アパレル販売員という職業の終わり。コロナウイルスで倒産・閉店ラッシュが始まる業界事情
コロナウイルスで変わっていく私たちの生活とアパレル販売員の仕事
元アパレル販売員の目線から業界の話や転職情報などをお伝えしている当ブログですが、私自身、仕事やプライベートが忙しく、めっきり更新をサボっていました。確認したら2年近くほぼ何も書いてなかった!
今回は、どうしても書きたいことができたので久しぶりにブログの作成画面を開いたのでした。
まずは、コロナウイルスの被害により亡くなられた全世界のみなさんに謹んでお悔みを申し上げますとともに、今もなお困難な状況にいる皆さんの一刻も早い回復を、心より祈っております。
これを書いている現在は2020年4月19日。コロナウイルスの被害拡大にともない、政府から緊急事態宣言が出されてから2週間弱が過ぎました。
(2020.05.07追記)
緊急事態宣言の延長が決定し、飲食業界などでも閉店を決めるお店が激増しているとニュースなどでも報じられています。依然、アパレル販売員にとっても厳しい状況が続くことが予測されます。
街を埋め尽くしていた外国人観光客はゼロになり、宣言の対象地域は全都道府県に拡大され、「#STAYHOME」が声高に叫ばれる昨今ですが、どこにいっても街はひっそりとしていますね。
行動変容という言葉をよく聞くようになりましたが、もともと衛生意識・防疫意識がそこまで高くない私(笑)ですら、ここ1ヶ月ほどは極力、家族以外の人と会わず、電車にも乗らず、テレワークを徹底。といった生活をしています。様々な不安やストレスを抱えながらも、子供の顔を見れば、今私たちの行動でこの子たちを守らないといけないのだと気を引き締めている次第です。
最近はZOOMなどを使ってオンライン飲み会をするのが流行っていますが、私がかつて勤めていた某SPAアパレルブランドの元同僚とZOOM飲みしてたわけです。で、そこで、イヤな話を聞いちゃいました。というか、アパレル業界に対して薄々そうなるとは思ってたことの確認になってしまいました。
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子育て・育児と仕事の両立。転職なしで働き続けられている環境に感謝
絶賛子育て中の筆者
アパレル販売員の方や転職を考える方向けの情報をお届けしている当ブログですが、かなり久しぶりの更新となりました。
ブログ上では特に報告などはしていませんでしたが、今年の前半に妻が第一子を出産し、パパ業をやっていました 笑
ということで、今年はサイトの更新ペースも落ち気味でしたが、家族ともども元気にやっています。
今日は、妻の妊娠・出産を経て、子育てをやっているイチ父親の視点から、「育児と仕事を両立させるのってこんな感じだよー」っていうあたりをお話できたらなと思います。
共働きで子育てをする我が家夫婦
まずは、妻が妊娠してからの、夫婦のお仕事と子育ての状況をざっと振り返ります。
妻は去年に妊娠してからも仕事を続け、出産予定日の少し前(法律で決まっている"出産予定日の6週間前")まで働いていました。まず、この点については妻に感謝してもしきれません。つわりなどはそれほどひどくなかったとはいえ、日に日に大きくなっていくお腹を抱えて満員電車に乗って出社するのはさぞしんどかっただろうと思います。
私も定番の「3kgの赤ちゃんがお腹にいるシミュレーションを旦那さんもしてみよう」的なやつは、プレママイベントみたいなのに行ったときにやりました 笑 が、あれは大変です。
で、そこから産休に入り、予定日を1週間ほどすぎて無事出産。さいわい、私が出社する直前に産気づいたため、当日は私も会社を休み、付き添いました。
そこから陣痛がくるまで半日、実際に産まれるまで半日(出産の痛みは見ているだけでもツライぐらいでした。耐えた妻、えらい)を経て、母子ともに健康に我が子が産まれました。
その後、保育園の待機児童問題も叫ばれる昨今ということもあり、妻は育休を8ヶ月ほどで切り上げて職場復帰し、今に至ります。
転職して今の仕事だからこそ家事や子育てと両立できている
私はその間も、お仕事はしていましたが、もともと会社がフレックスタイムで出社時間が自由なことや、状況に応じてリモートワーク(自宅勤務)が可能ということもあり、妊娠〜出産〜子育て(現在)に到るまで、ちょこちょこと家庭の都合に合わせて柔軟な働き方をしていました。
例としては
- 妻を妊婦健診のために産婦人科に送り迎えしてから午後に出社
- 妻の体調が芳しくないときに夕飯を作るために早めに退勤
- 保育園の見学回りのために有給をとる
- 子供が風邪をひいたときにリモートワーク
などなど。
特に、妻が職場復帰して子供を保育園に行かせるようになった最近は、子供が風邪をもらってくるケースも増え、私か妻が会社を休まないといけないことが増えました。
そんなときに、より自宅で仕事がしやすい私の方が何かと重宝がられる 笑 傾向にはあります(いくら会社がリモートワークOKっていっても、子供が起きてるときは作業できないですが)。
これが家庭によっては、共働きであってもママに一方的に負担がのしかかっていたかもしれません。が、我が家は今風な夫婦(!?)なので、仕事も家事も育児も半々です。
私と妻で週の半分ずつ食卓に立ち、保育園の送りは私で迎えは妻。子供にミルク(完ミです)や離乳食を作ってあげるのも半々。掃除と洗い物は私で洗濯は妻。なので、こちらもほぼ半々でしょう。ついでに言えば、仕事の収入もほぼ半々です 笑
で、何もイクメン自慢がしたいわけではありません(というか、私はこのやり方しかしたことがないし、同僚なども似た感じなので、それが当たり前と感じています)。
こうやって、自分や妻の状況を考えると、アパレルの仕事をしていたときはこれはできなかっただろうな、とつくづく感じる、というのが今回のお話の主旨でした。
当時のお話や転職した経緯みたいなところアパレルから転職した理由という記事で書きましたが、接客業・サービス業などのB to Cの仕事をやっていると、なかなかこうはいかないですよね。
店舗でシフト制で働く以上、自分が休んでしまうと誰かが代わりに出勤しないとお店が回りません。その点、今の仕事(Web系広告代理店のディレクター・マーケター)は、例えば1週間とか1ヶ月とかのスパンで自分の抱えた仕事をどんなスケジューリングで終わらせるかはある程度任せられているので、今日は短めに切り上げて、その分明日は少し残業して終わらせる、などが自由です。もちろん、対企業の仕事をしているので、先方の都合などによって仕事の期限はありますが、幸い、いいクライアントに恵まれて、IT業界特有のデスマーチはありません。
また、職場にも似た環境のスタッフが男女ともにおり、理解も得られています。ほんとに、今の職場に転職してよかったなとしみじみ思ったりするのでした。
家事・子育ての偏りが起こるのは仕事選びも大きく影響している
これは共働きであろうが、奥さんが専業主婦であろうがですが「家事や子育ての負担が奥さんに偏りすぎている」みたいな話は、色々なところで聞きます。
で、よく「旦那さんの家事・子育てへの参加意識の問題」みたいに言われることも多いじゃないですか? いや、それも確かにあると思うんですけど、会社の仕事量が明らかに旦那さんの方が多くて、かつ稼ぎにも差があるのであれば、それはある程度仕方がないかなとも思うんです。
お金だけの話じゃないけど、「家事・育児には参加できないけど家族を食べさせるためにバリバリ働いて稼いでいる」っていうのであれば、筋は通ってると思います。これは私が家事・子育てをやっているから言えるんですが、確かに子育てって大変だけど、お金を稼ぐのも同じぐらい大変なので。
でも、これが「奥さんも同じぐらい仕事してるし稼いでるのに旦那さんは家事育児をまったくしない」っていったら、そりゃダメです。奥さんの方が明らかに稼働時間が長いってことになるので。それは本当に参加意識の問題です。
お腹を痛めたから母親の方が愛情が深くて〜とか詭弁以外の何者でもないからね。だって、父親からみても子供めっちゃかわいいし。オムツ変えたげるのも、お風呂入れたげるのも楽しいじゃんね。愛情注いであげたら、子供はパパにもいっぱい甘えてくれるものです。
閑話休題
まあ、つまり家のことをやるにも、仕事に追われまくってたらできないよっていうお話です。
共働きで奥さんも同じぐらい稼いでるのに、家事や子育ての配分が奥さんに偏ってしまっている旦那さんは、仕事選びを少し考えませんか?
これだけ売り手市場で、自分に合った職場が見つけやすい時代なので、転職することは何もハードルが高いことじゃないですし、難しいことじゃないです。仕事と子育てを両立できる職場はいいものですよ。
本日はこのあたりで。
アパレルのアウトレット店舗スタッフのお仕事。レギュラー店との違いを解説。
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
アウトレットモールのアパレル販売員の仕事をあなたは知っているか?
アパレル販売員として働いていると、色々な店舗への異動はつきものですが、レギュラー店舗ではなくアウトレットで働いたことがあるスタッフって意外と少ないです。
私は某SPAで働いていたときにアウトレットのスタッフを経験したことがあります。
同じアパレル販売員の仕事でも、レギュラーとアウトレットでは少し違いがあって、今回はそのあたりをご説明できればと思います。
まずは、そもそもアウトレットで売っているアイテムってなんぞ?というあたりから解説していきます。
アウトレットモールで扱われるアイテムの種類
これ、意外とアパレル販売員の仕事をしていても知らない人が多いですが、アウトレットで扱っているアイテムって、どんな感じで決まっているか知っていますか?
大きくは2パターンあります。
1.レギュラー店舗の売れ残りパターン
一般的なアウトレットのイメージといえばこれですよね。
例えば7月にレギュラー店舗で夏セールが行われるとすれば、セール開始前の時点で在庫数を多く抱えている、いわゆる売れ残りは、オフ率を高めに設定するなどして、在庫消化を進めようと本社が動きます。
で、まあ大抵その手の商品っていうのは50%OFFにしようが、まだまだ売れ残ってしまうもので「いかん、これはレギュラーだけじゃ捌けん」となってアウトレット送りに。
アウトレットモールのセール開始が通常のショッピングモールよりも遅いのもそのためで、アウトレット店舗の在庫はレギュラーの売れ方に左右されるのです。
なので、基本的にはアウトレット店舗に置いているアイテムっていうのは「レギュラーで人気のなかった商品」が中心になるのは間違いありません。
ただ、ファッショニスタ的にわかっておかないといけないのは、人気がない=ダサいとは少し違っているという点。
セレクトショップでありがちなのは、本当におしゃれな人しか知らない新興のハイブランドなどは、認知度が低いがために、モノの良さと売上が比例しなかったりするものです。なので、アウトレットってアイテムの目利きができる人が掘り出し物を探しにいく方がいいお買い物ができたりします。
アウトレットのオフ率がレギュラーと変わらない場合も多い
アウトレット店舗に来店するお客様の中には、普段レギュラー店舗では買い物をしない人が多いです。つまり「安く買い物したいからアウトレットしか行きません」っていう層です。
これを逆手にとって、というわけではありませんが、例えば定価3万円のアウターがレギュラー店舗では50%OFFの1.5万円で売られていて、アウトレットに移っても据え置き1.5万円で売られていたりします。というか、ほとんどこのパターンです。少し夢を壊すような話ですが。
お客様はレギュラーでいくらで売られているか知らないので、買っちゃうんですよね 笑
今はスマホでECのオフ率をすぐに見れるので、家に帰って調べたら、同じものがZOZOで普通に同じ値段なのを発見してしまったりっていうこともあり得ます。そこまでする人はそんなにいないですが。
人間の心理って不思議なもので、同じアイテムと同じ値段で販売していても、レギュラー店舗で見るのとアウトレットで見るのとでは与える印象が違うのですね。つまり、「アウトレットだからこれはかなり安くなってるに違いない」と思ってしまうんです。
あとは、アウトレットモールって郊外にあることが多いため、お客様の「せっかく時間をかけて来店したし何か買って帰らないともったいない」的な心理も重なるのかもしれません。
とにかく、アウトレットモールのお客様は購買意欲が高いです。
2.最初からアウトレット用に作っている安価商品
アウトレットに置いてるアイテムのもう一つのパターンが、これ。
本社が戦略的に「レギュラー用のアイテム」「アウトレット用のアイテム」っていうのを最初から分けて作っているパターンです。
特に、セール期以外の時期にはアウトレット店舗に置くアイテムが少なくなったりするので、アウトレットと謳いながら普段はこの手のアイテム中心に販売しているブランドも多いですね。
もはや、本来のアウトレットっていう言葉の意味からは外れているような気もしますが。
アウトレットでのアパレル販売員の仕事
最初に少し書きましたが、レギュラー店舗とアウトレット店舗では、同じアパレルスタッフの仕事でも少し異なる部分があります。
アウトレットでのアパレル販売員は接客が楽!
基本的にアパレルのアウトレットは薄利多売です。とにかく安いものを数売ってなんぼ。
なので、接客でがんがん客単価を積み上げていくよりも、ショートの接客でぽん、ぽんと決めていくのが求められます。
幸い、お客様の購買意欲は異常に高いので 笑 接客自体はレギュラー店舗よりも明らかに楽です。
ただ、端的に要所を掴んだ接客をするためのスピード感には最初は慣れが必要かも。じっくりお話をして一客に時間を掛けるタイプの接客が得意なスタッフにとっては少しストレスかもしれません。
VMDやストック関連の重要度がレギュラーのアパレル店舗よりも高い
接客の話とも少し関連しますが、アウトレットでは「いかにフロアを綺麗に保つか」「ストック欠けがない状態で買い物してもらうか」が売上をとっていくために必須です。もちろん、レギュラー店舗でも重要ではありますが、接客でフォローしにくい分、無人の接客=VMDが大切になってきます。
私が某SPAのアウトレットの店舗で働いていたときも、ただでさえお畳み&ストックマシーンになりがちなSPAのフロア作業にさらに輪をかけて、という感じでしたね。
なので、今レギュラーでストックをガンガンやってるよって感じのスタッフはアウトレットで活躍しやすいです。
アウトレットの閑散期の暇さは異常
セール期以外の平日とかにアウトレットに買い物に行ったことがある人はお判りかと思いますが、スタッフはめっっちゃ暇です 笑
いや、もしかしたら平日でも人気のブランドもあるかもしれませんが、私が見た限りどこも暇。
レギュラーでも閑散期は暇でセール期に近づくにつれて忙しくなっていくものではありますが、その振れ幅がさらに大きいのがアウトレット。
自然の多い郊外に店舗があったりもするので、なんなら、閑散期は自然の中でのんびり田舎暮らししてるだけじゃないかっていう感じの日もあります 笑
まあ、暇すぎる仕事もどうかという意見もあろうかと思いますが、忙しすぎるよりはずっといいのは間違いなし。アウトレットに勤めていると、比較的ワークライフバランスは取りやすいです。
憧れているブランドに入社する取っ掛かりとしてアウトレットを活用するのもあり
ちょっと裏技的ですが、人気のセレクトとかハイブランドの場合は、レギュラー店舗での採用枠が埋まっていることが多いですが、アウトレットなら入りやすい。っていうのもあります。
アウトレットでキャリアを積んで、そこからレギュラーにステップアップするっていうのは充分可能(上司の○○さんは元アウトレットだよーなんて会話はどこのブランドでもよくある)なので、ずっと入りたかったブランドがあるなら、まずはアウトレットからキャリアをスタートするのもおすすめです。
アウトレットでアパレル販売員のキャリアを積む道もおすすめ
ということで、今回はアウトレットモールの中にあるアパレル店舗の仕事についてご説明しました。
セール時期は戦場のようになるアウトレットのお仕事ですが、基本的には一年を通せば結構のんびりしています。かといって、給料は同じブランドのレギュラー店舗と変わらないので、立地的に問題なければぜひオススメしたいところです。
なお、アウトレットに関しては本社での採用+人材会社からの採用を並行して行なっている場合が多いです。私が働いていた2社(セレクトとSPA)ではリクナビとかのサイトよりも、スタッフブリッジ経由で面接するスタッフがほとんどでした。なぜか業界的にはアウトレットの採用=スタッフブリッジな感じで、アウトレットで働くならぜひ利用したいところです。
もちろん、公式サイトなどで募集している場合もあるので、合わせてチェックしてみてください。
pickss(ピックス)感想。店舗と通販の欠点を補う良アプリ!【届いたアイテム写真あり】
エアークローゼットの派生アプリ:pickss(ピックス)誕生
以前、我が家の妻がエアークローゼットを頻繁に利用しているという記事を書きましたが、最近はエアークローゼットの姉妹サービスであるPickss(ピックス)を利用し始めたので、本人の感想と合わせてレポートします。
pickssサービス概要
まずは、pickssがどんなサービスでエアークローゼットとどう違うのか、を最初にざっくり説明すると…。
- pickssはプロスタイリストが選んだ洋服を購入するサービス。
- 自分の好み、体型、着用シーンなどに合わせて選んでくれる。
- 届くアイテムはすべて新品。
- 到着後の試着期間が2日間。
- 一回のスタイリング料金2800円(税抜)で、5点のアイテムが届く。
- 届いた5点の内、1点でも購入すれば上記スタイリング料金は無料に。
- スマホ・タブレットのアプリ(無料)でのみ利用可能。
pickssがエアークローゼットと大きく違うのは、エアクロがファッションレンタルサービスであることに対して、pickssは洋服を購入するためのサービスであること。
スタイリング料金2800円は、1点でも購入すれば無料なので、「最低でも1点は買う」っていうのはほぼマストですね(あとで書きますが、好みから大外れするアイテムばかり届くことはまず無いので大丈夫です)。
運営会社
株式会社エアークローゼット
設立
2014年7月(サービス開始:2017年10月)
対象者
女性(男性用・子供用の扱いはなし)
サービス開始後、利用者が殺到しすぎて完売を繰り返しているpickss
pickssがリリースされたのは2017年10月でしたが、人気セレクトショップのユナイテッドアローズが参画することが発表されたことで、リリース前から一気に話題になり、サービス開始後1ヶ月ほどで、用意していたアイテムが全て完売したそうです。
エアークローゼット社の最新事業『pickss』は、国内初の“選ばないお買い物”スタイルとして2017年10月にリリース。
『UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)』を独占参画ブランドに迎えた第一弾の販売では、1ヶ月でオーダーの受付枠が完売しました。
翌月11月には、参画ブランド数を16ブランドに拡大し第二弾の販売を再開するも、1ヶ月半で完売。プレスリリースより
あともう一つの驚きが、サービス開始後半年時点での利用者アンケートでは100%のユーザーが「もう一度利用したい」と答えたとか。これもプレスリリースに掲載された公式情報なので、本当なんです。100%て、どんだけ好評なんだ…。
これまでにサービスをご利用いただいたお客様へのアンケートでは回答者全員が「サービスをまた利用したい」と回答しており、リピート需要の高さを確信しています。
プレスリリースより
pickssの取り扱いブランドは無名ブランドなしの本気ラインナップ
pickssの利用を検討している人が最も興味があるであろう参加ブランドについてですが、なかなか良いんですよ。
エアークローゼットだと、届いた3点がすべて無名ブランドだった、みたいなことも割とあって、「デザインは好きだけど、できたら有名なブランドがいいなー」と思うこともしばしばで。
pickssは参加ブランドがまだ少ないながらも、なかなかいい感じのラインナップです。すべてを紹介すると長くなってしまうので、主要なブランドをざっと紹介します。
株式会社ユナイテッドアローズ
- UNITED ARROWS/ユナイテッドアローズ
- Another Edition/アナザーエディション
- Jewel Changes/ジュエルチェンジズ
ジュングループ
- ADAM ET ROPE’/アダムエロペ
- ROPE'/ロペ
- ROPE' mademoiselle/ロペマドモアゼル
株式会社フランドル
- ef-de/エフデ
- INED/イネド
- 7-ID concept./セブンアイディ コンセプト
株式会社ビームス
- CAROLINA GLASER/カロリナ グレイサー
株式会社アバハウスインターナショナル
- abahouse Devinette/アバハウス ドゥヴィネット
- Rouge vif la cle/ルージュ ヴィフ ラクレ
- qualite/カリテ
株式会社三陽商会
- E EPOCA THE SHOP/イー エポカ ザ ショップ
- LE JOUR/ル ジュール
その他
- nano・universe/ナノ ユニバース
- DOUBLE STANDARD CLOTHING/ダブル スタンダード クロージング
など。
どうでしょうか?
