日焼け止めの落とし穴
塗っているつもりで塗れていない日焼け止め。
夏のツケは秋に来る!夏が来る前にシミ対策を!
強い紫外線や、高い温度差など、夏に私たちは自分の身体に大きな負担をかけてしまいます。夏に強い紫外線を浴びると、肌が日焼けして赤くなり、だんだんと肌が黒くなります。
若い時はそのうち元通りになります。年を取るに連れだんだんと元に戻る日数が延び、気がつけばシミができて年を感じたことはありませんか?
若い人は直ぐに元に戻るから大丈夫!と安心していてはいけません。若いからすぐに元に戻ると思っていても、目には見えない隠れたシミ、「隠れジミ」が残っているのです。
そして肌の表面に「シミ」ができるまでどれくらいかかると思いますか?
紫外線を浴びてシミができるまで期間はおおよそ3週間〜4週間。肌の表面に現れて、沈着するには約1ヶ月程かかります。これが肌の新陳代謝のサイクルです。
紫外線が強くなる今からの季節は毎日お肌でシミが製造されている状態です。
ではどうやってそのシミを防ぐのか?製造を止めさせるか?
その対策は2つあります。
1)日焼け止め対策
2)AGE(エージーイー)をためない対策
とAGE研究協会学術アドバイザー山岸昌一教授。
では、1)の日焼け止め対策から説明します。
皆さん日焼け止めクリームを塗っているから、日焼け止めの強さを表すSPFとPAも高い値の方使っているから大丈夫だと思っている方も多いと思います。
日焼け止めの種類についてはまた次回に詳しく説明します。
今回は日焼け止めクリームの「塗り方」
特に男性諸君、日頃から肌の手入れはしないから、こんな感じで塗ればいいんでしょ?!と塗っている方。実は僕もそうでした。(笑)
普通はささっと全体にまんべんなく薄くのばす感じで塗ると思います。
下記写真をご覧下さい。
左側は日焼け止めを手にとり、薄くのばすように塗った手で、
右側は日焼け止めを押さえて、のせていくように塗った手です。
きちんと押さえて、押さえて丁寧に塗ると、きちんと肌に塗られガードされているのがわかります。しっかり、きちんと、丁寧に塗ることがポイントです。
日焼け止めと言ってもクリームタイプ、ジェルタイプ、乳液タイプ、スプレータイプ、パウダータイプなど色々な種類があります。
タイプに応じて使うシーンや塗り方など正しく使わないと、塗ってるつもりで実はきちんと塗れていないことが多いようです。
次に、2)AGE(エージーイー)をためない対策
その対策の前に、老化物質のAGE(エージーイー)って聞いたことありますか?
体が糖化してタンパク質が固くなり、もうこれ以上どうしようもないというタンパク質の成れの果てがAGE (Advanced Glycation End Productsの略)日本語に訳すと終末糖化産物になります。
このAGEが最近の研究でシミをつくることがわかってきたのです。シミは100%阻止することはできなくても、今の時期から、対策を講じることである程度量を減らすことも可能です」と山岸昌一教授。
皆さん「メラニン色素」という言葉を聞いたことありますよね?
これがシミの原因だと思っていませんか?
違うのですか?
そうです。
でも、どうしてメラニン色素がたまってくるのでしょうか?
