なもなきアクアリウム

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すきなこととかたのしいことを…

【レビュー】#169 濃い出汁感、豹変するフルーティ、『ザ・ディーコン』がキてます!!!!

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

あった!!地方にも、ようやくあったんです!!!!!!!

 

ザ・ディーコン

THE DEACON

製造元:ソブリン・ブランズ社

内容量:700ml

アルコール度数:40%

ブレンデッド・スコッチウイスキー

購入時価格:3,608円(税込み)

 

 

 

 

久々に界隈が沸く・・・

 

ザ・ディーコンの日本国内の販売開始日は4月15日だったらしいです。

製造元のソブリン・ブランズ社はウイスキーだけ飲んでいると聞きなれない社名ですがそれもそのはず、ウイスキー分野においての参入は初だそうです。

 

日本国内での販売はシーバスリーガルでおなじみのペルノ・リカールジャパンが担当。

ペルノ・リカール社はソブリン・ブランズ社の株も所有しており、関係性はわかりやすいです。

 

もうさんざん語りつくされた部分かとは思いますが目を引くボトルデザイン。

銅製ポットスチルをイメージしたメッキ加工ペストマスクを着用したキャラクターが刺さる人には刺さります。(刺さりました。)

 

公式から読み取れる原酒スペックは

・スペイサイドモルトとアイラモルト

・スモーキーなスペイサイドモルト

・ピート香の強いアイラモルト

・オレンジのフレーバー(のする何かしらの原酒)

となっています。

 

アイラモルトと聞いた瞬間に「はいはい、カリラカリラ…」が出てきそうになる「はいカリ現象」が起きましたが果たしてどうなんでしょうかね・・・??

 

珍しいゴム?栓です。

 

それはさておきキャップまでデザ秀です。

 

ガラス瓶にメッキ加工なので注ぎ口周辺はガラス部分が露出しています。

 

 

・公式評(ペルノ・リカールジャパン公式サイトより)

スモーキーなスペイサイドのモルトウイスキーと、ピート香の強いアイラ島モルトウイスキーブレンドに、オレンジのフレーバーが加わることによって、スモーキーなのにフルーティーウイスキー初心者にもウイスキーを飲みなれた方にもお愉しみいただける一本に仕上げました。ぜひ、その味わいをお試しください。

香り
焦がしたオレンジ、甘く麦を感じるビスケット、ウッドスモークの香りが、ジューシーなオレンジ感へと変化。
味わい
口に含むと、繊細なスパイスがピリッとしたピートと呼応。
フィニッシュ
甘くスモーキーで、長く滑らか。

https://www.pernod-ricard-japan.com/brands/domestic/whisky/thedeacon/

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :鮮やかなアンバー

香り:出汁、潮系のピート香。燻製香るスモーキーさ。

   しばらくしてから柑橘系のニュアンスが拾える。

   香ばしい穀物感も。

味 :味は…出汁のジュワっとした旨味。

   スモーキーかつドライさが続く。

   ほどなくしてややフルーティさも顔を出す。

   出汁っぽい旨味、潮のブリニーさが凄まじい。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:スモーキーさは後退。

   一転してフルーティさが主体に。

   少しの潮っぽさ、バニラ、穀物感。

味 :味も結構フルーティに振れる。

   スモーキーさもあるものの、のびやかな穀物の甘さ。

   ブレンデッドらしさが垣間見える。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:スモークさが再び出てくる。

  柑橘のフルーティさと出汁っぽいブリニーさがなんともぉ…

  非常に秀逸。

 

 

・総評

それひとつでキャンプ飯をすべて内包してるようなウイスキー

 

焚火の前で食べる肉系料理、それとお酒をひとりでやってる感じ。

ありそうでなかった強スモークの出汁系フルーティ。

 

これほんとにブレンデッドなの?という味わいの濃さ、一見初心者を寄せ付けにくいスモーキーさ。

まさにペストマスクの外観のようなウイスキー…これは流行りが来るね・・・

 

ストレートで強スモーク、ロックでフルーティ、ハイボールで要素の両取りと様々楽しめるので各種飲み比べてみるのがおすすめ。

 

 

・総評

なんかどっかで会ったような…?

 

と、ある種の引っ掛かりを覚えてもやもやしていましたが、この出汁感はハイプルーフのカリラで飲んだことがありますわね…??はいカリ現象の正しさが証明されました。

ただこちらは度数が40%、なのにも関わらずこの濃い味は不思議ですね???

 

逆張りおたくなので基本的に流行りものから遠ざかる心底面倒くさい生態があるのですけれど、やっぱりボトルデザインが良いと手に取らざるを得ませんわね。

見た目だけでなく、きちんと中身も独創的でそれでいて美味しい、ノンエイジのブレンデッドとしてはやや高価格帯ではありますが手に取る価値は大いにあると感じました。

巷ではジョニーウォーカーダブルブラックと似ているという事が言われていますが、飲んだことが無いので未確認です。

 

 

一応、参考小売価格が4,180円とされていますが実勢価格はいまのところ3,280円(税抜)の3,608円(税込)で販売されていますね。

で、手に入らなかった時期に案の定メルカリで転売されているのを見て辟易していました。

そのうち供給されるので待つのが吉かと思います。ほんとに。

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

 

【レビュー】#168『フォアローゼズ イエロー』は甘い情緒を内包した気品あるバーボン。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

