Work Boots 愛好記その3 ~White's Smoke Jumper(Farmer Rancher)~
大声で自慢したい事があるときにブログを更新したくなりますね。
このコロナ禍なんていわれる数年間に入っても、おかげ様でそれなりに楽しく幸せに生きてきました。退屈は感じていましたが。
その退屈をしのぐために私は好きなワークブーツの画像を見あさるという、購買意欲しか掻き立てない行動を何を間違ったのかしてしまっておりました。
不覚。
その結果です。
ウヒョー。カッコよすぎるっす。
憧れに憧れるWhite's boots Smoke Jamper(一説にはソールがVibram#100で無いものはFarmer Rancherというらしいです。)
Race to Toe、10inch Hight、Oiled Lather、Rolled Top、Vibram#700。という仕様でオーダーしていました。
5ヶ月ですよ。5カ月。ついに手元に。
個人的に無敵のオーダーだと思っているのですが、流行りのクロムエクセルとか、ハイト6インチとか、邪の道(?)に誘惑されなかったわけではありません。
まあ、私は長いブーツ好きでハイト6インチにはあまり誘惑されませんでしたが、クロムエクセルは迷ったなあ。
クロムエクセルの黒は、ション○ンちびるほどにカッコ良いのです。(下品でごめんなさい!)
あの艶といい、断面の茶色、ぞっとするほどカッコ良い。
クロムエクセル選んじゃうのすごく解るなあ。
しかし、ホーウィン社のクロムエクセルレザーは、すんごい柔らかい革なんですって。そんで傷がつきやすい。経年変化もすぐ出ちゃう。すぐ出ちゃう方が好きな人もいるのですごく良く解る。
でも私の使用環境はハードでは無いですが毎日履ける環境なんですなあ。
だったら、標準のオイルドレザーを時間かけて育てたって良い訳じゃないですか。茶芯じゃないけど。
茶芯が良いなんてあんまり思ってないなって事に気が付きましたんですよ。私は。
何せ25年の歳月を経ながら愛用しているRedwing#8270もPT91なんですけどいわゆる灰芯でして。(Work Boots 愛好記その1参照)
というよりそんなに傷が付いたりしても放っておけるような精神構造に無いようです。私の場合。
Race to Toeとフォルスタン。
これは、もう絶対なんです。スモークジャンパーのスタンダードのレーストゥの写真は持っていないので撮れないし、他の人の写真を転載も良くないかもなんでできないのですが...少し、つま先の方までシューレースを通すハトメが付く羽が長くなっているタイプなのです。
そうすると、スタンダードな方は、一般的な外羽タイプの感じなんですね。トゥのアッパーに直接縫い付けているタイプで、私の愛用のRed Wing#8875(Work Boots 愛好記その2参照)はこのタイプです。
これが、このRace to Toeはアッパーの下から羽が出てきているような感じになっていて、私にはすごくカッコよく見えています。競合になるのか、WescoのJob Masterもこのタイプがありますよね。
Job Master はもっと派手でかなりつま先の方まで来ています。
更にフォルスタンは、つま先を隠すほどにデカくて派手です。カッコ良いのですが私の好みとして比較すると、どちらかと言えばコッチかなあという。
あとハイトです。10インチ。実は今でもビーンブーツは10インチにするべきだったのではという葛藤と戦っているのです。(いずれWork Boots 愛好記その4で触れます)
正直、今回も8インチと10インチはうなるほど迷いました。いっそ9インチにしたろうかと思ったりもしました。
でも、スモークジャンパーは10インチなんでは無いかという所で最後は決断しました。
試しに履けなくてすごく良かった。この2インチで脱ぎ履きのしやすさはすごく差が出るはずです。とはいっても10インチも思ったほど脱ぎ履きし難くないです。シャフトの部分はすべてフックでシューレースが邪魔にならないし、タン部の革がすごく柔らかいのがその要因と思います。
ハイト10インチはスモークジャンパーでは標準丈ですからね。フォルムもすごく好きです。今のところ、履くと足首までかなり固定されてしまって動きづらさはあります。
でも個人的にはすごくカッコ良いと思っています。
それからRollde top。
実は、先述のホーウィン社のクロムエクセルレザーという選択肢を注文するギリギリまで迷っていました。このブーツを購入したのは、京都のGulf Tradingさんですが、
クロムエクセルレザーの事をいろいろ聞いてみて良いところも少しウィークポイントになりえるところもすごく丁寧に教えて戴きました。そのおかげで私の購買目的にぴったりの選択が出来たと思っています。本当におススメです。
と、クロムエクセルを選択していた時は、クロムエクセルレザーの断面が茶色の感じがベラボーにカッコ良いので、Cut off topにしていたのです。
Gulf Tradingさんで教えていただいた内容として、
アメリカの人はまあ、日本人よりも少しだけおおざっぱなところがあるから、
Oiled Latherで色はBlackでRace to ToeでHight10inでCut off topでハトメやフックがBrassというのは、アメリカのどノーマルのSmoke Jamperの仕様である。
