うつ病の渦中にある人の語りには、大いに価値がある
というか、世の中にあればあるほどいい（私が読みたい）
と個人的には思っているのだが、
一方で、
「うつ病が治った」と自称する素人による語りの価値は
ゼロどころかマイナスであり、有害、最悪、唾棄すべき！と思っている。
これは、私自身がうつ病だった頃に
「うつ病が治った」と自称する人たちによる
うつ病体験マンガ 、エッセイ、ツイートetc.に散々苦しめられた経験から来ている。
たとえば精神科医など専門職の人たちが一般化して語る分には、
研究上必要なことでもあるだろうし、
患者にとって参考になる場合もあるかもしれない。
素人が語るにしても
「私はこんなことが苦しかったよ〜」みたいな記述は、まだいい。
うつ病が治ったと自称する素人の語りの中で、特に有害だと思うのは
「私はこんな思考に囚われていた」
「こんなふうに間違った考え方をしていた」
「自分はこれに気づけたことで世界が明るくなった！」
「いま苦しんでいる人も、こんなことを心がけてみては」
「私はこんなプロセスを踏んだことでウツを抜け出しました」
みたいな内容。
うつ病闘病中の人間がそんなコンテンツを目にしたところで
「なるほどね！」とはいかず、
「そうか、自分は何もかも間違っている、だからこうしてうつ病で苦しんでいるんだ」
と思わされるか、
せいぜい
「それができたら苦労しないよ」となるのが関の山だし
状況を打開するきっかけになるどころか、
治った人の人生ひらけた感と比較してしまうことによって
自身の状況の「にっちもさっちもいかなさ」を、
より強く突きつけられることになる。
さて、私は現在、
「うつ病が治ったと自称する素人」の状態にある。
なので、うつに関しては絶対に何も言うべきではないと考えており、
X(Twitter)では特に、そう心がけている。