当ブログ、スコッチとジャパニーズ以外が弱すぎる(アメリカン(9)、アイリッシュ(9)カナディアン(1))のでバーボン強化パッチが入ります。

今回はこちら。

 

フォアローゼズ イエロー

Four Roses YELLOW

蒸溜所:フォアローゼズ蒸溜所

内容量:700ml

アルコール度数:40%

バーボンウイスキー

購入時価格:1,400円(税込み)くらい

 

 

 

 

ロマンチックな逸話を持つバーボン。

 

はじまりは1888年

1920年~1933年の間に施行された禁酒法ではフランクフォート蒸溜製造社という企業と合併することで、「薬用」ウイスキーの製造の名目で法に抵触せず稼働を続けていた数少ない蒸溜所です。

 

1943年にはあのシーグラムに買収され、ブレンデッドウイスキーアメリカン)としてアメリカ国内で成功を収めました。

…のにもかかわらず、シーグラム社はアメリカ国内での販売を停止しアジア・欧州市場への販売に注力をするという方針に切り替えます。

結果、ジム・ビームに次いで世界で最も売れているバーボンとなったそうです。

 

2002年には日本のキリンビールがフォアローゼズを取得。

それ以前よりキリンビールはアジア圏での正規販売代理店でした。

 

キリン傘下となったフォアローゼズは再びケンタッキー・ストレート・バーボンとして売り出され今日まで至ります。

一方でアメリカ国内では現在でもケンタッキー州以外での販売はされていないそうです。

 

冒頭の逸話はボトルのラベルにも書かれています。

全然関係ない話ですが、公式的には「フォアローゼズ」と最後が濁っていますが個人的には「フォアローゼス」呼ばわりが好きです。

 

ちなみに、「フォアローゼズ・イエロー」というのは俗称で、公式的には「フォアローゼズ・バーボン」、即ちフォアローゼズそのものの呼び名と同じです。

原酒は平均5年以上熟成されたものを使用されていて、マッシュビル2種×酵母5種から成る同銘柄最多の10種類の原酒のヴァッティングです。

 

 

・・・と長々と語りましたが、国内では言わずと知れたバーボンですので、語るよりとりあえず飲め!安いから!などという「飲んで学ぶ勉強法」でもとっつきやすいバーボンと言えます。

 

METAL SCREW.

 

 

・公式評(キリンビール公式サイトより)

香りと個性の異なる10種の原酒を絶妙なバランスでブレンドして生まれる花や果実を想わせる華やかな香りとまろやかな味わいが特徴のフォアローゼズのエントリーラベル。

 

味わい

すっきりと柔らかでなめらかな味わい、フレッシュフルーツ、ほのかな洋梨とアップルの味わい。

香り

フルーツ、フローラル、やわらかなスパイスと蜂蜜の香り。

フィニッシュ

柔らかく心地の良い長さの余韻。

https://www.kirin.co.jp/alcohol/whisky_brandy/fourroses/products/fourroses.html

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :深みのあるゴールド

香り:バーボン然としたバニラと溶剤臭。

   ただ、そこまで溶剤臭が強くなく、嫌味が無く、上品。

   アルコールアタックもなく品格のあるアロマ。

味 :樽の渋み、草っぽさを感じるフローラルさ。

   穀物由来の甘さも優しく感じる。

   余韻にはやはり花を思わせるフローラルさが抜けていく。

   

 

・ロックで飲んでみる

香り:湿った木、溶剤感が少し増す。

   紙っぽくもある?奥のほうに甘いバニラの香り。

味 :癖を感じさせないスムースさ。

   余韻に渋みがやや来るもののこれはアリ。

   甘いものが欲しくなる。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:ここにきて甘さが引き立ってくる。

  当然、飲みやすさで言えば随一。

  薄まらずにしっかりと主張が残っている。

 

 

・総評

軽やかながら芯の強さを感じる。

 

4本の薔薇の花言葉「死ぬまで気持ちは変わらない」

そんな強い意志を感じずにはいられないバーボンではありますけれど、その実あじわいは割とすっきり。

すっきりなんだけど、薄くないという一見相反したような属性ですが、水で割っていくと甘みがどんどん出てくるタイプ。

 

華やかさと、棘のような樽の渋みが両立していて、まさしく薔薇を思わせる。

 

おすすめはロック。

余韻の渋みが全体を引き締めていて美味しい。

甘くスムースになるハイボールも大いにアリ。

 

 

・所感

花の香りってプラシーボでしょ…?と考えるのはロマンが無いですわねぇ

 

事実、そんなふうに考えていた時期が、わたくしにもありました。

・・・実際花のようなアロマはウイスキーにおいては珍しくなく、フォアローゼズという名前に引っ張られて言われてみれば花のような香りが…などという先入観なしに考えても花の香りのニュアンスを感じてもおかしくないのです。

種を限定して薔薇の香りとか言い出すとちょっとオカルティズムですけれど…

 

オカルティズムとか大層失礼なことを言いましたけれど、逸話を知ったうえで、薔薇に思いを馳せながら飲むという行為は尊いし、そのうえで薔薇を香りを感じるのならそれは素晴らしいものだと思います。

適当に飲むのも良いですけれど、いろいろ考えながら飲むとウイスキーはもっとたのしいですよ・・・

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

 

【レビュー】#167『ワイルドターキー8年』はガツンとくるのにしつこくない、統制の取れたバーボン。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