そうなれば、通常はカスタム品はコバをとソールを縫い付ける出し縫いの糸が白い糸なんだけど、アメリカのどノーマルのSmoke Jamperは耐熱糸で黒糸を使用するので、間違って出し縫いを黒い糸で縫われてしまう可能性がある。
これは注文の仕様と違うとクレームをつけられる対象ではないがそれでも問題ないか?と教えて戴きました。で、どうすれば良いかと聞いたら、もう少しカスタム要素を増やしたらそのリスクは下がると思われる、との事でした。これは、何度ものオーダーにより培わられた非常に貴重な事を教えて戴けたと今でも本当に助かったなあと思う事です。
なぜなら、もともと私はクロムエクセルの革断面で無いのなら、Rolled topの方が良いと感じていたのです。クロムエクセルレザーをやめたのに、こちらはRolled topにしていなかったのでここでそのことを思い出してRolled topにできました。
オーダーの内容はすごく満足です。
きっと後悔はしないと思います。
ソール関係は、いつかオールソールするときに変更すれば良いのですから。
Vibram#100は少しカッコ良いですよね。
他の付属品
私はRed Wing #8875が8.5EでRed Wing #8270が8.5Dですが、#8875は厚手のソックスでもきついがいける感じ、普通のソックスでぴったり。#8270は薄手のソックスでぴったり、普通厚さのソックスでは脱ぎ履きがきつい(入ってしまえば、まあ大丈夫)という感じです。
Smoke Jumperは8.5Eを購入しました。
狙い通りジャストサイズです。個人的な印象では少し長さ方向には#8875より余裕が有りそうな気はします。でも、ぴったりと思えるくらいです。
そして、White’sの購入を検討している人で最も気になると思われるのはアーチイーズではなかろうかと思います。
私はまあまあ偏平足と言えるのか、自分ではいたって普通の足だと思っているのですが妻には偏平足だと言われます。
その足でアーチイーズを体験した感想としては、すごいフィット感で痛さや違和感は全くありません。これは履いてみないと合う合わないは分からないかもしれません。
個人的にはそんなに履く人を選ぶような仕様では無いようにも思えます。
履いた感じです。
ブーツの全容はこちらです。
なんにしても、このブーツは見れば見るほどカッコ良いブーツです。
世界中のワークブーツファンに憧れ続けさせられるだけの魅力があると個人的には思います。
さあ、ガンガン履いてまたエイジングの感じを数年後にお知らせ出来たらと思います。
White'sライフを楽しみます。
ギター愛機紹介その2 ~Fender Precision Bass~
ギター紹介その2と言いつついきなりベースという...
現在、使用中の(手元に有る)機材の手に入れた順という事にしたのでこうなってしまうのです。
これはそうですねえ。特に思い入れがあるとかそういう事は無いのですね。
この子を手に入れたときに持っていた、グレコのSG型のギターの方がはるかに思い入れがあります。思い出すなあ...
私はベースをたくさん弾こうと思う事がありません。
音源を作る際にどうもDAWの中に入っているベース音の打ち込みの音がそれなりのものを購入しなくてはイマイチな気がするのです。
(購入したことないのでわかりませんが)
それだったら、ベースギターが一本あっても邪魔にゃあならないのでは?という事から、たいして考えることなく買ってしまいました。
本当はジャズベースの方がアタック音もゴースト音も派手に聞こえる感じで高音がプッコンプッコンいってて音的には好きな気がします。
でも、それも今では...って感じなんです。
というのも、私は以前、ストラトキャスターがどうも好きになれないという時期がありまして。
PUが3つもあるし、そのくせコントロールがセレクター抜きで3つしかないし、どうなってんだよ?
と思っていまして、今となっては何ていうか透明感のあるミドルの音抜けが良さそうな、すごく良いギターだなあって思っているんですが、
当時は、「潔さ」ってのが正義だと思っている節がありました。
テレキャスターも、セレクターを取っ払おうかと考えていた時期がありました。
リアPUのみで良いのではっていう。
そう。キーワードは「潔さ」です。
それを踏まえてこのベースギターを見てみましょう。
PUはセンターに一発。
コントロールは、ヴォリューム。トーン。以上。
....
これ以上の潔さって何ですか?という構成。
音は低音重視の(ベースですから...)パワー重視。
ほらほら。似てるじゃあないですか、あいつに。
そういう子好きなんですよ私は。
カスタムも一切していません。
買ったときのまま。
もしも今買うならば、すごく迷うと思います。
ジャズベースの方が小器用にセッティングできるし、そっちを選んでいる可能性は高いです。
けれども不器用なイメージのある、このプレシジョンべースの感じもすごく好みです。
ベースの必要性が私の場合、DTMというか宅録のベーストラック専用なので、そういうパンキッシュな突き抜けたところの趣向とかより実用性のジャズベースを選ぶべきなのかもしれませんが...
