Saluton! Ĉu vi konas Esperanton?
はいこんにちは。エスペラントって知ってます?
謎の言語、エスペラントを勉強して一区切りついたのでいろいろ書いておく。
結論から
3級取ったよ〜うれし〜
Wikipediaでいいすか?
エスペラント - Wikipedia
めちゃくちゃ要約すると
- ポーランドの医者が作った
- 世界に話者は60万-200万人?くらい*1
- ヨーロッパ辺りのいろんな言語をベースに作った
- 文字は大体アルファベット、発音は日本人もできそうなローマ字読み
- エスペラント"語"とも呼ばれるが、日本協会はエスペラントと呼ぶ(この記事もエスペラントで合わせてます)
作成者とかエスペラントそのものの歴史も面白い。本だの動画だのいろいろあるのでそちらを見た方が早い。
エスペラントそのものについての話で読んだ本
なぜ勉強したの
元から名前だけ知っていて*2、1年ほど前に友人がこれを始めたから。
The Expression Amrilato on Steam
見た目はゆるふわ百合ADVだけど、勉強しないと登場人物の女の子*3の言動が細かくわからないという言語学習ソフトに足を踏み入れたような内容。攻略本がゲーム内辞書や文法書であったりする。2023年やってよかったゲーム。
2023年の1月に友人がDiscordで配信しながらやっているところを眺めつつ、文の構成とか表現が面白かったので買って追いかけた。調べ物をしているところ、2ヶ月後にエスペラント検定があることを知り、一番下の4級へ挑戦することに。
それが合格して1年くらい単語覚えるアプリ続けた後、2024年の2月くらいに次の試験が開かれたので3級も受験。結果についてメールで来たので今回これ書いてます。
自分の外国語能力は?
英検3級、TOEICは四捨五入して600点のうんち。
中学まではなんとでもなっていたものの、出てからの英語は赤点ギリギリ。
あとはすこ〜〜〜しドイツ語。
何勉強するの
2023年から試験内容が新しくなり、単語リストと習得すべき文法が出ていた。やった感覚は英検のn級≒エス検のn級。
JEI学力検定試験の新基準について[3月13日更新] | 一般財団法人日本エスペラント協会
こう見るとほとんど学生の時の英語の授業の「教科書〇〇ページから☓☓までやれよ〜」に近い。それに習って、
- 単語
- 文法
- 細かい技法
- 過去問
を意識しながら参考書と過去問をベースに勉強。余裕があったらエスペラントで書かれた本を読んで、合間のゲームは『ことのはアムリラート』と続編の『ふたりのメモラージョ』を挟みつつ。
総勉強時間は4級なら毎日1時間くらい(サボったりした)を2ヶ月、3級なら4級を踏まえての内容+3級の細かい話を総ざらいして毎日2時間くらい(休むなどした)を1.5ヶ月。直前に別の試験があったので少し短く、詰め込みで勉強。
勉強した内容とそれによってエスペラントに思ったことを以下。
単語
単語リストを見ると(ほぼ)単語の羅列だけがあるが、このままではなんともならない。スプレッドシートに転記、そのまま一括翻訳して自前の辞書を作って印刷した。
ここで初めてGoogle翻訳はエスペラント→英語→日本語の変換を挟むことを知った。例えば、
エス printempo (春)
→英語 spring
→日本語 ばね
というような。おそらく一番良くないパターンがこれ。
勉強するにつれ、英語のlistenとhearくらいのニュアンスの違いも気になるように。結局ちゃんとしたネット辞書や古本市で見つけた日エス辞書で調べ直して訂正した。辞書を引くことが勉強にもなったと思う。
エスペラントの単語は1つ覚えるとそれが動詞、形容詞、副詞にもなるので、頭に入れておくべく数としては少なくて済む。それらを作るための変形とか接頭辞、接尾辞のパターンも決まっていて"例外がない"*4ため、やっていると「そうなるの!?!?」みたいな面白さがある。適当に接尾辞くっつけるとこんな感じ。
manĝi → 食べる(動、不定)
manĝas → 食べている(動、現在形)
manĝis → 食べた(動、過去形)
manĝata → 食べられている(形、受身の状態)
manĝebla → 食べられる(形、可能である)
manĝaĵo → 食べもの(名)
manĝejo → 食堂、食べるところ(名)
英語ならeatがeatedじゃなくateになるところとかが面倒くさいと思っていたが、全部このパターンなので別の時制とかに変化したときの単語とかを覚えると必要が無くなるので助かる。
それに伴って、末尾の文字が何かによって動詞なのか、形容詞なのかが区別できるので次の文法にも役立つ。
文法
これはもう参考書をいくつか買いつつ、正しそうなところをかいつまみ、自分で再解釈した。
買ったやつ
『はじめてのエスペラント』がとても良い。3級まではこれ1冊で良さそう。
『エスペラント四週間』は四週間でエスペラントを学ぼうという触れ込みで、確かに内容は充実しているものの、フォントが見辛く、思想が少し左*5なところが気になる。本気で四週間でやろうとするなら天狗の特訓の如く「伸びる竹を毎日跳んでいれば、、山をも超える跳躍力が手に入る」のような進捗を求められる。あとは人生で初めて当たった落丁本。
