業続けて欲しいという思いを込めた随筆だ。広告屋として約10年街ネタを紹介し続けてきた僕が感じた「成功するお店と失敗するお店」を紹介していくので、これからお店を開く予定の方の心に、少しでも引っかかってもらえると嬉しい。

■物件を決める前に地域の広告屋に相談を

都市Aでは年間100以上のお店がオープンし、年間100以上のお店が潰れている。人が年間に使うお金は限られているし、2015年以降消費するよりも貯蓄が増えているように感じる。新しくオープンするお店は、そんな限られたパイを既存のお店と奪い合うことになる。

そこで、オープンする前、いや物件を決める前に一度地域の広告屋に相談して欲しい。

なぜか。

まず、地域には鬼門と呼ばれる場所がある。鬼門は一見するとそんなに悪い条件ではないように感じることが多い。交通量も多く、店の前には駐車スペースもあり、駅からも500mも離れていないけれども、居酒屋がきても、ラーメン屋がきても、ネイルサロンやヘアサロンがきても、オープン後1年を待たず潰れてしまう。居抜きはもちろん、新しく店を建ててもダメ。店の雰囲気も悪くなく、店員の接客も悪くない。居酒屋であれば10年以上飲食経験があり、料理もまずくはない。それでも半年で潰れる。なんて場所が存在する。

僕のいた会社では、そんなところに店を出したクライアントから、広告掲載の依頼が来た際に「例の場所やけど、誰がいく?」みたいな、ちょっと重い感じで担当者を決めていた。広告を掲載してもらうのはすごく嬉しことだけれど、まず場所を聞いて重い気持ちになってしまう。だって不況に強いラーメン屋でもダメだったのだから。

そんな時はお店のためにできる限りのバックアップをする。

「もしかしたら、今回は大丈夫なのでは…」

そんな期待を鬼門という場所のウイークポイントが、軽く一蹴してしまうケースを何度か経験したことがある。

もちろん全国展開しているメガサイトに連絡をして、広告の打ち出し方を相談するのは間違いではないし、ネット社会なので必要になってくるのだけれど、地域の広告屋にしかわからないことがあるので、ぜひ一度相談して欲しい。

 

■広告はネット広告だけではない。紙やラジオ、折り込みチラシの活用を。

広告には集客と周知の目的がある。集客は、とりあえずニューオープンキャンペーンと名打ったクーポンを打てばいいだろう。それよりも、まずは周知の目的で、そこにどういうお店がオープンしたかというのを大々的に告知して欲しい。それは気分や目的に合わせて「ポンッ」と答えがでるような検索に特化したネット広告よりも、何気なく見ている中で「あれ、ここに新しいお店ができてる」とか「新メニュー登場してる」「周年キャンペーンしてる」と読者(利用者)に「提案」できる、紙やラジオ、折り込みチラシなどの広告の方が優れているように思う。若い人よりも、年配の人の方がお金を使ってくれるし、常連になる人は年配の方が多いと思う。そんな人はネットも使うが今だに紙やラジオ広告などから情報を得ている人も多いのだから。

 

これから新しくお店をオープンする人は、いくつかの物件で迷っているなら、一度地域の広告屋と連絡をとって地域の状況を聞いて欲しい。他府県から新規参入する場合は特に。場所というリスクだけでも取っ払っらえるかもしれないのだから。