2022年 年間ベスト音楽

〜序文〜

3年ぶりの年間ベストです。

今年からは"アルバムというフォーマット"に拘らずランキングしています。

この中には、アルバムというまとまった形式のものだけではなく、YouTubeなどで曲単位での公開となったもの、過去音源のコンピレーション盤等々も含まれております。

 

以下、選出した50作品です。

今回もちょっとしたコメント入りです。

 

 

 

 

-50-

$uicideboy$

Sing Me a Lullaby, My Sweet Temptation

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米ラップシーンのカルトヒーローは心の闇を写し続ける。

個人的に最近のトラップ/ヒップホップシーンで1番信頼している存在は自○願望に取り憑かれた彼ら2人です。

暗く救いのない世界、綺麗事なんて言ってても現状は変わらないし、だからといって狂う事も出来ない。そんな鬱々とした気分の時に聴く彼らのトラックとリリックは聴く者に痛みとほんの少しの安心感を与えてくれます。

我々が$uicideboy$の病みを見る時、$uicideboy$もまた我々の病みを写しているのです。

 

 

-49-

Daphni

Cherry

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Dan Snaithの作る音楽は、名義の違いこそあれどベットルームでもフロアーでも同じ感覚で聴けるという、リスナーの環境に左右されない懐の深さが強みだと思っています。

今作でも基本的快楽原則に忠実なビートと程良いアシッド感や中〜高音帯の響きの良さは抜群で、自宅に居ながらにして十分な高揚感を得られます。

Daphni名義の久しぶりの新作、ダンスミュージックっていいもんだなぁと改めて感じさせてくれる作品です。

 

 

-48-

The Callous Daoboys

Celebrity Therapist

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狂気とインテリジェンスを兼ね備える異能集団。

"情緒不安定なThe Dillinger Escape Plan"とでも申しましょうか、急カーブで展開が変化し続け先が読めません。

ロディックさにも拘りがありそうで、影響元を超えていこうとする意欲と勢いがあり今後が楽しみなバンドです。

 

 

-47-

Penza Penza

Neanderthal Rock

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エストニア発のディープアシッド・ファンクマシーン。

この音楽を前では知能など無用の長物、人間の遺伝子レベルに組み込まれている"踊る"という行為に身を任せてしまえばいいのです。

ひたすらに繰り返され続ける原始的ファンクナンバー、その圧倒的な呪術グルーヴに打ちのめされる1枚です。

 

 

-46-

Cloakroom

Dissolution Wave

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1stからずっと大好きなCloakroomの新作。

初期はもっとグランジ臭漂う荒々しさでしたが現在はより洗練され、美メロなシューゲイザー+ポストメタルサウンドJesuなどとも比較されているようです。

様々な方向に枝分かれしたオルタナティブ。そのうちのひとつの先端部分にいるのが彼らだと自分は思います。

 

 

-45-

立花秀輝

イクスサックス 立花秀輝 アルトサクソフォーン・ソロ作品集

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渋さ知らズのメンバーによる世紀の奇盤。

ずっと「プスー」とか「スカーッ」とか「プヒ〜」とか鳴ってるアルトサックス特殊演奏集。

かろうじて【音楽】の枠内な気もするが言い切る自信は皆無。実験精神ここに極まれり、といった感じですがお堅い雰囲気はなく笑いあり涙ありの愛くるしい聴き心地です。素敵。

 

 

-44-

Sam Wilkes & Jacob Mann

Perform the Compositions of Sam Wilkes & Jacob Mann

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跳ねるようなアナログシンセの音が気持ちいいジャズ作品。

アンビエントムード満載なリラックス空間ですが、時折見え隠れするNinja Tuneっぽさや実験的エレクトロっぽさがハッと目を覚まさせます。

ジャズファンよりもどちらかというとヒップホップリスナーが好みそうなビートや音色。このトラックにラップをのせたら最高に格好良くなる予感がします。

 

 

-43-

The Kopycat

SWIRL

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オールディーズを奏でるバンコクのバンド1st。

シティポップの源泉でもある50年代の音楽スタイルを大いに参照しつつ、2000年代以降台頭したゆるいインディースタイルの諸先輩方にも気配りを欠かさない。そんな性格の良さが滲み出た優良音楽。

日向の香りがする干したてのシーツにくるまって、ふわふわした気持ちのまま午睡に落ちたくなる柔らかなサウンドです。

 

 

-42-

K2

Hybrid Dub Metal Musik

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過去の未発表曲集とのことですが、いつの年代のものとか関係なくインダストリアル/ハーシュ・ノイズ好きの自分にとっては垂涎モノ。

常時ノイズの豪雨警報が鳴り響く激烈盤。

アルバムアートワークをプリントしたTシャツが欲しいです。

 

 

-41-

The Manakooras

Jungle Of Steel

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モンドミュージックの新星。

ティール・ギターやウクレレを用いて幻想の熱帯地域を創出、ジャングルに迷い込んだ我々探検隊の冒険を彩ります。未開の密林を抜け辿り着いた先は…。

Martin Dennyが世の中に拡散し細野晴臣が憧れたエキゾチックサウンドの遺伝子を継ぐ貴重な存在。Tortoiseあたりと対バンしたら凄く面白そうです。

 

 

-40-

Şatellites

Şatellites

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トルコ発のアナドル・ロックは風に乗り地中海を渡ってイスラエルで幻覚成分を増強。

真正のサイケデリックサウンドから漂うのは凝縮した現地の濃密な香り。

ぬるぬると肌を這いずり周る不可思議グルーヴが気持ち悪いのに、一度キメたらやめられなくて…。

初期のTame ImpalaみたいなM6がやたらとアガります。

 

 

-39-

Tuluum Shimmering

Planet Caravan

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Black Sabbathの名曲を約38分に拡大解釈。

原曲が持つアシッドフォーキーな雰囲気を更に拡張、聴く者によってドローンともアシッド・フォークともアンビエントとも捉えられる多面鏡サウンド

トランスを誘う儀式がスタートし、まるでManuel Göttschingかのような宇宙的展開の中盤で魂が身体から離脱。その後深層心理の奥底へ堕ちていき煩悩が昇華、行き着く先は明鏡止水もしくは賢者タイム

 

 

-38-

Soccer96

Inner Worlds

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新世代ジャズワールドカップの英国代表選手The Comet Is Coming。その爆裂ジャズトリオに所属するShabaka Hutchings以外の2人が作り上げたコズミックサイケ。

ラウンジ・ミュージックとクラウトロックとジャズを折衷したかのようなレトロSFサウンドは大変聴き心地が良く、アシッドな味付けも相まって質の良いインナートリップを楽しめます。

"運営・参加選手全てがトリップしている運動会"のサウンドトラックみたいなM5「Adrenalin」が一際異彩を放ちます。

 

 

-37-

Hey,Ily

Psychokinetic Love Songs

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なんだか物凄く厨二心をくすぐられる作品。

ポストハードコア〜ミッドウェスト・エモ〜パワーポップ成分をメインに、ちょっとハズした感じも込みで欲張り放題好きなもの全部詰め込んだ勢いが"青さ"を感じます。

もしかしたらインターネット成熟時代の初期衝動ってこんな感じなのかも、とか考えたり。

 

 

-36-

Vivisektio

Uusi normaali

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このアルバムがどうとか余計な説明は不要ですね。

ファストな80'sハードコア・パンク最高!!!!!!!!!!!

 

 

-35-

Jack Johnson

Meet The Moonlight

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世知辛い世間に疲れたら、安寧が保たれた音楽世界に逃避。

外界に開かれつつもインドアミュージックとしての側面は決して崩さない、疲れたらいつでも帰ってこれる安心の場所。

Jack Johnsonの音楽はいつだって寄る辺のような存在です。

 

 

-34-

ずっと真夜中でいいのに。

ミラーチューン

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今年のフジロックに行く事を決めたのは"ずとまよ"が観たかったから。初めて目の当たりにしたライブは、大袈裟に言えばP-FunkとEinstürzende Neubautenの合奏かのような編成で鳥肌モノでした。

現状アルバム未収録曲の「ミラーチューン」は"ずとまよ"らしい唯一無二のエレクトロファンク。ポップさ極まるMVも込みで脳内リピート確実です。

 

 

-33-

Sidewalks and Skeletons

Exorcism

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まるで全盛期のCrystal Castlesが蘇ったかのよう。

昨今勢いを増すゴス文化の追い風を受け、非常にニッチなジャンルであったウィッチハウスも再び注目されつつあるようで嬉しい限り。

ホラーな雰囲気漂う地下室の扉をそっと開け、密かな儀式を覗き見て夜な夜な仄暗い情感を胸に抱くのです。

 

 

-32-

Christopher Tin / Royal Philharmonic Orchestra with VOCES8

The Lost Birds

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聖なる光が溢れる天上の音楽。

この世から絶滅していく優美な鳥たちにむけた鎮魂歌。VOCES8の美しく透き通ったハーモニーが、身体の内側を清流の如くきらきらと流れていきます。

ロイヤル・フィル管弦楽団の、ボイスを優しい膜でそっと包み込むのような演奏も実に素晴らしいです。

言葉を用いず音の重なり連なりでイメージを伝えるクラシックという音楽。大空を舞う美しく儚い生命に思いを馳せた名作です。

 

 

-31-

尾丸ポルカ

サイキョウチックポルカ

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VTuberシーンは成熟の季節、まさに百花繚乱とばかりに日夜新たな刺激がアップロードされています。個人的に尾丸ポルカの2021年曲「ぽ」は、昨今インターネット上に同時繁殖しているハッピーハードコアのベストアンサー的解釈でかなり愛聴しています。

「サイキョウチックポルカ」もVTuber〜アニメ・ゲーム〜渋谷系までをも呑み込む良質な楽曲でリピート不可避、作曲者の逮捕という残念なニュースがあったもののポルカ氏(もっといえばホロライブ)の音楽的勢いは加速を続ける、その象徴のような曲だと自分は考えます。

 

 

-30-

Hollie Cook

Happy Hour

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夏の夕暮れに聴くHollie Cookは格別、快楽の園へ誘われます。

ルーツにしっかり根差した高品質なラヴァーズ・ロック、再生ボタンを押したらあとは身を任せて踊るのみ。

The Slits時代の同僚Ari Upもきっと天国でにっこり。

 

 

-29-

Kali Malone

Living Torch

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アンビエント〜エクスペリメンタル〜現代音楽までも横断する現代最高峰の音響作家。今作もシリアスみを極めた荘厳な音響は不変、一過性のインスタントな感覚を味わえるタイプの音楽とは対局に位置する崇高なもの。

響き続けるドローンの奥底から、何かに救いを求めるような切迫した声にならない叫びを聴き取った気がしました。

 

 

-28-

Tim Bernardes

Mil coisas invisíveis

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蜃気楼のようにぼんやりぼやけた亜熱帯の景色、そんな風景が映る夢を見せてくれるブラジルの俊才。

Nick Drakeの儚さを経由しアパラチアン・フォークの柔らかな土の匂いにまで接近、更にMPBマナーであるリズミカルな言葉の乗せ方を融合した心地良き世界。

花びら舞う春の夜や熱波にとろける夏の夜に、新しくて懐かしい音楽を共に。

 

 

-27-

ザ・クロマニヨンズ

シックス・キックス・ロックンロール

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シンプルだがエネルギーに溢れキャッチーなクロマニヨンズの音楽は聴くたび魅力が増大。継続は力なり、熟練のロックンロールは凡百の他を一蹴。

個人的にマーシー曲のファンです。

 

 

-26-

KOFFEE

Gifted

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2022年のダンスホール決定版、新世代レゲエの最適解。

海でのバカンスはもちろん、散歩やお昼寝や隣町へのドライブそして夕飯の支度時にも…あなたのお好みのシチュエーションで極上の心地良さを是非ご堪能ください。

 

 

-25-

ナナヲアカリ

恋愛脳-Aiobahn Remix-

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「ダダダダ天使」は現代のニュースタンダード、

「INTERNET OVERDOSE」は現代のニューアンセム

インターネット音楽界隈の強者同士が邂逅。品質は一級、Aiobahn氏の楽曲アレンジは先鋭的かつフロアフレンドリー、限定的なコラボレーションだけで終わるのは勿体無いと思いませんか。

 

 

-24-

Kula Shaker

1st Congregational Church Of Eternal Love And Free Hugs

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英米問わず実に潔い60'sサイケデリックオマージュの数々。

爆音で歪ませたギターの音色を天に捧げ、あの世に蠢く数々のサイケレジェンド達を我が身に降霊させているかのような多彩かつカラフルな楽曲が並びます。

時代遅れ甚だしいのは百も承知。本人たちが嬉しそうにやってる感じが凄く伝わってくる好盤。

次の来日公演絶対楽しいやつだって確信が持てます。

 

 

-23-

ピーナッツくん

Walk Through the Stars

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ぽんぽこチャンネルで「UFOギャング」聴いたあの瞬間からピーナッツくんが好き。単独とチェキ会、徹底的に抽選ハズれたしVtuberチップス買ってもぽこピー出なかったけれどめげません。作を重ねる毎に深く強くなっていくピーナッツくんが好き。

"Made in さえき それにheart in"にギュッと心を掴まれた。

 

 

-22-

FKA twigs

CAPRISONGS

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個人的にはFKA twigs作品の中で1番好み。

まず『クリムゾンキングの宮殿』みたいなジャケのインパクトが強烈。一度見たら絶対忘れられないし、夢に出てきてうなされそう。

今作は正式なアルバムではなくミックステープということで、比較的リラックスした雰囲気の中自由気ままに多様なメタモルフォーゼを試みており、それが見事にハマっていて魅力的だと思います。

M2「honda」の癖の強さが印象的。

 

 

-21-

King Gizzard & The Lizard Wizard

Omnium Gatherum

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結局やってる本人達が気持ち良くなりたいだけなんだろうな。とにかく最速で気持ち良くなりたいという欲望丸出しな長尺2枚組。

爆音ハードロックを下敷きにサイケデリック・フォーク〜プログレ〜スペースロック〜デザートロックまで、アシッドな重音楽ならなんでもジャムって無理やり一纏めにしちゃえの精神は奇跡的なバランスの独創的世界観を産みます。

リリースペースが落ちないのは本人達の想像的源泉が尽きないからなのか、それとも頭のネジが外れているだけなのか…。

 

 

-20-

FINAL

It Comes To Us All

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美しいものが朽ちていく瞬間をスローモーションで眺めているかのような耽美ノイズのウォールオブサウンド。物語が終盤へ進むにつれて腐敗具合が進行、原型が崩れ曖昧さを増していきます。

Justin K. Broadrick関連は様々な名義によって趣向が多岐に渡りますが、その根っこには"退廃の美学"が横たわっているように思えます。

 

 

-19-

The Saint Johns

Where Do We Go From Here?

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数多く存在するUSインディーフォーク勢の中でもハーモニーの麗しさは天下一品な2人組。

風が緩やかに吹き、さわさわと揺れる木々。時間がゆったり過ぎていく田舎の風景を彩るようなアコースティックサウンドは年代問わず人の心を掴みます。

例えば初期のFleet Foxesのように、聴いた瞬間目の前に情景がぶわっと広がるような…そんな錯覚を覚える作品です。

 

 

-18-

Jack White

Fear Of The Dawn

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真の探究者は表現を限定しません。

アルバム通して異形と言える程の特異なジャンルコラージュですが、破綻寸前でも統一感があるのは《俺の格好良いギター音》という通奏低音があるからだと感じます。

極端なバージョンアップ故に賛否両論ありそうな気がしますが、個人的にはThe White Stripes時代を含めた彼のオールタイムキャリアの中でも相当上位に位置する作品です。

 

 

-17-

Team Mekano

Mekanoworld.Xyz

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自分のガバ初体験は『ROTTERDAM TECHNO IS HARD HARD HARD!!』、そこから当時飛ぶ鳥落とす勢いだったデジタルハードコアに興味が流れた学生時代だったので、昨今のブレイクコア/ハッピーハードコア(更に枝分かれしているとの情報もあり)隆盛は嬉しい限り。

もともとアニメと(エロ)ゲームとの親和性が高いジャンル、インターネットとの親和性は抜群な音楽コンテンツかと思います。

そんな懐かしい事やあれこれを考えつつ、ネットで腐った脳をTeam Mnkanoの高速電気ショックで蘇生したり更に腐らせたりしながら生きてた2022年でした。

 

 

-16-

古川麦

Xìn

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2022年の夏のある日、うだるような暑さからの避暑地となるべく届けられた旅先からの手紙。

都会的なジャズとブラジル音楽、そして涙腺を刺激する美しい旋律。

日本でもなく世界のどの国にもない、古川麦だけが作り出せる架空の国のトラディショナルソングのような趣きです。

 

 

-15-

Pool Kids

Pool Kids

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このバンドの新作、一日千秋の想いでずっと待っていました。待てば海路の日和あり、4年ぶりの新作はエモ/マスロックを基調にオルタナ〜ハードコア〜ドリームポップまで、USインディ総ざらいといった感触の大満足作。

前作で物足りなかった部分は全て解消され全てがスケールアップ、終始エモーショナルなポップソングが力強く流れていき俺の情緒が揺さぶられます。

個人的に現行ガールズエモで1番信頼している存在、益々シーンでの存在感が増しそうな気配がします。

 

 

-14-

Eva LoVullo

Tried To Be Everything

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気怠くて寂しげ、まるで自分一人の為に歌われているかのようなレイドバックした子守唄。

夜静かに、音楽に包まれて一日を振り返ってみたり。

Emilíana Torriniの名盤『Fisherman's Woman』が纏っていたあの雰囲気に再会できます。

 

 

-13-

Soul Glo

Diaspora Problems

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怒りは強大はパワーを生む。

怒りはハードコアパンクを一層強靭なものに変える。

鼓膜が破れる寸前まで、爆音で聴いてこその音楽。

海外メディアでも軒並み絶賛、今年の最重要バンドは噂に違わぬカオスっぷりで全身が総毛立つ感覚を味わいました。

 

 

-12-

Imperial Circus Dead Decadence

殯ー死へ耽る想いは戮辱すら喰らい、彼方の生を愛する為に命を讃えるー。

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日本産同人音楽界の究極生命体、待望の復帰作。

プログレッシブな激烈エクストリームを軸にV系からアニメ・ゲーム音楽まで全てを取り込み破壊し創造する異形の暗黒耽美音楽。

香りたつ腐臭と神秘の景色が同時に炸裂、情報量の多さに思考は霧散。

重厚なヘヴィネスの最大瞬間風速に堪えながら、歯を食いしばって毎日聴いてました。

 

 

-11-

THE PATS PATS

MUSIC NEVER ENDING

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ネオアコ〜アノラック黄金時代の諸バンド群から初期The Cribs、Los Campesinos!あたりに連なるポップなジャングリーサウンドに頬がゆるみます。

作り手の音楽を奏でる事に対するピュアな喜びは聴き手の音楽愛を刺激する、この循環はインディーロックの在り方として理想的。

昨年末のリリースでしたが、年間通して愛聴盤となったのでランクインしました。

 

 

-10-

中西レモン

ひなのいえづと

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オルタナティブ日本民謡。世界中の様々な音楽ジャンルを内包しつつ日本的郷愁へ落とし込むアレンジが素晴らしい。

私は東北育ちですが、東北民謡がこんなにメロディアスで面白いものだとは知りませんでした。

Beirutと並べて聴くのもあり。

 

 

-9-

DEATH CAB FOR CUITE

Asphalt Meadows

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過去の名作群で満足してたまるか、俺たちは2022年に最高傑作を作るんだ!という確固たる意思。DCFC印のたゆたう美メロにラウド成分を増量、結果出来上がったのは現役ロックバンドとして最高の着地点。

自分がロックを初めて聴いた時に感じた高揚と衝動、音楽を聴く事で生じる感情。そんな言葉に出来ないあれこれを今作は思い出させてくれました。

 

 

-8-

Ray Pérez y El Grupo Casabe

Ray Pérez y El Grupo Casabe

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このアルバムを聴いた秋以降サルサの魅力を再確認、Fania All Starsを筆頭にマンボやチャチャチャまで、家にあるラテン関連を引っ張り出しては聴きなおす日々…すっかりラテン耳に変えられてしまいました。

ベネズエラサルサ偉人コンピレーション盤、身体が自然と動きだすダンサブルで熱い演奏は世界遺産レベル。

我が家にとってこの音源は"欠かせないモノ"となりました。

 

 

-7-

YeYe

はみ出て!

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全てが有機的に作用した最高のポップ作品。

誤謬も溶けてなくなる、ものすごい多幸感。

今日は何を聴こうか、迷ったらこの1枚。

実生活でも色んな人に薦めました。

 

 

-6-

Μνήμα

Disciples of Excremental Liturgies

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2022年エクストリーム音楽大賞受賞作品。

Μνήμαは心と身体全てを破壊し尽くし灰にする。

ここが爆心地だ。

 

 

-5-

Father John Misty

Chloë and the Next 20th Century 

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一皮剥けたどころか幾層もの殻を飛び級で突き抜けた、もはやインディ/フォークという狭い枠内に収まりきれない大躍進作。持ち味である優しさ親しみ切なさを大幅にスケールアップ、連綿と続く米国音楽の豊穣なエッセンスを抽出し余裕たっぷり表現した良質な曲たちに感動すら覚えます。

名盤という言葉はこのような作品のためにあるのかもしれません。

 

 

-4-

Pinegrove

11:11

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良い歌を良い状態で届ける事に普及し続けた男Chris Wallaを迎えた事は大正解だったように思えます。

そもそも曲の美しさに定評があったPinegroveがオルタナカントリー色を強めた効果は絶大、端々に漂うJason Molinaのような空気感も相まってアメリカーナの真髄を目指す旅へ向かう彼らのロードムービーのような作品だと感じました。

Pinegroveのライブをもし今観れたら…それはきっと自分にとって特別な経験になりそうな気がするのです。

 

 

-3-

Elvis Costello & The imposters

The Boy Named If

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安打製造機コステロおじさん、久しぶりの場外特大ホームラン。

M1「Farewell,OK」で若かりし頃のパンキッシュな姿を思い浮かべて泣き、最終曲「Mr.Crescent」で長い月日を重ねたからこそ滲み出せる"渋み"と"豊かさ"でまた泣く。

Elvis Costelloの代表作と言えば『This Year's Model』や『Spike』と答えるのが定石ですが、今作はそれら名作たちに並ぶ程の大充実作かと思います。

キャリア総集編といった塩梅の本作、コステロ入門編としても最適だと思います。

 

 

-2-

舐達麻

BLUE IN BEATS

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待望。

静かに、ゆるやかに、だが確実に心を青く燃やす。

彼らの"1曲"はフルアルバム1枚分の価値がある、常々そう思っています。

紫烟が静脈にゆき渡る舐達麻の新曲というサプライズ、また来年も新曲を聴くことができるよう祈っています。

 

 

-1-

Sobs

Air Guitar

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ここ数年はシンガポールインディーシーンに夢中です。

昨年のSubsonic Eye、今年のSobsで予感は確信に変わりました。

ギターポップとはどういうものか、という問いに対する明確な答えがこのアルバムの中にはあります。

もし、万が一、この先自分の中でインディーロックが信じられなくなる時が来たとしても、この作品を聴き直せばきっと気持ちはあの頃に戻る事が出来る気がする。

信じたいものを信じ続ける為の道標のような存在、大袈裟にいってそんな感じです。

 

 

 

以上、迷う事なく決定した2022年の年間ベストでした。

2019年 年間ベストアルバム

2019年版の年間ベストです。

 

選定基準は昨年と同じです。

 

本文には『『なぜ好きなのか』』という理由とか自分の気持ちを添えています。

 

また、昨年同様アルバム内で個人的にいちばん好きな曲も合わせて添えております。

 

わたしの2019年はこのような音楽と共にありました。以下がそのリストです。

 

 

 

 

50.  Hama - Houmeissa

 

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繰り返す単純なリズムと天然アシッドなシンセ音が部屋中にビリビリ響きます。パワーニューエイジかはたまたパワフルアンビエントか、面白い音楽が星の数ほどある現在の音楽世界でも飛び抜けてユニークなプリミティブエレクトリックダンスミュージックはサハラ砂漠から突然変異のように出現しました。このミニマルな音楽は必要最低限のものだけで構成されていますが、逆にその情報量の少なさとやけっぱちな勢いが不思議な相互作用となり結果トランス感をマックスまで高めることになります。中学生がパソコンの授業中片手間に5分くらいで作ったかのようなジャケも雄弁に内容を物語っていて、何から何までパーフェクトに異端児な奇跡の逸材です。

 

https://open.spotify.com/track/5E9mFlvnXCcTRAo3CRq4ed?si=FyWzVoKcQ-mIV_taHOmljg

 

 

49.  Xin Seha - 1000

 

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夢の世界で鳴るエレクトロミュージックは甘い調べ。シン・セハというフィルターを通せば往年のハウスだって新世代のポップアンセムへと生まれ変わります。音楽的流行の最先端なサウンドデザインにアジア人である誇りを大匙一杯程度混ぜたら世界規格の個性が出来あがりました。我らのお隣さん韓国はどのジャンルに関しても敵なしといった充実ぶりでポップミュージックの最前線をひた走ります。

 

https://open.spotify.com/track/3ncjTRjO6107qWWeeI8Hmk?si=V0H1TBXqQwCEZu8azjdHEA

 

 

48.  Babe Rainbow - Today

 

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サーフィンUSAのエンドレスサマーは39度のとろけそうな日ばかりでカラダが夏になるあー夏休みなへっぽこアルバムジャケットだけを見て判断しないでください。現在感染者を拡大し続ける新世代サマーオブラブ代表格の新作は熱射で脳がトロけたトロピカリズモ的ソフトロックで、自宅でダラダラしたい派の民にとっては良き伴侶となること請け合いです。暑い夏は海に山に花火大会に!も良いかもしれませんが、チルいソフトサイケでも聴きながらアイス食べたりネットしたりマンガ読んだりゲームしたりするのも立派に夏をエンジョイしてると思うんですよね。

 

https://open.spotify.com/track/22rtRZfyyXfOwEWdsRIaj0?si=CjVs7ot7R4Ch68uHc2kMCg

 

 

47.  Durand Jones & The Indications - American Love Call

 

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気持ちがとろける甘い歌声は耳の奥に響き、天上のハーモニーが作るムードは甘い蜜の味、センチメンタルな懐かしいメロディは老若男女音楽を愛する者の心を鷲掴みます。オールドスクールスタイルのソウルでは今年リー・フィールズが『It Rains Love』という素晴らしき作品をリリースしておりそちらも愛聴したのですが、愛を語り合う恋人同士のように甘々メロウなサウンドが聴く物全てを骨抜きにするドラン・ジョーンズに軍配が上がりました。

 

https://open.spotify.com/track/4B8edpeAcQf1pQgXA0jdh9?si=mw9QMt9gTGKuT6bv4XCr8A

 

 

46.  YUNA - Rouge

 

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マレーシアの美しき蝶は上品なディスコチューンに絹の歌声を乗せて神秘の森をひらひらと舞いました。豪華なゲスト陣は彼女の透き通った世界観にさり気なく華を添えました。チルでハイセンスな楽曲群は普段R&Bをメインに聴かない人々をも虜にしました。一日遊び疲れた夏の夜、マンションに帰ってベランダで夜景を眺めつつ缶チューハイを飲みながらYUNAの素敵な音楽を聴く……わたしにとってそれは夢のように至福な時間だったのです。

 

https://open.spotify.com/track/19zPT36WogsfBd8HIaUnt4?si=mX0jCl7vQaqfoweuI8KFUw

 

 

45.  ねじれたスーパーグラフィックス - Daimakaimura

 

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わたしが子供の頃、部屋のテレビはブラウン管でしたし、もちろん自宅の屋根には剥き出しのアンテナが設置されておりました。ある冬の晩、降り続いた大雪で屋根のアンテナが埋もれ受信が悪くなり、テレビから流れる映像音声全てにザラザラした強烈なハーシュノイズがかかった事があります。テレビから流れる"ノイズで凶悪に歪んだ音声/効果音/曲"たちを強制的に鼓膜に押し込まれたその時のわたしは(早くテレビよ直ってくれという切実な思いも込みで)恐怖と不安に震えるのと同時に後ろめたく仄暗い興奮を子供ながらに感じたのです。そして2019年、壊れ歪んだテレビでプレイする『大魔界村』はただひたすらに闇のドローンノイズをデジタル画面に映し出し、大人になったわたしの心を薄暗い安心感で包むのです。

 

http://vacuumnoiserecords.bandcamp.com/track/--88

 

 

44.  3776 - 歳時記

 

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音楽は曲単位で聴かれる事が当たり前となった現在に中指を突き立てる存在、ロックやポップスの範疇では特に死滅しかかっていた"トータルアルバム"という概念は井出ちよのを依代として不死鳥のように蘇ります。前作ではさりげない実験程度に留まっていたものを大幅に増量した結果、もはや何が起こっているのか判別不能なほどのエクスペリメンタルポップへレベルアップしました。個人的にはバランス的にも前作の方が好き(CDとアナログ両方所有してるくらいです)なのですが、それはもしかしたらただ単に今作の超世界が圧倒的すぎてわたしの中でまだ未消化なだけなのかもしれません。

 

 

43.  wai wai music resort - WWMR 1

 

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今年はうんざりする程夏が長い一年で、9月を終えても日中は真夏の気温を維持し続けていました。一向に秋が始まらない10月5日上野恩賜公園野外ステージ、tiny pop fesのステージ上に簡素な機材と最小の編成で登場した兄と妹は長引く残暑の気温/天候/時間帯全てを味方につけながら淡々と気怠げに"夏の終わりの始まり"を連想させるリゾートミュージックを奏でていて、「夏が居残りした理由はこのライブの為だったのではないか?」そんな風に思えるほど完璧に雰囲気を支配していました(事実その日以降急速に秋めく気候になります)。昨年のTSUDIO STUDIOさんに続いてWWMRのカセットも無事ゲット出来てホッと一安心といったところですが、インターネットにぷかりと浮かぶ避暑地Local Visionsさんからリリースされる作品は今年も軒並みクオリティが高く、聴けば気分が高揚したりリラックスしたりジーンとしたりとバラエティ豊かで『年間ベストのLocal Visions枠』は来年以降も継続しそうな気配です。

 

https://open.spotify.com/track/4fT52nZ1w48XviGht24OSn?si=mZKCuwHOQtStYXLyg_L9Lg

 

 

42.  Josienne Clark - In All Weather

 

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新しい街で過ごす初めての秋はジョシエンヌ・クラークの音楽を聴いて聴いて過ごしました。秋の曇り空のように物悲しげで、雲間からもれる一筋の光のように温かく美しいフォークソング集、それはブリティッシュ・フォークの偉大な先人たちが作った音楽同様静かに始まり静かに終わります。近頃やっとこの街に来て初めての友達が出来ました。来年の秋には新しく出来た音楽好きの友達にこのCDを貸してあげようと思います。

 

https://open.spotify.com/track/7rTkhQk89vyPOEQOOH9k5j?si=s8-pNmC0SbyOF2rxGurOTA

 

 

41.  Child Abuse - Imaginary Enemy

 

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ブルータルアートロックまたはポストグラインドコアもしくはプログレッシブノイズロックとでも表現するべきでしょうか、狂騒的騒音の乱打乱打で幕ノ内一歩のデンプシーロールみたくがむしゃらに迫ってきます。ハードなイカれポンチ音楽集団は遥か昔からカルト的人気と共に数多く存在しますが、先駆者であるレジェンド達に負けず劣らずハイボルテージのキレっぷりで熱くなります。「大人になったら今よりもう少しだけまともな人間になって、きっとこういうバカみたいな音楽(褒めてる)は聴かなくなるんだろうな…」と思春期のわたしは漠然と考えておりましたが、残念ながらそんな事は全然ありませんでしたしこういう魅力的なバンドのせいで更に拗らせてる次第です。

 

https://open.spotify.com/track/3QPLzjrz6mLwKF4tT5uVA1?si=AGuHQA-VQNKjJ_tUb5zLKg

 

 

40.  Men I Trust - Oncle Jazz

 

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ふわふわのクッションみたいに抱きしめて離せない触感とか、丁度良い甘さで飽きがこない淡い色味の砂糖菓子とか、そんなロマンチックな物についつい例えてしまいたくなる軽めのダンスチューン。ただ単にドリーミーなだけではない、人間誰しも持っている陰の部分というか"青春の葛藤"みたいなもどかしさもチラチラ見え隠れしていて、中々味わい深く彼ら彼女らが現行ドリームポップの頂点と認識される程人気が出るのも頷けます。71分という収録時間はさすがに長尺すぎて途中ダレるという欠点もありますが、若い彼らが今出来る全てを袋一杯詰め込んだ贅沢な一品である事は疑いようのない事実です。

 

https://open.spotify.com/track/0DltZY7z8YvuDBSAbsIgPc?si=ZbfChiZXQuOVnpy7zJSIFQ

 

 

39.  Shinichiro Yokota - I Know You Like It

 

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家でのリスニングは別として、現場で欲しいのは結局心地よさと安定なのです。夜中の2時3時に野外フェスで踊れないエクスペリメンタルテクノとか聴いても(カッコいいとは思いますし瞬間的に興奮もしますが)徐々に五感が醒めていってしまうのです。日本のレジェンドが紡ぐ一晩の夢、進歩ではないかもしれませんがこれが理想のハウスミュージックです。

 

https://open.spotify.com/track/5tOqzb9byk1bvkqNnWcsW0?si=r_yj1_f2SHOzgdu67PWGIQ

 

 

38.  COMEBACK MY DAUGHTERS - WORN PATH

 

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世の中には『洋楽ロックと邦楽ロック』とか『USインディとUKインディ』などという棲み分けが一定数存在しますが、そのどちらからも信頼され愛されるバンドも確実に存在します。生粋のエモを出発点としギターポップファンやパワーポップファンをも巻き込み、ついには普遍的なインディーロックに辿り着いた奇跡のようなバンドCBMDもそのうちのひとつです。ギターロックを愛する者たちが作るギターロックを愛する者たちのための音楽、待望の音源リリースカムバック作をまずは心から祝って味わって遠くない未来に産まれるであろうフル音源を期待して。

 

https://open.spotify.com/track/30jrTcvJdA9qBw5Sa3Ef8U?si=SUg7QYIhTnSgKezC7PaYPg

 

 

37.  Bartosz Kruczyński - Baltic Beat Ⅱ

 

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『KANKYO ONGAKU』のグラミーノミネートが示すとおり、もはや飛ぶ鳥落とす勢いで世界的大流行中のニューエイジ。大量の作品が日々バンドキャンプなどに投下されております。その中でも一際七色の光を放っていたのがこのアルバムで、それは再生したが最後涅槃の世界へと強制連行され現実へ戻れなくなる危険を伴った強烈なものでした。繰り返すマリンバの跳ねる音色が聴こえ始める頃徐々に開いていく桃源郷への扉…そこは苦しみのない快楽だけの世界です。

 

http://bartoszkruczynski.bandcamp.com/track/in-the-garden

 

 

36.  Jo Schornikow - Secret Weapon

 

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寝る前に布団の中でこの音楽を聴きます。オーストラリア出身のSSWデビュー作を聴くとちょうど5曲目・6曲目あたりで自然とまぶたが降りてきていつの間にか心地よい眠りの世界にいます。このアルバムがリリースされた頃はちょうど4月も間近の頃で、オルガンの柔らかい音色が春の陽気のように暖かに感じられてわたしは春眠へと堕ちていきました。たまに初聴時から"長い付き合い"を予感させるものに出会う事がありますが、まさしくこのアルバムはそうなるだろうという確信がありましたし今も変わらずそう思っています。

 

https://open.spotify.com/track/1LqZXtuDnYISMrfgqDAqDI?si=PZNEp0zJQ0WuICdloS-Kbg

 

 

35.  Robert Stillman - Reality

 

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気持ち良いところで微妙にズレていくテーマに不安を覚えます。基本的には穏やかですが、重なっては離れていくを繰り返す展開の内側になんとも言えない居心地の悪さを感じます。UKの若きマルチインストゥルメンタリストが作ったスピリチュアルなジャズ作品は簡素なメロディと不穏な揺らぎを同時に待ち合わせた不思議なアルバムでした。曲が進む毎に音の強弱とは違う意味での"激しい"実験精神が増していきます。このような作品は普段聴きするようなものではないのですが、何故か永遠に核心をつかない感じがクセになりついついCD棚へ収納された本作へと手が伸びるのです。

 

https://open.spotify.com/track/4UlOFB7MkNR79ATXc95sCB?si=JQoHZKc5R8-t5UTv14NBog

 

 

34.  Tahiti 80 - FEAR OF AN ACOUSTIC PLANET

 

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歳を重ねるうちに変化した事がいくつかあります。肉より野菜が好きになったこと、茄子が食べれるようになったこと、ゲームをする集中力が一日2時間くらいしか持続しなくなったこと。発売日に買ったくせに当時は全く良さがわからなかった『Wallpaper for the Soul』がタヒチ80で一番好きなアルバムに変わったこともそのうちのひとつです。最近行ったギターポップのDJイベントに来ていた人たちは皆口を揃えて「タヒチ80が好き」だと話してくれました。今作は過去曲にセルフアコースティックアレンジを施し、従来より更に暖かく風通しのよい質感のものに変化させました。長い年月多くの人々に愛されるのも納得の人懐こい良曲集です。

 

https://open.spotify.com/track/0fVXBS5d89vfingn9Bc9Ja?si=V2MzkWB5S7-MOfK_Q0951A

 

 

33.  (Sandy) Alex G - House of Sugar

 

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止めどなく湧き上がる歌の衝動を、丹念に真心込めて命を吹き込むからこそ人の心に作用します。装飾を施そうが生身を晒そうが根っこは至ってシンプルに"良い歌"で、それはいつだってさり気なく記憶の片隅に残り気付けば長い愛聴盤になります。誰にも似ていない独自の美しい感性を語り続けるソングライターは古今東西たくさんいましたし、特にUSインディシーンはその手のジャンルの層が厚く誰しも忘れ難い人物をひとりふたりと思い浮べる事が出来るハズです。長い月日が経ったあとのわたしにとってアレックス・Gがそんな存在になるかは現時点ではわかりません、ですが少しずつしかし確実にわたしの心の中に彼の切なげな歌は蓄積し始めています。

 

https://open.spotify.com/track/36zqSzaPzQWZYDCNm1klgY?si=5jChKpirQC-jeqbah69r_w

 

 

32.  Exhumed - Horror

 

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有名カルトな1stアルバムリリースから20年以上……重音帝国リラプスのなかでも特別特異な存在であり一大レジェンドとして世界中のマイノリティたちの上に君臨するゴアメタルの帝王エグジュームド、超スピードで血が舞うファストなグラインドスタイルは聴き手の身体を恍惚のまま引き裂き解体する完全ノックアウト仕様の狂音楽集。宝石のように美しい今作のアナログレコード"血飛沫カラーヴァイナル"バージョン、世界中のファン同様我が自宅に鎮座するCD・レコード棚の『他人には見せられないコーナー』にも無事納められ、また新たにわたしの黒歴史がレコード1枚分の厚みを増したのでした。

 

https://open.spotify.com/track/4kZRxNwSA74M3fpj8GEN7q?si=2UPqyIjkT0G1oRKSgdHlMA

 

 

31.  Julien Chang - Jules

 

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いきなりキング・クリムゾンが始まったかと思ってびっくりしました。光の速さでそのムードを葬り去りシティポップへ接近する2曲目で腰が砕けました。まるでビデオを早送りするかのように足早に駆け抜ける20世紀と21世紀の良質音楽遺産。まだまだ発展途上でこの先良い方向にも悪い方向にも変化しそうな危うい匂いも若干漂いますが、こういう影響元ありきでたくさんアウトプットする欲張りな音楽は嫌いじゃないし、なにより全体を支配するビーチボーイズムードがとっても素敵じゃないかと感じるインディー青年のデビューアルバムです。

 

https://open.spotify.com/track/1wGOiAj0eydWZUyr3oCTu9?si=eE1TW5J8TWeoUvTMCkasww

 

 

30.  HAUSCHKA - A Different Forest

 

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曇りの日、夕方のベランダ、梅雨の休日、『リリイ・シュシュのすべて』に出てくるような景色、雨上がりの夜道、森に囲まれた公園、寝そびれた日にNHKで深夜やってる『コズミックフロント⭐︎ヒーリング』をボーッとみるとき、映画『ベニスに死す』……ハウシュカの音楽が似合いそうな風景やシチュエーションを思いつくままに挙げてみました。ポストクラシカル大国であるドイツのピアノ奏者(今年彼が関わったドビュッシーもののアルバムも実に絶品でした)が奏でる音楽は生活のふとした瞬間にそっと寄り添います。