ともあれ、この子がいるのだから2本目のベースを購入候補には全く上がらない状況です。
ベースと言えば。ベースの目立ち方っていろいろあると思うのです。
Red Hot Chiri Peppersのフリーを思い出してしまうようなスラップで打楽器として成立しているようなベースもすごくすごく憧れます。
一方でここ最近、R.E.M.を聴き直しているという事があって気が付いたのです。
R.E.M.と言えば、オルタナティブというジャンルというかそういうカルチャーを体現しているようなバンドだと思っていて、
私は英語を深く理解できていないので歌詞を全て聴き取って理解することができないのですが(一説にはマイケル・スタイプの歌い方はネイティブアメリカンでも聴き取りづらい時期があったそうです)
ただただ曲が好きという事で聴いてきたバンドです。
結局私は90年代から00年代に青春期を過ごしているので、基本的にロックアイコンというかヒーローはニルヴァーナかなあ...となりますけれども絶対このバンド!という激押しがあるわけでもないのです。
オアシス、レイジ、レディオヘッド、U2、マニックス、レッチリ、メタリカ、コールドプレイ、ミューズ、ペイブメント、ストーンローゼス・・・・
パンクのバンド以外でもすごく好きなバンドはたくさんあって、フェイバリットはとても難しいのですが
R.E.M.は最初に挙げたいバンドのひとつです。
実を申しますと、R.E.M.との出会いは「Monster」です。
それ以前のR.E.M.は好きなのですがそんなに思い入れがあったとは言い難いです。
名盤「Automatic For The People」はレンタルで何となく聴いてそんなに聴き込んでなかったのです。
しばらくたって、「New Adventures in Hi-Fi」が出てそれを買いました。
最初やっぱりさらっと聴いてそんなに執着していなかったのですが、回数を聴けば聴くほどアルバム自体が好きになっていきます。
いつしか、私の好きなアルバムのトップ10に入るアルバムとなりよく聴いていました。
そこから「UP」や「Around The Sun」などアルバムが出るたび買ってはいましたが、そんなに執着せず...
たまに「New Adventures in Hi-Fi」を聴く程度になっていました。
しかし、異常なほど何度も聴いているのにこのアルバムに関して一向に飽きが来ない事に妙な違和感を覚え、それ以前のR.E.M.を改めて聴き直す気になってきました。
いろいろ調べてみたら、一般的に「New Adventures in Hi-Fi」というこのアルバム。もちろんR.E.M.のアルバムである以上最大限の評価はされているのですが(更にビル・ベリー脱退前の最後のアルバム)
R.E.M.のアルバムの中では比較として高い評価を得ているわけではないようでした。
私はこのアルバムが本当に好きなので、愕然としながらも、他のアルバムへの私の今までのアプローチを反省しつつ「だとしたら、他のもしっかり聴いたら全部好きなんじゃねえの?」という疑念が浮上します。
改めて特に評価が高いとされている「Automatic For The People」を聴いてみます。
「...なんだ...これは...」メチャクチャ良いではないか!なぜ過去の私にはわからなかったのか。
今の私には一巡しただけではっきり名盤とわかるアルバムです。
「Monster」のイメージで聴いた当時の私では良さに気が付かなかったかも知れません。
確かに一瞬で引き込むようなキャッチ―なフックの強いような曲(飽きが来てしまうような?)ではないかもしれませんが(何度か聴いていたら強烈なメロディや曲の良さに驚きますけど)
全体通してすごいアルバムです。これで確信します。
あ、R.E.M.全部好きだ。
好きだ好きだと思っていたけど思っていた以上に好きになれる自信がある感覚です。
そこでデビューアルバム「Murmur」からすべてを好きなアルバムにしてやろうと聴き返し始めました。
ううむ。良い。好きだ!
今のところ、IRS時代の3枚目までは確実に好きになっていて比較的評価の高いIRS時代の4枚目、5枚目に不安はないし、
「Green」からのR.E.M.4人態勢時代の5枚なんて既に全部好きと断言しても良いレベルだし、心配なのは「Up」と「Around The Sun」を聴いたことあるのですが、
その後の4枚くらいかな。そっちも大した不安はありません。造り手を信用できている状況なのかと思います。
と、ベースの話に戻りますが。
このR.E.M.の「Murmur」という名盤。
物凄く物凄くベースがメロディックなんです。
そもそもR.E.M.はM・スタイプ以外の3人がスタジオに入り曲を作り上げるんだそうです。
その音源をM・スタイプが聴いてそれにヴォーカルメロディと歌詞をつけるという製作方法がスタンダードなんですって。
それって、印象的なギターリフもメロディックなベースラインも、確実だけどオカズもおしゃれなドラムパターンも最初にアレンジが出来ちゃっているってことですね。
まあ後から、ヴォーカルメロディに合わせたそういう修飾はするにしても、おおよそのアレンジのイメージが出来ていると...
