似非リア充の正体

まず、僕の話となることを謝りたい。

高校卒業後、2年のニート期間の後に
Fランク文系大を卒業した。

学生時代は帰宅部、無サークルで
ほぼぼっち状態で無風の学生生活を送る。

世はリーマンショック後の2010年に
Fラン2浪という罪付きを拾ってくれる
奇特な会社が有り、そこに入社するに至った。

そこは電子部品・半導体の専門商社で
中堅規模はあったのだから、渡りに船と思い、
喜んで飛び込んだのだった。

商社=体育会系のイメージをお持ちの方は
多いと思うが、この会社も御多望に漏れずで
特に配属された部署は漆黒の闇の様な所で
ぞっとする経験を色々とさせていただいた。

イジリという名の苛めを受け、
相手を喜ばせる為に自尊心を切り捨て、
恥部を見せる様な日々の中で
自分と他人を欺く術を身につけられたのだから
その会社には感謝してもし切れないと言える。

まあ、今やその会社に僕の席は無く
他社に移籍をしており、思い出話と出来る様にもなった。

まとまりのないくせっ毛を整え、
小奇麗なファッションに身を包み、
明るく、話しかけやすい雰囲気を纏い、
別のナニカになる事が出来た。

非リアから人口モノの似非リア充に過ぎない
矮小な存在、それが僕である。