 

https://open.spotify.com/track/7dJ9bvWBvwBYevja1mI62v?si=qoCB284tTsaogLUqMpC_Aw

 

 

29.  Gnew Their Tongues - An Eternity of Suffering, An Eternity of Pain

 

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「轟音を重ね続けるとドリーミーになる」を証明したのがマイ・ブラッディ・バレンタインなら、「凶悪を重ね過ぎると逆にふわっとしちゃう」という超事実を発見したのがオランダのキングオブエクストリームGTT。この人の音源で個人的に一番好きなものは『Reeking Pained and Shuddering』ですが、今作もなかなかに狂ったナイトメアで満足度が高いです。漆黒で異常ではありますが怖がらせようとして実はそんなに怖くない感じが可愛いくて仕方ありません。終始"ダークウェブの奥地で発見されました"的動画で流れてそうなアルティメットストロングスタイルドローンノイズ、これがメタルの極北です。

 

https://open.spotify.com/track/6wBFZyUHG6VlL2FVg1jLev?si=tcXvXVjdSIWHCUVf5dKqFQ

 

 

28. Van Morrison - Three Chords and the Truth

 

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近年の異常なハイペースぶり、ロビー・ロバートソンとの感動的なデュエット、そして今作での充実したソングライティングでモリスン爺さんは創造の大充実期に突入中だという事が証明されました。まさかまさかな『Astral Weeks』以来の邂逅というファン感涙のサービスをキメつつ呑気なステップでダンスを踊ります。ゼムから数えて54年という悠久の流れの軌跡をゴキゲンなリズム&ブルースに乗せて肩肘張らずサラリと表現する姿に"男が惚れる理想の男像"を見ました。いつか必ず彼のライブを観ること、それがわたしの変わらぬ夢です。

 

https://open.spotify.com/track/6HsFjDgkLGJVORUvinuSEx?si=2e5YfJfQRMesgMxB47awOQ

 

 

27.  Tedeschi Trucks Band - Signs

 

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いまから10年以上前、わたしのじいさんが天寿を全うした際にお経をあげてくれた坊主が大のブルースロック好きで色々話をする機会がありまして、会話の中で「俺が思う現在最高のルーツロックアーティスト」と坊主が高らかに告げたのがデレク・トラックスとその一味でした。彼そして彼の奥様や仲間たちが奏でる音楽はそれ以前/それ以降そして現在に至るまで音楽シーンの浮き沈みなどとは無縁、淡々としかし確実に心に染みいる音楽を作り続けています。聴き手によっては長年進歩のない過去の遺物的な音楽と感じるかもしれません、ですが今も変わらず世界中多くの人々に愛されているのにはきっと理由があるのです。

 

https://open.spotify.com/track/56mB15h848RVKCtnV6wl9m?si=3LaH-_GGTIe1joH2vAjLgA

 

 

26.  Aviva Le Fey - Lovesick

 

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古い振り子の時計のようにのんびり時を刻むパーカッション、手持ち無沙汰でなんとなく爪弾いたみたいなアコースティックギターの音色、いまは誰もいない田舎の一軒家に置いてある古いレコードから鳴る音楽のように誰もが忘れてしまっていた簡素なメロディ、それらを愛の哀しみと共に歌うシンガーソングライターのデビュー作はチリや埃の匂いと共に古い音楽の世界へ誘います。休日、ふいに入ったお店でこんな音楽が流れていたらそれはとっても素敵だな、なんて思ったり。

 

https://open.spotify.com/track/7BdAGgTsI2lF45tra0j1uF?si=WkH5UZE3SVyj6DVOhDdvvQ

 

 

25.  maco marets - Circles

 

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日射しが強い2019年5月25日昼過ぎのひととき、東北地方の小さな町にある切り立った岩壁の前でパフォーマンスを行うmaco maretsを見ました。確かに彼はそこにいたのに実は誰もいなかったような、蜃気楼のような、逃げ水のような不思議な音楽だとわたしは感じました。新しくリリースされたこのアルバム、わたしは空が白む明け方によく聴きます。夜遊び後に感じるような倦怠感の混じったチルい空気や寂しさと興奮が入り混じった気持ち、酔いが醒めかけた感覚とかタバコの残り香とか……ラップというよりはポエトリーのようにつぶやき続けるmaco maretsの音楽を聴くとそんな朝の気怠い気分を思い出します。

 

https://open.spotify.com/track/7aBaz6XYpfczLw5s5vuGeL?si=sR5mBQ2-RwmytN8KLWvqRQ

 

 

24.  Cuco - Para Mi

 

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"ユルくチルく"というインディ的美学が広く一般化してからというもの""ゆるいインディーロック(ゆるインディ)""の数は爆発的に増え玉石混交、まさしく戦国時代に突入しています。基本的にこういう音楽は大好物ですが、だからといって十把一絡ユルけりゃなんでも良いって訳じゃ当然なく自分のライフスタイルに見合ったものを的確に選びたいものです。新世代チルウェイブの代表格クコ君が作った癒し系ポップス、お仕事後に入る丁度良い温度の湯船のようにわたしの心と体を柔らかくほぐします効き目抜群の効能です。

 

https://open.spotify.com/track/1S8p8ckDT2D6imAfsppGRl?si=lmrEh4OGSTm6KukB3cTAWg

 

 

23.  American Football - American Football (LP3)

 

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身体が小刻みにずっと震えていたし、もはや雨具は意味を成していませんでした。あんなとんでもない豪雨に打たれ続けたのは人生で初めてで、本当に生命の危機を感じました(風邪をひかなかったのが奇跡です)。待ち時間中何度も挫けそうになったけど、待っていて良かったと心から思えます……2019年7月27日の話です。あの日以降アメリカン・フットボールの3枚目を聴くとあの時の光景…豪雨の中光輝くステージをじっと見つめる人たちの顔とか雨音混じりの美しいメロディとか、そんなあれこれが思い浮かぶようになりました。今は暖房が効いた部屋で廻るレコードをボーッと見つめながら聴いています。あんな天候は2度とごめんですが、彼らの音楽は何度でも味わいたいです。

 

https://open.spotify.com/track/416RdxnniRDcpxQNTEtljQ?si=SHBBzHhlQVmDQt0tLdrJuQ

 

 

22.  Amar Lal - Gardening

 

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日曜の夜に部屋でこの音楽を聴きながらアントニオ・タブッキの『レクイエム』を読みました。平日の午後にいつも行く喫茶店カルペンティエルの『失われた足跡』を読みながらこの音楽をイヤホン越しに聴きました。夜通し起きた朝方にプレイステーションの『風のノータム』をプレイしながらこの音楽を流していました。必要以上に干渉してこない音楽、なにかの邪魔にならない音楽、そしていつの間にか鳴ってる事さえ忘れていく音楽。Amar Lalは優しく静かな音楽の庭を創造しました。

 

https://open.spotify.com/track/4dG6a934hFTbTWaCtqpASz?si=9eKMbMLRQEaMeTjskM2_Uw

 

 

21.  nami sato - Our Map Here

 

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生活と幻想の交叉点。被災地に今も元気に暮らす人々の声は優しいエフェクトを施され音楽に溶け込み融合し、スッとわたしたちの心に染み込みます。現行アンビエントへ2000年代前半頃のエレクトロニカ的エキスを一雫垂らした、ノスタルジーの波紋が永遠に広がる仙台発の望郷音楽集。慌ただしい毎日だからこそ、このような音楽に耳を傾けることができる時間はとても幸福なのです。

 

https://open.spotify.com/track/2z38Mnlk8snWpzqHyXyPKI?si=DS0JNrc6Qpyy52Ch9JymXw

 

 

20.  缺省 - Life in A Vacuum

 

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轟音の彼方に見えるのは意識すら爛れ落ちてしまった誰も知らない耽美な背徳の体験、激しく自己陶酔しながら漂うゆったりとした美しいメロディは妖しく輝きうっとりするギター音が身体を這い回ります。平日の昼間ソファに寝っ転がって聴くシューゲイザーは現実逃避の調べ、生命力が奪われ時が溶けていきます。数年前からアジア全域に急速に広がったシューゲイザーの波の結晶が凝縮されたこのアルバム、現行世界最前線地域の充実度を北京のバンドの新作からも存分に味わえます。

 

https://open.spotify.com/track/5H6kHlO5igi3bRaBTK9lx5?si=z37cCv0PR1-Z6JBARLn9Tw

 

 

19.  Caterina Barbieri - Ecstatic Computatin

 

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当ブログ年間ベスト記事の常連、世界中の音楽メディアから大絶賛された若きトリップマイスターのMegoネクストステップ。わたしたちが普段生活している俗世間から【安易に踏み込んではいけない領域】へ橋渡しを行うミラクルシンセミュージックは依然健在、むしろ取っ付きやすさとシリアス度合いを更に高め、"沼にハマって(新作を)きいてみたらこれまで以上の沼"といった感じで魅力をメガ進化させています。昨年(2018年)ここ日本で行われた彼女のパフォーマンスはオーディエンスの脳に直接電気信号を送り続けるかのようなブッとんだもので未だわたしの身体は平衡感覚が狂ったままですが、きっと今頃は更なる異次元へと突き進んでいることでしょう。早めの再来日を切に祈ります。

 

https://open.spotify.com/track/0fjYD3Tx5XHuI4yfCjhUfU?si=U0HXDjDsTEifYlwX-eGnGA

 

 

18.  Blankenberge - More

 

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轟音ギター交響楽団の第2楽章開幕です。ここは発声の意味が消えホワイトアウトする世界です。晴れの日の地吹雪のように清らかな白が視界一面を覆い、唯一の道標となるのはバーストしたギター音のみの空間です。ある一点のみを貫き極めた音楽は素敵です。サンクト・ペテルブルグの美しい光が生み出したギターオーケストレーションシューゲイザー/ドリームポップ愛好家の涙腺に触れ、当然の如くわたしも幾度となく39分26秒という時間を繰り返したのでした。

 

https://open.spotify.com/track/5cTWjmahOp7R6KGy7cAhmM?si=FNyoEmCHRemq4gjFGNM7uQ

 

 

17.  Fennesz - Agora

 

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あの頃、みんなフェネスを聴いていました。通っていたレコード屋やクラブに集う人たち、音楽好きの友達、知り合い、顔見知り。繊細でロマンチストで今にも壊れそうで未完成な終わらない夏にみんな夢中になりました。あの頃夢中になった電子音楽家の新作、もう離ればなれになってしまったあの場にいたみんなも聴いているでしょうか。隙間のない淡い音色、思えばいつだってフェネスは水の印象(『Venice』や『Black Sea』)。窓から見る6月の雨、秋の朝霧、そんなイメージを思い浮かべました。

 

https://open.spotify.com/track/1yG7EIWbe9UyLmW5fGCtdt?si=AyixVN4iTCKNgkko9qmZ7Q

 

 

16.  Haunter - Sacramental Death Qualia

 

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「速い/叙情的/ブルータル」という"メタル3種の神器"を揃えた屈強な重轟音は、泣きながらブチギレて迫ってくるかの如くこちらがどう対処していいかわからない迫力を携えて波動砲を撃ち続けます。永く壮大な神話を訥々と語り、いざ決戦だと言わんばかりにズゴズゴズゴスゴズゴズゴズゴズゴと無遠慮に切り掛かってくる重音パートは重音暴力音楽を愛するものなら血湧き肉躍り興奮もひとしお、全てを蹴散らしアルバムラストのカタルシスへと突き進んでいきます。新世代プログレブラックメタル一等星の新作、『うしおととら』に出てくる白面の者みたいなアルバムジャケットも個人的に凄く好みです。

 

https://open.spotify.com/track/2dT03DlQdT67b35eN6OJFj?si=aqpPCzf6ThOQxVmKr3FsAg

 

 

15.  Mercury Rev - Bobbie Gentry's the Delta Sweete Revisited

 

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バンドのトレードマークであるジョナサン・ドナヒューの声を封印、オリジナルではない企画ものっぽい作品のくせして彼らが近年リリースした作品の中では抜群に"マーキュリー・レヴの世界"な感触がする新作。流れる音楽から漂う微量な湿度が異国の情景を脳内に思い浮かばせ、「ここではないどこか」にいるような白昼夢的目眩を覚えます。大乱闘スマッシュブラザーズ級に絢爛豪華なゲストボーカリスト陣もそっと音楽に寄り添うような優しい歌声を響かせており、長いバンドの歴史上にまた新たな煌めきを記しました。

 

https://open.spotify.com/track/0DfEKV8mugiiW6djD0HJeP?si=fzcmLjCBTp2RdEWujNBgIg

 

 

14.  Young Guv - Guv Ⅰ

 

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基本的にこの子の事が可愛くて可愛くて仕方ないので、ファックト・アップやらヨット・クラブやらマーベラス・ダーリングスやらその他多彩な活動のほぼ全てをEPまで含めて愛聴しているわたしですが、今回はギターポップ/パワーポップ愛好者に対してかいしんのいちげきクラスの仕上がりとなっており今まで以上に愛が深まります。この子はその時の興味関心でガラッとカラーを変えるのが常ですが、今作の誰が聴いてもわかる"影響元に対する溢れんばかりの愛情表現"的スタイルは本人の無邪気に楽しそうな姿が瞼に浮かぶようで聴き手も満点の笑顔不可避です。あっさり参照元を変えた『Guv Ⅱ』との2in1盤もありますが個人的には断然『Guv Ⅰ』単体なのでこちらのみ選出しました。のびのび楽しそうに音楽やってる人って素敵…ほんとに素敵です。

 

https://open.spotify.com/track/2F3Dr2vQwwjMOlLjC37dpv?si=4yhKEAIRTYevtw7oUIkfOg

 

 

13.  Paal Nilssen-Love - New Brazilian Funk

 

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草一本生えないくらい空間の全てを爆発し尽くしやりたい放題やってアルバムは終わります。選ばれし音楽家たちは臨界点に向かって汗の飛沫を撒き散らしながら猛進していきます。彼らの音楽が通り過ぎたあとの空間は草一本生えない焦土です。切れ味の鋭いポストパンクにノイズとハードコアとファンクという攻撃性だけを異常に特化させた構成で挑む一本勝負。"うるさい音楽"を愛する全ての人類へ捧ぐ超絶激音フリージャズ、だれしも自身の身に潜めている危険な破壊衝動はこのような音楽を聴いて発散させるとよろしいです。

 

https://open.spotify.com/track/7xskH4LAwEqh6LMACHTgB8?si=Lka0fSjbT3CjUzJ3COShFw

 

 

12.  Ana Roxanne - ~~~

 

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霧の一本道や脇道の小川、対岸の工場、梅雨時期の田んぼとか……アナ・ロクサーヌの音楽を再生するとおそらく時空軸が歪むのでしょう、家に居たはずなのに気付けば以前どこかで見たことがあるような景色が眼前いっぱいに広がっています。彼女が控えめに吐き出す霊波は少量でも大変危険で、空気中の目に見えない物質が震え時間や常識がぐにゃりと裏返ります。音楽を停止すればきっと元の世界に戻れます、ですがこの世界から抜け出すのは容易じゃありません。

 

https://open.spotify.com/track/75mMC2cnD58FHOrMGmxf6i?si=K6ChFROXQ7e3e8rTJKo2GQ

 

 

11.  Kandodo 3 - K3

 

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Ladies and Gentlemen We are Floating in Depth Space!!とスピリチュアライズドの名作をもじって言及してしまいたくなります。スペースメン3〜EAR・ソニックブームソロの系譜に連なるようなディープサイケ。魂だけが重力から解放、そのまま肉体を抜けて宇宙の果てまで浮遊もしくは深海の底まで沈降していってしまう精神剥離剤は、聴いている間だけ作用し一時的にわたしを取り巻く全てのしがらみから解放してくれます。さあ部屋を閉め切って明かりを消して周りを警戒して、甘い香りのドローン吸ってどこまでもダウナーな夜を。

 

https://open.spotify.com/track/6yx2EQvXsE1INqWctqpkAn?si=l6_35YZaT6G1oEVUOKpXQw

 

 

10.  Moons - Dreaming Fully Awake

 

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ユリイカ令和元年12月号とかアンド プレミアム特別編集号とかも良かったのですが、今年一番涙腺に触れた音楽記事はラティーナ2019年11月号『So Quiet 〜静寂のための音楽〜』特集です。登場する音楽全てが素晴らしく新たな出逢いがたくさん詰まった非常に良い記事で、シンプルながらも蝋燭の光のように暖かく輝く音楽を奏でるブラジルのバンドに出逢ったのもこの特集記事がきっかけでした。昨年配信リリースされ今年フィジカル可された作品が話題のようですが、今年配信リリースされた最新作はタイトルもジャケットも全てがそのバンド名に似合った"人々の夜を優しく照らす音楽"で、わたしは今宵もステレオに耳をそば立てて眠りにつくのです。

 

https://open.spotify.com/track/6WHO6YMC8jICxSLT68nNlF?si=aJZhacUGSrW7npVj29Jaqg

 

 

9.  Nkisi - 7 Direction

 

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アンダーグラウンドからリー・ギャンブルのレーベルを通して世界中を震撼させたキシ。アヴァンギャルドやエクスペリメンタルを含むインテリジェンステクノとハードコアな原始レイヴの邂逅は前世紀エレクトロニックミュージックをハイブリッドにリニューアルし、大方の予想通り今年様々なメディアに大絶賛されました。繊細で攻撃的なサウンドテクスチャーは脳と身体を覚醒させ、終わらないダンスの渦へとわたしを誘います。薄暗く欲望が蠢く地下のクラブかそれとも深夜の野外レイヴか……自宅のリビングに居ながらにしてそのどちらの光景にも瞬時に連れて行ってくれる2019年最良のダンスミュージックです。

 

https://open.spotify.com/track/3RZfuDLsycxPFrCGwnRlSv?si=FM2oGna6QVqIo3sPJGvnNg

 

 

8.  HoSoVoSo - 春を待つ2人

 

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珍しく早い時間帯に起きた土曜日は午前中のうちから洗濯物を干したり部屋を掃除したり近所のスーパーに食材を買いに出たりします。休日の午前はボーナスステージ、最も心の余裕がある時間帯です。そんな早起きした休みの日にはローラ・ニーロの「Wedding Bells Blues」とかサブリミナル・カームの「カントリー・リビング」とか、いつの間にか生活に寄り添って馴染んでいくような優しい雰囲気を持った音楽を聴きたくなります。時間がのんびり過ぎていく感じや日向の暖かさを感じる事ができる三重のSSWの歌、『春を待つ2人』はあっという間にわたしの生活に寄り添いました。

 

 

7.  Ifriqiyya Electrique - Laylet El Booree

 

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今年のブッとび案件はチェニジアからやって来ました。キング・クリムゾン『EARTHBOUND』の「21st CENTURY SCHIZOIE」が私たちに見せてくれた振り切れ過ぎて凶悪に音が歪む光景、南アフリカのBLK JKSがクールに完成させたプログレミーツアフリカンオルタナティブ、90年代ボディ/インダストリアルの青い炎、4つ打ちダンスミュージックの快楽、その全てをイスラム神秘主義音楽へミラクル合体させシンクロ率を400%まで高めた奇形のアフリカ音楽。イフリキヤ・エレクトリークの他の何者をも凌駕するハイエナジーな"知性と本能と暴力と陶酔を荒々しくひと縛りにした"スタイルは、そもそも何かの枠に収まろうとする気が1ミリもないやりたい放題加減で本当に痛快としか言いようがない魔術的魅力を発揮しています。

 

https://open.spotify.com/track/13hlqaCe0N175DDmBI4IAz?si=spInpZ97QU-EZxGCCeak3g

 

 

6.  Rex Orange County - Pony

 

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とぼけた顔してどこまでも涙腺を刺激する音楽を作る好青年。ブルーアイドソウルを基調とした過去の音楽遺産をスポンジの如く吸収するだけでなく、それを新芽のように瑞々しく再構築し直したソウルフルな楽曲群は水をも弾く若々しさで我先にとスピーカーから飛び出していきます。どこか知らない街を歩いていて彼のレコードが壁面にかけられているレコード屋を見つけたら、きっとそのお店はセンスが良くていい音楽をたくさん棚に詰め込んでいるんだろうなぁ…とかそんな現実に起こってもいない素敵な出来事を夢想しながら聴いていました。

 

https://open.spotify.com/track/4tVphly4D1PB8tJC9gHMcJ?si=5og-wPVnRimGmxzdSvN8jQ

 

 

5.  Bruce Springsteen - Western Stars

 

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シリーズ“アメリカをうたう”第19回目、生涯現役ボスのライフワーク新作。暴走列車のように突っ走りながらアメリカの心を照らし出し暗部を浮き彫りにするいつものボスも好きですが、今作のゆったりとした南部的サウンドをベースに悠然と歌うスタイルはまさに極上の出来、「過ぎ去った時」と「今このとき」を同時に映し出します。今年の夏の晴れた午後、陽が傾き始める少し前の時間に部屋のベランダへ出て眼前に広がる立山連峰を眺めながらこのアルバムを聴く時間がたまらなく好きでした。

 

https://open.spotify.com/track/3YJNKUN2oTEARBNooWxhlx?si=T29YMDxmSWKAwEyZotAseg

 

 

4.  PUP - Morbid Stuff

 

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いつだってこんなバンドを贔屓しまう自分がいます。インディーロックとしての誇りをしっかり持っていて、曲が良くてどこまでもポップで何処かへ突き抜けて行きそうな勢いがあって、年甲斐もなく拳を振り上げたくなるくらい俺の中のエモーションを泣かせにくる。昭和が平成になり令和に変わろうが時代遅れでクソほど熱い音楽を好きな気持ちは1ミリも変わらないです。PUP、いつもホントありがとうこれからも貫き続けてください。

 

https://open.spotify.com/track/5fJ7aCs7V78bU3FEnBSYWs?si=HbAnvox6T-2oqs20h1HPGA

 

 

3.  Sunn O))) - Pyroclasts

 

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もはやこの手のジャンルで彼らに敵う存在はいないほど普遍的なものにまで登り詰めてしまったドローンエンペラー新作、今年は『Life Metal』との二本立てでしたがほんのちょっと『Pyroclast』の方が好みでした。とはいえ2枚に大きな変化はなく、毎回マイナーチェンジを繰り返すばかりで前とほぼ変わらない音源をリリースし続ける彼らに何故こんなにも惹かれてしまうのか自分でも理解できていません。彼らに惹かれる理由をひとり考えていました…過去も現在も未来もなくただ音が永遠鳴り続けているだけなのは何故?、考えすぎて「もしかしたら今までの全アルバムが繋がってひとつの"長大な実験的1曲"になるのではないか」、などと狂気じみた事まで考え出してしまう始末です。そもそもこんな偏り過ぎた音楽が世界的に大絶賛されカリスマと崇められているのもよく考えたらおかしな話です。なんか色々考えてたら怖くなってきたのでそろそろやめますが、快楽黄金比の重美音はきっと10年後も20年後も同じような音で意味をはぐらかしながら持続し続けるのでしょう。

 

https://open.spotify.com/track/24jWKZE0j30z3LlnzArFf2?si=CQ01TwLgRbKf8i8Nzvrk7A

 

 

2.  Kaede - 深夜。あなたは今日を振り返り、また新しい朝だね。

 

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2019年の夏が始まる少し前。個人的な話ですが長年勤めた会社を辞め、そして子供の頃から長年暮らした街を離れる決意を固め人生の岐路に立っていたちょうどその頃。深夜ラジオからふと流れた「飛花落葉」という美しい曲を聴いて気持ちがゆらゆら揺れ動いていたその時のわたしは一瞬で恋に落ちました。わたしには遠く離れた街に住む恋人がおり、この曲を聴くとたまらず声が聞きたくなります。このアルバムのアナログレコードの発売日は偶然わたしの誕生日でした。新しい街に引越し、新たな生活新たな職場で日々あたふた過ごしている今現在でもこの曲を聴くと感情が溢れそうになるし冷静に魅力を伝えることができません。ですが今年この曲を聴いてたくさんの夜を過ごした事は事実だし、今夜だってきっとそうです。

 

https://open.spotify.com/track/5tz5MoFz9yTkpIKeoF4Viw?si=QaPT-O1pQs6k2sau2X4F9Q

 

 

1.  Whitney - Forever Turned Around

 

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初めて通しで聴き終えた瞬間から「今年一番繰り返して聴くアルバム」になる確信がありました。飽きもせず何度も何度もターンテーブルの上に『Forever Turned Around』のレコードをセットしました。わたしの誕生日に山奥でキャンプをしていて、深夜焚き火を見つめながらふたりで静かに「Day & Night」を聴いていました。当ブログの別記事でも書きましたが「わたしにとっての2010年代はリアル・エステートのアルバムで決まり!」、話はこれで終わるハズでした。一般的に言われる"名盤"は確かに存在します。ですがそれと同時に他の誰の評価でもない"わたしだけの大切な音楽"は人の数だけあるのが当然です。2010年代最後の1年、とっておきの大切な音楽が1枚増えました。

 

https://open.spotify.com/track/2eKDsofd0MQv9LzLlv7Ocl?si=uQIsWkAfStexUxzpKC9sTw

 

 

 

今年もたくさんCD/レコードを買ってしまいました。

 

ランキング圏外にはなりましたが、今年愛聴した盤は他にも多数あります。ボブ・モウルドやジェニー・ルイスやビル・キャラハン、カレン・O、モーターサイコ、マイカル・クローニン、ウィルコなどのお馴染みオルタナ組。宇宙ネコ子の『君のように生きれたら』の青臭さもグッときました。花澤香菜も一時期永遠と聴いていましたが大傑作だった前作・前々作に思い入れが強すぎてその壁を越える事が出来ませんでした。

 

年間ベストにランクインするような作品は基本的に相当回数聴いて身体に馴染んだものばかりなので、12月にリリースされたものはほぼ入りません。

 

今年は私生活で環境がガラリと変わり、音楽など聴く余裕がない期間が長くありました。しかしいくら離れても結局ここに戻ってしまう、ここ(音楽)が一番居心地が良い場所なのかもしれません。

 

来年から始まる新しい10年間、時代もライフスタイルも音楽の在り方・聴き方も変わるだろうけれど、好きなものを好きでいる気持ちだけは変わらず持ち続けたいものです。以上2019年の年間ベストでした。

2018年 【iPodとお出かけ】 まとめ

Twitterアカウントにて昨年一部をツイートしていた、お出かけをした際にiPodで音楽を聴く→聴いている音楽と共に景色の写真を撮るという一連のシリーズ1年間完全版です。

ただ画像を上げるだけってのもなんなんで、その時聴いていたアーティストについて思うことや個人的なエピソードその他諸々コメントもつけてみました。あくまで個人の無駄話的意味合いなのでディスクレビューや批評にはなっていません。

ついでなのでその時聴いていた曲のサブスクリプションリンクも添付しています。(ただ単にその瞬間聴いていたというだけで、ベストな選曲/選盤ではない場合があります)。

 

サブスク時代に突入する前…CDやレコードを1枚1枚買わないと音楽が聴けなかった時の個人的な話を多くしています。記事を作成していく過程であれもこれもと話が広がり(しかし大したことは言ってない)、長大なボリュームになってしまいましたが適当に流し読みしてください。

また、現在所持しているiPodは頻繁に利用していた時期までのデータ更新しかしていないので(だいたい2015年くらいまで。そもそもわたしは数年前からパソコンを所持しておらず音源を取り込んだりiPodの中身を入れ換える事が出来ない状況です)、近年とくにわたしがサブスクリプション利用を開始してからの曲は今回の記事に一切出てきません。あらかじめご了承ください。

 

 

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1月

『leave them all behind 2018』でSLEEPを観たり、"戌年なので犬縛り"というルールを設けて音楽を聴きつつ石川県を旅行そしてSean O'hagan(The High Llamas)のライブをみたり、毎年定期的に訪問する岐阜県高山市へ旅行したりした冬真っ只中の1月です。

 

 

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新年明けましておめでとうから数日経った2018年の一発目はThe Rolling Stonesから。名作の誉れ高い『Aftermath』、わたしはUK盤基準のCDで聴いたのですがこれUS盤とUK盤じゃ全然印象違くなってしまうのが面白いです。"停滞することなく常に前を向き突き進みつつも過去に敬意を持ち続けたこと"と"ステージの大小関係なくどちらでも演れる曲を作り続けていること"、わたしが感じるストーンズの凄いとこってこの2つで、それを長年変わらず実行し続けている事が何より偉大だし並大抵のことじゃないと思います。ストーンズディスコグラフィーだと『Beggars Banquet』『It's Only Rock'n ' Roll』『Black and Blue』『Emotional Rescue』『Tatto You』あたりが好みで、特に「No Expectations」でのBrian Jonesがプレイするスライドギターの音色が心底好きです。あの人がドラッグにハマらず生きていたらどんな未知の音楽を作ったのでしょうか、わたし気になります。

https://open.spotify.com/track/779r8XGvQhfBrojXYAbTNb?si=WNHScVNDQ_WgEkNeiY_Xdg

 

 

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『The First of the Microbe Hunters』の日本初回盤(?)についてた変なバッグをマジで日常使いしていたくらい大好きだったバンドStereolab(買ってないのでうろ覚えですが確かGreen Day『Warning』初回盤にも同じ感じのバッグ付いてたハズ)。ポップを基盤にしつつも常にロックの死角(例えばRaymond Scottに対する尊敬の念やCANなどクラウトロックへの接近、モンド/スペース・エイジ・バチュラー・ミュージック的電子音の偏愛、前衛音楽や現代音楽そしてノイズ等々五線譜上だけでは表しきれない異端音楽への憧憬など)へ積極的にアプローチしていくバンドの方針は今聴いても素晴らしく、特殊すぎて後続が思いつかないどころかLaetitia Sadier Source EnsembleやCavern of Anti-Matterなど本人たちですら超えられない程特異な存在になったバンドだと思ってます。彼らの作品で好きなものは数多くあれど『Transient Random-Noise Bursts with Announcement(「騒音的美学の終焉」という日本盤タイトルが秀逸)』『〜Milky Night』『Margarine Eclips』あたりは特に素晴らしいし、ちょうどこの時聴いてた『Sound-Dust』収録「Space Moth」後半部分の恍惚感とか最高です。去年年末ついにライブ復帰をアナウンスしたらしいので、どうせなら未だ見ぬ新譜と一緒に日本へやって来てくれと願うばかりです。

https://open.spotify.com/track/70v2IzyMQy30y2jVysbzNq?si=bcvq6fGPSf24uWYIVOpdmA

 

 

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わたしがアフリカ音楽に興味を持ったのはTalking HeadsDavid Byrne経由ではなくNinja Tuneから2002年にリリースされたAntibalasのアフロビートサウンドからでした。そこから知ったFela Kutiを聴きあさり、同じナイジェリア出身のAyinla Omowuraを聴いてアフリカ音楽の虜に。以後アフリカ全土の音楽に興味を持ち有名なSalif KeïtaやYoussou N'Dourを始めアフリカ各地の音楽を聴ける範囲/わかる範囲でちょっとずつ聴く日々です。その中で出会ったうちのひとつがAngélique Kidjoであり、彼女がワールドミュージックファンから批判される一因の"欧米圏に寄せたコンテンポラリー風味の音楽"は自分的にとてもわかりやすく、力強い歌声も相まって一時期とてもよく聴いていました。今も買える範囲でほんとにちょっとずつ色々聴いてはいますが、今まで自分が聴いた中で一番いいなと思ったアフリカ圏のアーティストはフランコ&TPOKジャズです。

https://open.spotify.com/track/2EuNK4EtOKJgIWQamSjA5y?si=Yvpl7VhjRB-WWpXNpi9N2g

 

 

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ボヤけまくってるし背景が工事現場って…ストーナーといったらKyussも捨てがたいけどやっぱし究極の涅槃音楽集団SLEEP。SLEEPは『Dopesmoker』より断然『Jerusalem』派、単にエルサレムを先に買ったからってだけの理由なのですが聴く順番というのは案外重要です。この後メンバーはOMとHigh On Fireに分岐するわけですが個人的にはOMの方が愛着あります。ところでこのCD15年前に中古で5000円近く出して買ったんですけどいまだに相場がよくわかりません。(ボラれた?)

https://youtu.be/I3DsjW64F2g

 

 

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光で反射してイマイチよく見えないですがLed Zeppelinです。革新の1st→熱情の2nd→拡張の3rdときて安定の4枚目から「Black Dog」を。歴史に"if"はありませんが、最初の5枚目までがもし歴史上から存在しなければ現在のロックはいったいどのようなものになっていたでしょうか…。1番最初に買ったのはなぜか『Coda』(中古CDが安かったから)、1番好きなのは緊張感凄まじい『Presence』、次いで前半の暴力的展開が素晴らしい『Ⅲ』→『Houses Of The Holy』→『Ⅳ』の順に好きです。「Black Dog」から金沢ひとり旅のスタートをきれるとは幸先良いですね、それにしても天気いいな。

https://open.spotify.com/track/0D58ERdLBDRgT86BPnH8ps?si=L2xUtch3TSmEQp_Myl63dw

 


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セレクトしたのは『Diamond Dogs』ですがDavid Bowieで1番好きなのは『Hunky Dory』。でも世代的に『Earthling』に1番思い入れがあります(TVでコーヒーのCMめちゃくちゃ流れてたし)。この人はその時々移り変わる関心ごとをポンッと作品にしてしまうので枚数が多くなるしアルバム毎に毛色が全然違くなってしまいがちですが、後から振り返るとその全てがDavid Bowieでしかあり得ない、もっといえばアルバム1枚1枚単体でも聴けるけど"ディスコグラフィーすべてでDavid Bowieの完成形"となるあたりが本当に凄いと思います(Neil YoungLou Reed曽我部恵一山本精一なんかもそうだと思います)。『★』という傑作を遺しこの世を旅立って3年が経ちますが、この人とPrinceは実はどこかでこっそり生きてるんじゃないかと今でも考えてしまいます。

https://open.spotify.com/track/7Lk0PQDl3jtOr0UoZmQPhs?si=nUgSdOz7Qua7rWMmwBeK-g

 

 

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王道UKロックの復権を担った最重要バンドOasis。実はわたしは"WINO経由でOasisを聴く"という非常に珍しい経路を辿ってこのバンドを聴き始めたクチです。このアルバム収録曲は名曲揃いですが、中でも「Some Might Say」は大名曲だと思います。彼らの曲だと「Lyla」や「All Around the World」なんか何気に凄い好きです。ちなみに当時わたしは断然Blur派でした。ところでリンゴの息子Zak Starkeyは元気でやってるでしょうか…。

https://open.spotify.com/track/6AaKLNTbABWsQNa8h97iyO?si=MQDvHRrZQ-6kDLh-M0hB-A

 


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自分で初めて買った洋楽CDで当時中2。このアルバムきっかけでThem→Van Morrisonなどを知ります。Beckは寂しさ200%の『Sea Change』とブラジルのオルタナ最前線と自身の音楽を融合させた『Mutations』が好き。音楽をジャンルで区分せず、自分が良いと思ったものを並列に聴き取り込んだ上で自己流にアウトプットするバランス感覚が流石Beckたる所以ですが、それ以上に流石だと思うのは『キラッとプリ☆チャン』でネタにされた事ですね。あれは放送観てて大笑いしました今後一生プリチャンの事言われそうな気配がします。Geffen契約時「バイトを続けていいか」と聞きアルバムのシークレットトラックにノイズ曲忍ばすようなイモ青年が、10年以上月日が経つと煌びやかに全身NUMBER (N)INEやSAINT LAURENT着るようになるんだから世の中わからないものですね。

https://open.spotify.com/track/1flci5s2ER4nP40d5Cf4Nj?si=pViO6UKWS56KgNdP2dqUwQ

 


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高校1年生だった1998年、深夜のテレビで偶然流れた「Shady Lane」のMVを観たのがPavementとの出会いで、バイト代を財布に詰め込み電車に乗ってPavementを売ってそうな中古CD屋へ。そこで前年に発売されていた『Brighten the Corners』を購入、1999年の『Terror Twilight』は近所のTSUTAYAにて予約して購入しました。本格的に好きになって即解散…悲しい思い出が蘇ります。彼らのアルバムでは『Crooked Rain,Crooked Rain』が特にお気に入り(天気のいい日は「Range Life」を聴きながら家でダラダラしてたい)ですが、"最もPavementらしいアルバムは?"と問われれば『Wowee Zowee』と告げます、即答で。もしまた再結成したとしてもPavementの新作が作られる可能性なんてあるかどうかわからないし、だったらStephen Malkmusが出し続けるアルバム達をもっと愛したいところですが個人的に最近はちょっと小食気味です。どうせだったらソロ1stみたいな最高に素敵なアルバムをまたバシッと出してくれ、と切に願います。

https://open.spotify.com/track/7ICYd8ZFj0DnUOZS1aXCyR?si=BUHfEzn2SqGDfsKc8INA1w

 

 

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ウッドストック世代に対して特に憧れは抱きませんが、世紀の名盤であるCSN&Yの『Deja Vu』をリアルタイムで聴けた人はほんとに羨ましいと思います。4人のエゴが衝突し合っているにも関わらずこれ以上なく完璧に纏まった美しい結晶のような曲たちは、陳腐な言い方になりますが"奇跡"としか表現しようがないです。あまりに奇跡的すぎて作った本人達ですら超えられない壁となってしまったのはご愛嬌(CSN&Yとしては2ndにあたる18年後の『American Dream』なんて……ねぇ?)。このアルバムがなければThe Eaglesとかも全然違う音楽性になってたのかなぁ、とか考えるとなお凄みが増しますね。Bufflo Springfield〜ソロ3作目までのStephen Stillsが好きです(Neil Youngについては後述)。

https://open.spotify.com/track/0gCJkpD0RhF2rjiALLHBQL?si=aZwZexkHRvWgAPMw0HV1fA

 

 

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町田町蔵関連で好きな音源って実は沢山あって、あっさり解散したINUの『メシ喰うな!』はもちろん"町田町蔵from至福団"とか"町田町蔵+北澤組"などの名義でリリースした作品なんか凄い好きです。このアルバムがリリースされた頃の日本産インディーバンドの勢いは凄まじいですね、80年にフリクションルースターズアナーキー、81年にINUスターリン、翌年にはじゃがたらや非常階段と立て続けに名盤がリリースされていてビビります。ちなみにこのあと腹が減ったのでうどんを食べました、メシは食います。

https://youtu.be/yCfbzdd8QXk

 


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わたしの大好きなザッパおじさん。怒りの音楽家ザッパの音源はめちゃくちゃ時間かけて全コンプリート達成しました。やっぱ1stが1番トンでるけど『We're Only in It for the Money』とか『Sheik Yerbouti』もめちゃくちゃな内容で相当好きです。初めてザッパを聴くなら絶対に写真のアルバムを選んではいけませんが、自分は感覚が既に麻痺してるのでコレも良いな〜とか思ってしまってます。ザッパを心頭するあまり彼が影響を受けたと言われているMoondogなんかもちゃんと聴きました律儀なわたしです。『ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ!』(原題The Man From Utopia)以上の爆殺力を持った邦題タイトルは今後も現れないでしょう。

https://open.spotify.com/track/4nBFZLq8yFzHmRDRt0MfDG?si=ZnQyrQmCRhKhxCTYd7itGQ

 


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数々のアシッドフォーク名盤群を復刻させたフリーフォークムーブメントの中心人物にして2000年代中頃のマイヒーロー。Tyrannosaurus RexとCaetano Velosoを筆頭に細野晴臣、Donovan、Syd Barrett、The 13th Floor Elevator、The Incredible String Band、Os Mutantes、Tim Buckley、Nick Drakeなどわたしが個人的に大好きなアーティスト達の面影強い音像を軽やかに繰り出していく彼の姿に当時夢中でした(部分的に歌い方がBrigitte Fontaineっぽいな、ってずっと前から思ってるんですけどそんな事思ってるのわたしだけでしょうか)。またESPのアシッドフォーク群など彼経由で好きになったアーティストも多く、2000年代半ば頃のわたしの脳内は彼関連で埋め尽くされていたようなもんでした。『Cripple Crow』収録の「Heard Somebody Say」がいまだに好きすぎます。アルバムで選ぶならコレか『Smokey Rolls Down Thunder Canyon』かなって感じです。あと、写真撮ってる時奥に写っている家族に変な目で見られたんですけど全然気にしてません。

https://open.spotify.com/track/1snCJmJW4mvIqHkMUmRH2g?si=ugmmLfgCSEKXtFUR8WxDeg

 


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2003年に岩手の小岩井牧場にて大雨の中見たくるりをいまだに忘れられません。あの時はドラマーがChristopher McGuire、シングル「HOW TO GO」発売ちょい前くらいだったと思います。あとその時解散前のThe Dismemberment Planをガラガラの状態で最前列で観ました最高でした。あ、このアルバムも割と好きです。

https://open.spotify.com/track/7p9aWPS8Q0gqUsvR3YwWlc?si=LzM96_8ISrKeCjAt8aiz6w

 

 

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当時海外の音楽メディアで凄い評価高かったので買ったら大当たりだったTitus Androngcusの『The Monitor』。たしかSNOOZER誌でも年間ベスト相当上位だった覚えがあります、だから買いました。Green Dayの『American Idiot』発売から6年後に到達した壮大なパンク組曲、それがインディーシーンから登場し一定の評価を得た事にわたしは当時感動しました。このストロングで硬派かつポップなインディーパンクサウンドは最近だとJeff Rosenstockなんか近いんじゃないかな〜とか思ったり思わなかったり。コレと次の『Local Business』は今もCD棚の奥の方に眠ってます。

https://open.spotify.com/track/6XGmn8CDK7Cosr4zsObrB4?si=X53jRKYtSlqD6_Xk0wODhQ

 


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MGMT実は1stより2ndの方が好き。なぜかというと「It's Working」って曲がすごく好きだからです。1st発売当時The Flaming Lipsと比較対象されてた覚えがあるんですが、言うほど似てなくない?って思ってました。まあでもとことんポップで人懐っこくて祝祭感溢れる感じは分かるし、御先祖様が同じ(たとえばTodd Rundgren『A Wizard, A Ture Star』とか、もちろん他にも沢山あるでしょうが…)感じは凄くするし、なんだかんだ言って比べられたのも今となってはわからないでもない…と思う今日この頃。文章がとっ散らかりましたが何が言いたいかというと要はこのバンドとてもイカしてるということです。

https://open.spotify.com/track/5OcxthvGOxWYsuwKrWk5U4?si=CXmLRT2vTxel514lWlh-dA

 


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ご存知21世紀美術館前で撮影したSebadoh。Lou BarlowはSebadohよりThe Folk Implosinの方がよく聴いてて、特に『One Part Lullaby』ってアルバムは幾度となく聴いたんですけどセバドーも『Harmacy』とか赤いジャケのやつとか便所ジャケのやつとかコレとか割とよく聴きました。言うまでもありませんがDinosaur Jr.は別格中の別格ですが今回の記事には登場しません。

https://youtu.be/Gqov2RqmjhA

 


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ご存知兼六園で撮影されたWeezer。やっぱWezzerの「Good Life」は最高ですね。ちょうどメンバーからハブられてた時期に撮られたMVのRivers Cuomo本当に可哀想だと思うしこっちが泣きそうになります。負けるな!