ユナイテッドアローズやアダムエロペなどの大手セレクトショップを中心にした、かなり本気のラインナップですよね。
アパレル業界に身を置く私としては、例えば、同じユナイテッドアローズ系列でも、ファミリー層向けのグリーンレーベル、コーエン。カジュアル寄りのビューティー&ユースが入っていないあたりが、「分かってる」ラインナップだなと感じます。
イメージ的には、ファッション感度高めの「できる女性」「感じのいいおしゃれをするママ」にぴったりなラインナップと言えるでしょう(雑誌でいうとCLASSY、VERY、BAILAあたりを読んでいる層ですね)。
おしゃれレベルの平均値が50としたときに、エアークローゼットで届くのは55〜65のライン。pickssで届くのは65〜75ていう印象です。
サービス運営側からしたら、月額制のエアークローゼットに比べて、お客さんが「買いたい」と思うブランドや商品を用意しないと商売が成立しないわけで、<地雷アイテム率>が、エアクロよりも圧倒的に低いです。
pickssを利用すべきは「通販の服選びで失敗しがちだけどお店に行く暇がない女性」
先ほどご説明したように、pickssはファッションレンタルではなく購入を前提としたサービスです。
で、どんな人が利用するとメリットを感じやすいか?というあたりを説明しましょう。
例えば、あなたが女子会に着て行く用のワンピースが欲しいとします。でも、こんなことありませんか?
- 普段は仕事や育児で忙しくて、ゆっくり買い物をする時間がない。
- 通販で買いたいけど楽天のショップやファストファッションだとさすがに安っぽい…。
- ZOZOとかマガシークで服を選びたいけど、「ワンピース」で検索しても商品数が多すぎてどれを選べばいいのか分からない。
- でも、それなり以上のおしゃれはしたい。
- サイズが合わないときに返品に送料が掛かるのがイヤ。
一般的な通販サイトってスマホですべて完結して便利なんだけど、「ここのブランドで買いたい」「このアイテムのサイズ感は分かってる」っていう、あくまで目的買い向きなんですよね。
一方リアルの店舗には販売員がいるので、相談しながらお洋服を買えるんだけど、仕事や育児をしていると、お店に出向く手間が掛かりますし、接客されるのが面倒と感じることも(元販売員の私がいうのもなんですが 笑)。
ちなみに、これは妻の的を射た感想だと思ったのですが、pickssって通販とリアルのいいところどりなんですよね。
ネット上ですべて完結する手軽さがあるんだけど、自分の好みを熟知してくれている販売員(しかも趣味のいい販売員)が、ストライクゾーン内の商品の中から「これどうですか?」っておすすめしてくれる。しかも試着もできるっていう。
まあ、単純に楽だし便利ですよね。
結論:pickssが向いているのはこんな人だ!
- リアル店舗に行く時間がない。
- リアル店舗で接客されるのがイヤ。
- 通販のアイテム選びに自信がない。
- て言うかそもそも何買っていいか分からない。
- それなり以上のおしゃれがしたい。
- 通販で買ったのが、あとからイケてないブランドだと知ってショックを受けたことがある 笑
pickssは自分の好みを根掘り葉掘り聞いてくれるから失敗が少ない
pickssでは、登録時に自分の体型や使用シーンに加えて、スタイリングサンプルの写真を選択して好みのファッションを登録することができます。
また、最初に登録するカルテでは、自分の体型や好みをかなり事細かに登録(項目数は多いけど、さくさくっとタップしていくだけなので楽です)していくので、サイズ感の合わないアイテムが送られてくる確率はかなり低いです。
以下、実際の登録画面のスクショをご覧ください。
こうやって自分のことを丁寧にヒアリングしてくれることで、スタイリストさんは「この人はこんな感じの服が好みだな」と理解してアイテム選びをしてくれるわけですね。
他にも「選んで欲しくない色 」「職場でNGな服装(Tシャツ、スニーカー、膝上スカートなどなど沢山の選択肢があります)」など、かゆいところに手が届く質問項目があり、パーソナルスタイルング感が非常に強い内容になっています。
また、My closetという機能では、自分の持っている洋服をスマホカメラで撮影して登録すれば、手持ちアイテムと合わせたスタイリングをしてくれます。
これら、カルテの機能がpickssの一番キモになる部分なので、一回カルテの登録だけでも試してみるのをオススメします(商品の発送を確定しなければ、カルテ登録までは無料でできます)。
pickssで我が家に届いたアイテムを公開!
それでは、気になるpickssで届くアイテムを、我が家に届いたアイテムの写真とともに紹介します。
今回の妻のリクエストとしては、
- プライベート用のきれい目カジュアル
- 赤やオレンジなどの暖色系はNG
- いつもと違うファッションはしたくない(普段の好み通りのテイスト希望)
といった感じです。また、最初のカルテ登録の時点で
- ワイド目のシルエットが好き
- モノトーンが中心
- 膝を見せたくない
というのは伝達済み。
では、先に、ボックスなどの梱包や同梱物から見ていきましょう。
実際に届いたアイテムを見ていきましょう!
アイテム1:ef-deのTシャツ
まず、フランドルが運営するef-deのTシャツです。
妻がモノトーン+グリーン・ブルーの配色が好きなことは、すでにスタイリストさん側は分かっているので、ぴったりなチョイスでした。
プライベート用のきれい目Tシャツとして、あまり気張りすぎずに上品に見せられるので欲しいなー、と現在妻が悩んでおります。
アイテム2:ADAM ET ROPEのブラウス
アダムエロペが来ました!
デザインは割ときれい目なブラウスだけど、ゆるめのシルエット&袖フレアと、リラックスした雰囲気だから、普段着で使いやすそうです。
妻的にはアダムは元々、何度か利用したことがあるブランドで、かつデザイン的にも好みに合うものだったので、購入確定。女子会的なものに着ていこうかなとのこと。
アイテム3:7-IDのカットソー
こちらもフランドル系列のブランド、7-IDのアイテム。
今回届いた中では、一番ベーシックなアイテムで使いやすそうなんですが、妻的には「トップスは半袖だけでいいって言っときゃよかったな」とのことで、しっかりと自分のニーズを伝える必要性を実感したらしいです 笑
アイテム4:INEDの7分丈ワイドパンツ
今回はやけにフランドル率が高いです 笑
INEDは妻も好きなブランドで、かつ7分のワイドパンツが欲しかったので、こちらも購入するかどうか、今リアルタイムで迷い中です。
リネン(麻)なので真夏もずっと履けるしなー、でも18,000円だったら他のブランドでもありそうだけど、でもまとめ買いしたら割引になるしなどと独り言をつぶやいています 笑
アイテム5:DEICYのロングスカート
ちょっと写真が白飛びしてしまいました…。
少しハリのあるタイプライター生地なんですけど、カッティングが凝ってて、シルエットがすごく良いです。
スカート自体にボリュームはあるんだけど、裾は広がりすぎなくて、歩いたときの裾の揺れ方がいいです!(妻は掲載NGなのでコーデ写真は載せられませんが 笑)。
これデザイン的にはかなり好きなんだけど、DEICYがブランド的に私にどうかなーと、これも悩み中です。
届いた感想:やっぱり届くアイテムは間違いない!どれを買うべきか迷う
実際に届いたアイテム写真をご紹介しましたが、やっぱりブランドのラインナップ的にもデザインや品質的にも、ファッション感度がエアクロよりも高いんですよね。
また、すでに何度か利用して、妻の好みをスタイリストさんに共有できているので、外れアイテムはほぼ届かないです。
だからこそ、まとめ買いの割引を含めて、どれを買うべきかっていう嬉しい悩みが出てきてしまいます。
ともあれ、今回もいい商品ラインナップだったのでした。
あとは、pickssのアプリで今回の中から買いたいアイテムを選んで購入していく流れになります。
pickssとエアクロを併用する妻の感想
最後に、実際に利用した妻の感想を紹介して締めましょう。
妻はもともとエアクロを利用していましたが、今はpickssも利用しています。
エアクロの記事でも書きましたが、妻も元々はアパレル販売員をやっていたので、その辺りを歩いている人よりはおしゃれです。ただ、アパレルの仕事を辞めてから数年経ち、結婚して出産して、となる中で、段々とファストファッション中心のコーディネートになっていました。
で、そんなときに出会ったのがエアクロでした。
エアクロは、ラインナップ的にもデイリーなブランド(a.k.a無名ブランド)が多いので、「手持ちの服と合うデザインで、そこそこのオシャレさの服」が安く届くとのことで、リピート中。
一方、pickssは「おしゃれ用の服を買いたいけど店に行ったり、通販サイトで選ぶ時間がないとき」に、不定期で利用しています。pickssは月額制ではないので、とりあえず登録しておいて、服が欲しいときに使うっていう利用方法もアリですね。
妻いわく「元販売員の私がいうのもなんだけど、接客されるの嫌いだから助かるわ」「好みに合った服ばっかり選んでくれるから、実店舗なら売れっ子販売員だね」とのこと。
ということで、おしゃれしたいけど実店舗には行けない方、通販サイトで買うと失敗しちゃいそうな方、ブランドは詳しくないけど間違いないブランドでしか買い物をしたくない方、そもそも何を着ればいいのか分からない方、などなど、服選びに関する幅広いお悩みを解消してくれるpickssを、一度体験してみてください。超絶おすすめです!
追記:NHKのニュースでpickssが取り上げられました
おしゃれ&高性能ワイヤレスヘッドフォンの極北!B&O PLAYのH8iを買った
スーパーおしゃれなワイヤレスヘッドフォン買ったった
みなさん、普段は音楽ってどんな環境で聴いてますか?
私は最近Macbook Airを購入したんです。で、家にいるときはMacにBOSEのsoundlinkというスピーカーを繋いで音楽を聴くことが多いです。
ただ、我が家には小さい子供がいるので、特に子供が寝静まったあとは、あまり大きい音では音楽を鳴らせないんですよね。
ということで、ヘッドフォンを買おうと思い立って買ったのが、今回ご紹介するB&O PLAY H8i です。
ただ、正直に言えば、私はいわゆるオーディオマニアと呼ばれる方々のような、いい耳は持っていません。iphoneの純正のイヤホンであろうが、1000円のスピーカーであろうが不満もなく聴けるような、安い耳の持ち主です 笑
じゃあ、なんで高級ヘッドフォン(4万円超!)を買ったのかというと、とにかくデザインが格好いいから。頬ずりしたくなるぐらい素晴らしいデザインなんですよ!おしゃれです。
なので、詳しい音質のレビューは詳しい方々にお譲りするとして、今回はB&O PLAY H8i が、デザイン的にどれだけ優れているのか!というあたりを、ファッションブログらしくご紹介できればと思います。
B&O PLAYとは
B&O PLAYはデンマークのオーディオメーカーであるバング&オルフセンのカジュアルラインです。バング&オルフセンは1925年設立と長い歴史を誇りますが、オーディオマニアにとっては憧れの高級メーカーの一つ。お値段も一桁違います 笑
バング&オルフセンの製品は、音質や機能性もさることながら、デザイン性の高さに定評があり、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に製品が展示されるなど、その筋でも有名です。
B&O PLAYは、そんなバング&オルフセンの哲学を受け継ぎつつ、より一般ユーザーがチョイスしやすい価格帯のラインナップとなっています。
ちょっと背伸びすれば購入できる価格帯で、バング&オルフセンの製品が手に入るのは、私のような半可通にとってはありがたい限りです 笑
B&O PLAY H8iスペック
- 形式:ダイナミック密閉型
- 寸法:幅 x 高さ x 奥行き 180 x 186 x 51 mm
- 重量:215g
- ドライバー:40mm
- 周波数特性:20Hz – 20,000Hz
- Bluetooth:Bluetooth4.2
- 対応コーデック: AAC
- 連続使用時間:30時間(Bluetooth、ANC使用時)、45時間(Bluetooth 使用時)、42時間(ANC 使用時)
- 充電時間:3.5時間
- 付属品:オーディオケーブル(1.2m)、充電用USB-Cケーブル(1.25m)、
- フライトアダプター、キャリングポーチ、クイックガイド
B&O PLAY H8i開封の儀
購入レビュー記事の慣例に従って 笑 開封の儀に参りましょう。ブラックとナチュラルの2色展開ですが、今回はナチュラルを選びました。
注目すべきは、ヘッドフォン全体に漂う「高級感」でしょうか。
特に、今回私が購入したナチュラルカラーは、オーディオ機器特有の男臭さみたいなものがなくて、北欧メーカーのB&Oらしいこなれたデザインが◎。
つけ心地も最高で、私のように長時間PCの前で作業する人の強い味方になりそうです。
また、ノイズキャンセリング機能がついているので、周囲の生活音から遮断された状態で記事制作作業に入れるのは、ブロガーにとってはありがたいです。
おしゃれなヘッドフォンをお探しの方、北欧デザインのアイテムが好きな方、そして私よりも音の違いが分かる素晴らしい耳をお持ちの方 笑 に、超絶おすすめです!
※2018年5月現在ではamazonが最安値のようです。
記事執筆中のプレイリスト
作業中にシャッフルで掛かったBGMです。誰が興味あんねん。
- RIP VAN WINKLE/THE SKA-FLAMES
- 甘く危険な香り/山下達郎
- セレナーデ/おとぎ話
- オーケストラ/BiSH
- タイムマシーンにのって/PUNPEE
- 子供じゃないもん17/大森靖子
- 恋愛重症/奇妙礼太郎
- Little cloud/SOPHIA
- ベースボールとエルビスプレスリー/CHOCOLAT
- プールサイド/bloodthirsty butchers
- 23区/bonobos
- 流星群/MO'SOME TONEBENDER
- たれそかれ/イルリメ
- 夜鷹/きのこ帝国
結婚のタイミングで転職する男性に伝えたい経験談と正しい転職活動の進め方
結婚のタイミングで異業種に転職しました
私は現在、結婚して4年目になります。
今は子宝にも恵まれ、親子3人で暮らしています。
私の場合は(大抵の男はそうだと思うのですが)、結婚を現実的な話として考えるまでに、なかなかの時間が掛かりました。
妻とは学生時代から付き合っていたのですが、間に遠距離恋愛期間を挟みつつ、結婚したのは30歳を過ぎてからです。この話をすると、大抵の人からヒドイと野次られます 笑
そんなこんなで、長い時間をかけて結婚に至った私ですが、その後の生活には大変なことや、面倒くさいこと 笑 も沢山ありつつも、今は結婚して本当によかったなと思っています。
私もそうだったのですが、男性が結婚に踏み切れない大きな理由の一つに「仕事」が挙げられるんじゃないでしょうか。
具体的には、
- 給与(年収が低い)
- 時間(残業が多い、土日休めない、休日出勤)
- ステータス(今の仕事が彼女の家族・知人に認められにくい)
といったあたりがネックになる方が多いはずです。
かくいう私も、独身時代の仕事はアパレルの販売員。業界内ではトップクラスのブランドで副店長をやっていましたが、そこは過酷な環境のアパレル業界。年収は300万円代前半で、月のサービス残業時間は60時間を越えていました。
そして、悲しいかな接客業というのは、厳格な義親には認められにくい職業(接客業の仕事内容を下に見ているというわけでなく、キャリアアップの道が狭いという意味で)でもありました。
そんなこんなで、私は結婚を機に転職を考えるようになりました。
とはいえ、それまで10年近くアパレル販売の仕事しかしたことがなかった私が、一般職に転職できるのか?しっかりとした年収が得られる会社に入れるのか?という不安でいっぱいでした。
そんな私が、どうやって転職に至ったのか?というあたりを、今回は解説できたらなと思います。
実際に自分の転職活動を振り返ってみると「転職を成功させられるかどうかは、進め方次第で変わる」ということを実感しているので、ポイント的なところがお伝えできればと。
同じように悩んでいる男性も多いかと思いますし、彼氏の仕事のことで悩んでいる女性も多いでしょう。そんな方々の背中を後押しできたらと思います。
嘘・脚色なしのリアルな体験談になるので、ややグダグダな部分もあるかもですが 笑 ぜひ参考になさってください。
8年付き合ってようやく結婚に踏み切ったダメ男な私
私と妻は大学生4年生の頃から8年ほど付き合っていました。
それまでに、普段の会話の中で結婚の話が出たことは何度もあるものの、具体的な話にはならないまま8年が過ぎました。妻の「で、いつなの?」という無言のプレッシャーにも気づいていたにも関わらず 笑
いつかは結婚という気持ちがありながら、だらだらと恋人関係のまま時間を過ごしてしまったのは……正直にいえば「きっかけの無いまま気づけば8年経ってしまった」という感じです。
一般的に、女性に比べて男性は結婚に対してそこまで前向きではない(全員ではないですが、あくまで傾向として)ですが、私も御多分にもれず。
当時の私が考えていたことといえば「今のままでも何も不便なことはないし」「結婚式の準備とか大変そうだし」「結婚したら一人の時間が減りそうだし」などなど、もしタイムスリップできたらぶん殴ってやりたいような 笑 自分勝手な考えでした。
子供を持つことも「今の自分にはまだ早い」と思っていて、30前の男としてかなり幼稚な考えでした。
妻は、やはり30歳を目前にして将来的な出産のことなどを考えて、結婚への気持ちが徐々に高まっていたのですが、当の私はというと、まあどこか他人事 笑
さすがに、そんな私の煮え切らない態度に業を煮やした妻と、一度は別れる別れないの話にもなりましたが、その後、紆余曲折あって結婚の運びとなりました。ここに至った経緯は話すと長くなるので割愛します。とにかく腹をくくった&心を入れ替えたんです 笑
いざ結婚!まずは何よりも考えたのがお金のこと
実際に結婚の話を進めていくにあたって、私たちが最初にしたのはお金の計算でした。
これから必要になる費用をざっと計算すると
- 結婚式一式:250〜300万円
- 結婚指輪:15万円×2
- 新婚旅行(ハワイ):25万円×2
- その他(遠方の妻実家への交通費、両家食事会の食費、新婚旅行お土産etc…):30万円
ということで、ざっくりとした計算で結婚に400万円前後が必要であることがわかりました。私たちの場合は、指輪は結婚指輪だけ。結納もしない。と、極力絞ってもこれぐらいです。
強いて言えば、結婚式をもう少し抑えられる余地はありますが、ここはお互いに妥協したくない部分だったため、最終的には結婚式関連の費用は300万円を少し上回りました。
もちろん、ご祝儀で賄える部分はあるとしても、大きな金額が必要であることには変わりありません。
「夫婦間の給与格差」。男にとって厳しい現実が結婚を機に転職する一番の理由に
それまで、私も妻も長く付き合っていましたがお互いの給与明細の中身は詳しくは知らず、お互いに「たぶん大体これぐらいかな」という程度の認識でしたが、この段階になって、初めて互いの懐事情の情報共有をしました。
そして、その内容を知って私は思いっきり凹んだのです 笑
というのも、妻が思った以上に稼いでいたから。
少し詳しく説明すると、私は先ほどお伝えしたように大手アパレルブランドで副店長として販売員をやっていました。妻も元々は新卒で別ブランドの販売員をしていましたが、 結婚の数年前に少し堅めの一般企業の営業事務職に転職をしていました。
妻が転職した理由は主に給与面で、アパレルで働いていた当時はそれこそ月給20万円+寸志ぐらいの年収と当時聞いていました。
転職したことで給料が上がったという話は聞いていたのですが、まさかこれほどとは…と思うぐらいの上がりっぷりでした。
仕事に役立つ資格を取得して職能手当をもらったり、家賃補助が出たり、残業代が全額支給だったりとエクスキューズはありますが、20代後半の女性の平均年収よりもかなり上の金額です。
一方、私は年収300万円にやっと届く程度です。このときほど、妻に対して申し訳ないと思ったことはありませんでした。
これが、例え給料は低くても、私が今の仕事にやりがいを感じていたり、情熱をもっていれば、まだ妻も応援してくれると思います。
しかしその当時の私は、「サビ残続き」「キャリアアップが見えない」「昇給しない」と、今の仕事に対してネガティブな気持ちが強かったのですね。
稼げない上に、もはや情熱を失いかけている仕事にしがみついている状態。これは、もう言い訳も何もできません。第三者からすれば「なんのためにその仕事を続けて、今後どうなるつもりなの?」と言いたくなって当然の状態です。
まあ妻はそんな言い方はしませんでしたが、やはり、
- 妊娠・出産を計画する中で、必ず私(夫)の稼ぎだけで暮らす時期がくること
- 子供が2人3人と欲しくなったときにその期間が長くなる可能性も充分にあること
- 共働きに戻ったとしても、妻が病気や怪我でもする可能性があること
などを、私に対して説明し、本当に今の仕事を続けて大丈夫なのか?という心配は隠しませんでした。
簡単にいえば「共働きができる間はいいけど、あなた一人の収入になったらどうするの?」ということです。