てきとうな管理をしていたら、量り売りでもないのに後回しにしてしまっているボトルがちらほらありました。

なぜ、そういうことが起こるのか、朝倉あさげの自室の散らかり具合を見ればわかるかもしれない…

 

今回はそんな後回しになったボトルのこちら。

 

ワイルドターキー 8年

WILD TURKEY AGED 8 YEARS

蒸溜所:ワイルドターキー蒸溜所

内容量:700ml

アルコール度数:50.5%

バーボンウイスキー

購入時価格:2,456円(税込み)

 

 

 

 

これぞ王道のプレミアムバーボン。

 

前身となるリピー蒸溜所は1869年の創業

ワイルドターキーというブランド名が生まれたのは1940年かららしいです。

 

ワイルドターキーを語る上で外せないのが3代目マスターディスティラーであるジミー・ラッセル氏の存在です。

1954年に蒸溜に携わるようになったジミー氏はなんと現在までマスターディスティラーとして現役を貫いています。

 

マスターディスティラーに就任したのは1960年代らしいのですが、なんにせよ在職歴世界最長の、現役マスターディスティラーであることは疑いようのない事実だと思います。

現在はジミー氏の息子であるエディ・ラッセル氏が2015年に4代目マスターディスティラーに加わり、2名マスターディスティラーで運営しています。

 

 

ターキーというのは言わずもがな七面鳥で、ラベルにも大きく描かれているのが特徴です。

今回のはいわゆる旧ボトルで、現行のものはこんな感じでかつてのネイキッド・グラウスのように七面鳥がエンボス仕様になっています。

 

こういうラベルチェンジが起こったときに必ずと言っていいほど同時に勃発する「中身が劣化した」論争ですが、本場アメリカンレビュアーの皆さんも新ボトルを割と好意的に捉えており、「やはりターキーは良いんだ。」という非常に雑すぎる大らかな感想を残してくれています。

 

また、バーボンでは珍しいほうの年数ものをリリースしていて、年数表記崇拝の強い日本人受けがよさそうです。

 

コルク栓です。

あっ!コルク栓です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

・公式評(ワイルドターキー公式サイトより)

ワイルドターキーのフラッグシップとして、今も変わらずつくられつづけている101プルーフのストレートバーボン。高いアルコール度数にもかかわらず、想像以上に繊細な味わいが楽しめる、バーボンとしては異例の8年の長期熟成。その深い琥珀色は「アリゲーターチャー」と呼ばれる、内側を強く焦がしたオーク樽によるもの。重厚でインパクトのあるフルボディテイストと心地よい甘みとコクが独特の余韻をもたらしてくれる。

https://www.wildturkeybourbon.com/ja-jp/products/wild-turkey-8-yo/

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :深い琥珀

香り:バーボン特有の強いバニラ、溶剤。

   ただクセつよ!って訳でもなく、優しく穏やか。

   アルコールアタックもほとんどない。

味 :度数から来るアルコール刺激と甘さが同時に強く来る。

   なるほどガツンってこういうことかぁ…

   味わうように飲むとやや粘性を感じウッディ、それでいてバニラ。

   いい方向に癖がある。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:すげぇ甘い香り。

   キャラメルソースのかかったバニラアイスのよう。

味 :驚くほど味の印象が薄くなる。なんだこれ。

   ・・・と、思い出したかのように余韻に

   ふわりふわりとウッディさ、ビターさが出てくる。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:ストレートとは打って変わってややドライ。

  少しのフルーティさとバニラ感がしつこくなくて丁度よい。

  余韻にウッディさが上がってきて飲みごたえが強い。

 

 

・総評

チカラの制御がきちんとできているバーボン。

 

やや高い度数ゆえガツンとしたアルコール感はあるものの、バーボンのスタンダードなところをきちんと押さえたキャラクターで、かつそれが嫌味に見えないようになっているので非常に飲みやすい。

加水で薄まりすぎるきらいがあるので、割るときは度数は気にせずやや濃いめで割るといいのかも。

 

おすすめはストレート。

アルコール刺激と甘さでドンチャカ騒がしくて楽しい。

 

 

・所感

今回そこまで絶賛したようには見えませんが、個人的には相当好きです。

 

バーボンと言えば強烈な木感とキツめの溶剤臭なのですけれど、溶剤臭のほうは(比較的)気にならない程度に纏まっていてバーボン初心者に薦めても大丈夫なのかなぁと思いました。

 

まぁこのあたりはバーボンに限った話ではないのですが、ウイスキー初見の場合は未知の嗅覚味覚だらけなので忌避感があるのは仕方ないです。

ただファーストコンタクトで大分類としてのウイスキーを嫌いになってしまうのは本当にもったいないことだと思っていますので、初心者に薦めるならワイルドターキースタンダードより8年、バランタインファイネストより17年、というように初回だけは背伸びして良いものをおすすめするのが真のやさしさなのではないでしょうか。。。

 

 

ちなみに今回のレビューとして書いたメモの日付、2022年11月26日らしいです。

 

 

・AIが考案してくださったブログタイトル案

朝倉あさげの散らかり具合に見る後回しの影響

マジでうるせえ

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

 

【レビュー】#166『インチマリン12年』は初心者にもやさしい、果汁感が心地良い優等生。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

4月があっという間に過ぎ、5月直前です。

というか今年に入ってもう4か月経ったのかと驚きを隠せません。

 

