GOAL

更新は気分です。

数学の応用問題のアプローチ

数学の応用問題のアプローチというタイトルにはなっていますが、他教科の参考にもなると思います。あくまでも数学を例として話をしていきたいと思います。

 

 

まず応用問題は、基礎的なことは身についていて、それを別の文脈の中においても使うことができるか、を問われていることになります。

 

多くの場合、応用問題というのは、表面上は方法Xで解けるとは分からないけど、基礎的な方法Xがもつ意味をよく分かっていれば解けることに気づくという問題なはずです。

 

応用問題が初見で解けないというときにあなたが思うべきことは、「このパターンの問題は見たことないからなあ」ではなく「自分は基礎的な方法のどんなところを見逃していたためにこの問題が解けなかったのか?」です。

 

応用問題が解けなかったときに、その問題のパターンを覚えようとしてはダメです。少なくとも、同じ抽象度で覚えてはダメです。覚えるにしても、もう少し高く抽象化したパターンを覚えるべきです。

 

すなわち、どういうことなのか。よく「解説を読めば書いてあることはわかるし、解ける」と言う人がいますが、それは半ば当たり前のことです。それができなければ、それは解説と呼ぶに値しないものです。大事なのは「なぜ自分は解説を読む前に解けなかった?」「何を知っていれば解けたのか?」を考えることです。このときに「自分はこのパターンの問題は初見だったから解けなかった」で納得するようではダメです。そう思ってませんか?

 

「自分は何を知らなかったから解けなかったのか?」という問いは「自分は基本的な技法や方法の何を理解しきれていなかったのか?」という問いなのです。できれば応用のパターンではなく、基礎的な世界の適用可能性の方に目を向けてほしいです。

 

「初見の応用問題が解けなかった」というのは、「初見のモンスターを倒せなかった」に例えることができます。そのときに「自分は初見だから倒せなかった!似たのが来たら次は倒せる!このモンスターのパターンは覚えた!」ではなかなか進歩はありません。倒せなかったのは、自分がすでに手にしている武器の使い方をきちんと知らなかったからor使い方に慣れていなかったから、と考えるのが建設的です。基礎的な内容の理解が足りていなかった。基礎は理解したと思っていたけど実は理解しきれていなかった。と考える方が良いでしょう。

 

要するに、逆説的にはなりますが、応用問題が解けないというのは確固たる基礎力が足りていないのです。基礎的な技法を自分は使いこなせていないな、と自覚し、自分が持っている武器をどう使えていればこのモンスターを倒せたのか、を考える。

 

初見のモンスターはこれからも出てきます。そのときに、自分が手元に持っている武器の使い方を十分に理解していたら(判別式とは何なのか、微分とは何なのかなど)、初見のモンスターに深手を負わせられると思いませんか?この瞬間「数学がたまらなく楽しいと感じる(笑)」

 

抽象度の高い自問をするのは結構大変な作業です。しかし、「私は何ができていたらそれを解けたのか?」的な思考をしていると、巷でよく言われるパターン暗記なるものは自然とできてしまっていることが多いです。しかもそれは理解に基づくものなので、単なる暗記に比べて圧倒的に忘れにくい。ちゃんと深く考えることは、結局のところ近道だと思います。

数学の勉強法

数学の勉強法というタイトルにはなっていますが、他教科の参考にもなると思います。あくまでも数学を例として話をしていきたいと思います。

 

 

まず数学の問題を解き間違えたときに最も大切なのは、「自分の理解にどんな間違いがあったのか」を確かめることです。それを確かめ、正すこと。この1点はどんなことがあっても忘れてはいけません。

 

具体的には、自分はどのように考えたから間違って、どのように考えれば間違えなかったのかを説明できるようになることが、問題を解いて答え合わせをした後にやることです。

 

「単なる計算ミスだった」で終わらせないことも大事です。何の、どんな計算をミスしたのかを分析(正負、累乗、計算リスクの高いルートを選択してしまった、など)して、自分がよく起こすミスを自覚し、必要に応じて練習し直していきます。

 

模擬テストや定期テストは、自分の理解度を確かめたり、習得度を確かめたりする格好の機会です。結果に一喜一憂するのではなく、自分の学習を補正・微調整するために活用しましょう。その意味で、満点を取ったときよりも、いくつか減点されたときの方が役に立つものです。

 