『Pinkerton』はオールタイムベストなんちゃらの割と上位にランクインします。Weezerは後に再登場するのでその際にまたコメントしたいと思います。

https://open.spotify.com/track/5CjwXdq5Z73Va0XCPFG5Aq?si=gKh0liaKTaSMKG8xblzKEg

 

 

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世界中の音楽ファンから愛される、もはや説明不要な伝説クラスの作品。このアルバムも大きく扱われたストレンジ・デイズという音楽雑誌の2006年10月号『ストレンジフォーク特集』は大変エキサイティングな内容で、この特集号きっかけで買った過去の素晴らしいフォーク音源も多く(ComusとかForestとかHeronとか…)いまだによく読み返します。アシッドフォーク全体で見たら『Just Another Diamond Day』よりLinda Perhacsの1stの方が好きです。

https://open.spotify.com/track/51GceDJt5w3QPxXQCWv4pL?si=ETcmOkI2QxqGA-DQQHR3xg

 


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フリーフォークって呼び名のジャンルはもう無くなったのかな…発売当時はめちゃくちゃ愛聴してましたが今となっては実際の収録時間より長く感じるやたらと壮大な世界観がちょっと重いです。Bill Callahan、Steve Albini、Jim O'Rourkeと豪華な共同作業者陣に囲まれて作られたこのアルバム、その中でもVan Dyke Parksのオーケストラアレンジがとにかく流麗でこのアルバムを聴く理由の8割がVan Dyke Parksのお陰だったりします。素晴らしすぎる1st『The Milk-Eyed Mender』やこの2ndも悪くないですが、3rd『Have One On Me』は2000年代以降に発表された女性SSWものの中でもかなり特別に好きなアルバムであります。ちなみに彼女と同い年なので勝手に親近感湧いてます。

https://youtu.be/1iSpddh1U6E

 


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中学生当時サブカルクソ野郎だったわたしは映画『未来世紀ブラジル』を観て衝撃を受け、監督テリー・ギリアムモンティ・パイソンの一員である事を調べ、モンティ・パイソン経由でニール・イネスという素晴らしいソングライターを知り、そこからThe Rutles(ラトルズの映画『All You Need Is Cash(4人はラトルズ!)』はパロディー映画の傑作ですね)やBonzo Dog Doo-Dah Bandへと興味が移るわけですが実際にCDを買って聴いたのはそこから約8年後でした。あくまでコメディ/パロディーを主体としているようですがものすごく学者肌な作曲力はホントに脱帽といった塩梅です。

https://open.spotify.com/track/14txvYs9QpgiZyi5OQWgZC?si=921zFWAXQMWiR2MVpOHIMA

 


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取り立てて素晴らしいとも特別好きとも思いませんが、謎に全アルバム持っている妙に愛着があるバンドことGoo Goo Dolls。誰だってポップなパンクに夢中になる時期あるでしょ?聴いているのは1stセルフタイトル作ですが、87年作にしては古臭いと思うし同じグーグーなら"グーグーガンモ"(グーグーガンモ覚えてますかね?)の方が全然好きです関係ない話で申し訳ない。でも『A Boy Named Goo』とか昔よく聴いてた覚えあるしこの1stもやっぱりかっちょいいじゃん!とかこの時思いました。あと個人的に大好きな日本のパンクバンドThe Bacillus Brains(THE 日本脳炎)はおそらくGoo Goo Dollsの1stからかなり影響受けてるだろうな〜とかずっと思ってます。違ったらごめんなさい。

https://open.spotify.com/track/4syl7AnsmDlTy5Ux7eaytL?si=BSTtgCxtQt2RxgetTAnqTw

 

 

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前身バンドであるGOING STEADYについては"当時高校卒業して地元に残った同級生たちが組んでたバンドが、それまでHi-STANDARDBRAHMANのカバーをしていたのに『さくらの唄』リリース後一斉にゴイステのカバーをし出した"のが印象的だったていうくらいの思い出しかなかったのですが、その後4年が経過し同級生たちも皆バンドを辞めた頃リリースされた銀杏BOYZの『DOOR』を聴いたときはなんじゃこりゃ!?な格好良さに結構衝撃を受けました。「十七歳」なんか今聴いてもクソカッコいいと思います。ただアルバムとしては『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』の方がよく聴き返します。

https://open.spotify.com/track/3BwlPDANj5hHOdxAbX7Bhf?si=9GsebCzCTnSq9nnwwoEGfQ

 

 

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みんな大好きアルビニ先生のバンドShellac。ヒリヒリした緊張感で最高にカッコ良いです。Big Black/Rapeman/Shellacとあるアルビニ先生の歴代バンドの中で1番好きなのは僅差でRapemanって感じです。2015年に来日した際アルビニ先生とツーショットで写真撮ってもらいましたが緊張と嬉しさでわたしの顔が完全に逝っちゃってるため誰にも見せてません。テーブルの上のちっちゃいトマトの箱が可愛いですね。

https://open.spotify.com/track/4Vk6wIpQwSbPO5UokYNKct?si=JOrFUl5dRwOV7CFwWSefWw

 


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90年代に日本で青春を過ごした若者たちにとって特別なバンドのベスト盤。青森から凄いバンドが出た!って当時雑誌でもTVでも話題になってましたね。個人的に1999年〜2000年の2年間に発表した作品『JUMP UP』〜『OOKeah!!』『OOYeah!!』、シングル「WHITE SURF style 5.」そして『Futurama』あたりはかなり愛聴しました。その頃テレビでメンバーがシューゲイザーへの愛情を語ってたのをなんとなく見た覚えがあります。写真撮影時はアンビエント色強めの曲を聴いてひとりしんみりしています。

https://open.spotify.com/track/2arBzAJjThtx66BPgBtAO5?si=QOc-R-lbSkqJWPlTiJSsuQ

 


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"曲名に犬"といったら1番最初に思いつくのがコレです。The Velvet Underground脱退後のJohn Caleがプロデュースを務めたこの1stでのイギーの咆哮はとにかく素晴らしく、このアルバムから『Raw Power』までの3枚はわたしの心に深く突き刺さって今も抜けません。The Stoogesを筆頭にMC5Blue CheerそしてBlack Sabbathなど、間違いなくここら辺の音楽が今現在のわたしを構成する"うるさい音楽愛"の根っこです。もちろんSonic Youthがカバーしたバージョンもサイコーです。

https://open.spotify.com/track/672N8DGGTOLCOgWe0koX5g?si=raGnK9-dQ0eij2PuVg2yCw

 

 

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SKAというジャンル自体は知識として知っていた程度、そこまで興味がなかったわたしがThe Specialsとの出会いを果たしたのはCD屋ではなくゲームセンターでした。毎度汗だくでプレイしていた『Dance Dance Revolution』にこのバンドの曲が収録されており、そこから興味を持って聴き始めています(後にMadnessやThe Selecterなどにハマっていくはじめの一歩でもありました)。ジャケ写でも確認できますが、バンドメンバーのルードな恰好にとても憧れを抱き、後にRUDE GALLERYなどの服を買い集めるきっかけとなった盤でもあります。The Specialsという存在がなければDexys Midnight Runnersの傑作『Searching for the Young Soul Rebels』もおそらくこの世に産まれなかったでしょう。

https://open.spotify.com/track/5kinuu5G1kWlVmnZMzwIE2?si=5oKUoxMqRQiq_vIGQlJyZA

 


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大作を量産真っ最中(大作を量産って普通に言ったけどこれよく考えたらとんでもない事ですよ?)の頃のPink Floyd、その中でもこの『Animals』はほとんど聴き返さない部類に入ります。この頃はどのアルバムも軽〜い感じの導入部でわたしを油断させといて中盤に差し掛かる頃には完全に理解不能なくらいとんでもない世界へと突入していくのでホント恐ろしいですね。ただでさえキャリア初期から味付けが濃いのに、更に大盛りしかもコース料理にグレードアップしてるんでこちらもある程度"空腹"状態にセットしてないと満腹でゲップが止まらなくなります。とはいえシェフは一流、品質と創造力は間違いなしといったあたり流石Pink Floydといったところでしょうか。

https://open.spotify.com/track/2jvuMDqBK04WvCYYz5qjvG?si=BvGL4XGuTwKwU4hs8auf0g

 


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The Cribsに関しては徹底的に愛を貫き通しているので、現在までに発表されている全ての作品が好きです。メンバーのダサいピチTとかみるだけで興奮するくらい好きですが、個人的に最新作のアルビニ録音盤は他よりちょっと愛が薄いです。アレックス・カプラノスがプロデュースした3rdは自分史的に00年代屈指の愛聴盤です。2008年のクソ暑い昼過ぎのフジロックホワイトステージで「Mirror Kissers」を演奏する彼らを観た瞬間から一生このバンドに付いて行くと心に決めました。

https://open.spotify.com/track/7lWu0azbYUXiGIPqe1cEbS?si=3Bf1rkGeRr-U4yCLnZLoHQ

 


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金沢に行く度に必ず寄るのがレコードジャングルさん。ここでは以前から裸のラリーズのLPやPeter ToshのLP、The 原爆オナニーズの1st LPとかGarlic Boysの『マッシュルームカットとダッフルコート』LP(このアルバム凄い好きです)などを始めとして数えきれないくらい買わせていただいてます。今回はPrefab Sproutの『ヨルダン〜』を聴きながらの入店。プリファブに関しては後に別の写真でコメントします。

https://open.spotify.com/track/36TGREeOUkWy0mGA2JqyhW?si=5bdfuDipTqadN7WnuGgwNw

 

 

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ヒゲモジャソングライターIron & Wineが2007年(もう12年も前!?)に発表し、現在に至るまでUSインディーファンに愛され続けている作品。このアルバムは特に良曲揃いといった感じですが、2002年の『The Creek Drank the Cradle』から2011年の『Kiss Each Other Clean』までの作品は外れなしだと思ってます(それ以降は以前までと比べたらあまり聴きません)。金沢市もそろそろ夕暮れ近くなってきたので、サム・ビームの暖かい歌声が特別沁みます。

https://open.spotify.com/track/5sX8mtpiqIsw3cKTvMobaA?si=PHgR9dTYTw-RjLOj0wd-eQ

 


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ビートルズに関して色々な方が色々な事を今迄散々語ってきたので、今更わたしが言うことは特にないのですが、ひとつだけ言うならメンバーの中ではリンゴ・スターが1番好きです。好きっていうか4人の中で友達にするなら断然リンゴって意味です(偉そう)。以前までは"「Tomorrow Never Knows」が1番好きな曲"とか他人が聞いたらイラッとするようなナマイキ言ってましたが、現在は竹内まりやもカバーした「Ask Me Why」とかFiona Appleもカバーした「Across The Universe」とかが好きって言えるくらいには大人になりました。

https://open.spotify.com/track/5xYC2ZJJ9TMJL8BOl85O2R?si=HeIShfZ4S-KqHPlTOnyfKg

 


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ウェブで"モーターサイコ"と検索するとラス・メイヤー監督(この人の映画はまあまあ好きです)の作品がまずヒットしますが、こちらはノルウェーの最強にカッコいいバンドです。現在も異常な内容の作品をコンスタントにリリースしており、特に2002年の『It's a Love Cult』はカルト的人気を誇りわたしもこのアルバムから入りました。写真のアルバムはサイケ&プログレ色が強いもので、発売当時メディアからもかなり高い評価を獲得していたのを覚えています。他にはJaga Jazzistとの共演盤(後に登場)とかめちゃくちゃ好きです。

https://open.spotify.com/track/1A1yqYHSogzQ7aH6xzb6js?si=DKCsRBbbQAqZ606uRZvr-g

 


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中学生の頃好きだった同じクラスの女の子がブランキー好きで、「新しいシングル(左ききのBabyの事)聴いた?」とか休み時間話してました。もちろんその女の子とは何もありませんが、そういうわけでブランキーは写真の『BANG!』ではなく『LOVE FLASH FEVER』あたりが1番思い入れ深いです。浅井健一関連で"犬"ならSherbetの『SEKILALA』とかSHERBETS『SIBERIA』収録の「ジョーンジェットの犬」とかでも良かったのですが残念ながらiPodには入れてないのでした…(現在使ってる携帯の3代前に愛用してたiPhone4S浅井健一関連は全部入れてます)。ちなみにJUDEの『ZHIVAGO』に収録されている「ロバの馬車」という曲が死ぬほど好きです。

https://youtu.be/A_4_XwQ_ZDg

 

 

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Hot Chipの『The Warning』は"2000年代中頃の活気があったインディーシーンを象徴するアルバム"のうちの1枚。ニューウェーブの"ダンスミュージック"的部分を更に押し上げた音楽性を持つバンドだとLCD Soundsystemや!!!などが有名かと思いますが、わたし的にはHot Chipも所謂"2000年代インディーダンス"の名バンドだと認識しているし事実このアルバムはロックファンならずとも広く受け入れられ販売枚数も好調だったようです。わたし個人としては同系統の音楽総本山的なポジションのDAFからリリースという情報だけでこのアルバムを買う決意をした覚えがあります。一応解散はしてないようですが最近めっきり名前を見なくなりました…久しぶりに聴くと未だ風化せず古びてない作りにビックリしますし、それと同時に懐かしい安心感が我が身を包むという不思議な感触を味わいました。

https://open.spotify.com/track/5RrWu7ddslbnrRImeW7LOs?si=UA_6uJu_QjCZUQfcerR_Qg

 


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この頃から考えると現在は遥か遠くまで突っ走って行ってしまったスウェーデンMando Diao。このアルバムは2002年に発表された彼らのデビューアルバムですが、同じ年にThe LibertinesThe Vinesも1stをリリースしており所謂ロックンロールリバイバルブーム真っ只中でした(翌年2003年にはThe White Stripesの名作『Elephant』がリリースされます)。このアルバムは名曲揃いですね、あまりスポットが当たらない曲ですが「Little Boy Jr」がやたらとカッコよくて好きです。

https://open.spotify.com/track/6FJFopt2OciePAHVkLqu25?si=jz0XvHkURHWtC5NzK32USg

 


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フジロック'15は行けなかったので、SFAのライブを最後に観たのは『Dark Days/Light Years』発売後の2009年渋谷AX公演でしょうか。当時よく着ていた彼らのTシャツも"いまだリリースされない新作"を待つ間にほつれ色褪せてしまいました。彼らの活動時期全てのアルバムを愛してますが特に『Guerrilla』『Mwng』『Hey Venus!』あたりは今でも頻繁に聴きます。それにしても早いとこSFAの新作アルバムが聴きたいもんです。

https://open.spotify.com/track/7JzlGmut2XLe3HHQPD56Wr?si=iPVAy369TJWdP4yjcggZZQ

 

 

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冬の海、波打ち際で「ばらの花」を聴くとかそんな最高にクサい事2018年にもなってするなんて自分でもビックリです。絶対この瞬間は人に見られたくないですが、まあ雰囲気は抜群にありました。この曲が収録されている『TEAM ROCK』の歌詞カード最後の方にズラズラ書いてある"トムヨークが聴いてくれたらしい"的な独り言コメント文が好きです。ちなみにくるりで1番好きな曲は「リバー」です。

https://open.spotify.com/track/6iyKwsCmtdXvs19uKyBFfS?si=vOmNoVfeTfebi6I-iMaybw

 


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冬の海で聴く「ばらの花」もどうかと思いますが、Gorilla Biscuitsも違う意味でどうかと思いますし明らかなミスマッチっぷりが写真を見返すたびわたしの胸をキュッとさせます誰も見てなくて本当に良かったです。このバンドを彷彿とさせる音を持つバンドなんて後の世にごまんと溢れており流石'80sUSハードコア永遠の名作、といった感じは理解出来るのですがわたしはリアルタイマーではないので『Start Today』を聴いて未知の衝撃とは思えなかったしこれだけが特別とも考えないです。なので後追い世代としての個人的な感想は"ふつうに良い"です。そんな事を言ってはいますがこういうストレートなハードコアスタイルは好ましく思っています。ちなみに"犬縛り"は継続中です。

https://open.spotify.com/track/0zTfHKPhGwV3Y90EfTztLy?si=EWGTqJtDSs2NH3hunH_4hQ

 


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GONTITIチチ松村さんが2007年にリリースしたソロ作。このアルバム発売の頃はGONTITIのおふたりが出演しているラジオ番組、NHK-FM『世界の快適音楽セレクション』を毎週欠かさず録音していた時期でした(現在はたまに聴く程度です)。ゴンチチのアルバムは数が多くそれぞれに味がありなかなか"この1枚"を決められませんが、無難に「マルセルでさえも」が収録されている『Another Mood』、「修学旅行夜行列車南国音楽」が収録された『脇役であるとも知らずに』といった初期の作品あたりを選びたいです。ああでも『Strings With GONTITI』とか『XO』も捨てがたい…。

 

 

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高山市にて。Atari Teenage Riot『Live at Brixton Academy』、King Crimson『Earthbound』、じゃがたら『君と踊りあかそう日の出を見るまで』に次いで"オールタイム好きなライブアルバム"第4位に永らく君臨している『Live at Leeds』です(ちなみに5位はHawkwindの『Space Ritual』)。The Whoはスタジオ音源よりもやはり圧倒的に乱暴な音が最高なライブ音源ですね。もっと言えばCDとかレコードより映像で観るのが1番かと思います。スタジオ録音盤なら『The Who Sell Out』が特に好きで、「あ〜ミスチルの元ネタこれかぁ」などと初めて聴いた時謎の感動を覚えました。まあそんな事いいつつも結局The Whoは全アルバム良いです。映画『トミー』や『さらば青春の光』も幾度となく見直しています。

https://open.spotify.com/track/6LjbcuNjacxykgrKznil62?si=rRyKDTU4QaaHUbMYG3K9LA

 

 

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アニメ『氷菓』20話の舞台でもある荒楠神社のモデルになった日枝神社入り口でThe Doorsを聴いています。"完璧な1曲目から始まるアルバムは完璧"とはわたしの弁ですが、「Break On Through (To The Other Side)」から始まるドアーズ1stはまさしくソレですもちろん個人的感想です。2nd『Strange Days』や3rd『Waiting for the Sun』、4th『The Soft Parade』と少しずつ音楽性を変化させながらも発表された作品群は今聴いても凄いの一言です。

https://open.spotify.com/track/6ToM0uwxtPKo9CMpbPGYvM?si=HxxKk6kLTbu7fkA6Ef9kNQ

 

 

 

2月

基本的になんの予定もない休日はひとりで映画館に行って1日3本くらい映画をハシゴして観てる事が多い2月です。

 

 

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2000年代USインディーを代表するバンドのひとつGrizzly Bear。近頃あまり聴かなくなりましたが、2006年発表の『Yellow House』から2012年発表の『Shields』まではもの凄く好きで、"うた"を真ん中に構えつつ周辺に音響系/エレクトロニカ以降の感覚を纏わせた感じはAnimal Collectiveなんかにも通じるところがあるなぁとか思って当時夢中になりました…が金欠とCD棚圧迫により全作品売却済です。この"周縁の尖端文化を取り入れたポップミュージック"、以前はポップミュージックの範疇だとインディーロックシーンが実験の場だった感じしますが、2019年の現在になるとメジャーシーン特にブラックミュージック周辺が活発に実験とポップの衝突を繰り広げているように感じられます。だから最近インディーロックが保守的に見られ下火になっちゃったのかな…とか考えたり。ちなみに映画『ネイビー・シールズ』とアルバムタイトル『シールズ』をかけていますがギャグとしては大失格です。

https://open.spotify.com/track/1PltCebDqn5raKV8C5adjo?si=XKV_PLodTLWQkxgp7X_u3A

 


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METZは2012年のセルフタイトル作から2017年の『Strange Peace』までぶっちぎりの格好良さを保っている、現在のSUBPOP所属最強バンドだと思ってます。特に写真のアルバム『Ⅱ』の"こいつらマジでうるせえ"感じが素晴らしく、日本盤帯に書いてある"PIL・ミーツ・フリクション、それをニルヴァーナの狂気なギターでとばした感じ"とはよく言ったものです。あとこのアルバム収録のボーナストラック「Can't Understand」を聴くたび『SAPPUKEI』の頃のNUMBER GIRL(祝再結成!)をなんとなく連想してしまうのは多分同じものが影響元だからじゃないかな、とか勝手に理解して頷いてます。2015年の年間ベストアルバムでは柴田聡子、The Go! Team、The Internetに次いでこのアルバムを4位で選出しました、後悔はありません。

https://open.spotify.com/track/5krpKllJQB9zxKQW7LA1QX?si=w-md1NYlTOO01sNx3IWRgA

 


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この曲を聴いた2/11はThe XXの幕張メッセ公演日だったので、遥か千葉の地からSNSを通して伝わってくる興奮を恨めしく思いつつ鳥唐揚げ定食と悔しさを同時に噛み締めてました。以前からわたしを知る友人達からは「フジでも観なかったくせにほんとに興味あるのかよ?」という声が聞こえてきそうですが、あの時はQueens of the Stone Age全力待機中だったのです勘弁してください。Young Marble Giantsの思い出をBurial以降の感覚で鳴らしたUK最重要バンドの2nd、雪の降る夜に聴く「Angels」は特別なものに感じられました。

https://open.spotify.com/track/4g5QKYTjNoAN8w5LmNbkwo?si=dwNXsmlRTP2KlYYJo9qdUw

 

 

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「March Of The Pigs」を聴きながらおろしカツ定食を待つ…最悪の冗談みたいな組み合わせです。デヴィッド・リンチ監督の映画『ロスト・ハイウェイ』日本版予告編に使用されていた「The Perfect Drug」を聴いた瞬間心を貫かれたわたしは中古盤屋に走り過去作を購入、その後1999年の『The Fragile』に収録された「Starfuckers Inc.」のあまりのカッコよさに絶頂の雄叫びをあげました。『With Teeth』まで待ちの期間が長く徐々に自分の熱が冷めていってしまいましたが、数年前から再燃し今は熱く燃え上がっております。聴く者の傷をえぐるようなサウンドを持つバンドはこの当時も沢山おりましたが、NINだけが生き残ったのはやはりサウンドの強度が他とは段違いであり"インダストリアル"の枠にそもそも収まらない特異な存在だったからかな、とか考えました。昨年ソニックマニアにてついにライブを観ることができたのですが、NIN目的で行ったにも関わらずライブ直前に泥酔してしまいあまり覚えてないし数曲しか聴かなかった自分に対して腹が立ちます。次の機会は正座してみます。

https://open.spotify.com/track/2Ad7XA54Jw0YyBF5rjiFyl?si=iQil0Z1FQFm-c6brjU1_Yg

 

 

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瞳=目玉=The Residentsという安直かつ貧困な発想のわたしとはまったく真逆なバンド、奇天烈奇想天外集団レジデンツ1974年の記念碑的1st。どこまでも音楽をおちょくり、どこまでも音楽を真摯に研究し続ける彼らは"冗談とアートの境目/ポピュラーミュージックとアンダーグラウンドミュージックの境界"をのらりくらりと40年以上も歩み続けています。所謂"アヴァンギャルド音楽"と呼ばれているものに興味を持った最初期、真っ先に購入したのが彼らの『Meet The Residents』と『Eskimo』でした。彼らの事はいまだに理解できませんが、理解できないからこそ惹かれ続けているのです。

https://open.spotify.com/track/3fdOTxJRWRrh2vT55wHxEK?si=HIyLbYXNSyCmVHjn2OpBvA

 

 

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Blue Öyster Cult(このNY出身バンドの『Secret Treaties』LP盤はいつでもすぐ聴けるようレコ棚の出しやすい場所に収納してます)のプロデューサーとして有名なサンディ・パールマン支配下の元制作された2nd、とかいうよくある説明的なものは不要ですね。歴史的名盤の1stと3rdに挟まれたあまり目立たないアルバムのように思われますが、わたしはコレ大好きです。アルバムラストに収録された「All the Young Punks(New Boots and Contracts)」という曲を聴くたび格好良さに身震いします。"すべての若きパンクスども"という邦題が更に完璧さを高めます。

https://open.spotify.com/track/3ZhMxNCJcoYBj2wrO4VU3l?si=ssItf_FrQnS58xClmcjEQQ



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Superchunk尊い。長いキャリアにも関わらず安定したリリース/ファンを裏切らない楽曲が尊い。インディーシーンをメインに活動し続けるあたりもプラス評価で、最大に尊いポイントはMerge Recordsを設立したという点。これはもうノーベル音楽賞並みの功績であります。Superchunkに好きなアルバム数あれど、『No Pocky for Kitty』や『Come Pick Me Up』と並び2010年発表の『Majesty Shredding』はわたし的にベストな内容でした。彼らのようにいつだって"Digging For Something"したいものです。

https://open.spotify.com/track/4m80bNaJqbJ0VOqpBHD45P?si=bHxOFIznQL-GKmbq5afuMg

 


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撮影場所は郊外ではなく都心部ですがArcade Fireの『The Suburbs』を聴いています。2004年の『Funeral』、そして2007年の『Neon Bible』は当時Pitchforkメディアの影響もあって聴き込んでいましたが、2010年のこのアルバムあたりから特に理由もなく自分の気持ちが離れてしまいました(Final FantasyことOwen Pallettの作品はずっと好きで聴き続けているのに、です)。実はこのアルバム約8年ぶりにこの時聴きましたが、当時なんでこれを気に入らなかったんだろう…と当時の自分を疑ってしまうくらい良いアルバムだという事にこの時気付きました。この日以来猛省したわたしは最新作に至るまでの全作品を聴き直している次第でございます。

https://open.spotify.com/track/1WJjzkqIXzTQtqXTlPG5Qo?si=iu55641qRPWARFgYUXfb-g

 

 

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この頃テレビでは『からかい上手の高木さん』が放映されており、この写真を撮る前の週あたりのED曲がチャットモンチー「風吹けば恋」だったので久しぶりに聴いています。チャットモンチーといえば昔スペースシャワーTVで放送していた『スペシャボーイズ』という番組のサブコーナーではしゃぎまわっていた3人の姿を思い出します(わたしの中ではチャットモンチーはいつでも"3人"です)。そういえばフジロックに変名で出演した際もライブを観てますし、2006年頃は"「東京ハチミツオーケストラ」は最高のギターポップ"とか言ってたような気が。返す返す解散が惜しまれます。

https://open.spotify.com/track/1NNzUTKlIzQWasuzei5Oha?si=YND-8d17RWOpynVJ-ANRCg

 

 

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駅なので『Station to Station』……。『Young American』という意欲作の次に発表され、この後『Low』『Heroes』という歴史的名盤を繰り出す事になるボウイの"絶頂期の始まり"にあたる重要作。ここらへんのボウイは何聴いても最高です。そもそもボウイはどの時期もたいがい良い(84年〜Tin Machine活動時期は除く)ですがこの頃は特別神懸かっていると思います。夜の駅前にシン・ホワイト・デュークの歌声が響く、グッとくるシチュエーションです。ちなみにボウイのCD群隣にはThe Yellow MonkeyとLegendary Stardust CowboyのCDを並べて収納しています案外律儀なわたしです。

https://open.spotify.com/track/7cehkXeGO0t8HosgO42tHl?si=QDQ78BejRB-C_J8j1d9vtg

 

 

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休日、冬の空気、夜のビル街、イヤホンから流れるPrefab Sprout…最上級に贅沢な時間です。彼らは『Steve McQueen』というアルバムが有名ですが(もちろん『Steve McQueen』は素晴らしいのですが)、わたしが最も気に入ってるアルバムは写真の『Andromeda Heights』です、っていうか1990年代ベストアルバムトップ5に入るくらい愛してます。1曲目の「Electric Guitars」から最終曲「Andromeda Heights」まで、感情を揺さぶるロマンがこれでもかと詰まったこのアルバムを心底愛しております。いつかわたしもアンドロメダ・ハイツに移り住みたい、そんな事を初聴以来ずっと夢想しているのです。

https://open.spotify.com/track/0QKTQKmFUW0LkMdo4f2HaF?si=hHknFpDwTsSq5m76UB5KLA

 

 

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2006年のフジロック最終日、夕方前に始まったBroken Social Sceneのライブが未だに目に焼き付いて離れません。特に「Ibi Dreams of Pavement」でのメンバーそしてその場にいたすべての人が感じた祝祭感、恍惚感たるや。周りのお客さんの"本当に幸せそうな顔"を思い出すたび目頭が熱くなりますし、あれ以上の幸福な時間はわたしの人生を思い返してみてもそうそう無いです。その日はenvy→Isis→Likkle MaiBSSゆらゆら帝国(Killing Jokeとかなり悩んだ)→Super Furry Animals(真裏がThe Strokes)→Mogwaiという流れの1日だったんですが今思い返してもナイスな選択だと思います。スタジオアルバムとしては次作『Forgiveness Rock Record』の方が良い出来だと感じます。

https://open.spotify.com/track/6T0l07sySJY3eYRTvBSXUw?si=vaO5TKtlQ6WijQSkg055Yw

 


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Super Furry Animalsの中心人物、パワーレンジャーのお面で有名なグリフ・リースさんのソロ作2枚目。ソロ1stの"頭のネジが緩んだポンコツローファイサイケ"に度肝抜かれましたが(とか言って実は1stかなり好き)、2nd『Candylion』からは割とまともです。3rdの『Hotel Shampoo』、4th『Ameriacn Interior』、今年リリースした新作『Babelsberg』に至るまで最高のポップミュージックを奏で続けてくれているのは嬉しいんですが、とにかく早いとこSFAの新作アルバムが聴きたいもんです(2回目の催促)。

https://open.spotify.com/track/4aLVSfnZdadFUGZa7t9F5R?si=_ugCCXSdTMq2Fdm_NpVEMQ

 


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天使といえば『天使のため息(原題『If You're Feeling Sinister』)』、というかBelle And Sebastian自体が天使みたいなもんです。このアルバムは発売当時ロッキングオン誌に掲載されたアルバムレビュー記事を読んで買いました。今に至るまで彼らの純粋な世界観は変わらず、汚い大人になってしまったわたしの心には少し眩しすぎるくらいです。アルバム的には『わたしのなかの悪魔』、『ヤァ!カタストロフィ・ウェイトレス』あたりが好きです。特に「The Wrong Girl」という曲がMV込みで好きです。

https://open.spotify.com/track/7lfEhRdfL6juh1HQ5KckKb?si=rnG5QPbPRfG-2WlGHN_vzw

 

 

 

3月

宇宙よりも遠い場所』もついに最終回を迎え、季節と季節の境目で日々天候も変化し気持ちも上がったり下がったり揺れ動いた3月です。

 

 

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"有名な割にアルバム1枚買えばそれで全て終わるから"、The La'sを聴いた理由なんて単純明快ただそれだけでした。たった1枚しかオリジナルアルバムをリリースしていないのに音楽ファンの心に深く刻み込まれたバンドなんてそうそういないと思います。2000年代始め頃個人的によく行っていたクラブで「インディーロックナイト」というイベントが月イチで開催されておりそこに集う人たちとよく音楽の話をしていたのですが、ある時「もし願いが叶うなら誰の新しいアルバムを聴きたい?死んだとかの縛りナシで」という話になりマイブラフィッシュマンズBO GUMBOSなどなど皆口々にそれぞれの思いを打ち明けていましたが「なんだかんだ言ったけどやっぱりThe La'sの新しいアルバムが一番聴きたいよな」っていう流れで話が落ち着いた事を今記憶から蘇らせました。

https://open.spotify.com/track/1JCjGV7RMONvsjkdwPOkO9?si=CSj6fOKnSu2Glfrdd_x8FQ

 


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Drive Like Jehuのカッコ良さとストイックさは圧倒的、半端ないです。このバンドもそうですが、The Dismemberment PlanやSunny Day Real EstateやQuicksandやRodan(Rodanの『Rusty』はわたしのオールタイムベストアルバムトップ20にランクインします)、Jawbreaker、色々経由してTera MelosやQ and Not Uもっと言えばVersusそして後の+/-{PLUS/MINUS}までわたしが愛する事になるUSのアツいインディーバンドを聴くきっかけとなったのは全てFugaziきっかけでした(更に言うとFugaziを聴くきっかけとなるのがMINOR THREATだし、それを聴くきっかけはBad BrainsやBLACK FLAGだし更に更に言えばそれを知るきっかけはRollins Bandだし…)。他にも繋がりはたくさんありますよね、例えばJimmy Eat Worldはこのバンドより先に聴いていたのですが、調べれば自然とDrive Like Jehuに繋がっていてUSの音楽面白いな〜とか思いました。ちなみに彼らのアルバムは2枚ともCDとLP両方で所持していますので、気分に合わせて聴く手段を変えつつ長年愛聴しています。

https://open.spotify.com/track/0rcBONdvQcvSHARoEVbfSO?si=8MPgfDZ8Tlu90NFeWIZl0g

 


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黒豹といってパッと思いつくのはポール・シュレイダー監督作『キャット・ピープル』(ロバート・ワイズ監督の『キャット・ピープルの呪い』より先に観たのでリメイク版の方が思い入れが強いです)、横山光輝『バビル2世』、Roxy Music『For Your Plesaure』でしたが、2018年になってマーベル映画『ブラック・パンサー』というツワモノが新たにわたしの脳内へ追加でインプットされました。さてRoxy Musicですが、バンドの2作目にしてBrian Eno在籍ラストアルバムとなった本作は彼らの濃いキャリアの中でも1stのセルフタイトル作、スタジオアルバムラスト作の『Avalon』と並ぶ最重要作だと認識しています。特に2ndの頃はグラムロック色が強く耽美な匂いが感じられて良いです。Roxy Musicはアートロック、などとよく言われますがこれは生粋のアートではなく"下心のあるアート(例えばお金のため、女にモテる手段としてのアート)"であり個人的にはそういう下世話な雰囲気が奥底に漂う感じも好きだったりします。あとこれは本当に余計な一言になりますが、Bryan Ferry(岡崎京子的に言えばフェリーおじさん)は床上手っぽいイメージあります。

https://open.spotify.com/track/0shPL30nWzEkJzPZ2Anb2m?si=pQUmvzN2TUWTTS6bZLr_SQ

 

 

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カレーを待つ間にKula Shaker『K』で瞑想。ちゃんと音源を買ったのは次作『Peasants,Pigs and Astronauts』からですが、この1stは中学時代地元のレンタル屋で借りて聴きまくってました。カレーパウダーをまぶした程度の異文化的味付けなんてなくてもロックとしてめちゃくちゃしっかりした作品だしカッコ良いと思うのですが、この作品を語る際"インド"の事しか話題に登らないのでちょっと不満です。2007年の復活後からは聴いていませんが、ぼちぼち聴いてみようかなとか思う今日この頃。

https://open.spotify.com/track/00fJ7w7yVcBSdMvzV0cS41?si=Y8eu6AloRrCPFbemJdB_wg

 


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シェイプ・オブ・ウォーター』といえば劇中で使用されるマデリン・ペルーの「La Javanaise」が印象的でした。…てか劇中で流れるって予告編で知っていたので観に行ったのですが。2004年発表の2nd『Careless Love』発売時、ミュージックマガジンか何かで彼女の音楽についての記事を読み興味を持ったのが最初の出会い、以来新作に至るまでずっと聴き続けています。彼女のサウンドは定型的なジャズ・ボーカルものよりもっとポップミュージックに寄せた感じで親しみやすく、特に3枚目にあたるこのアルバムが好きで1曲目「I'm a right」なんか幾度となく聴き返しました。このアルバムに対しての畠山美由紀さんのコメントに頷くばかりです。

https://open.spotify.com/track/07Me6R6puW6o0Q6JD6Mc9S?si=K2NPBwJjSnq4K5Px-eQxrg

 

 

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90年代の英国の空気を伝えてくれたバンドといえばOasisRadioheadを始め数多く存在しますが、そのなかでもわたしは断然Blur派でした、だってグレアムカッコいいじゃんね。それにしても『Modern Life Is Rubbish』の頃のデーモンの声若い、そして音もUK伝統捻くれポップしてていい感じだし少し背伸びしてオルタナぶってる感じも好きです。「Blue Jeans」とか最高でしょ。ちなみにわたしの初Blurはセルフタイトル作の5枚目(当時ダウンタウンが司会をしていた『HEY! HEY! HEY!』の洋楽チャートでも「Beetlebum」流れまくってた覚えがあります)、アルバムとしてはやっぱり『Parklife』が1番良い感じかなと思います。The Kinks・Faces・Stackridge・XTCThe Jam・Plupらと共にBlurは"生粋の英国音楽"として並べてCD棚に収納、英国魂はいつまでも滅びません。

https://open.spotify.com/track/3UFAFyRvZ4gFORAoI1pFWQ?si=nAUgRTQ-QsWi2wbmXqt5Hw

 

 

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2度目の登場The Cribs。前述ですがわたしはこのアルバムを心底愛しております。何度聴いても冒頭3曲(「Our Bovine Public」「Girls Like Mystery」「Men's Need」)が無敵すぎてヤバい2007年作。2015年8月6日の渋谷クラブクアトロ以来この3兄弟のライブを観に行ってないのでそろそろクリブスパワーを補充しに行きたいです。

https://open.spotify.com/track/3q7hjtuboa3sXpfsPZL54n?si=6dFYRSndQaCfscmh8UndZQ

 


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観た映画の日本版サブタイトルが"愛の詩(うた)"だったので急に思い出して聴きました。まあ漢字違いですが…。YEN TOWN BAND懐かしいですね、『スワロウテイル』はビデオをレンタルして当時観ました(観たのはその時一回きりです。ちゃんと巻き戻して返却しました)。YEN TOWN BANDというよりはCharaが好きで聴いていました。小林武史プロデュース作品だと小泉今日子の「My Sweet Home」とかMy Little Loverの「Animal Life」、綾瀬はるかの「ピリオド」なんかが大好きです。Charaについては後にコメントしますが、この方の作品は1stからずっと聴いています(Mean Machineなんてとても懐かしい存在を思い出してみたり)。

https://open.spotify.com/track/1Jc28LWwi8UU59G3G826BF?si=LGpUNawdSfOPTuvmbBw9mg

 


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2010年代のドリームポップを振り返った際、我々の脳裏にキラキラとした思い出と共に浮かび上がるCraft Spellsという宝石の名前。個人的にこの頃はCaptured Tracksからリリースされる個性的なアーティスト達に夢中になっていた時期でありまして、代表的なのはMac DeMarcoやDIIVなどですがCraft Spellsがリリースしたカラフルなジャケットとドリーミーなサウンドが印象的な永遠の名盤1st『Idle Labor』にも当時夢中になりました。

