「悪魔と天使と魔王」第三話

「さぁ!いま人類の存続をかけた戦いが、始まろうとしています!」
高らかに声を上げるのは、角馬圭太、雷門の、実況係といってもいい。

始まった。
「染岡!」
豪炎寺からのボールで、染岡にボールを渡した。その後、染岡がドリブルで上がっていく。
「染岡!ドリブルで、十二神隊へ切り込んでいく!」
そのままシュート!っとみんなが思ったとき、
「!・・・・・・・・?」
染岡のボールが、一瞬のうちにシンラに奪われてしまった。
「気をつけろ!こいつら・・・ただものじゃない!」
鬼道の言葉に反応して、
「俺が止める!」
すばやく、風丸が奪いに行く!・・だが
「スパークトラップ!」
クンラと二人で、超高速でパスを回し始めた。シンラとクンラが、右へ左へ下へ上へあっという間に、風丸を突破した。しかし、パスを回したあとから、スパークが、流れてくる!
「う・うわぁぁぁぁぁぁ!」
すっかり、スパークが風丸を包み込み、風丸へ電流が流れ込む!
風丸!」
見かねた円堂が声を上げる。
パルテナ!」
シンラが、パルテナにパス!
「シャイニングアロー!」
とたんに、フィールドが、光の空間に変わった。パルテナが、ボールを二回蹴ると、ボールが矢にかわる。
そして、手に弓を作り出し、光の矢と化したボールを弓まで持ってきて構え、放った。
「すさまじいパワーだ!円堂止められるかー!?」
ゴールへ、光の矢が迫る!
「マジン・ザ・ハンドぉ!」
円堂が、右手を振り上げると、後ろにマジンが見える!そのまま、右手を突き出して光の矢を止める!・・と思ったら、一瞬にして、マジンがやられてしまった。
「うわぁぁぁぁぁ!」
「ゴール!十二神隊!疾風の速さで一点をもぎ取ったぁ!」
円堂が、がっくりと肩を落とす。
「どうだ。これが私たちの力だ!」
パルテナが、円堂に対し、吹きかける。
「くっそぉ!」
ピーーーーーー
試合が、再開された。
「染岡!」
今度こそシュート!
「ドラゴンクラッシュ!」
染岡が、体をひねり、シュートを放った。ボールにドラゴンが宿る。
「させないだよ!」
モグモグが、シュートブロック
「っな!?」
驚く染岡・・またたくまに
「アトミック・クエイク!」
モグモグが空高く飛び上がり、地面をたたきつける!
そうしたとたん、地面がわれ、巨大な岩が、ドラゴンクラッシュを食い止めた。
「ッチ!俺のシュートが・」
「染岡のシュートが食い止められたぁ!雷門!逆転できるか!?」
角馬圭太の声とともに、モグモグが、シンラにパスを出した。
「スパークトラップ!」
またも、クンラと一緒に四方八方パスを出す!またたくまに、半田、佐久間、松野をスパークが飲み込んだ。
「ぐわぁぁぁぁ!」
「ぎゃぁぁ!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
三人の悲鳴が、グランドにこだました。

「悪魔と天使と魔王」第二話

舞い降りた神々達は、自己紹介をはじめだした。
「俺は、土の神ロック・スタンだ!」
先ほどの、体格のでかい男である。
「私は、空の神・風美根野舞」
       (かぜみねのまい)
女神の男だ。
「おれぁ、悪の神・悪心有也」
        (あくごころゆうや)
入墨の男だ。
「僕は、知識の神・闇湖明」
        (やみいずみあきら)
パンダヒーローのような帽子をかぶり、制服の襟を、口元まで立てており、口を隠している。
「私は、光の神・パルテナ・シュラン」
アフロディのような男だ。
「俺は闇の神シャドウ・ゲイト」
目元に、源田のようなペイントを施し、髪が、荒れている男。
「オラは、食物の神・ビック・モグモグだ」
いかにも、でかいといえる太った男だ。
「僕たちは・理性と、欲望の神・シンラとクンラだ」
双子の神らしい。元気がよさそうだ。
「俺たちは!泣く子も黙る・病魔の神・病原体の神・運命の神・ラル・レル・ドルだ!」
まさかの三つ子・・・・
「以上十二神隊!」
「へっへぇーー」
無理して聞いていた二人だ。
「おっと、話が長すぎたようだ。」
パルテナがいうと
「いまから、人間のすべてを奪う!」
とたんに、十二の神が、それぞれの力を吸い取っていく。
「うっわぁぁぁぁぁぁ!」
あまりのつよさに、風丸、円堂は、吹き飛ばされそうになる。
「そっそんなことはさっさせない!」
「ほう・戦うのかわれらに」
「あぁ!」
風丸の返事も間もなく
「たった二人でか!」
有也の言葉が、心に刺さった。
ー三十分前ー
「なにあれ・・・」
「十二の光・・みたいな」
「・・・・・・・」
「?豪炎寺?」
タッタッタ
木戸川の母校に帰ってきてた豪炎寺が、いきおいよく走り出した。
「ご・豪炎寺!」

