自己紹介の代わりに永遠の愛をキミに誓う。
どうせボクに似てお調子者で傷つきやすいキミが、いつか道に迷った時に見せられなかった背中の代わりに見つけて欲しいんだ。
ボクはキミが好きだ。
とても好きだ。
どれくらい好きかっていうと、2日に1回はキミのことを思い出して夢に見る。
覚えていないかもしれないけど、31アイスクリームでキミはいつもポッピングシャワーを注文していた。「くれ」と頼むと、ほんの少しだけスプーンにのせてボクの口に運んでくれた。自分は大きくとって食べるのに。アイスクリームを食べると、キミはいつも「公園でも行くか」とボクの口真似をして公園に出かけようとする。昼でも夜でも。アイスクリームと公園はセットだと思ってたんだろ。
キミはいつも自分よりも大きい人に憧れて仲間になろうとするくせに、恥ずかしくて「仲間に入れて」が言えない。だから言えない時はボクの後ろに隠れてばっかりだった。今、友達が沢山できるといいけど。
いつかキミはボクのことを忘れるかもしれないし、何ならボクのことを憎む可能性が高い。だけど、ボクは永遠の愛を誓う。
ボクはキミの親が大きらいだ。
世界で1番きらいだ。
キミの親はある日、「愛があるなら金を払え」と要求してきた。「金なんてどうだってなる。愛があるんだから」と大見得をきってキミをさらって出て行ったはずなのに。姿を消すとすぐに「金をよこせ」とせびり、断ったらボクは法律で、「キミと会うことはできないけどキミの親に金を払う」ことに決まった。だからボクは、そんな結論しかでてこない法律がきらいだ。
だからボクは金を払わないけど、決して贅沢もしない生活を選ぶことにした。
キミへの愛を証明するのに大金がかかるなら、別に証明しなくてもいいや。ただ永遠の愛を勝手に誓う。
付け加えるとボクは納豆がキライだ。
ボクはフェミニストが嫌いだ。
ボクはバブルを生きた年寄りが嫌いだ。
ボクはキミの親が大キライだ。
でも、ボクはキミが好きだ。
一緒に生きてキミに見送られて死のうと思っていたのに、もう叶わない。ボクの知っているキミは優しくて、陽気で、泣き虫で、臆病で、笑顔がとても可愛くて、楽しくなると我を忘れる。小さなキミはボクにソックリだった。
よく、「背中を見せるのが仕事だろ」と知った風なことを言う人がキライだ。
背中を見せられないからせめて記録する。キミの人生からボクは突然居なくなったように見えるだろ。だからその後の続編をつづるよ。
いつかキミが大きくなったら勝手に見つければいい。