最近めっきり新作アルバムのリリースから遠のき寂しい限りなので(早く新作アルバムを!)、昨年リイシューされたLPをゲットしてたまに盤に針を落としております。

https://open.spotify.com/track/3pU17vA0jCRPyeroZtbZCU?si=O05yheDESgOJ08pzDYdIng

 


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この人が自殺した、というのを当時何で知ったかすっかり忘れてしまいました。確かクロスビート誌の記事を読んだとかだったと思いますが、記憶が曖昧で定かではないです。その記事が載っているクロスビート手元に残ってるかな、と今回探しましたが発見できず(こんなの買ってたっけ?っていう'90年代のレコードコレクターズやDOLLやQuick Japan、2000年代前半のCookie Scene、2000年代後半のremixやindies issueなどは封印された押入れから大量に見つかりましたが…)。とにかくその時「ああ、この人は死んでしまったのか」と何故か冷静に受け止めたのを覚えています。彼の新作が聴けなくなって早15年、それからはただ静かに彼が遺してくれた素晴らしい歌の数々を時折聴き返す日々を送っています。

https://open.spotify.com/track/5AMrnF761nziCWUfjBgRUI?si=W28mcrf_SXOjZG750I3FIw

 

 

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今や神格化され崇め奉られている感があるSunn O)))、只事じゃなかった『White1』『White2』を経由し、世間的にも徐々に知名度を上げていたこのバンドを初めてわたしの体内に取り入れたのは写真の『Black One』でした。当時よく行っていた(今はもう閉店してしまった)メタルに強い中古CD屋の店長さんから「Earth好きでしょ?てかサバス(もちろんBlack Sabbathのコトだ)好きでしょ?だったら聴いた方がいい」とSunn O)))をオススメされてこのアルバムを聴いたのがファーストインパクト。そこから過去作を全て集め2009年の『Monoliths & Dimensions』で完全に神化決定、セカンドインパクトの完了です。更なる信者を増やすためにも、もちろんわたしの欲求を満たす為にも新しく産まれる"『Kannon』の更なる先"を早く聴きたいものです。

https://open.spotify.com/track/4nEOyn7F1Zdzh56jPp3eoO?si=BM6e_IUYQJOA1np1LgAYRg

 


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ワタリウム美術館で開催していた『Mike Kelley展』凄く良かったです。時間があまりなくて駆け足で観る事になってしまいましたが、それでも大満足です。Destroy All Monstersの輸入本作品集よく見返すんですが、メンバーではCary Lorenの作品が好きです(CDで最初に買ったのは地下ライブハウスに蠢く怪しい空気が充満した1996年作『Silver Wedding Anniversary』)。そんなわけでMike Kelleyの代表作"ぬいぐるみシリーズ"をジャケにした『Dirty』、『GOO』と並ぶメジャー時代の代表作です。Sonic Youthは世界一好きなバンドなので、語り出すと3日も4日も喋り続けてしまいそうですが、とりあえず後に出てくる写真の際に詳しくコメントします。

https://open.spotify.com/track/6q03mlzKsM1m3TLpi6T6Cw?si=8L2XAfx5TU2wVRQ2sLHW-w

 


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『Before and After Science』、いつ見ても秀逸なタイトルだと思います。"イーノ以前(Before)"と"イーノ以後(After)"で世界的に音楽の見方が変わってしまったのはもう遠い昔(もちろんそれ以前にTerry RileyやLa Monte Youngなどという先駆者が道を切り開いた事や、クラウトロック勢という同時代の強烈な存在がいてこそですが)。わたしが音楽を意識して聴くようになった頃には既に"イーノ以後"が当たり前過ぎるくらい浸透していましたが、70年代後半から80年代前半に発表された一連の作品を聴くたび「当時は衝撃的だったんだろうなぁ」とか生意気に思ってました。まあ長々とそんな事言っといてなんですがアルバムとしてはアンビエント全盛期の頃よりもロック色が強い『Taking Tiger Mountain』やアンビエント前夜的雰囲気の『Another Green World』等の方が断然好みです。

https://open.spotify.com/track/4AHCh0JCCzPYsvRCUFdru3?si=uEoeb2iZRLmd2zD7dI-5zw

 

 

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というわけで『Another Green World』、1975年作です。「St Elmo's Fire」とかいつ聴いても最高だと思います。ロキシー脱退後2年でこの世界に到達するイーノの頭の中を覗いてみたいものです。ちなみに今年の夏は『Another Green World』ジャケのTシャツをヘビロテ着用しておりました。

https://open.spotify.com/track/41RiTUEXw8uoCtLd8pcHVy?si=Yea_g51YQ5mmYeO-7SGLFA

 


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ポムポムプリンカフェで『pom pom』を聴く…まあアルバムタイトルの読みは『ポンポン』なんですが気にしません。あと写真撮影中店内にワンサカいる若い女性にジロジロ見られましたがそんなもん屁とも思いません。

2017年作の『Dedicated to Bobby Jameson』が大層好きなので気がつけばいつも「Time to Meet Your God〜♪」と口ずさんでしまうわたしですが、やはりAriel PinkはHaunted Graffiti名義でリリースした2010年作『Before Today』が現状1番最高なアルバムだと思います。その翌年、2011年1月に4ADのイベントでDeerhunter/Blonde Redheadと共に来日した際のライブが大変素晴らしかったので、ギンギラギンに輝く衣装を着てヘンテコなポップソングを歌う彼をここ日本でまた観たいと切に願うのです。

https://open.spotify.com/track/0PF4cbrLPZsteUM79VGKGE?si=_zccXt1dSzGSB_WrPUGT8g

 


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2017年の『Life Without Sound』では景色に色がつきましたが、こちらはまだジャケットの景色がモノクロに染まったままの2012年作『Attack On Memory』です。モノクロだからって2017年作に劣るなんてことはなく、むしろ「Stay Useless」や一撃必殺の「Wasted Days」が収録されたこのアルバムがこのバンドの最高傑作だとわたしは思っていますし、勢いで2010年代ベストアルバムのトップ3に入っちゃうとか言ってしまってもいいくらい。この7年間何度この8曲を再生したか…。この年にフジロックへ出演した際ホワイトステージでの演奏を観ましたが、「え?もう終わり??」って拍子抜けするくらいあっという間に突き抜けていったライブでした。

https://open.spotify.com/track/3f1tVKokBYEzWoxN3tucSf?si=WC113o1PQeenoW1Mu6XB3A

 

 

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"激安の殿堂 ドン・キホーテ"アカウントの中の人も好きな事で有名(?)な「Dreams Burn Down」。でも実はわたしRideは『Nowhere』と『Tarantula』くらいしか聴いていなくて、Slowdiveにいたっては2017年のセルフタイトル作しか聴いていないしSwervedriverに至っては全て未聴なシューゲイザーにわかなんですドン・キホーテの中の人ごめんなさい(?)。ただの言い訳ですけどシューゲイザーって言われているバンド群の音割と好きだしThe Radio Dept.とか大好きだしThe Jesus and Mary Chainなんかはちゃんと聴いてるんですけどね…。サブスクリプションを使用し始めてからやっとシューゲイザー関連ボチボチ聴き出したので、これから色々攻めていこうと姿勢を改めています。ちなみにこのアルバム収録の「Paralysed」という曲が好きです。

https://open.spotify.com/track/1mIbZj0uHmRDQKQcZRRikL?si=JmiRgCl3Q4SzJ1c3VUU_tA

 


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2015年の年間ベストシングル。漫画やアニメ自体にそこまでハマってはいませんでしたが(でも漫画は最終巻までちゃんと読んでます)、この曲が良すぎてOP目当てでアニメ視聴してました。ROUND TABLEの北川勝利さんが近年が関わっている作品は全てハズレなし無双状態って感じです。『たまこまーけっと』のOP曲なんか最高だし、花澤香菜さんのアルバム『Blue Avenue』や『Opportunity』なんかかなりの愛聴盤、今でもCD棚最前列です。

 


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スペースシャワーTVサニーデイ・サービスホフ・ディランがメインパーソナリティーを務めていた番組内にて中村一義が好きなアルバムの事を語る『喫茶ひぐらし』という1コーナーがありまして、当時毎回それをビデオに録画していたのですがその中でJoe CockerやTodd Rundgrenと共に中村くんが紹介していたのがNeil Youngの『After The Goldrush』でした。このアルバムを聴くとなんとなく外に出たくなりますし、旅行をしてる最中(とくに移動中)なんかよくこのアルバムを聴いてしまいます。Neil Youngには良いアルバムがたくさんあるのでどれかひとつを選ぶのが難しいですが個人的にはこのアルバムと『Prairie Wind』が他を圧倒して好き、次いで『On The Beach』、『Tonight's the Night』、『Zuma』、『Re・ac・tor』、『Weld』、『Broken Arrow』(まずタイトルが最高ですよね、Buffalo Springfield大好きです)、『Greendale』あたりは常によく聴いています。

https://open.spotify.com/track/2anPa0qaFG1Nf0swkpfOQd?si=0pFx82FCQnG2Vq3gecti6Q

 

 

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音楽に全く興味のない友達にわたしの好きな音楽を紹介するという、こちらにとっては地獄のようなイベントが今まで幾度か発生しましたが、過去の遺産を現代にアップデートさせたご機嫌なR&Rサウンドが詰まったKitty,Daisy & Lewisの1stは今のところ紹介した全ての人が「これはいい!」と言ってくれた必勝必中"勝率100%"の音楽作品です。次作『Smoking in Heaven』も素敵ですがやっぱ1stのゴキゲンっぷりには敵いません。

https://open.spotify.com/track/2cDoENwtGO4C4U70C7Bw74?si=BtayXSDVRxmUqqXNRCBgwA

 

 

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Yo La Tengo史上最高にゆるい名曲「You Can Have It All」が収録された2000年発表の人気作。ヨラで1枚選ぶなら2009年の『Popular Songs』ですし1曲選ぶなら同じく2009年の「And the Glitter is Gone」(Pitchforkが当時公開したこの曲のライブ映像でのアイラ・カプランのギタープレイが凄すぎます)ですが、2番目に好きなのはこのアルバム、そして2番目に好きな曲も当然この曲です。Jonathan Richmanを始祖としてR.E.M.やThe Feelies、Galaxie 500など所謂USカレッジチャートに好まれる素敵なバンドはたくさんおりますが、その中でもYo La Tengoは一際"リスナーと同じ目線で音楽に接している"感じが前面に出ていてそういうところホント好きです。どうでもいい話ですが2014年5月のEX-THEATERでのYo La Tengoライブ中、当時付き合っていた彼女とケンカしてめちゃくちゃ気まずいまま終演まで観ましたそういうのはもう勘弁です。

https://open.spotify.com/track/4GrfClvQgCVLsCfqw7YthQ?si=O9aE4BP_S1aewjLuGa2D4Q

 


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Dovesアルバム出さないな〜とか思ってたら"いつの間にか活動してなかったっぽい"っていうのをDoves復活のニュース見て初めて知った情弱野郎です。このアルバムが発売された2002年は今でもよく聴くアルバムが沢山出た年で、その中でもこれは"わたしの青春の1枚"みたいな扱いで聴くたび発売当時の様々な思い出が蘇ります。後のアーティストに影響を与えた訳ではないし、今聴くと懐メロっぽく感じちゃうしアルバムリリースから遠のけばリスナーの記憶の奥底へ沈んでいってしまいそうなくらいの作品強度ですが、それでもDovesが名バンドだと思うのは単にわたしの思い出補正なのでしょうか…そうではないと良いのですが。それはそうとDoves復活めでたいですね!『Some Cities』や『Kingdom of Rust』も良い作品だったし、懐かしライブだけじゃなくて新作録音も望みます。

https://open.spotify.com/track/2wzTHuw8nhFSXUU27x0PFa?si=pw_l47weTGGOZwWZquBP0Q

 


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この時期の所謂UKポストパンク勢は今聴いても刺激的なものが多いですね。わたしがポストパンクと言われるものの中でもっとも好きなバンドはKilling Jokeですが、他にも混沌とした音がカッコいいThe Pop Group、音楽のルールから逸脱した自由さが心地よいThe Slits、ジャンルはおろか"音楽"そのものを破壊した後再構成したPIL(ジョン・ライドンはアイデアの天才だと思いますが少し痩せた方がいいっすね)などなどブッとんだバンドが盛りだくさん。アンディ・ギルの鋼のギターが作り出す"鳴り"と"鳴り"の間にある空白時間を活かし、無音状態ですらひとつの表現とした鋭利な音楽を轟かすGang Of Fourもポストパンクを代表するバンドのひとつで、このアルバムが後の世に与えた影響たるや数え上げればキリがありませんしもちろんわたしも初聴時目からウロコの衝撃でありました。

https://open.spotify.com/track/16AsVgSbfSz9pXCoLrmLi2?si=_J2LoDF0S92UnmESNCfS7g

 


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わたしが高校1年生だった1998年、当時よく行っていた中古レコード屋さんの店長に「凄いアルバムが出たから聴いてみて」と言われ出会ったのがTortoiseの『TNT』。音響派など全く知らなかったわたしは物凄い衝撃を受け、それ以降関連性のあるバンド群、例えばBastroやisotope 217°、Shrimp Boat、CoctailsやSlintやGastr del Sol、Joan Of Arcを経由し、果ては日本のGREAT3まで辿り着きバイト代の全てをそれらに充て聴き漁るようになるわけですがその最中に出会ったのがThe Sea and Cakeの1994年に発表した1stでした。1曲目「Jacking the Ball」のポップに跳ねる感じが春っぽくて好きです。アルバムとしてはこれがベストではなく、『Nassau』か『Oui』もしくは『Everybody』あたりが好みです。それにしても2018年3月ラストの日はよく晴れていました。

https://open.spotify.com/track/7bnjTKi8Vi8DBMATQuMfFW?si=5H81T_DtQsWpJHermOwJHg

 

 

4月

"春に似合いそうな音楽"をセレクトして散歩したり奥飛騨でキャンプしたり…ようやく巡ってきた春という季節を満喫した4月です。

 

 

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Arcade Fire、Broken Social Sceneとならぶ"カナダインディーバンド御三家"の星ことStars。キラキラっぷりが眩しい『Set Yourself on Fire』は今でもたまに聞きます。このバンドがArts & Craftsに所属していた頃の音源はものすごく好きです(近年の作品も聴いてはいますがそこまで思い入れがないです)。桜を見つつ「Set Yourself on Fire」を聴きつつ散歩なんて最高の贅沢、足取りも弾むってもんです。

https://open.spotify.com/track/2MzYhD8xByErqgsJdsVLKG?si=i_2MvUXlQfixDVe5SXsZoA

 

 

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オーストラリアといえばコアラ、カンガルーそしてCourtney Barnettと言われていますが(わたしが勝手に言ってるだけです)、昨年発表された新作の『Tell Me How You Really Feel』もだいぶ良かったけど写真の『Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit』と比べてしまって2018年の年間ベストには入りませんでした。この人音楽もルックスもキュートでいいですね、コアラと同じくらいキュートです。そしてこの人の音楽には弾む躍動感も感じます、カンガルーが跳ねる躍動感と似てると思います。

https://open.spotify.com/track/3iNrj3kJyuZDtCRgftCwZg?si=Iz_PWIEYS9qZ88cwhgYFDA

 


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今から9年前の7月31日、トライセラトップスDirty Projectors→Moriarty→Kitty,Daisy & Lewis→John Fogerty→Fishboneと観て、その日最後にして最大のお目当だったDerek Trucks & Susan Tedeschi Bandのライブ直前に降り出したクソみたいな豪雨のせいでフィールドオブヘブンまでの道のりを諦めざるを得なかったフジロック2日目は本当に悔しかった(そのかわりグリーンステージでRoxy Musicを観ました)。うちのじいさんが亡くなった際お経をあげてくれた坊さんがこのバンド大好きマンだったり、かろうじて1人だけいる地元の音楽友達もこのバンドのファンだったりとわたしの周りではやたらと評価が高いThe Derek Trucks Band。わたしはこのアルバムから入ったのですが、この人の艶っぽいギターの音色にハートを鷲掴みされました。

https://open.spotify.com/track/6RMhGW31lycj4UqKsLIJyr?si=qPV0T1gtRxSWPLVGwe_EkQ

 


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『American Don』の1曲目「Fire Back About Your New Baby's Sex」、なんと熱量の高い軽やかな音楽でしょうか。Red Crayola『Soldier Talk』あたりの音を更に研ぎ澄まし大進化させた硬質な"ポストハードコアとポストロック(マスロックという呼称は使わないでおきます)の偉大なる接点"、音楽を愛する全人類に向けて名門Touch and Goから放たれた2000年の大名作。もはや説明不要なこのアルバム、4年前に知人へ貸してから返却してもらってないので手元にありません。まあDon Caballeroはこの1枚だけが突出しているわけではないし散々聴いたので持ってなくてもいいかな〜とか思いませんホント返してください。ちなみに誇張でもなんでもなく、このアルバムがわたしの"オールタイムベストアルバムジャケット"です。これより美しいアルバムジャケットをわたしは知りません。

https://open.spotify.com/track/6If143a0W35DyR9pVQTTJP?si=hu0xd7joSUGRUff_CGTaYw

 

 

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Real Estateは春の季語、と申しますように(わたしが勝手に言ってるだけです)春といったらこのバンドです。彼らほど柔らかな陽光が似合うバンドはないと思います。ディスコグラフィーの全てが心地よい微睡みに包まれていますが、中でも『Atlas』はオールタイムベストに組み込むくらいの愛聴盤、もうホント永遠に聴いてられますしもしかしたら2010年代ベストアルバムの1位はこれかもしれません…なんかだんだんわたしにとってはこれ以外はあり得ないんじゃないかと思ってきました。"(興味のありなしは別として)Carpentersを嫌いな人はいない"という都市伝説が昔からありますが、現代でいうとそれに該当するのはReal Estateではないかと思うのですがどうでしょうか。

https://open.spotify.com/track/0ZwlxoHAnvkCRjsOrHAleU?si=1z8Bk_saSB6xn9EiaaEWcA

 


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泣きのパワーポップ名バンドGigolo Aunts。あぁなんと素晴らしい曲達なんでしょう。パワーポップで1枚選べと言われたらわたしは『Flippin' Out』を差し出します。聴いてるアルバムは『Full-On Bloom』〜『Flippin' Out』間のコンピレーション盤ですのでオリジナルアルバムではありませんが、キャリアが長くて良作が多いバンドこそ代表曲が多数収録されているベストやコンピ盤を好んで聴く傾向にあります。Gigolo Auntsを聴きながら桜並木の下を歩く…これぞ春の醍醐味です。

https://open.spotify.com/track/6SIxtp8xHmS4AfTRShRRyp?si=ynsHRCJMT6ejBvToeNqfnw

 


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Yumi Zouma(もう慣れましたが変なバンド名だと思います)が2015年にリリースした最初のEP集。ちょうど"まもなく春"といった頃合いに発売されたこともあり、当時何度も何度も繰り返し聴き惚れていました。なのでこのバンドは春のイメージがわたしの中で定着しています。初来日公演のチケットも確保していましたが、急な仕事が入りあえなく断念……つらい。でもチケットを譲った友達が満足してくれたようで結果オーライです……なんなら一緒に観たかった、やっぱりつらい。

https://open.spotify.com/track/2Nl6qq37C0bWswqeGZ73w3?si=urs69MeXQOq9Pe7zhJ-tqA

 

 

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Jaga Jazzistといえば各方面から大絶賛され、代表曲「Oslo Skyline」や「All I Know Is Tonight」を収録したブレイク作『What We Must』が有名だし実際このアルバムが一番だと思いますが、2010年の『One-Armed Bandit』だって捨てたもんじゃありません。特に1曲目「The Thing Introduces…」の比類なき格好良さと軽やかさは鳥肌モノです。以前大雨の中Jaga Jazzistのライブを観ましたが、圧倒的な技量とパワフルな演奏、そして恍惚とする祝祭感で雨など忘れて踊り狂ったのを昨日のことのように思い出します。

https://youtu.be/HVIFUQV20NM

 


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残念ながら2005年に解散してしまいましたが、英グラスゴー出身のなかでは今でもトップクラスに好きなバンドThe Delgados。確かこのアルバムはミュージックマガジン誌2002年の年間ベスト【イギリス編】で2位という物凄い高評価を得ていました。最初に聴いたのは2000年作の『The Great Eastern』でその時点ではそこまで印象に残らなかったのですが、『Hate』のただひたすらに美しい音像にはさすがに仰け反りました。どのような状況で聴いても最高なのは変わりありませんが、せめて「The Light Before We Land」くらいは出来る限りの大音響で聴くべきです。

https://open.spotify.com/track/3Q1Zu7mgNHxHsLc5YhoC2d?si=lw6NQcUGRG2Az4wD7wLkxw

 

 

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これから観ようとしている映画とあまりにも関連性がなさすぎてビックリしますが、その時ちょうど聴いてただけで深い意味は全くないので勘弁してください。さてこちらは2000年代のインディーギターポップバンドのなかでもトップクラスに好きなCamera Obscuraの名作2nd。もうジャケの時点で満点といった感じです。次作にあたる2006年発売の『Let's Get Out of This Country』と共に"わたしのギタポ名盤ベストセレクション"に長年ランクインし続けています。それにしてもステキなバンドを量産するグラスゴーという街には何か魔力のようなものが宿っているのでしょうか。

https://open.spotify.com/track/2YDmCSVs46QrhD2sqYGGqx?si=McvVPheETC6MzZRjs_5DJQ

 

 

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2005年のフジロックホワイトステージトリ、直前まで降っていた雷雨と"アルバム曲の再現"という観客の大きな期待を見事に蹴散らした全盛期のThe Mars Volta後という考えうる限り最悪の条件の中スタートしたSigur Rósのライブは、結果わたしが生涯観たライブの中ではベストのひとつに数えられるくらい素晴らしいものでした(ちなみに生涯ベストライブはCongotronics vs Rockersです)。客の半分くらいは寝てるんじゃないかと思うくらい心地よい音楽、ライブの最後「Popplagið」演奏後半の一連のシーン、降りる幕、響くヨンシーの声、一瞬の静寂、そして始まる映像の炸裂、強烈に美しい轟音、わたしの脳内に猛烈に沸き起こる感動、周囲には泣いてる人達、鳴り止まぬ拍手。そのライブからしばらくして発売されたのが本作なので、前作までのアルバムと比較されたメディアの評価なんぞ関係なく聴き狂い心惹かれるのは当然なのです。

https://open.spotify.com/track/1JfyhapKDVF6e6U5HXn3Fd?si=XX6ogw9ATz-rexBRu-qSGA

 


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早起きして車を走らせた自分へのご褒美、朝霧けぶる春の日本海を眺めながらThe Avalanchesの「Since I Left You」を聴くという贅沢な時間。今や2000年代を代表する1枚といえるこのアルバム、発売の翌年くらいから海外メディアをはじめ各種媒体でかなり話題になってて、「Frontier Psychiatrist」のMVがCSの音楽番組で流れてたのを見てわたしも購入しました。それから永遠とも思える年月が経ち……待てど暮らせどリリースされない2ndアルバムへの熱望とモヤモヤする気持ちは誰しも経験したハズです。で結局待望の2016年作2nd『Wildflower』がリリースされたのにも関わらず何故か『Since I Left You』ばかり聴いてしまう謎の現象は世界七不思議のひとつに数えられています…この謎、原因ははっきりとしているのですが明言しないほうが身のためかもしれません世の中には知らなくても良いことがあるのです。

https://open.spotify.com/track/693R4N3d57wZcUXgsuSj1i?si=Iy7OepO7S8mP0wwBNlnbHA

 


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2度目の登場Pink Floyd。黄金期へ向かう直前の『A Saucerful Of Secrets』から『Ummagumma』といった作品をリリースしていた時期、わたし大好きです。Syd Barrettが在籍した歴史的1stアルバムと『Atom Heart Mother』という偉大なる5thアルバムの間に挟まれた一般的には目立たない印象のアルバム群ですが、(シドのお陰で)狂いまくった1stやプログレッシブとしての様式や型に収まった後の名作たちとは違い"フワッフワで変幻自在な形態"と"試行錯誤を繰り返し前に進もうと頑張ってる感"がなんとも人間くさくて好印象、以前はそうでもなかったですが今となってはこの時期の作品群を1番聴きます。あとPink FloydとかYESとかのプログレ王者って何が凄いのかを色々考えたんですけど、例えばSoft MachineやFaustやAmon DüülやAsh Ra TempelやCOSやGongやMagmaやGuru Guruなどシーンが細分化されていくにしたがって増えていった異端児たち(ここら辺のバンドわたし大好きです)を尻目に"常にプログレの王道で居続けた"ってとこだと思うんですよね。ど真ん中の王者がドーンとそびえ立っているからこそ個性的な脇が輝く、どんなジャンルでもこれが理想だとわたしは思います(これはKISSやAerosmithなんかの"一般的な知名度と売り上げ枚数が比例していて、あまりに定型的故に音楽ファンから揶揄されがち"な他のアーティストにも言える事です)。

https://open.spotify.com/track/4YJ1sPlEa0nSUVzsLlZ7Zz?si=X2WRXKRqTGqX5PDfaTE4fg

 

 

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キャンプの夜、ほろ酔い加減のわたし、ちょっと肌寒い気候、山の澄んだ空気を吸い込みながら「ナイトクルージング」を聴く…これ実行してみたら予想以上に気持ちよかったので今年もやります。あと夏の蒸し暑い夜に「Magic Love」を聴きながら自販機へジュースを買いに行くみたいなのも気持ちよさそうなので今年やります。状況別Fishmansは色々考えられるので今年やります。

https://open.spotify.com/track/36Thm3dOVuCR4SFyzwJioN?si=qTH2TYTeQhiUt4MaY4m0_A

 

 

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「I Bet You Look Good on the Dancefloor」でドカーンとシーンに登場した時はまだまだうぶなホッペの赤い(わりに曲がむちゃくちゃカッコいい)少年たちだったのに今やヒゲのオールバックですからね、彼らもわたしも歳食ったなぁと思います。正直なところこのバンドあまり興味が持てずにいたのですが数年前にようやく格好良さに気付きました遅くてごめんなさい。このアルバム、中盤から後半にかけて顕著になるバンド独自の切なげなメロディーを持つ曲がとても好みでつい「Mardy Bum」「Riot Van」「A Certain Romance」ばかりリピートしてしまいます今まで良さを見出す事が出来ず重ね重ねごめんなさい。夕日を眺めながら「When the Sun Goes Down」を聴いて"春の週末"に終わりの時間が訪れました。

https://open.spotify.com/track/2zzLRQ78kKfPTx8FJQCdC2?si=4B2klz_iRkOa82cKOjRmuA

 


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もちろんテレビシリーズは1期も2期も毎週見てたし、劇場版しかも大好きな鎧塚さん主役と聞けば期待しないわけがないのですが本作は想像以上の衝撃を各方面に与えたのでした。今思い出しても切なさで胸が潰れそうです…彼女たちの未来が明るいものでありますように。ところで曲にたいしてですが、1期ならOP曲「Dream Solister」の方が好きですし、ED曲でいうなら2期のビジュアルの方が好きです。アニメの主題歌とかに関しては色々小難しい事考えず純粋に作品とセットで楽しんでおります。

 

 

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1st『Homework』の時点で歴史に名が残るグループになることが決定していたDaft Punkが放った決定打。『Discovery』はちょうど高校卒業間近にリリースされたので、実質高校時代最後に買ったアルバムになりました。「One More Time」なんてクラシックを通り越してもはや21世紀のスタンダードナンバーですね。あと売れまくった作品の宿命として"ブックオフ500円棚の定番"としても有名で、ほんと新品で買った奴の気持ちも少しは考えろよって感じです。Daft Punkを筆頭にAIRTahiti 80Phoenixなど当時から活動しているフランス産バンドで今も好きなものは多いですがあまり話題に上がらないものだとmellowとか好きでした。あとこれは余談ですが今回のこの記事、ハウスやテクノを始めとして所謂ダンスミュージック系がほとんど登場しないのは、そのジャンルが嫌いだからではなく"iPodにはハウスやテクノ、エレクトロニカなどを極力入れない"という当時わたしが設定した謎のマイルールのせいです。

https://open.spotify.com/track/0DiWol3AO6WpXZgp0goxAV?si=lsdnT-RJS72I_DzcDaAMXg

 


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The Stoogesでの活動にてわたしのハートを撃ち抜いたIggy Pop、ソロも名作揃いだと思ってます。最初に聴いたのは『Ameriacn Caesar』、何故か有名盤ほど聴くのを拒むひねくれ者のわたしは「The Passenger」が収録されている『Lust for Life』なんて頑なに聴くのを後回しにしてましたが自分本当にバカだったなぁと思うばかりです。なんてことを言ってますがIggy Popディスコグラフィーで自分の好み的に選ぶなら1990年の『Brick By Brick』かポスト・ハードコア的緊張感が充満した2001年作の『Beat 'Em Up』かな。『Beat 'Em UP』あまり人気ないみたいでわたしションボリです。良いと思うんだけどなぁ…。

https://open.spotify.com/track/0KU5dtAQvJ81f67Sx1bKx6?si=6okvt_icRb2_vfXiw56KrQ

 

 

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ホントこれだけは声を大にして言いたいんですけど、Sufjan Stevensマジで"アメリカ51州"シリーズ再開してくれ〜たのむ〜って感じです。確かに彼の最高傑作は『The Age of Adz』だと思うし『君の名前で僕を呼んで』のサントラで一般層までをも虜にしたし『Carrie & Lowell』もよいアルバムだったし個人的には『The BQE』が堪らなく好きだったりで過去のポシャった計画など振り返る必要なんてない事は承知の上なんですけど、それでも"もしかしたら存在したかもしれない"49枚の音楽を想像するとワクワクするしもしそれが現実に存在するならそれは何よりも素敵な事だろうな、とわたしは夢想するのです。

https://open.spotify.com/track/4D0R0cPruef7gbtp91aFVT?si=sAonfTgJS4iBE2M6yHPnow

 

 

 

5月

ゴールデンウィークは全仕事で文句タラタラだったけど、京都の野外フェスいったり富山で『デザイン あ展』みたりなんだかんだ充実してる5月です。

 


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所謂"わたしを構成する9枚"のなかのひとつであり世界一有名な奇盤。ブルースを基盤に、入念な計画の元産み出された混沌の音楽。踏み込んではいけなかった音楽の暗部。世の中には"自己責任で聴いて欲しいアルバム"(例えばRobert AshleyがCRAMPSからリリースしたアルバムなどは聴いているとホントに気が狂いそうになるのでオススメはしませんが自己責任で是非…)というのが存在しますが、大げさに言えばわたしにとって『Trout Mask Replica』を"聴く""聴かない"がリスナー人生の大きな帰路だったように思います。結果的にその時わたしは大きく道を踏み誤ってしまったわけで、このアルバム体験以降アヴァンギャルド/エクスペリメンタル/ノイズ/現代音楽とどんどん深みにハマっていくのでした(もう戻れないぞ)。

https://youtu.be/r9lpLm7jwQY

 

 

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以前中古CD屋で偶然見つけて買ったサルヴァドール・ダリ『ゆでた隠元豆のある柔らかい構造、内乱の予感』をジャケにしたアルバム。聴いてみたらこれはなかなかの奇盤で、スラッシュメタルを軸にプログレっぽくコロコロ展開が変わる(ダリのシュルレアリスム全開っぷりに負けないくらいの)狂った個性をもったバンドでした。後々調べてみたらこれMetalica経由で聴いた人も多いみたいで割と有名な盤だったらしく、実際めちゃくちゃ良い&ブッとんだ内容だと思います。ですが曲単位で聴くと魅力が全く伝わらないので、曲単位がメイン視聴のサブスク時代に突入し安定した今となっては再評価も絶望的かと思います。あと音楽と全然関係ないですがダリ作『メイ・ウェストのリップ・ソファー』めちゃくちゃカッコ良いのでニトリとかで販売して欲しいですね。

https://open.spotify.com/track/2TWABYedHMdvQHDYQFfPqb?si=CI75GxKPTk6Zd-v9-wYXWw

 


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祝再来日!SLEEP、Sunn O)))と並んで現世最強の"重音三闘神(三闘神とはもちろんFF Ⅵに出てくるアレ、要はボス級クラスという意味。Mastodonを加えて四天王としても可だが少し毛色が違うか…)"の一角であるMelvins。もちろん重音三闘神とはわたしが勝手に言ってるだけですが、Kurt Cobainを始めとして数多くのミュージシャンから尊敬を集め続けている彼らは偉大中の偉大、神に近い存在であると思っています。2015年のHostess Club Weekenderにて重音を響かせつつスィースィーと素早い動きみせたBuzzに光GENJIの面影を見ました。人生初のホテル出待ちしてまで撮っていただいたツーショット写真は家宝にしております。やっぱり『Lysol』が最強盤かと思います。

https://open.spotify.com/track/09hctAvAEUpm7MKl1RBK2j?si=WnVf5FaOTpiPtwaonTae_A

 


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バンド名元ネタである柳町光男監督の映画より有名になった感のあるカナダ産重音ポストロック/ポストメタルバンドGY!BE。1999年のEPくらいまでは「Mogwaiと同じくらいヤバいバンドがいる」という噂が広まるも"謎の存在"というイメージがあまりに強く怖くて手に取れなかったのですが、2000年の『Lift Your Skinny Fists Like Antennas to Heaven』で世界的に大ブレイク、わたしもついに初体験を果たしたのです。音楽本編はもちろんですが、このアルバムのジャケット凄く好きです。彼らがアルバムをリリースしなかった空白の10年間でこのような形態のバンドがだいぶ一般的になりましたが、それでも"キャリア初期から変わらない孤高の表現"を上回る者がついぞ現れず、結果誰も追いつけない雲の上の存在として現在に至るまで君臨を続けておりわたしは戦慄を覚えます。

https://open.spotify.com/track/1HfJV18PHF2UQqh4TuySBJ?si=vHe3n6h9Rp6bbc0JSUdMGg

 

 

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マイベストハードコアディスク。うるっさい音楽を愛している人たちには避けて通ることができないバンドがいくつかありますが、Dischargeもそのうちのひとつで血気盛んな反抗期の学生時代なんかには夢中になるのも当然かと。それにしてもこのぶ厚くて歪んだ音塊は凄まじい…パンク/ハードコアで素晴らしいバンドは数多くいるとはいえ「全て跡形もなくブッとばす」みたいな勢いは当時にしても異様で突然変異みたいなバンドだったのでは、と思ってしまいます。メッセージ性の強い音楽って実はあまり好きじゃないのですが、CrassとかDischargeとかは力で押し切る感じが良いと思います。

https://open.spotify.com/track/3R1UrBSSV2eRMT2EM8SeCH?si=ImEi7FpbT32QBKt2bcdGaA

 


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正直Sérgio Mendesはほぼ聴きません。有名なBrasil  '66以外に何枚か聴いたくらいで、今は全く聴かないしCD棚のどこにしまってるかも定かでないです。しかも今回聴いていたのはオリジナルアルバムではなくリミックス的企画盤なので更に聴かないです(Erykah BaduATCQQ-Tipとかが参加してる)。ですが、この人の音楽との出会いをきっかけにA&M系(Roger NicholsCarpentersなど)の音楽に興味を持ち、そしてソフトロック全般(特にThe AssociationとHarpers Bizarre、The Free Designとの出会いはわたしにとってかなり重要でした)に興味が広がっていくのです。わたしにとって年代関係なく様々な音楽に興味を持つきっかけを作ってくれたのは間違いなくSérgio Mendesです。

https://open.spotify.com/track/6U7GUjtamt2P0LcFod1dBT?si=fPQMuxP3QeW22ipLNk8dLg

 


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2nd『When Young Terrorist Chase the Sun』発売時は同じオーストラリア出身のThe Avalanchesと同等の人気度だったのに、Gerlingは現在完全に忘れ去られた存在となっているのがとても悲しいです。CorneliusSonic YouthPavementに影響を受けたサウンドは今聴いてもカッコいいし楽しいのに、何故ここまで後の世に残らなかったのか不思議でなりませんが当時リアルタイムで聴いてた人はみんな絶対にこのバンドの事忘れてないハズです。

https://open.spotify.com/track/0LuIIKN8Dsj9TM6OfNQrfM?si=gUlJn5i6TtWG-qEtF9BVhw

 


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2度目の登場Iron & Wine。京都の山奥で聴く『Our Endless Numbered Days』は特別感が増しますね。前回登場時にはコメントしませんでしたが、Iron & Wine関連で1番好きなディスクはCalexicoとの共演盤『In the Reins』です。これに収録されているThe Rolling Stones「Wild Horses」カバーが究極に沁みます。寂しい夜にひとり聴くならこの曲です。

https://open.spotify.com/track/6a20J6YFMYUjUZ7WnuJYZu?si=oect6HqsTHSfKsNzsvC8Lw

 

 

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デザインあ』といえばCornelius。最もハマっていたのは『Fantasma』〜 嶺川貴子「Plush」くらいの時期ですが、それ以前や以後の作品も国内トップクラスに好きで、シングル/アルバム・国内盤/海外盤・CD/LP/カセット・Tシャツやツアーグッズ(保存用でも買っていたので未開封ダブりが結構あります。伝説の"マズい飴"とか怖くて開封できません)・書籍や掲載雑誌(惑星見学シリーズ何故か3冊ずつあったり、連載が掲載されていたrelax誌も定期購読してました)・コロムビアのポータブルレコードプレーヤーCorneliusモデル・幻の"nova musicha"シリーズも含め手に入れられるものは可能な限り集めてました。最近だとPIZZICATO FIVE「マジック・カーペット・ライド」のリミックスや攻殻機動隊ARISEの主題歌が特に好きです。あといつも思うんですが、『SENSUOUS』のジャケットデザインってエルズワース・ケリーのオマージュですよね??

https://open.spotify.com/track/5FWvsFbhSxoWnN8TICZVVf?si=Db8PrxxMQOW8AJQIpJ7UlQ

 


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2015年9月24日、キリスト品川協会グローリア・チャペルでのVashti Bunyanコンサート。しんと静まり返った会場内に優しく響く素朴なフォークミュージックは聖なる波動を宿しており、本当にここは日本なのか東京の一部なのかむしろここはもうあの世なのではなかろうかと感じるくらい俗世間からかけ離れた時間でした。あの時物販で買った(急に俗っぽい話になる)ポスター今も部屋に貼ってます。トートバックもいまだに現役です。その素晴らしいライブは『Heartleap』リリース後のツアーでしたが、作品としては奇跡の復活作『Lookaftering』が1番出来が良いと思います。

https://open.spotify.com/track/412H8QAegIcVhQ7pkrJuUy?si=YOqWIldQRGCae9K3xqkTqw

 


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島田虎之介さんの『東京命日』という"小津安二郎の墓参りをする人々"を描いた群像劇漫画があります。物語中の重要人物で「藪ケイト」というストリッパーのキャラクターが登場するんですが、島田虎之介さんKate Bush好きなのかな〜とか読むたび思います。さてそのKate Bush、わたしの世代的にはテレビ番組『恋のから騒ぎ』OP曲「Wuthering Heights」があまりに印象深すぎる感じがしますが、作品的には1980年の『Never for Ever』から1989年の『The Sensual World』あたりが特に素晴らしいと感じます。完璧主義ゆえ精神異常を疑われるほど作り込まれたこの頃の作品群は恐れを抱いてしまうほどの完成度で、まだ可愛いさがあった『The Kick Inside』とは程遠い次元にまで到達してるのが一聴してわかります。この人Daniel Lopatin(Oneohtrix Point Never)やArcaなどをはじめとした新世代エクスペリメンタルエレクトロ勢と相性良さそうな感じしますので、是非とも彼らプロデュースの元しばらくリリースされていない新作を録音してみては?と提案しておきます言うだけならタダなので。

https://open.spotify.com/track/7EovLg8qd6it8b2eM380o3?si=Y_nhfE-cRfabhtlvpdjLNw

 

 

 

6月

フラフラ出歩いたら予期せず面白い企画展に巡り合ったりずっと前から観たかった映画をようやく観れたり…梅雨の合間に出会いがあった6月です。

 

 

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『Want One』『Want Two』のDVD付き海外盤、リージョンコードが違うので未だに視聴できていません…なんでDVD付き日本盤出さなかったのでしょうか…という愚痴はさておき、このライブ盤は傑作だと思います。出来ればCDではなくDVDで体験するべきだと思いますが音源だけでも充分満足です。作品としては2007年作『Release the Stars』がポップで一番好き、逆に『All Days Are Night : Songs for Lulu』は息苦しくてほぼ聴き返しません。今年実現する1st/2nd再現ライブ、なんとかして行きたいものです。

https://open.spotify.com/track/6vhAKgZCKYS4HcY9FaLAIr?si=kAa9ChV9RkuHwo72ClciUA

 