ときどき模擬テストの出題に文句を言う人がいます。「こんな解法だれも思いつかないよ」というように。そんな風に考えるのではなく、解説などを読んで「どんなヒントがどこまで与えられていたら自分は解けただろうか」のように考えるのが良いでしょう。その復習法はセンター試験などの誘導付き問題のときに効いてきます。

 

解けなかった問題を十分に検討し、咀嚼したならば、必ずしも全部の問題を解き直す必要はないでしょう。しかし逆に、全部の計算・問題をやり直したけれど、「そもそもなぜ解けなかったのか」という抽象度の高い思考をしなかったら、有効活用できていないということになるでしょうね。

 

どの程度振り返れば咀嚼できるかは全く人に依ります。1時間かけるべき、いや30分でいい…などの指針は求めても意味はあまりないように思います。「自分の誤解は正せたのか?」と自問しましょう。ひたすらに。

壷のはなし【閑話休題】

今日は1つ小話を紹介します。

 

ある大学でこんな授業があったという。

 

「クイズの時間だ」教授はそう言って、大きな壷を取り出し教壇に置いた。その壷に、彼は一つ一つ岩を詰めた。壷がいっぱいになるまで岩を詰めて、彼は学生に聞いた。「この壷は満杯か?」教室中の学生が「はい」と答えた。「本当に?」そう言いながら教授は、教壇の下からバケツいっぱいの砂利を取り出した。そして砂利を壷の中に流し込み、壷を振りながら、岩と岩の間を砂利で埋めていく。そしてもう一度聞いた。「この壷は満杯か?」学生は答えられない。一人の学生が「多分違うだろう」と答えた。

教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の陰から砂の入ったバケツを取り出した。それを岩と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。「この壷はこれでいっぱいになったか?」学生は声を揃えて、「いや」と答えた。教授は水差しを取り出し、壷の淵までなみなみと注いだ。彼は学生に最後の質問を投げかける。「僕が何を言いたいのかわかるだろうか」

 

みなさんもこの質問の答えを考えてみてください。自分の答えが準備できたら、続きをどうぞ。

 

 一人の学生が手を挙げた。「どんなにスケジュールが厳しい時でも、最大限の努力をすれば、いつでも予定を詰め込む事は可能だということです」「それは違う」と教授は言った。

「重要なポイントはそこにはないんだよ。この例が私たちに示してくれる真実は、大きな岩を先に入れないかぎり、それが入る余裕は、その後二度とないということなんだ。」

「君たちの人生において『大きな岩』とは何だろう」、と教授は話し始める。「それは、仕事であったり、志であったり、愛する人であったり、家庭であったり、自分の夢であったり…。ここで言う『大きな岩』とは、君たちにとって一番大事なものだ。それを最初に壷の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失うことになる。もし君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壷を満たしていけば、君たちの人生は重要でない『何か』に満たされたものになり、そして大きな岩、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果それ自体失うだろう」

 

 今できること、今すべきこと、今しなければならないこと。それが何なのか考えることはきっと大切なことです。

定期テスト対策

少し時間ができたので、久しぶりに更新したいと思います。

 

内容はタイトル通り「定期テスト対策」についてです。この1週間ほど定期テスト対策の様子を見ていて感じたことがあるのでまとめてみます。「思い当たるところがある」かつ「結果が出ていない」のであれば、各自参考にして改善してください。

 

  • 対策が遅すぎ!!!

もうこれは強く強く強く思う(笑)

テストまで1週間の段階で触れれてないor復習できてない問題があるのは絶対おかしい(未習範囲はその限りでない)。そんなん間に合うわけないやん。結果出るわけないやん。だってそれせいぜい1周くらいしか周せんくない?どこの天才になったつもりや?何周もやって、インプットとアウトプット繰り返して、結果残せるか残せへんかやで?テスト前日に、「〇〇(問題集の名前)って何ページから何ページやっけ?」とか言うてるやつが結果残せるわけないって。

 

  • ノートをまとめ直すタイミング

これは上のとほぼほぼ重複するんやけど、学校でとってるノートとは別にテスト勉強用にノートまとめ直す人おるけど、それテストまで1週間切ってるタイミングでやることかね?(結果出てるならそれでいいです)作業と勉強を混同してる良い例になっちゃってる。たしかに色ペン使ったり紙を切り貼りするのは、印象付けにもなるし勉強にもなる。うん、なるにはなる。ただね、時間対効果が低すぎる。おれも中学のときはそういうのもやってたけど、途中で気づいたよ「これ勉強してるんじゃなくて、ただの作業やん」って。ただ、どうしてもやりたいならそれを習ったその当日にしなさい。そしたらまとめ直す時間も最短で済むし、テスト前にはそのノートが完成してるはずやから。まあ、高校の勉強ではノートをまとめ直すのはオススメしません。だってそんなんする時間ないはず(笑)

f:id:atuatu713:20171011170635p:plainこれも参考にしてください

 