今回は記事化が12か月も滞ってたシリーズ第一弾のこちら。

 

インチマリン 12年

ROCH LOMOND

INCHMURRIN AGED 12 YEARS

蒸溜所:ロッホローモンド蒸溜所(ハイランド)

内容量:700ml

アルコール度数:46%

シングルモルト・スコッチウイスキー

購入時価格:わすれた(量り売り)

 

 

 

 

フルーティタイプのロッホローモンド。

 

ロッホローモンドとしてのはじまりは1966年。

ローランド地方の閉鎖蒸溜所であるリトルミルの第2蒸溜所として誕生したらしいです。

ただ、前身を遡れば1814年に誕生したとの情報もあります。

 

ロッホローモンドといえば必ずと言っていいほど出てくる特徴が「ローモンド型スチル」(写真右側)による蒸溜で、その欲張りセットとも言える機能で多彩な原酒の作り分けが可能となっています。

 

https://www.lochlomondwhiskies.com/pages/distillery

 

そもそも単式蒸留器(ポットスチル)には様々な形があり、蒸気となったアルコールの還流率がスチルの形によって変わることで蒸溜後の原酒に変化が現れます。

ざっくりした説明ですが、ローモンド型スチルは上記の蒸気の還流率をスチル内でいじれる様にしたもので1基で何役もこなせるという驚きの発明品です。

 

ほか、上の画像にもこっそり写っている従来型のスワンネックのポットスチルも備えていたり、連続式蒸留器も所有しグレーンウイスキーも製造することができたり、宮城峡蒸溜所にも存在するカフェスチルも所有していたり、スペックとしてはとんでもなく大規模な設備を備えています。

 

という訳で今回久々の量り売りです。

ラベルにロッホローモンドと書かれていますがロッホローモンド(インチマリン)12の省略形だと思います。

インチモーンとかと一緒に買っていたら訳が分からなくなってたと思う

 

今回のインチマリン12年はその中でもさっきのローモンド型スチルで蒸溜された原酒のみが使用されていて、非常にフルーティな仕上がりとなっているそうです。

ちなみに、ちょっと前まではインチマリン単独名のブランドとして販売されていたような気がします。

 

 

・公式評(ロッホローモンド蒸溜所 海外公式サイトより)

A celebration of Loch Lomond's orchard fruit character, Inchmurrin 12 year old Single Malt whisky is brought together by our Master Blender, Michael Henry, using spirit  from our remarkable Straight Neck stills and aged in selected American Oak casks for a sweeter, mellow taste.

Inchmurrin 12 year old shows off the fruit and sweet elements of our distillery's signature style with delightful notes of peach, apricot, toffee and vanilla on the finish.


NOSE
Distinctively fruity with pear drops and toffee sweetness. Light notes of freshly cut hay in summer sun.

TASTE
Seville orange citrus notes build in intensity before mellowing into peach and apricot. The fruit character gives way to creamy fudge and vanilla.

FINISH
Medium in length with peppery finish.

ロッホ・ローモンドの果樹園の果実の特徴を讃えたインチマリン12年シングルモルトウイスキーは、マスターブレンダーのマイケル・ヘンリーによって、当蒸留所の傑出したストレートネックスティルのスピリッツを使用し、厳選されたアメリカンオーク樽で熟成させることで、より甘くまろやかな味わいに仕上げられています。

モモ、アプリコット、トフィー、バニラの心地よい香りがフィニッシュに広がり、当蒸留所の特徴的なスタイルである果実味と甘美な要素が表現されています。


香り
洋ナシのしずくとトフィーの甘さが特徴的なフルーティーな香り。夏の太陽に照らされた刈りたての干し草の軽い香り。

味わい
セヴィルオレンジの柑橘系の香りが強さを増し、やがてピーチとアプリコットへと変化する。果実味はクリーミーなファッジとバニラへと変化する。

フィニッシュ
胡椒のようなフィニッシュ。  (DeepL)

https://www.lochlomondwhiskies.com/products/inchmurrin-12-year-old-single-malt-whisky

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :鮮やかな琥珀

香り:ほのかな果実感…いや、結構ある果実感。

   なんだろう?マスカットの皮?甘め。

   桃のような香りも確かに感じる。

味 :優しく舌にまとわりつくシルクのような果実の甘さ。

   ハイランドモルトっぽい干し草感も一瞬出てくる。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:マスカットや洋梨の果実っぽさが前面に出てくる。

   果物そのものというより、果汁の香り。

味 :如実に味わいが濃くなる。不思議。

   と、同時に余韻のビターさも増して飲みごたえもよい。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:美味しい。癖が無く純粋に美味しい。

  余韻に特有の爽やかでいてちょっと濃いフルーティさが抜けていく。

  わかりやすくいい感じ。

 

 

・総評

優等生すぎて逆にもっとはっちゃけて良いよ…?と心配になるほど”出来”るウイスキー

 

ロッホローモンドのほうが殿堂入りするまで受賞し続けていたのはそういうところがあるのかもしれない。

とはいえ真っ当に美味しいし、これが本当にウイスキーなのか…?というくらい癖もなく万人に安心しておすすめできるハイスペックさがある。

 

総評でディスるなという感じだけれど、美味しいは美味しいんだけど一回飲んだらそれで満足しちゃうタイプの若干勿体ないやつ。

 