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Jenny Lewisは2006年作『Rabit Fur Coat』が一番好きなんですが、聴いているのは次作『Acid Tongue』です。そもそもは彼女が所属していたRilo Kileyというバンドの大ファンだったのですが、バンド作には少し劣るとはいえソロ作もなかなかの出来だと思います。この頃のわたしはUSインディーに対して並々ならぬ熱意を抱えていた時期で、とにかく気になったものは手当たり次第購入していました。今考えると完全に病んでいた"音楽メンヘラ"だったと思います(今もその傾向はありますが…)。

https://open.spotify.com/track/59NMiaKGB20ehzQfJbkYVT?si=NkGsIOeASLCDznvmjl0ybg

 


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Manitoba、現在はDaphni名義でも作品をリリースしているDan SnaithことCaribouManitoba時代は完全にスルーしていたわたしが彼の作品を知ったのは2007年の『Andorra』で、たしかミュージックマガジンの輸入盤紹介ページで記事を読んだのがきっかけでした、たぶん。2010年の『Swim』は大層お気に入りなアルバムで、2012年フジロックホワイトステージでの「Odessa」「Sun」演奏時は狂ったように熱狂しました(2015年のHostess Club Weekenderでの演奏はフジに比べたらちょっとイマイチだったかなと思います)。

https://open.spotify.com/track/2zAA0TOLpjGu78O2lvWPam?si=ElRlp3yPQMKoEpuOi1vcLg

 


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今となってはお恥ずかしい話ですが、2013年の夏過ぎくらい、わたしがもっともTwitterに狂っていた頃"ツイキャス"というものをしていた時期があって、その時バックでEspers『Espers Ⅱ』を流した覚えがあります。中世の悲しい物語をイメージしてしまう時空を超えたこの淋しい音楽、セルゲイ・パラジャーノフの映画を観る前の雰囲気作りにはピッタリかなと思って聴いていました。メンバーのひとりであるMeg Bairdソロばかり何故か注目されますが(実際めちゃくちゃ良い作品リリースしてるんですが)、フリーフォーク云々ではなくEspers本体も最高です断言します。

https://open.spotify.com/track/35UAAsQ09EZCtYsaPYHnJ4?si=qBqwVbRjRrOJ5A3St4OYtw

 

 

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Rage Against the Machine、1997年頃TSUTAYAで無料配布されていた"洋楽名盤ディスクガイド"的な冊子に『Evil Empire』が選出されていたり1999年秋頃のHot-Dog PRESS"20世紀の名盤200枚"的な特集号に1stセルフタイトル作が選出されていたりと、その名声はよく目に/耳にしていたのですが実際初体験したのは1999年11月発売の『The Battle of Los Angeles』からでした。翌年発売されたカバー集『Renegades』でAfrika Bambaataa(METAMORPHOSE '09でのDJは最高でした!)やMINOR THREATを知りのめり込むきっかけとなったバンドでもあります。Zack de la Rocha脱退後のOne Day as a LionやAudioslaveは聴いていません。数多くのバンドが復活する昨今、わたしはこのバンドの復活を密かに期待し続けています。早くライブでナゲット割って父ちゃんって言いたいです。

https://open.spotify.com/track/3FUS56gKr9mVBmzvlnodlh?si=T4L4BuOTQ3K5Fk7SbsfZ0g

 

 

 

7月

ruralやフジロックなど前年から楽しみにしていたイベント事が多く満喫した反面写真が少ない、夏の訪れを歓迎した7月です。

 

 

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ノルウェーが誇る2大バンド、MotorpsychoとJaga Jazzistホーン隊の共演盤。どちらもこの記事2度目の登場となります。なんせお互いキャリア絶頂期に共演していますので、ファンからの評価はもちろん各種海外メディアからの評価もめちゃくちゃ高かった覚えが…。どうでもいい話ですがJaga Jazzist、日本紹介当初"ヤガ・ヤシスト"って読みだったハズですがいつの間にか"ジャガ・ジャジスト"で統一されてるんですね。14年前くらいに中古レコ屋で「ヤガ・ヤシストが〜」とか言ったら店員さんから「読み間違ってるよ」って注意されたんですけどわたしが悪いわけじゃないと今でも思ってます。

https://open.spotify.com/track/2QjqtU8wtMTyoOt7WH41rf?si=IU0aY6JLShiJiwhwtVlcKA

 


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Charaの新作『Baby Bump』めちゃくちゃ良いアルバムでは!? 12月後半に発売される作品は"発売年のベスト/翌年のベスト"どちらにも入れづらい雰囲気があって勿体ない気がします(まあ聴き手の勝手なルールなんでしょうが)。Charaは多くの人と同じように1997年作の『Junior Sweet』から入門、そこからはリアルタイムで全て購入している数少ないアーティストのひとりです。個人的には2007年の『UNION』が思い出深くて、収録曲「o-ri-on」中間部のメロディーは何度聴いても素晴らしく自分好みで涙腺がうるっとくるかんじします。

https://open.spotify.com/track/5Zo57iYe4QF0Emu5ZMEZF1?si=QB4ffWzTS46RoLcfSYXiaA

 

 

 

8月

前月で夏を歓迎した割にあっさりと暑さにヤラれ、ひたすら喫茶店で避暑した8月です。

 


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カナダが誇るオルタナティブ・パンクバンドFucked UpのメンバーBen CookのサイドプロジェクトYoung Guv。Ben CookはMarvelous Darlings名義で発表した『Single Life』のパワーポップ全開節が大好きなんですが、Young Guvのベッドルームポップも凄い素敵で2015年の年間ベスト19位(微妙…)に選出しました。この人音源の度にカメレオンの如く音楽性を変化させるのでホント器用だな〜って思います。めちゃくちゃどうでもいい個人情報ですが、このアルバム1曲目の"ボーカルにエコーがかかる"モノマネを得意としています。

https://open.spotify.com/track/7sikVeBi87uqp87OBfIORp?si=LbH3hegEQki6GMuM1Q_rEw

 

 

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暑い夏は音楽で現実逃避!!現実逃避といえばチルウェイブで決まりかと。同い年のミュージシャンに対して並々ならぬ愛情を持ってしまうわたしですが、この人に対しても同様です贔屓してます。個人的には2013年作『Paracosm』内に蔓延するディズニー映画サウンドトラックの如き夢見心地加減に心底惹かれるのですが(ディズニーやピクサーをサンプリングしているPogoなんかに通じるものがあるとわたしは思う)、アレは過剰すぎるので夏にサラッと聴くなら断然クールな雰囲気の『Within and Without』の方が適しています。2017年の『Mister Mellow』もめちゃくちゃ良いアルバムですよね、盟友Toro y Moiも素晴らしい作品をリリースし続けているし(今年のフジ楽しみです)チルウェイブレジェンド達の今後の活躍が楽しみです。

https://open.spotify.com/track/4Qj4dBu9L9crbaDe1atnU8?si=efc3aERORdqx7NEC6Kr26g

 


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果てしなく深く沈み込む陶酔感が堪らないHype Williams。トリップの為だけにこの世に存在している『Find Out What Happens When People Stop Being Polite And Start Gettin Reel』は夜の自室こそ相応しいロケーションですので、昼間の喫茶店などで聴いても効果はありません。このアルバム、Hype Williamsにしては珍しくジャケも良いのでとても気に入っている次第であります。次作にして一部好き者から高い評価を獲得している『One Nation』がele-king vol.2の現実逃避特集で取り上げられていましたが、聴いてる自分の輪郭すらボヤけて霞んでいってしまいそうなくらい不安定な音が連なるこちらのアルバムこそ現実逃避に最適ではとわたしは思うのです。

https://youtu.be/HGls7dkSBL0

 


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Fat Possumからリリースしていた頃のWavvesはよく聴いていました。やってる事なんて過去の焼き直しだしただ勢いだけなのは百も承知もしかしたら後世に残らないよね…でもこういうバンドって憎めないんですよね、眩しい日差しを背にバカな奴らがポップに突き抜けていく感じとかサイコーもっとやってやってなんて思って聴いてました。当時Best Coastとセットで"ローファイサーフポップ"という乱暴な括りで取り上げられていたのが懐かしいです。一応『Ⅴ』までは律儀に買ってたんですけどここ数年めっきり聴かなくなりました。比べるのも何なんですが、どっちかというとBest Coastの方が今も聴く回数は多いです。

https://youtu.be/F83rZ6FyR9A

 


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2018年の年間ベスト記事でも触れましたが、マイファーストコステロがこのアルバムです。収録曲「My Thief」はコステロ史的に見てもトップクラスに好きな曲です。実はここだけの話、Elvis Costelloのアルバムのほとんどを某BOOK OFFの500円棚から拾いました。わたしがコステロだったらブチ切れているところですが、わたしはコステロじゃないし安く手に入れられたので特に問題はありません。良いアルバムが沢山あり過ぎるのでどれか1枚とかは決められないのですが、間違いなくThe Attractionsとの作品は良きかなといった感じですし身も蓋もない究極の事を言ってしまうと結局ベスト盤が無難に良いからそれ聴いときゃ万事解決ってかんじです。

https://open.spotify.com/track/7bkFaxB2bI0cdTi5zuLQ03?si=lCa1ASztQD2WPJCtDDJ3gA

 

 

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ここまでWilcoなしだったのが奇跡のよう。この人らの前身バンドUncle Tupeloを最近よく聴き返してて、ジェイ・ファラー(現Son Volt)とジェフ・トゥイーディーまた一緒に組んでやってくれないかな〜とか思ったり思わなかったり(Spacemen 3の再結成くらい無理そう)。さてWilcoですがわたしはこのアルバムが一番好きです。なんせポップだし。ちょうどこの『Summerteeth』〜名作『Yankee Hotel Foxtrot』の間でバンド内に大問題が発生するわけですが(『WILCO FILM』で詳しい内容が語られています)、困難が発生する直前の"幸せなWilco"って感じが凄く好きです。出来ることならジェイ・ベネットとジェフ・トゥイーディーが一緒に作った曲をもう一度聴きたかったと叶わぬ夢を今も見てしまいます。ジェイが逝って今年で10年にもなりますね…。

https://open.spotify.com/track/7bLiOJtUpzZ1AIBFtCRQYk?si=lLl2s34GRqegmVjRFFXq3Q

 


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世界的に有名になり出した『Smoke Ring for My Halo』〜『Wakin on a Pretty Daze』の頃は誰も彼もがKurt Vileを大絶賛しており、わたしもそれに乗っかって大絶賛していたわけですが最近は今更Kurt Vile良い良い言っても「そんなことわかりきってるよ」って雰囲気になるので下手に発言できません。もっと無邪気にKurt Vile最高バンザーイって言えたらいいのに当たり前過ぎる事発言するのはなんか抵抗があって素直になれない損な性格です。それにしてもこの人髪長すぎじゃないですか?2016年Umeda CLUB QUATTROでライブ観たときも終始「髪長すぎでしょ」って思いながら聴いてました。あと新作『Bottle It In』、内容は凄く良いんですけどジャケのドヤ顔がちょっと気になりますね、相変わらず髪も長すぎるし。

https://open.spotify.com/track/1eTZQmiMtnoRrqwrjZE0Hy?si=eooleM5BQtKwCDxONqqU6A

 


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ザッパ破門生ローウェル・ジョージ率いるLittle Feat。わたしがVan Dyke Parks『Discover America』にハマっていた時期(ハマるキッカケはもちろん細野晴臣のトロピカル3部作)、それきっかけで同じように夢中になり聴き漁っていたのがRy CooderDr.JohnLittle Featでした。The Bandもそうですが、アメリカンルーツミュージックの奥深さを存分に味わえるこれらのアーティストは常にわたしのCD棚最前列に鎮座なされております。あとLittle Featはアルバムジャケットが秀逸です。『Sailin' Shoes』なんか内容もジャケも両方最高です。ライブ盤『Waiting for Columbus』もクソ最高なんですが、ジャケを見ると映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』を連想してしまうのが難点です(わたしだけでしょうが)。

https://open.spotify.com/track/0eTHlx53lUn95HVsJtR6Qx?si=F0ob_4dLRDijFIYnONYATw

 


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2015年代官山UNITでLa Seraのライブ観ましたがケイティがキュートすぎて目が釘付けでしたし、あと案外ハードなライブするんだなーと意外に思いました。そもそもVivian Girls(ヘンリー・ダーガー非現実の王国で』が元ネタって時点で最上級の最高)を心底愛していたので、メンバーのサイドプロジェクトも愛しまくってます。『Hour Of The Dawn』は"2010年代ベストアルバムジャケット部門"ノミネート作品です。裏ジャケの背中に乗るネコちゃんもキュートです。

https://open.spotify.com/track/0ygpIGwprKZ4TDUaEFGwha?si=8TmBm5aoT8OaUs6xbw_0aA

 

 

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今までなんだかんだタイミングが合わずライブを観ることが出来なかったすきっ歯Mac DeMarco、2018年のフジロックにて体験できわたしの人生における目標のひとつをついに達成する事が出来ました。デマルコ可愛いよデマルコ…。この人毎回ほぼ"金太郎飴"的な作風で変化がないのですがそれもまた可愛いです。夏は『Salad Days』を聴きつつ部屋でグダーっとしてたいです。

https://open.spotify.com/track/6B3bNP0x4vyKM9aYWRvzVf?si=TqRBGvyxT8-682ISbAfESw

 


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天才Brian Wilson心の病からの復帰作。「往年の美声が無くなってしまった…」と多くのファンを嘆かせたそうですがちゃんと美しいハーモニーも健在だし曲させ良けりゃ別に良いじゃんとかわたしは思います。ところでThe Beach Boys、以前は"『Pet Sounds』からの影響云々"的な事を言及されるインディーバンド数多くいた気がしますが、ここ最近は『Pet Sounds』よりも『Surfer Girl』あたりのサウンドに影響を受けているインディーバンドが多いように感じます。世界の音楽事情とかそういうのはよくわかりませんが、時の移り変わりと共に参照するものが変化していく感じは面白いなと思います。

https://open.spotify.com/track/7aQzivrdfwAKysvOuEi27a?si=zLzS1Z1IQs2uRM3l5voa3A

 

 

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シューゲイザーはあまり聴いていない的発言をしましたが、My Bloody Valentineは割と好みでブート盤含め音源は結構聴いたりしてました。実は『Loveless』より『Isn't Anything』の方が好きだったりします。もはや"無かった事"にされてる『mbv』だって悪くはないと思うんですけどねぇ…「Wonder 2」とかかっこいいし…とかいって自分もほぼ聴かないんですけど。『Tremolo』収録の「Moon Song」が一番好きかもしれません。ライブの感想ですが、耳栓忘れたわたしが全部悪いんです次こそはちゃんと聴きます。

https://open.spotify.com/track/6aSwXlr2OH7af5AZ7eHUSt?si=jBKR9f9XSS2zpDYTazpyyw

 


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当然のごとくFilpper's Guitar経由で聞いたバンド。同じくFriends AgainやThe Pastelsなんかもフリッパーズ経由で出逢ってます。ネオアコ+ファンカラティーナ+アイドルっぽいアレンジを施された楽曲群は時代が流れてもキラキラした輝きを失わず永遠の青春時代みたいな雰囲気が素敵です。それにしてもNick Heywardはイケメンすぎてズルい。

https://open.spotify.com/track/6Dj0RpOdgzXWnxf7wyZhay?si=p5Fn1NpvR_WbPm5HW5GrNw

 

 

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David Crosbyという人物を輩出し、カントリーロックというジャンルを産んだ偉大なるバンド。Bob Dylanが提供した楽曲のイメージを何倍にも豊かに膨らませた1st『Mr.Tambourine Man』の"歴史的名盤感"ももちろん好きですが、やはり1968年作『The Notorious Byrd Brothers』からわたしが最も好きな『Sweetheart Of The Rodeo』を経由し1970年作『Untitled』までの作品が本当に素晴らしくバーズ黄金期の魅力が花開いているのを感じます。Gram Parsons→The Flying Burrito BrothersやCSN&YそしてNeil Youngなど、このバンドきっかけで聴き始めたアーティストも多くロックの歴史的にもわたしの個人史的にもかなり大きな存在です。

https://open.spotify.com/track/2hIGz0CXlqA2ukeuUl8DYP?si=ZFn_lWdyR7-gFAH5ZQqk1A

 

 

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夏に聴く音楽じゃねえなこれ、とか思いましたが意外と冷んやりした質感で涼しげです。1996年の『Antichrist Superstar』〜1999年の『The Last Tour on Earth』までが特に思い入れがあります。インダストリアル云々とか関係なく『Mechanical Animals』なんて今聴いても異常な世界観に惚れ惚れするし「Rock Is Dead」とか聴くたび血が滾ります。何か事件があるたびに槍玉に上がる彼らですが、Marilyn Mansonの事チクチク言う前にMayhemの事まずは問題にしろよとかいつも思うんですけどどっちのバンドも最高なのでメディアやPTAになんと言われようと関係なく好きです。当時Twiggy Ramirezの佇まいに憧れてました。

https://open.spotify.com/track/1KQxH1Z1BiSo3MMukVpRfl?si=-IlaHwvuSS6RbRtLrUF6BA

 


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Michael Ivinsの格好が示す通りゴスっぽい音楽性だった活動初期、現Mercury RevのJonathan Donahueが参加していたアンダーグラウンドサイケ期、天才Steven Drozdの才能が開花した『The Soft Bulletin』以降と時期によって様々に変化してきたThe Flaming Lipsですが、わたしが一番好きなのは天才ギタリストRonald Jonesが在籍していた『Hit to Death in the Future Head』から『Cloud Taste Metallic』までの時期です。当時全盛期だったグランジムーブメントの中でも浮きまくっていたこの時期のリップスはホントに無敵の格好良さだと思いますし、スティーブンのヘロイン癖さえなければ…と至極残念でなりません。

https://open.spotify.com/track/1dJuteDIOkGfDSN7zPkzNv?si=YuRm-X9dQhuWnIRDHFK2Cg

 

 

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The ピーズに関しては好きすぎるので冷静に何か語る、みたいな事は出来そうにないです。「実験4号」の歌詞とかもう最高に泣けます。ロックが心底好きで、社会生活の中でもがきながらつまづいて転んでそれでも好きな事にしがみついてクソな社会を生きていく"ロックする事しか出来ない"ダメな男を描いたらこのバンドの右に出るものはないと思います。活動休止前の『リハビリ中断』がわたしにとって初ピーズでしたが、アルバムとして1枚選ぶなら圧倒的にこの『とどめをハデにくれ』かな、いややっぱり『クズんなってGO』かも。漫画「ハイスコアガール」を読むと「日が暮れても彼女と歩いてた」を聴きたくなります。わたしは"はる"や"ハルオ"みたいに不器用でも純粋で一直線な愛すべきバカ男に憧れてしまいます、自分はそういうカッコいい生き方出来ないから。

https://open.spotify.com/track/3rUt43iXeXB4G95OfZmug7?si=PjKTZtBOQHS0V08Z0jU5Rw

 

 

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"Red Hot Chili Peppersらしさ"で言えばこのアルバム以前のほうが"らしい"と思いますが(特に『The Uplift Mofo Party Plan』なんかめちゃくちゃ"らしい")、わたしは『Californication』〜『By the Way』のメロディアスな感じが凄く好きです。個人的にフルシアンテファンなので、彼のセンスが開花しバンド内でもこれ以上なく必要とされたこの時期の作品はとても好みです。「Californication」のMVが初期プレステの映像みたいでグッときます。

https://open.spotify.com/track/48UPSzbZjgc449aqz8bxox?si=yVK570rwQ7qqM7r9d2PnKw

 

 

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たぶん最初のきっかけはヴィム・ヴェンダース監督作『パリ、テキサス』。最初に買ったのは『Get Rhythm』だったかな、その時は全然ピンときませんでした。『Into the Purple Valley』もピンとこなくて、次に聴いた『Chicken Skin Music』で"この人めちゃくちゃ素敵じゃない?!"って事にやっと気付き今に至ります。『Paradise and Lunch』と『My Name Is Buddy』が好き。Los LobosCalexico久保田麻琴と夕焼け楽団なんかはライ・クーダーきっかけで聴き始めました。昨年とても愛聴していて、Twitterにて上半期ベストの1枚に選出していた最新作『The Prodigal Son』が年間ベストの記事には何故か選出されていませんが、これは単純にわたしが(とても愛聴していたくせに)その存在をすっかり忘れていた、ただそれだけです。

https://open.spotify.com/track/0Z8PnlfoTklzYEvFEsWlEc?si=A7158g1RQK61H245FjGd6g

 


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今となっては絶対に叶わない夢ですが、The Bandオリジナルメンバーでのライブを一度でいいから観たかったです。使い古された表現になってしまいますが、ロビー・ロバートソン/ガース・ハドソン/リチャード・マニュアル/リヴォン・ヘルム/リック・ダンコの5人が奏でた曲は(5人中4人がカナダ出身とはいえ)アメリカ音楽の最良の部分を凝縮した"時代を超える輝き"を放ち続けていると思います。どのアルバムも捨てがたいですが、個人的に『Cahoots』と『Northern Lights - Southern Cross』がとても好みです。思春期の頃このバンドを聴きながら「ヒゲってカッコ良くない?大人になったらヒゲはやそ」って考えていました。

https://open.spotify.com/track/4pWS0d4pcn0lDnp8jzjjY2?si=AMFt96WpRW-p77imgwL0kw

 

 

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"メガネは顔の一部じゃない"と人生で最も重要な事をわたしに教えてくれた素晴らしいバンド相対性理論。『シフォン主義』の頃は全くのアウトオブ眼中興味なしでしたが、『ハイファイ新書』がミュージックマガジンの日本ロック年間1位を獲得した時点で「ついに年貢の納め時…そろそろおれも相対性理論聴くべきか」と観念し購入。ゆるく天然っぽいように見えて、もの凄く計算高く感じるよく出来た楽曲群にハートを見事に撃ち抜かれました。この人たちの音源は現在ほぼ売ってしまって(相対性理論の音源はライブ会場限定販売だった『YOU & IDOL』だけまだ所持してます)手元にないのですが、メンバーであり首謀者でもあるやくしまるえつこの『RADIO ONSEN EUTOPIA』とかやくしまるえつこvs d.v.dの『Blu-Day』とかは今でもたまにiPodで聴き返します。

https://open.spotify.com/track/3KTVZPBg1zZDTlWIx1UeAS?si=cFTXJ9NoSh66I54lVy5lrw

 

 

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中学2年の修学旅行中に『渚』のシングルを購入したとか『インディゴ地平線』を発売当時買ったぐらいで、恥ずかしながらスピッツは2013年頃まであまりよく聴いていなかったので完全に後追いです。なぜこんなにステキなバンドを聴いてこなかったのかと自分でもビックリです。SNSを始めた当初「スピッツでオススメのアルバムは?」と問いかけた結果圧倒的に多かった返答が『フェイクファー』だったのでまずはそのアルバムを購入。その影響か今でも一番よく聴くアルバムは『フェイクファー』、割と単純な性格です。

 

 

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デビュー当初のキャッチコピーだった"泣き虫パワーポップ"から幾星霜。Wezzerは90年代よりも現在こそ黄金期ではないかとわたしは思いますが、それでもやっぱり初期の2枚は特別の格別です。わたしが高校生だった90年代後半、行きつけの中古レコ屋に集う音楽好き界隈の末端にわたしはいましたが、DJする人/バンドする人/ただ音楽が好きな人/クラブで飲みたいだけの人、そこに集う全ての人がWezzer好きだった事を思い出します。仲間内のDJイベントで「Buddy Holly」や「The Good Life」がかかると皆話をやめ聴き入る姿が今も目に焼き付いて離れませんし、若かりし頃を思い出して少しだけセンチな気分になります。

https://open.spotify.com/track/3mwvKOyMmG77zZRunnxp9E?si=CpC3KDmJQOyAN1tVKsvuIQ

 


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こんな事言ってるの世界でわたしだけかもしれませんがAztec Cameraで一番好きな作品。しっとりしてて凄く好みです。特に雨の日には「Rainy Season」が聴きたくなりますし、曲後半の盛り上がる部分では毎度グッときちゃったりします。他のアルバムだと次点で『Knife』が好みです。バンド作ばかりが有名ですが、Roddy Frameソロの『The North Star』『Surf』もかなりいい感じだと思います。ネオアコ全体に話を移すと、Aztec CameraやOrange Juiceは鉄板ですがそれ以上にThe Pale Fountains〜Shackがマイナンバーワンです奴らは最高です。

https://open.spotify.com/track/2mOhdKu96Bk2AmAB0vmVUb?si=9BvgMT3qSEObzAtwmPTRVw

 

 

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Salyu名義でデビューした当時Lily Chou-Chouと同じ人だなんて全然気付きませんでした。てかみんなすぐ気付いたんですか嘘でしょ?とにかく「グライド」が名曲すぎますし田んぼを見るとつい聴きたくなります。彼女の音楽を全作品聴いているわけではないしとことん聴き込んでもいないのですが、自分的にSalyuは「Peaty」って曲がとても良いと思います…てか好きです。わたしは東北地方に住んでいるのですが、例の震災後発売されたSalyu × Salyu『s(o)un(d)beams』に収録されている「続きを」を聴いて、"既になくなってしまった景色"の事をずっと考えていた…そんな時期がありました。

https://open.spotify.com/track/1i84eCrJbu0EIP5aWToMMa?si=K80TpYrwQBG-_jUXOK56hw

 

 

 

9月

過ごしやすい気候を利用して夜散歩をしながら音楽聴いたり、初参加したOff-Toneで一晩中アンビエントを浴びたりと1年間で1番楽しかった誕生月の9月です。

 

 

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スペースシャワーTVで放映していた『メガロマニアックス』という番組がありまして、わたしはその番組を毎週録画して見ていました。その番組内で必ず「Opus 40」がかかってて、Mercury Rev最高だよなとかその度思ってました。わたしが死んだらこのアルバムを棺桶の中に入れて欲しいです(遺言)。このバンドはどの時期も素晴らしいですが、特に『Yerself Is Steam』から『The Secret Migration』まではどのアルバムも半端なく聴き込みました。『Deserter's Songs』や『All Is Dream』が最高なのは言うまでもないですが、『Boces』というクソやかましいアルバムが個人的に胸キュンです。

https://open.spotify.com/track/12r8PUOuD8ZYnX9xZFKFHZ?si=X8skj8PNQPe7yWuUnhz1Vw

 


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Sonic Youth史上最も好きな曲。全キャリア通してみてもこの曲はSonic Youthが成し遂げた奇跡の結晶だとわたしは思います。次点で『A Thousand Leaves』収録の「Wildflower Soul」かな、この時期は繊細でメロディアスな楽曲が多く従来のSonic Youth的音世界をどんどん拡張していった感じが音源から伝わってきます。わたしが一番好きなアルバムは『Murray Street』ですが、『Washing Machine』〜『Sonic Nurse』までの期間はどの作品も密度が濃く尚且つリラックスした雰囲気や適度なヌケがあって完成度が凄まじいですね、音の粒子がキラキラ輝いています。

https://open.spotify.com/track/3QFQUqMj5UkDcrYYKFA5Vb?si=eUIbVB1SQF6rIxaREWmvXg

 


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わたしは「Sweetness」直撃どストライク世代なので『Bleed American』から聴き始めてます。音楽オタクだけが好むのではなく、どメジャーなレコード会社からリリースされちゃんと一般層にも売れているって事実は素晴らしいと思いますし音楽業界の人ありがとうって感じです(偉そう)。この『Futures』ってアルバムと『Clarity』ってアルバムは発売当時よく聴き返しました。「Sweetness」は聴くとビールを飲みたくなるので(アサヒスーパードライのCM曲だったのです、懐かしい…)昼間はなるべく聴かないように注意しています。

https://open.spotify.com/track/3Uc51VAeMtoOGXt1BRl5SX?si=gzsqr3eHRMCc_b9rSv0PRw

 


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門外漢なのでジャズを聴いた後の感想って何言えば正解なのかさっぱりわかりません。自分の場合好きなジャズアルバムに対してはとにかくカッコいいとしか言えない(誤謬がないから)残念な感じになります。なので個人的に超超大好きなPete Brewer『Moonwater』の感想は"最高カッコいい"だし、Charlie Parkerの『Complete Charlie Parker on Dial』なんか無敵にカッコいい、Pharoah Sanders『Karma』もカッコいい、Miles Davis『Agharta』と『Pangaea』が、Sonny RollinsBugge WesseltoftやArt Ensemble Of ChicagoやAtomicの好きなアルバムがとにかくカッコいい。ちょっと話は逸れるけどJames Blood Ulmer「Jazz Is The Teacher, Funk Is The Preacher」をカバーしたONEIDAなんてロックやジャズ関係なく最高カッコいい!…といったわけでJohn Coltrane『A Love Supreme』はカッコいい、特に"奏者全てが殺し合いの如き雰囲気の真剣勝負"を繰り広げる2曲目はホント"見事にカッコいい"としか言えないわたしです。あとこの人のフリージャズ期のアルバムは最高、特に『Interstellar Space』なんか激烈にヤバイんではないかと思うわけです。

https://open.spotify.com/track/7unF2ARDGldwWxZWCmlwDM?si=RDoHjVByQqeMaLflDWCNIQ

 

 

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わたしにとって2000年代のベストアルバムNo.1はぶっちぎりでDeerhunterの『Microcastle/Weird Era Cont.』です。あまりにもそのアルバムが好きすぎて"『Microcastle/Weird Era Cont.』至上主義者"みたいな感じなのでDeerhunterの他作品買ってはいたけど今まで大して聴いてませんでしたごめんなさい。最近になって『Halcyon Digest』も凄く良い事にようやく気付きましたホント駄目な奴です。大音量で聴いてクラクラ酩酊した気分になりながら雨上がりの夜道をDeerhunterと歩く、そんな一日の終わりもアリではないかと思います。ちなみにメンバーの別プロジェクトであるAtlas Soundの『Logos』や『Parallax』、Lotus Plazaの『The Floodlight Collective』も好きですめちゃくちゃ愛聴盤です。

https://youtu.be/G5RzpPrOd-4

 


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アントニー・ヘガティの作る音楽って夜のイメージがあります。死にそうなくらい孤独な夜に彼(彼女)の声を聴くとなんとなく"淋しいのはきっとわたしひとりじゃない"って気がして何故か安心します。知るきっかけはもちろんLou Reed『The Raven』、Anohniというネクストステップへ足を踏み出した彼女にとっては以前の音源や名義にもはや思い残すこともないかもしれません。ですが、自身の性を晴れやかに解放し社会に対する思いをエクスペリメンタルなエレクトロサウンドにぶつけた近年の彼女の音源よりも以前の"神経を剥き出しにした、極個人的な思いや悩みの詰まった息苦しいくらい救いを求めている音楽"時代の方が個人的にはグッときてたし好きでした。

https://open.spotify.com/track/0ZsvZkYYk2QQ7mhEQ1Ks6V?si=H1Tn1PhdRNytBb3abtcaWA

 


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John Zornの作品では比較的易しい難易度の『Naked City』、それでも映画音楽とフリージャズとグラインドコアが渾然一体となって終始一貫せず混沌としておりますが完全に狂っている『heretic』よりはだいぶマシかと思います。彼関連でわたしが1番好きなアルバムはSMジャケが麗しく秒で曲が終わり激烈雑音ブラストコアが突き刺さりミヒャエル・ハネケファニーゲーム』OPで使用された曲も入ってるという大変お得な『Torture Garden』でありますがこちらはアナログ盤所持なのでiPodには入っていないのでした。John Zorn=Naked City=Pain Killerを聴いてしまったせいでAlbert AylerやらNapalm Deathやらノイズレジェンド達の音源を聴き漁る事になってしまい結果人間が歪んでしまいましたとても残念です。そういえばEARACHE RECORDSの音源集めだしたのもJohn Zornきっかけだったしな…。わたしのCD棚には人に見せられないイカれ音源コーナーがありまして、例えばProctalgiaとかがそこに鎮座なされているんですけどその中でも特に狂った音源はAbosranie Bogomの『Coprotherapy』ですあれはホント最低中の最低なので後生大事に保管しています。

https://youtu.be/5qpPYfJ-o3U

 


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秋の月夜と『The Crying Light』。アントニーの作品で一番聴いたのはコレです。音楽と自分の生き方に対する敬虔な思いがアントニーの声からひしひしと伝わって、聴くこちらも襟を正し真摯な姿勢で挑まなくてはなりません(かといって小難しく息苦しい音楽では決してないところがとても好きです)。それにしてもSecretly Canadianからリリースされたアントニーの作品は無敵って感じしますね、Secretly Canadianといえば個人的に2000年代ベストアルバムトップ10にランクインする南アフリカのBLK JKS『After Robots』をリリースした最高のレーベルって印象です。そういえばJason Molina関連やJens Lekman、The War on Drugs『Lost in the Dream』とかも同レーベルリリースですね、凄すぎ。

https://youtu.be/ZbwAYWZQ0bs

 

 

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デビュー当時はその生い立ちや自身が体験した"許しがたい出来事"ばかりにスポットが当たっていたイメージがあるFiona Apple、このクッソ長いタイトルのアルバムでやっと彼女の"音楽そのもの"に自らの力で世間の目を向けさせた感があります。高校生の時クラスの友達でも何人かこのアルバム聴いてる人いて休み時間に「Limp」めちゃくちゃカッコいいよな、みたいな話をした覚えがあります。Fiona Appleディスコグラフィーでは次作『Extraordinary Machine』が特に好きで、個人的に2005年の年間ベストアルバムトップ10以内にランクインします。

https://open.spotify.com/track/1g5YINH18NhIsZmmhHNZ9l?si=o1ViTXbCQ_Oi7BI9joo6cg

 


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「Svefn-g-englar」(1999年発売の『Ágætis byrjun』収録)を聴いてから後追いで買ったSigur Rósの記念すべき1st。これ初めて聴いた時全く良さがわからなくて、ず〜〜〜っとCD棚の奥底に眠らせていました。何年か前にフと思い出して聴いたらこれめちゃくちゃ良いんですよね、びっくりです。今となってはSigur Rósの中で一番好きな3rd『()』と並ぶくらい『Von』が好きな人間に変化しました。思えばその2枚、他のアルバムと比べても群を抜いて暗い雰囲気が漂っているのでただ単に聴いた当初よりわたしの性格が暗くなったというだけかもしれないという事に気付いて愕然としております。

https://open.spotify.com/track/0toyw7xm1jxUuEtJgwvA2A?si=e5mDQvrOREKbYXOrcUtF4w

 

 

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Sonic Youthのキャリア史上1.2を争う人気盤であり所謂Sonic Youth的な音世界が完全に確立された絶頂期にして安定期の始まりを告げたこのアルバム、わたしはコレ大好きです。ゲルハルト・リヒターの作品をジャケットにするあたりいかにもSYっぽい"気取り"を感じてニヤッとしますね(リヒターなら《アブストラクト・ペインティング》シリーズの無機質で冷たい感じが好きです)。80年代SYなら85年作『Bad Moon Rising』のパンキッシュな感じがとてもカッコ良く好みです。

https://open.spotify.com/track/7uilSLwD6eizA1Hp9SLRgO?si=ChQn6tRfQSmBED4_yjDFlw

 


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フジロックLou Reedのライブを初体験してから今年で15年、そしてLou Reedが亡くなってから今年で6年にもなるんですね…あまりに好きなアーティストだったので彼が亡くなってから暫くは音源が聴けない程魂が抜けかけましたが今はすっかり元気を取り戻したのでバリバリ聴いてます。そもそも"ノイズ"というジャンルを好きになった元凶は彼のフィードバックノイズ全開ギタープレイからだったのでわたしにとっては恩人であり諸悪の根源とでも言うような人です。Louの作品はほぼ全て好きですが、『Songs for Dorella』だけはなぜかどうしても好きになれないんですよね…。

https://open.spotify.com/track/7xIud6DM74zHh06Ac61SfY?si=RwwJdwE_Q3KkdYxrDkRhfA

 


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天才Steven Drozdの才能が完全に開花したLips黄金期の初手目。元々抜群に良かったメロディーを更にキラキラ輝かせた本作は90年代USオルタナを代表する作品のひとつだとわたしは思います。あと常にPコートを着用していた『The Soft Bulletin』の頃のWayne Coyneが全キャリアで一番カッコ良い時期だと思ってます。Lipsは手に入る限り全ての音源を集めようと努力していましたが、例の"24時間ある曲"含めどうやっても手に入らない音源がいくつか存在するのでもう諦めました。2014年フジロックグリーンステージでのライブが最高すぎた(あの時ゲットしたセットリストは額に入れて部屋に飾ってあります)のが昨日のことのように思い出されます…はやく再来日してくれ……。

https://open.spotify.com/track/1RZlGlz8eXT1KmJYpqFRzH?si=PEF3N4jiQFGB7g7-tZwyag

 


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"チルウェイブ"なんてロックのサブジャンルのひとつに収まるには勿体ないくらい良いアルバム、いまだにアルバムタイトルの読みが覚えられませんがNeon Indianの2ndは最高だしエレクトロなシンセポップサウンドは同系統の他アーティストと比べても2010年代ではトップクラスに好きです。そもそもアルバムジャケットの時点で最高中の最高、この記事で幾度か話題にしていますが"2010年代ベストアルバムジャケット"のかなり上位にランクインします。1stから今年で10年、現状最も新しい『Vega Intl. Night School』からも4年経ってますのでそろそろ新たなアクションを起こして欲しいものです。

https://youtu.be/GuPGZZgNFsU

 

 

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「Open Eye Signal」のMVを観るとスケボー乗りたくなりますね、まあこれだけじゃなくSuicidal Tendencies「Possessed To SKATE」や藤原ヒロシ「Natural Born Dub」のMV、ハーモニー・コリン監督作『ケン パーク』冒頭シーンを観ても滑りたくなりますが(コナン君観てもそうは思わないのは当然ですか?)。Jon Hopkinsのこのアルバムはテクノにありがちな"アゲ"の部分が明確になく、かと言って室内リスニング仕様というわけでもない不思議な魅力が充満していてとても好きです。去年ライブを観た際は機材トラブルもあってモヤモヤした印象に留まりましたので早めの再来日を望みます。

https://open.spotify.com/track/6wMTeVootJ8RdCLNOZy5Km?si=RvtsC2KYQRiI77HRwfXDbA

 


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ちょうどこの『Infinite Arms』が発売される少し前のこと、「Fleet Foxesこそ正義!」と言っていた当時のわたしにその頃よく遊んでいた友達(シアトル出身の日本語ペラペラなアメリカ人男子。お互いLes Savy FavというUSインディーバンドが好きという事で意気投合。彼はThe Microphonesが大好きでJoanna Newsomが大嫌いでした)から「Fleet Foxes好きならBand of Horsesも好きだと思うヨ!」と勧められ、発売後即買って聴いたら思いのほか力強くてビックリした記憶があります。もはやインディーロックの枠を超え近代のアメリカンロックを代表するバンドのひとつとして定着した感があるこのバンド、My Morning Jaketなんかもそうですがこういうバンドは小さい箱よりスタジアムなどの大きな場所でライブを観たら絶対最強にカッコいいんだろうな、とか想像してみたり。

https://youtu.be/9Iwo8UZ48dI

 

 

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記憶が曖昧なんですが、わたしが中学生くらいの時にテレビ朝日でゴールデンタイムに『ビートルズ・アンソロジー』を放送した時があったハズで、それを観てビートルズってめっちゃ良いじゃんと思ったのを薄っすら覚えています。『John Lennon/Plastic Ono Band』はその放送以降ちょこちょこThe Beatles関連を買い集めていた時期に聴いたのですが「なんか暗い…」ぐらいの感想しか思えなくてずっと聴かずにしまってました。それ以来とても久しぶりにこのアルバム聴いたんですが、当時のわたしのバカさ加減に自分で辟易するくらい"凄い良いアルバム"という事実にやっと気付いたのでした。"このメッセージにはこのメロディーしかないみたいな誰もが夢見る理想的な事をサラッとシンプルに成し遂げている"、何が良かったかと聞かれればわたしはそんな風に感じたというふうに返答したいと思います。

https://open.spotify.com/track/0SEmf7XdvzCmmEjtpZKIKl?si=FXjrv3uITaSpaiQTA5Uqsw

 

 