  • 奴隷のように学び、王様のように解け

勉強してる様子を見て、昔からよく言われるこの標語を思い出しました、「奴隷のように学び、王様のように解け」。まあ奴隷と王様っていうのは極端な例やけど、これが逆になってる感じやなーと思いました。つまりは、「(テスト対策のときは)王様のように学び、(試験本番は)奴隷のように解いてる」感じがするなあと。

勉強してるときの姿勢とかだけで判断するのもあれかとは思うけど、なんかグデーと勉強してる時間が長い。集中力が浅い?薄い?時間が長い。ぐーたらしてる王様みたいに。そのせいで何回も同じミスしたり、覚えなあかんことが覚えられへんかったり、計算ミスを連発したり、あと何よりも勉強のペースが遅い。だから結局仕上がりも中途半端で、試験本番は必死に奴隷みたいに解くことになる。オンとオフの切り替え(メリハリ)も意識したらどうかな?と思いました。

 

  • アウトプットの比重を重く

勉強はちゃんとやったのに、結果が出えへんかった…って子に多いのが、アウトプットの不足。要は、知識や解法を吸収するインプットの比重が重すぎて、それを使って実際に解くアウトプットに時間と労力を割けてないパターン。おれがよくする「分かる」と「できる」は全く別次元って話です。ひとまずは同じ問題をスラスラ解けるまで何回でも解いて、それをクリアしたら怖がらずに見たことない別の問題を…みたいな感じで、インプットが終わったら鬼ほどアウトプットに時間を割く。この意識ができてない子は意外と多い。インプット・アウトプットの比重を考えるのは勉強だけじゃなくて、いろんなところで大事になってくるから今訓練しとくと良いと思います!(時たま流す先輩風)

で、アウトプットを増やすためには、1番目に書いたように対策を早め早めにせんとダメ。1週間前に慌ててインプットしてたり、アウトプットせずにインプットできてるか確認してるようでは、良くて平均点前後かと。

何回もいうけど、「分かる」と「できる」は全くの別物です。

 

ぱっと思いついたのはこれくらいかなー12月考査では同じ轍を踏まないように頑張ってください。応援してます。

復習と基礎について【全科目】

ときどき生徒に「怒らせたら怖い」と言われます(笑)

 

普段はしょうもない話もしますが、たしかに私は怒るときは怒ります。いくつか怒るパターンはありますが、その中でも1番多いのは、初見で「出来ない」のはそんなに怒りませんが、復習や復習を目的とした宿題などを「やっていない」「やらない」ときです。

 

おそらく初めての単元・範囲の問題を解けない生徒に対して怒ったことはほんとにないと思います。しかし、忙しさやらなんやらにかまけて復習をせず、解説済みの問題を全く解けなかったりするとイラッとします。

f:id:atuatu713:20170912110415p:plain「忙しい」って言ってるやつをみると、いつもこれを思い出す(笑)

これは持論ですが、成績を伸ばす上での重要度は「予習:授業:復習=3:1:6」の比率だと思っています。つまり私の体感からすれば、復習なしで成績を伸ばすなんてことはあり得ないのです。だからこちらもそれを考えた上で復習メインの宿題を出しているのに、それをしないとこられると完全にお手上げです。「きみは一体なにがしたいの?」という疑問と怒りが湧いてきます。

しかもタチが悪いのが、予習はちゃんとやる、授業もちゃんと受ける、でも復習はしないような子は、ほぼ100%の確率で自分は勉強した気になってます。だからそういう子はゆくゆくは、

 

「がんばっているのにできない!わたしにはセンスがないんだ…」

 

とかいう状態に入ります(まあこちらからすれば「それ、がんばってるに入らないよ」って感じですが)。この状態は何としてでも避けたい。生徒講師双方がかなりきつくなる。だから、特に各分野のしょっぱなの基礎(英文法600問もこれに含まれる)を軽視して、後々しんどい思いをするような生徒は生み出したくない。だから、こちらが求める復習のレベルをこなせていない場合はブチギレます。またそれをチェックするためにテストも必要な都度行います。

 

 

