アシスタント・プロフェッサー in アメリカ

2018年からアメリカでアシスタント・プロフェッサーとして働き始めました。主に研究経過を記録として残していこうと思います。

H1Bビザで6年目以降もアメリカで働く方法

オファーをもらったとはいえ、アメリカで合法に働くためにはUSCISアメリカ移民局)の許可が必要で、おそらく今回のタイミングが本当に一番転職、大学を移るのに適してない時期だったと思う。H1Bはすでに一度更新済みで、今年2024年の夏に6年が終わる。本来H1Bは6年が限度で、それ以上は更新できない。それ以上更新したかったら、アメリカ国外で一年間過ごして、再度申請しないといけないらしい。

 

ただ通常、大学にいたら大学側がH1Bの6年目が終わる前に永住権獲得へのプロセスをサポートしてくれることがほとんどで、現在の大学でも学部長(Dean)を含め話しあってきた。金額も一万ドル以上かかるので、それを大学側が負担してくれるのはありがたい話だった。ただ、なんといってもうちの大学の業務の遅いこと!!(数ある中の一つの不満)。そしてそれに加え、ある事情によりうちの学科が数年前に異なる学部に移ったこともあり(つまり学部長もかわる)、すべてのプロセスをやり直さないといけないと言わた。。。単なる言い訳かもしれないと思ったけど、もうどうしようもできない。そして2023年の秋ごろに、大学側からH1Bが切れる2024年8月までには永住権の申請はもう間に合わないから、O visaを進めると言われた。まさか、また非移民visaを申請しないといけないかと落胆する。

 

ただ、こちらも100%大学にビザのサポートを丸投げしていたわけではなく、2023年の夏(H1B6年目突入の年)に入った時点で大学側の永住権取得のプロセスに進展がなければ、これ以上大学を頼っていたらアメリカで働けなくなる可能性が高くなると思い、もう自腹で、2023年の9月に弁護士を雇い永住権取得に向けて動き始めた。アカデミア/研究者界隈では有名な弁護士事務所で、他のInternationalの先生に紹介してもらった。そして、永住権と言っても様々なカテゴリーがあり、EB2のNational Interest Waiver (NIW)というカテゴリーで申請することを勧められた。カテゴリーによっては、雇用主に書類を用意してもらう必要がある。ただ、ビザの更新に関して、もうすでにうちの大学への信頼は地に落ちかけていたので(業務も遅いし)、NIWという雇用主の有無とは無関係で進められるカテゴリーでいくと聞き、少しホッとする。大雑把に言うと、NIWは、私/私の研究はアメリカにとって有益ですよ!みたいなことをアピールするカテゴリーで、これから行う予定の研究の説明(もちろんどのようにアメリカに有益になるかに絡めて)や、これまでに出版した論文、引用回数、どのように論文が引用されたか、そして4通の推薦状を準備した。

 

ここの法律事務所はすべてオンライン上で書類の作成や準備が行われて、2023年10月から準備をはじめて、2024年の1月末ぐらいに全ての書類が完成した。なので丸々4ヶ月かかった。2月2日にUSCISが書類を受理し、2月14日にapproveされた!当時2500ドル(2024年2月26日から2805ドルに値上がりした)のpremium processingも使用したけど、本来は45営業日かかるはずだったので、かなり早くapproveされた。法律事務所の力なのかは分からないけど、書類の完成度にはかなり満足していたので、高いお金を払ってでも頼んだ甲斐はあったと思う。そして時期的に、丁度新しい大学からのオファーレターにサインをしようと思っていた時期で、少し気持ち的にも楽になった。ただ、正直なところ、この時点では私の楽観的な頭の中では、永住権を申請中だったらEADを申請可能で、それを使ってアメリカで働けるものと思い込んでおり、H1Bの更新が必要とは思っていなかった。。。(もしかすると、I140とI485を同時に提出していたらEADの申請も可能だったかも??)