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昨年映画が大ヒットして再ブームとなっているQUEEN。ちょっと前に近所にあるBOOK OFFを覗いたらQUEENの中古CD1枚も残ってませんでした。さすがQUEEN、よい歌は世代を軽く超えるんですね!さてわたしとQUEENの出会いですがこれはハッチポッチステーションの替え歌ですハッキリ覚えてます。犬のお巡りさんと「Bohemian Rhapsody」のマッシュアップがカッコ良すぎて『A Night at the Opera』を速攻で買いに行き、そこから全作品揃えました。一番好きなのは『Sheer Heart Attack』かな。今回聴いているのはフレディの死後にリリースされた『Made in Heaven』で、これ内容に統一感がないし曲のクオリティも過去作に比べるとデコボコで…といったちょっと残念な作品に感じますがとにかくアルバムジャケットがQUEEN史上最高なので全て帳消し問題なしですホントに美しいジャケです。

https://open.spotify.com/track/2WutPB8Ba8WFqSvogJf18E?si=3P3qATk8QCyyTfDPM55Pjg

 

 

 

10月

優河のライブでジーンとしたり、人生初のソロキャンプがあまりに楽しくってこんな時間がずっと続けばいいのに…としんみり現実逃避した10月です。

 

 

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決裂したブライアンとの涙溢れる共演盤、そしてVan Dyke Parksが発表した歴代アルバムの中でわたしが最も好きなアルバム。あの名作『Discover America』より100倍は好きです…いやちょっと言い過ぎかな1.5倍は好きです。アルバムタイトルにもなっている1曲目「Orange Crate Art」なんて特別新しい事や凄い事してるわけでもないし当時から考えても古臭く感じられますが、積み重なる美麗なハーモニーに心奪われ気付けば90年代通しで考えても相当上位にランクインするくらい好きな曲となりました。

https://open.spotify.com/track/16AfH3BJN9SPveHxCr92Mx?si=hHnmbpX0T1qLtk2RuZtmsQ

 

 

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オーストラリア産ロックといったら一般的にはAC/DC(わたしは大好きです)といったイメージが依然として強いですが、インディーロック好きな人にとっては現在最高のオーストラリア産ロックといったらTame Impalaが真っ先に思い浮かぶでしょう(多分)。2012年作『Lonerism』が人気のようですがわたしはこの1st『Innerspeaker』が最も好きです。気持ちの良い音が永遠グルグル渦巻く感じは酩酊を誘い、初聴き時からどっぷりハマって今に至ります。タイミングが合わず今まで一度もライブを体験したことがないので、次の来日時にはなんとかして駆けつけたい次第であります。それにしてもオーストラリアって欧米各国と比べてちょっと時空がズレてる感じありますね、例えばKing Gizzard & The Lizard Wizardとか映画『荒野の千鳥足』とかね…。

https://open.spotify.com/track/6SmV1Oo24nCZBPzIYkL4HZ?si=pW8jnNbGRn6htr7F3DkX_w

 


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わたし的に秋はしっとりした昔のシンガーソングライターものを聴きたくなる季節です。たとえばRickie Lee JonesJoni Mitchellとか。この時聴いてたRandy Newmanもそう、枯葉を踏みしめて歩きながら彼が弾くピアノのメロディーを聴くなんて秋ならではの贅沢ってもんです。1960年代に発表された数々の良い作品に彼の名前を発見し興味を持って(超有名な大傑作アルバムだとこの時は知らずに)『Sail Away』を中古盤屋で購入、見事にハートを撃ち抜かれたわけでございます。このアルバムを聴いて以降わたしは同年代に発売された素晴らしい鍵盤弾きのシンガーソングライターのアルバムを集めだし、Nicky HopkinsやElton Johnそして大好きなLeon Russell(この人の「Bluebird」という曲にはわたしの好きなメロディーラインが全て詰まっています)に出会うのでした。

https://open.spotify.com/track/1xYDQddf1bZCs4jQCQRRtG?si=eEuvNyM3TrumtLMjx0rDZA

 


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実はThe Smashing Pumpkinsってめちゃくちゃ世代なのにあまりちゃんと聴いてこなかったんです。何故か『Adore』だけ発売日に買って聴き込んだ(特典で貰っためちゃくちゃ小さいトートバッグみたいなのを小物入れにしてました)んですけど、他のアルバムは割とサラッと聴いた程度であまり思い入れもないですすいません。でも井葉吉伸ことJames Ihaのソロは2作とも大好きで、特にこの1stソロは秋になるたび「ビ〜ストロングナ〜ウ」とか口ずさむ程好きです。バンド活動もいいんですけど、イハまたソロ出してくれよなって長年待ち続けています。

https://open.spotify.com/track/70dZGsRKWRKXRZ6fCaEdZB?si=1wF4GHuNSwSrO_uHAh3rsw

 

 

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全然秋のアルバムじゃないような気がしますがジャケットの色が秋っぽかったのでeastern youth『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』をススキなんてぼんやり眺めつつ。eastern youthなら『雲射貫ケ声』が断然秋っぽい感じします(「砂塵の彼方へ」とか名曲すぎ)。個人的に晩夏に聴きたいイメージがある『旅路ニ〜』ですが1曲目から最終曲まで最高に次ぐ最高の嵐、ここから『感受性応答セヨ』までのとてつもない勢いはいつ聴いても鳥肌が立ちます。もともとこのバンドを聴くきっかけはbloodthirsty butchersなのですが、ブッチャーズ経由だと他にはCOWPERS(『揺ラシツヅケル』とか発売当時めちゃくちゃ聴いた)やfOUL(『Husserliana』とか発売当時めちゃくちゃ聴いた)あたりを聴いて好きになってます。それにしても『極東最前線』のコンピ盤は最高…。

 

 

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聴くものを一瞬にして異国情緒漂う世界へ誘うBeirutの1st。2006年の『Gulag Orkestar』発売当時は個人的にルーマニアのTaraf de HaïdouksやFanfare Ciocărliaなどのロマ音楽を聴き漁っていた時期で、寂しげなジプシー音楽をしんみり聴いていたわたしのハートにBeirutの東欧ブラスっぽい音が詰まった1stアルバムは見事ジャストフィットしたのが始まり。以後2015年作『No No No』まで全作品愛聴を続けています。ちょっと話はズレますが『Gulag Orkestar』が発売された2006年は上記のルーマニア勢に加えSka CubanoやThink of One、Ojos de Brujo、Fania All Stars参加者のアルバムなど世界中の様々な非ロック的音楽を聴き込んでいた時期でもありまして、要はそういうワールドミュージック的なものに多大な興味を持っていた時期に発売されたという事ですそりゃドンピシャハマるのも当然ですね。

https://open.spotify.com/track/4q7DbTHsoUtkiAyelQsfh9?si=KhNrpHvBQQ2xgjdpuRwoGQ

 


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"シーズンが過ぎて誰もいない海でThe Beach Boysを聴く"、これ考えた時は「絶対最高の気分じゃん!」などと浅はかに思っておりましたが実際やってみるとなにもかもが空虚で孤独で侘しく「なにやってんだオレ…」以外の感想が浮かびませんでした。サーフィンなぞ出来ずひとり部屋で悶々として夏の曲を作り続けていたBrian Wilsonも同じような空虚感を常に抱え、ついに心のバランスを崩し狂ってしまったのかな…などとこの時わたしも波を見つめながらひとり考えていました今考えると完全な不審者ですね。

https://open.spotify.com/track/51NVK0ivYhzzJUMu1CWbWH?si=5i0HH8WXRnirKPhcoEXKBg

 

 

 

11月

昨年に引き続きフィルメックス東京の為にガッツリ有給を取って映画三昧、椅子に座りすぎてケツが痛くなったり上野動物園で全く出てくる気配のないトラをずっと待ってた11月です。

 


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わたしが大好きだったJay Bennettが去った後に発表された『Yankee Hotel Foxtrot』、まさしくWilco黄金期の始まりに相応しいアルバムだと思います。音楽的に良いのは言わずもがなですが、わたしは個人的にこの時期よくあった"プラケースCD+CDを包む紙ケース(なんと表現していいかわからないがわかって欲しい)スタイル"が好きで好きで堪りません。今自室のCD棚パッと見渡してもNonesuchリリースのRandy NewmanやDavid Byrneはもちろんのこと、SanctuaryリリースのSpiritualizedDirty Projectors『Bitte Orca』『Swing Lo Magellan』、Little BarrieやTeenage Funclub『Man-Made』なんかもだしFucked UpもプラCD+紙ケーススタイルですね。あれ棚に並べると凄く主張してくるし、かと言って紙ジャケほど他との調和を乱さないので個人的に凄く好きな形態です。なんかWilcoの話全然してないけどこれ前から凄く言いたかった事なので許してやってください。

https://open.spotify.com/track/4wd09wCccmxUB7XVJp0RNn?si=OsomxCHoTcWgWZY-i_Eqng

 


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所謂ロックンロール・リバイバル的な扱いで出てきたバンド群の中で飛び抜けて好きなThe Vines。短い曲の中に主張すべき部分がスパッと出てきて終わる、そのスタイルがもの凄くカッコよくて特に1曲目〜3曲目までの流れが完璧すぎっていつも聴くたび身震いします(少し大袈裟に言いました)。当時専門学校に通っていたわたしは、学校に行くでもなく毎日友達の家でプレステの『スーパーロボット対戦』をダラダラやりつつ続々と登場する新人バンドのCDを聴いて無為な日々を過ごしていたことをこの音源聴く度思い出します。だいぶ恥ずかしい言い方になりますが要は"わたしの青春の1枚"的扱いです。

https://open.spotify.com/track/761VTNgliYbiXKsCMKRuJ4?si=iFxKCUBiTc67OLqHYdNDMg

 

 

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ここにきてやっと登場、やはり主役は遅れてやってくるのでしょうか。ボブじいさん(こんな事言うと本当に怒られそうなんでもう言いません)の2009年にリリースしたクリスマスアルバム…今年で発売10周年ですね!これ割と好きなんですけど生粋のディランファンの方々どうでしょうか。ここでカミングアウトすると『Highway 61 Revisited』までの"いかにもディラン"なアルバムたちより1989年の『Oh Meray』以降の方が個人的には好みの作品が多いです(とは言え『Blonde on Blonde』、『Blood on the Track』、『Basement Tapes』、『Desire』、『Hard Rain』は別格)。実際この時はクリスマス1ヶ月前なので雰囲気もクソもないんですが、それでもディランの優しい歌声は寒さに震える我が身に沁みます。

https://open.spotify.com/track/0l7mvfrVHibVn5QX7jJqGM?si=wciBfC_kRV-MVHt_SR67gg



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21世紀最初のスタンダードナンバーとなった「Don't Know Why」を収録した歴史的1stアルバム。これ大好きなんですよね、「Don't Know Why」の半音ずつ下がっていくコード進行とか最高だと思います(たいして知りもしないくせにそれっぽい事言うのホントは嫌なんですけどつい言ってしまいました…反省)。Norah Jonesが最高っていうのは置いといて、このアルバムの協力者であるJesse Harrisというシンガーソングライターにはもっともっとスポットが当たっても良かったのではないかと思います。長かった1日の最後にほろ酔いで「The Long Day Is Over」を聴く、完全に気分に浸っております。ちなみにジャズボーカルものでわたしが最も好きなアルバムはCassandra Wilson『New Moon Daughter』です。

https://open.spotify.com/track/6o5LJxDnSgLsXK4pcIOsQg?si=BqGSL1gdQO6EFRyYDw36cg

 


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例のPitchforkから大絶賛された事で世界的に有名なNeutral Milk Hotelの『In the Aeroplane Over the Sea』を聴きつつ川沿いをお散歩、優雅な休日ですね。The Olivia Tremor ControlやThe Apples in Stereo、Of Montrealなど他のElephant Six勢は当時から好きで聴いていたんですが、Neutral〜は完全にスルーしてました。わたしが初めてきいたのは中古で買った2003年頃で、今となっては90年代USインディーロックのマストアルバムみたいな扱いになってるし完全に乗り遅れた奴です。確か2013年のHostess Club Weekenderで来日してましたよね、何がなんでも行きたかったんですが仕事で行けずだいぶ悔しい思いをしました。

https://open.spotify.com/track/4OciRObYGzPzlU40U7YRc8?si=Y4cDan9pSHmE2pRG28454g

 

 

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茶店Rickie Lee Jones聴いてるとかオシャレ過ぎて他人には絶対見られたくないです、てかどんだけ喫茶店好きなんだわたしは…。よく言われる彼女がデビュー前に体験していた自由奔放な生活をイメージして聴くと、思いのほか軽やかでびっくりします。実はこのアルバムわたし大好きで、1970年代の女性シンガーソングライターものだとコレとLinda Lewis『Lark』が自分の中では他を圧倒して共にそびえ立っています。

https://open.spotify.com/track/6PT4eFe20wZ2mi5jB3wKrD?si=zatyc_1ORfCc-jwkdwY9cA

 


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個人的に2000年代以降UKから登場したバンドで一番好きなのがThe Go! Team。忘れもしない2005年のフジロック行き新幹線の中、近くの座席にいた同じくフジ道中の方々と意気投合した際に「今年のお目当は?」と聞かれ「ゴーチーム一択です」と即答したのはいいが「誰それ?」と言われ悲しい思いをしたのが昨日の事のように思い出されます(実際ライブは最高でしたがいかんせん猛暑で辛すぎました…)。"誰も聴いた事がない革新的な事"をするのと同じくらい"とことんポップであり続ける事"はロックにおいてとても勇気がいる事だとわたしは思いますし尊敬に値します。去年発売された『Semicircle』までの全作品好きですが特に2015年間作『The Scene Between』がめちゃくちゃ好きで、そのアルバムの"バンドを解体してまでも貫いたポップ道"にとても痺れます。

https://open.spotify.com/track/4iMRg0QlDbAr6zcPvthSxj?si=TscoE7AeQf-QTYR0_IpEjg

 


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2003年に解散してしまいましたがいまだによく聴き返すJets to Brazil、そもそも前身のJawbrakerが最高ですが個人的にはJets to Brazilの方が好きです。このバンドの音はカッコいいのと同じくらい優しさに溢れててなんだかホンワカした気分になってしまいます。アルバムとしては次作『Perfecting Loneliness』が一番好き(先日2枚組LPを割と高い金出してついにゲットしました)ですが、この『Four Cornered Night』はジャケが最高なのでいつも部屋に飾ってます。

https://open.spotify.com/track/21jURAR2bA5Kh0F2zARDmf?si=wLK-0ZgQTdKdNi8bsamU4A

 


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現在最高峰のインディーサイケバンドと言われていた時期もあったスウェーデンのDungen(ちなみにわたしが最も好きなサイケデリックロックバンドはOs Mutantesです)。わたしは2004年の『Ta Det Lugnt』で初めて触れましたが1曲目「Panda」で完全ノックアウト、「なにこれよくある感じなのにこの違和感なになんか変なにこれなにこれカッコいい!」と相当テンション上がりましたし今だって聴けば「やっぱ変なにこれ!」となります。ちなみにこの場所は上野動物園です。この日はシャンシャン観覧長蛇の列であえなく断念…代わりにパンダのぬいぐるみを凝視して気持ちを紛らわせました。

https://open.spotify.com/track/3gJofAMFY6qGaMYyByBIBT?si=OGFptrG6Q3yeROmKfQt-cA

 

 

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Sonic Youthウィキペディアを見るたび"活動期間 1981年 - 2011年"ってとこで切ない気分になります…浮気は最大の罪ってことですよ。Kim DealはThe Breeders復活させたしどうせだったらKim Gordonもこの機会にFree Kitten復活させて欲しいですね。さて『Bad Moon Rising』、わたしは大好きなんですがアルバム通して好きというよりかは「Death Valley '69」という曲がとてもとても好きなのです。個人的にはSonic Youthで一番覚えやすい曲だと思ってます。この曲からLydia Lunch→Teenage Jesus and the Jerksを知り『No New York』を聴きContortions→James Chanceの格好良さに痺れ…という流れでどんどん好きな音楽が増えていきました(James ChanceからZE RECORDSへ興味を持ちSuicideとか…などというルートもありますが省略)。

https://open.spotify.com/track/1G6l6sy5zSpNe0kb1rDqfq?si=A_g1m3rGS5OKDMcZP6TiOw

 


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初めて聴いたのはインディーズ時代の「恋をこえろ」だったかな、テレビでMVを観ました。メジャーにいってからの最初のアルバムに収録されている「ボニーとクライドは今夜も夢中」とかグラムでポップでめちゃくちゃ最高だと思います。志摩遼平さん(同い年だけど学年は彼の方がいっこ上)がなんかの雑誌で普段から便所サンダル履いてるって言ってて自分も真似してみたり。日本のバンドだとこの頃は毛皮のマリーズ口ロロをよく聴いていました(口ロロの『everday is a symphony』は2009年の個人的年間ベストアルバム1位、このアルバムヤン富田オマージュですよねきっと)。

https://open.spotify.com/track/34HqZeiWzmpFSr4r6XAtDu?si=mlMkUdrGQRStG-cP-SHaXA

 

 

 

12月

季節が一巡してまた冬へ。除雪の合間に温泉へ行ったり愛する川原泉作品を読み直してホロリとしたり年間ベスト記事に四苦八苦したり…1年なんてあっという間だなと感慨深くなる12月です。

 


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2002年発売のアルバムには個人的に思い入れが強いものが多いとは前の方の記事でもコメントしましたが、The Velvet Teenの1stもそのうちのひとつです。このアルバム発売時"USからRadioheadへの回答"みたいな煽り文を何かの記事で見た覚えがあるんですけど、わざわざそんな何かを引き合いに出して表現しなくてもこのアルバム最高なんで!ってひとり憤ってました…がよく考えたら今回の記事では色んなところで色々引き合いに出してコメントしたりしてるのでもう何も責めたりできません。2015年の『All Is Illusory』なんかもとても良いですよね、当時凄く聴いてました。しばらく新作アナウンスから遠ざかってますがずっと期待して待ってます。この『Out of the Fierce Parade』ってきっとEMOってジャンルの音ではないんでしょうけど、それでもわたしはこのアルバムには"エモさ"を感じるんですよね。

https://open.spotify.com/track/6SUNeeKTOTcobBp4Jv4rPE?si=IEdkRAAjRiOB3pjWN7TaTA

 

 

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Thurston Mooreはバンド本体の作品を上回る素晴らしいソロアルバムを多数リリースしていますが、この『Trees Outside the Academy』は内容も良いしジャケットもカッコいいしで彼のキャリア全体で見てもかなり上位にランクインするくらい個人的に好きなアルバムです。彼のソロ名義(参加作品も含む)での活動は全貌を掴むのが不可能な程膨大であり、メジャー/インディーを跨いで続々とリリースされる全ての音源を集めるのは本当の本当に困難ですがこの人の音楽が大好きなのでわたし頑張っています。メジャーなソロ作なら『Psychic Hearts』と『The Best Day』が他より突出して出来が良いかなと思いますが、個人的には『Sensitive/Lethal』とかDiskaholics Anonymous Trio名義やOriginal Silence名義でのめちゃくちゃ演ってる作品が好きです。

https://youtu.be/6KiRjcyDh3E

 


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残念ながらNeurosisとのleave them all behindは行けませんでしたがまた次の機会を気長に待とうと思います。わたしがConverge作品を初めて聴いたのは『You Fail Me』だったので、再現ライブなんて最高中の最高って感じですね体感できた方々が羨ましいです。さてConvergeなら『June Doe』と『You Fail Me』が二大傑作なのは疑いようがない事実ですが、単純に聴いた回数だとわたしは『Axe to Fall』の方が例の2枚より多いです。他のアルバムより複雑じゃないっていうか分かりやすいっていうか、「とにかく全部ブチのめす!」みたいなバンドのシンプルな姿勢がとても好印象となるアルバムかと思います。

https://open.spotify.com/track/0FAGTtAEZ1M8Ln0jotVNPT?si=HT2rK-NeT9eWzApgPh6eXw

 

 

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2000年代にリリースされた音源で自分が聴いた中では相当上位にランクインするくらい好きなアルバム。このアルバムを聴いて以降キューバ音楽に興味を持ちArsenio Rodriguezなどレジェンド級から当時最先端だったキューバ音楽とブラックミュージックを融合したYerba Buenaやアラブ音楽+キューバ音楽という奇跡の奇盤Hanind y Son Cubanoなどなど聴きあさり、更にわたしの好奇心が刺激されカリブ海近辺のMalvoiやKaliまで飛び火して聴くことになったきっかけの1枚でありました。このアルバムがキューバ音楽ファンからどう思われてるとかキューバ音楽としてどういう立ち位置だとかわたしは知りませんしそんなことどうでもいいです。とにかくわたしにとって新たな扉を開けてくれたとても重要な作品であり、カリブ海の美しいメロディーを感じる事ができるとても大事なアルバムです。

https://open.spotify.com/track/70ay8rvCEmARDdBiJ8OZaX?si=kYEMkEhYTQ-P55hhDxYPuA

 

 

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冬の始まりには優しくて暖かいThe Album Leafの音楽を聴きたくなります。近所にあった(今は潰れてしまった)某大手レンタルCDショップの店員さんがTristezaやThe Dylan Group好きで、その人からMice Paradeと一緒に教えて頂いたのが聴くきっかけでした。以前TAICOCLUBMice Paradeのライブは観ましたがThe Album Leafは未だ観たことがなく機会があればライブを観たいと思う筆頭のバンドでもあります。アルバムだと『in a Safe Place』が一番好きですがこの時聴いていた『A Chorus of Storytellers』もジャケ込みでかなり愛着がある盤です。

https://open.spotify.com/track/2wemf8Txlm0gqF8lqQetNh?si=HfpYsPmLRGu3HZlOAgO3aA

 


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The Shaggs、BlackBlackと並び偉大なる"ヘッポコ女子バンド"御三家のうちのひとつThe Raincoats。The SlitsやMarine Girls、Sleater-Kinne、Vivian Girls、Electrelaneなどわたしは女子バンドがもの凄く好きなのですがThe RaincoatsとBIKINI KILLは別格です(音のベクトルはそれぞれ違えどどちらも"パンク"なのが更に格別といった感じ)。2015年のDUM-DUM PARTYで観た際のThe Raincoatsはふざけてんだか真面目に演ってダメなんだかわからない感じでイカしてるなと思いました。彼女たちの音楽はテクニックもなくスカスカでもはや情熱すら無いのでは…といった様相ですが、それでもどうしようもなくカッコいいのがとてもズルいです。

https://youtu.be/3JRyk1DFkrw

 

 

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この日は"双子の日"という事でキリンジの「双子座グラフィティ」を聴きました。キリンジってどんなきっかけで聴いたか、とかどんなタイミングで好きになったかみたいな事全く覚えてないんですけど気付けば良く聴いてるアーティストの筆頭でした。アルバムだと『47'45"』と『For beautiful Human Life』が特にお気に入りですが、キリンジの作品で一番よく聴いたのはリミックスアルバム『KIRINJI RMX Ⅱ』だったりします。

https://open.spotify.com/track/4a7fOYlDAiskqEgmeQsAQh?si=B8zogvSbRrm7yLzliQlWiw

 

 

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Steely Danって昔は全く興味がなかったアーティストの筆頭だったんですが、2003年頃当時よく遊んでいた友達(Album Leafのコメントでも登場した某大手レンタルCDショップの店員)がこのアルバムを貸してくれて(Massive Attack『100th Window』やタイトル忘れたけどguitarのアルバムとかと一緒に)それで一気に好きになりました。学生時代はあんなに嫌っていたのが嘘みたいに今では全作愛聴しています。『Countdown to Ecstasy』『The Royal Scam』『Everthing Must Go』あたりが特に好き。バンドなんか解体しようが何しようがどんな手段を取ってもいいからとにかく良い曲を良い演奏を!といった潔い姿勢と彼らの言動以上に捻くれた曲展開が最高です堪んないです。

https://open.spotify.com/track/0RmTp6VbRt2ZF7egBrbt6r?si=nT4SIN5QRzSeuPZetThLBA

 


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NYパンクの生きる伝説、女帝Patti Smithが1975年に発表したVan Morrisonカバーから始まる偉大なる一歩目。愛するRamonesや素晴らしきTelevisionなんかは学生時代から愛聴していましたが、Patti Smithは「詩的とかいうし難しそうだからまだいいか…」と思っててずっと聴いていなかった(何が"まだいい"のか不明)のですが、MVBをサボっていたKevin Shieldsとの共作『The Coral Sea』を2008年に購入した際に重い腰を上げついに難関へ取り組む事を決意。難関でもなんでもない、ひたすらシンプルでカッコいいロックだという事に遅まきながら気付き自分を恥じたのでした。オリジナルNYパンクならやはりRamonesが一番カッコいいし自分好みですが、海の向こうでピストルズが登場した後のNYパンクに一瞬花咲いたThe Dead Boysなんかもすっごい好きです大きな愛情を抱いて聴いております。

https://open.spotify.com/track/272Z4tzaSMMcgrZ0R494S2?si=7vLz0CdVR7iJmFIeq8Zgxg

 


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『Pink Moon』を手に取って1番最初の印象はアルバムジャケットが『MOTHER 2』の敵キャラっぽい造形してんなって事でした。初めてNick Drakeに触れたのはオリジナルアルバムではなく"やたらとElvis Costelloが影響を受けたとアピールしてくる"デカい帯がついてた『Way to Blue』でしたが後から考えるとこれファーストインパクト的には大失敗だと思ってます。Nick Drakeに関してはベストではなくアルバム単位でひとつずつ聴いていった方が絶対良いとわたしは思います…じゃないと『Pink Moon』のそこはかとなく寂しい感じをちゃんと味わえないし。彼が遺した3枚に影響を受けた音楽なんて2019年になった今でも絶え間無く出現するし、改めてとてつもない存在だなと畏怖すら感じる今日この頃です。

https://open.spotify.com/track/16qzGrIMWoxerw2gnW0zuv?si=8nAnrz82SNOj8ThhmWNtSQ

 


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メンバーがカンタベリーシーンから登場したとか全然信じられないですね、異形のレジェンドThis Heatを聴きつつCocos待機です。当時のメディアの事はよく知りませんが、よくわからない/頭で理解できない音楽を"ノイズ"という枠に乱暴に放り投げた感じは割と好きです。This Heatなんてまだいい方ですよね、SPK(大好き)とかほんと気が狂ってるとしか思えません。わたしのノイズ初体験は原作が好きだっただけでなんの予備知識もなく購入した『座敷女』ドラマCDのディスク2でして、当時学生だったわたしは大きな衝撃を受けそれ以降クラスでは友達とB'zやSPEEDやglobeの話をしつつも休みの日は中古レコ屋に通いMASONNNAやINCAPACITANSのCDをこっそり買う日々を送りました…今考えるとなかなかに終わってる感じがして当時の自分が可哀想です。インダストリアルの始祖と言えばイタリアのダダ/未来派ですがその概念を柔らかく整理してロックの音に落とし込んだThis HeatやEinstürzende Neubauten、Throbbing GristleCabaret Voltaireなどはやはり偉大としか言いようがないと思います。インダストリアル関係なく単純にノイズで言えばWhitehouseなんかが好みですがアナログレコードで所持しているのでiPodには入れてません。あとDead C、MAMMALなんかは常に取り出しやすい位置にCDを収納しています。Nurse with Woundなんかはノイズってより前衛音楽とロックの衝突って感じします。

https://youtu.be/uXoTuSCi87E

 

 

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個人的に2005年の年間ベスト1位作品。新世代のフォーク作品が続々とリリースされた時期にアイスランドから届けられた透明でどこか悲しげな美しき物語たち。世間の人たちから忘れられてもわたしはずっとこのアルバムを聴き続けています。こういう音楽は曇り空が似合いますね、聴くたび荒涼とした異国の風景が目の前に広がっていくような錯覚を覚えます(ちょっと言い過ぎました)。この人も長らく新作から遠ざかっていますがわたしは密かにずっと待ち続けているのです。

https://open.spotify.com/track/7HcoIRK0LEYBOAj3QwWVtH?si=53vQoLcvTRSGcevga95X1g

 

 

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ついに…ついにラストです。1年の最後の日にiPodから流したのは椎名林檎。自分の趣味趣向と意思表示をストレートに突き付けた1st『無罪モラトリアム』と独自の世界観を完成させた3rd『加爾基 精液 栗ノ花』に挟まれた異形の傑作2nd。やりたい事が増え色々試行錯誤を試みた結果、超えてはいけない一線のギリギリ一歩手崩れ落ちる寸前でなんとか成立しているような奇跡の瞬間を幾度となく見せてきます。こんなめちゃくちゃな内容のアルバムが当時死ぬほど売れたとか今考えたら物凄く痛快って感じします。東京事変も込みで全作品ずっと聴き続けていますが、未だ『勝訴ストリップ』の衝撃を超えるものには出会えていません(もちろん個人的感想です)。このアルバムのLPバカ高くて手が出ないので早いとこ復刻して欲しいです。

https://open.spotify.com/track/5z4fiEjLBLPGXF3Zk2PF3g?si=YzDv3vSoTSupxj1UyFXKsQ

 

 

 

-編集後記-

以上です。こんな長ったらしいわりに内容が無い記事だれが最後まで読むんだって自分でも途中から思ってましたが、もはや引っ込みがつく段階ではなく後半は地獄でした。でもまあ記事を作成する途中で"自分にとっての2010年代ベストアルバム第1位はReal Estate『Atlas』"だと気付けたのでそれだけでも良しとしときます。もし最後まで読んでくれた方が一人でもいるのならこれ以上ない喜びです、心から感謝いたします。

2018 年間ベストアルバム

〜はじめに〜

毎年12月恒例の年間ベスト、2018年版です。

今年こそはこまめにブログ更新しようと年頭に決意したのですが、持ち前のめんどくさがりな性格が災いして案の定1年ぶりの更新となります。

2018年はサブスクリプションとの付き合い方(サービス開始当初はサブスク大嫌いでした)が自分の中で落ち着き、ネットで視聴→良ければ購入という流れが定着した年でした。

そんな"世界規模でサブスクがすっかり定着した"感のある今年のベスト選定基準は

①再生数が多いもの

②フィジカル(CD/LP)、もしくはデータで購入したもの

③言うまでもなく"好き"なもの

で、それに則ったランキングとなりました(一部フィジカル/データ発売されていないものもありますが、再生数がズバ抜けているのでそれは特例です)。

1年間たくさん聴いたしたくさん音源も買ったし良いものも多かったので、今年は50枚選出してコメントを書いています。

長いですがどうぞ途中で休憩を挟むなりして御一読していただけると作った甲斐があるというものです。

※今回から『各作品で個人的に1番好きな曲』のリンクをコメントの後に添付し視聴できるようにしてみました。

Spotify/soundcloud/Bandcamp/YouTubeとそれぞれ様々な形態で貼り付けられてありますが、自分は基本的にSpotifyでの視聴をメインとしている為そちらのリンクが多めになっています。

 

 

前置きが長くなりました。それでは2018年の年間ベストアルバムです。

 

 

50. Beach House - 7

 

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思えばこのバンドの音源を始めて買ったのはちょうど10年前だったな、それから10年間ずっと好きでい続けてるんだな……と少し感傷的な気分になった7作目。長い年月をかけ完成形に近づいた貫禄のドリームポップは、もはや甘ったるい代物ではなくなり霊的な波動を纏い始めた。「そんなに褒めるならなんでこんな低い順位なのよ?」と言われそうだが、内容的に素晴らしいのは重々承知の上で言うと個人的にコレは"完璧すぎる"し"隙が無さすぎる"と感じてしまって、「わたしなんぞがこのような聖なるものに触れるのは恐れ多い…」と萎縮してしまうのだ。10年前にリリースされた2nd『Devotion』やその次の『Teen Dream』には確かにあった"可愛らしさ"が今は懐かしく思えるくらい遠い地平まで辿り着いた新作である。

(ちなみにわたしの"私的ドリームポップ2大名曲"はBeach House「D.A.R.L.I.N.G」とAsobi Seksu「Me & Mary」です)

 

https://open.spotify.com/track/6PGrkeJpDpgiFLvgKYD489?si=DiSqWM1IRNKrJl0TpEGEGw

 

49. DIR EN GREY - The Insulated World

 

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他の追随を許さず、その独自すぎる世界観で海外からも絶大な信頼を得ている重音アート集団約4年ぶりの自己表明は、90'sエクストリームメタル的な重く歪んだサウンドと怪しく耽美な世界が同居した彼らの美学が溢れており、聴く方も深く沈み込んでしまう底なし沼のように危険な作品。

 

https://open.spotify.com/track/0XjuKIebjKkshap03sYjfs?si=RznwtN6nSM6ivutOe2SQug

 

48. Rissau - Ruang Temu

 

f:id:at-warwiththemystics377:20181201004012j:image

 

サブスクリプションの時代じゃなければこのバンドの事など知ることも困難だっただろうし聴く機会もなかったかもしれない(シューゲファンからの評価は高いがなぜかTwitter上でもほぼ言及される事はなかった)。RideやSlowdive〜現代のBeach Houseあたりまで、歴史に名を刻んだ偉大なバンド達のエキスがたっぷり詰まったドリームポップ/シューゲイザーバンドfromインドネシア。いわゆる"シューゲイザーの様式美"的なものを崩さず守り抜いた楽曲は別段目新しくはないが、それでもやっぱりこういう"揺らぐ音楽"には安心感を覚える。

 

https://open.spotify.com/track/2C6Kok4BgFJG3NvRlwnFe8?si=pwRVbkNpTiWw0uWCPSnE5w

 

47. Cindy Lee - Model Express

 

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カナダのポストパンクバンドPreoccupations→Viet Cong(わたしはこの"ベトコン"というバンドが大好きだった)の前身バンドである『Women』のボーカリスト、Patrick Flegelのアシッドフォークプロジェクト新作。もともとかなりLo- Fiである上に曲を薄く覆うドローンを加えて更に視界不良にしたサウンドは、まるで目薬をさした直後に見える"すべてぐにゃぐにゃにぼやけた世界"のような酩酊を誘う。あまりにも浮世離れしたこの音楽を聴くと心が穏やか夢見心地になりますので、寝る前に服用するのがよいと思います。

 

https://open.spotify.com/track/2qrejFX0fFbE2Mq1ZGXSvr?si=JBRqWr9tSc-1iHyCVwxo4g

 

46. Locust Fudge - Oscillation

 

f:id:at-warwiththemystics377:20181204213807j:image

 

リアルタイム世代であろうが後追い世代であろうがロック好きなら誰しも一度は通る、今や"もっとも振り返られない"ジャンルのひとつ『グランジ』という道を堂々と歩くベルリン産ロックバンドから90年代を愛するあなた(わたし)へ音楽の贈り物。とにかくまんまDinosaur Jr.だったりまんまSonic Youthだったりするポップなザラつきサウンドは、もはやモノマネやパクりの域を超えて「よくここまで再現した!」と感動を覚えるしむしろ新鮮に聴こえる。

 

https://open.spotify.com/track/2NZ4E9wypKnbMVqpGNSsLX?si=To7zEh4oR7qLsCgeRfyEyw

 

45. 日野繭子 - Lunisolar

 

f:id:at-warwiththemystics377:20181201234037j:image

 

日本におけるノイズレジェンドのひとり、激しさとは別の次元で超危険な波動を産み出すノイズ女番長 日野繭子さんの2nd。安全な家の中で窓の外の嵐を見ているみたいな、なんとも言えない精神的不安感に満ち満ちたサイケデリックノイズ。わたしは基本的にノイズというジャンルが大好きだしこのアルバムもめちゃくちゃカッコいいと思うんだけど、それでも精神的にキツいときには絶対に聴けないしこんなの聴いてるとホント気持ちが病んでくる。1年365日元気溌剌!みたいな奴に決してなれないわたしはこういう音楽に救いを求めてしまう夜だってあるのだ。

 

https://open.spotify.com/track/1PDTMRtkGzTrpi5XQMISwp?si=QQQe4MYTQbC-1p66igyeTw  (←22分超えた辺りからは本当にヤバい)

 

44. Cool Sounds - Cactus Country

 

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いつかどこかで聴いたことがあるような、忘れられた曲たちの断片…そんな"頭の片隅に眠っていた記憶"をくすぐる懐かしくてノンキな響き。時代の波には乗れないがなんの気負いもなくノホホンと良い曲を作るインディーシーンの新たな愛されキャラ。音/ジャケ/佇まい全てがヘボ可愛いメルボルン発男女混成7人組の1st。アー写がどうしようもなくモテなさそうで最高に好印象である。

 

https://open.spotify.com/track/6VOMX0awzDxCHzkhPe1epB?si=KG64Y8jhQFqK0UtqSbkt3w

 

43. Megumi Acorda - Unexpectedly

 

f:id:at-warwiththemystics377:20181130033214j:image

 

この手のジャンルが好きな人なら確実に一曲聴けば恋に落ちる、フィリピンから降臨した激甘ドリームポップ/シューゲイザーの天使。気怠い女性Vo+ゆったりしたドリーミーサウンドはMazzy Starを連想したり。先に紹介したインドネシアのRissauを始め既に日本でもブレイクしている韓国のSay Sue Me、シンガポールのCosmic Child、中国のPocari Sweet、日本のCollapseなどが今年発表した作品も軒並み素晴らしく、"アジアのシューゲイザー"の熱気と勢いを感じた1年であった。

 

https://open.spotify.com/track/76tFtc3882Z4VLp08xoBQc?si=CoJnE0QIRRepwWSI2a2Dog

 

42. Puce Mary - The Drought

 

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デンマークが誇るインダストリアルノイズの女王様が無事ご帰還なされた。ここに収録された楽曲は世間一般がノイズと聞いてイメージする"耳障りの悪い不快音"といった粗悪品ではなく、全てが繊細で慎重に配置された"冷たい音響彫刻"でありむしろ普段の生活では得られない特別な体験を鼓膜に与える。ミケランジェロ・アントニオーニの映画(あの映画暗くて好きなんだよな)をモチーフにした楽曲や美しいアルバムアートワークなど、要所要所で鋭い美的感覚が表出しているのもよい。

 

https://open.spotify.com/track/273z7stoJGCGAAnhBprGIL?si=0p9J2HkQTbKIMe0KU1NLUQ

 

41. Nadja - Sonnborner

 

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安心安全・最高にして最良の品質でこちらの欲求を確実に満たす信頼のブランド、メタルという枠/檻を破壊し堂々かつ優雅に響き続けるNadjaの新作は2016年発表の前作に引き続き2作連続年間ベスト入りとなった。Aidan BakerとLeah Buckareffの2人が発するドゥームな轟音と美しいアンビエントドローンはもちろん不変で、長尺曲が抜群に良いのもいつも通りである。心身共に安らぎを与える神秘の重音楽といった感じ。(言い過ぎか?)