また、私は復習のレベルを2つ使い分けています。

  1. だれか他の人に教えられるレベルまで復習(対象:基礎~標準)
  2. 解説などなにも見ずに答えられるレベルまで復習(対象:標準~発展)

の2つです。もちろんですが、1.の方が復習のレベルとしては高いです。というよりも最高レベルです。その1.のレベルを求めるのは、主に大学受験で基礎中の基礎と言われるものに対してが多いです。このとき、よくあるのが

 

「基礎=簡単」

 

という誤解です。これは大きな大きな誤解です。基礎というのはたとえば、

  • 古文の助動詞や敬語が完璧に頭の中に入っているか?
  • 漢文の句形が完璧に頭の中に入っているか?
  • 大関数(有理整関数、指数関数、対数関数、三角関数)の方程式・不等式がすべて完璧に解けるか?
  • どんなパターンの絶対値でも正確に場合分けして外せるか?
  • 三角形の面積公式、少なくとも4パターン言えるか?またそれの導出は完璧にできるか?
  • 頻出英単語約1600語すべて頭の中に入っているか?
  • 分詞構文の組み立て方をすべてもれなく説明できるか?
  • 関係詞の組み立て方をすべてもれなく説明できるか?

です。ざっと書いただけでもこれだけ思いつきました(笑)くり返しますが、上に書いたものは全て大学受験勉強の基礎中の基礎です。言い換えるならば、大学入試ではこれができても点数はほとんど発生しません。ただし、これらができていなければ問題を解くことはできません。だからまずは、あなた方の思っている基礎と大学受験の常識としての基礎は全く違うことにまずは気づきなさい。

 

でも厄介なのが、現役の高校生が人生で初めて習う単元で「これは大学受験勉強では基礎中の基礎になりそうだ!」と気づくのはほぼ不可能、ということです。だからどうするべきなのかというと、受験勉強を終えた先輩や講師などの先人たちに成功や失敗から学んだことを還元してもらうべきなのです。「単語ははやくやっておいた方がいい」「古文の文法は大事」そういった先輩や講師の言葉に耳を貸しなさい。大学受験という場で成功したいなら、自分の当たり前の基準を大学受験の当たり前の基準に上げなさい。「こんなのできて当たり前でしょ」みたいな感じで。

 

 

それとあと、基礎は少しずつやっていこうと思っちゃダメ。スピードを意識すべき。「ちょっとずつ頑張ればいいよ〜」なんていう耳障りのいい言葉で生徒を騙してもいいが、そんな嘘、口が頭の後ろまで裂けても言えない。

 

「3年生になってから本気出す」とか言う子もいるけど、だいたい成績悪い子が言うイメージ(笑)受かるやつは「3年生になってから本気出す」とか言わない(必要条件です。必要十分条件ではありません。)

 

 

まとめます。

とにかく復習は鬼ほど重要(予習、授業を軽視しろというわけではない)。その中でも、後々各教科・各単元の理解&運用につながる基礎の復習は特に重要。ただし、「基礎=復習」ではないことに注意。なにが基礎なのかは、はじめは先生や先輩の言葉を信じなさい。基礎はダラダラではなく、スピードを意識して高速で身に付けていくべし。

 

あと、まだ復習の習慣がついてないやつにとっては時期尚早かもしれないけど、復習が大事って言ってるけど復習だけでいいとは思わない。復習(みんながやろうとする最低ライン)なんてとっととやってしまって、時間余らせて他の連中がやってないこと(先生から出されていない課題など)を自分で自由にやろうと思えて、それに時間を使えるようにならないと学問の本当の面白さには辿りつけないし、点数や偏差値も向上しない。要するに、期限守って課題出せてるならいいじゃんレベルはまだまだ三流。やることやってたら褒められる、やることやってたら伸びるって思っていいのは中学生まで。期限なんかより先にやることやって次に自分は何をすべきか考えて行動することが大学進学志望者には求められる。理由は簡単で、大学は自分が何をすべきか100%自分で考えなくちゃいけないから。その予行演習みたいなもんです。それができない人は大学に来なくていいよって言われます。

 

 

復習を軽視せず、序盤で一気に基礎を仕上げる奴が勝つ。もっと言えば、復習なんていう最低ラインはさっさと終わらせて自分の自由な勉強の時間を確保できてる奴が勝つ。

 

 

あなたはどの常識の世界で生きていくんでしょうか?