 

今回approvedされたI140という書類は永住権獲得のための第一歩でしかなく、まだI485という永住権所得のためのステータスの変更書類を提出しないといけなかった。ただ、I140のカテゴリーや出身国にもよるけど、USCISバックログ(過去に提出された未審査の書類の山)が激しく、中国・インド出身者以外のEB2 NIWのカテゴリーだと、1年以上前にI140を提出した人たちのI485をようやく審査し始めた。ちなみにインド出身者だと10年以上のバックログがある(EB2 NIWだと)。なので、今の時点ではI485の書類はまだ出せないと言われた(バックログの日付がI140を提出した2024年2月になるまで待たないといけない)。この知らせを聞いて、青ざめる。そして、無料弁護士相談を行い、H1Bの6年以降の更新には例外も用意されていることを知る。その中に、I140がapproveされていたら、それを使ってH1Bを6年目以降も半永久的に更新できるみたいで、オファーをもらった大学にすぐに連絡をして、H1Bの更新のサポートをしてもらうことになった(この項目は直前にオファーレターに追加で入れてもらった)。

 

本当に綱渡り状態(I140が結果的に役に立ってやり過ごせた)で、2月はヒヤヒヤの連続だった。ただ、approveされたI-140を使ってH1Bを延長し、これで全て解決!というわけにはならず、、、今度はI-140を使ってどのようにH1Bを延長、そしてH1Bの雇用主をtransfer/変更するかの話し合いになりました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今更ながら、もし永住権を目指す方がいたら、大学院生の時からでも始めてもいいと思います(最低でも弁護士に相談するか)。特に論文をすでにだしたり、引用回数もあったら意外といけるかも知れません。

採用通知後の大学との交渉(給料、スタートアップ、その他)

 

大学が採用する旨を最初に知らせてくれたのは12月18日でした。面接に行ったのが12月11日(月)から13日(水)だったので、わずか数日後に知らせてくれた。そして、その後約2ヶ月間、大学側と下記のことを話し合いました。

  1. 給料
  2. スタートアップ・ファンド
  3. 授業免除・夏の給料
  4. 大学院生の給料
  5. 引っ越し費用
  6. オフィスとその他の部屋

 

ただ、これらの中にはすでに学部のポリシーで決定されており、交渉の余地のない項目もあった(夏の給料、院生の給料、引っ越し費用など)。主に交渉の余地があったのは、スタートアップ・ファンドと給料だった。

1.給料

給料の相場は調べると出てくるけど、それに加えてcost of livingを考えないといけない(https://money.cnn.com/calculator/pf/cost-of-living/index.html ; 就活する時よくこのサイトを使ってました)。例えば、同じ分野の知り合いが、ニューヨーク市にある名門私立大学からアシスタントプロフェッサーのポジションで10万ドルぐらい(注:うちらの分野では高額です。)のオファーをもらった。最初はそんなに!と驚いたけど、当たり前ながらニューヨーク市は生活費もかなり高い。なので、給料自体は高いかもしれないけど、生活する上ではおそらく厳しい額だと思う。で、その人は結局生活費があまり高くない地域にある大学(名門州立大学)で10万ドルより少し少ない給料のオファーをアクセプトした。だから、異なる都市で現在と同等の生活レベルで暮らしたい場合、他の都市ではどのくらいの給料が必要かを把握する必要がある。そして、州立大学の場合、大学で働いている人たちの給料は公表されたおり、同じ分野の教員たちがどのくらいもらっているかは事前におおよその見当はつく(ただ、出ないことや絶対に違うでしょみたいなものが出てくることもある)。あと私立大学も見つけるのは難しいかも。場合によっては、cost of livingが割と高めなのに、もらっている給料が少なかったり、逆にcost of livingが低いのに、給料が多いところもある(これが理想)。ただcost of livingばかり考えていくと、アメリカのど田舎に行ってしまうので、そのバランスは大切。。。このように、応募する前にある程度応募する大学を選別した。ちなみに、今回決まった大学がある地域のcost of livingはほぼほぼアメリカの平均と同じぐらいでした。

そして、最初に提示された給料から交渉をして、少しばかり多めの給料をもらうことに成功した。使った交渉としての材料として、1)すでにアシスタント・プロフェッサーとして6年間働いている、2)研究の業績(論文やグラント)、3)去年入った先生(PhD取ったばかり)の給料、などを引き合いに交渉しました。本当はもう少しあげたかったけど、学部長がうちらの分野ではこれくらいで十分でしょと学科長に言ったみたいで、学科長に交渉の材料がもっとないかと聞かれた。ただ、前回にも言った通り、本来なら他にもオファーをもらった大学などあれば、もっと強気に交渉できたと思う。

 