おすすめはロック。

果実味が濃密で飲みやすいし、余韻のビターさがバランスを利かせていてこれまた優等生な一面が見える。

 

 

・所感

次に来る(もう来てるかもしれない)、初心者向けシングルモルトはコレなような気がします。

 

とはいえちょっと前の売価は4,000円くらいだったものの現在は微妙に値上がりして5,000円近く、ましてや正規販売元のリカマンは売価6,050円(税込み)です。

 

グレングラントアルボラリスが値上げした今、初心者入門用のシングルモルトと言えば…やはりグレンリベット12年とかグレンフィディック12年とかに回帰してしまうんですかねぇ…などと考えてしまいます。

価格順で見てたらバスカーのシングルモルトがアルボラリスの次点くらいに上がりそうで笑いましたわね。

 

 

 

で、肝心のロッホローモンドは未飲です。

なんなんですの?このブログ…

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

【レビュー】#165『シングルモルトウイスキー 戸河内』は大自然の奥行きを感じる、湿度の高いシングルモルト。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

暖かくなり、日差しも強い日が増えてきました。

ウイスキーの保管に関しては殊更気を配らなければいけない季節が近づいてきましたね。

保管スペースがなくなりつつあるのが一番の問題な気がしますけれど…

 

今回はこちら。

 

シングルモルトウイスキー 戸河内

SINGLE MALT WHISKY  TOGOUCHI

蒸留所名:桜尾蒸溜所(サクラオブルワリーアンドディスティラリー

内容量:700ml

アルコール度数:43%

シングルモルト・ジャパニーズウイスキー

購入時価格:6,600円(税込み)

 

 

 

 

桜尾蒸溜所、もうひとつのシングルモルト

 

桜尾蒸溜所については「シングルモルト桜尾」の記事にて言及したような気がするのでご興味があればぜひ…

asgsn.hatenablog.com

 

戸河内と言えば、2023年9月にブレンデッド版がリニューアルしジャパニーズウイスキーの定義に合致するようになったことが記憶に新しいです。

また、戸河内のハイボール缶も2024年3月より販売が開始されているなど躍進を続けているブランドです。

 

今回紹介するのはシングルモルトのほうの戸河内で、名称が被るものの別物です。

発売当初はシングルモルト桜尾がスタンダード品、シングルモルト戸河内は料飲店向けという名目で出ていたような気がしますが、シングルモルト桜尾自体もここ半年以上流通しているのを見たことが無いような気がします。

 

蒸溜所至近の貯蔵庫で熟成された原酒を使用しているシングルモルト桜尾に対して、シングルモルト戸河内は西中国山地の山あいにあるトンネルの中で熟成された原酒が使用されています。

 

また、樽はファーストフィルのバーボン樽1種のみとなっておりむしろこっちのほうがナチュラルスタンダードな桜尾原酒が味わえるようになっています。

ちなみにシングルモルト桜尾のほうは4種類の樽で熟成した7種の原酒をヴァッティングしていると複雑、対照的な構成になっています。

 

桜尾は横書きのニッカスタイルなのに対して、戸河内は縦書きのサントリースタイルなのも対照的で面白いです。

 

飲みかけの比較ですが、色味は桜尾のほうが濃いめ。

桜尾も明るめの色だと認識していましたが、戸河内のほうがさらに明るい色です。

 

プラスクリューです。

 

 

・公式評(サクラオブルワリーアンドディスティラリー 公式サイトより)

緑豊かな森と清流に囲まれた戸河内貯蔵庫で熟成。

一年中冷涼な風が通り抜ける貯蔵庫で、

ゆっくりと香りや味わいが磨かれます。

□ 色:黄金色

□ 香り:バニラ、リンゴ、マーマレード、メロン

□ 味わい:軽快でスムースな口あたり、すっきりとした甘さ

□ フィニッシュ:爽快で穏やか、キレのある余韻

□ アルコール分:43%

□ 内容量:700ml

カスクタイプ:戸河内トンネルで3年以上熟成したバーボン樽

https://www.sakuraodistillery.com/singlemalt/#togouchi

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :かなり明るめのゴールド

香り:桜尾と同様に独特のリーフィーなハイランド感。

   柑橘っぽい爽やかさ、それとバニラ感が印象的。

味 :引っ掛かりもなく、軽快な飲み口。

   大自然のなかで熟成したことがうかがえる、奥行きを感じる。

   原酒由来のリーフィーさ、透明感のある甘さが心地いい。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:青りんごっぽいフルーティさが顔を出す。

   南国フルーツっぽい黄色い果実の香りも。

味 :香りの通り、青りんご南国フルーツ黄色感。

   やはりほのかにリーフィーで大自然を感じる。

   加水以降が味に広がりが見えて美味しいかも?

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:これはねぇ、美味しい。

  ロックの延長線上にあり、フルーティでありながら軽快。

  柑橘の爽やかさも持ち合わせ、薄すぎなく飲みやすい。

 

 

・総評

潮風とはまた違う、湿度の高いウイスキー

        (※オタク用語ではない)

 

3年熟成時点でここまで飲ませるウイスキーに仕上がっているのはふつうにすごい。

(相対的な)値段の安さ、完成度ともにハイレベル。

 

桜尾が潮風の湿ったニュアンスだとすれば、戸河内は雨のあがった森林の湿り気を感じ、熟成場所のイメージに沿った味わいを醸し出しています。

プラシーボかな…?