お前ら何がしたいんだ?わけがわからん【現高2生へ】【叱咤】【全力エール】

こういうことは直接面と向かってまず言うべきなんだろうけど、ちょっと言いたいことが多すぎてうまくまとめられるか分からない&どうせ人間忘れる生き物だからまた気が緩み始めたときに読み返してもらう用にここにひとまず書きまとめるという手段をとります。まあ思い当たる節はあるだろうけど、

 

お前ら何がしたいんだ?わけがわからん。

 

言葉が間違って伝わらないよう順序立てて話すと、まずきみらの直近の最大の目標は「大学受験第一志望現役合格」なわけだ。ただそれは倍率だけ見ても、高校受験なんかとは比べ物にならないほど難しい。けどそんな大学受験もちゃんとした段階を踏めば、成功を収めることはできる。で、現役生(特に偏差値70をこえるような進学校に所属していない高校生)にとって難しいのが、その「ちゃんとした段階」とは何なのか情報として得ること。やっぱり現実として、進学校であればあるほど学校全体で大学受験について戦略的であったり、自分のまわりの学生の当たり前の基準も高くなるから「ちゃんとした段階」ってのも雰囲気というか空気感みたいなもので伝わってくる。で、正直に言っちゃうと洛北高校はその「ちゃんとした段階」ってのを知ったり体感したりするのが難しいと思う。実際に洛北高校に通っていたわけじゃないから間違ってる部分もあると思うし、洛北生全員が全員ってわけじゃないけど、いかんせん単語テストとか定期テストとか見る限りでは当たり前の基準が低すぎるし、それに勉強を頑張るって雰囲気が弱い。

 

で、紆余曲折もあり、きみらにもそしてご家庭にまで迷惑をかけた上で、おれはきみらの家庭教師としてその「ちゃんとした段階」ってのを伝えながらそれを実行していこうとしているわけ。そしてそのまず第一段階として兎にも角にも小テスト直前の1日とか定期テスト週間にしか勉強しないっていう第一志望現役合格を志す者としてズレまくった姿勢を矯正するために、コンスタントに課題であったり確認テストみたいなものをきみらに課している。調子が良いときだけとか、テスト前とかだけじゃなく、まずは超最低条件&超当たり前条件である「毎日勉強する習慣」をつけてほしいから(進学校だったらどんなにバカそうに見えるやつでも絶対どこかで自習してる。それを当たり前と思ってるから)。その習慣がつかないことには次の段階に進めない。この段階を無視して先に進んでも、本人は勉強した気分&頑張ってる気分を得るだけで、点数や偏差値みたいなものは全く伸びない。

 

で、おれの計画では長期休暇の夏休みを経て、先生からやれと課されたことはやる習慣、要は最低限の勉強量を確保できる習慣が身についてきてて、そのタイミングで

ただただ渡されたメニューこなして、毎日どんな機能を鍛えているか理解しないまま勉強してないか?それで「私死ぬほど勉強したのに・・・」って言われてもな。もう高校生なんだから、ただやれと言われたことをやるだけじゃなくて、「なんで私は今のうちに英単語を暗記しとかなくちゃいけないのか」「このまとめテストでは何ができることを求められているのか」とかを考えて主体的に行動しないと、今は知識を入れることの楽しさであったり、知識0から0じゃなくなることで、モチベーションは維持できたり、点数もちょっとずつ伸びてるかもしれないけど、近いうちにどっちもペースダウンするよ。そのへん大丈夫?

f:id:atuatu713:20170829145627j:plainふと思い出したけど、伝えたいのは野球漫画「MAJOR」のこのシーンに近い。

っていう意地悪な話をして、質は置いといてひとまず量を確保できる学習習慣が身についたタイミングで、本来の目的であったりを回顧させて次のステップに移行する手筈・・・だった。まあおれの計画力不足であったり、きみらを信用しすぎてた部分もあるから、おれも反省してるんだけど、

 

お前ら未だにやれと言われたこともちゃんとできねえほど大バカ者だったのか

 