2.スタートアップ・ファンド

スタートアップ・ファンドが一番交渉の余地があった。というもの、研究をするうえで何が必要かは研究者次第なので、高い実験器具が必要であれば、それだけで多くもらえる可能性がある。ただ、うちらの社会科学系の分野では、それなりのパソコン、量的研究に必要な統計の分析プログラム、そして質的研究をするのであれば、そのためのプログラムや文字起こしのソフトなどあれば、ほとんどの研究はできる。今回はそれらに加えて、研究・統計ワークショップや学会に参加する費用、共同研究者に会いに行くための旅費、データを集めるプログラムやソフトの使用料、参加者への謝礼金、オフィス周りの機器、大学生・院生のためのパソコンなどを申請した。そして、自分好みのオフィスにするため、少々クォリティーの良い机やいす等も含めました。そして、ここの大学ではスタートアップ・ファンドは3年間使えるということで、使用・購入予定のリストを最初の3年間リストアップして(価格も含め)、提出した。そして大学側が価格が適正かどうかをすべて確かめ、交渉が進められた。95%ぐらいのものは認められたかな。変更が必要だったものは、購入せずともすでに大学で使用できるものがあったり、学科の特別価格で購入可能なものに対しては価格を低く見積もったりと、その程度だった。

 

3.授業免除・夏の給料

残りの項目に関しては、ほぼ交渉の余地はなかった。授業は最初の2年間はcourse reductionが一つあって、通常は2‐1なので、1‐1となった(秋に一つ、春に一つ教える)。うちらの分野では研究大学でも割と通常2‐2が多いので、ここの大学はそれよりも一つ少ない。しかも、学生が100人を超えるクラスを教えると2つ分にカウントされるという裏技もあるとか。。。

そして、夏の給料に関しては4ヶ月分出してもらえた。ほとんどの大学教員の年収は9ヶ月分の契約に対してなので、夏の3ヶ月は自力でグラントを確保するなり、夏に教えないと無給になる。ただ、着任直後の夏は、グラント獲得のために集中してほしいので(お金のためにサマークラスを教えるより)、夏の給料を大学側から出してもらえる。ということで、最初の2年間の夏は、2ヶ月分ずつ(計4ヶ月分)夏の給料をもらえることになった。それでも、夏の1ヶ月は無給の月はあるけど、グラントをとっても、フルに夏3ヶ月分の給料をカバーするのは稀なので、うちらの分野ではこれは割と普通、というか理想。

 

4.大学院生の給料

そして、当たり前だけど、院生は何かをする対価として給料が出る。例えば、クラスのインストラクターやTAとして働いたり、または学科から別の仕事を得られる場合もある(オフィスの事務作業を手伝うとか)。ただ、そうした場合、院生はすべての時間を指導教員との研究に使うことはできない。RAとしてのポジションはもちろんあるけど、それは指導教員のグラントからでる場合がほとんど。なので、グラントのない研究室は院生はいるけど、研究以外の他の仕事をしていることが多い。ただ、そうすると着任早々なかなか院生のサポートをフルに得られず、研究も思うように進まないかもしれない。ということで、2年と3年目(初年度は院生の面接にかかわっていないので着任当初は院生はいない)に、一人の院生をRAとして受け入れて、一年間給料を払うことができる。

 

5.引っ越し費用

引っ越しの費用もカバーしてくれます。たぶん、多くの大学で多かれ少なかれ、引っ越しの費用は出してくれると思う。ただ!今回は、それに加えて、事前に家を見たり決めたりするために現地に行く往復の旅費とホテル代+最終引っ越しで現地に行く片道の旅費とホテル代も出してくれるとのこと。これは聞いたことがなかったので、ビックリした。

ただ、現在のアメリカのmortgage rate(住宅ローンの金利)を考えると、最初は家は買わずにアパートに住むことにしたので、事前の家の下見のためには使わずに、家族が最終引っ越しのために移動するための費用に全てあてることにした。一応relocationとmovingの費用で合計これだけ出しますよと言われており、その内訳をどう使うかは自由。

引っ越しの距離は約1000マイル(1600キロぐらい)で、家のすべての荷物や家具+車2台の移動をお願いした。そして、私含め人間たちは飛行機で移動。引っ越しのためにかかるホテルやガソリン代なども出してくれるので、車で3泊ぐらいしながら移動してもいいかと思ったけど、やっぱり大変なので、飛行機移動に。

 