改めて奇跡のようなバンドだと思います。
あの素晴らしい楽曲が持つ雰囲気は確実に4人で形成しているのです。
いわゆるヴォーカルメロディを外してバンドの演奏を聴いているとギターとベースが変わる変わる主旋律を取り(どれが主旋律と言えるのかは主観かもしれませんが)
それらとは独立した美しいヴォーカルメロディラインが、私はあえてそう表現したいですが、美しいM・スタイプのヴォーカルに彩られ、違った声質のやはり美しいマイク・ミルズのコーラスで更に彩られる。
少なくとも楽曲の中ではイニシアチブを取っている人がはっきりしていないあくまで民主的なバンドだという逸話は本当なんだろうと想像できます。
歌詞がありメッセージ性が言語という形で表出する部分があるので楽曲に大きな表情を与えるのはヴォーカリストであるM・スタイプの功績は大きいのかもしれませんが、
M・スタイプは3人の紡ぎだす曲にインスピレーションを受けているでしょうから本当の意味でイニシアチブを取っているわけではない訳です。
ん?結局またR.E.M.の話に戻ってしまった...
そうです。マイク・ミルズのベースライン。すごくメロディックで美しい。これなんですよ。たぶん私の好きなベースの音って。
よく、ベースは打楽器に近いと言われます。私もそう思います。
リズムを支える部分が要素としてとても強い。
基本要素が低音が主だからでしょうか。
でも、楽器にはっきりとした音階がある以上メロディックであって悪いことなど何もない。
そこにパワーがあって悪い事は無いのです。
ベースへの造詣が深くない私は、スラップが派手で良いなあ。と思っていました。
それならジャズ・ベースやミュージックマン・スティングレイみたいな高音出しやすい、というかアタック音の目立つ楽器の方が良いなあ...となんとなく思っていたのですが、
今になってマイク・ミルズのおかげでプレシジョンべースってアリっすよね。と思います。
Work Boots 愛好記 その2 ~Red Wing #8875~
私はワークブーツが好きです。
第2弾という訳なのですが、またRed Wingです。
実は私の名前が直訳するとこのような感じなのです。
全国的には珍しい苗字なのか解りませんが、私の地元では石を投げればあたる名字です。地元の学校ではクラスに2~3人は当たり前にいます。
先日紹介した#8270は、学生時代に購入していて私が学生時代を過ごした土地では比較的珍しい苗字だったのでこのブランドに愛着が深くなりました。
我々世代のイメージではRed Wingと聞いて、今では最初に名前が挙がる事もあるかもしれないベックマンを想像する人は稀です。
私はこの#8875が好きすぎて#875にはあまり興味が無かったのでアイリッシュセッターという通称も他人ごとです。
まあ、知識として定番はこの色ではない事は知っているのです。
でも、何でしょう。私は本当にこの色がすきなんですなあ。
何でも#875は、履いて履いてオイルアップを続けて、いい感じで経年変化するとこういう明るい色になるんだそうです。
それを最初っからこの色でって人がこの#8875を求めるのでしょうか?
私はそういう感じでは無かったので、この色をいい感じで経年変化したらどうなるのかを見ていこうと思います。
Red Wingを最初に買ったのは先日紹介した#8270なのですが、今も当時もワークブーツをどんどん買って履かずにおいておくことができない性分なのです。
どちらかというと好きな靴が何足もあったらなぜ足は2本しかないのだろうと思ってしまう、履く事に喜びを見出している方でして。
そんな訳で、#8270を履きに履いていた時は買えずにいました。
足は2本しかありませんしね。
バイクに乗らなくなって、もう少し日本文化に寛容なブーツが欲しいと思い始めた結果、#8875は2009年とかに買ったように記憶しています。
それからというもの、私はオールシーズンどんな季節でも、休日には必ずと言っていいほど履く靴になりました。
棲み分けとして、前回紹介の#8270が「バイク用」だったのを「仕事用」にしたとすれば、この#8875は「常用」もしくは本末転倒ですが「スニーカー」です。
他のワークブーツから一線を隔したスニーカーのような軽い履き心地。6インチという何とも扱いやすいハイト。
服を選ばないどんなものにも合わせてしまえる万能性。何よりカッコ良い。
全てにおいて完璧です。
そのぐらいこの靴が大好きです。
購入したのはずいぶん歳がいってからなのですが、実は私、2002年にもこの靴を買っているのです。
2002年というのは、私が結婚する前の年です。
その年、次の年に私の苗字になる妻の誕生日に買うたったのです。
これがその現物ですが、当時女性用のサイズのワークブーツなどと言うものが市場にはあまり無くて非常に苦労して購入しました。
妻のものなのですが、まあ本当にかかとの部分のフォルム、カッコ良くないですか?
私のものと少し違う気がします。
この小さいサイズのラスト、踵のあたり本当にWhite'sを彷彿とさせるようなセクシーさがあります。
なんとも羨ましい。
私が履けるわけではありませんが。
私のものは比較的新しいので、やはり年代によってラストに違いがあるのかなあなんて考えてしまいます。(確かな情報は持っていません)
#8270を買うタイミングで#8875を買っていたらこのセクシーな踵のラストだったのかなあなどと思いはしますが、#8270も好きですからねえ。
実は#8270はまだソール交換をしていないのですが、こちらは2回しています。
どれだけ履く回数が違うかですね。
取扱店に持ち込んでリペアしているのでオリジナルのソールが付いています。Red Wing Japanの息のかかったリペア工房でしょうか。
それともアメリカに行ってきたのかなあ。
次の時は、国内の信用できる修理屋さんに持ち込もうと思っています。
ソールはVibram#4014でやります。ヒールの積み上げ入れてもカッコ良いなと思うのですが、その守備範囲には他の愛用品がいますし。
このブーツはこのブーツのまま、私のローテーションメンバーに居て欲しいと思います。
因みに妻もまだオールソールしていません。
あまり履いていないんですよね。大事にはしてくれているのですが。
まあ、なんていうか男臭のするブーツだと個人的には思っていて、更にこの踵はね...