また、妻も元アパレルなので昇進・昇給の難しさを理解していること、既婚でも全国への異動がありえること、平日休みの仕事では子供が幼稚園に行き始めたら一緒に出かけることすらできなくなることなど、その時に上がった懸念点は他にも多数です。
この数年間、自分の所属するアパレルブランドという狭い世界の中でそれなりの地位に立ち、お山の大将のようになっていた私は、ここにきて、自分の稼ぎの少なさ、ひいては将来性の無さを痛感することになったのです。
ここで誤解のないように言っておくと、私はアパレルの仕事や、今も販売員をしている人たちへのリスペクトの気持ちは一度だって絶やしたことがありません。また、すべてのアパレル販売の仕事が私のように激務・薄給というわけでもないですし、平日休みをあえて選択する人が多くいることも理解しています。
晩年は体力・精神的に疲弊していたとはいえ、それまで自分がしてきた努力や築いたキャリアは、今でも誇ってもいいものだと思っています。
ただ、結婚を視野に入れたときに私と妻が考えたライフプランに当てはめれば「この仕事を続けるのは間違っている」という結論になったことは事実です。
こと結婚に関して女性は男よりも遥かに現実的です。
先ほど言った「もしも子供が生まれたら」という仮定などは、実際に子供を持った今考えてみれば、すべておっしゃる通りなのですが、男ではなかなか考えつかない発想です。
そんなこんなで、結婚に関する様々な現実を知れば知るほど、「今の仕事から転職しないといけない」という気持ちが私の中で確信に変わったのでした。
そして私は、「妻に心配をかけない程度の年収」「家族サービスが可能な就業時間」を目標に、転職活動に臨むことを決意。
同時に、それまでは「使ったお金の残りはとりあえず口座に残しておく」程度で行なっていた貯金を、毎月8万円の定期預金に変更したのでした。年収300万円の一人暮らしが毎月8万円の貯金って結構キツかったですが、この貧乏話も話せば長くなるので割愛。
結婚のタイミングでの転職を成功させるために私がやったこと
それまで私は一度転職をしたことがありますが、その時は同じアパレル販売の仕事でした。しかし、今回は異業種への転職になるため、どうやって転職活動を進めればいいのかが最初は分からない状態でした。
そこで、色々とネットで調べてみたり、同じように転職をした知人に話を聞きながら転職活動を進めました。
これが小説や映画であれば、転職が成功するまでに何度か困難にぶつかった末にようやく希望の仕事に就けた、というストーリーになりますが、意外とさくっと成功しちゃったんです 笑
結局、正攻法で企業のホームページで求人募集を見たり、リクナビやマイナビでちまちまと求人を探すのではなくて、便利なサービスをしっかり使いこなすということなのですが。
具体的には
- 転職口コミサイトで企業のリアルな情報を知る
- 転職エージェントを使いこなして作業を手伝ってもらう
の二つです。
転職口コミサイトから企業の年収・評判の情報収集
転職で失敗しない一番確実な方法は、可能な限りお目当ての企業の情報を事前に収集することです。一番いいのは、実際に働いている知人などから評判やリアルな給料を聞くことなのですが、そんな機会もなかなか無いですよね。
と言うわけで、口コミサイトで気になる企業の年収や評判、どんな事業やビジネスを行っているのかを調べまくりました。主に利用したのは無料サービスのキャリコネ。
キャリコネ(企業クチコミサイト)
キャリコネは食べログの転職バージョンみたいなものなんですが、自分が転職しようと思っている企業のリアルな年収・社風・残業の有無などが分かります。
書き込みの数もかなり多いので、データの信頼性も高いです。
あとは、転職とは関係なく、同業他社や知人が勤めている会社の年収を調べたりしてるだけでも楽しかったりもします 笑
私の場合は、異業種へ転職するパターンだったので、その業種の企業の口コミを片っ端から調べて、業界の雰囲気を掴むのにも使ったりしていました。販売員をずっとやってると、他のお仕事に関して世間知らずになりがちなので、勉強になりましたね。
すべての情報を見ようと思ったら自分も口コミを登録する必要があるのが、やや面倒くさいですが、このシステムだからこそ、沢山の口コミが集まっているわけだし、と納得しつつ登録しました。
他にも似たサービスとしてはvorkersもありますが、書き込みの内容とかサイトの見やすさを考えたら、キャリコネが一番良かったです。
転職エージェントで転職活動を自動化
「なんで前回の転職の時にこのサービスを知らなかったんだ!」と思ったのが転職エージェント。
サービス内容としては、希望に合う転職先の求人を探してくれたり、職務経歴書や面接のサポートをしてくれたり、自分の代わりに転職活動を進めてくれるイメージです。
求人を探す手間が大幅に省けるのと、何よりも年収交渉をガッツリやってくれたのが助かりました。こんなに便利なものが、全部無料で使えるんだからいい時代です 笑
自分の希望する職種・年収・労働時間などなど希望を伝えたら、あとはエージェントさんが求人をもってきてくれるので、こちらはそれを取捨選択するのみ。これは従来の転職活動に比べて遥かに楽です。
今は転職者の4割程度が転職エージェント経由と聞きますが、近年爆発的に広まっているのも納得。使う側にはメリットしかないのだから当然です。
使い方のポイントとしては、まだ就業中で、体力的・精神的に余裕があるうちに登録しておいた方がいいです。私の経験上、これはほんとーに大事です。
というのも、特に今の職場への不満とかのネガティブな理由で転職を考える人って、時間が経てば経つほど疲弊していくんですよね。一回「転職したい」という考えが頭に入ったら、そこからは職場に通うのが日に日に辛くなります。
そうなると、転職エージェントに登録する気力が湧かなくなるんですよ。
一旦登録さえしておけば、条件のいい求人情報がメールで自動的に入って来る流れができるので、「いざとなればすぐに転職活動を開始できる」っていう心の余裕ができて、今の職場の仕事も少し肩の力が抜けて楽になります。
私が使った転職エージェントは、アパレル系に特化したクリーデンスというエージェントと、業界最大手のマイナビエージェントでした。
【全国】マイナビエージェント(全業種型 転職エージェント)
私はここ経由で転職しました。
マイナビ転職という転職サイトを見たことがある方も多いかと思いますが、こちらはそのマイナビの転職エージェントです。
転職エージェントは複数社を同時に使うのが基本で、リクルートのエージェントも使ったのですが、どう考えてもマイナビの方がエージェントさんの対応や、紹介してくれる案件の希望とのマッチ度(これ超大事)が良かったです。
それまで私が抱いていた「アパレルの仕事しかしたことがないけど異業種に転職できるのか?」という不安を解消してくれて、自分の市場価値みたいなものを客観的に教えてもらえたかなと思います。
さすがに転職エージェント業界の大手で、こちらからの問い合わせのレスポンスも早く、何を話してもいても的確な答えが返ってくるので、社内に蓄積されたノウハウが半端じゃないなとビビりました。
自分の希望・スキルに合わせて、非公開の案件をガンガン持ってきれくれるエージェントさんは本当に有能です。面接の練習もしていただいたのはいい思い出。
※後日追記※
アパレルの方向けに書いた過去記事ですが、転職エージェントについて詳しく書いた記事があります。なんで転職エージェントが無料で使えるのか?といったあたりをビジネスモデルの解説とともにしているので、興味のある方はご参考に。
結婚前や結婚と同時のタイミングでの転職でも問題なし
結果、私はマイナビエージェント経由で広告代理店に転職をして今に至ります。
年収はなんとか同年代の平均水準に並ぶ程度にアップ。残業も少なく、今はのんびりと仕事ができています。今の会社には、正直転職エージェントの腕でねじ込んでもらった感もありますが 笑 ともあれ、結果的には満足のいく転職ができたのでした。
タイミング的には、婚約をしたのが転職直後、結婚式がその半年後だったので、人生の転機がまとめて来た感じです。
よく、結婚を機に転職を考える男性が不安に思う点として「結婚でバタバタしているときに同時に転職までしたら大変ではないか?」というものがあります。
これは、私の場合はそうでもなかったかなと思っていて。
というのも、私は転職前の職場が激務だったので、今の仕事の方が圧倒的に楽だから。
もちろん、初挑戦の異業種の仕事ではあったので、何かと覚えることもありましたが、毎日時間に追われていた前の仕事に比べれば屁でもないです 笑
私のように、今の職場へのネガティブな気持ちから転職を考える人の場合は、「今の仕事をもやもやしたまま続けた状態で結婚する」リスクも同時に考えてみた方がいいんじゃないかと。
むしろ私の経験上、転職直後って、同僚や上司もお手柔らか目にきてくれるので、楽になるんじゃないかと思うんですが、このあたりは職場次第でしょうか。
結婚して終わりではなくその後の生活も考えて転職を
というわけで、私が結婚を機に転職を決意するまでの経緯と、実際に行なった転職活動についてご説明しました。
先ほども書きましたが、結婚に関しては男よりも女性の方が圧倒的に現実的です。そして、将来のことを考えています。
男が面倒臭がってしまいがちな話でもありますが、実際に結婚したら確実に、その「面倒臭い」は降りかかって来ます 笑 結婚生活なんていうのは、もうこんな1ページに書ききれないぐらい、面倒臭いことの連続です。
でも、その面倒臭いことを帳消しにしてくれる素晴らしい時間もまた、結婚しないと得られないものです。そんな結婚後の生活のことも視野に入れつつ、ぜひ前向きな気持ちで転職活動に臨んでもらいたいなと思います。
オールスターじゃなくてジャックパーセルがいい時もある
以前このブログに、コンバースのオールスターが好きだぜ!っていう記事を書いたことがある。
そこでも少し書いたけど、同じコンバースのジャックパーセルも愛している。
似ているようで全然違うこの二つのスニーカーだけど、自分の中ではオールスターじゃなくてジャックパーセルでないとダメっていう場面が確実に存在する。
ジャックパーセルとオールスターは出自が違う
ジャックパーセルはバドミントンプレイヤーのジャックパーセルが開発に関わった。
当時はバドミントン、テニス、スカッシュの選手が多く使用したシューズだ。オールスターはバスケットシューズなので、現代の感覚からしたら見た目が似ている二足だけど、出自が違う。
スニーカーを愛でる上で、そのシューズがもともとは何のスポーツのために作られたものなのか?っていうのは、とっても大切なことだと思っている。
例えばB-BOY、B-GIRLから愛されるスーパースターは当然ながらバスケットシューズだし、オールドスクールはスケートシューズだ。これが、もしもサッカーやテコンドーが出自だと、ヒップホッパーに愛されることはなかっただろう。
カルチャーはクロスオーバーしながらゆるく結びつく。
まあこれはスニーカーに限らない話なんだけど、ありとあらゆるアパレルアイテムにはルーツがあって、それを知っていることで「何と合わせよう」っていう判断が、より深いものになると思っている。
自己満足かもしれないけど、大切なことだと思う。
機能がスニーカーのデザインを呼ぶ
テニスとバドミントンは兄弟だという、やや強引な前提で進めてしまうけれど、テニスシューズの名品といえば、アディダスのスタンスミスが挙げられる。
ジャックパーセルとスタンスミスには共通する雰囲気を感じる。
この感覚を言葉でうまく言い表すのは難しいけれど、「上品」「クリーン」「柔らかさ」…そんな、少し賢い雰囲気が感じられるのが、この二足だ。
爽やか紳士のスポーツであるテニスやバドミントンで使うシューズだから、あのデザインなのだ。
機能はデザインを呼ぶ。求める人がデザインを呼ぶ。
ジャックパーセルがまとう「いい子オーラ」
ジャックパーセルには独特の「いい子」な匂いがする。オールスターに比べて丸みを帯びたシルエットや、トゥのヒゲ、ついでにいえば履き心地も柔らかい。
女子がジャックパーセルを合わせるといい感じになるのも(もちろんオールスターでもいい感じにはなるのだけど)、男臭さを感じさせないジャックパーセルの個性によるものだと思う。
ジャックパーセルを語る上でカート・コバーンは外せないけれど、彼がオールスターでなくてジャックパーセルを履いていたは、逆説的だ。
いつも小汚い格好をして退廃的な音楽を奏でる彼が「あえて」ジャックパーセルを選んぶことに意味があるし、その感覚こそファッションにおける「外し」のお手本だ。
王道を外す遊び心にはバランス感覚が必要だ。カートがそんなことを考えていたとは思えないし、ナチュラルボーンなセンスでそれをやっていたのだと思う。
同じブラックでも全く違うオールスターとジャックパーセル
オールスターの黒にはどう頑張ってもロックンロールな雰囲気が漂う。今まで世界中の数え切れないロックミュージシャンに愛されてきた歴史がそこにはあるから。
クロマニヨンズでもバースデイでもベンジーでもキングブラザーズでもニートビーツでもいいけど、ゴリゴリのロックンロールバンドのライブにいけば、客席の足元は黒いオールスターとマーチンだらけになる。音楽とファッションの関係もまた面白いけど、それは今回は割愛する。
同じブラックでも、ジャックパーセルにはやっぱり柔らかさがある。
キャンパスの両者で比べると、アッパーに白いステッチが目立つオールスターに対して、ジャックパーセルはよりプレーンだ。この違いが自分的には結構大きいし、ジャックパーセルの汎用性の高さの元かなと思っている。
これはホワイトにも言えて、なんと呼ぶのかわからんが、オールスターはソールとの境目の部分が赤いラインになっている。ジャックパーセルはそこにアクセントはない。
トゥのヒゲが唯一のアクセントだけど、これが青ヒゲじゃなくて赤ヒゲだと印象も違ってただろう。確か限定カラーでそんなのが出てた気もするけど。
持たない主義の強い味方であるオールスターとジャックパーセル
今現在は3月の中旬で、そろそろ桜の季節。アウターを必要としない日も増えてきた。
冬は足が冷えるから控えていたキャンパススニーカーの出番だ。今年も白と黒のジャックパーセルが活躍するだろう。
実家に住んでいた学生時代に、靴箱をどんどん侵食していく僕のスニーカーを見て、母親が「あんたはムカデか」と文句をいっていたけど、僕の足はやっぱり二本しかなくて、キャンパスのスニーカーを履ける日は限られている。
30を過ぎた今の僕は、数少ないお気に入りをローテーションしていくライフスタイルにしたいと思っている。たくさんの種類をコレクションする時期は過ぎた。極論、スニーカーはオールスターとジャックパーセルだけでいいんじゃないかとも思っている。
ミニマリストとか、フランス人は服を5着しか、みたいな文脈に似ていて気恥ずかしいけど、たくさんの物を抱えて生きていくのは、文字通り荷が重いと感じるようになった。
どんなときでも上品に収まってくれて、あらゆるファッションに合わせる汎用性を持つジャックパーセルは、そんな今の僕の強い味方だ。
アパレル派遣社員のメリット・デメリットと業界人のおすすめ派遣会社
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
アパレル販売員の中核をなしつつある派遣社員
アパレルショップで勤務する販売員の中で、最近では派遣社員の割合がとても高くなっています。
私は、全国展開のセレクトショップ、ファストファッションブランドの2社で合計10年ほど販売員の仕事をしていましたが、どちらのブランドでも多くの派遣社員スタッフが所属していました。
そのほとんどは、正社員でもパートでもない派遣という働き方を自ら選んだ人たちだったわけですが、働く側・雇う側の双方の観点から「なぜ今アパレルで派遣社員が増えているのか?」という点を、メリット・デメリットの説明とともに今回は考えてみましょう。
派遣社員というと長期的な就業に繋がらないというイメージがありますが、柔軟な働き方を臨む人や、ステップアップに繋げたい人にはおすすめできる働き方です。
現在、就職や転職を考えているけど、正社員・派遣・パートのどの雇用形態で働こうか迷っている人、アパレル専門の派遣会社のおすすめが知りたい人に役に立つ記事になるんじゃないかと思います。
日本全体の派遣社員・非正規社員の割合は増加中
政府の進める「働き方改革」の話とも少し関連してきますが、現在は「大手に就職して正社員として定年まで働き続ける」というモデルが崩れつつあります。これはニュースなどで知っている方も多いでしょう。
ニュースなどで働き方改革が取り上げられる際は、会社に所属せずにフリーランスとして働く形や、本業とは別で副業を持つパラレルキャリアの観点から語られることが多いですが、派遣社員が増えている件も根本は同じです。
つまり、正社員で働く=安心という時代ではなくなっているのですね。
また、女性の社会進出のお話とも関係していて、かつては「女性は正社員としてバリキャリの道を進むか、パートや専業主婦になるか」という二択だったのが、その中間の派遣社員という働き方が見直されてきた。というのが、ここ10年ほどの流れです。
「出産・育児を経ても社会で働きたい。でも正社員だと育児との両立が難しいし、パートだと経済的に厳しい」そんな懸念を解消する方法が派遣社員とも言えます。
もう一つ、これはかなり感覚的なお話なので、あくまで私見として聞き流していただければと思いますが。
今は「仕事に追われてお金を稼ぐだけが人生じゃないよね」という価値観がネット中心に広がっているのかな、と思っていて。同じように感じる方も多いのではないでしょうか?
確かに日本はかつてよりも貧しくなっているし、テレビを見れば暗いニュースばかりです。電通やワタミの例を出すまでもなく、会社のために自らを犠牲にして働いている人もたくさんいらっしゃいます。
でも逆に、例えば田舎に引っ越してスローライフを送ったり、物を持たないミニマリスト的な生活を送ったりと、お金よりも生活そのものに重きを置く価値観が一般化しています。
例えば、あなたならどちらを選ぶでしょうか?
- 毎日残業して、理不尽な上司や顧客に悩んで、プライベートの時間を犠牲にして得られる年収1000万
- 毎日定時で上がって、希望通りに休みが取得できて、仕事の悩みを何一つ持たずに得られる年収300万
これだけの年収の差があっても、自ら後者を選ぶ人の割合はかなり多いはずです。特に出産・育児が関係する女性の場合はその傾向がさらに強いでしょう。
ここからようやく本題です。
以上の前提を踏まえた上で、私としては、自由な生き方をして行く選択肢の一つとして、アパレル派遣の仕事をおすすめしたいなと思っています。
メリット・デメリットを知る前にまず抑えておきたい派遣社員の特徴
派遣社員と聞くと、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか?
人によっては、派遣社員というとメリットよりもデメリットの面が大きいと思いがちですが、もしそうであれば、派遣社員として働くことを自ら選ぶ人がこんなに多いわけがありません。
派遣社員の主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。正社員、アルバイトとの比較をメインに説明します。
- 給料:正社員>派遣社員>>>アルバイト
- 責任の大きさ:正社員>>>派遣社員>アルバイト
- 教育体制:正社員>>>アルバイト>派遣社員
- 就職先の選びやすさ:アルバイト>派遣社員>>>正社員
では、こちらを元にもう少し具体的に、アパレルで派遣社員として働くメリット・デメリットを、雇う側と雇われる側の双方から考えつつ、なぜアパレル派遣がおすすめなのか?という点を解説していきます。
ブランド側から見ると派遣社員は雇いやすい存在なのが最大のメリット
まず、派遣社員はアルバイトと同じくボーナスが無い場合がほとんどです。
時給制や日給制で働くことが多く、企業からすれば、正社員ほどの人件費が掛からないというメリットがあります。
また、3ヶ月ごとなど短期で契約を更新していくため、社風に合わなかったり店頭のパフォーマンスが悪いときに、会社の都合で契約を更新しない(ありていに言えばクビにする)ことが可能です。
逆に、仕事のスキルや本人の就業意欲があれば、正社員よりも安い人件費で戦力になるアパレル販売員を確保できるという大きなメリットがあります。
また、人手不足が常態化しているアパレル業界において「正社員では働けないけど派遣社員なら働ける」という考えをもつ人も雇っていかないと、人材が確保できないという理由ももちろんあります。
アパレルの正社員の仕事は離職率が高いため、企業からすれば「お金をかけて新卒の採用活動をして、研修もして、せっかくスキルが付いてきた2,3年目で辞めてしまうのであれば、派遣の方が効率がよくメリットが大きい」という考えもあります。
また、派遣社員の採用はブランド側ではなく、派遣会社が行うため、採用活動にかかる手間の面でも大幅に楽です。
派遣社員に責任のある仕事を任せることは稀なので、例えば「店長・副店長は正社員で、ヒラ社員は派遣で」という陣容で店舗スタッフを用意することも多いです。
ブランド側からすれば、柔軟にスタッフィングをする上で、派遣社員というのは、ある意味便利な存在なのですね。
アパレル派遣のメリットはアルバイト以上正社員未満の待遇!