「鬼道さん・・あれ」
佐久間と買い物に来ていた鬼道は、空に目を疑った。
「・・いやな予感がする・・・・」
「行きますか。」
「あぁ」
そのまま、鬼道、佐久間は、走り出した。
・・・ピアスをちらつかせて・・・・
ーそしていまー
「円堂!風丸!」
豪炎寺が来た。
「豪炎寺!」
「円堂!」
続いて、佐久間、鬼道も来た。
「キャ・キャプテン!」
壁山、も来た。
「やっぱり来ていたか」
染岡、半田、松野、栗松が来た
「十一人か・・・・・」
シャドウが、つぶやくと、
「いいところに来た!せっかくの余興だ。そのサッカーとやらで、人類の運命を決めようじゃないか。」
舞の提案により、雷門中グランドで、サッカーをすることになった。

「・・行くぞ」
主将は、こんなときに、人をまとめる。
「人類の運命がかかっている。」
「ハッ・そんなことは関係ねぇ」
「俺たちは、俺たちのサッカーをやる」
「あぁ!行くぞ!」
「本当にこれで、人類の運命が決まるんッスか?」
「とにかく、いくでやんすーー」
「よーしいくぞ!」
「「おう」」
掛け声をかけたあと、試合ははじまった。
ピーーーーーーーーーー!

「悪魔と天使と魔王」第一話

今日は、いつもより空が曇っていた。そんなこともお構いなしに、雷門中から、大きい声が聞こえてくる。
風丸!いけー!」
ひときわでかい声を上げているのは、雷門中サッカー部主将円堂守である。常時バンダナをつけており、バンダナからでている前髪がときおり、ふさ、ふさ、と揺れている。
「いくぞ!」
さきほど風丸と呼ばれたこの男の名は風丸一郎太
女子ともいえる長いかみで左目が髪に隠れている。今は、二人だけで自主練をしているようだ。
「いいぞ!風丸!ナイスドリブル!」
「円堂こそ、ナイスかけ声!」
二人は、昔からの付き合いである。
よく、二人で練習したり、出かけたりするらしい。
また、この日は、FF(フットボールフロンティア)
が終わった直後で、同じチームメイトの豪炎寺修也
鬼道有人などは、母校に帰っていて、いまはいない。
「円堂、そろそろ飯にしようぜ!」
風丸の提案にね
「あぁ!着替えてからな!」
喜んで賛成した。
ー十分後ー
「どこにいく?」
「そうだなー・・・・・・・・」
「最近できた、ファーストフードに行かないか?」
「そうだな!そうしよう!」
二人は、私服姿で、店へと向かった。
日本一ということで、サッカー部のファンも多い。
「あっ風丸さんだー!」
「円堂君も!」
このように、出かけるときは、大変だ。
ーそのころ、天界では・・−
「愚かだな人間という生き物は」
「そうだな、早く消してしまいたいものだ。」
「まて、せっかくだし」
「・・円堂守・・この男を利用しよう。」
「それはいい考えだ」
・・・・・クックックックックッ・・・・・・
ー地上ー
「ぷはーうまかったな!風丸!」
「お前・・食いすぎだろ」
二人で、食事を終え、いま、帰ってきている。
風丸のピアスが・キラッ・と光った。それに反応するように、空が、光った。
「なんだ!?あれは!」
空から、光がまい降りてくる、全部で十二の光。
円堂守か」
一人の男が話しかけてきた。
「・・そ・・そうだお前らは、何者なんだ」
「俺たちは、神!」
一人の、でかい体格の男がしゃべりだした。
「十二の力をつかさどる神だ!」
次は、髪が腰まで伸びており、女神のような男がしゃべりだした。
「か・・神?」
「そのとうり!われらが、十二神隊だ!」
髪を、首元で結び、手には入墨をしている男が話した。
「じゅ・・十二神隊!?」
円堂が、声をあげるとともに、
「われらは、人間を、消す!」
「えぇ!」
二人は、驚いた。