女性は服とかに合わせ難いんでしょうな。
息子や娘も足のサイズがそろそろ安定しそうなのでそうなったらタイミングを見計らって2人にも買おうと思っています。
その時は#875やらベックマンのバーガンディ#9011とかはどうだろうと思っているのですが、息子に聞いたら「#8875一択でしょ」と言われました。
高校生になった息子におそろいのブーツ一択なんて言われる幸運を私は噛み締めてしまいます。
私が愛し、妻が愛しているだろうこの#8875を家族みんなで一生履き続けるという、そういう価値のある靴だと思っています。
ギター愛器紹介その1 ~Fender Telecaster~
かつて、ギターを買ったり売ったりあげたりして手元を通過していったギターは何本かありますが、今、手元に有ってそれなりに使用している楽器を手に入れた順に紹介していく事にしました
さて、今回はFender Telecasterです。
というかこのギター。最初からこんなのでいけませんが、いつ、どうやって手に入れたのかと言うところはあまり確かではありません。
・大学時代の先輩の引っ越しの時にもらった。
・リサイクルショップで買った。
という2通りの記憶がどちらもハッキリしない感じであります。
何となく、同期のギターを弾かない友達にジャンケン勝負の末敗れ貰う事が出来ず、悔しくてリサイクルショップで買ったような気がするのでそれでいきます。
なぜ、そんなに悔しかったか、というのにはそれなりに理由があります。
このギターは手に入れたときはピックガードが黒いとてもテレキャスター然とした、たたずまいだったのですが、この色と形。定番でありつつ私は最大限の憧れをこのギターに抱いていたのです。
つまり私は完全なるTelecaster党です。
そのルーツは中学生の時に遡ります。
当時、私はTM networkというミュージックグループが好きでした。それについて特に言及は致しませんが。
そんな私は、「洋楽」を聞いてみたい欲求にかられたのです。
今となっては「洋楽」という言葉の意味も良く解らないと感じますが、とにかく日本語の歌で、クラスのみんなが聴いているような「流行りもの」じゃなくホンモノ(それが何なのかは未だに解っていませんが)のヤツが聴いてみたい。となったのです。
と言っても、今の様にサブスクがあってなんでも聞き比べる事が出来た時代ではありません。
更にドが付く田舎に住んでいた私です。
そういったCDを購入する店は一店舗しかありませんし、当時はレンタルなどという気の利いた制度もありませんでした。
音楽を聴くには情報が無い中CDを購入するほかないのです。
とにかく、ジャケ買い命な訳です。
その時、私が「えーい!ままよ!」と買ったCDはというと。
BOSS ブルース・スプリングスティーン のLucky Townというアルバムです。
この選択。今の音楽好き、ロック好きを明言するに至る私のルーツと言っても過言ではありません。
なんとも、素晴らしい。中学生の私を褒めてあげたい。
このCDについて話を始めるとちとギター紹介と大きくずれを産むことになります。それはまたの機会に。
このCDが好きになり、そこからブルース・スプリングスティーン熱狂時代に入っていくのです。
その途中に名盤「Born to Run」に出会う事になります。そのジャケット写真にブルースが持っているギター。
それが「Fender Telecaster」だったのです。
(正確にはブルースの持っているのは、「ブロード・キャスター」といってテレキャスターの前身のようですが...)
木目のクリア塗装のボディに黒いピックガード。ブルースの革ジャン。
何もかもがカッコイイ。
今でもこのジャケット写真は息をのまみす。カッコいい。
曲も素晴らしいし、和訳を見て涙するようなストーリー性もすべて正義だったのです。
私がギターを所有する事。それはつまりテレキャスターを所有することなのです。
リサイクルショップで買ったものなので、(もしくは先輩の貰った物)まあ、状態はそんなに良くないです。
それでも確か、2000年代前半にはまあまあ調子よく使っていたんだと思います。
いわゆるMTRを使用して宅録していた時もあったわけですし。
その時にピックガードを黒からべっ甲色に変えました。
何となくブルース・スプリングスティーンの支配下から抜け出したのでしょうか。
そして後に紹介する#425の購入と共にハードケースに仕舞われ、ゆうに十数年の寝かされ時代に入ります。
その間にアップルミュージックに加入。
音楽を聴くという行動そのものの根底をひっくり返すようなこの「サブスクリプション」という概念。
そのおかげで私はよりたくさんのジャンルの音楽に触れる事が出来るようになりました。
そしてエレクトリックギターのそれぞれの特徴ある音の違いの魅力をより敏感に感じられるようになってきました。
おまけにPCで簡単に音楽編集ができる環境。
ここにきて、テレキャスターをもう一度使ってみようという気になってきました。
その時点で引っ張り出してきて、試しにプラグドイン!