それでは、働く側にとって、派遣として働くメリット、おすすめポイントを考えていきましょう。
メリット1:アパレルの派遣社員は難易度の低い仕事でそれなりの給料を得られる
まず、給与面のメリットから。
ボーナスがない派遣社員の場合は、年収ベースで考えると、そのブランドの正社員よりも劣ることがほとんどです。
ただ、アパレルの場合は少し事情が違っている場合もあります。つまり、アパレル販売員ってボーナスが出ないブランドが、とっても多いんですね。なので、派遣社員の年収と正社員の年収があまり変わらないっていうブランドも多いです。
アルバイトと比べれば、当然ながら派遣社員の方が高い給与で働くことができます。例えば都内で考えると、アルバイトなら時給900円〜、派遣なら1400円〜あたりが標準的な金額になってきます。
仮に時給1,400円で週4日をフルタイムで働けば、
- 日給=1,400x8=11,200円。
- 週給=11,200x4=44,800円
- 月給=44,800x4.5=201,600円
- 年収=20,1600x12=2,419,200円
このぐらいが稼げる金額になってきます。
正社員よりは劣るけれど、週4日でこれぐらいの金額を得ることができれば、アルバイトをするよりもずっと割がいいですよね。
仕事に追われずに、自分のやりたいことに時間をあてたり、家族との時間を大切にしたい人には、この働き方はおすすめです。
求められる仕事の難易度や責任は正社員よりも小さい中で、それなりの給料を得られるのが派遣の最大のメリットです。
メリット2:過酷な労働環境が多いアパレル業界にあって、派遣社員であれば自由な働き方を選べる
上の点とも少し関連しますが。
アパレルは立ち仕事&残業が多く、体力的に厳しい業界です。そんな中にあって、派遣社員は、良くも悪くも責任の少ない立場で働けるので、残業が発生することは少なく、サービス残業もないというメリットがあります。
また、週4日勤務や、時短勤務などの柔軟な対応がしやすい雇用形態であるため、子育て中の主婦さんなど、働ける時間が限られている人にもおすすめです。
このあたりは派遣会社と条件面をすり合わせる必要がありますが、パートほどではないにしても、正社員に比べればずっと柔軟な働き方が可能です。
メリット3:正社員では就業が難しい超大手のアパレルブランドや外資系ブランドにも就職可能
もう一つ、見落とされがちな大きなメリット・おすすめポイントがあります。
それは、誰もが羨むようなブランドへの就職も、派遣であれば比較的簡単に可能なことです。
先ほど説明したように、ブランド側からすれば正社員よりも雇いやすい存在である派遣社員は、採用のハードルがぐっと下がります。これは、派遣で働く側からすれば、大きなメリットです。
ここで、賢い人は「一旦派遣社員として超大手アパレルブランドで働いた実績を作って、1,2年後に正社員として別ブランドに転職」という転職テクニックを使う場合もあります。特に、アパレル未経験でゆくゆくは業界内でキャリアアップをしたい人などにとっては、有効な手法です。
派遣社員とはいえ、大手アパレルで販売経験がある人って、喉から手が出るほど欲しいですからね。
アパレルで派遣社員をするデメリットは雇用の不安定さと教育環境の乏しさ
ここまで派遣社員のいいところを伝えてきましたが、当然デメリットや、おすすめできないポイントもあります。
メリット・デメリットの両方を理解した上で、今の自分に派遣という働き方が合っているのかどうかを判断しなければいけません。
デメリット1:短期ごとの契約更新のため実力が伴わなければ切られる可能性も
まず、先ほど派遣社員は3ヶ月ごとなどの契約更新制であることを伝えました。つまり、企業側から「この人いらない」と思われたら、更新を契約しないことは簡単なのですね。これは、働く側からすれば大きなデメリットです。
では派遣は一箇所の職場に長く就業できないのか?というと、そうでもなくて、逆に「派遣でこんなに働いてくれるならずっといてほしい」と、重宝される場合もあります。
よくも悪くもブランド側の評価次第になる部分はありますが、アパレルブランドが派遣社員に正社員ばりのハイスキルを求めることは考えづらく、まずは真面目に業務を遂行できることが第一です。
ブランドごとに、派遣社員に求めるスキルは違うので、ここはしっかりと派遣会社の担当者とお話をしてください。
デメリット2:派遣社員には正社員のような研修制度は望めないので即戦力になる素質が必要
これはアパレルや接客の経験がある人にはそこまで関係ない話なのですが、 例えばまったくの未経験者がアパレルで派遣として働く場合を想定してみます。
派遣社員は、正社員のように、例えば東京の本社に同期で集まって行われるような大規模な研修というのは行われません。(店舗内で行われる研修などに、いちスタッフとして参加することは当然可能です)。
なので、課せられる業務内容を確実にこなせるだけの即戦力、もしくは短期的に身につけてもらえる素質をもった人材が必要になってきます。
派遣社員の場合は、ブランド側が長期的な育成を想定しているわけではないので、当然そうなりますよね。
何度かお伝えしているように、派遣社員にめちゃくちゃ難易度が高い仕事を振ることは想定しづらいですが、学生アルバイトほどお気楽というわけではないので注意。
ここをデメリットと感じるかどうかは、本人がアパレルの職場に何を求めるか?にもよりますが、理解しておく必要があるでしょう。
アパレルで派遣社員をするならアパレル専門の派遣会社が超絶おすすめ
それでは、メリットデメリットを踏まえた上で、アパレルで派遣として働きたい人向けに、自分の希望条件に近いブランドで働くコツをお伝えします。
これはもう一つしかなくて、「アパレル派遣の紹介先が充実した派遣会社を使う」ということに限ります。
派遣会社というと、リクナビとかリクルートとかの大手を利用しがちですが、これらはアパレルだけでなく事務職などの他の業種・職種の仕事も扱っています。
なので、大手とはいってもアパレルブランドとの繋がりは非常〜〜に希薄なため、おすすめできません。
大手のアパレルブランドでは「販売員の派遣元といえばココ」と、業界の慣習的な共通の認識が、ある程度存在するので、それを知らないと、「せっかく派遣会社に登録したのにアパレル以外の接客業ばかり勧められる」といったことになってしまいます。
アパレル業界的には、大きく以下のつの派遣会社が使われていて、おすすめです。
おすすめ派遣会社:アパレルの派遣に圧倒的に強いPARDO(パルド)
業界的にはかなり有名です。
正社員の転職の場合はクリーデンスという会社が業界内で圧倒的なのですが、派遣ではこちらのパルドが一番のおすすめです。
私の働いていた2社+同じくアパレル勤務だった妻の働いていた1社の計3社で派遣のスタッフの手配はここを利用していたので、統計的にも間違いないはず。全国展開で、アパレルの派遣を専門に商売されている会社さんなので、間違いないかと。
私はブランド側の立場で派遣社員の採用に携わってきましたが、自信を持っておすすめできます。
自分らしい働き方・生き方のためのアパレル派遣社員という道
ということで、今回はアパレルの派遣社員の就職に関して書きました。
私自身も、結婚して育児を経験する立場になってみて改めて思ったのですが、すべての人が正社員という立場を望むわけではない昨今にあって、派遣の道は決して後ろ向きな選択ではないです。
キャリアアップすることがすべてではなくて、家族との時間、自分の時間とうまく折り合いをつけながら働く方法を探すなら、派遣社員としてアパレル販売の仕事をするっていうのは、おすすめの方法です。
また、将来的にアパレル業界で正社員としてステップアップしていくための前段階として、派遣社員を経るというのも業界の常套手段ではあります。
しっかりとメリット・デメリットを踏まえた上で、自分が幸せな毎日を進むための道を選んでもらえたらと思います。
アパレル転職相談室:「本社VMDへの昇進が難しい&求人が無い」
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
店舗でVMD担当の女性からの転職・求人探しに関するご相談
当ブログでは、アパレル勤務の方からのお悩み相談を受け付けています。
今回は、店舗でVMD担当をされている方の、キャリアアップや求人の探し方についてのご相談にお答えします。
※事前に相談者様へ公開の可否を確認の上、個人の特定に繋がらないないように、少し改変した文章にしていますが、質問の主旨は変わりません。
はじめまして。いつもブログを見させていただいてます。
私はアパレルで働き始めて5年目になります。
都内のセレクトショップでレディースフロアに立っていますが、販売と並行して店舗のVMD担当をしています。
お店のVMDをしているうちに、接客よりもVMDを極めていきたいという気持ちが強くなっており、副店長や店長を目指すことは考えていません。
お店ではVP・IP(※筆者注釈:VP=ディスプレイやウインドウなどのイメージ作りに関係する箇所、IP=アイテムの陳列などの売上に直接関係する箇所)の両方を管理しており、什器のゾーニングなども行っています。
(中略)
上司にも本社のVMDを目指したいという意思は伝えていますが、私の働いているブランドでは、過去に副店長以上のポジションを経験せずに本社VMDに昇格した例がなく、「まずは副店長を目指したら?」と言われています。
年齢もそろそろ30が近くなり、もしも副店長になってからVMDのポジションに就いたとしても、遅いのではないかと焦っています。
私はこのまま今のブランドで、副店長を経験してから本社を目指した方がいいのでしょうか?それとも、他ブランドに転職すれば、今の私のキャリアでも本社VMDになれるのでしょうか?
また、VMDの求人は、求人サイトでもなかなか見つけられません。VMDの転職をする人はどこで求人を見つけるのでしょうか?
という、VMDの専門職を目指したい女性からのお悩みでした。
今回、この相談者様のお悩みを取り上げさせていただいたのは、私が個人的にVMD職に思い入れがあるからです。私は某ファストファッションブランドでずっと店舗付きVMDをやっており、そのときの実績が買われて旗艦店の副店長になったという経緯があります。
キャリアのスタートはほとんどの方と同じで、接客+ストックだったのですが、先輩が日々入荷する商品に合わせて、店内の陳列やディスプレイを即興で作っている姿がとても格好よくて、憧れからVMDのアシスタントになりました。
最初は憧れで始めたVMDの役割ですが、やっていくうちにどんどんのめりこんでいきましたね。
ディスプレイや什器のゾーニングなど、VMDの「V」の仕事も好きでしたが、どちらかといえば販売の動向に合わせて陳列で売上を動かしていく「MD」の方に魅力を感じるようになりました。接客販売では、自分一人で動かせる売上に限界があるけれど、VMDは店舗全体の売上を大きく変えられるのが醍醐味でした。
特に、キャリアの後半は売上規模がバカでかいファストファッションブランドの旗艦店のVMDをやっていたので、自分の采配一つで数百万規模の売上を変えることができて、ただただ楽しかったです。体力的にはキツかったですが 笑
ただ、その後、本社VMDを目指す過程で、結婚後の生活などを考えて、結局は異業種に転職をしてしまったので、実際に本社VMDは経験していないという点をご了承いただいた上で、VMDのキャリアパスと求人の探し方についてアドバイス申し上げます。
店長or副店長を経験しないと本社VMDになれないブランドとそうでないブランドがある
他ブランドに転職すれば、今の私のキャリアでも本社VMDになれるのでしょうか?
まず、今回の本題のこちらのご質問に関しては、上の見出しのとおり、ブランドによってVMDのキャリアパスについての考え方はそれぞれです。
私がこれまで経験した2ブランド(セレクト、ファスト)だと、某セレクトショップの方は二年目のヒラで本社VMDやプレスに抜擢されたスタッフがいたぐらいなので、マネジメント経験の有無は関係なく本社行きのルートが開かれていました。
また、そのブランドの本社VMDの中途採用求人の応募条件には「店舗付き可」という文言が入っていたように記憶しています(少し情報が古いので、今もそうかは分かりませんが)。
このように、現在のスキルや経験よりもポテンシャル・やる気重視で本社スタッフを拡充していくパターンのブランドも多数存在します。
逆に、私が働いていたファストファッション系ブランドの場合は、副店長以上を経験していることが本社昇進の必須条件でした。しかも、旗艦店の副店長以上というさらに厳しい条件付きです。
私の場合は、旗艦店の副店長だったのでこの条件は満たしていたのですが、実際になれるかどうかは別問題。本社VMDの枠は少なく、非常に狭い道でした。
また、内部昇格よりも中途採用の求人募集で本社スタッフを拡充していくことが多いブランドだったので、空きが生まれても、結局は競合ブランドから来たおっさんがポジションを奪っていくっていう感じで、私は本社VMDへの道を諦めて、転職してしまいました。
それでは、相談者様はよくお分かりかと思いますが、店舗付きVMDから本社VMDになると、ワークスタイルがどう変わるのか?という点を確認しておきましょう。
店舗付きVMDから本社VMDになるメリット
VMDの仕事はオフィス勤務中心&転勤なし
販売の仕事をしていると、店舗の異動が頻繁に起こります。給与面の問題もあり、販売員はなかなか持ち家を持てないのですが、本社勤務になれば定住が可能になります。
本社VMDは店舗巡回などの出張はありますが、一年のほとんどを本社オフィスで仕事をします(ただし、かなり大きい規模のブランドだと本社機能を全国の地方オフィスに分けている場合もあります。その場合は本社VMDであっても、地区をまたいだ転勤がある場合もあります)。
また、転勤の心配がないため、家庭を持ちやすくなると言うメリットもあります。アパレルは結婚がしにくい職業なので、本社VMDになると縁談も進むかもしれませんね 笑
給料が大幅にアップ!VMDアシスタントであっても販売員を上回る場合も
給料・年収の低さもアパレル販売員の悩みどころですよね。
ブランドにもよりますが、本社スタッフの職務グレードは、店長と同等かその一つ上に設定されている場合が多いです。
そのため、全国展開の大規模ブランドであれば、年収400万円台中盤~500万円台あたりが本社VMDの平均的な年収となります。
アシスタントであれば300万円台後半~もありえますが、それでもヒラの販売員よりは大きく年収アップできるという人が多いのではないでしょうか。
アパレル販売員の給料はブランドによってピンキリありますが、少し不思議なのが「会社の規模と給料が比例しない」ということです。
知名度も高く、全国に何十店舗も展開しているような<売れてるブランド>であっても、働いている店舗スタッフの給料は、月給20万円・ボーナス無しで年収240万円とかっていうのが、普通にあり得ますよね。
本社スタッフの場合は、一般企業と福利厚生も変わらず、ある程度ブランド規模に比例して給料も高くなる傾向にあります。
店舗勤務のような過酷な残業は無し。職場環境は一般企業で働くのと同じ
もう一つ、販売員の悩みの種が立ち仕事+残業時間の多さによる、体力的な負担です
特に店舗付きVMDをやっているスタッフは、日中は接客をして、閉店後に長時間残業でディスプレイ作成やレイアウト変更を行っている場合がほとんどです。
ショップのVMD担当は、店舗内で最も残業が多い役割であることに異論を唱える人はいないでしょう。
ちなみに、私が所属していたファストファッション系のSPAブランドでは、商品の入れ替えサイクルが非常にスピーディーで、大幅なVMDチェンジが週1ペースでありました。その際は、閉店後~翌朝というスーパー過酷な深夜シフトが組まれ、体力的には相当タフでした。深夜のハイテンションでVMDをやるのも楽しかったですが 笑
本社スタッフにも、もちろん繁忙期の残業は発生しますが、あくまで一般企業レベルの時間数であって、一年を通して見ると定時退社できる時期も多いです。そもそも、椅子に座って仕事してるから体が楽ですしね。
また、アパレル企業でも、本社スタッフにはフレックス制度(拘束時間に縛られずに好きな時間に出社・退社可能な勤務体系)を導入しているブランドが増えています。フレックスのブランドのVMDになれば、ワークライフバランスが非常に充実した毎日を過ごせます。
VMD巡回で全国の店舗回り。旅行気分でもちろん旅費は会社持ち!
これはメリットと感じる人とデメリットと感じる人に分かれますが。
全国展開のブランドの本社VMDは、本社スタッフの中では出張が多い職種になります。さすがにバイヤーほどではないにしろ、それなりの頻度で出張が発生します。
主な出張理由は各店舗の巡回・VMD指導です。
※地方に支社オフィスがあるぐらい、超大規模のブランドだと、関東、近畿、九州など地域ごとに担当VMDを割り振る場合もあります。
もともと旅行好きな私にとっては、出張って会社の経費でホテルに泊まれる楽しいイベントです 笑 地方の美味しいものが食べられるのも最高。なので、同じような方にとっては、いい感じで出張が入るVMDは適役かもしれませんね。
一年間VMDにどっぷり。<好き>を仕事にすることができる
色々書いてきましたが、何よりもこれが一番のメリットでしょう。
大好きなVMDに常に触れながら仕事ができる。それでお金が稼げる。最高ですね。
これが店舗付きVMDだと、接客販売とVMD業務を兼務しないといけません。また、店長・副店長がVMDを担当するブランドの場合は、店舗マネジメントがメイン業務で、VMDはおまけになってしまうことは言わずもがな。
朝から晩までVMDにどっぷりと漬かれる環境は、この仕事が好きな人にとってはたまらなく幸せな時間になります。
好きなことを仕事にできるっていう、誰もが憧れるような職場環境を手に入れることができます。
今のブランドに固執する理由は本当にあるのか?転職という選択肢もアリ
それではご相談に戻ります。
私はこのまま今のブランドで、副店長を経験してから本社を目指した方がいいのでしょうか?
相談者様は、現在所属しているブランドに「本社勤務への昇格は副店長以上の役職経験者」というレギュレーションがあるために、本社VMDへの道がまだまだ遠く、悩まれている状態です。
また、副店長・店長などの店舗マネジメントのポジションに対してはあまり興味がないため、キャリアアップのために副店長を経験しないといけないことにも不安があるとのことです。
これは、どちらが正解でどちらが間違っているという類のお悩みではありませんが、一度冷静に考えた方がいいのが「今のブランドのVMDでないといけないのか?他社であっても本社VMDという仕事になれればOKなのか?」という点です。
VMDという役職は専門職になり、人口が少ないニッチな職業なため、スキルと経験が伴っていれば他ブランドへの転職が容易です。
また、他業種(インテリア、スーパー、家電量販店、ホームセンターなど、あらゆる小売業でVMDという仕事は存在します)も、転職先候補に入れることができるという意味では、それなりに潰しもきく職業です。
私の持論なのですが、VMDという職業は、空間把握能力と数値管理の視点さえ持っていれば、扱う商材や店舗の形状が変わってもすぐに対応できるものだと思います。これは、実際にそれなりの年数、VMDの仕事をしている人だったら、誰でも同意してもらえるはず。
相談者様はディスプレイやショーウインドウの作成といったVPだけではなく、売場戦略と数字に基づいた陳列も行っているとのことなので、「魅せるためのVMD」だけでなく「売るためのVMD」を体得していらっしゃるとお見受けします。
さすがに、いきなりVMDリーダーなどのマネジメントポジションは難しいですが、アシスタントからでもOKであれば、他ブランドや異業種の本社VMDの求人さえ見つかれば、転職することは充分可能なのではないでしょうか?
私はどちらかと言えば、今のブランドに拘るよりも、転職して一日でも早くVMD専門のポジションに就く道を選ぶべきだと思います。
私が働いていた一社目のセレクトショップのように、「店舗付きVMD経験者可」の応募条件で、本社VMDの求人があるブランドにまずは転職して、2,3年経験を積んでから、大規模ブランドにキャリアアップするっていうのが最も現実的な方法でしょう。
今のブランドで数年後に副店長、その数年後に本社VMDという道筋はかなり長いですし、ポジションに空きが出るのがいつになるのかも分からりません。
であれば、今VMD関連の求人があるブランドに積極的に応募して、まずは本社VMDという職種を経験していくのが得策かと思います。
注意:VMDの求人は非公開求人として裏で募集されることが多い
相談者様も仰っているように、VMDの求人の探し方については注意が必要です。
アパレルのVMD、バイヤーなどの本社スタッフの求人は、転職サイトにはあまり表だって公開されません。
理由としては、VMDは専門的な職業のため、転職サイトで広く求人募集しても応募条件に該当する転職者の数が非常に少なく、企業からするとよい採用に繋がりにくいためです。
また、転職サイトは、掲載に月間うん十万円なと大きな固定費が発生するため、企業側からすれば、たった一人の採用のために求人募集を大々的に掲載するのは効率的ではありません。どちらかと言えば「数打ちゃ当たる方式」よりも「見込みのある人材を狙い撃ち方式」の方が、採用活動として合理的です。
そこで、転職エージェントの非公開求人か、掲載にお金の掛からない自社ホームページの採用欄に掲載することがほとんどです。
転職エージェントの非公開求人は、「内定者一人につき〇〇円」という費用を、企業からエージェント側に支払う、いわゆる成果報酬型のビジネスモデルです。
そのため、本社VMDやバイヤーのような対象者の数が少ない職種に積極的に利用されるケースが多いです。
逆に、一度の募集で大人数を採用したい求人の場合は、掲載期間に対して固定費を支払う、一般公開求人の方が適しています。
こういった仕組みが分かっていれば、なぜ最近は、転職サイトと転職エージェントの両方のサービスがあるのかが理解しやすいですね。
VMD求人多数!私が実際に利用して高パフォーマンスだった転職エージェント
私が転職活動をしていたときは、転職エージェントをフル活用していました。
人生で二回転職をしていますが、一回目のときはまだまだ転職エージェントは我が国に根付いていなかったので、そのときからこんな便利なものがあればなーと思いました 笑
最近は転職活動をしている人の約4割が転職エージェントを使っているそうですが、上に書いたようにVMDなどの専門職は転職エージェントの非公開求人での募集が中心になるので、マストで使った方がいいです。
自力での転職活動と比べたときの主なメリットとしては
- 事前に面接やエントリーの対策をアドバイスしてもらえるので合格確率が上がる。
- 半自動で条件に合う求人を紹介してくれるので手間が大幅に省ける。
- 履歴書や職務経歴書の作成をサポートしてくれるので資料の精度が上がる。
- 年収交渉をしてくれるので希望年収に近づきやすくなる。
などが挙げられます。
各エージェントによって取引のあるブランドは異なるので、私の経験上2,3社は登録しておいた方がいいです。
さすがにそれ以上の数になってくると、管理が大変になってくるので、マックス3社ぐらいでいいかなと思います。
アパレル企業特化の転職エージェント:クリーデンス
クリーデンスはアパレル特化の転職エージェントのパイオニア的なサービスで、扱っているブランド数や、エージェントさんの対応力・提案力が頭一つ抜けています。
また、元アパレル勤務のエージェントさんが多いので、価値観が共有しやすくて話が早いです。
クリーデンスで扱っている求人全体の80%が非公開求人になるため、その中にはVMDの求人もたくさんあります。
ただ、対象地域が関東・関西・中部だけになるので、その他の地域での就業を望む人は利用できません。とは言え、アパレル企業の本社はほとんどが東京・大阪・神戸あたりに集中しているので、本社VMDを目指すのであれば問題ないでしょう。
ちなみに、就職を機に上記地域に引っ越しをする、いわゆるIターンの場合であれば、現在の居住地が地方であっても問題ありません。
全業種対応の転職エージェント:マイナビエージェント
アパレル以外の業種のVMDを探すなら、マイナビエージェントが専門職全般に強く、VMDの求人も多かったです。転職エージェントの世界ではリクルートと並んで最大手のサービスになるので、当然と言えば当然かもですが。
マイナビエージェントから、大阪にある某巨大テーマパークのグッズ売場のVMD求人を紹介してもらったことがあって、つくづくVMDっていう職業は色々な分野で求められる素晴らしい仕事だなと思ったのでした。しかも、超大手の外資だから、アパレルと比べると年収が異常なぐらい高かったし。
私は土日休み以外NGで探していたので、お断りしちゃいましたが 笑
VMDのキャリアアップを目指してひた走る相談者様に幸あれ!