 

惜しむらくはその入手性…流通さえすれば…

 

おすすめは加水以降、スタンダードな樽構成でありながら少し独特な桜尾スタイルがわかりやすく楽しめるのでおすすめ。

ハイボールでも「あれ?昔からあった?」と思うくらい馴染みやすくおいしく飲めるためこちらもまたおすすめ。

 

 

・所感(実際に桜尾へ行ってきました)

ちなみに、このあいだ私用で広島へ行く機会があったので実際に桜尾蒸溜所に行ってきました。

 

JR廿日市市駅から出て正面まっすぐ歩きつづけると瀬戸内海に面する湾が見えてきますが、そこに桜尾蒸溜所が位置しています。

Googleマップで見てみると湾の中に、湾が、あるみたいな感じです。

 

蒸溜所見学も受け付けているそうなのですが、時間の余裕が無かったので今回はビジターセンターのみ伺いましたのよ。

受付のお姉さまが非常に親切にご案内してくださったので蒸溜所見学もぜひ予定を無理くり組んで行ってみたくなりました。

 

ビジターセンターでは限定の「宮ノ鹿」というシングルモルトが販売されていることは一部で有名です。

桜尾と戸河内のヴァッティングなのでブレンデッドモルトと言いそうになりますが蒸溜は同じ桜尾蒸溜所なのでシングルモルトにカテゴライズされます。

 

箱とボトルに描かれているのはすぐ近所にある宮島の鳥居鹿です。

見ての通り結構いい値段しますが、アルコール度数は50%とスペックアップしておりより濃厚な桜尾・戸河内原酒が楽しめるそうです。

 

 

わたくしが行った時にはシングルモルトの桜尾、戸河内は販売しておらず、そのあたりは運が絡むかと思います。

じゃなんで戸河内持ってるんだヨと言われそうですが、リリース直後にネットで売ってるのをたまたま見つけたので買いました。

ビジターセンターでも売ってないんじゃないかな…

 

 

というわけで所感でもなんでもない「もしかしたら蒸溜所訪問記事にするかもしれないと写真を多めに撮ったもののやっぱ使い道なさそうだから供養」コーナーとなりましたが、きちんとした訪問記事は本格的な蒸溜所の見学後ですかねぇ…??

 

 

・AIがかんがえたたいとる

ウイスキーの保管に気を配る

そうだね…

 

豊かな香りが漂う戸河内 - 日差しとともに香る #シングルモルト

一見良さそうだけどこれ冒頭の気温の話だよね…?

 

・次回

asgsn.hatenablog.com

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

 

【レビュー】#164『サントリーウイスキー ホワイト』は良い意味で期待を裏切る、国産ウイスキー界の生きた化石。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

去年に量り売りシリーズをレビューしていたのですが、「撮り溜めのまま世に出していないもの」がまだ4本あります。

どれもちょっと捻った感じのボトルですが、写真も撮ったし…レビューも捻出したし…でお蔵入りにするのはあまりに勿体ないと思うので近いうちに出すかもしれません。よしなに。

 

今回はきちんと今年に入ってから撮ったこちら。

 

サントリー ホワイト

SUNTORY WHISKY WHITE

製造元:サントリー株式会社

内容量:640ml

アルコール度数:40%

ブレンデッド・ジャパニーズウイスキー

(ジャパンメイドウイスキー

購入時価格:1,180円(税込み)

 

 

 

 

日本最古のウイスキー

 

初出は1929年。

まぎらわしいですがラベルのSince1923は言わずもがな山崎蒸溜所の竣工年です。

 

発売当初はサントリーウヰスキーという名前で発売され、通称が「白札」。

のちのニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝氏が寿屋(現:サントリー)の元で手掛けた、国産本格ウヰスキーの第一号です。

 

一応ウイスキー自体は販売していて、「着色、着香にてウイスキーっぽくしている」いわゆるイミテーションウイスキーが1923年以前には流通していたそうです。

ただ、白札自体も世間一般的なブレンデッドウイスキーであるグレーン+モルトのような構成ではなく、山崎モルト+スピリッツを混和したものなのでは?という考察がされていたりされていなかったりします。

実際、さつまいもを原料とした醸造アルコール(通称:芋取ウイスキー)を連続式蒸留器に掛けたスピリッツをモルト原酒とブレンドするという手法が「竹鶴ノート」の記述にあるそうです。

 

で、肝心の白札ですが結論から言うとコケたそうです。

現地で学んできた竹鶴政孝氏はあくまで現地流を貫いた(貫いている)ので仕上がりが当然スモーキーなものとなり、当時の日本人には受け入れづらいものだったそうです。

 

ただ、現在ではそんなこともなくきちんとブレンドが見直されているようです。

また、1964年に現在のサントリーホワイト」へと改称されています。

 

スクリューキャップです。

 

 

・公式評(サントリー公式サイトより)

1923年、日本初のウイスキーづくりを開始した鳥井信治郎が、国産ウイスキー第1号として1929(昭和4)年に発売。当初のブランドネームは「サントリーウイスキー」のみでしたが、白いラベルから「白札」と呼ばれるようになり、戦後はウイスキー通に愛され、通称「シロ」で親しまれてきました。このため、1964年より現在の「ホワイト」に改称。

※本製品はモルトウイスキー及びグレーンウイスキーに加え、グレーンスピリッツを使用。

https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000038/0000000120.html

 