何が原因かその時は解りませんでしたがあり得ないノイズ。
壊れている!と思いました。
さてそこからはボリュームポッド買ったりセレクタースイッチ買ったりコンデンサー買ったり、電子工作期間。
その間もとても楽しかったなあと今は思います。配線の方法とかノイズ対策とか調べたりして。
まともに音が出なくて泣きましたが。
PUはテスターでみた感じでは全く生きているようで、コントロールの部品はすべて総取り換えしました。
その改造の中でオクターブチューニング対策でGotoの6連サドルに変更しました。(3連が王道)
あと、Gibsonファイアバード用のシールドジャックステー。(独特の引っ込んだジャックステーが通常)
「テレキャスター警察」には完全に捕まる案件です。
ごめんなさい!出来心です!
我ながらカッコ良いテレキャスターだと思っています。
ノイズもほとんど気にならないくらい軽減され、テレキャスターらしい硬派な音になっています。
でもフロントPUの頼りなさはいかんともしがたいですね。
本当にフロントハムは理にかなったカスタムだと思ってしまいます。
でも、私はコレで良いです。
シングルコイルが好きなんだと思います。
ストラトも所有していまして、(そちらの紹介はいつかまた)やっぱりリアPUがショボく感じでしまいますが、SSHにしたいとは、あんまり思わないんですよね...
このテレキャスターは今更手放そうとはこの先思わないと思います。一般的なモノとしての価値はごく安いものだし。
売ってすごいお金が手に入るなら解りませんけど、そういう社会的価値って部分ではガラクタレベルですからね。
でも私にはかけがえのない一本なのです。
お気に入りっていうのはそういうものなのでしょうね。
思考の出力について
考えたこととか、常々思っている事とか出力する場所が必要だと思って、独りよがりで良いのだからと割り切ってこのブログというものを始めてみたけれど、一通り書いてみたらそんなに毎日何かに憤ったりふと思ったりしていないものだなあと思ったりしました。
そこで最近お気に入りワークブーツを毎日履ける喜びを書いてみたら、こういう内容をシリーズものにしてやってみららどうかと思いつきました。
それで「その1」とかにしたんだけれど。
今のところその4くらいまではあれが...とか考えているのはあるなあと思いつつ、他にもこういうのあるなと思いました。
人並みに(どのくらいが人並みかは解りませんが...)本を読んだりします。すごく感銘を受けたらその感想も出力するところが無いと思っていました。
本好きの人の目に留まる所に投稿したりすることも考えましたが、基本的にそれにすごく反応があると戸惑うかもしれないなとも思います。(有るわきゃ無いんですが...)
私の感想なんてどこまで行っても主観的だし、それに「それは違う!」とか言われたら言われたで面白そうだけど毎回じゃ面倒な気もします。
それから楽器。私は前述の通りパンクロックファンです。今ではインストゥルーメンタルのポストロックのバンドとかもすごくすごく好きです。
そういうバンドが使うような楽器、まあ当たり前ですが高価では無くても愛用の大好きな楽器を何本か所有しています。
そこにも超個人的なこだわりがあったりして、それらを言える相手が今現在周りに居なかったりするわけです。
年齢が進むとそういうことを趣味にする人も減少しているのではないかと思います。
まあ、オッサンになったらバンドやっててモテるとか絶対ないですしね。
ついでにモテたいという欲求も全くないです。
その辺についても考える事があったなあと今思いつきました。
それはそうと、若い頃にバンドやっていた人の一定数はモテたいと思ってやっていたという事でしょうか?どうなのかな?