夏の強い日差しを浴びると、人にとって有害な紫外線が肌に当たります。この紫外線は細胞に障害を与え、皮膚癌の原因になったりします。これを防ぐために人間の肌は、自分で「日傘」のような物質をつくって、細胞を守ります。これがメラニン色素です。
メラニン色素は、自分を守る「天然の日傘」だと思って下さい。
そんな「メラニン色素」は、3~4週間でエレベーター式に表面まで上ってきて、じきに無くなります。これが新陳代謝です。
しかし、そこに「老化の原因物質AGE」があると、たいして紫外線も浴びていないのにメラニン色素を出し続けるように命令を出し続けてしまうのです。メラニンを作り続けてしまうため、これがシミとなって見えてくる。これがAGEによるシミの原因です。
つまり、シミの素になるのはメラニン色素で、紫外線に当たれば誰にもできるものだけど、それが残るかどうかはバランスの問題で「老化の原因物質AGE」があるか無いかにかかっています。
AGEが体内で蓄積される仕組みは大きく分けて2通りあります。
1)体内で作られる内因的なAGE
2)食べ物から体内に入る外因的なAGE
1)体の中で作られる「内因的なAGE」
血糖値とは、血液中のブドウ糖の量。つまり血液中のブドウ糖の濃度が高ければ高い程、タンパク質と結びつきやすくなり、糖化を促進します。さらに、血糖値の高い状態が長く続けば続くほど、その間に糖化が進み、「AGE」がせっせとつくられることになります。そのため、AGEは“高血糖の呪い”という現象を引き起こします。
AGEは一度できてしまうと、なかなか元に戻らないという特徴をもち、なんと15年ほども体内にとどまり続けることがわかっています。したがって、糖尿病を長く患い血糖管理がうまくできていない人ほど、AGEの蓄積量が増えていきます。また血糖値が正常な健康な人でもAGEを大量に含む食べ物を長年食べ続ければ、加齢とともにAGEが蓄積していき、老化が進むことになります。
つまり、今までの血糖コントロールが悪ければ、糖尿病を治療して血糖値を正常化してもAGEはすぐには減ってくれません。糖尿病の患者さんは過去の高血糖に呪われているかのように、治療後も病気が進行してしまう可能性もあるわけです。
食べ物に含まれるAGEの7%が体内に蓄積される
2)食べ物から体内に入る「外因的なAGE」
例えばパンケーキを想像して下さい。パンケーキの原料は糖質の小麦粉や砂糖、タンパク質の卵、ミルクなどです。これらをミックスし、バターを加熱して焼き上げます。こんがり焼けた美味しそうなきつね色こそがAGEです。
仕事帰りに焼鳥で1杯という方も多いと思いますが、焼鳥は鶏肉(タンパク質)に甘いタレ(糖質)をたっぷりつけて、炭火などで香ばしく焼き上げられます。これこそがAGEです。
食品を炒めたり、焼いたり、揚げたりしてこんがりおいしそうなきつね色にすることが糖化反応なのです。おいしそうに焼き上げられたステーキや焼き魚、高温の油で揚げられた唐揚げ、豚カツなどをたくさん食べている人ほど、AGEをためやすくなります。
食べ物にいったいどれだけのAGEが含まれているのか知りたくないですか?
皆さんカロリーは気にしていますが、AGEは気にしていませんよね?
これからは、新たなマーカーとしてAGEの量を気にする時代になるかもしれません。
1日のAGE摂取の目安は15,000exAGEといわれています。
【AGEの高い食べ物ベスト10】
1位 カルボナーラ
2位 サーロインステーキ
3位 ミックスピザ
4位 シーフードピザ
5位 豚のロースステーキ
6位 カツカレー
7位 牛タンステーキ
8位 春巻き(2本)
9位 ヒレステーキ
10位 ナポリタン
どうですか?どれもおいしそうな物ばかり・・・。
AGEが高い食べ物は食べたらダメ!というものではないのです。
食べていいんです!
でも、食べ過ぎたり、食べ続けたりすることで人によってAGEのたまり具合が変わってきます。私たちは1日3回、年間約1,000回の食事をします。AGEを知らずに好きなものばかり食べていると、10年後、20年後にその差は老化の差となってあらわれてくるのです。(怖)
AGEと紫外線は皮膚老化を進めます。また、乾燥もAGEがたまるのを促進します。紫外線対策とともに保湿も忘れずに。
今は男性でも日傘をする時代です。日傘男子とか呼ばれているらしいです。環境省も熱中症対策にと男性の日傘を推奨しています。
日焼けは健康的なイメージがありますが、紫外線から肌を守ることはアンチエイジングにつながるのです。
日焼けは皮膚老化を加速させます。今年からでも遅くありません。しっかり日焼け止めを塗って、日傘男子デビューしよう。