私が今回の相談者様と何度かメールをしていて思ったのは、夢を追う若者のなんと美しいことか、ということでした。もう完全におっさんです。
というのも、私の場合も前述したとおり、もともとVMDメインで販売員をしていて、やっぱり本社VMDを目指していたのです。ただ、自分が結婚することを機会に働き方を見直すようになり、夢ややりがいよりもプライベートを充実させる方に舵を切ったのですね。
なので、自分が果たせなかった生き方を歩んでおられる、という意味でも、夢を追いかけて厳しい道を選ぶ相談者様を、応援せずにはいられないです。
行動すれば、必ずいい結果にむすびつくと思いますので、ぜひ前向きにトライしてみてください!
また夢に近づいたときはご報告いただけると幸いです。
アパレルのお仕事に関するお悩み相談を受け付けています
当サイトでは、引き続きアパレルのお仕事に関するお悩み相談を受け付けています。
いただいたお悩みはサイトで公開させていただく可能性がございますが、ご相談者様の特定に繋がる要素はすべて省かせていただきます。
また、公開前の下書き段階で一度ご確認いただき、必要に応じて修正いたします。
同じ境遇の方を一緒に救うことにも繋がりますので、是非お気軽にお問合せください。
アパレルお悩み相談室:「アパレル販売員の彼氏と休みが合わない・会えない」
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
読者様からのお悩み相談室スタート!
当ブログでは、私がアパレル販売員をしていた頃のお話を中心に、アパレルで働く人向けの記事を書いています。
で、サイトの目立たない場所にひっそりとですが、お問い合わせがあればメールしてね、という感じでメールアドレスを記載していました。
最初にメアドを乗っけたときは、「まあ個人でやっているブログにお問い合わせなんてそんなに来ないかな」と想定していて、実際に全く音沙汰なかったのですが 笑、ブログも開設してからそれなりに時間が経ったこともあり、最近はアパレルのお仕事をされている方から、ちょこちょことご相談をいただく機会が増えてきました。
皆さんのご相談内容を拝見していると、やはり、アパレルのお仕事について何らかの悩みがある方がほとんどなのですが、皆さんの悩みで共通している事柄も多いなと感じています。
なので、せっかくならお悩みを公開させていただき、同じ悩みを抱えている人のお役に立てないかなと思い、今回の記事を第一弾として作成しました。
※事前に相談者様へ公開の可否を確認の上、個人の特定に繋がらないないように、少し改変した文章にしていますが、質問の主旨は変わりません。
匿名希望様からのご相談内容
イッパイアッテナ様
はじめまして。突然のメッセージ失礼します。
なにか頑張るきっかけがほしくご連絡しました。私は現在、カレンダー通りの出勤、生活リズムも決まっている職業に就く者です。
最近付き合い始めた彼氏が、アパレル販売員の仕事をしています。
彼の仕事は拘束時間も長く、かなりの激務のブラック企業といった感じです。
基本的に休みも合わず、元々覚悟はしていましたが、12月後半からはセール等もあって、まったく会えなくなりました。
彼の忙しさを理解してあげたい一方で、このままいつまで待てばいいのか?という不安もあります。
今私にできることは彼が落ち着くまで待つ事なのでしょうか?
現在の奥様に当時してもらって嬉しかった事や、逆にもっと理解してほしかった事はありますでしょうか?
彼、そして彼の仕事との向き合い方が分からず、すごく苦しい日々を送っております。
なにか、これからも彼と頑張っていけるお言葉をいただければ幸いです。
まずは一旦ご質問の要約
- アパレル販売員の彼氏を持つ女性からのご相談。
- お二人は付き合って間もない。
- 質問者様はカレンダー通りの休日のお仕事。
- セール期に入ってからは彼との時間が全く合わず会えなくなった。
- このままいつまでこの状態に耐えればいいのかが分からずに不安。
- アパレルの仕事を持つ彼との向き合い方が分からない。
- 同じ境遇を経験した私(イッパイアッテナ)が妻(当時の彼女)にされて嬉しかったことは?
と言った感じですが、同じような境遇の方は、男女限らずに多いのではないでしょうか?
アパレル以外でもそうですが、平日休みのお仕事と土日休みのお仕事をしている二人がお付き合いをすると、会えない問題は必ず一度はぶち当たるかもしれませんね。
相談者様は、彼氏さんのお仕事内容や忙しさを理解するために、色々調べている中で、当サイトを見られたそうで、なんと彼想いの優しい方なんだろうと感心しました。たぶん、今このページを見ている全接客業の人も同じ気持ちだと思います 笑
相手の仕事のことを知るために行動に移すって、なかなかできないですよね。
ということで、相談者様と、同じ境遇に悩む皆さんのために、私の立場からアドバイスできることをお答えします。
まず、その前にアパレル販売員の彼氏さんの人となりを知りたくて、相談者にはいくつかの質問をしました。
私から質問者様に投げかけた質問とご返答
実は、私が最初にご相談を拝見したときに思ったことがあります。
それは、「彼氏さんとご相談者様で、<忙しい><会えない>の基準が違うのではないか?」ということです。
つまり、相談者様が感じている「ブラック企業」「会えずに不安」という気持ちを、彼氏さんはそもそも感じておらず、二人の感覚にギャップが埋まれていないのか?という心配です。
そうなってくると、もはや「アパレル販売員の恋人との向き合い方」という問題ではなくて、「頻繁に会いたい人と、そこまで会わなくてもいい人との恋愛」っていう、もう少し広義の問題に話が変わるとともに、「人生の時間をどれだけ仕事に費やすか」っていう、仕事観のすり合わせの話になってきます。
ということで、以下の質問をしました。
Q1.彼氏さんは今のお仕事に対してどう感じているのか?
A.今の職場でキャリアアップが思うように進まずに悩んでいる。頑張りたい気持ちがありつつも、仕事の多忙さも辛く、転職が視野に入っている。進路に悩んでいる状態。
Q2.彼氏さんは普段は休日をどのように過ごしているのか?
A.お家でゴロゴロと過ごしたり、ゆっくり寝る時間に充てている。
まず、Q1の答えからは、アパレルで働く人なら経験したことがあるであろう苦悩が垣間見えます。ここで分かったのは、彼氏さんが「おれは今の職場の仕事に人生のすべてを掛けるぜ!」っていうポジティブな状態ではなく、仕事に対して不安やもどかしさを感じているということです。また、彼氏さんも今の職場環境をブラックだと捉えているようです。
Q2の答えは、私のことを言っているのかと思ったのですが 笑 休日にはひとりで過ごす時間を大切にされる方だということが伺えます。
以上を踏まえた上で、いただいた相談に答えていきましょう。
アパレルのセール期の忙しさはいつまで続くのか?
彼の忙しさを理解してあげたい一方で、このままいつまで待てばいいのか?という不安もあります。
アパレルで働いている人以外には、アパレルの仕事のサイクルって理解しづらいかと思います。
一番理解しやすいのは、「世間が仕事を休むタイミングが一番忙しい」ていう答えでしょうか。アパレル店舗の繁忙期は、12~1月の冬セール、6~7月の夏セールの二つが最大のピークで、プレセールなどの期間を含めれば、大体1カ月強ずつがセール期間にあたります。
それ以外だと、ゴールデンウイーク、シルバーウイーク、お盆などの一般的に長期休暇でお出かけるする人が増える時期ですね。
世間がお仕事を休むタイミング=買い物にくるタイミングなので、一般職のサイクルとは真逆になります。
これを書いている1月15日現在、冬セールはそろそろ落ち着き始めている頃で、ブランドによってはセール商品をほとんど売りつくして、春夏物が立ち上がる時期に差しかかっています。ただ、このあたりはブランドによってまちまちなので、少し長めに見て1月末ぐらいまで、と考えれば間違いないです。
なので、いつまでこの状態が続くのか?いつまで待てばいいのか?というご質問への答えとしては、「1月いっぱい」になります。逆に、2月からは一年で一番の閑散期がやってくるので、残業も減り、彼氏さんも少し心に余裕が出てくるのではないでしょうか。そしたら、今の会えないっていう問題は緩和されるのではないかと思います。
一カ月間にたったの一度も会えない謎
さて、多くの方は、ここまで読んでいて以下の疑問が生まれるのではないでしょうか?
「セールで忙しいのは分かる。でも休日は家でゴロゴロしてるんだったら会えたんじゃないの?」
これは確かに正論です。
平日休みと土日休みの溝があるとは言え、例えば彼氏さんがお休みの日は、ご相談者様の仕事終わりに一緒に食事にいくぐらいのことはできそうなものですよね?
ましてや、休みの日は家でゴロゴロとしており、特に大切な用事があるようにも見えません。
では、なぜアパレル販売員の彼氏は1カ月もの間、会おうとしなかったのか?
いよいよ、今回のご相談の核心に迫ってきました。名探偵コナンのようです 笑
なぜアパレル販売員の彼氏は、一カ月間、一度として会えないのか?
その答えを知るためには、アパレル販売員の事情からは少し離れて、行動学、もしくは男女の違いの話になります。
その説明のために、ここで私自身の体験談をご紹介します。
同じような状態だった私が彼女から言われてつらかったこと
現在の奥様に当時してもらって嬉しかった事や、逆にもっと理解してほしかった事はありますでしょうか?
私の体験からいくと、相談者様と少し違っているのが、彼女(今の妻)が元アパレル販売員だったことです。
妻は2,3年ほどアパレルの仕事をしてから、土日休みの仕事に転職をしたので、私ほどのキャリアは積んでいないにしても、アパレルの仕事にはいくらかの理解がありましたので。
ただそうはいっても、妻も自分が土日休みの仕事に就く立場になると、過去の自分を省みるのは難しかったようです。不満を溜めて、あの頃は何度も喧嘩をしたものです(遠い目)。
当時の私は、旗艦店の副店長になったところで、爆発的に仕事量が増えました。
店舗の人手不足などもあり、一人で三人分の仕事をしないといけないような状態で、遅番中心だった私は終電を逃すことが当たり前になり、お昼過ぎに出勤→始発までサービス残業で働く→帰宅して3,4時間寝る→また出勤。っていう地獄のようなサイクルにハマっていました。正確に数えたことはないですが、残業時間は月に120時間を越えていたんじゃないかと思います。
それでも、頑張って店舗の売上を上げたい気持ちや、部下に仕事を押し付けて同じような残業を背負わせたくないという気持ちでなんとか乗りこえていました。最後は根性以外の何物でもありません 笑
こう書くと、さも武勇伝のようですが、実際はそんなことはなくて、ただただ私がバカな働き方をしただけだと思っています。心も体も壊さずに耐えられたのは、運が良かっただけで、実際は体重も10キロほど減り、いつも青い顔をしていたと言われていたので、倒れる一歩手前だったのかもしれません。
で、当時、妻に言われて最もつらかったのが「なんで休みの日に会ってくれないの」という言葉でした。
あなたはどっち?あり得ないほど仕事が忙しいときの行動パターン
何かで読んだのですが、人がとても巨大なストレスを抱えたり、心が疲れているときに取る行動パターンは、大きく二つに分かれるそうです。
1.女性に多い:アクティブに行動してストレスを発散するタイプ
まず、一つ目は女性に多いと言われているタイプです。
心に大きなストレスを抱えたときや、もやもやしているときは外に出てお喋りをしたり、スポーツで体を動かしたり、カラオケなどで大きな声を出したり、といったアクティブな行動でストレスを発散します。
仕事でストレスを抱えたときは、休日に予定を詰め込んで思いっきり遊ぶことで、仕事のことを頭から一時削除し、忘れてしまうのですね。非日常の高揚感に身を置くことで、ストレスを吹き飛ばすわけです。
2.男性に多い:一人の時間や睡眠時間でストレスを癒すタイプ
次が、相談者様の彼氏さんもまんま当てはまっている、男性に多いタイプです。ちなみに、私も100%こちらです。
このタイプの人は、仕事で大きなストレスを抱えると、それ以上のダメージを受けないために一旦、心のノイズになり得る要素をすべてシャットアウトしてしまいます。
具体的には、人には会わずに一人で家で過ごす、寝る、ボーっとするなどの非アクティブな行動を取ります。
このタイプの人は、オンオフの切り替えが苦手で、仕事のストレスをそのまま休日にも持ち込みがちです。その状態で恋人や友人と会っても、「誰かと接すること」そのものが新たなストレスになってしまい、思いっきり楽しめません。
そのため、少しでもストレスがない状態(一人の時間、寝る時間)に身を置くことが最善のストレスの解消法になります。この状態のときは、恋人や友人との時間は二の次になりがちです。
なんでもない日常の安心感に包まれることで、ストレスを癒すのですね。
皆さんは、上記の二つのタイプのどちらに当てはまるでしょうか?
女性に多い、男性に多い、と書いていますが、もちろん男性で前者のタイプの人、女性で後者のタイプの人も多くいらっしゃいます。
「ストレスは発散」「ストレスは癒す」相容れない二つの考え方
前者の「ストレスを発散するタイプの人」からすると、後者の「ストレスを癒すタイプの人」の行動の意味が理解しにくいかもしれません。つまり、今回の相談者様のパターンでいくと、「休みの日にゴロゴロしているのが理由で会えないんだったら、会う時間に充ててくれたらいいのに」と感じてしまいます。
確かに、付き合って間もないのに、仕事が忙しいからとクリスマスにも会えないっていうのは辛いですし、そこは彼氏も多少無理してでも会ってやれよとは、これまで彼氏擁護で進めていた私でも思います 笑 それで文句を言わない相談者様はえらい!私の妻なら一週間は口を聞いてくれなくなるでしょう 笑
ただ、アパレルのセール期って、あり得ないほど忙しいので、後者のタイプの人であれば、彼女との時間よりも家にひきこもる時間を優先させたくなるというのも充分あり得ます。
恋人とはいえ他人であるという「諦め」も大切
このタイプの人は、決して愛が薄いわけではなくて、そもそものストレスへの向き合い方が違うのですね。もう根本的に違う惑星の生き物だと思った方がいいぐらい違います 笑
当たり前ですが、恋人といっても、性格の違う他人同士です。性格の違う相手の気持ちや考えを理解できないまま、自分の基準で物事を考えてしまうと、結局は自分が辛くなるばかりで、せっかくこれから一緒に人生を歩んでいこうとしているパートナーとの付き合いに疲弊してしまうことになります。
私は恋愛指南ができるような人間ではありませんが、既婚者の立場から言わせていただけるならば、パートナーとの付き合いには、ある種の「諦め」が必要だと思っています。結局は自分とは考えの違う人である、という諦めです。
ドラマや漫画には、恋愛や夫婦生活の一番美しい場面しか描かれません。でも、実際の恋愛ではそんなわけもなく、もっといびつで滑稽で、美しくない場面の連続です。
男って面倒くさいなと思われる女性も多いかと思いますが、もうこれはしょうがないです 笑 大変なセール中のお仕事を頑張っている彼氏さんを暖かく見守っていただけたらなと思います。これは、過去の自分が妻に伝えたかったけど、うまく言えなかったことでもあります。
基本的に男は恋愛がヘタなのです。
幼少期から恋愛をテーマにした少女漫画を読んで育つ女性と、バトル漫画を読んでいた男性で、恋愛の地力が同じわけがないです 笑
女性は男性に、自分と同じ恋愛力を求めずに、格下を相手にするつまりで、おおらかな気持ちで付き合っていただけたらなと、勝手に男性を代表してお願い申し上げます。
ここで、また私自身の話に戻すと、妻はどこかのタイミングで、私の気持ちを少し理解してくれたのかなと思います。
私が仕事が忙しくてしょうがない時期は、放っておいてくれるようになりました。なので、相談者様からいただいた以下の質問
現在の奥様に当時してもらって嬉しかった事や、逆にもっと理解してほしかった事はありますでしょうか?
こちらの、嬉しかったことは何かというと、「放っておいてくれたこと」「私の面倒くさい部分を諦めてくれたこと」ですね。
結婚もずっと待たせていたし、当時はひどいことをしたと反省しております。
アパレルからの転職を考える彼氏さんの今の気持ち
もうひとつ、彼氏さんの今後のキャリアプランに関しても、少しアドバイスを。
Q1.彼氏さんは今のお仕事に対してどう感じているのか?
A.今の職場でキャリアアップが思うように進まずに悩んでいる。頑張りたい気持ちがありつつも、転職を視野に入れている。進路に悩んでいる状態。
彼氏さんは、現職でキャリアアップが思うようにいかずに悩んでいるとのことです。
転職も考えているけど、今の職場で上を目指したい気持ちもあって、板挟みになっている状態だとお見受けしました。
これも、アパレルあるあるかもしれませんね。
ブランドにもよりますが、アパレルで上のポジションってなかなか空きが生まれずに、ずっと頑張っていてもキャリアアップに繋がらない中堅社員が本当に多いです。実力も経験もすでに充分備わっているにも関わらず、です。
私がこの質問をしたときに危惧したのが、「そもそも彼氏さんは仕事大好き人間で、セールの忙しい時期が楽しくてしょうがない。だから彼女との時間よりも仕事を優先している」という、ある意味タチの悪い、やる気満々マンのパターンでした 笑
でも、そうではないのですね。彼氏さんも今の忙しいお仕事が辛いと感じているとのことです。
「だったら早く転職したらいいのに」と思う方も多いかもしれませんが、男は一度自分で頑張ると決めた道を、そう簡単には引き返せないものですよ。これも、仕事に対して現実的な利よりも、夢やプライドを重視しがちな男性特有の考えかもしれません。
以上を踏まえて、今の彼氏さんのキャリアに対する考えはこんな感じではないかと予想します。
キャリアアップが進まずに転職を考えるアパレル販売員の思考パターン
今の職場で頑張って役職につきたい
↓
現実は難しく、将来のことを考えると転職した方がいいのではないか
↓
でも今の職場で役職がついていない状態での転職は不利になるのではないか
※最初に戻る
同じようなループにハマったことがある人も多いのではないかと思います。
異業種に転職する不安や、今までの頑張りが無駄になってしまう懸念が、転職へ二の足を踏ませてしまうパターンです。
また、聞けば相談者様との結婚も意識しながらのお付き合いとのことなので、早く稼げるようにならないといけないという焦りもあるのではないかと予想します。
実際は、役職がなくても転職は可能ですし、これまで頑張ってきたことは必ず他の仕事でも活きるのですが、当事者にとっては、そうポジティブには考えられないものですよね。
恋人から今のアパレル販売員の仕事を否定されるのは辛い
ただ、ここで注意しないといけないのが、相談者様から「なんでそんな仕事を続けているの」とか「早く転職したら」といった、アパレルの仕事を否定するような言葉をいわれるのは、とっても辛いということです。
これも男の面倒くさいところ 笑 ですが、仕事がつらいつらいと言っていても、これまでプライドを持ってやってきた仕事を悪く言われるのはイヤなのですね。それは、つまり、これまでの自分の人生を否定されるのと同じだと感じるからです。
また、転職といった人生の大きな決断を、恋人やパートナー主導で進めるのも、プライドが邪魔して、頭では分かっていても素直に受け入れられないものです。あーめんどくさい 笑
何かの折にさりげなく、「こんな仕事もあるよ」と、彼氏さんに向いている仕事(営業職とかアパレル通販運営とか)を教えてあげるぐらいならOKなのですが、あくまでそれを選び、決断するのは彼氏さんという風にソフトランディングしないと、彼氏さんのプライドが邪魔をしてきます。やっぱりめんどくさい!
