思い出の島

20代半ばの女性が綴る思い出と憧憬。時折、日常。

花火の話

花火大会に行ってきた。

花火大会というのは、一般的に他者と行くものであって、ひとりで行くものではない。

と、されているし、私もそう思っていたし、私自身、ひとりでは行っていない。


しかし、花火を観るという行為は、ごく個人的な行為である、ということを今回観に行って思った。

きれーとかすごーいとか、一応感想を口にはするものの、思っていることの大半を一緒にいる人と共有できているわけではなく、ごく個人的な行為をひとりではなく、他者もいる場で行っているだけ、という気がした。

それは、映画館に他者と行くことに近い気がする。


個人的な行為であっても、同じものを同じ場所で観るということが大切なのだろうとは思う。同じ時間を過ごすということは、他者と他者を近づけるから。

前略プロフィールが終わるということ

嗚呼、ひとつの時代が終わった。そう思った。


前略は、当時女子高生だった私たちだけが知っていて、私たちだけが使っていた文化だった。私たちよりもう少し年上の人たちは(ネット民だったはずの人たちも含めて)、知らない文化だった。私たちにとっては常識だったのに。

何問もある質問に答えてゆくと自己紹介ができるという、紙のプロフィール帳に書いていたもののネット版だった。
それを公開して共有して、クラスや部活のHPの自分の名前にプロフのリンクを貼った。
私は本名でやっていなかったが、本名でやっていた子もたくさんいたっけ。

掲示板もあった。
人によってはそれを使ってオンラインのお友だちをつくっていたっけ。

プロフィールをほとんど書かずに単なるリンク帳(ブログや掲示板……)として使ったりもした。

ほとんどの人にとってインターネット黒歴史のうちのひとつとはいえ、終わってしまうというのはとてもかなしい。ひとつの時代の終わり。私たちの女子高生時代の思い出の終わり。またひとつ、思い出が失われる。