An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

ハイシーズンスタート!!

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雨季が終わった。風が涼やかで陽射しがキラキラしている。心地が良いので人間も動物も少し柔らかい顔になって街全体が浮き立ったような雰囲気になってくる。

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そういえば、この日本には無い季節の変わり目の空気感を音にしていないな…と昨日空を見上げながら帰り道を歩いている最中に気づいた。新しい大きなテーマを見つけるのはとても嬉しいことだ。また前に向かって歩き出せる。

 

真夜中に目が覚める

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3時前に目が覚めた。寝ようとしたが無理だったので諦めて昨夜の録音を聞く。週末は土曜にランチに行っただけで2日間ギターを弾いて聞き直してアイデアを練って…といういつもの感じで過ごした。まとまりの良いセット(と言っても曲ではないので抽象的ですが…)を上げているのでお暇な方は是非。

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合間に映画を見て、現在ミュージシャン達がネットを使ってどんなふうに世界中に曲を拡散しているのか等々調べてみたがまだいまいちよくわからない。少しずつ勉強して今年中には手が付けられる程度に具体的な方法を把握したい。

マスタリングソフトを検索していたらその進化具合に驚いた。AIが状況判断してマスタリング作業をほぼ終えてしまうらしい。あとは微調整で終了である。十数年前までは録音、ミキシング、マスタリングを専門の方々がやっていたわけで、いろいろな仕事が無くなっていってるなぁと感慨深い。劇的に録音状況の変化した期間に10年以上のブランクがあるってのはかなりヤバイと少し焦っている。ただ、自分が努力すればできるってのはある意味助かる。前の作品を作る時は結局かなりの自費予算を使って作ったが、それでも全て思った通りにできたわけではなかった。自分でやるなら時間はかかっても思い通りにできる。てかまだ時間かかるのかい(笑)いつかはできるさ。

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俺はいつも通りまったりしているがバンコクはなんだか盛り上がってきている。テンション上げないとあきまへんな。今日もがんばっていってみよう ♪

 

新章開始

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今日はとても良い天気だ。陽射しは強いけど爽やかな風が吹いている。タイに旅行に来るには最高の季節が始まったようだ。食事を買いに出て近所を歩くと気持ちが良いので近所のみんなが日陰に座って思い思いの恰好でおしゃべりをしている。子供たちが騒いでいる横を犬や猫が人間と同じテンションで普通に路地を歩いてくる光景が好きだ。愛らしいので立ち止まって笑いながら眺めていると、すれ違う時に『なに?なんか用?』という顔で俺を見て歩き去っていく。彼等は毎日会う俺を見えないもののように扱う近所のミャンマー人達よりは生き物として認識している。

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買い物から帰って来て洗濯物をランドリーに放り込んで部屋に戻って英語の勉強でもするか…と映画を検索したらAfro Samurai という面白い作品を見つけた。サミュエル・L・ジャクソンがプロデュースと声優をしているそうだ。実写化の話もあるようで実現したら面白そうだ。日本の漫画は面白いが今の流れで行くと消えてしまうような気がする。インターネットは旧文化をすべて破壊しようとしているようだ。

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10月も終わりだ。タイに来ることになる理由であったプロジェクトは到着後数カ月で頓挫し、自分で仕事をさがして生き延びたがその後も結局何も起きず、5年経った2016年にこれ以上従うのは俺の人生における時間の無駄…ということでプロジェクトを終了しようという話の為に帰国したのが2年前の今頃。よく考えたらもっと早い決断で良かったが、日本を出るときに『退路を断って行け』という気合の入った言葉に従って仕事用の機材や音楽制作用の機材をほぼ処分して出て来たので、柄にもなく真面目に耐え忍んでしまった。この5年間で学んだことはただひとつ。自分の進む道は自分で決めるべきってことだ。当たり前だけど自分以外は言うだけで責任を持ってはくれない。信用して委ねた結果は時間と金と積み上げた実績を無にしただけだった。失敗するならば己の失敗で苦しむ方がまだ納得ができる。要するにハッキリ言って失敗だった。