そんなのナイーブすぎると思われるでしょうが、それだけ彼氏さんにとって「仕事」というものが、人生の中で優先順位が高い証拠かと思います。
相手の性格を理解し、それに合った寄り添い方をする大切さ
ということで、「アパレル販売員の彼氏を持つ女性のお悩み相談」として始めた第一回のご相談室ですが、思えば遠くに来てしまいました。
当初は、相談者様はセール期の彼との時間が取れないことで、アパレルの仕事というものをどう理解すればいいのか?というポイントで悩んでいらっしゃいました。
それももちろん、とても大切なことなのですが、それ以上に、彼氏さんの人間性や性格をどれだけ理解してあげられるか、という方がもっと大切なのかなと感じました。
極論、彼氏さんがアパレルから転職しても、似たような場面は起こり得ると思うのです。例えば「せっかく休みの日程が合うようになったのに、なんで会ってくれないの!」とか。
とはいえ、片方が我慢しっぱなしも辛い
まあ、彼氏さんにももう少し相談者様の気持ちを分かってほしいっていうのも正直なところですよね 笑
相談者様が我慢しっぱなしになるのは辛いです。
今はセールでいっぱいいっぱいの状態だと思うので、落ち着くまでは待つとして、お互いに向き合ってお話ができるタイミングになれば、少し腹を割って話してもいいかもしれません。
おいしいものでも食べながら、お互いがどんな付き合い方を今後していきたいのかを、冷静に話す機会を設けるとか。
これは夫婦のお話なので参考になるかは分かりませんが、我が家の場合。
土日の休みがあれば、土曜は妻が好きに使える時間(車で妻の行きたい場所に連れて行ったり)。日曜は私が好きに使える時間(ブログを書いたり、一人で映画を観に行ったり)という感じで、お互いの希望を一日ずつ叶えられるようにしています。
お互いがいい感じに、譲りあい、妥協しあい、諦めあいという感じで付き合っていけるペースを見つけられればいいですね。
まだまだお付き合いが始まったばかりのお二人には、これからたくさんの楽しいことが待っています。彼が落ち着くのを少し待って、お幸せになっていただければと思います。
アパレルのお仕事に関するお悩み相談を受け付けています
今回は初めての試みということで、非常に長くなってしまいました。相談者様、そして同じ境遇に悩んでいる皆さんのお役に立てれば幸いです。
ちなみに、男性が結婚のタイミングで転職する際のお話については、↓の記事がありますので、ご参考に。
>>結婚のタイミングで転職する男性に伝えたい経験談と正しい転職活動の進め方
当サイトでは、引き続きアパレルのお仕事に関するお悩み相談を受け付けています。
いただいたお悩みはサイトで公開させていただく可能性がございますが、ご相談者様の特定に繋がる要素はすべて省かせていただきます。
また、公開前の下書き段階で一度ご確認いただき、必要に応じて修正いたします。
同じ境遇の方を一緒に救うことにも繋がりますので、是非お気軽にお問合せください。
今後ご相談の件数が増えると、すべてにお答えするのが難しくなるかもしれませんが、一旦広く募集するために、お問い合わせフォームを作成しました。
何かあればこちらからご連絡お願いします。
それでは、引き続き当サイトをお楽しみください。
洋服が売れないアパレル販売員のスランプ脱出に効果的なロープレ術。辞めたいと思う前に
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
服が売れない!スランプだ!辞めてやる!…の前に考えてほしい
アパレルの接客って不思議なもので、売れるときと売れないときがハッキリと別れますよね。
店舗で自分だけ売れない日が続き、失敗を恐れるあまり、いつもならできていたはずのアプローチや提案もぎこちなくなり、次第に本格的なスランプに突入してしまう。
これは、アパレル販売員なら誰もが一度は経験したことがある、魔の悪循環なのではないでしょうか。
このときに個人売りが設定されるブランドであれば、他スタッフとの数字の違いが可視化されるため、より大きなプレッシャーを感じてしまい、「仕事が辛い」「辞めたい」というネガティブな思考になってしまいがちです。
その状態があまりにも長期化してしまうのであれば、自分の接客スタイルに合ったブランドや、来店するお客様のニーズが高く、売りやすいブランドに転職するっていうのも一つの手段ですが、それはあくまで最終手段。その前にできることをやりませんか?っていうのが、今回の主題です。
売れない原因は人それぞれなので、明確に「こうやったらスランプから脱出できるよ」っていう、誰にも100%当てはまる答えは用意できませんが、売れないときに最も効果があるのがロープレであることは確信しています。
ということで、ロープレの効果的なやり方について説明します。
まずは洋服が売れないスランプの原因を冷静に分析
問題解決のためには、まずは現状把握からです。
洋服が売れない原因を大きく二つに分けると、
- 外的要因(季節要因でお客様のニーズが低い、商品に魅力がない、サイズやカラーなどの在庫が揃っていない)
- 内的要因(自分の接客が上手くいっていない)
の二つになります。
割と、2の方がクローズアップされがちなんですが、冷静に1の可能性がないかどうかも考えてみてください。セール期と閑散期ではお客様のテンションが全く異なるのに、セールノリそのままでいっても、まず売れません。
ただ、この場合は他のスタッフも売れてないはずです。そうではなく、他の人は順調に売上が取れているのに、自分だけ売れないのなら、やっぱり自分の接客スタイルを見直す必要があるので、2について考えを巡らせましょう。
洋服が売れた時代のアパレル経験者の意見は無視
ここで、雑誌のファッション販売とか、指南書の模範的な回答だと、「お客様のニーズを読み取って~」「YES/NOで答えられない質問を~」「鏡や試着室を有効に使って~」とかって書かれるんですが、そんなもんは百も承知な上でスランプになってますよね?
この手の偉い業界人のいうことは無視でいいです。
そもそも、書いてるのが大抵は、服が売れる時代に現役で活躍していた人で、なおかつ優良顧客が多い百貨店出身のコンサルタントなので、参考にならないです。
アパレルの中でいうと、百貨店とかオーダースーツの店って、来店するお客様がお金を持っていて購買意欲が高いから売りやすいんですよ。
逆に、アパレルブランドで一番、購入意欲の低いお客様が来店して、接客の決定率が低いのって、イオンモールに入ってるブランドです。客数と客層を考えたらなんとなく分かりますよね?
実際に、私が働いていたファストファッション系のブランドだと、CVR(コンバージョンレート)って言って、来店客数÷購入人数で、購入率を計算していたんですが、百貨店に入ってる店舗とモールに入ってる店舗だと、すごく差がありました。
では、実際に洋服が売れないときにスランプを脱出するために効果的なロープレについて説明していきます。
売れないときのスランプ脱出法はロールプレイング一択!
定番ですが、昔も今もロープレがダントツで効果があります。
もしも、店舗内で自分だけが売れていない状況であるなら、自分の接客に原因があることをまず認めましょう。くやしいけどしょうがない。
その上で、自分の接客を客観的に見てみましょう。と言いたいところですが、自分の接客を客観視するのって難しいので、第三者に見てもらいます。
ロープレってド新人のころにやって以来、ずっとやらない人が多いんですけど、暇な時間とかスキルのある先輩を捕まえてドンドンやってもらった方がいいですよ。
売れないスランプの脱出に効果的なロープレ術1:売れる先輩を捕まえる
当たり前ですが、接客が得意なスタッフに付き合ってもらわないといけません。自分よりも売れない人に教えてもらっても、実のあるアドバイスはなかなか出てこないです。
また、たとえ個人売りの数字が高いスタッフであっても、感覚的に接客をやっている人はロープレの先生役には不向きです。
皆さんの周りにもいると思いますが、ノリと勢いだけでとんでもない個人売りを叩く販売員っていうのが世の中にはいます。むしろ、店で一番売るのは理詰めの接客ができる人よりもこんな人だったりもしますが、このタイプは持ち前のキャラクターを武器に服を売っている場合が多く、ノウハウを言語化するのが苦手だったりします。
なので、しっかりと接客を理論的に語れる人が、ロープレの相手には向いています。
売れないスランプの脱出に効果的なロープレ術2:まずはお客様への接客を聞いておいてもらう
いきなり、先輩を相手に接客をするのもありですが、まず最初は自分がお客様にしている接客を、近くでコソっと聞いておいてもらった上で、ロープレを始める方が効果的です。
これは、先輩にあらかじめ自分の接客のどこがボトルネックになって売れないのか?を、下見しておいてもらうためです。ロープレがうまい人であれば、そこを抑えた上でお客様役をやってくれるので、ロープレの効果が倍増します。
ロープレの効果は、お客様役がどう振る舞うかでほとんど決まってしまうので、その下準備を先輩にもしておいてもらうということですね。
たまに、大きいブランドの研修とかだと、新人同士を組ませてロープレさせたりもしますが、あれはあまり意味がありません。そんないい反応するお客様なんていないよ、っていう振る舞いをするお客様役ばっかりになってしまうので。
売れないスランプの脱出に効果的なロープレ術3:恥ずかしがってる場合じゃない。接客は本気でせよ
これはもう当たり前すぎるので、手短に済ませますが。
ロープレで恥ずかしがってる人=やる気がない人。でしかありません。
せっかく他の人の貴重な時間を割いてやっているのに、言い出した本人が恥ずかしがってちゃ意味がありません。新人じゃあるまいし、こんな人はいないとは思いますが、念のため。
売れないスランプの脱出に効果的なロープレ術4:あらかじめ質問をまとめておく
ロープレが終わったあとに、先輩からフィードバックをもらうわけですが、その際には自分から積極的に質問をしましょう。
私の経験上、接客で売れないときの主なボトルネックは以下のどれかになります。
- ファーストアプローチ(早すぎ、遅すぎ、声がけのワードがズレている)
- ヒアリング(質問が的外れ、ニーズの掘り下げが弱い、相槌が弱い)
- 提案(商品知識不足、商品の見せ方が弱い、ニーズと提案内容のズレ)
- フィッティング(試着室への誘導のタイミングが早すぎor遅すぎ)
- クロージング(最後の一押しが弱い)
テキストを色分けしていますが、私が思う特に大切なポイントが赤、逆に、よく言われがちだけど実際はそこまで大切でないのが青になります。
これを見ると、「え?いつもアプローチが遅いってドヤされてるんだけど!」とか「商品知識をつけろって、ぶ厚い資料を帰ってから読まされてるんだけど!」と思われる方も多いかと思います。
や、確かに、アプローチのタイミングって大切なんですが、どちらかと言えば、「今お客様が考えていることとズレた言葉で販売員が声がけをすること」の方が問題なわけです。
余談:「よかったらご試着できますので」を撲滅せよ
その最たる例が「よかったらご試着できますので」です。
冷静に考えてほしいのですが、別に試着したいと思ってない人に対して「試着できますよ」っていうのって、コミュニケーションとして成立してませんよね?
これ、当たり前のことを言ってるみたいですけど、接客でめっちゃ大切なポイントです。
お客様が商品をじっと見たり、触ったりしてるっていうのは、その商品のどこかに興味を持ったり、何かを想像してるわけですよ。
その頭の中で考えていることを想像して、それに合った言葉でアプローチするのが、プロの販売員です。数打ちゃ当たる式で、誰にでも「よかったらご試着できますので」って、アカンですよ。
アプローチはタイミングも大切ですが、それ以上に「なんていう言葉でアプローチするのか?」を大切にしましょう。
少し話が逸れましたが、戻します。
上記のように、接客のボトルネックになるポイントって、リストアップしたら数は限られています。あらかじめ、そのポイントをもとに、質問内容を想定しておきましょう。
売れないスランプの脱出に効果的なロープレ術5:自分の接客のどこがボトルネックになって売れないのか?を詳しくヒアリング
「今は〇〇ってアプローチしたんですけど、どんな言い方でアプローチした方が良かったですか?」
「お客様がどんな商品を探してるのかっていうニーズを掘り下げるためには、どのタイミングでどんな質問をしたらよかったですか?」
などなど、質問が具体的であればあるほど先輩も答えやすいです。
一回のロープレ接客って5分前後になるので、これぐらい具体的に質問してあげないと、先輩も最初の方のこととか忘れちゃいがちですし。
様々な角度からの質問で、自分では意識できていないけど足りていないところを、一つでも多くヒアリングして、次の接客に活かしてください。
売れないスランプの脱出に効果的なロープレ術6:ロープレは一度だけでは効果は出ない!複数のスタッフに何度もお願いすべし
ロープレを一回やるだけで、服が売れるようになるほど甘くはないです 笑
ロープレをして改善点が明らかになっても、すぐにそれが本物の接客に出せるわけではなりません。新しく習得する技術は、何度も実行を重ねることで、無意識にできるようになるものです。
ロープレ→お客様に接客→ロープレ→お客様に接客……と、繰り返していきましょう。
また、このときに、最初にお願いした先輩以外の人にも参加してもらうのも効果的です。
接客スタイルには人それぞれの個性がある中で、自分に取り入れやすい接客法と取り入れにくい接客法が存在します。最初にロープレをしてもらった先輩から取り入れられるポイント、次の先輩から取り入れられるポイント、と、いいとこどりをしていければベストですね。
ただ、この場合は、最初の先輩が「自分の指導は役に立たんてことか!」と気を悪くする可能性があるので、あらかじめ意図は共有しておきましょう。
副次的な効果として、たくさんの先輩に教えてもらうことで、店舗内で「あいつは今は売れてないけど頑張っとる」という良い評判が立ちやすくなります 笑
ロープレ地獄の先に待っている売上を期待しつつ、今は試練に耐えよ
ということで、服が売れない販売員がスランプを脱出するために、ロープレの効果的なやり方をご説明しました。
最後にも書きましたが、売れない状態を脱出するのは、短期的には上手くいかない場合もあります(逆に、ちょっとしたキッカケで一気に感覚を取り戻せる場合もありますが)。
スランプなどとは無縁の販売力を付けるには、周囲のスタッフの力を借りながら、毎日少しずつ積み重ねていくしかありません。簡単に売れるようになる裏技なんてものは存在しませんので、地道な努力を重ねましょう。
アパレル販売員は、数字でハッキリと結果が表される厳しい仕事ですが、だからこそ、目標を立てやすく、うまくいったときに大きなやりがいを感じられます。そんな醍醐味をもう一度味わえるように、めげずにやっていきましょう。
アパレル販売員の店舗異動はその後のキャリアを左右するビッグイベント
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
アパレル販売員の異動シーズンがやってくる
冬のセールもひと段落し、春夏のコレクションが立ち上がるタイミングが近づいてくると異動の時期がやってきます。
私は合計2社で10年弱、アパレル販売員をやっていましたが、その間に地方を含む異動を何度も経験しました。ちなみに、結婚を控えていた私にとっては、頻繁に異動が発生することがアパレルを辞めるきっかけの一つになったりもしました。
アパレル業界では異動の辞令が出されるタイミングは様々
そんな店舗間異動ですが、上司から異動を言い渡されるタイミングはブランドによって様々です。
一般的には一カ月前ぐらいに辞令がおりることが多いですが、急に「来週から他店に異動ね」なんて言われることも。
私の場合は、外資系のファストファッションブランドに所属していましたが、これは外資の文化なのか、割とギリギリに言われることが多かったです。東京の店舗に勤めていたときに、10日後から名古屋勤務と言われたことがあり、家探しを一日で済ませたのも今となってはいい思い出です 笑
そもそもなぜ異動が発生する?アパレル販売員が異動になる仕組み
異動が多いアパレルの世界ですが、そもそもなぜ異動が発生するのか?というと大層な理由があるようですが、これはもう単純にどこかのポジションに空きが生まれるから、他のどこかからの穴埋めが必要になります。
そして、その空きが生まれる主な理由は誰かの退職ですね。
退職にともなう玉突き人事の異動パターン例
渋谷店のAさんが退職すると、Aさんの穴埋めのために新宿店からBさんが異動。Bさんの穴埋めのために、大阪店からCさんが異動。Cさんの穴埋めのために…という感じで、玉突き人事で人が動いていくパターンが定番です。
この場合は大阪から東京に転勤になるCさんが一番かわいそうですね。
本社スタッフの退職にともなう玉突き人事の異動パターン例
この手の異動は店舗だけの問題ではなくて、本社スタッフの人事とも絡んできます。
本社VMDのDさんが他ブランドに引き抜かれると、横浜店で副店長をしているEさんが本社VMDに昇格。Eさんのポジションには同じ横浜店でヒラをやっていたFさんが店舗内昇格。Fさんの穴埋めに、福岡店からGさんが異動。
といった感じで、本社スタッフが退職した際に、中途採用ではなく社内のポジションチェンジで賄う場合にも玉突きで異動が発生します。Gさんかわいそす…。
これ以外にも、新店舗のオープンが異動に影響するパターンが考えられます。
皆さんもアパレルで働いていると、ヘルプなどの形で新店オープンに直接携わった経験がある方も多いかと思いますが、新しい店舗ができるということは、その店舗のスタッフはどこかの店舗から異動してくるわけで、その人数分の穴埋めが必要になります。
といったように、異動が発生するのは基本的に外的要因であることが多いです。もちろん、穴埋めが必要な状態になったとして、誰をどこに異動させるのか?という判断については、その人の持っているスキルと店舗で必要なスキルのマッチングが関係するわけですが。
異動先の店舗で新しい同僚と関係を築いていく難しさ
近隣の店舗同士の異動であれば、元同僚やヘルプなどで顔を合わせたことがあるスタッフが多く、馴染みやすいですが、遠方への異動だとそうはいきません。
すべてのスタッフと完全に初対面の中で、すでに出来上がっているチームの中に溶け込んでいく必要があります。
同じブランドであっても、店舗ごとの文化やローカルルールの違いに戸惑うこともしばしば。
都市圏と地方では同じアパレル店舗でも温度差がある
異動のときに厄介なのが、地方店舗から都市圏の大規模店舗に移ったときです。
大型店舗に所属しているスタッフは、良くも悪くも意識が高く、一つ一つの業務に対するモチベーションも高いです。
彼らは、ブランドの主力店舗に所属していることに対するプライドが高い傾向にあり、小さい店舗からスタッフが異動してくると、小馬鹿にしてくる輩も少なからず存在するんですよね。別にどっちでもいい業務の遂行方法に関して、「〇〇店ではそれでいいかもしれないけど、うちはこうやってるんで」みたいな小言をいってくるやつとか、ぶん殴ってやろうかと思いますが 笑
では、逆に大型店から小型店に異動したときはどうか?というと、反骨精神を持って挑んでくる輩がいて、これはこれで厄介です 笑
アパレル販売員の仕事において同僚は、仲間でありながら、同じポジションへの昇進を狙うライバルでもあるという側面が、特に一般社員の間は強くあって、こう言った軋轢は起こりやすいですね。
アパレルでは大型店はスペシャリスト。小型店はジェネラリストが求められる
異動のときに強く感じるのが、店舗ごとにスタッフに求められるスキルが違う、ということです。
これはアパレルに限らずですが、大きな組織の場合は仕事が分業制になっており、担当職務を専門的に極めていける反面、範囲外の業務に関してはノータッチのままキャリアを積んでいく傾向にあります。つまり、スペシャリストが求められます。
逆に、小さな組織の場合は一人で色々な業務を兼務する必要があり、幅広い職域をカバーできる分、特化したスキルを積みにくいです。従って、何事も万弁なくこなすことができるジェネラリストが求められます。
大型店→小型店の異動はギャップに苦労しがち
異動と言う話でいくと、苦労することが多いのは圧倒的に前者から後者への場合です。
実際に私が見てきた同期の女性スタッフの話ですが、旗艦店でずっと接客業務だけを専門的に極めてきたので、ストックやVMD関連のことが全くのちんぷんかんぷんの状態で、小型店の副店長に昇進してしまいました。態度が横柄だったので、私は嫌いな人でしたが 笑
接客は確かに全国トップクラスのスキルを持っているけど、マネージャークラスになると、プレイヤーとしての能力は不要になる場合がほとんどです。むしろVMD、数字の管理、スタッフの育成といった、店舗全体のために働く部分が必要になる中で、一切VMDのことが分かりませんっていう状態だと、さすがにキツイ。
人間だれしも、自分に自信を持てないと仕事も空回りしがちで、プライドが服を着て歩いていたような彼女が、見る見るうちに元気をなくしていく様子は、見ていてもちょっと辛かったです。
そんな彼女は、最終的には接客スキルオンリーで輝ける他ブランドへ転職してしまったのでした。
異動がアパレル退職のきっかけになることも
冒頭でも述べたように、私の場合は異動が続いたことが、ブランドを退職して異業種に転職する大きなきっかけになりました。
結婚を控えていたのですが、転勤なしの職業についている彼女のキャリアアップを私の都合で妨げたくなかったのですね。単身赴任という手段もありますが、子供ができたときのことを考えると避けたいと思ったのでした。私はイクメンでありたいと思っているのです 笑
引っ越し代は会社負担だけど家具代は自腹
これも地味に効いていたことです。