私はバンドというもの自体やったことが無いです。人前で演奏とかすごく緊張しそうですよね。私には無理そうです。でもロックやそれに付随するポピュラーミュージックやその文化は特別好きです。少し変な角度からそういうロックやポップミュージックに興味があったのでオッサンになった今でも好きなのかもしれません。
若い頃からの友人たちもそういう楽器の話とか全く興味が無くて聞いてもらえんのです。
繋がりでDTMのこと。
好きなバンドのニューアルバムの感想。
漫画の感想とかも良いかもしれません。
初めて呑んだウィスキーの銘柄の感想とか。
使用してみたデジタルガジェットの感想とか。
NBAの事。
結構、こういう媒体を使用することの可能性は無限になりえるなあ。
誰に見られるわけでもないけれど誰かに見られるかもしれない出力というのは、今の私にはぴったりです
Work Boots 愛好記 その1 ~Red Wing #8270~
私はワークブーツが好きです。
すごく好きなんですけれどコレクターみたいな感じではありませんので沢山は所有していません。
好きなだけにブーツは履いてこそその真価を問われると思っており、
何だか履かない(履けない)ワークブーツを所有していることはいけない事をしているような気がします。
このブーツに関して、何となくの罪悪感を感じながら長い期間を過ごしていました。
時は1998年。私は日本の北部に位置するとある地方都市に住んでいました。
私は学生の頃、バイクの免許を取りました。
バイトをしてバイクを買い、革ジャンを買いました。その流れで、ブーツも・・・
そんなことで、憧れのRed Wingを購入しようという発想になりました。
私には当時はっきりと憧れがあり、今では不思議に思ってしまいますが、
RedWingのオリジナルソールのパターンがなぜだかとても格好良く見えていました。
今はもうソールがすり減り気味で今となっては、何に憧れていたんだか良く解りませんが、RedWingのブーツにはRedWingのオリジナルソールが付くので、なんだかそのブーツがRedWingである事をソールが証明しているような、そんなところが良かったのかもしれません。
この時代のエンジニアブーツはPT91という安全基準で製作されていました。
その安全基準自体はどうだというのは無いのですが、製作されていた年代を特定する上でよく使われる指標です。
当時の私の憧れとは別に、このPT91世代のRedWingのエンジニアブーツのフォルムがとてもカッコイイと感じます。
今の#2268とか、しっかり実物を見たことはありませんが、写真で比較すると個人的にとてもPT91の形がカッコよく見えています。
これに関しては私個人的な見解だと思いますが、すごく形が好きなのです。
更にこのPT91の安全基準の時に製作されたエンジニアブーツはランダムに茶芯の革、灰芯の革で製作されたものが存在するらしいです。
茶芯とは、革の芯まで黒く染まっておらず経年変化によって結果的に芯部の茶色がウッスラ出てくる革で、マニア垂涎(?)らしいです。
対して灰芯とは、革の芯まで黒く染色されていて、経年変化ではウッスラグレーに見えるという・・・
まあ、普通の革なんでしょうなあ。
そんでもってこのPT91の茶芯というのは中古市場で灰芯と比較するとかなり割高の強気設定なんですよ。
つまり、今でもこの古い茶芯のブーツが一定数の需要を持っているという驚きの状況なのです。
当時の私は「ソールが...」とか言っていましたが、今の私の感性では形が良いと思うし、今の市場では「茶芯が...」なんて言われているという、そういう価値観の代物です。
しかも一説には新品時では茶芯なのか灰芯なのか見分けが付かないという。大体、私自身は、茶芯だとか灰芯だとかいう概念さえ知りませんでしたが。
かくして私の愛用品はというと...うーん。灰芯かもわからんですな。
何となくヒール部分茶が出てるような気もしますが。
まあ、実際、茶芯だろうが灰芯だろうがこのブーツが好きな事には変わりがないのだから、どうという事は無いのです。
売るつもりも一切ないし。
しばらくの間このブーツを眠らせるという罪悪感の根本になってしまう生活を送っていた理由ですが。
私は足の甲がワリカシ高めなのかこのPT91のフォルムがそうさせるのかは定かではありませんが、このブーツは圧倒的に脱ぎ履きしづらいのです。
履くときは、息を止めて顔を真っ赤にして履き口部分を引っ張りつつ足をねじ込む工程が必要だし、脱ぐときはブーツジャックが無い場合はヒールのケツハチ部につま先部のソールをひっかけて、
やっぱり真っ赤な顔で踏ん張らないと脱ぐことができないありさまなのです。
靴の脱ぎ履きを常とする文化の日本の生活環境ではこのブーツを履きこなすのが難しいのです。
そのせいで、何となく休日も敬遠しつつ埃をかぶることになっていったわけです。
しかし私のRedWingの最初の一足であるこの#8270をこのまま下駄箱の肥やしにするのはいかがなものかと、ここ最近私は仕事中に履き続ける環境を構築しました。
そもそも学生時代には一生懸命履いてとても良い経年変化を重ねていたのですが、ここ20年ほど数カ月寝かせてオイルアップしてみたいな事を繰り返していました。
会社では靴の脱ぎ履きは割と頻繁で現場では汚れたり傷が怖くて履けませんでした。しかし、今の環境ではこのブーツを履き続けられるようにしました。
あまり履けていなかったので、購入から24年経過していますが、ソール交換はまだしていません。
少し、ソールの加水分解が不安です。いっそのこともうソール交換してしまっても良いのかもしれません。
しかしながら、今は毎日履いています。数カ月修理屋さんに預けるのも嫌だなあ。という事でとにかく履けるうちはどんどん履いていこうと思うのです。
次にオールソールするときはVibram#100という手は無いかと思案中です。
でも耐油性能はマストなんだよな...