『ニューエクスプレス』は超初心者向き。おじさん先生が面白い授業を作ろうと頑張ったような内容。調べ物、よりもちょっとした例文が欲しい時に。
エスペラントそのものの文法はまあまあ簡単で、中学校の英語がちゃんと理解できているなら詰まることはそんなにない。段々と「英語めんどくさくない?」になる。最初は英語ベースで考えつつ、慣れたらエスペラント思考する方針でやると体に馴染む感覚があって良い。
さっき単語で上げたように、「ここで形容詞として来てこの名詞を修飾していて、主語がこれでそれがいつの話かというとこの原形副詞で、目的語がこっちの動詞不定形」と文章を構成する単語がわからなくても文の形が推測できるのが助かる。単語そのものは仕方ないので辞書を引くとしても、それの役割が掴めると長文も困らなさそう。
細かい表現
ほとんど文法に含まれると思うが、疑問詞周りががややこしい。リンク先のこの表だけ見てほしい。
エスペラント/文法/相関詞 - Wikibooks
わかんね〜〜〜。単語おもしれー!とズカズカ進んでいくとここで心が折れる。
表の意味合いとしては「特定せず何かを指して5W1Hの質問に使う単語は頭と尻を組み合わせて作りますよ」なんだけれど、文で見た時に何の話をしているのか、この表を完全に理解していないとわかりにくい。
結局、行と列のタイトルの部分だけ覚えればいいものの、KielとKialとKiesが並ぶと同じ引き出しから言葉の作りを引き出さねばならないので混乱する。
これと同じようなことが前置詞でも起きていて、これもpriとproとporがいる。これを同列に並べるな。英語で見たことあるような前置詞が多いのである程度は置換できるものの、何とかするのに数日かかった。
そして最後に、前置詞と疑問詞を組み合わせて「por kio 〜」のように、何かについて細かく聞く質問を作ることができる。たすけて〜〜〜。このパターンは少ないが、どちらもちゃんとわかっていないと質問の意味もそれへの適切な答えも少し変わるので必須となる。過去問をやろう。
過去問
こちら、エス検を開催している協会より出版?されていて通販でも購入できます。
が、2023年3月より試験の内容が変わったので難易度は近しいものの問題の形式がちょっと違う。過信しすぎると文法問題で少し困る。
とはいえ3級の時に3-4周したので信頼度はある。不安な構文は参考書の確認問題や、ふと日常で思いついた日本語文を手持ちのエスペラント文法で表現するにはどうするか考える、とかしていた。
3級は構文の復習に黙々とduolingoをやるなど。英エスしか対応していないので、英語の冠詞に半ギレしながら勉強することになる。
試験そのもの
勉強はがんばった。試験もがんばる。
受験した3,4級は共に筆記と対話式があるので、リスニングとスピーキングも。東京会場だと協会の事務所でやるので緊張する。協会の方々、本当にいい人ばかりです。いろいろありがとうございます。
エスペラントで書かれたの本や言語についての本、参考書が山ほどあるので度々訪ねてなにか買ったりした。
終えての所感
とりあえず点数は4級が筆記対話共に8割くらい、3級が筆記ギリギリの対話8割くらい。耳は良かったらしい。
やりながら思ったのはエスペラント勉強するとヨーロッパの言葉がなんとなく読めそうな気がしてきてちょっと良い。Twitter(現x)を見るといろんな言葉があって、海外のなんか見たことある気がする単語を調べたりするようになった。言葉のハブとしては良いかもしれない。
当初のきっかけの『ことのはアムリラート』はエスペラント話者の方々が何言ってるか辞書なしでもわかるようになった*6し、『ふたりのメモラージョ』はエスペラント話者が増えてめちゃくちゃややこしい言い方とか出てくるが、辞書なりで調べ直すことは減ったので理解力は上がった気がする。
ちなみにリアルで使う時はエスペラント大会*7かVRCくらいしかない。要はコミュニティに突撃して話しに行くことになる。「話すために話しに行く」ような状態でちょっと己に向いていない。エスペラントメインで情報交換する何かのDiscordゲームサーバーとか欲しい。無いか。
まだ買った本をちまちま読んでいるのでエスペラント筋は衰えないだろう。次は2級になるが、ありえん難しいのとエスペラントの組織に纏わる話も問われるのでちょっと近寄りがたい。ひとまず、いつぞやには大会とか行きたい。
1ヶ月を謎の言語に費やすのはかなり面白い。かのトルストイがエスペラントに触れて「2時間あれば読み書きいけるで」と言ったエピソードがあるが、そこまで賢くない人間でも時間があればそれなりになる。仕組みだけ理解できれば辞書片手に簡単な文は読める。この感覚がコンスタントに得られる嬉しさがあって良かった。
ただ、やりすぎて英語より先にエスペラントが出てくるようになってしまうのと、全然関係ない場所で人の名前をエスペラント読み("あんかけ"さんを「アンカ↑ーケ↓」)してしまったのでそこだけ気を付けて。
では。
Ĝis la revido!