引っ越しを伴う異動の場合は、引っ越し代は会社が負担してくれるのですが、部屋ごとにあった家具や家電を用意しようと思うと、そのお金は自腹になります。当然といえば当然ですが。
例えば同じ家賃6万円の部屋でも、東京で借りられる部屋と地方で借りられる部屋では、広さも設備も全く違いますよね?そうなってくると、必要な家財道具も全く変わってきます。
地方の一人暮らしの部屋で使っていたIHのクッキングヒーターが、東京の部屋だと使えないとか。部屋が狭くなるので、ソファを捨てないといけないとか。地方ごとの寒暖差によって、必要な冷暖房器具も変わってきます。
引っ越しするごとに家財道具のための出費が数万円あるってキツイです。そりゃあ、我慢すれば何も買わなくても生きてはいけるんですけどねー。
まあ、そもそも東京の家賃が高すぎるっていう問題もありますが。
旅人のようなノマド精神を持ったアパレル販売員は転勤族も楽しめる
と、まあ異動のいやなところを書いてきましたが、実は結婚を考える前の私は異動がそんなに苦ではなかったのです。どないやねん。
元々、一人旅が趣味だったこともあり、それまで旅行でしかいけなかったような場所に移って、その土地の文化に触れ、特産品を食べるという生活も、悪くないと思っていたのでした。
余談ですが、暮らしやすさでベストだったのは北海道の札幌でしょうか。生活費は安い、適度に都会、ちょっといけば自然がいっぱい(夏場のドライブは最高です。冬は雪道が怖くて一回も車に乗りませんでしたが 笑)、料理が最強においしいと、いいことづくめ。
このように、仕事は仕事として頑張りつつ、異動先でのプライベートの時間を旅行感覚で楽しめる、ノマド精神を持ったアパレル販売員にとっては、むしろ異動はラッキーぐらいの感覚かもしれません。さすがに私はそこまでの境地には達しませんでしたが 笑
アパレル人生で異動は大きな節目
アパレル販売員の仕事と異動は切っても切れない関係です。
この仕事を選んだ以上は、まだ異動を未経験の方も「いずれは」と覚悟しておかないといけません。
既婚者や、近いうちに結婚を考えている人にとっては、私のように転職の大きなきっかけにもなるビッグイベントにもなり得ます。また、異動と同時に昇進となるパターンも多く、その場合は、異動がアパレル販売員のキャリアにとっても大きな節目になります。
もしも異動の辞令がおりたらどう行動するべきかはあらかじめ考えておきましょうね。
閑散期到来!アパレル店舗はセールが終われば一気に暇な毎日に
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
アパレル店舗が戦場と化したセールが終わろうとしている…
12月のプレセール時期から、お正月の初売りまでの怒涛の繁忙期が過ぎれば、アパレル店舗は一気に閑散期に突入します。
これを書いている現在が、成人の日を含む3連休ラストの1月8日なので、日本中のアパレル販売員が「今日で戦争のような地獄の日々が終わる…!」と思っているに違いありません 笑
セール時期は、乱れていく店頭商品を立て直していくことが店頭業務のメインになるため、接客なんてあって無いようなものです。いらっしゃいませと叫びつつ、お客様にサイズの案内をするだけで、あとはずっとお畳みとストックからの補充で一日が過ぎていきます。
なんなら私なんて、新人の頃の初売りで、「列の最後尾はコチラ」って書いた立て看板を持って半日ほど過ぎたことがあります 笑
アパレル店舗は繁忙期の狂騒の陰に鬼の入荷ラッシュ
私が経験したファストファッション系のブランドの場合だと、セール時期はショップに来店する客数の多さもさることながら、ストックやVMD関連の業務がとんでもなかったです。
繁忙期には一日の売上が1000万円を余裕で越える大型店舗で働いていたのですが、当然ながら売上に比例して補充される入荷商品の量もどんどん増えてきます。
冷静に考えれば、ただでさえ商品単価が安いファスト系ブランドが、セール価格で1000万円の売上を作っているわけで、平均商品単価が2000円だとしたら、5000点は売れている計算になります。
これがガッツリと補充で入ってくるのですが、こいつらを全部袋ムキして、店頭出ししたりストックにしまい込んだり、毎日閉店後にレイアウトを大幅に変更したりと、まあ私含めてVMDメインのスタッフは常に体力の限界を感じながら働いていました。最後は根性でなんとかしましたけど 笑
閑散期になると一転してアパレル店舗は暇に
これが、1月の第3週ぐらいになってくると、街の人が失踪したのかと思うぐらい 笑 に、客数が減ります。
売上をセールに頼らないデザイナーズブランドなどの場合は、逆に新作を心待ちにしているコアな優良顧客が新作を買いに来てくれる時期ではありますが、一般的なセレクトショップ、ファスト系、イオンモールなどに入っているその他もろもろのアパレルブランドは、この時期が最大の閑散期。
セールで使い果たした体力を回復するためにも、残業は少なめになり、緩い空気が店舗スタッフ全体に流れます。長期休暇を回したり、スタッフの異動の噂がちらほらと流れ出すのもこの時期です。
お客様の来店がない日のアパレル販売員ほど暇な仕事は無い
有給を回す分、店頭に立つスタッフの数は少なくなりますが、それでも人の手が有り余ってしまうほど、この時期の来店数は少ないです。
ブランドによっては、店頭で2,3時間ボケーっと立ってるだけのときとかも余裕であったり、大して商品もないのにストック整理ばっかりやってたりと、この無益な時間をどうやって使うのかに頭を悩ませがちです。
とっっても贅沢な悩みですが、繁忙期には「忙しすぎてつらい」と思い、閑散期には「暇すぎてつらい」と思ってしまうのが人の性というもので、そりゃあ何もしなくても同じ給料がもらえるからいいんだけど、かといって店頭でYoutube見れるわけでもなし、やることもなく一日の時間をつぶすのも難しいものです。
また、個人売りの観点から考えれば、売上を積み上げられないことでプレッシャーを感じてしまうのも、閑散期がつらいと感じる要因です。
閑散期こそ苦しい思いをする店長・副店長
売れない時期の本社からのプレッシャーというのは半端なくて、前年比が毎日マイナス続き、ヘタこいたら売上ゼロのいわゆるボウズの日があったりすると、本社への報告も苦しくなります。
個人売りで苦しむ一般社員よりも、閑散期の渋さが身に応えるのが店長、副店長だったりします。
セールモードから一気にウインドウショッピングモードに変わるお客様のニーズ
当たり前ですが、閑散期に来店されるお客様のお買い物へのモチベーションは低いです。
この時期のお客様のニーズは、「セールの残りもので最終値下げの商品はないかな」がダントツの1位ですが、もはや死に筋商品の不人気カラー・サイズだけが残っているような惨憺たる状況のセールコーナーでは、掘り出し物を見つけるのも難しいです。
それ以外のお客様は、近所をぶらついてるついでにとりあえず見に来ました、というウインドウショッピングモードの方ばかり。当然ながら、お声がけをしてもリアクションは薄いです。
閑散期の売上低迷を「ファーストアプローチが遅い」で片づけることへの疑問
上述した店長・副店長の話とも関連しますが、この時期は売上が上がりづらいため、店頭スタッフの接客に対して上司からゲキが飛ぶシーンがしばしばあります。まあ定番が「お声がけをもっと早くしろ」ってやつですが、どれだけ早くしても売れないものは売れません 笑
実際にデカいブランドの旗艦店で副店長をしてた私が言うんだから間違いない。
そりゃあ、「好きなデザインがあったら定価の春物でも買うぞ」っていうモチベーションの高いお客様も来店されますが、確率論で言えばそうでない場合の方が圧倒的に多いわけですよ。
だったら、もう「この時期は、実売期に再来店して買ってもらうための種まき」と割り切っちゃう方が、スタッフのモチベーション的にもいいんじゃないかと思います。となると、お客様が来店した瞬間にお声がけするような、ガツガツ接客を強制させてちゃダメですよね。アプローチの早さでなくて、じっくり見てもらって、一番ニーズが高まった瞬間にお声がけする、タイミング重視の接客が好ましいです。
まあ、それも不可能なぐらい、一瞬も立ち止まらずに帰るお客様も多いですが、無理やり早めにアプローチして嫌がられてちゃ、再来店の可能性すらなくなるので。
アパレル戦士は長期休暇でゆっくり体を休めるべし
とまあ、閑散期の嫌なことをたくさん書いてきましたが、ようやく休みが取れますよ!
実家に帰るもよし、旅行にいくもよし、家でノンビリと過ごすもよしです。
ブランドによって長期休暇の日数は様々ですが、私が2社経験したうち、セレクトショップだと1週間、ファスト系ブランドは外資なだけあって2週間と、かなりロングの休みが取れました。
皆さんは今年の長期休暇はどれぐらい取れたでしょうか?
長期休暇は夏冬のセール後しか取れない人がほとんどだと思うので、ゆっくり羽を休めつつ、ホリデーを楽しんでくださいね!
ビットコイン初心者のための仮想通貨解説と1万円で少額投資のすすめ!
株もやったことがない初心者がビットコインの少額投資で儲けたぞー!!
私は元々アパレル販売員を10年弱やっていて、当サイトではアパレル業界の話題や、お仕事の話題について綴っています。
しかし、今回はそんな話題とは一切関係がなく、私がビットコインでちょっと儲かったよっていうお話を、ただ嬉しいから書きます 笑
皆さん、ビットコインとか仮想通貨っていう言葉ってニュースなんかで聞いたことがありますか?
言葉は知ってるけど、よくわかっていない人、興味はあるけど買ってもいいのか迷っている人が多いかと思います。今回はそんな人のために、できるだけ簡単にビットコインや仮想通貨のことを説明しつつ、私の自慢話を少しします 笑
初心者が知っておくべきビットコインとは?仮想通貨とは?
まず、説明の前に言葉の定義として理解しておいてほしいのですが。
「ビットコイン」という言葉と「仮想通貨」という言葉が並列で使われることが多いです。この二つは主従関係にあって、大きな括りとして「仮想通貨」というものがあり、その中にある多数の銘柄の一つが「ビットコイン」です。
「法定通貨」の中に「円」「ドル」「ユーロ」などがあるのと同じです。
他にも多数の仮想通貨が存在しますが、ビットコインは最も流通し、現在の価値が高い仮想通貨であるため、報道などでは仮想通貨=ビットコインという意味合いで使われることもあります。初心者は、この認識の時点でずれてしまうことが多いので注意。
余談ですが、テレビなどでビットコイン関連のニュースが報道されることも増えました。ただ、ニュースキャスターやワイドショーのコメンテーターで、正確に仮想通貨のことを理解しいる人は、ほぼ存在しません。
視聴率稼ぎのために「ビットコインで一億儲けた」「暴落した」「取引所がハッキングされた」みたいなセンセーショナルな話題だけが取りざたされますが、その情報の一部分だけを見て判断するのではなく、ちゃんと知識を持った上で判断をしましょう。
では、そんなこんなを踏まえた上で、ビットコインを始めとする仮想通貨の特徴としては以下の4つが挙げられます。
- 世界中で共通の価値をもって利用できる新しい通貨である→為替に影響されずにすべての国が公平な取引を行える
- 紙幣・硬貨などの実態を持たずインターネット上でやり取りすることができる→送金コストが安くスピーディー
- 国家が管理せず利用者の監視下で安全性が保たれている→ブロックチェーン、マイニングという新しい概念
- 将来的な価値上昇が見込まれるので価格変動が激しい→投資・投機の対象として魅力的
それでは、一つずつ見ていきましょう。
ビットコイン(仮想通貨)は世界中で共通の価値を持っている
まず、ビットコインをはじめとする仮想通貨は、円やドルのように為替に影響されません。
従って、円が円高になったり円安になったりといった、為替による通貨間の相対的な価値変動がありません。これはどういうことを意味するかというと、貿易などの国際的な経済活動に仮想通貨が用いられるようになれば、すべての国が公平に取引を行えるようになるということです。
まだまだ一般的に利用されていない仮想通貨が最も期待されているのはこの点で、ビットコインを始めとする仮想通貨が広まることで世界経済に好影響を与えることとなります。
ビットコイン(仮想通貨)はインターネット上に存在するため送金コストが格安
ビットコインを始めとする仮想通貨は、紙幣か硬貨など有形のものではなく、すべてがインターネット上でやり取りされます。
円やドルなどの法定通貨であれば、間に銀行を仲介するため、多額の手数料がかかり、送金スピードも銀行の営業時間に左右されます。特に、ビジネスの場において多額を国際的にやり取りする場合などは、大きなデメリットとなります。
しかし、ビットコインの場合はそれらが格安&一瞬で完結します。
この利便性の高さが、ビットコインが今後普及すると言われているもう一つの理由です。
ここまでの二つのポイントで、ビットコインを始めとする仮想通貨がなぜ世界中で期待されているものなのか?というのが、なんとなく理解してもらえたかと思います。
つまり、世界中のお金の価値を平等にしつつ、とても利便性が高いってことです。仮想通貨がインターネット以来の発明だと言われるのも頷けますよね。
しかし、世界共通の通貨というこれまで存在しなかった概念は、どうやって管理されているのでしょうか?
例えば円であれば日銀、ひいては国家が発行・管理をしているわけですが、仮想通貨には管理する中央銀行や国家などの団体が存在しません。世界ビットコイン協会みたいなのがあるわけではありません。
ここが、ビットコインをはじめとする仮想通貨の優れた点でもあり、これまでにない新しい考えのため一般的に理解されにくい点でもあります。初心者がビットコインの理解する上でも最も難しいポイントです。
ビットコイン(仮想通貨)はすべての保有者によって相互に管理され、不特定多数の採掘者(マイナー)が発行している
これ、初心者の方は見出しを読んでもワケが分からないと思います。
話を、「誰が管理しているのか=どうやって通貨の信頼性を担保しているのか」「誰が発行しているのか=どのように仮想通貨は増えていくのか」という2点に分けて説明します。
ビットコイン(仮想通貨)のすべての売買は台帳に記録されている
例えば私が10万円をビットコインに換金(購入)したとします。
ビットコインは インターネット上ですべての取引が完了するため、その購入記録がすべてデータに残ります。
この、世界中の人がビットコインを買った・売ったというデータは常に記録され、誰もが閲覧可能なのです(もちろん、誰々さんが取引をしたという個人情報が分かるわけではありません)。
ビットコインの最も非常識で、かつ素晴らしいアイデアがこの、データの可視化の概念です。
下記は、実際に私が利用している取引所bitflyer(ビットフライヤー)のスマホアプリで閲覧できる取引台帳です。
円やドルなどの法定通貨は、国家が管理運営していることで、その価値が担保されます。例えば、日銀が特定の誰かにこっそりと円を横流しする、なんてことはあり得ません。
ビットコインを始めとする仮想通貨では、その日銀の役割を世界中のみんなでやろうという考えなのです。
この、まったく新しい考え方が、ビットコインで不正な売買や偽造が起こらないとされる理由です。
ビットコイン(仮想通貨)は不特定多数の一般人・一般企業によって発行されている
次に、ビットコインの発行について説明します。
法定通貨であれば、日銀が円の発行量をコントロールしているわけですが、仮想通貨では、これまた一般人を含む不特定多数の人々が発行をおこなっています。
特に初心者の方はなんじゃそりゃ?と思う人も多かろうと思いますが、その前に、先ほどの「すべての取引データが記録・可視化されている」という話を思い出してください。
現時点で世界中の何億という人たちが保有している仮想通貨の、すべての取引データを間違いなく整合性を持って台帳に記録するためには、膨大な量のコンピューターの計算能力が必要です。とんでもないスーパーコンピューターが無数に必要だと考えてください。
でも、ビットコインには国家のような管理団体がないため、そんなコンピューターを一括して保有する者は存在しません。
そこで、この膨大な計算を記録に残すのは有志の不特定多数の人たちなのです。この作業をマイニング(採掘)と言うのですが、マイニングを行っているのは企業だったり、一個人であったり様々。
そこで行われている作業というのは、具体的に何か難しい計算を頭をひねりながら誰かが行っているのではなくて、「コンピューターの処理能力の一部を貸している」というのが近いですね。
極論、私の家庭用のパソコンでもマイニングは行うことができます。
このあたりも難しく考え出すとキリがないので、ビットコインの取引台帳の記録のために、世界中の有志のパソコンから、元気玉のように少しずつ必要なパワーを借りている。と理解してください。
そして、その元気玉に必要なパワーを貸してあげた人たちには、報酬としてビットコインが与えられます。このときに始めて、新しくビットコインが発行されるのです。
つまり、ビットコインを管理するのも、発行するのも、すべてが一般市民や一般企業によるもの、ということです。
まあ、発行にあたるマイニングの作業の大部分は、中国企業が資金力にモノを言わせて、とんでもない量のコンピューターを使って行っているとのことですが、国家ではなくて一般人たちがやっていることには変わりありません。
ただ、そうすると上述のように資金力のある団体がとんでもない量のマイニングを行えば、無限にビットコインが発行されることになり、世界中に供給過多になってしまえば、ビットコインはインフレを起こして価値が落ちてしまうので、ビットコインには発行上限が定められています。
さて、いよいよ初心者の皆さんが興味があるであろう「ビットコインが投資対象としてどう魅力的なのか?逆にどんなリスクがあるのか?」という点について説明しましょう。
ビットコイン(仮想通貨)は発展途上のため価値の上下が激しい
様々な新しい技術や概念を持つ仮想通貨ですが、今はまだまだ発展途上であることは間違いありません。
事実、一般的に仮想通貨を利用できる店舗の数は少ないです。つまり、持っていてもお金として使える状態ではないということです。最近では家電量販店のビックカメラなどでビットコイン決済が可能になりましたが、決済方法としてメジャーな存在とは言えません。
ただ、将来的に普及していくことはほぼ確実視されている中で、投資(投機)の対象として大きく報道されています。初心者のほとんどが興味があるのも、基本的にはこの1点のみでしょう 笑
ビットコインが広まれば広まるほど価値が上がるバブル状態
よく、貯金を円でなくてドルやユーロで行っている人がいますが、考え方的にはあれと同じです。例えば1ドル100円の時に、手元の円をドルに換金して、110円に為替が上昇したときに円に換金しなおせば、10%の儲けが出ますよね?(一旦、取引所の手数料とかは抜きで考えたとして)。
感覚的には株に近くて、「安い時に買って高い時に売る」という運用を行うことで、大きな儲けを生み出すことができます。
その上下が、すごく短期的に大きな振れ幅で起こっているのが、今のビットコインを始めとする仮想通貨の状況です。だからこそ、初心者が少額投資しただけでも儲けを生みやすいってことですね。
一般的な通貨であれば、多少の上下はあれど、例えば1ドルなら100円前後、1ユーロなら130円前後で為替が推移します。
経済的に世界を揺るがすような大事件でも起きない限り、明日に1ドルが200円、300円になっているというのは考えにくいです。
しかしビットコインは、普及段階でこれからまだまだ広まっていくものであるため、その価値がどえらい流動的で、朝起きたら2倍になってるとかが普通にあります。
twitterなどで半分ネタ的に使われているのがこちらの画像。
テレビのビットコイン特集でインタビューを受けた女性が言ったセリフです。
冗談みたいですが、これが本当に起こっているから面白い。ちなみに、twitterなんかでは、多額の投資を行って保有しているビットコインの総資産が1億円を越えた人を「億り人」と言っています 笑
ビットコインは些細なことで価値が一気に上下
例えば、テレビで大きく報道されたり、上記ビックカメラの例のように、大手の店舗が取り扱いを開始すると、価値が大きく跳ね上がりますし、その逆にネガティブな情報が報道されると大きく下がります。
実際に、2017年12月に出川哲郎さんが出演するビットコイン取引所のコインチェックのCMが地上波テレビで放送開始されたことをキッカケに初心者が大量にビットコインを始めて、ビットコインの価値が大きく上がりました。(これを界隈では出川ショックと言っているそうです 笑)。ちなみに、世界中のビットコイン全体の約40%を日本人が保有していることもあり、日本のビットコインを取り巻く情勢や報道が、世界に影響を与えます。
しかし、知ってのとおり2018年1月に、コインチェックがハッキングされ、多額の仮想通貨(ビットコインではなくネムという仮想通貨です)が盗まれる事件がありました。
このニュースを受けて「やっぱり仮想通貨なんて危険なものに手を出しちゃダメ」と感じた人も多いと思いますが、これは仮想通貨の問題でなくて、コインチェックという会社が、必要な技術者を雇用せずに、ずさんなセキュリティを敷いていたことが問題です。その後の会見の内容を聞いても、ちょっとありえない低レベルの企業体質でしたし。
このあたり、論点が変わって「仮想通貨は危ない」みたいに報道されがちなので、初心者の方はニュースの読み取り方に注意してください。
例えば、銀行がハッキングされて円が流出する事件が起これば、その銀行のセキュリティが甘いのが問題であって、円がダメとは思わないでしょう。それと同じだと考えてもらえればいいんじゃないかと思います。
で、じゃあ実際どのぐらいビットコインが上がってるの?という、これまた初心者の方が気になるであろうポイントを説明します。
ビットコインの価値は2017年1月から15倍になっている!!