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あれから2年経って最低ラインまで復帰した。あくまで最低限だが…今思えば一時はかなりヤバい精神状態になっていて危なかった。完全に病んでいた。ツアーの途中に丸一日時間が空いた時に今後の生活について考え出した自分に気づいて『あ、戻って来たのかも』と思った。ここからがやっと始まりになる。生き延びてどうやって展開していくかを考えられるようになったのはひとえに友人達のおかげだ。ここまでが酷い時間だったのか必要な時間だったのかはこれからの人生で判明するので、あまり振り返ることはせずに次のことを考えるのが良いだろう。サポートしてくれた皆さんの心意気に報いるにはとにかくまだまだ結果が足りないのである。

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止まっていた時間を動かすにはどこから始めればよいのか…なかなか難しい。


Wah Wah Watson Dies at 67

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写真の世界一クールなワウギタリスト Wah Wah Watson が亡くなった。俺はずっと我流でやっているが、それでもあきらかに影響を受けたギタリストが何人かいる。Wah Wah Watsonは演奏を必死になってコピーしたふたりのギタリストのうちのひとりだ。と言ってもコピーしたのはワウペダルの使い方についてでコードに関してはぜんぜん気にしてなかったが(笑)ちなみにもう一人は言わずと知れた Jimi Hendlix だ。ふたりともワウペダルとファズの組み合わせの特徴的な音色。おかげで俺のセットには必ずワウペダルとファズが組み込まれている。

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彼のインタビュー。だいぶおもろい人である。

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唯一のリーダーアルバム。スタジオミュージシャンである彼の名義のアルバムはこれしかないが、数々の名曲で特徴的なフレーズを演奏している。錚々たる面子のレコーディングで常にワックンワックン、彼曰く『馬鹿の一つ覚え』だがキレの良いキャッチーなフレーズと絶妙のタイミングは名人芸だ。

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最後にHead Huntersのライブ映像。最低限のコードとカッティングリフ以外は常に擬音しか発していないのにかっこいい。渋すぎる。

フラッシュバック

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日本にいる頃、多分10年ほど前だ。まだミナミの三角公園付近にあった Nu-Things で若い友人の主催したイベントに出た。お客さんがぜんぜんいないイベントでリハーサルみたいな感じだった(笑)お客さんがいない状況には慣れたもんだったが、時間が押しに押していて終電の時間が迫っていた。人がいないなんてのは関係なかったのできっちりテンション高く演奏を終えて、急いで機材を片づけようと335をギタースタンドに立てかけてアンプのスイッチを切った。すると、スタンドが壊れていたようで視界の片隅でギターがスローモーションで倒れ、床でバウンドした瞬間にネックがバッキリ折れているのが見えた。さんざんである。怒りのぶつけ所が無いし時間もないので完全にキレた状態でバックに機材を叩き込んでV字型にネックの折れた無残な愛機をギターバックに包んで帰ろうとすると、カウンターで飲んでいた気障なおっさんに呼び止められた。おっさんはまさにこの写真のポーズで『ん~君の音とても面白かった。でも君はこんなところに出てちゃだめだよ』と言った。俺は完全にキレていたし名前すら知らなかったけど小屋のオーナーだってことだけは聞いていたし、後輩の主催のイベントで怒鳴り散らして場を荒らしたくなかったので、『こんなとこってお前の小屋やろがい。お前の小屋の壊れたクソ機材のおかげで俺の大事なギターが折れたんじゃボケ』と怒鳴りつけたいのをなんとか飲み込んで、数秒睨みつけただけで一言も返さず無言で帰った。その後、日本を出てしまったので二度と会っていなかったが、前回帰国時に移転したNu-Thingsにはアクセスして弾かせてもらった。相変わらず独特の雰囲気でかっこいい小屋だったが、残念ながらそのおっさんはいなかった。

Nu Things FB Page>> https://www.facebook.com/groups/367809489955350/

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今日、阿木譲さんという方の訃報が先輩の記事でたくさん上がっているのを見てなんだか気になってネットで調べて写真を見たらまさにそのおっさんだった。今日初めて名前を知った。いろいろな意味で強烈な思い出だ。もう一度会って話してみたかったな。合掌。

今週末はゆったりしている

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さっき仕事が終わって今週の予定が全て終了した。長時間の予定が予想外に暇でさっさと終わってしまったので帰宅してこれからまたゆっくり酒でも飲みながらギターでも弾こうかって感じだ。10年以上前にゲーム機とテレビを捨てて以来、一番の趣味もギターを弾くことなので何も変わり映えしないのである。