6.オフィスとその他の部屋

最後に、使うオフィスの部屋はもちろんのこと、研究室のミーティングを行う少し大きめの部屋や、データを集めるのに使う部屋の確保も話し合った。ただ、これは今年同じ学科に入ってくる教員のすべての希望を聞いたうえで決めるとのことで、正式な決定は今後ということになった。なので、この項目はオファーレターには含まれていない。アメリカは契約社会ということもあり、決定事項がオファーレターなどの書類に書かれている・含まれていることを確認することが大切。下手したら、契約時に書かれていないことは、なかったことになる可能性もある。なので、部屋が無事に手に入ることを祈ってます。。。

 

という感じで、交渉はかなり長い時間かかったけど、2月20日にようやくサインをしたオファーレターを大学に送って、転職活動は無事終わった、、、かのようですが、まだ大きな大きなアメリカのビザ(VISA)問題が。ちなみに、オファーレターの中にもビザサポートの項目を入れてもらいました。

 

2024年秋から大学を移ります

 

今年の秋から違う大学で働くことになりました!アメリカの大きな州立大学で、研究大学。現在いる大学とは環境や規模も異なり、求められることも大きく変わる。特に研究に関して求められることはかなり増えるけど、その分ティーチングは年間3クラスを教えるのみ(いわゆる1-2)。現在は年間6~7クラス教えているので、約半分!

 

現在の大学に対してはもちろん多少の不満はあったものの、先生同士の人間関係は良好だったし、今年の秋からはassociate professor/准教授に昇格することもほぼ決まってた(後は大学のシステムレベルの委員会、board of regentsで承認されるのみだった)。ただ、今年に入ってから立て続けに理不尽なことや不満も多くなり(何も言われずに着任当初から教えていたクラスを他の先生が教えることになったり、院生の質の低さに失望したり)、これはもう去る時期かと思うことも多くなってた。

ただ、PhDを取った直後みたいに、条件に当てはまる大学全てに応募するのではなく、個人的にいいと思う転職先(業務内容、大学の場所、給料とcost of livingのバランスなどを考慮して)にのみ応募した。なので、今年応募した大学は4つだけで、その内2つから現地面接に呼ばれました。ただ、今回決まった大学の方が早く面接があり、すでにオファーをもらっていて、条件もよかったので、もう一つの現地面接は辞退しました。ただ、給料の交渉材料として他の大学からオファーをもらっていたら有利になるので、後から考えたら現地面接にいけばよかったかも(もちろん、オファーをもらう保証はない)。ただ同時期に大きなグラントの応募が重なっていたので、面接よりそちらを優先。。ちなみに、他の2校は世界ランキング20位以内に入る有名な大学で、面接に呼ばれることもなく落ちました。

 

それでもまさかこんなメジャーな州立大学(どの全米州立大学ランキングでも10位以内に入ってる)からオファーをもらうとは思ってなかった。分野的にもアメリカのトップ5には入るプログラムで、最近入った先生たちと話すと、一人はここの大学と他に3校オファーをもらっていて、もう一人に至っては5校からオファーがあったらしい。ただこれはつまり、これだけ優秀な人たちが基準となっているので、自分も負けないようにテニュアを取れるように頑張らないといけない(残念ながらまたアシスタントプロフェッサーからのスタート)。そして、就活は運?縁?だなとつくづく感じました。

 

というのもFirst roundのZoom面接が終わって、最初の現地面接に呼んだ候補者には入っておらず、でももし何かあれば追加で呼ぶかもしれないからね~と言われてたので、運も確実にあった。後から聞いた話では、現地面接に呼んだ候補者たち(2人呼んだみたい)がいまいちだったらしく、学科レベルの判断で落とされたみたい。それで、追加で自分ともう一人の候補者が呼ばれたとか。

また大学側が望んでいた研究内容も、今うちらの分野でメインストリームな研究内容ではなく、他分野との共同研究が可能な、interdisciplinaryな研究をしている人を探していたらしく、それも偶然マッチした。