 

https://open.spotify.com/track/5IXCNKeXKJOXnj0sBJekRp?si=SdYtv585TkO4ROdqRe22EA  (←30分あります)

 

40. The Voidz - Virtue

 

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ジュリアン・カサブランカスという男は凄い。ここまで支離滅裂で意味不明で最高にカッコいいアルバムを作ってしまうとは恐れ入った。めちゃくちゃとはいえギリギリのラインでしっかりした曲に仕上げてくるとは、さすが若きロックレジェンドやる事がニクい。00年代を代表する、皆が新作を期待するバンドThe Strokesでの大事な活動を放置してまでもこの作品を制作した心意気に拍手。もはやまともっぽい曲が逆に浮いてしまっているという謎仕様…余裕で時代の2.5歩先を行ってる。

 

https://open.spotify.com/track/6pMRk6Tr05wmZSSINOqzE3?si=7ZqjIOFASX6Nsnii4Z81Xw

 

39. グソクムズ - グソクムズ風

 

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サブスクオンリーで音楽を聴いていては見つけられない、ライブハウスやレコードショップに実際足を運ばないと辿り着けない音楽がまだまだこの世界にはたくさんある。我々の心に宿る"はっぴいえんど愛"をくすぐり続けるグソクムズもそのうちのひとつで、どんなに世の中が便利になろうがこういう現場での素敵な出会いは大切にしていきたい。ようやくディスクユニオンでもCDの取り扱いが始まり、より一層知名度が上がりそうな風が吹いている。

 

https://youtu.be/YDPk3y8IS6o

 

38. Alkaline Trio - Is This Thing Cursed?

 

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おかえりアルカライントリオ!!再生して即緩む涙腺…。わたしがThe Get Up Kidsにハマりまくり青春の全てを捧げていた1990年代後半〜2000年代前半、彼らと同じVagrantからリリースしていた(Vagrantのカタログには他にFace To Face、Rocket From the CryptDashboard Confessionalなどが毎回載っていた。なんという贅沢!)という理由で聴いて夢中になったあの時から十数年……その間も精力的にリリースを重ねつつの5年ぶりの前線復帰。赤と黒を基調としたジャケット含めこいつら最高なまま何も変わってねえ!漢らしい骨太ロックと泣きエモ全開のメロディーを貫いた9作目、長年待ったファンも報われる全力で最高な2018年のポップパンク決定盤。

 

https://open.spotify.com/track/4KgLMgC9724dK12vbHkbYk?si=pbUs7rR1QpS01wkyPkfSbA

 

37. Matt Karmil - Will

 

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2018年は個人的に仕事がとても忙しく心身ともにボロボロだったので、せめて休日くらいは何も考えず自室や風呂の湯船でボーッとしたいと考え、その際に再生する"心地良く聞き流せる音楽"を求めインターネット中を彷徨った。そこで出会ったのがノルウェーの最重要レーベルSmalltown SupersoundからリリースされていたMatt Karmilであり、彼のレコードから流れるコズミックでアンビエントミニマルテクノはわたしに沢山の安心感と脱力感と眠気を与えてくれたので今年一年とても重宝した。

(ミニマル好きな人達の間でもこのアルバムは割と評価高いらしい)

 

http://matt-karmil.bandcamp.com/track/cant-find-it-the-house-sound-2

 

36. Emma Tricca - St.Peter

 

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雪のように清らかで淡い日差しの暖かさを感じるこの音はきっと冬の朝に合うだろうな、と春先にリリースされた頃から思っていたが年間ベストを作るこの時期になってその考えは間違っていなかったと実感している。エマ・トリッカがローマから奏でたこの新作が仮に今の音楽シーンから無視され埋もれたとしても、'00年代半ばにAnimal CollectiveやDevendra Banhartらが30年以上前に作られたアシッドフォークの隠れた名盤群を再発見し自身の音楽に取り入れたように、いつしかこのアルバムも後の世の若きボヘミアンたちにレコード屋の隅っこ・もしくはウェブの彼方から発見され多大な癒しとインスピレーションを与えるだろう。

(手元にあるオリジナル盤のCDはその頃まで大事に持っていることにしようと決めた)

 

https://open.spotify.com/track/5McApVhUZxr73ZYuP2Z0U2?si=gcIe-O0SRDi2xxUuO0FO0A

 

35. 공중도둑(Mid-Air Thief) - 무너지기(Crumbling)

 

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世界規格のアーティストを次々輩出する韓国から届いた極上宅録インディー。リリース当初は「何者!?」とひとりざわめいたが、公衆道徳の別名義だと知って全て納得&「んで結局どんな奴よ?」と興味は尽きない。冷んやりとした肌触りのアコースティックサウンドに控えめながらも暖かく跳ねる電子音が重なり、徹底的にこだわった実験的で複雑な展開でも"絶対にポップミュージックの範囲から外れない"サウンドバランスが素晴らしい。日本盤フィジカル盤もリリースされたようだし、来年以降も【公衆道徳=空中泥棒】はインディーの枠を超えてより一層知名度をあげていきそうだ。

(わたしは韓国盤に慣れ親しんでいるので今回"空中泥棒"ではなく"Mid-Air Thief"名義での選出とした)

 

https://open.spotify.com/track/5BhkmqOd41eOl3dJjpBRoB?si=pn_ljW6hQBWw6MT-YRT1ZA

 

34. Josephine Foster - Faithful Fairy Harmony

 

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例えばこのアルバムをLinda Perhacs『Parallelograms』やVashti Bunyan『Just Another Diamond Day』、Sieylle Baier『Colour Green』、Karen Dalton『It's So Hard to Tell Who's Going to Love You the Best』などの名盤たちと同時期に録音されたと言われてもすんなり信じてしまいそう。現代の妖精ジョセフィン・フォスターの新作は、"誰も触れられない清廉の美しさ/いつでも身近にある親しみやすさ"が合わさった幽玄のフォークソング集。

(もうちょっとコンパクトな収録時間ならもっと上の順位でした)

 

https://open.spotify.com/track/4NrOiIQu1b2oMu9EjXOXnE?si=8m4N9c1AQnCEKrAJZa6_xA

 

33. Lori Scacco - Desire Loop

 

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まるでミネラルウォーターの如く透明で綺麗な液体が身体中を満たしていく感覚を覚える音楽。空前のアンビエントブームのおかげで陶酔的かつ逃避的な音源にたくさん出会える昨今だが、(なんと14年ぶりらしい)ロリ・スカッコの新作は他と比べても圧倒的に満足度が高い。雨降りの日はこんな音楽を聴きながら1日家でボーッとしていたい。

 

https://open.spotify.com/track/3P489lT4x9RJao9uW7EQuE?si=3bQNUn2yRUia8JKakLd5CA

 

32. John Moods - The Essential John Moods

 

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ゆったりとした時間が流れる甘美なこのアルバムを再生する度に身体のチカラが抜けていきふにゃふにゃした気分になってしまう。幽体離脱しているアルバムジャケット通り、うっとりしたついでに魂まで抜けていきそうな極上のソフトサイケ/アンビエントポップ。Sean Nicholas Savage(以前新代田Feverでこの人のライブを見た事があるが、凄く良いライブだったと記憶している)との共演曲も夢見心地で素敵。まるで子守唄のような優しい音楽を小さい音量で再生して、今夜もわたしはちびちびお酒を飲むのです。

 

https://open.spotify.com/track/3mm17fLWzYLrHRarQF2msx?si=WKYdnNAfQumoBnyLSFT3tQ

 

31. Tsudio Studio - Port Island

 

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オシャレでキラキラ、そしてちょっとアダルトな恋の気配を感じるこの音源を聴きながら、今年の夏以降わたしは未だ訪れた事がない神戸という街を想像していた。神戸は良い街だと聞くし、Local Visionsさんから届いたこの"架空の神戸の特産品カセット"とウォークマンをポケットに入れて素敵な街を歩いてみたい。

(Local Visionsさんからリリースされている音源はいまのところ全部聴いています)

 

https://open.spotify.com/track/6aE3eVY31mZOqqdg6plSSY?si=jtLL-_CUScKkL3dKvrXq0A

 

30. Eric Bachmann - No Recover

 

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90年代のUSインディーロックファンにとって大切な宝物のひとつ、Archers Of Loaf〜Crooked Fingersのエリック・バックマンが切ない唄心で作り上げた新作。ひたすらに美しい黄昏のメロディは、アルバムジャケットが示す通り夜が始まる少し前の"茜色に染まる時間帯"に聴きたくなる。Neko Caseが今年発表したアルバムに収録されているCrooked Fingersカバー(しかもバックマンとデュエット!!!)もめちゃくちゃ良かった。

 

https://open.spotify.com/track/13ROuKq2zrkH1jSg7tSbW1?si=5ZyKc4MhTXO8v25cvtxx7g

 

29. OGOD(Over-Gain Optimal Death) - More Hearing

 

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己が信じる道を突き進み、それ以外は「うるせ〜〜!!!!!! 知らね〜〜〜!!!!」と聞く耳を持たない暴走特急。産まれてはアッという間に消える数々のガレージバンドの怨霊が取り憑いた爆音上等野郎どもが鳴らすのは、無菌でキレイキレイな音に中指を立てるやかましくて歪んでてザラついてて篭った汚ったない暴力音楽。

 

http://ogod.bandcamp.com/track/narcost

 

28. aiko - 湿った夏の始まり

 

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長年聴いていて慣れ親しんだ存在なので信頼感と安心感は抜群な平成を代表する女性ポップ作家の13作目。"弾ける若い恋"から徐々に"大人のビターな恋"にシフトした歌詞同様サウンドも更に円熟味と統一感を増し、元々完成していたカラフルな風味に深みを与えた。視点を逆にして読む「意味がわかると怖い話」的歌詞も健在。

 

aikoさんはサブスクリプション解禁されていないので(それはそれで確固たる意志があるようで良い)好きな曲を添付できませんが、4曲目「あなたは」が1番好きです。

 

27. The Essex Green - Hardly Electronic

 

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むかしむかし、ある時代のある所に『エレファント6』というポップ音楽愛好家集団があった。Olivia Tremor ControlやApples in Stereo、Neutral Milk Hotel、Elf Powerなどと名乗る若者達が集うサークルの中にThe Essex Greenという名で演奏を行っていた若者達もいた。12年歳を取ったかつての若者達が発表した歌たちは、往年のファンの胸をときめかせ"キラキラしていたあの頃"を我々に思い出させた。そして長く愛聴盤として聞かれることになった。(という素敵なお話)

 

https://open.spotify.com/track/4sK07MZvPvnpnlGMy8kxEd?si=UlMAE0HRSJuDxoySVCGSkw

 

26. Inkwell Moon - Bad Day Dream

 

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USはインディアナから現れたとにかくいい曲を書くエモ/ポストハードコアバンドの1st。アルバムタイトルや各曲の曲名、逆さに写っているシャンデリアのジャケットが匂わす通り終始一貫して"打ちのめされた"ムード(そして美メロ)がアルバムを支配しており、スロウな曲ではサッドコアすら思わせる。9月半ばにリリースされたこともあり、今年はInkwell Moonのカッコよく切なく寂しい音を肴にひとり秋の夜長を過ごした。

 

https://open.spotify.com/track/0ra2T0c02eTyqK7B3fsE5o?si=t0ml0bGkT2WGKA2IrGqU9Q

 

25. Bonny Doon - Longwave

 

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年間ベストだからって全てのアルバムになんとしてもコメントをつけたいとかなにがなんでも評価したいってことはないし、このアルバムを特別リコメンドしたいって気持ちもないんですよ実は。でも特に大きな理由はないけどものすごく好きなんですよねコレ、落ち着くし。しいて言えばわたしが心底愛しているジェイソン・モリーナ(Songs:Ohia、Magnolia Electric Co.)の血筋を感じる曲調が沁みるっていうか。このアルバムを今回のベストのちょうど真ん中に位置させたのは自分的にすごく納得いく感じで、多分コレ何年後とかにも普通になんとなく聴いてそう。その頃にはレコードの盤面もちょっと傷ついてたりして。そういうのなんかいいな〜とか思いながらの25位。

 

https://open.spotify.com/track/1bp62uAn4ETZHpMaY7W7Un?si=7xWtwloWTyyqK-Xt232lTA

 

24. Panopticon - The Scars of Man on the Once Nameless Wilderness(Ⅰ&Ⅱ)

 

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好き者たちの間でもかなり評価が高かった自然派ブラックメタリストによる新作シリーズの2in1盤。〝静〟と〝激〟を行き来しつつ荘厳に音が渦巻く前半、ブラックというよりはフォーク〜ポストロックな佇まいのひたすらに美しい後半どちらも素晴らしい。パート1・2共に収録時間が長いが不思議と飽きない魅力的な仕上がり。

 

https://open.spotify.com/track/2vluFKWBHtkr691daGDUzP?si=DFlJf-T5RdyIcxrHlFsx1Q  (←パート1に収録)

 

23. Nicholas Krgovich - "Ouch"

 

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優しく流麗に流れ続ける見事な室内楽ポップ。簡素だが思わず引き込まれてしまうメロディセンスに、悪趣味にならない程度のロマンティックさをサラリと塗した味付けを施した結果産まれた楽曲たちは、"地味にもならず派手にもならない"絶妙なバランスを保っており、ポップ音楽愛好家の間で永く語り継がれてほしい良作。

 

https://open.spotify.com/track/3f9cZ7Sy200OPshLWhKS98?si=ZhV2AxPVRzKVQMoByk2aZg

 

22. Cloud Nothings - Last Building Burning

 

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彼らのスタジオ録音盤を聞く度に思うが、ただがなり立て"やけっぱち"に音をブチかますだけではなく、粗い音を""丁寧に""響かせるのがこのバンドの最大に好きなポイントであり、今作も『勢いがあり/聴きやすく/メロディアスで/カッコいい』最高のロックアルバムに仕上がっている。

(ライブになると投げやり感が強くなりすぎて「もうちょっと丁寧に演れよ!」と思うが、まああの勢いだけな感じも悪くないよな)

 

https://open.spotify.com/track/1gbIocBkYLIW1JQFK3hHM8?si=BpyYZG9ZSSC1G6TMQOzGUQ

 

21. Caoilfhionn Rose - Awaken

 

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ノリに乗ってるUKレーベル【GONDWANA】からリリースされた魅力的な1st。全編を包むしっとりとした空気や、喜怒哀楽の合間にある不思議な感情を刺激するトラッド風味の煮え切らないメロディー、少し斜のかかったような声も、なにもかもが心に刺さる。

 

https://open.spotify.com/track/3ggzWRwrxcAsmGa2eCWLgT?si=C7e4YYsfQo2Ik63DDHAOkA

 

20. 平賀さち枝とホームカミングス - カントリーロード/ヴィレッジ・ファマーシー

 

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この2組の前作『白い光の朝に』がセカンドロイヤルからリリースされた2014年9月10日以降の4年間わたしは事あるごとに何度も何度も表題曲を聴き返して日々を過ごした(「白い光の朝に」のMVの雰囲気がめちゃくちゃ好きなのでディスクではなくYouTubeで。福富くんがスライディングしてくるとこが特に好き)。まさかのコラボレーション2作目の1曲目「カントリーロード」、今年曲単位では断トツ1番聴いた曲。表題曲だけで言えば前作より良い、てか好き。Pavementカバーも選曲がまさかのアレでとても良い(Pavementのあのアルバムほんと良いよな…)。とりあえずはやくカントリーロードのMV作ってください。あと来年の夏こそは京都タワーが見える場所でビアガーデンしたいので誰か誘ってください。

 

https://open.spotify.com/track/2JlzIai4ifuhyZ2pjiuNV8?si=TVZ397L1Qp-TYSkKQC06gw

 

19. Jon Hassell - Listening To Pictures

 

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ジャズと電子音をワンランク上の意識で溶け合わせ融合させた不穏な空気。シュトックハウゼンから電子音を学んだ81歳のトランペッターが吹き込んだ第四世界的呪術。テリー・ライリー、ラ・モンテ・ヤング、ブライアン・イーノを経てたどり着いたキャリア屈指の新たな代表作にして現代の音楽シーンに衝撃を与える台風の目。

 

https://open.spotify.com/track/3tlGG8Qkts1UZpL5aTnQXE?si=MwDIvZJRSpSVH6TX9NZFsQ

 

18. Elvis Costello & The Imposters - Look Now

 

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これぞコステロ節!!新旧全てのファンが納得の笑顔を見せる、小粋なロック曲と大人なソフトジャズっぽい曲がバランス良く配置された近年のコステロ作品の中でも間違いなく突出した出来の作品であり彼の新たな代表作。彼の作品はハズレなしだし基本的なラインは過去作と変わらないが、今作の曲の多彩さと往年の雰囲気を感じさせる楽曲はとても素晴らしく、特に『Painted from Memory』の頃の渋い色気を漂わせるしっとりした曲が凄い好みで(個人的にわたしのコステロ初体験盤がバート・バカラックとの共作『Painted from Memory』だったからかもしれないが)、聴くたびウットリしてしまう。60代も半ばを迎えたコステロおじさん、まだまだ若いモンには負けず貪欲にアウトプットし続ける。

 

https://open.spotify.com/track/5kRDu3eHX4OtVolyQ1ZRqr?si=7ZzGVkj_QfSlIwlsty5ZlA

 

17. AL-90 - Murmansk-60

 

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ロシアのアンダーグラウンドダンスフロアから届けられた最高のディープハウス。2018年に世界中のベッドルームから日々発信され続けた数々のエレクトロサウンド同様実験的でエクスペリメンタルな響きを基調としているが、最近ありがちな"先鋭的だが踊れないリスニング仕様"ではなくあくまで"実用的で快楽重視の現場主義"的ダンスチューンに仕上げているのがリスナーとしては非常に嬉しい。来年は何かしらの野外イベントでこの歪んだハウスを聴きながら現実の事全て忘れて一晩中踊りたいですね。

 

http://al-90.bandcamp.com/track/000903-gulfstream

 

16. Connan Mockasin - Jassbusters

 

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あの"時空が歪むほど狂ったポップソング集"だった1stアルバム『Please Turn Me Into the Snat』(後に『Forever Dolphin Love』と改題しているが、自分としては圧倒的に黄色ジャケの方に思い入れがある)至上主義の人間としては、以前より随分とスッキリした真人間になった感じはするがそれでもまだまだヘンテコなサウンドは健在で、身体中の力が抜けきってしまうような"ねっとりソフトロック"を聴くとこっちの頭のネジまで取れてしまいそうで怖い。(けどそれでもいいやと思ってしまう)

 

https://open.spotify.com/track/04INARq9J6yleKLtnF1Fbs?si=-ITgrvRmRj6CWQ5B-LVPyQ

 

15. DISCWOMAN 55 × Peach

 

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Boiler Roomでの"抜群のセンスで客を踊らせぴょんぴょん跳ねながら笑顔を振りまく"動画を見て以来わたしは彼女の虜だ。今世界で最も注目されているNYのコレクティブ『DISCWOMAN』がネット上に定期的にアップする一連のシリーズはどれもエキサイティングで大変素晴らしく、今後もこのシリーズが楽しみでならない。

(余談ですが11月にWWW Xで行われたDiscwomanのショーケースは深夜帯にも関わらず果てしなく盛り上がり最高の一夜となりました。特にUmfangのプレイは神。個人的にはmobilegirlの「戦メリ」使いがグッときました)

 

https://soundcloud.com/discwoman/discwoman-55-x-peach

 

https://youtu.be/VZClzm3K__4  (←Boiler Room)

 

14. Caterina Barbieri - Born Again in the Voltage

 

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今年のruralにて深夜2時から登場したキュートなカテリーナ嬢のライブは、彼女が操るモジュラーシンセから発せられる持続音と反復音によってわたしたちをナチュラルトリップへと誘った。(詳しくは言わないが完全に"アレ"な方々もたくさんいらっしゃいました)

昨年発売の『Patterns of Consciousness』に続いて2作連続年間ベスト入りとなった今作も脳がマヒするほどの電子幻覚音でわたしを虜にする。

 

https://open.spotify.com/track/6FnbUMsuDgY841EX4ByzkM?si=in2w2uCzQziI1771qUYvhw

 

13. 優河 - 魔法

 

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流れる河のようにゆるやかで優しい楽曲と「静かに/強く」自己主張する透明な歌声。岡田拓郎やharuka nakamuraのサポートも素晴らしい。ライブにて「優河さんは早く紅白に出るべき」というようなことを古川麦さんがおっしゃっていたが、わたしも全く同感です。

(ちなみにライブはCD音源より全然凄かったです)

 

https://open.spotify.com/track/5GZzvh4FxMWIwOmx44i6ZD?si=XMug7t21RjGK882Sw7p_iA

 

12. 千紗子と純太 - 千紗子と純太と君

 

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CASIOトルコ温泉とneco眠るのメンバーによるこのコンビがリリースしたアルバムは、〝とても簡素な言葉(でもなんかジーンと心に響く)〟と〝とても簡素な音(でもなんかジーンとココロに響く)〟が重なり合って出来たふたりにとって・わたしにとってとても大切な作品。"千紗子と純太なら大丈夫!例えフェイクでもいい 大丈夫、二人でなら"と歌詞にもある通り、この2人が奏でる音楽なら安心して身を任せられると思ってしまう。

 

https://soundcloud.com/fanorecords/dispersed-ego

 

11. Vein - errorzone

 

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今年の音楽シーンで最も大きなトピックは?カニエの新譜?年末に出たThe 1975?IdlesとかSerpentwithfeet、ceroやSnail MailやJPEGMAFIAやTom MischやA.A.LやBlood Orangeが素晴らしい作品をリリースしたときも凄く盛り上がったし、プリンスのピアノ弾き語りのアルバムリリースも嬉しかったな…。それ以外にも色々あるだろうし答えは人それぞれだがわたしにとってはVein、もはやこの手のジャンルが好きな人で知らぬ者はいないほどの人気と影響力を持ったVeinの1stフル一択それ以外考えられない。そもそも昨年夏YouTubeにアップされた"スッカスカのフロアでハードコア音頭を踊る客たち"の虚無いライブ映像を観て以来強烈に心惹かれていたこのバンド、満を持してドロップした1stは新たなハードコアの金字塔として長きに亘り光り輝きその名を轟かすだろう。新世代ヘヴィロックヒーローが世に放った無敵の27分39秒。

 

https://open.spotify.com/track/5eFI3Z10boOcLyJO4PnZ0F?si=byiVVEheRHWidQsZkhYWrA

 

https://youtu.be/FxiRpvQZDmg  (←昨年のライブ映像。凄すぎて笑ってしまう)

 

10. Jeff Rosenstock - Post

 

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思えば2018年はこの強烈な一発から始まったのだったな…としみじみする12月。1年間通してたくさん音楽を聴いていると年明け早々に発表された作品は"そんなに年月が経ってないのにもの凄く過去のモノっぽくなる"謎の現象で年間ベストの時期になる頃には忘れられがちになるが、ジェフ・ローゼンストックの新作はそんな「リスナーの勝手な気分」や「月日の経過」なぞお構いなしで聴けば常に最高なのだった。アルバム最後の11分10秒は今年何度も何度も繰り返して聴いた曲。2019年こそは彼のライブを是非とも日本で見たいものです。

 

https://open.spotify.com/track/0Dlmf40YU8984qxZlhGtx6?si=kyyHZfVrR7mKyfJ4rVwEjA

 

9. Xinlisupreme - I Am Not Shinzo Abe

 

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景色の全てを歪んだ音で埋め尽くす激烈轟音。日本が誇るエレクトリックシューゲイザーの極北、みんなが待ちに待った美メロノイズ待望の帰還。直近の傑作EP2枚の収録曲をシャッフルして構成した2ndフルは完全に新曲オリジナルというわけではないが、生きとし生けるもの全てが溶けて崩れ脳みそがメルトダウンしてしまう超名曲「Seaside Voice Guitar AD」が収録されているだけでもう最高に満足、昇天確定なのだ。現在の超うるさいMy Bloody Valentineと是非とも対バンして欲しいですね。負けねえよ。

 

https://open.spotify.com/track/2SmWGzhoJqZeCafF9Raq64?si=Kd6N-YWsT2alWn0DggCPZA  (←音量注意。特にイヤホン/ヘッドホンで聴く人は本当に注意してください。)

 

8. Yo La Tengo - There's a Riot Going On

 

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バンド史上かなりチル度が高い、傑作『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』と並ぶくらいアンビエント成分が高濃度なヨラテンゴ新作(「Cherry Chapstic」みたいな爆裂曲が収録されていない分チル度としては今作の方が上か)。今回は瞬発的にギアを上げるロックや轟音フィードバックノイズな曲はなく、長い年月をかけて自分の心の中でゆっくり愛を育み熟成させるタイプの曲が並ぶ。フォーク/ドローン/アンビエントの雰囲気を纏った〝静〟のヨラテンゴとしてはかなり決定版のような内容。もしかしたら数年後には「2018年の年間ベスト1位は結局ヨラテンゴだよね〜〜」とか調子いい事言ってそうである。それにしてもヨラテンゴおちょこは最高…。

 

https://open.spotify.com/track/0WAHfqId7rL8Q0VHN4yMeJ?si=6W0DDuNBSPmJ6zfANEGrtw

 

7. Kink Gong - Dian Long

 

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昨今のエクスペリメンタル系エレクトロ勢とも共振する実験的電子音でアジアの日常を切り刻み異形の風景に変えるフランス人のLP2枚組新作。フィールドレコーディング/アンビエント/コラージュ/IDMといった、"この音楽をギリギリ表現できる言葉"の範囲から遥かに逸脱したミュータント音塊。今年の来日公演も相当良かったようで、仕事の都合上行けなかったのがとても残念……。

 

https://open.spotify.com/track/1V6PNAntJI5wJuvzChDn3G?si=kqRgULBCRPybTsrn2jboCA

 

6. Maria Rita - Amor e Música

 

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いきなり本筋から話は逸れるが、わたしが社会人になって初めて貰ったお給料で買ったCDのうちの一枚がマリア・ヒタの1stだった。傑作2nd『Segundo』は当時タワーレコード仙台店で予約・取り寄せして買った(値段が高かった覚えがある)。というわけで、個人的にものすごく思い入れが強いマリア・ヒタ待望の新作である。現在のブラジルオールスターズが提供した"跳ねるリズムと陽気だが時折胸をキュッと締め付けるサウダージな雰囲気"の楽曲群が感動的に響き、その音楽の上で軽やかに舞い歌うマリア・ヒタの歌声は最高に美しい。2018年最も心が満たされたサンバアルバムであり、タイトル通り『愛と音楽』(こんなアルバムタイトルつけて許されるのは彼女くらいだ)が溢れた作品。

 

https://open.spotify.com/track/64E886N63OeShbk8S1dD30?si=VnR4cDQ8TrumoScjqNhn1g

 

5. Mutual Benefit - Thunder Follows the Light

 

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前作が2016年の当ブログ年間ベスト1位だった現代屈指のドリームポップ職人、その新作は聴き手を最短距離で現実逃避へと導くドリーミーなフォークソング集。全編を覆う優しく甘美な怠惰感は白昼夢の幻想を見せ、アルバムが終了しても残る果てしない余韻は"何かをする気力"を根こそぎ奪ってしまう。前作同様現在の音楽シーンのメインストリーム周辺とは遠く離れインディーロックシーンの中でも決して売れるようなものではない。だがそのかわり時代が変わっても絶対に古びない永遠性を宿した、いつまでも魅力が薄れず記憶に残る作品であるとわたしは思う。

 

https://open.spotify.com/track/25rWbshyKqNLYSYJHzc1DC?si=Z-YQVDh2TduW9SZI4Bm30A

 

4. Shutaro Noguchi - Love Super Terranean

 

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天才Shutaro Noguchi氏が米ルイヴィルから世界へ発信した桃源郷への入り口。とてもシンプルでポップなメロディーは極彩色に輝き、複雑に掻き回されプログレッシブなうねりを与えられた楽曲はそれでも疾走感を保つ。一曲一曲、展開が進むにつれ恍惚度合いが高くなる陶酔音楽。一家に一枚の必聴盤、今後大きな何かが始まりそうな予感がする傑作1st。それにしても漫画家の長尾謙一郎さん(この人の漫画は全て大好きです)が描いたジャケットが本当に本当に素晴らしく、音楽同様無限の想像力をリスナーに与える。特に裏ジャケがグッとくる。

 

http://sasmusic.bandcamp.com/album/lover-super-terranean   (←サブスクで聴けるのはこの曲だけですが全4曲全て貼りたいくらいヤバいです)

 

3. The Sha La Das - Love in the Wind

 

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"色褪せた写真"のようなビンテージの薫り漂うスウィートメロディがレコードから流れるとき、部屋の中が古き良き時代の匂いに包まれる…。まるでモータウン黄金期のような感触のファミリードゥーワップグループ1stは、どこまでもメロウでドリーミーなハーモニーに思わずうっとりの逸品。レコードの盤面ラベルも当時を匂わすデザインで「わかってる奴ら」という印象。

 

https://open.spotify.com/track/2n9GJO0N32j2iL4Ac0G8Rn?si=yUTdN0BhQeiJS3uDdgkiUg

 

2. Sleep - The Sciences

 

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聖なる山・聖地巡礼ときて、大量かつ絶え間ないスモークのお陰でついに宇宙まで意識をトばしてしまった現世最強ストーナー神3枚目のフル聖典。もはや無形重要文化財クラスのヘヴィーでドゥームな音は、"アドレナリンが沸騰して興奮を覚える"というような類のものではなく"深くリラックスしていき寝ながら覚醒しているような不思議な状態"に体をセットする。今年1月に行われた初来日公演は当然の事ながら大変素晴らしく、重い音と恍惚な空気が渦巻く人生レベルで記憶に残るライブでありました。

 

https://open.spotify.com/track/7uDRYzCgOPTYDuTSfNpuxo?si=YecMfIcDQXecUQ_bq9PdLA

 

1. Spiritualized - And Nothing Hurt

 

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一昨年の年間ベストでも言及したようにわたしはこのアルバムの発売を限界まで膨れ上がった期待の中迎えたが、いざリリースされた新作はその気持ちを充分に満たし且つこちらの予想を遥かに超えた(ジャケットが示唆しているように)孤高の地点まで到達していた。過去最高に穏やかで総集編的な作風は、これが本当に最後だとしたらあまりにも"綺麗すぎる"幕引きだと思ってしまうくらい彼が長年追い求めた音楽の"終着点"を感じる。他にも色々言いたい事はあるけど、とりあえずジェイソン・ピアースさん長い間お疲れ様でした。沢山の素敵な音楽を聴かせてくれて本当にありがとうございました。(いつでも戻ってきてください)

 

https://open.spotify.com/track/6c8I5Qq9yo3PU1B7jXNsDq?si=I2ed7ckXQr63-msG8pTbGQ

 

 

 

〜おわりに〜

 

以上が2018年の年間ベストになります。

曲単位ですと本編でも触れましたが平賀さち枝とホームカミングス「カントリーロード」の再生数がぶっちぎりで、ついで佐々木恵梨「ふゆびより」/KID FRESINO「Coincidence」なんかを繰り返し聴いていた1年でした。

 

やはりこの時期になると一年を振り返れて楽しいですね。年間ベストを作る為に今年増えたCD/レコード棚の中身を眺めたら色々思い出が蘇ってきました。Kamasi WashingtonとAutechreは収録時間長すぎてほとんど聴き返さなかったな、とかKali Uchisは音源ほとんど聴いてないくせにフジロック最前であのドエロいライブ見れてサイコーだったな、とかOPNの新譜についてるTシャツお揃いで着て友達と一緒に写真撮ったな、とか(その友達はそろそろ入籍するらしいですね。おめでとう!お幸せに!)。

Sun Araw Saddle SoapのCDはなかなか届かなくてイライラしたし、ECMからリリースしたMathias EickとESPからリリースのMatthew Shippは旅行ついでに渋谷のタワーレコードで店員さんに探してもらった。ソニックマニアでのライブが信じられないくらい良くて翌日慌ててAmazonに注文したDorian Concept(あの日ドリアン・コンセプトで一緒に騒いだ友達やマイブラ観ながらうるせーうるせー言い合った愛すべきお2人ホントありがとう!)、なぜかカセットで買っちゃったHovvdy、Young Guvは前作の方が良かったしベルギーのSTROOMレーベルから出た再発盤の数々に癒されたりしたしHigh On FireやSkeletonwitchなんかもよく聴いたけど圏外になっちゃった。大好きなOneidaの新譜レコードをどの棚に収納したかすっかり忘れてしまって探し出せない今現在のわたしは吉澤嘉代子とゴアトランスのMorphic Resonanceをよく聴いてて、めちゃくちゃ良いけど聴き込むまでは至らなかったな…とか。

思い返せばキリがないのでそろそろ辞めときますが、今年もたくさんの音楽に出会えました。

 

そろそろこの長ったらしい記事も締めの時間にしたいと思います。来年からは私生活で大きな変化があり、今までみたいには音楽を聴く時間が作れなさそうですがまた12月にブログを更新できたらいいなと思います。ここまで読んでいただきありがとうございます、駄文失礼しました。ではまた!

 

2017年ベストアルバム

2017年の大好きなアルバムです。

 

 

35. Tribalistas - Tribalistas

 

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日々の生活は単調に過ぎ、気づけば月日は流れ前作から15年も経っていたが久しぶりに再会した"3人の音楽"は変わらず軽やかに跳ね優雅に流れていた。凛としたマリーザ・モンチの声が素晴らしい。

 

 

34. Haco - Qoosui

 

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SUGAI KENやVisible Cloaksが目の覚めるような作品をリリースした2017年は歴史的なアンビエントイヤーだったわけだが、薄い靄に覆われたこの作品もまた今年を彩る"静寂の音楽"の輪の中のひとつであり、名著『NEW AGE MUSIC DISC GUIDE』にも取り上げられた逸品である。

 

 

33. Alan Vega - It

 

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昨年惜しくも亡くなった偉大なパンクロッカー最期の作品。しかし遺作とは思えない程凶悪に歪みブッとんでおり、長年この道を歩み続けたものだけが辿り着ける境地を強烈に印象づけた。

 

 

32. Jinsang - confessions

 

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ゆるく鼓膜から身体を通り過ぎていくメロウでジャジーなヒップホップ。 2017年の眠れぬ夜、わたしは幾度となくライブストリーミングのLofi Hip Hop Radio 24/7にチャンネルを合わせ心地よいビートに身を任せつつShazamを繰り返した。

 

 

31. Mac Demarco - This Old Dog

 

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この人の資質である"陽気なメロディー+能天気な緩さ=力が抜けきった適当インディーポップ"は、日々の仕事にかかる重圧に耐え続ける現代人にとってもはや救いですらある(とか適当な事を言ってみる)。

 

 

30. Converge - The Dusk In Us

 

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いまだに立ち止まる事なくヒステリックに爆進していくカオティックハードコアの皇帝。キャリアの長さ故さすがにもう驚くようなことはないが、安定の爆殺力と頂点を極めた無秩序。

 

 

29. STORM OF VOID - War Inside You

 

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ヘヴィロックファンを決して裏切らない重さ、ただ力強いだけに終始しない知的さ。マーク"バーニー"グリーンウェイ(ナパーム・デス)とJ・ロビンスというゲストボーカルセレクトの絶妙さ。時に猛り時にシャープに、最後まで途切れない緊張感。これがわたしたちが待ち続けたStorm of Voidである。

 

 

28. The Hempolics - KISS,Cuddle & Torture Volume 1

 

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ヒップホップ以降の感性を持ちつつも骨の髄までレゲエに浸かり、紫の煙をゆるくぶっとくダビーに吐き出す。古くて新しい、ルーツレゲエと現代的ブラックミュージックの幸福な邂逅。

 

 

27. Alessandro Cortini - AVANTI

 

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冬の日の灰色で美しい風景のサウンドトラック。暖かいドローンと優しいアンビエンスが融和する静かな時間。トレント・レズナーの良き協力者であるシンセサイザー奏者が作り出した極上の空間。

 

 

26. Amenra - Mass Ⅵ

 

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暗黒、鬱鬱、悲鳴…触れるものを容赦なく深い漆黒の世界へ引きずり込むドゥーミーなベルギー産重音ポストメタル。全てを黒に塗り潰す、闇の底から響く咆哮。

 

 

25. Kauan - Kaiho

 

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定期的にロシアから届く美しき物語、その新作。ポストロック/プログレを"神秘と静寂"で包み込んだ結果産み出されたのは、安らぎと力強さを併せ持つ一大アンビエント叙事詩

 

 

24. For Tracy Hyde - he(r)art

 

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魔法のような音楽。都会の夜、飲み屋からは楽しげな笑い声が溢れカップルは寄り添い人々はそれぞれ忙しく行き交う中、寂しい気分になったわたしはiPhoneからイヤホンを経由しこのキラキラした音楽を何度も両耳へ流した。なにより曲のよさ、そして果てしない声の魅力。

 

 

23. Giant Claw - Soft Channel

 

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インターネットのバーチャル上に漂う不可思議な空間から電子音に擬態して放たれる音の彫刻。この作品を聴くのに立派なコンポなどなくてもよい、PCもしくは携帯電話とWi-Fiさえあればいい。

 

 

22. Der Weg einer Freiheit - Finisterre

 

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神秘的な清らかさと果てしない暴力衝動という相反する要素を兼ね備えたドイツ産ポストブラックメタルバンドによる美しき絨毯爆撃型殲滅攻撃音塊。

 

 

21. James Holden & The Animal Spirits - The Animal Spirits

 

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一曲一曲に物語があり、流れるような展開が気分を高揚させる。様々な要素を吸収し融合させ放つ波動はテクノ/サイケ/プログレッシブ/ジャズなどのジャンルを軽く超えていく、なんとも眩惑的なバンド作。

 

 

20. Grandaddy - Last Place

 

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久しぶりに再会した旧友はブランクなど無いかのように屈託なくその人懐こい笑顔をこちらに向け、わたし達はなんだか嬉しくなる。グランダディ10年ぶりの新作は優しくて親しみやすくて素朴で、何年経っても変わらない佇まいのインディロック。

 

 

19. Ash & Herb - Northern Lights

 

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ちょっとキメすぎちゃったみたいで音の輪郭など遥か彼方へ吹き飛んでしまったアシッドフォーク。常識も理性も何もかも忘れてしまえる完璧なトリップ体験があなたを待っている。

 

 

18. Caterina Barbieri - Patterns of Consciousness

 

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シンプルな構成で最大の効用を。脳を痺らすシンセ音の持続と反復で聴く者を強烈にトリップへ誘う女性電子音楽家によるクールな遊戯。わたしの自室のレコ棚には、Ashra『New Age of Earth』やTerry Riley『A Rainbow in Curved Air』の隣に彼女のレコードが収められている。

 

 

17. KLEIN - Only

 

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時空が歪み常識が溶ける危険物質を多量に放出するR&Bを超えた"なにか(名前はまだない)"。ダウナーでバッドトリップな音響実験室。再生時は音量に注意して、家族や隣近所が怪訝な目を向け心配するから。

 

 

16. PACHINKO MACHINE MUSIC - PACHINKO MACHINE MUSIC 2

 

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我々庶民にとって"最も身近な場所"に渦巻く欲望と騒音を分解/再構築した結果出来上がったのは、フィールドレコーディングの極北でありグロテスクな程ポップなノイズミュージック。

 

 

15. Ellen Arkbro - For Organ and Brass

 

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スウェーデンの美しき異才がリリースしたナチュラルトリップ作品。どこまでもミニマルに繰り返す心地よき音の重なりが快感と平安を同時に生み出し、心の毒を優しく洗浄する今年最良の実験音楽

 

 

14. Ellen Allien - Nost

 

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ベルリンテクノシーンの美しき代表者、久しぶりのフルアルバムは生真面目すぎるくらいのストイックなテクノ作品であり、このような音楽はフロアの闇でこそ輝く。

 

 

13. Pigs Pigs Pigs Pigs Pigs Pigs Pigs - Feed the Rats

 

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強靭な轟音がサイケデリックに荒れ狂い脳内麻薬の泉を決壊させる重音酩酊音楽。今一番ライブを見たいバンドは何か?と問われれば即答でピグスと告げる。

 

 

12. Micah P. Hinson - Presents the Holy Strangers

 

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その渋さ、伝統的な音楽を幻想的な音像に仕立て時間を超越した世界に迷い込ませる魔力はまるでLambchopの名盤『Nixon』のようだ。真昼に見る幻のような美しき世界。シンプルだからこそ響くものがある。

 

 

11. Ariel Pink - Dedicated to Bobby Jameson

 

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百面相のようにコロコロ変わる展開とチープなサウンドを手品のように繰り出し続ける奇妙なポップスター。音楽も本人も相当な捻くれ具合。ただ彼の作る曲の奥底には"アリエル・ピンク流ソウルミュージック"が宿っていて、わたしはいつもそれに惹かれる。

 

 

10. Wolves in the Throne Room - Thrice Woven

 

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みんなが好きな"ブラックメタルのWITTR"帰還。どこまでも重く激しく美しく突き進み昇っていく、荘厳なその様をまた見れてよかった。あとこれは音楽本編とは関係ない話だが、Daymare Recordings特有の"解説紙裏面のカタログ"を眺めるのが本当に大好きでいつもワクワクする。

 

 

9. Lee Ranaldo - Electric Trim

 

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【失われたソニック・ユース】以降、メンバーの中で最も創作的に絶好調なのはリーである、とわたしは思っている。ギタリストとしての印象が強い彼だがソングライターとしても一級品である事は誰の目にも明らかで、SY時代から見え隠れしていたリー独特の優しげなメロディーが今作も華開いている。

 

 

8. 柴田聡子 - 愛の休日 

 

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前作『柴田聡子』は2015年の年間ベスト1位に選定した。今作と前作で違いがあるとすれば"前作のジャケのほうが好き"ということだけ(しかしこれ以上なく重要なポイント)。CDのジャケットに「ダイエットしながら太ってんじゃねー!」とサインを書いてくださってありがとうごさいました。この場を借りて柴田さんにお礼を。

 

 

7.  Ed Askew - Art and Life

 

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今年はESP-DISK時代のラジオ音源集なんて素晴らしいものも発売されたが、『Art and Life』の素朴な美しさには敵わない。ここにはアシッドフォークやサイケフォークなんて着物を脱ぎ捨てた、聴くものの感情を震わせる裸のうたがある。

 

 

6. Tennis - Yours Conditionally

 

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雪が溶け、春の風が吹き始めた頃遠く海の向こうから届けられた日向の香りがする10編の物語。70〜80'sのポップソングのエッセンスをふんだんにまぶした素敵ポップソング集は、木々が萌え薫風吹き枯葉落ち肉まんやおでんをハフハフする頃まで季節が移り変わっても尚わたしを魅了してやまない。

 

 

5. YOUR SONG IS GOOD - Extended

 