未だにグレーンウイスキーとグレーンスピリッツの違いがわからないけどとにかく別物として扱われているので調べてみると、

グレーン・ウイスキーは、その穀物のうちとうもろこしなどの穀物を主原料に、大麦麦芽を加えて糖化、発酵させ、連続式蒸溜機で蒸溜したウイスキーをさす。溜出時のアルコール度数は94.5度ぐらいまで。これが95度以上になると、グレーン・スピリッツに区分される。

https://www.suntory.co.jp/whisky/dictionary/atoz/ka.html

 

だそうです。わからん。

なんにせよ原料原産地名でグレーンウイスキー(国内製造)という記載の通りグレーンウイスキーの含有量が一番多いと読み取れるので、グレーンスピリッツについては単なるアルコール度数の調整要員とかそういう位置づけなんでしょうか?わからないのでわからないとしておきます。

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :明るめのゴールド

香り:軽く木材チックな香り。

   粉っぽい。木造建築現場のような感じ。

味 :ほぼグレーンな穀物穀物した味。

   ほのかな甘みと、ごくほんの少しのピート感(プラシーボ?)

   余韻は少しだけビターで、当然ながら全体的に薄味。

   飲めないことはなく、きちんとウイスキーはしている。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:依然として難しい香り拾いが続く。

   やや穀物チックな甘い香りが出てきた…?

味 :べったりとした甘みが歯の裏に張り付く。

   スモーキーさもやや大きく感じられるようになってきた。

   ロックからはふつうに飲めそう感が出てきたぞ!!!

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:濃いめに作ったものの何が何だか…

  余韻にほろ苦さは感じる。

  けれどもわざわざハイボールにして飲む意味は無いかも・・・

 

 

・総評

ジャパニーズウイスキー(ジャパニーズウイスキーではない)の生きた化石

 

サントリー廉価帯には珍しくスモーキーなフレーバーがある温故知新なウイスキー

そのスモーキーさにも嫌味がなく、雰囲気付けとして良いベクトルに作用してレッドやトリスと比較すれば格段にしっかりとウイスキーしています

 

今回はやってないけれどこれこそ水割りでダラダラと飲んでいいやつなのでは?と思わざるを得ない。

令和の世にそこはかとなく昭和感を見せてくれる大御所…ありがたい…

 

今回飲んだ飲み方ではロックが一番おいしかったので、水割りもきっと美味しいと思います。

 

 

・所感

今回ひさびさにうんちく多めで見苦しくてすみませんでした。

 

余分な情報はできるだけ脳内で取捨選択して簡潔にするよう努めているのですけれど、なにぶん歴史が長いと書かなければいけないことが増えますわね。

 

ちなみに、2024年4月1日の地獄の業火の値上げラッシュにも実はひっそりと含まれていて、1,174円→1,410円(税別)となんと20%の値上げがされています。

これは碧と同じ値上げ幅で、同廉価帯のレッドやトリスは10%の値上げにとどまっているあたりホワイトはやはり原酒の格が違うのでしょうか…??

 

このあたりは角ですらあるポケットサイズのボトルも唯一存在していないあたり、サントリーからの並々ならぬ愛を感じるような感じないようなそんな存在です。

トリスエクストラもポケットボトルが無かった気がしてきたけど…まぁいいか…

 

 

・次回

まだ

 

・前回

asgsn.hatenablog.com

 

【レビュー】#163『ブラックボトル10年』は過不足の無い、複雑で巧みなブレンデッド。

こんにちは。もう一度、こんにちは。

 

今回の話がちょっと掠るので話しますが、とっくの昔にWWA(World Whiskies Awards)の2024の結果が出ていました。

さりげなく見てはいたものの、言及するほど興味のあるボトルが無く…というか誰!?ってウイスキーが増えてきましたね。不勉強なだけだとは思いますけれど…

 

今回はそのWWAでもカテゴリーウィナーを取ったこちら。

 

ブラックボトル 10年

BLACK BOTTLE AGED 10 YEARS

製造元:ゴードン・グラハム・アンド・カンパニー社

内容量:700ml

アルコール度数:40%

ブレンデッド・スコッチウイスキー

購入時価格:3,300円(税込み)

 

 

 

 

✟漆黒の美酒✟

 

「ブラックボトル」自体の初出は1879年と歴史があり、当時のアイラ島全蒸溜所(7か所)のモルトを使用しているという触れ込みで人気を博しているボトルです。

一方、今回の10年の初出は2020年と比較的最近です。

 

製造元のゴードン・グラハム社はブナハーブンよろしく二転三転と買収されており、(中略)エドリントングループバーン・スチュワート社ディステル社

と、ブランドの所有が動きまくっています。

 

そういう縁もあってかブナハーブンとは切っては切れない関係性があり、ブラックボトルのモルト比率がブナハーブン95%というところにも表れています。

 

上でアイラ島7か所のモルトを使用していると言いましたが、途中からキーモルトはディステル社が所有するディーンストントバモリーレダイグブナハーブンへと変更されているそうです。

 

In 1879, Gordon Graham had an ambition to create a blended Scotch whisky without compare...the 'perfect dram' if you will. Today, the same pursuit of perfection can still be found within every drop of THE BLACK BOTTLE

Celebrating the first new release in almost 20 years, our Black Bottle 10 year old stays true to the brands perfectly blended history.