そして実は2年前にも仮?オファーをもらった大学(同じく大きな州立の研究大学)がありました。学科長にオファーを出すと言われて、Zoom で一対一で給料やスタートアップの額を話して決めた(ただほとんど交渉の余地はなかった)。そして、次の日までに返事が欲しいと言われた。ただ、こういう今すぐだとか1-2日以内に返事が欲しいという大学はちょっと変で、通常1〜2週間の考える期間をくれるみたい。で何があったかと言うと、面接中に聞かれてないというのもあったけど、ビザのサポートの話題を持ち出すと自体は急変。翌日学科長から不採用のメールが届いた。しかも、具体的な説明もなく、たった2文のみ!これは本当にショックな出来事で、これを機に、オファーレターをもらってサインをして、大学に送り返さない限り何も確定してないと心に刻み、今回の大学でも12月に学科長から電話でオファーをもらったけど、実際にオファーレターにサインをして送り返すまでは何も確定してないと自分に言い聞かせてました。でも、もし2年前に“仮”オファーをもらったむなくそ大学に決まっていたら、もちろん今回決まった大学にも行っていなかったので(そもそも就活自体やってなかった)、縁かなと思う。そして、給料面やスタートアップの額に関しては、今回決まった大学の方が断然よかった。ただ縁のなかった大学の件は2年前なので、インフレの影響で今より少し高くなってるだろうけど、スタートアップに関しては5倍ぐらい違った。まぁあくまで社会科学系の中では大きな金額。なので、結果的にすごく良かった。

 

そして、去年の12月に学科長から電話でオファーをもらってから、長い交渉が始まりました・・・。

 

2023年最初で最後の投稿?

久しぶりの投稿になりましたが、クビになったわけではなく、大学業務をこなしながら細々と研究もしてました。

実は2021年に論文を出して以来、共同研究の論文を2ヶ月前に出すまで一本も出版していなかった。。。その間グラントに力を入れてました、というのは言い訳に過ぎないけど、他のR1(研究大学)の研究者とちょこちょこグラントの申請書を作成してました。早く外部のグラント一本ぐらい取らないと!

2024年は生産性をあげるべく、このブログも利用しつつやっていきたいと思います。

大学教員の就労ビザ(H-1Bビザ)

アメリカの大学教員の就労ビザ(H-1B)は採用されれば、ほぼ間違いなくアメリカの移民局(USCIS)から発行され、アメリカで働くことができる。確かH-1Bは年間の発行できる上限を超えると抽選になる(また申請期限もあり、それを過ぎると来年まで待たないといけない?)はずだけど、アカデミアなどの特定の職種ではそのルールは適応されず、いつ申請してもよい。H-1Bには3年間の期限があり、通常一度限り更新することができるので、合計6年は大学から首にされない限り働くことができる(ただ永住権申請中だったら、6年以上働くことができるかも?)。

そして、最近(というか2021年からですが。。。)まさにその更新の真っ只中でした。基本的に就労ビザに必要な書類やお金はすべて大学が用意してくれるので心配ないけど、配偶者や子どもがいる場合、その書類は自分で用意しないといけないので、責任重大。そして配偶者などのビザ(H4)に関わるお金は自腹。そして、やっかいなことに丁度、更新の時期(2021年)にトランプ政権中に決めた、H4ビザでの更新時にはbiometrics(指紋などを取るプロセス)が必要というルールを、2021年6月中旬にバイデン政権がそれを廃止するみたいな情報が出て、ただ更新の書類を送ったのが2021年の5月下旬だったのでbiometricsの手数料込でチェックを送ったら、USCISからbiometricsのお金は必要ないから正しい金額のチェックを送りなおせときた。正直もうその時間がもったいないので(更新のプロセスが遅くなる)、そのお金はあげると思ったけど、そうもいかず、overnightの郵便で送りなおした。そして、その一週間後ぐらいに銀行口座からチェックの引き落としがあった。就労ビザの有効期限が2021年8月までだったので、かなりヒヤヒヤ。。

 

USCISのサイトから、ステータスを確認できるけど、結局ずっと受け取りました、という状態から変化はなかった。ただ仮にビザ更新の承認が遅れても、ビザが切れる前に大学側がUSCISに申請書類を送ったので、240日は働き続けることは可能とのこと(つまり2022年4月ぐらいまでは大丈夫)。ただ、これとは別の問題もあり、運転免許証の有効期限もこのH-1Bの期限に合わされているので、H-1Bが予定通り2021年8月までに承認されないと、免許証の期限(H-1Bと同じく2021年8月まで)が切れてしまう。

 

ただ、そんな祈りも通じず結局待つこと9ヶ月、今年の2月中旬にアクセプトされた。免許はどうしたかというと、一応ビザが切れてから240日間は合法で働けるということで、2022年の8月(そこはなぜか4月ではなく)まで更新できました。今回無事に更新されたH-1Bの期限は2024年8月までなので、次の免許更新では同じ時期ぐらいまで更新されるはず。一応余裕をもって(いや、すべてギリギリなのか?)更新できるはずなので、少し安心。もう車がないと生活できない。。

 

 