具体的に、ここ1年でどれぐらい価値が上がっているかを見ると…
2017年1月当時は、1ビットコイン(以下BTC)が約11万円。これが(最初に記事をアップした)2017年12月26日現在で約175万(!!)。実に15倍以上です。
その後、2018年1月に一度、暴落が起こりましたが、それでもまだ1ビットコインが130万円前後なので、長期的に見れば上昇機運は続いています。
私も、自慢ではありませんが2017年初頭に買った0.1BTC、約1万円分(少な)が、現在15万円を越えています。うん、せめて10万円分ぐらい買っておけばよかったよね…。
「暴落で大損!」と言っている人は長期的に保有する余裕がない人
2018年1月の暴落時に、大損こいたという人が沢山いましたが、これも少し間違って報道されているように思います。
例えば私であれば、上述したように安いタイミングで少額を買っているので、暴落を経ても10倍以上のプラスの状態です。
でも、1ビットコイン200万円のときに買った人は、現在の1ビットコイン130万円の状況では、2/3程度に資産が経っています。ここで、「これ以上暴落したらヤバい」と思ってビットコインを売ってしまうと、確かに損をするのですが、そのまま保有し続けていれば、数か月後にはレートが上昇して、元の200万円以上になっている可能性が高いんですよ。
この、焦って損切りすることを「狼狽売り」というのですが、ビットコイン初心者ほどこの状態になりやすいです。なので、今のビットコインを始めとする仮想通貨の機運が高まっている状態で「ビットコインで損をした」と言っている人は、どちらかと言えば悪手を踏んだ人という認識で間違いありません。
普通に考えたらビットコインの価値は長期的に右肩上がりが続く
ビットコインはすでにバブルが弾けて、価値が暴落するっていう人もいます。
短期的に見れば一時的に下がったり暴落することはありますが、長期的に見れば落ちるづけることは考えにくいでしょう。
私は、経済学の知識はまったくありませんし、株も投資もやったことがありません。
なので、まったく根拠はないんですが、イチ消費者の感覚で考えて、まだ地上波テレビでもあまり報道されてない段階の、これから普及していくものなんだから、保有者が増えて、価値はまだまだ上がると思うんですけどね。
例えばビックカメラに続いて、大手の店舗やECサイトがビットコイン決済を始めることになれば、とんでもないことになるでしょう。今の流れで、将来的にそれが起こらないって予測する方が難しい。
個人的には2018年中に今の5倍は固いんじゃないかと思っています。せめて私のヘソクリビットコインも50万円を越えてほしいという願いも込めて 笑
もしそうなったら、最小購入単位の0.01BTCでも8万円越えになり、手が出しづらくなるので、今のうちにもう少し買い足してもいいかなと思っています。そしたら、初心者脱出かな 笑
ビットコイン初心者はまず気楽に少額投資から
ビットコイン投資は、少額でも投資できる(購入の最小単位が0.01BTCなので、今なら1.3万円)し、ゼロになることはあり得てもマイナスになるリスクはないので、私のような投資初心者でも気が楽です。借金して買ったら別の話ですが 笑
中には、短期的な上下の幅を見て、売り買いをしているデイトレーダー的な人もいますが、私は「とりあえず今持っておけば、将来的には上がってるでしょ」ぐらいの気持ちで長期保有しています。
まあ、「最悪、1万円を失うだけならいいかー」というぐらいの軽い気持ちで少額投資するぐらいがいいかなあと。
自分が自由に使えるお金や、お給料の余剰金から数万円だけでもビットコインに変えておけば、1年後には10倍になっているかもしれません。宝くじを買うよりもずっといいですよね。
直近の暴落をチャンスととらえつつ、無理のない少額のお金で楽しみを買うぐらいの感覚がベストかもですね。
取引所は最も信頼性の高いbitflyer(ビットフライヤー)がおすすめ
ビットコインを買うためには、取引所に登録する必要があります。
先日、ハッキングによって多額の仮想通貨を盗まれたコインチェックはさっさとつぶれてくれればいいとして 笑 今現在、最もセキュリティ面や人気の面で信頼できるのはbitflyer(ビットフライヤー)です。
すごく簡単にいうと、問題のコインチェックは保有している仮想通貨を一つの場所にしか保管していませんでした。ビットフライヤーは、リスク分散のために複数の場所に仮想通貨を補完しており、そもそものセキュリティ体制や技術者の確保という面でもしっかりした会社です。
スマホアプリですべてが完結し、管理画面の使いやすさも一番。
他にも、ローラさんがCMをしているDMMビットコインなどもありますが、DMMっていうとアダルトのイメージが強く 笑 人前でアプリを開くのがちょっと恥ずかしい気も。
取引所に登録するのは、銀行口座を開くようなものなので、セキュリティのためにいくつかの登録手順は踏まないといけないですが、まあ簡単ですよ。
ビットコインや仮想通貨をやっている有名人
金持ちになるなら、金持ちの習慣を真似ろとは、よく言われることですが、実際にこのビットコインを運用している有名なお金持ちってどれぐらいいるのでしょうか?
いわゆる有名人の中では、お笑い芸人がテレビなどで仮想通貨投資を行っていることを公言している場合がほとんどです。
お金に直結する話なので、お笑い以外の人はなかなか名言しづらいのでしょうね。ただ、そのラインナップはまさに「お金を持っている芸人」といった感じのラインナップです。
松本人志
自身がパーソナリティーを務めるワイドナショーで仮想通貨を運用していることを明言。早めの段階で購入していたこともあり、年始恒例の暴落(毎年そのあとガツっと上がる)を乗り越えてもまだまだプラスだとか。
日本の長者番付常連の松本さんは、やはりお金持ちの習慣を身に着けていますね。
たむらけんじ
関西ローカルの年末特番「楽屋ニュース」にて大々的に、仮想通貨芸人っぽりを発揮。
たむけんといえば、自身がオーナーを務める焼肉屋で大儲けしているお金持ち芸人で、不動産投資などにも熱心なことで有名です。番組によると、今は仮想通貨でボロ儲けしているとか。貧乏な若手芸人を救うために仮想通貨の勉強会を開くほど熱心だそうです 笑
とろサーモン久保田
2017年M-1チャンピオンの久保田さんは、M-1の賞金の一部を仮想通貨に使ったそうで、将来的な値上がりを期待しているそうです。
かまいたち山内
こちらは2017年キングオブコントのチャンピオン。やはり、優勝賞金をすべて仮想通貨に換えるとの発言をテレビで行っていました。
心に余裕が持てない人はビットコイン投資・仮想通貨投資に向いてない
…とはいえ、それでも目に見えないものは信用できない、と思う人もそれなりの数がいるかと思います。うちの両親がこれを理解できるようになることはまずないでしょう。
伝統を重んじるお国柄のためか、元々、日本は先進国の中でもダントツでクレジットカードや電子マネーの普及が遅れている国なので、仮想通貨を受け入れがたい人が多いことは間違いないです。上述した、マスコミの報道の仕方にも、それが表れているかなと思います。
海外に行ったら、交通機関でもスーパーマーケットでも、貨幣が使えないのが当たり前の国も多いのですが。
いずれにせよ、仮想通貨が将来的には広まっていくのはほぼ確実なのですが、だからと言って、私たちが死ぬまでに法定通貨がなくなるわけではないので、仮想通貨を受け入れなくても普段の生活に支障は出ないでしょう。
また、実際に仮想通貨を購入してみようと思っている人の中でも、仮想通貨投資に向いてないのは、短期的な上がり下がりを気にしてしまう人です。
私なんかは、1日で数十パーセント下がったことが何度もありますが、「まあまた戻るっしょ」ぐらいで考えていて、今のところ実際にそうなってますし、長期的に見れば上昇しっぱなしです。
例えば、2017年12月に過去最高額で1BTC200万円を越えたときがあって、その頂点のときに買った人は、今は損してますよね?
でも、ここで「これよりも下がるとヤバイ!」と焦るのか「まあまた戻るっしょ」とデーンと構えていられるのか、で心持ちは全然違います。
長期保有はガチホ(ガチでホールドの略)って呼ばれるんですが、その気持ちでないと気持ちが持ちません 笑
宝くじを買って、当たるのを待つ時間にワクワクするように、ビットコインを2,3万円でもいいから買って、チャートの上がり下がりを楽しみにするのも、なかなかいいですよ。夢を買うと思って、多少上がっても下がっても一喜一憂しなくてもいいぐらいの金額から始めてみることをおすすめします。
知り合いだとボーナスを全部突っ込んだ猛者もいますが、さすがにそこまでは私にはできません 笑
まあとりあえず、ヘソクリから出した、1万円っていう少額が10万円になったんだから、初心者の趣味としてはよしとしましょう。
2018年にどれだけ上がるのかが楽しみです!
楽におしゃれになりたいメンズにはパーソナルスタイリストをおすすめしたい
アパレルで働いていると友人からファッションの相談を受けがち
私は新卒で某セレクトショップに就職して以来、アパレル販売員として2ブランドで合計10年弱働き、現在はアパレルブランドのクライアントを抱える広告代理店に勤めています。
アパレル業界にずっと勤めていると、友人もファッション感度の高い人ばかりと思われがちですが、私がプライベートで交流する友人は、どちらかと言えばファッションには無頓着な人が多いです。まあ、これは私がそもそもアニオタだから、類は友を呼んでいるってのもありますが 笑
なので、友人から「お買い物に付いてきて」とか「これとこれってどっちがいいの?」など、ファッションに関するアドバイスを求められることもしばしば。また、妻の友人の旦那さんに聞かれるパターンもよくあります。
「おしゃれな人になりたい」よりも「ダサい人になりたくない」
そんなこんなで色々な人からお話を聞いていると、共通してよく出てくるワードが、「年相応の格好がしたい」「TPOに合わせた格好がしたい」など。
それらを総合すると『普通の格好がしたいけど、そもそも普通がどんなものなのか分からない』っていう暗中模索状態のメンズが多く、世の中にはファッションが楽しみでなくむしろ苦痛に思っている人がどれだけ多いことか!と、服バカの私は思ったりもします。
そういった皆さんのニーズとしては、「おしゃれな人になりたい」という気持ちよりも、「ダサイって思われたくない」「浮きたくない」っていう、100点満点でなくてもいいからせめて60点ぐらいのお洒落はしたいって言う感じの考えを持っている人が多い印象を、一連の体験の中で感じました。
私も相談を受ければ元販売員の血が騒ぎます。そういったお悩み相談を受けるときは誠実に対応するようにしていて、結果的に喜んでもらえるので、頑張ったかいがあった、いい体験をした、というものです。いっそこれを商売にしたら儲かるんじゃないかとも思います 笑
というのも、今ってパーソナルスタイリストっていう職業がかなり注目されていて、私の経歴やスキルから考えたら、充分食っていける商売だなと思ったからです。
ただまあ、今の仕事にも愛着があるし、フリーランスで家族を養っていくのも何かと大変なので、一旦その考えは脇におきましょう。
閑話休題。
世の中には私の友達のように、自分の服装をなんとかしたいけどどうすればいいのかが分からなくて困ってるメンズって、結構いるんだろうなと思います。たぶん、女性よりも男性の方が割合としては多いんじゃないでしょうか。
知人にはたまたま、私っていう相談相手が身近にいたけど、そうでない人も沢山いるでしょう。奥さんとか友達がちゃんと評価してくれるならいいのですが、そういった知り合いが周りにいない場合は、なかなか客観的に自分を見づらいものです。
って考えたら、パーソナルスタイリストっていう新興サービスが、今こんなに人気なのも頷けます。
そもそもパーソナルスタイリストとはなんぞや
パーソナルスタイリストは英語の意味そのままで、個人向けのスタイリストのことで、コーディネート代行サービスっていう呼ばれ方をするときもあります。
自分に似合う服装が分からなくて困っている一般ユーザーに対して、専属のスタイリストとして服装をアドバイスしたり、おすすめのアイテムや着こなしを教えてくれるのがメインですが、ヘアスタイルや、(女性の場合は)メイクやネイルなどの見た目の部分をトータルにプロデュースする場合もあります。
大抵は、初回はパーソナルスタイリストの店舗(事務所と呼ぶのかな?)に来店して、カウンセリングを受けて、そのあと双方納得の上でお買い物に同行という流れです。
そこから定期的にメールや電話で相談をしたり、買い物に同行したりと、長い付き合いになる場合も多いので、感覚的には販売員というよりは美容師さんとの距離感に似てますね。
パーソナルスタイリストはこんな人が利用する
主な用途としては、普段着をおしゃれにしたい人も勿論ですが
- 合コンや婚活向けの服装
- 結婚式やパーティーなどのイベント向けの服装
- ビジネス向けの服装
などで利用する人も多いようです。
ビジネスに関しては、社長さんや個人事業主で、ファッションから自分をブランディングしたい人などの利用も多いですね。
年齢層は結構まちまちなのですが、20代よりも、少しお金に余裕のある30代、40代がメインで、50代の人もそこそこ利用します。
パーソナルスタイリストが扱う商材は様々
メンズファッション・レディースファッションのどちらを扱うかは、事業者ごとに違います。やはり、男性スタイリストはメンズを中心に、女性スタイリストはレディースを中心にサポートする場合が多いですが、婚活などの異性向けファッションを求める人のために「女性から見て感じのいいメンズファッション」といった観点で、異性がスタイリストとして担当する場合も多々あります。
メンズ向けの有名どころだと業界で一番の老舗のライフブランディングや、モテ服を前面に押し出したDinate(ディネイト) などがあります。
パーソナルスタイリストはどんな人がやっているのか?
パーソナルスタイリストは、美容師さんなどと違って、資格が必要な職業ではありません。そのため先ほど書いたように、私でも「パーソナルスタイリストです」と名乗ってしまえば、職業にできます。
参入障壁が低いため、主婦や学生さんでも副業としてフリーランスのパーソナルスタイリストとして活動している人も多いですが、正直、サービスの質は玉石混合と言わざるを得ません。ハッキリ言ってしまえば、ダサい、胡散臭い、怪しい、高いと、そんな感じのダメダメスタイリストもいっぱいいます。
事業として成立していて、しっかりとしたサービスを提供しているのは、一部のカリスマパーソナルスタイリストや、きっちりと法人化して組織で運営されている会社のみと言っても過言ではありません。
普段はアパレル販売員の方向けの情報を発信している当サイトですが、元販売員の人が顧客さんを引き継ぎつつ独立するっていうパターンが最も多いので、販売員の転職先としても大変人気です。
一人で買い物にいくと正解が分からないからパーソナルスタイリストに頼りたい
もう少し、友人の話を続けます。
街コン用の服装を見繕ってくれという、学生時代の友人(ITベンチャーの起業家でそこそこ裕福)のお買い物に同行したときに聞いた、主な主張をまとめました。
- まず大前提としてどこの店にいくのが正解か分からない
- そもそも、おしゃれな店に入るのに気おくれする
- ショップ店員は売りたいものをさっさと売って次の客を接客したがるからゆっくり相談なんてできない
- サイズ感の正解が分からないからジャストサイズの概念が分からない
- 色合わせもちんぷんかんぷん
- 雑誌やマネキンのコーディネートをそのまま買ったけど、本当に自分に似合ってるのか分からない
- 鏡に映っている自分を見ても客観的に見れない
- てか、試着室に入るの怖い
- 無難に黒で統一したら嫁にセフィロスって言われた
などなど。最後のは奥さんのセンスが光るツッコミでした。
繰り返し出てきたのが「正解が分からない」という言葉です。
まあその気持ちは分からないでもなくて、ファッションってまず基本の型があって、そこから足し算・引き算をしてアレンジしていくものだと私は思っています。
ただ、その基本を理解していなければ、まあイミフにもなりますよ。
逆に言えば、基本型が分かっていれば、そこからは多少ずれても、大崩れはしないのですね。
サイズ感だって色だって、しっくりくる<型>が決まれば、あとはそれをベースに少しだけ足し引きするだけの話です。
というようなことを、ちゃんと理解してもらえるように話そうと思うと、確かに10分かそこらの、ショップの販売員トークでは補いきれません。
ほとんどのショップはファッションが分かっているお客様を前提に運営されている
私がやっていた経験から考えても、ショップにはたくさんのお客様が日々来店するため、すべてのお客様に対してゆっくり接客するっていうのは物理的に不可能です。
単純計算で、5万円買うお客様1人に2時間接客するよりも、1万円買うお客様5人に10分ずつ接客した方が割がいいのですね。資本主義め!
つまり、ある程度は自分の判断で服が選べて、少しの後押しで購入を決めていただけるお客様を想定して、店舗運営がなされているわけです。
なので、ファッションの基本のキから知りたい人にとっては、お店に行っても結局は自分で選ばないといけないのであって、そうすると「買ったはいいがこれは正解なのか…?」という疑問をあとから持つハメになってしまいます。
そうなってくると、じっくりと丁寧にファッションのことを教えてもらいながら、服を選んでもらえるパーソナルスタイリストの需要が高い理由が分かります。
パーソナルスタイリストは販売員でカバーできないサービスを提供している
東京を中心として全国にはたくさんのパーソナルスタイリストの会社があって、フリーランスで活動している人も加えるとかなりの数になります。
私もこの機会に、ざっと有名どころを中心にサービス内容を確認してみました。将来自分がなるかもしれないし 笑
で、実際にサイトを見て知ったのですが、その人の骨格とか肌の色を診断して、「あなたにはこれが似合いますよ」っていうのを教えてくれたりするのですね。
これは、お店だと絶対にやってくれない、パーソナルスタイリストならではのサービスなので、元販売員としては少し悔しい気持ちもありつつ、確かにお客さんの納得感は高いよな、と思います。
ファッションはセンスがすべてで、感覚的なものだと誤解する人も多いですが、実際はそんなことはなくて、どちらかと言えば理論的なものです。
プロであれば、なぜこのサイズ感でないといけないのか、なぜこのアイテムはおじさんくさいのか、なぜ無難に選んだはずの格好がセフィロスと言われるのか、などなど、すべて論理的に説明ができます。
そう言った「ルール」「基本」を理解してしまえば、あとは自分の好みをどんどん追及して、ファッションを楽しめるようになっていきます。
ファッションの楽しさを伝えてくれる伝道師的な役割としても、パーソナルスタイリストは意義深いのかな、と業界人的には思ったりです。
メンズのパーソナルスタイリストの普及は東京・関東中心で地方はまだまだ
そんなパーソナルスタイリストサービスですが、今のところ日本では東京・神奈川を中心とした関東に拠点を構えている会社が多く、他には大阪・神戸・名古屋・福岡などの大都市圏にもちらほら、という感じ。特にメンズではその傾向が強いです。
新しいサービスはどうしても大都市圏から広まっていくものですが、地方にももっと広まってくれればなーと思います。
出張にいったついでに東京や大阪のパーソナルスタイリスト事務所に寄るっていうパターンも多いと聞くので、地方の人はぜひ。
あとは、店舗型でなくてネット上でスタイリストが見繕った服を定期的に届ける、メンズファッションレンタルサービスもあるので、地方の人はそっちでもいいのかなと思います。 レディースでもエアークローゼットとか人気ですし。
最初に選ぶなら大手のメンズ向けパーソナルスタイリストをおすすめします
「もしも私が最初にメンズパーソナルスタイリストを使うなら」「友人におすすめするなら」という観点で考えると、最初はまず大手で安心感があるところを選ぶと思います。
たぶん、フリーランスのパーソナルスタイリストで、格安かつセンスのいい人もいらっしゃると思いますが、いかんせん、ネット上に情報がないんですよね。逆にフリーランスで有名な人は、半分芸能人みたいになっている人が多く、お値段も張ってきます。
あとは、この仕事ってそのスタイリストが場数をどれだけこなしてるかっていうのが、かなり重要じゃないかと。販売員もそうですが、経験値の高いスタッフはやっぱり知識も豊富で、細かい気遣いもできますよね。となると、やっぱりメディアにちゃんと露出していて、スタイリストが引っ張りだこになってるような、人気のところの方が、少なくとも失敗は無いのかなと思います。
それなりのお値段を払って失敗するのだけは避けたいですしね。
て考えると、ダントツで知名度があって人気があるのは、ライフブランディングになりますかね。業界的にも有名ですし、間違いないかと。
ネット上の情報をどこまで信用するか?とか、広告でよく見かける=いいサービスなのか?とかっていう考え方もできますが、企業としてしっかり宣伝にお金を掛けることができる=人気があるとも取れるわけで、少なくともネットで口コミの評判がいいのは間違いないです。テレビでもよく取り上げられてますし。
私的には、サイトに載ってるコーディネートの事例はちょっと地味、というか無難すぎないか、と思わないでもないですが、相談を受けた友人とかが欲してるのはこういうことのような気がします。
今度一回、覆面調査で申し込んでみようかな 笑
これからのパーソナルスタイリスト業界の発展に期待
ということで、友人からの相談をきっかけに、元販売員の立場からパーソナルスタイリストについて書いてみました。
私自身が実際に使ったことがないのですが、イチビジネスとしてもとても魅力的ですし、利用したお客さんに喜ばれる素晴らしいサービスだなあと思うのでした。
無難に間違いのないおしゃれができるようになりたい人、ゆっくりファッションについて相談しながら勉強したい人におすすめです。
ぜひ、この業界がこれからも発展していってほしいなーと思います。また私がパーソナルスタイリスト業を始めたら、ここで宣伝します 笑