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昨夜は久しぶりに自分の為にゆっくり演奏した。本当に自由にやるとこんな感じのとことん抽象的でカオスな音になる。これが一番美しいような気もするが、今は封印中。もう少し演奏の質が上がらないとステージやお店でこれは演れない。なんせ、どこに行くかわからないし着地できるかもわからない。過去に日本でさんざんやってきて、お客さんの『ぽか~ん』とした理解不能って感じの顔はもう見飽きた(笑)…とはいうものの、この前のツアーの少しテンションを落とした演奏よりもこれのほうが面白いような気もするのでよくわからない。このまま弾き続けていれば、いつの日か何を弾いてもOKってことにならないかな…と都合の良いことを考えて深く考えないようにしている。ループフェスティバルではノイズでもエクスペリメンタルでも好きにやってくれと言われているので、エグめのセットにするつもりだ。

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このイベントも好きにやって良いので楽しみだ。出演者も錚々たる顔ぶれでAcid Mother Templeだけでなくコーネリアスのメンバーも出演するようだ。専業アーティスト達より時間の無い俺は空いている時間はひたすら自分の技を磨いていくしかない。

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ハイシーズンが近づいて友人達は皆本業で慌ただしい。俺もソロに集中していくことになって、必然的にオフシーズンよりはいろいろと考えることになる。タイでの活動も5年目に入って色々見え出しているので根無し草の俺も少しずつ先のことを考える…といってもどうやって弾き続けるかってことなので根本的には解決していないがそれは仕方ない。要するに今であればソロ2作目のCDのことである。今夜も弾いていたが悪くない感じだった。少しずつ進んでいるこの状況でそのタイミングでどのように…ってなことを細かく書きだしたりしている。だいたいいつも予定通りにはいかないけどね…。

 

今の流れはこのイベントから始まった

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間も無く開催の LIVE LOOP ASIA BANGKOK 2018。インドネシア人ギタリストのRandolf Arriola の主催するコミュニティーのアジアのルーパー大集合って感じのイベントでタイのオーガナイザーはTommy。2年毎に世界各地で開催されているこのイベントのタイで初開催が2014年。バンコクを中心に活動している日本人レゲエシンガーU-key が、ループマシンを使わないのになぜか出演を依頼されたってことで『タキさん、なぜかループのイベントに誘われたんですけど、俺ループ使わないし意味わかんないんで一緒に出ませんか?』と声がかかった。

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バンコクに移住して2年間音楽活動休眠状態の後、活動再開したばかりだった俺は『面白そうだしやるやる』と喜んで受けた。2018年のネット上の告知記事を見ながら懐かしいな…と思って2014年の写真を見直してみたら、この日に俺の撮った写真には今一緒に演奏することの多い友人ばかりが映っていた。要するに演奏を見て気に入ったミュージシャンだけを撮ったわけだ(笑)わかりやすい。

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この時はとにかく Stylish Nonsense にぶっ飛ばされて、ライブの後で人見知りのJUNEさんにビールを持って行ってハイテンションで話しかけてがっつり引かれた思い出が(笑)とにかくまだバンコクのシーンについて何も知らなかったので、興味⇒即話しかけるって感じだった。

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Yui Celloもこの日が初見だった。緊張感があって良いステージだった。その後一緒に演奏するようになるとはこの時は微塵も思っていなかった。Yuiさんは演奏中は少女のように見えるので俺は勝手にとても若いミュージシャンだと思っていたが、その後イベントで共演したときに実年齢を聞いて『マジで!?そうか…妖怪やったんか…』となった。パワーのある女性アーティストはステージで化ける。ダンサーにも良くある話だ。ステージを降りてから見ると、その差にビックリしたりすることは多い(笑)

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そしてGOLFさんのバンド。この前12×12でセッションしたメンバーが写真の中に揃っていてビックリした。おおっ!?みんなこの日に既に会ってたんだ…って感じだ。若手ミュージシャン達の師匠、アーティスト/サウンドクリエイターの J.D にも会ったし、映像作家のMadhatterにも会ったな…皆それぞれ独自の活動をしていてクールな連中だ。その後ステージを振ってもらったりこちらから誘ってセッションをオーガナイズしたりツアーに出たりと4年間ずっと付き合いが続いているわけで、ひょんなことからイベントに誘ってくれた U-key にも感謝しかない。

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11月は第1週が12×12の周年にこのイベント。慌ただしく過ぎていくだろう。12月は久しぶりにナコンパトムに出張って演奏する予定。