 

Faculty Search CommitteeのChairになって

二`、三ヶ月ぐらい前に学科長からSearch CommitteeのChairをして欲しいと頼まれ、内心めんどくさいなーと思いながらも、引き受けて最近採用する人が決まりました。その中でいくつか感じたことがあったので、紹介したいと思います。

 

今年4月にも、同じテーマでブログかいたので、今回はそれ以外の点で書いてみました。

aimhigh20190212.hatenablog.com

 

まず今回の応募はアシスタントまたはアソシエイト・プロフェッサーのポジションだったので、幅広い経歴を持っている人からの応募があった。来年PhDを取得する大学院生、すでに他の大学でアシスタント・プロフェッサーまたは、アソシエイト・プロフェッサーとして働いている人からの出願があった。今いる大学はティーチングもできないといけないので、まだ教える経験の浅い大学院生は少し不利になりがちだった(特に院生によってはまだ自分のクラスを持ったことがなかったりする(TAの経験のみ))。だから、もし将来R1の大学以外にも働きたいと思っている院生がいたら、自分のクラスを持てないか、学科に聞いてみたほうがいい。その経験があるだけで大分違う。

 

また、ここ数年重要視されてきたのが、Diversity, Equity, and Inclusion (DEI)。自分なりにどのようにDEIをティーチング、研究、またはサービズに取り入れているか説明できるようにしたほうがいい。大学によっては、DEIのstatementを提出させるところもあるみたい。うちはしなかったけど、面接では聞いた。

 

これは当たり前だけど、二次面接のteaching demonstrationやresearch presentation(いわゆるjob talk)は準備が大切。過去には、どこかの学会で発表したポスター数枚をそのまま使った人もいたけど、個人的にはもう少し準備してきてほしい。特にすべての面接はZoomで行ったので、ポスターを全画面表示されると、細かいところが見えない。なので、もう少し考えてから準備してほしい。院生の時から、こういった教授職の面接にくるアプリカントのteachingまたはresearchの発表を聞く機会はあると思うので、その時からどういったプレゼンが良い・悪いかを考えて、自分のプレゼンに取り入れたほうがいい。

 

最後に、事前調査も大切。特に、committee memberの人たちの研究テーマを把握しとけば、隙間の時間に研究の話ができる。一人のアプリカントが私の研究テーマを聞いてきたけど、大学のウェブサイトに載ってるし、んー、そこは調べといてもいいんじゃないと思った。しかも、このアプリカントとは少しテーマかぶってたし。。。もちろん、これが直接合否に直結するわけではないけど、印象がね。

 

と、今回のsearch committeeを通して感じた4つの点を書いてみました。大学教員の面接は長丁場で大変だと面接者を見て改めて感じました。。

高額なお買い物

研究者の高額の買い物といえばノートパソコン!今週、新しいノートパソコンを購入しました!MicrosoftSurface Laptop Studio。これまではvaio zをかれこれ6年ぐらい使って、おそらく7年目に突入してた?vaio zは割と軽いし、接続の拡張部分も充実していて、かなりいいパソコンでしたが、どうももっさり感がぬぐえなくなり、また画面を平らにする際(フリップタイプ)ねじが数本なくなったのか劣化したのかわからないけど、カバーがパカパカするようになって、良いタイミングかと思い、新しいノートパソコンを買いました。

 

正直Microsoftのパソコンは使ったことがなくて、不安だった。当初は今年の春にかなりいいタイミングで発売された新しいvaio zにしようかと考えたけど、タッチパネルがなかったので見送りました(まぁお値段的にも。。)。やっぱりタッチパネルは重宝する。授業が対面に戻りつつあるとはいえ、Zoomなどオンラインミーティングも学生の間で普及してて、その際にタッチパネルがあるとかなり助かる。

 

vaio zでは8GBのRAMで256GBのSSDを搭載してたものを使ってたけど、今回は奮発して32GBのRAMにした。16GBでも十分じゃないかと思ったけど、また5,6年使うことを考えて32GBにした。SSDは外付けのものを使ってるので、正直512GBでもいいと思ったけど、残念ながら32GBのRAMのパソコンは1TBか2TBの選択肢しかなかったので1TBのものにした。それに加えてSurface Slim Pen 2なるものや延長保証などを購入したら3500ドル(内250ドルぐらいは税金)ぐらいになった。。。汗

 

がんばって働きます!

 

f:id:aimhigh20190212:20211006080655j:image