Fully matured in American oak casks, this exquisite Scotch keeps the rich full flavour of its 1998 namesake, whilst introducing malty and woodier notes to the palate.

TASTING NOTES

Colour...Rich Amber Gold
Nose...Smoky background, with notes of honey, fruit and vanilla.
Palate...Sweet rich oak, soft fruit, balanced with a smoky spiciness.
Finish...Long & lingering, with a sweet peppery finish.

1879年、ゴードン・グラハムは比類なきブレンデッド・スコッチ・ウイスキー......言うなれば「パーフェクト・ドラム」を造るという野望を抱いていた。今日でも、完璧を追求する姿勢は、THE BLACK BOTTLEの一滴一滴に息づいている。

約20年ぶりのニューリリースとなるブラックボトル10年は、ブランドの完璧なブレンデッドの歴史を忠実に再現しています。

アメリカンオーク樽で完全に熟成されたこの極上のスコッチは、1998年の名前の由来であるリッチでふくよかな風味を保ちつつ、モルティでウッディなニュアンスを口中にもたらします。

テイスティングノート

色...リッチ・アンバー・ゴールド
香り...スモーキーな背景に、ハチミツ、フルーツ、バニラのノート。
味わい...甘いリッチなオーク、ソフトなフルーツ、スモーキーなスパイシーさとのバランス。
フィニッシュ...余韻が長く、コショウのような甘いフィニッシュ。(DeepL)

 

短剣?を握る手が描かれたスクリューキャップです。

 

 

・公式評(ブラックボトル海外公式サイトより)

BLACK BOTTLE 10 YEAR OLD

Islay in a bottle. Ripe pear and green apple slice crisply through biscuity caramel and charred embers.

UP FRONT
Ripe, juicy pears swirl on waves of rich peat smoke and oak.
FEARLESS FLAVOUR
Sabres of sour, sweet, sea-green apple slice crisply through biscuity caramel.
THE PAY OFF
Charred embers and deep, dark smoke peppered with sprays of sea-salt.

ブラックボトル 10年

ボトルに入ったアイラ。熟した洋ナシと青リンゴが、ビスケット状のキャラメルと焦げた燠火の中を鮮明に切り裂く。

前面
熟したジューシーな洋ナシが、豊かなピートスモークとオークの波に乗って渦を巻く。
大胆不敵な風味
酸味と甘みのある青リンゴが、ビスキュイキャラメルの中を鮮明に切り裂く。
ザ・ペイ・オフ
焦がした燠火と深く濃いスモークに海塩のスプレー。(DeepL)

https://blackbottle.com/products/black-bottle-10-year-old

 

アホなのでUP FRONTだとかTHE PAY OFFの意訳ができませんがトップノートだとか余韻だとかのニュアンスかと思います。。。

 

 

・ストレートで飲んでみる

色 :深みのあるアンバーとゴールドの中間点。

香り:スモーク感が感じられる。がっつりではない。

   ほのかにしっとりとした潮気それと甘めなバニラ香。

味 :非常になめらか。するりと舌を通り抜けていく。

   余韻にほどよい潮気とスモークさを残す。クール。

 

 

・ロックで飲んでみる

香り:煙の中にはちみつが見えてくる。

   いや、結構はちみつが出てくる。

味 :甘みが大きくなる。スモークさは…やはり余韻に。

   ハイランドパークを思い出すバランス感。

 

 

ハイボールで飲んでみる

味:なかなかに軽快…クリーミーな印象。

  すっきりフルーティで飲みやすい。

  スモーク感は…どっか行った。

 

 

・総評

何かが突出してるでもなく、何かが足りないわけでもなく、さりげなく、気の利いた手さばきが見える。

 

ブナハーブン含有量95%に違わずやや潮、ややスモーキー、そしてフローラルでいてはちみつという特徴が良く表れている…と思う。

また、レダイグがアクセントを加えているのか少しの土草感もある。

 

ジョニ黒とかバラ12年とはまた違った個性があり、要素を拾っていくのが面白い、しみじみ飲めるウイスキー

 

おすすめは要素がしっかり拾えるストレート。

もしくはクリーミーかつ熟成感を味わえるハイボール

 

 

・所感

こう、いぶし銀的なウイスキーって好きなんですわよね。

 

ブナハーブンがまさしくそれで、他のアイラモルトのような強烈な個性はないものの、どこに置いても問題を起こさず仕事ができる、そんな信頼を置けるようなウイスキーは素晴らしいです。

そのせいか普段着目しづらいのですけれど、ふとした機会に飲んでみるとやっぱりいいですわよねェと褒めちぎってしまうんですわよね。

 

そんな一種の穴場、ブナハーブンも12年は今や7,000円、ブラックボトル10年でさえも4,300円くらいするというなかなかの地獄が眼前に広がっています。

ブナハーブンの話に終始したような気がしますけれど、ブラックボトル10年、WWAで評価されるだけのことはある複雑だけどバランスの取れた、巧みなウイスキーでした。

 

 

・AIが考えたタイトル候補

地獄のような価格!ブナハーブン12年と比較したブラックボトル10年の実力 #ブラックボトル

地獄のような価格はシンプル悪口なんだわ

 

地獄の価格!ブナハーブン12年 VS ブラックボトル10年 #ウイスキー

アニメのサブタイみたいなノリで勝手に戦わすな

 

 

・次回

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・前回

asgsn.hatenablog.com