どうもRedWingのエンジニアではあるあるのようですが、アキレス腱の位置にほつれがあります。
こちらも直してもらえる修理屋さんに持って行ってやってもらおうと考えています。
この写真を残しておいて数年後に見比べるのも面白いかもしれませんね。
今後は他の愛用ワークブーツを含めたまに更新できたらと思っています。
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ちばあきお著、キャプテンという漫画があります。
私自身、面白いと思う漫画というのはたくさんあります。それはもう無数に。
しかし私の個人的ランクの最高位に認定される漫画は4作にとどまっています。
「六三四の剣」「スラムダンク」「柔道部物語」そして「キャプテン」です。
これらには少なからず共通点があります。
・スポーツをテーマにした漫画であること
・主人公が努力により成長する過程が描かれている事
・いわゆるサクセスストーリーである事
・少年漫画であるにもかかわらず安易な魔球的要素が無い事
この4つ以外にもいろいろあるでしょうが、これが大きく理由として挙げられます。
更に上記4点を満たしていてもこの4大漫画に入っていない漫画もありますが、それらも好きな漫画には変わりありません。
「はじめの一歩」「ルーキーズ」「エンジェル・ボイス」「帯をギュッとね」「ガラスの仮面」「バリバリ伝説」
などがそれにあたります。
はっきり言って基本的にこの種の漫画が大好きなんでしょうね。書いていてもう一度読みたくなるものばかりです。
たぶんこれにあたるけれど挙げていないものは読んでいないだけです。読んだら好きになります。
間違いありません。
かといって魔球系が嫌いってわけではないのです。「あしたのジョー」だって「巨人の星」だって「黒子のバスケ」も好きですよ。
でも、何となく違うものとして線引きしたくなるのです。
「はじめの一歩」は微妙なところでしょうか・・・
その中でも、群を抜いて「何も持ってないけれど、頑張る事で成功できる」と声高に宣言している漫画というのが「キャプテン」なのです。
夏木六三四も桜木花道も三五十五も(それぞれの漫画の主人公ですが漢数字が多すぎる・・・)あふれる才能が有って、更に好きなスポーツ(武道)に懸命に打ち込んだ事によって、そのあふれる才能があふれまくった!その結果やったぜ!っていう。
100m走の桐生君と同じです。
これの重要なところは才能だけでやったっていう安直さが無いところもポイントなのです。死ぬほど頑張った側面がとても重要です。
対して、「キャプテン」の谷口君、丸井君(「キャプテン」は4代の歴代キャプテンのお話で、1代目と2代目の主人公です。)は最初、明らかにヘタクソなのです。
谷口君に関しては強い中学校では球拾いばっかりだから野球が出来そうな弱い中学校に転校してきたし、丸井君は谷口君を苦悩させた上にレギュラー落ちをしています。
またその丸井君がレギュラー落ちする際の丸井君のエピソードがまた良いのですが・・・
ところで。現在の中学校というところは部活をやりすぎたらいかんのだそうな。
やりすぎたら、教師の就労時間がひどい超過になるとか送り迎えが保護者の負担だとか・・・
まあいいんですけど・・・
私が上記の漫画において何に心を奪われるかというと、それは人より頑張ったらその努力は完全な形で裏切ったりしないってところです。
それは必ずしも完全なる勝利では無くても、善戦できたとか相手を苦しめたとかそんな形でも努力が裏切るってことはない事を教えてくれているのです。
かつて王貞治がこのような名言を言ったと言われています。
「努力は必ず報われる もし報われない努力があるのならば それはまだ努力と呼べない」
人によってはこれは成功者である王選手だから言える、という解釈をする人がいますが私は違うと思うのです。
「報われる」ということが「ある」か「ない」かで考えればそういう解釈もあながち間違いではないと思います。
勝利という基準を満たしていないから報われていない。優勝していないから報われていない。日本一では、世界一では無いから報われていない。
それが当てはまる人もいるでしょう。確実に王選手はそのレベルです。
ですから王選手においては言葉そのままの意味で良いのでしょう。
「この試合に勝ちたかった、負けてしまったから報われていない。」それなら「努力と言えない」のです。
「この試合に負けてしまったけれど、勝者をあそこまで苦しめられたのだから日々の練習のおかげだ。」は、報われたと思っているから、「努力」と言えるのです。
最後の落としどころに満足できればそれは「努力」と言えるって言っているのと同じです。
負け犬の言葉遊びと断じる人もいるでしょうが、真剣に何かに向けてその準備をしてそれが適わなかった時、報われなかったと思うだろうか?という話です。
ということは逆説的に考えると王選手の言葉は、「たとえ負けたとしても後悔しない準備」を努力と呼んでいるという意味ではないでしょうか。
負けた時「あの練習をこうしていれば・・・」「素振りをあと100回していれば・・・」と考えるのだったらそれは努力ではないと言っているのだと思います。
これは大乗仏教の教えに似ています。どんなにつらいことがあっても乗り越えられる精神力を養っておけば何が起きても動じないという考えです。
話が「大乗仏教」とか・・・本題からそれまくっていますが・・・
「キャプテン」の舞台は中学校です。
中学校で、谷口君や丸井君は自主的に「たとえ負けたとしても後悔しない準備」を行って試合に臨む。その結果報われたと感じうる(作中で報われたと考える描写があるわけではありません)結果を得て墨谷二中を去っていくわけです。
それは、制限なく「負けたとしても後悔しない準備」ができる者のみに許された結果としての「努力」です。
その「努力」ができないように学校側で計らうとはなんとも愚かな・・・
「努力」ができる土壌を奪い取ってどんな大人になるのでしょう。
その「努力」であれば個人的にもできるとおっしゃる方もいますが、
学校が場所を提供していないのに何処でやれっいうのかって話です。
「キャプテン」も前時代的な美談なのでしょうか?
この手の話に前時代的って言葉自体、ナンセンスな気がします。