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久しぶりに聴いたYSIGはとてつもないバンドに進化していた。様々な音楽要素を取り入れ"反復による快楽"を極限まで抽出した楽曲はクールなのに熱く、まるで常夏の国のクラウト/ポストパンクサウンドのようだ。

 

4. Boy Pablo - Roy Pablo

 

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何はともあれこの「何もかも最高にダサくてカッコ悪くて、でもクセになる程輝いてる」MV(https://youtu.be/Lzi7ljJiLJQ)を見てもらえればそれ以上の説明はいらない気がする。

ノルウェーから現れたレトロでトロピカルな脱力ポップ少年、ブレイクまであと少しだ。

 

 

3. Ex Eye -  Ex Eye

 

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空間を埋め尽くす音の圧力。各人それぞれが高いテンションのまま衝突し重なり合って先へ先へと突き進んでいく。ブラックメタル・ポストロック・フリージャズ、その全てを融合し爆音で突き進んでいく。向かう所敵なし、完全無欠の轟音。

 

 

2. The War on Drugs - A Deeper Understanding

 

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ジャケで「往年の名盤」の薫りをプンプン漂わせるあざとさを披露しつつ、決して懐古的ではなくあくまで現代的。心地よさは据え置きで、しかしあまり夢見心地にならずしっかり地に足をつけてインディロックという枠を超えた普遍的な名曲を鳴らす事に成功した彼らの大いなる一歩。

 

 

1. 赤い公園 - 熱唱サマー

 

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自分の場合年間ベストの順位づけなんてものは"いかに繰り返し聴いたか"の回数だけが選定基準であり、わたしは2017年夏の終わり以降コンポから、イヤホンから、カーステレオから幾度となくこの"大好きな12曲"を再生した、ただそれだけなのだ。

2016年下半期ベストアルバム

 前回の『2016年上半期ベストアルバム』発表以降も、自分の気の向くまま思いの向くままフラフラとマイペースに音楽を聴いていました。それを何かしらのカタチに残したく、上半期ベスト発表後の"6/13〜現在までの期間に発表されたアルバム"の中から、これは好きだ…と感じて何度も聴いた作品を『2016年下半期ベストアルバム』と銘打って50枚ランキング形式で選出しました。

このベストは"人に薦めたい思い"というよりは"音楽を聴きながら毎日を過ごした自分の記憶/記録"みたいな感覚で書き綴っていて、極個人的な日記のようなものです。2016年の初夏から冬にかけて、僕はこんな音楽たちに心を奪われました。ごゆるりとどうぞ。

 

 

 

 

50  Title Tracks  -  Long Dream

 

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聴けば誰しも気にいる(であろうと信じている)小細工なしのストレートで良曲揃いの素敵なパワーポップ。音楽愛をこれでもかとたっぷり注いでいるのに脂っこくなくスッキリしているので疲れた気持ちをリセットしたい時なんかに最適かも。「元Q and not Uの〜」とかいう枕詞なんてそろそろ必要ないと思う。(Q and not Uは最高のバンドだったけれど)

 

 

49  Shield Patterns  -  Mirror Breathing

 

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深い霧に包まれたように音像が薄っすらボヤけたダビーでアンビエントでクラシカルなサウンドがドープなマンチェスターのエクスペリメンタルデュオ新作。静謐で消え入りそうなClaire Brentnall嬢のボーカルも神秘的な雰囲気を演出していて素晴らしい。CD/レコード棚に並べるならポーティスヘッドやマッシヴアタックの隣。

 

 

48  Pixies  -  Head Carrier

 

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かなり賛否両論分かれた(どちらかというと否が多いような気がする)ピクシーズの新作、自分は割と好き。要するにフランク・ブラックは新メンバーのパズ・レンチャンティンにたくさん歌って欲しいからこのアルバム作ったんでしょ?ってなくらいパズの魅力満載。全盛期の狂気や野獣の雄叫びは身を潜めた感じあるけどそれでもやっぱり隠しきれないピクシーズらしさに魅力を感じる。

 

 

47  Róisín Murphy  -  Take Her Up to Monto

 

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キラキラとドリーミーでありつつも全体的にクールな雰囲気がイカしてるRóisín嬢の新作。Molokoから数えると相当なキャリアなのにいまだにキュートで新鮮味溢れる作品を届けてくれるのはリスナーとしては嬉しいかぎり。お家でゆっくり聴くのにちょうど良いエレクトロミュージック。「Lip Service」のスウィート&エレガンスなラウンジ風味ポップスすごい好き。

 

 

46  Fernando Allendes  -  Contra la Muerte (feat. Cuarteto Surkos,Gonzalo Allendes,Gonzalo Gómez & Juan Pablo Jaramillo)

 

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優雅さと不穏な美しさが実によい塩梅に混ざり合ったクラシカル&ポップなジャズアルバム。「隣近所の奥様を誘って午後のティータイムに出しても恥ずかしくない」くらい室内楽正統派なくせして「これ聴きながらお茶したら絶対険悪な雰囲気になるでしょ」ってくらいアバンギャルド本格派。

 

 

45  Lorenzo Senni  -  Persona

 

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昔懐かし実用的レイヴサウンドと室内聴きに最適なIDM風味を悪趣味寸前のところで絶妙にミックスさせアート方向にシフトさせるイタリアのミニマルトランス代表選手まさかのWarp移籍作。先鋭的なアーティストであれば何でもオッケーって感じな「ガンガンいこうぜ」スタイルでリリースを続ける老舗Warpのスタンス良いと思うから来年以降もブッちぎり続けて欲しい。

 

 

44  Suzuki Junzo  -  If I Die Before I Wake

 

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自由でアウトサイダーアートな雰囲気のフリージャズノイズインプロアルバムは時にクラウトに時にアンビエントに寄りつつちゃんと「聞き手を意識した音楽」していて良い。サーストン・ムーアが様々なレーベルからリリースしている一連の"ノイズともジャズともいえない実験的な作品群"に近い雰囲気が自分好み。

 

 

43  The Dillinger Escape Plan  -  Dissociation

 

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帝王デリンジャーエスケイププランの6枚目にしてラストアルバム。激烈さは初期から比べるとだいぶ落ち着いたように感じる(慣れただけ?)けど、今作のあまりにも混沌とした音は人間の理解できる範疇を超え笑っちゃうしもはや誰にも止める事が出来ない狂いっぷり。これで解散とか嘘でしょ?

 

 

42  The Dear Hunter  -  Act Ⅴ : Hymns with the Devil in Confessional

 

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エモいメロディーと壮大な世界観。まるで演劇を鑑賞しているかのような芝居掛かった展開に心踊る世にも珍しき歌謡プログレエモオペラ。全編聞き流す余裕がないほど展開が目まぐるしく変わるごちゃまぜチャンポンなエンタメアートロック満漢全席74分凝縮コース。

 

 

41  Madeleine Peyroux  -  Secular Hymns

 

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今に始まった事ではないがマデリン・ペルーはとにかく選曲のセンス+原曲をリスペクトして彼女流いぶし銀ポップスに昇華させるセンスが抜群に良い。全ての音が心地よく響き優しく包み込む、酸いも甘いも噛み分けた大人の為の"ビターな人生のパートナー"みたいなアルバム。

 

 

40  Eguana  -  The Last Dragon

 

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さあ人生ドロップアウト!うっかりハマってしまったが最後、"こちら"の世界に戻ってこれない恐れアリのアンビエント/ドローン/トランス/ニューエイジ。サイケ&ダークファンタジーなスモーキーチルサウンドは用法用量を守って正しくお使いください…。

 

 

39  Sticky Fingers  -  Westway (The Glitter & The Slums)

 

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めちゃくちゃポップでほんのりブルージーでソフトにサイケ、砂ぼこり舞う土臭い匂いがプンプンするオーストラリア産レゲエ+フュージョン+インディロックバンド新作。本国ではBon Iver新作を抑えてチャート1位取ったって話マジ!?!?野外でビール飲みながらライブみたら最高に気持ち良さそうだからフジロックのフィールドオブヘヴンとかに呼んでほしい。

 

 

38  Dinosaur Jr.  -  Give a Glimpse of What Yer Not

 

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正直自分は再結成後のダイナソーにあまり興味を持てなかったのだが、今年の夏幕張メッセにて未だ現役感バリバリで最高なダイナソーのライブを生涯初体験して考えが変わった。J・マスシスが着ているMISHKAも見慣れれば可愛い(てかMISHKA着用前のマスシスの姿が思い浮かばないくらい定着してる感ある)。さてさて新作アルバムの方はといえば一聴してわかる安定のダイナソークオリティ。「Knocked Around」の後半部分が好き。

 

 

37  DJ CAMGIRL  -  Problems

 

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人前ではあまり口に出せない(そんな機会もないが…)某X◯ideosの検索タグみたいなDJネームはさておき、カロリー高めなハイエナジー高速アシッドエレクトロサウンドはドラムンもドリルンもブレイクビーツもガバすらも飲み込んだ暴れっぷりのキュートなミュータント音楽。

 

 

36  Oslo 14 Vokalensemble  -  Improvisasjon Komposisjon

 

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個人的には2016年最大の収穫! 声の多重合奏のみによるアヴァンギャルドセッション!声を追求した他のアーティスト(Areaのデメトリオ・ストラトスのソロとかTzadikからリリースしてるマイク・パットンのソロとか…)よりも"音楽"っぽさを感じるのは「To and Fro」の果てしない美しさのおかげかも。

 

 

35  Akasha System  -  Vague Response

 

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ダンスミュージックのノンビート化が進む中、ポートランドのAkasha Systemは安定&安心の4つ打ちで昔ながらのクラブミュージックファンも一安心。満天の星空の下野外で踊りたくなるようなキラキラしていてドリーミーなスペーシーハウス。何気に何回聴いても飽きないスルメ盤

 

 

34  Myrkur  -  Mausoleum

 

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デンマーク孤高の女性ソロブラックメタラーのライブ盤は神秘的なジャケも相まって異教のミサに迷い込んだかのよう。スピーカーの前にいてもその神聖かつ異端な聖歌の響きに陶酔できるんだから現場で聴いてたらさぞブッとんだに違いない。

 

 

33  Juliana Perdigão  -  Ó

 

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聴いててすごく安心できる肝っ玉母さん的な歌声と、豪快かつ優雅なMPBを奏でるブラジル新世代。「オルタナティブであること」と「ブラジル音楽らしくあること」がいい感じに混ざりあい溶け合って産まれた一筋縄ではいかない素敵なストレンジポップソング集。

 

 

32  Bon Iver  -  22, A Million

 

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待望の新作を聴いた一番最初の正直な感想は「ちょっと凄すぎてよくわからない…」だった。自分が評価された場所から勇気ある一歩を踏み出し進化を遂げたジャスティン・ヴァーノンの新しい世界には戸惑いと驚きと感動が詰まっている。あまりに美しくあまりに深淵すぎてまだまだ理解できない事だらけだしうまくコメントできないけど、この先ゆっくり付き合っていきたい。僕にとってはそんなアルバム。

 

 

31  Fvnerals  -  Wounds

 

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仄暗い地下室で繰り広げる秘密の儀式をつい好奇心で覗き見てしまったが故にすっかりその魔術の虜になってしまった。ダークゴシックで催眠術的なサウンドが這いずり回るグラスゴーのドゥーム/ゴスバンド。良い子は耳を塞げ、これは闇の音楽だ。

 

 

30  Mndsgn  -  Body Wash

 

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深夜帯はメロウなビートミュージックを聴きながらインターネットのお時間。優しいメロディー+AORライクでレトロフューチャー感漂うサウンドデザイン+ゆるいヒップホップビート=聴き入っても聴き流しても気持ちいいStones Throwからリリースのマインドデザイン2nd。これ聴きながら『きまぐれオレンジ☆ロード』とか読んでた2016秋。

 

 

29  Lambchop  -  Flotus

 

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ちょっとぐらいの変化なんてものともしないラムチョップ流白昼夢サウンド健在。ヴォコーダーの使用や電子音楽に接近したことにより一層非現実感が高まってフワフワ。もはやオルタナカントリーなんて枠に収まりきらない鉄壁の幻想音楽。CD棚に設けてある"ラムチョップコーナー"にまた1枚宝物が増えた(10枚組BOXが非常に邪魔ではあるが…)。

 

 

28  Fernando Temporão  -  Paraíso

 

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たとえば僕はマリーザ・モンチが心底好きだ。カルトーラが、ノエール・ローザが、ジョビンが好きだ。偉大なるブラジル音楽の先人たちが築き引き継いできた最良の部分をしっかり受け止めつつ自分なりのインディーロックに昇華させるフェルナンド・テンポラォンが好きだ。美しくて軽やかな感じ、多分ずっと好きだ。

 

 

27  BOYO  -  Control

 

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とろけるくらい甘美&耽美で青臭いうえにノスタルジーを感じさせるメロディーがもうホントたまらない極上サイケデリア。輪郭がボヤけるくらいとろっとろになるまで煮込んだBOYO特製ドリーミーロックを熱いうちにどうぞ召し上がれ。

 

 

26  LVL UP  -  Return to Love

 

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懐かしきインディーロック黄金時代の音楽が好きな人たちが、その匂いをたよりにLVL UPの新譜に惹きつけられていくのは当然だしもはや本能なんだと思う。インディR&B/ヒップホップ全盛の時代に、1mmもブレることなくおいしいとこちゃっかり持ってっちゃうSUB POPホント好き。

 

 

25  American Football  -  American Football

 

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秋風に乗って17年ぶりに届けられた奇跡のセカンドアルバム…ああなんて穏やかなんだろう。キンセラとしては毎年様々なバンド/プロジェクトで何かしらのアクションがあるし、再結成だって一時的なものだと考えてたし、そもそも2ndがリリースされるなんて夢にも思わなかったし、発表されたアルバムが予想より何倍も素晴らしいものだったしで嬉しさは倍の倍の倍。Owenの新作と甲乙つけ難いけど自分はこっち。秋の日のドライブ定番アルバム。

 

 

24  Lakuta  -  Brothers & Sisters

 

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一度再生ボタンを押したが最後エンドレスダンス天国行き確実なアフロビート+ソウルなナンバーの数々!著名アーティスト達がベタ褒めするのも納得な逸材。フェラ・クティの蒔いたタネは世代を超えてソウルと結合しLakutaを産んだ。

 

 

23  Bob Weir  -  Blue Mountain

 

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自分的に2016年は"レジェンド達が軒並み素晴らしいアルバムをリリースした年"と記憶されるだろう(ランキング外になったがレナード・コーエンの遺作やジェフ・ベックの新作もかなり素晴らしかった)。オリジナルデッドが奏でる美しきノスタルジー。聴き入るうちにいつしか自分もボブウェアの記憶の景色の中へ…。

 

 

22  Nadja  -  The Stone Is Not Hit by the Sun, Nor Carved with a Knife

 

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 繰り返される重苦しくも美しい轟音が大地を揺さぶる…ポストメタルを深化させ続け、もはやベテランの域に入ったNadjaの新作は最高にドゥームで最高にドローンな重圧音楽の理想郷。34分間ヘヴィな音の渦に飲み込まれ恍惚状態が続く「The Knife」は圧巻。

 

 

21  Klô Pelgag  -  L’étoile thoracique

 

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ジャケの良さにも定評があるカナダ産アヴァンフレンチポップ。複雑怪奇なキュート&ポップサウンドは病的にこだわってそうでケイト・ブッシュを思わせたり。天然なようにみえてものすごく計算高い、少女のようで大人、無垢とずる賢さが背中合わせなモダンクラシカルポップ。

 

 

20  Going Under Ground  -  Out of Blue

 

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アルバムタイトルから一曲一曲の曲名まで全編どこを切り取っても気恥ずかしくなるくらいの「青春時代感」に包まれたゴーイングアンダーグラウンドの新作はとにかくアルバム全部良曲な"成熟した切なさ炸裂"バンドサウンドでものすごく郷愁に誘われる。今までまったく通ってこなかった(むしろ積極的に避けてた)バンドだったのにこんな良作出されたんじゃ敵わねぇな、って感じで無条件降伏の白旗を揚げた。

 

 

19  OGRE YOU ASSHOLE  -  ハンドルを放す前に 

 

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もはや作品毎ではなく1つのライブ毎に未知の階段を一歩また一歩登り進化していっているオウガの新作。悟ったかのように音を断捨離し低音を強調、ドープさは以前と比べ物にならないほど。オウガの主戦場は音源じゃなくて絶対ライブなのでこれが現場でどう化けるんだろうと想像するともうなんか怖いくらい。

 

 

18  落差草原 WWWW  -  霧海

 

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ダークでポストパンク的&アジアっぽいトライバルビート&マントラのようなボーカル&ドローンの如く地を這い、螺旋階段を登り続けるが如く繰り返されるミニマルサウンドで究極にトバされ続ける台湾産ディープサイケ。ヤバいアーティスト達を続々とリリースするGuruguru Brainというレーベル、来年も要注目していきたい。

 

 

17  Daniel Lanois  -  Goodbye to Language

 

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ペダルスティールギターの極上の響きが波間に漂うような浮遊感を味わわせ聴く者を優しさで包むラノワ流絶品アンビエント。数多くの名盤を手がけたプロ中のプロだけが知る悦楽のツボを出し惜しむ事なく解放、安眠効果もバツグン。ちなみにラノワプロデュース作品で一番よく聴いたのはディランの『On Mercy』。

 

 

16  Ulcerate  -  Shrines of Paralysis 

 

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世界中のエクストリーム音楽ファンが待ち望んだ(多分)ニュージーランドデスメタルバンド新作。とにかくドラムの「ドドドドドドドド」っぷりがカッコよい。全てを破壊し地獄の業火で焼き尽くすカオティックサウンドに拍手喝采!!ドドドドドドドド!!!

 

 

15  Noname  -  Telefone

 

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メロウでビター、サウンドの前面に出すぎないラップも素敵。ドリーミーな音とシリアスな歌詞、そして低体温なラップが絶妙なバランスを保っているマジカルヒップホップ。ほんのちょっとノスタルジックでほんのちょっとブルージー、そのほんのちょっとが丁度いい湯加減。 

 

 

14  Supersize Me  -  Slouching Towards Bethlehem

 

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まるで波の如く押し寄せる幻惑的な音の響きはあまりにも温かく心地よく、自我が溶けそうなほど。京都のドローンユニットの新作は恍惚のさらにその先へ誘うナチュラルトリップ水先案内人。音の快楽に溺れちゃお。

 

 

13  Norah Jones  -  Day Breaks

 

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数々の才能溢れる者たちが作り上げたJazzという偉大なジャンルをリスペクトし、かつノラ流ポップに書き換えた今作の音は優雅さと親しみやすさが合わさっていて沁みる。あまりにも偉大な1stから早幾年、ノラ・ジョーンズの新たなマスターピースを祝して今宵もレコードに針を落とす。

 

 

12  Nick Cave & The Bad Seeds  -  Skeleton Tree

 

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ザ・バースデイ・パーティーは大好きだけどそれ以降のニック・ケイヴは1枚も持ってないっていうめちゃくちゃ中途半端な自分でも今作の重苦しく静謐で美しい鎮魂歌に惹き込まれ魂が浄化してしまう。気を衒わずシンプルであるがゆえに美しさが際立つ、フジロック'98楽屋破壊犬顔おぢさんの歌声が心に染みる名盤。

 

 

11  Oval  -  Popp

 

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凄い人だ、という認識はあったけど好きかと聞かれれば答えに困るし、これまでOvalの音楽にハマった事なんて一度もなかったのに…今作のマーカス・ポップはヤバい。正体不明な音の断片がダンスミュージックらしきものに変化して襲いかかってくる。なんて刺激的!CDを聴き終えた瞬間上着を羽織りOval来日公演のチケットを買いにコンビニまで走ったのはホントの話。

 

 

10  寺尾紗穂  -  わたしの好きなわらべうた

 

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自分が意識していなかっただけで素晴らしい歌はこんなにも昔から身近にあったんだ、って事を改めて気付かせてくれる伝承歌カバーアルバム。ただただ元をなぞるだけではなく、原曲をリスペクトし更にイマジネーション豊かに膨らませた各曲のアレンジが感動的なまでに素晴らしい。そして何よりも寺尾紗穂の歌声がこれ以上なくグレート。

 

 

9  Machinedrum  -  Human Energy

 

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カラフルで繊細な音が時に跳ね上がり時に凪になり快楽中枢を刺激するトラヴィス・スチュアートの新作。お家でじっくり聴くも良し、音楽好きのお友達に、もしくは気になるあの娘にプレゼントするも良し、お世話になったあの人へ御中元・お歳暮にも良し。フロアで踊って尚良し。

 

 

8  John K. Samson  -  Winter Wheat

 

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まるで70年代のニール・ヤングのようだ、と思ったらバッチリ'74年作『渚にて』に影響を受けて制作されたらしい、カナダの新たな至宝から4年ぶりのお便り。ロードムービーの如く流れる景色に想いを馳せたくなる、現代人の疲れた心を癒す傑作フォークミュージック。それにしてもAndy ShaufといいANTIからのリリース作品絶好調すぎる。

 

 

7  Case/Lang/Veirs  -  Case/Lang/Veirs

 

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なんの前情報もなしにジャケだけで「おっ新しいプログレバンドかな?変なバンド名だな〜」みたいな軽いノリで聴いてみたらびっくり仰天。この3人で作ってんだからそりゃ良いのは至極当然な至高のインディフォーク。そしてよく考えたらこれもANTIリリース。来年はJapandroidsやティナリウェンも控えているし暫く無敵状態が続きそう。

 

 

6  Sad City  -  Shapes in Formation

 

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桃源郷行きの片道切符はグラスゴーの新鋭から届いた。回数だけなら今年一番聴いた極上サウンドスケープを響かせるディープアンビエントハウス。アルバム一枚通して聴くと身体の中がポカポカ&心がほっこりする効能を携えたエレクトロサイケデリック湯けむり音楽。

 

 

5  Mild High Club  -  Skiptracing

 

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 前作『Timeline』を買ったのが今年明けてすぐくらいで、そのメロウでソフトサイケなノスタルジックサウンドにぞっこんラブして部屋の一番目立つ場所に飾っている。70年代好き/最新インディー好き両方を虜にするレイドバックサマーバケイションポップ。これ聴きながら『ハートカクテル』とか読んでた2016晩夏。

 

 

4  Lee Fields & The Expressions  -  Special Night

 

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『このソウルがラブい!2016』大賞受賞!黒くてぶっといグルーヴが渦巻き、どこまでも甘く囁きかける極上のスウィートソウル&ファンクナンバー。"恋人同士の甘い夜"はもちろん一人孤独な夜も優しく照らす、この道一筋のレジェンドが懐の深さを見せつけた貫禄のアルバム。

 

 

3  Howe Gelb - Future Standards

 

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USインディーファンに愛される漢、その渋いしゃがれ声はまさに国宝級なGiant Sand=ハウ・ゲルブのソロアルバム。録音の響きから何から何までオールドタイムなピアノジャズナンバーは信じられない程暖かく美しく…。伝家の宝刀デザートロックも良いけどこの路線も大歓迎、是非ともレコードで再生したい1枚。きっと数年後も眠れぬ夜に聴いてるはず。

 

 

2  Okkervil River  -  Away

 

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05年に発売された『Black Sheep Boy』を当時中古レコ屋で偶然購入して以降ずっと好きで聴き続けている、テキサスの歌心オッカーヴィル・リバー待望の新作。力強くもしっとりと優しいインディーフォークは、美しくて切ない(そしてちょっと不気味な)ジャケットの印象も相まって夕暮れ時に1人でしんみりと物思いに耽りながら聴きたい。

 

 

1  Jeff Rosenstock  -  WORRY.

 

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最先端だったり、複雑だったり、斜に構えたり、そんな音楽を聴きたい気分の時もあるけど基本的にはいつもポップでロックでカッコいい音楽を聴いていたい。数多くの革新的な作品がリリースされた2016年、自分が下半期で一番気に入ったのはシンプルながらもメロディーが抜群で飽きがこないハッピーなパワーポップアルバムだった。

 

 

 

 以上が2016年下半期ベストアルバムです。

上半期/下半期ベストが出揃ったところで、今年の個人的な年間ベストアルバムを決めました。上半期と下半期で長々コメントまでつけてランキング付けしたので年間ベストは特別な1枚だけ選出することに。

もう何度聴いたことか…『たった1枚の年間ベスト』発表です。

 

 

 

2016年 年間ベストアルバム

 

Mutual Benefit  -  Skip a Sinking Stone

 

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2016年を代表するようなアルバムでもなく皆に好かれるような分かりやすいアルバムでもない。どちらかといえば地味、、、だけどこのアルバムを聴く以前と以後では明確に「普段好んで聴いてる音楽の種類」が変わってしまったくらい自分にとっては特別な存在だったMutual Benefitが今年の年間ベストアルバム。下半期ベストに穏やかな作品が数多くランクインしたのも『Skip a Sinking Stone』の穏やかムードが自分の心の中に広がり溶けていったからだったりして。メディアが評価しようがしまいが関係なし。自分にとってナンバーワンでオンリーワンだった素敵なドリームフォーク。

 

 

 

 

残念ながら選外になってしまったアルバムにも良いものはたくさんありましたし、それと同じくらい"自分に全く合わない"アルバムも沢山聴きましたが概ね楽しいリスナーライフを送れた一年だったと思います。個人的な事だと、今年はまさかまさかのブログ開設でベストを発表するという自分にとっては冒険の年でもありました(初投稿の時はホントに緊張したんよ…)。来年もこの場所でベストを発表出来れば、と思います。

ちなみに『サウンド・オブ・コンフュージョン』というブログ名は自分が心底愛してやまないSpacemen 3というバンドの1stアルバムタイトルから取ってます。そのSpacemen 3の中心人物の一人だったジェイソン・ピアース=スピリチュアライズドは2017年にリリースする作品がラストアルバムになるかもしれないと何かの記事で読みました。新たに産まれようとしている"終わりの音楽"に想いを馳せて、この記事を〆ようと思います。スピリチュアライズドの次のアルバムが最高でありますように!来年のベストに無事ランクインされますように!!ではまた!!!

2016年上半期ベストアルバム

2016年上半期の新譜で"僕のココロのトビラをノックした"50枚をちょっとしたコメントと共につらつら並べていこうと思います。お時間あればしばしお付き合いください。(youtubesoundcloud等のリンクは貼っておりません。あしからず…)

 
50  Raime / Tooth
 
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あまりにも印象的なジャケットの前作を中古レコ屋で偶然見つけてからその暗黒重低音の虜になっていたRaimeの2nd。闇堕ちしたMassive Attackのようなサウンドが不穏にカッコいい。
 
 
 
49  Ωracles / Bedroom Eyes
 
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飲み口爽やか清涼剤みたいなベルリンの現代っ子ソフトサイケデリアバンド。不快な音は全排除って感じでストレス皆無好感度急上昇。
 
 
 
48  Death in Vegas / Transmission
 
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ケネス・アンガーの実験映画名作と同名のアルバム以来久しぶりに(その間の作品は聴いていない)Death in Vegasを聴いた感想は"無"だった。右耳から左耳へ素通りしていくメタルチックなミニマル音楽…でもこのクセになりそな妙な余韻はなんだ!?その正体を確かめるべく我々調査隊はまた再生ボタンを押した…(そして"無と妙な余韻"のメビウスの輪の中へ)
 
 
 
47  Prurient / Unknown Rains
 
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美ダークで美インダストリアルなノイズ/ドローンがカッコいいPrurient新作。適度なボリュームなので気分転換ノイズ(そんなものはない)にピッタリ!駅弁みたいな包みがイカしてるフィジカルカセット欲しい…
 
 
 
46  Three Trapped Tigers / Silent Earthling
 
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これライブで見たら絶対最高なやつでしょ、って感じのUKインストバンドTTTの5年ぶり2ndフル。クールにツボを突きまくるリズムがたまらないエレクトロマスロック。
 
 
 
45  Del Sur / Eating in Bed
 
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めっちゃ夏が似合わなそうなインディナードが作る夏っぽい音大好きなんでDel Surのチル寄りなサーフロックは「夏(クーラーの効いた室内)」みたいな感じでサイコー。
 
 
 
44  Dessin Bizarre / Echo
 
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冬の終わりから春の始まりの間の"寒さと暖かさの境目"な空気感を纏わせた心地よいアンビエントアルバム。寝る前に、読書中に、静かなところで穏やかに。
 
 
 
43  Arms / Blackout
 
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血が沸騰する激烈マスコアバンド。初期The Dillinger Escape Planのよう。アルバム通して脇目も振らず一直線に突き抜けていく様は見事。
 
 
 
42  Snowball Ⅱ / ?
 
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ラウドなギターで夢見心地、とろけそうな程シューゲイズなSnowball Ⅱの1st。マジで検索しにくいバンド名とアルバムタイトルはご愛嬌。
 
 
 
41  M.Ward / More Rain
 
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「私もスミス好きよ」女子との活動も好きだけどやはりソロの方が断然良いM.Ward。Little Baby→I'm Going Higherの流れでいつもトロける。
 
 
 
40  Chance the Rapper / Coloring Book
 
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アルバム通してソウルフルかつメロウでゆるっと聴けるセンスの良さに思わず脱帽なChance the Rapperのミックステープ。3作目だからって""3""って付いてる帽子かぶるのなんか可愛いよね。
 
 
 
39  Big Thief / Mastarpiece
 
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Bright EyesCursiveでおなじみ、信頼と安心のサドルクリークからまた最高なバンドが。Neil Youngを思わせる"正しいUSロック"の匂い、憂いを帯びた女性ボーカル。良くないわけがない。
 
 
 
38  Nite Jewel / Liquid Cool
 
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不思議の国のNite Jewel第3部ついに開幕。ねっとり絡みつく怪しげでクールなエレクトロサウンドに三半規管を揺さぶられ、脳に直接響く彼女の声が快楽中枢を刺激してLiquid Cool中毒患者の出来上がり。
 
 
 
37  The Mercury Program / New Myths
 
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各楽器の音の鳴りがとにかく心地よいUSインストバンドの新EP。しっかりポストロックしつつもあくまで足取り軽やか風通しの良い流れにウットリ。全6曲ながら各曲がしっかり練られていてフルアルバム並みの満足度感!
 
 
 
36  Greys / Outer Heaven
 
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その年の"トレンド"とかそういうの関係なくバンドが一体となって突っ走るゴリゴリのオルタナロックはどんな時でもカッコいいと思っちゃう体質なもので✋🏻(それが今年はGreysだったってだけの話)
 
 
 
35  Frankie Cosmos / Next Thing + Fit Me In
 
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ユルユルなくせに短い1曲の中にしっかり引っかかる部分を作っちゃう、メディア絶賛も納得の1枚。「Too Dark」クセになりますねぇ。
 
 
 
34  Radiohead / A Moon Shaped Pool
 
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「Ture Love Waits」終わった後の虚無感に耐え切れずまた1曲目から再生してしまう"罠"にまんまと掛かっている…今のRadioheadが(万に一つの可能性もないと承知の上で)「Anyone Can Play Guitar」みたいな"分かりやすい"ロック曲をまた作ってくれたら信じられないくらいカッコいいと思うんだけどどうだろう。
 
 
 
33  A Giant Dog / Pile
 
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『ロックは勢い、でも曲の芯の部分はあくまでポップに』ってスローガンでも掲げてそうなハッピーなガレージロックンロール!とくにアルバム中盤の多彩な曲で畳み掛ける展開にノックアウト。品質保証ナンバー1のMergeからリリース。
 
 
 
32  Aluk Todolo / Voix
 
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疾走感溢れる轟音でトランス。フランス産のドローン+クラウトロックサウンドで聴覚がオーバーヒート法悦状態ガンギマリ機能搭載。
 
 
 
31  Niechęć / ︎Niechęć
 
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ポーランドオルタナティブジャズバンド︎のイカしたロックアルバム。
ジャズ好きもポストロック好きもオルタナ好きもみんな寄っといでってな具合の傑作。北欧ジャズシーンは今も昔も変わらずアツい。
 
 
 
30  Kim Brown / Wisdom Is a Dancer
 
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アルバム通してメロディアスな曲が淀みなく流れるベルリンのハウスディオ新作。フロアでもお部屋でも、快適空間をあなたに。
 
 
 
29  The Body / No One Deserves Happiness
 
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Full of Hellとの共演盤もなかなかだったThe Bodyの美しき異形の音楽。暗闇の中爆音で恍惚と、(人によっては)耳浄化作用抜群。
 
 
 
28  Spissy / Spissy
 
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爽やかなのにほろ苦いネオアコの舞が炸裂。先行曲「Her Heart」のアウトロにムーディーなサックス入れちゃうあたり背伸びしてるみたいで好き。
 
 
 
27  Suede / Night Thoughts
 
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Suedeの安定感はホント尋常じゃない。バンドの美意識が優雅に炸裂する実にSuedeらしいアルバム。ブレット・アンダーソンの声はいくつになっても艶やかですね。
 
 
 
26  James Blake / The Colour in Anything
 
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まさしくModern Soul…童貞顔から普通のイケメンに成長したJBの新作はあまりの深度に少し息苦しさを感じるほど。今年のフジロックが楽しみ。(Lee "Scratch" Perryと被ったらそっち見るけどな)
 
 
 
25  LSD and the Search for God / Heaven is a Place
 
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初期VerveのようなズブズブサイケなUSバンドの9年ぶりEP。全曲(どっかで聴いたことあるような)メロディも微妙にショボい感じも親しみがあってお気に入り。ぜひフルアルバムのリリースを!
 
 
 
24  $$$TAG$$$ / Crowd Surfing
 
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エジプトのTag Moneyによる硬派かつめちゃくちゃ踊れるスペーシー地下テクノの傑作。こういうのを真夜中の野外で聴きたいんだよな。
 
 
 
23  Kikagaku Moyo / House in the Tall Grass
 
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国内より海外の方が知名度高い(のか?)東京のサイケデリックロックバンドの新作。今夜もよなよな幾何学模様でゆらゆら…
 
 
 
22  Iamthemorning / Lighthouse
 
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ロシアのチェンバー/プログレバンドの新作は息を呑むような美しさ。物悲しさが漂うクラシカルな音像は素晴らしいの一言。Marjana Semkina嬢の声は凛としつつも可愛さがあってベリーキュート。
 
 
 
21  The high Llamas / Here Come The Rattling Trees
 
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The High Llamasの音楽のゆったりとした時間の流れが心底好きだ。『Beet,Maize & Corn』以降の路線を継続しつつ音は『Cold and Bouncy』あたりのふんわり浮遊感を取り戻している。"音楽に疲れた耳"を優しく癒してくれるリラクゼーション27分コース。
 
 
 
20  Nada Surf / You Know Who You Are
 
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ここ10年のナダサーフにハズレなし。今作もグッドメロディの宝庫。今作聴き終えたら旧作聴き直したくなるしそしたら再度今作聴きたくなるしそしたらまた旧作そしたら今作旧作今作旧作…
 
 
 
19  Bob Dylan / Fallen Angels
 
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前作に続きスタンダードナンバーカバーアルバム。近年のオリジナル作のスウィートな曲(アルバム収録曲の"偶数曲"に多い)が大好きな自分としては大歓迎なメロウさ。ディランのアメリカ音楽史を振り返る旅はまだまだ続く…
 
 
 
18  Gnod / Mirror
 
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PILやMark Stewart and the Maffiaばりに尖っててカッコいいUKバンドの新作。ポストパンクやクラウトロックのいいとこ取り。(ズルいね)
 
 
 
17  Space Raft / Rubicon
 
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パワーポップにサイケをひと匙でクセになる旨味。どことなくSFチックな浮遊感を感じさせる胸キュンサウンド!いちいちこっちの"ツボ"を突いてくる試合巧者ぶりに感心。
 
 
 
16  Cloud Becomes Your Hand / Rest in Fleas
 
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イカれた遊園地みたいな音が楽しいブルックリンの狂騒的アート/エクスペリメンタルロックバンドCBYHの新作。奇妙で複雑な楽曲展開も踊れるポップにまとめ上げていて見事。
  
 
 
15  Nuns / Albeit Tomorrow
 
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オルタナ度100%なNunsの1stフル。比較対象がAnimal Collectiveってなるほどね。「Quinto」って踊り狂わされてしまった👏🏻
 
 
 
14  Andy Shauf / The Party
 
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名門ANTIもほっとけなかった、各方面から大絶賛の嵐フィーバー確変中なソングライター。日曜のお昼〜黄昏どきに公園で愛犬の散歩しながら休日の終わりを名残惜しみつつしんみり聴きたい。
 
 
 
13  Kalan Ya Heidi / kemuri
 
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聴き手に寄り添うでもなく、かと言って突き放すわけでもない天性のバランス感覚を備えた福岡のグループが作り出した素敵なポップ万華鏡。「磁気のあらし」にはビートルズとの予期せぬ出会いが。
 
 
 
12  Ital Tek / Hollowed
 
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今年もPlanet Muは絶好調!Ital Tekの新作は神々しさすら漂う珠玉の電子音楽。(同じレーベルのVenetian Snares『Traditional Synthesizer Music』もオススメ)
 
 
 
11  Belker / Geen Toerist Meer (cassette editie)
 
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うっとりするよな白昼夢感。The Beach BoysThe High Llamasの雰囲気がほどよく漂うソフトでポップでドリーミーでどこまでも心地よい素敵音楽集。
 
 
 
 
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安定して全曲良い、間違いなく充実期に入っているなと感じるキャリア屈指の良盤。今作の『力強くも程よくリラックスしたWeezer節』の数々に思わず笑顔。
 
 
 
9  Moe and Ghosts × 空間現代 / Rap Phenomenon
 
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"冷凍都市の暮らし"的鋭利で複雑なファンクサウンドで体を揺らし萌のイカしたラップでクールな高揚感を味わえるベストコラボレーションな最高にカッコいいアルバム。
 
 
 
8  Oranssi Pazuzu / Värähtelijä
 
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完璧にカッコ良いブラックメタル+完璧にトリップできるサイケデリックロック=Oranssi Pazuzu。爆音「Vasemman käden hierarkia」で昇天南無阿弥陀
 
 
 
7  Western Skies Motel / Settlers
 
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タイムスリップ気分。古いフィルムを観ているかのような。デンマークのWSMは全編インストながら歌詞がある以上の物語性を感じさせる。物悲しさを漂わせるアルペジオが沁みる。
 
 
 
6  Lushlife & CSLSX / Ritualize
 
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 前作『Plateau Vision』でハマりまくって個人的にすごい楽しみにしていたLushlifeの新譜はAriel Pink、Killer Mike(Run the Jewels)、今年リリースのアルバムも良かったRJD2などが参加と俺得要素てんこ盛り。
 
 
 
5  Andy Stott / Too Many Voices
 
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先行曲の時点でゾワゾワきてたけどアルバム通して聴くと繊細かつ奇妙な歪みっぷりがキマってるAndy Stottの新作。毎回モノトーンで統一してくる"普通の写真なのにすごく変に見える"ジャケも素敵。(こんなのが上位になっちゃうあたり自分の性格の暗さが表れてて落ち込みますね)
 
 
 
4  Carl Eaton / Rise
 
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きっとこれを「70年代にひっそりリリースされた知る人ぞ知る隠れた名盤」って紹介されてもすんなり信じてしまうくらい"シンガーソングライター黄金期名盤群"の香り。なんとなくElvis Costelloっぽく聴こえる声もたまんない。あの頃の音楽に胸ときめいていた人も、そうでない人もぜひ。
 
 
 
3  Graham Nash / This Path Tonight
 
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CSNYの"N"ことGraham Nash14年ぶりのアルバム。なんせロックレジェンド群雄割拠の時代の生き証人である。熟成させたワインのように人を酔わせ、ロックの秘孔を突きまくる匠の技を堪能。
 
 
 
2  Subtle Control / Vol.02
 
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井上陽介氏の作る音楽には日本語詞より英語詞の方が合うと個人的には思っているので、昨年出たTurntable Filmsの『Small Town Talk』もかなり聴き込んだがこのソロアルバムの方がより心に沁みる。また長く愛聴出来そうな良盤。
 
 
 
1  Mutual Benefit / Skip a Sinking Stone
 
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いったいどんな人生を歩んだらこんな美しい音楽が作れるんだ……控えめだけど流麗な音空間にささやかな幸せを感じる。ほんのひと時でも世の中の煩わしい事は忘れて、Mutual Benefitの音を肴に一献。
 
 
 
 
おまけで上半期ベストシングルは
Ethan Burns / Homeward
 
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以上です。まだ6月中に発売予定のアルバムで楽しみにしてるもの(DJ ShadowとかThe Explorers Clubとか…)残ってますがとりあえずこれで一区切りで。
それではまた!下半期ベストもやれるといいな、と思います(ぺこり)