落胆と失望が混ざった感情です。もうね、こちらとしてはやれと言われたことをやってくれないとお手上げですよ。課された課題の取り組み方間違ってないか?終わらせることだけが目標になってないか?大丈夫か?って話をしようと思ってたら、まさかの課題すらまともにできないって低レベルすぎて、もはや怒りを通りこした。あと、おれからしたらたとえ課題を提出できたとしても、提出期限ギリギリでなんとか提出できたってやつも問題外だからな。おれが課題を出してる意図としては、既習範囲の復習と正しい学習習慣を身に付けるところにある。で、その期限ギリギリ提出でそれらが達成できてるかどうかはきみらの頭でもさすがに分かるだろ?もういい加減生産性のない努力はやめなさい。頑張った気になるのはやめなさい。何回同じ失敗をしたら気が済む?新しい問題が解けないとかは怒らないけど、失敗経験済みのものに対して同じ失敗をするのは怒るよ。最近は本気で怒ったり叱ったりする教師が少ないって言われるけど、必要なときにひとりひとりに対して怒ること叱ることを恐れてる教師は生徒を成長させてあげれないって思ってるから、悪いところは容赦なく指摘する。まあ君らが望むなら、体力・気力使わなくて楽だし、テキトーに嘘でもついて「大丈夫大丈夫これからがんばろーね」って励ますよ。

 

あのね、何も友達と遊ぶなとかスマホをいじるなとは言わないし、息抜きが必要なのは知ってる。ただな、きみらの今の成績はどうなんだ?その成績で目標は達成できるのか?そういう問いかけをちゃんと日ごろ自分にかけてるか?結果残してないくせに、その上やれと言われたことはやらないって、バカかと、アホかと。しかもそれにおまけつきで、成績は伸ばしたいと言い、当の本人はちゃんとがんばります宣言はしてるっていう。矛盾矛盾矛盾の連続でちょっとおもしれーわ。

 

ほんでね、これは塾講師をしてた職業病の一種なんだけど、今のところおれの直感が「こいつら現状やばい。このままじゃ絶対落ちる。」って言ってる。で、こういう直感はかなりの確率であたる(特に大学受験において)。

 

まあとどのつまり、あえてキッツイ言葉を選ぶんであれば、現状きみらはおれから見て、口では「がんばりますがんばります」といって、実際は課題提出すらちゃんとできない口だけ野郎に映ってます。まあそういう生徒は初めてではないです。過去にもいました。そのときもこんな感じで怒りました。その生徒はどうなったかっていうと、それでも態度や行動を改めなかった者はものの見事に全落ちしました(改めた者が受かったとは言ってない)。

 

まだ24歳の若造が言うのもおこがましいけど、人生っていうのは、大小さまざまあるけど、2択選択の連続なんです。ここで気合いを入れなおして態度・行動を改めるかどうか。そこそこ大きな選択だと思いますよ。

伸びない生徒の共通点

曲がりなりにも数年間それなりに塾講師という教育者の立場を続けて、伸びない生徒の共通点を1つ見つけました。

 

それは、

「暗記をしない」

です。

 

実際、英語の単語テスト1つで伸びる伸びないの予想はできます。「忙しかった」「動詞は名詞より覚えにくい」理由が何であれ単語テストに度々不合格する子で、この子は伸びたなぁ!って子は持ったこともありませんし、見たことも聞いたこともありません。おそらく存在しないと考えて差し支えないレベルです。

 

ところで、かのニュートンもこう述べています。

If I have been able to see further,  it was only because I stood on the shoulders of giants.

(私がさらに遠くをみることができるとしたら、それは単に私が巨人の肩に乗っているからです。)

ここでいう「巨人」はものの喩えでしょうね。数多くの先人たちが作り上げてきた知識体系や智慧などを指していると考えられます。たしかにその巨人は誰にでも肩を貸してくれます。教科書や参考書を開けば何だって載っているし、昨今の情報社会ではヒットしそうな検索ワードを打ち込めば、ほぼ100%お目当ての情報にたどり着けます。ただし、注意しなければいけないのは、勘違いしてはいけないのは、その巨人はその肩に登ってきた者にだけ肩を貸す、ということです。登ろうとする気のない者を手助けしてくれるほど甘くはありません。

 

話を本題に戻します。今まで1000回以上の授業を行い、さまざまな生徒と接してきましたが、定期テストで点を取れずに燻っている生徒や大学受験勉強を始めたばかりの生徒などは次のような初歩的なミスを犯しています。

  • 古文の単語や助動詞や敬語を暗記せずに古文に挑む
  • 数学の定義・定理・公式を暗記せずに数学に挑む
  • 元素記号やイオンを暗記せずに化学に挑む

これらのように、必要最低限の知識体系を暗記せずに論理的思考力を養うことは不可能です。言い切れます。つまり、いくら素晴らしい授業を受けても(当たり前だが私のことではない)、「あれもわからない。これもわからない。」という状態に陥り、苦痛や敗北感という残滓が溜まりに溜まり、最終的には勉強を放棄してしまいます。悲しいことですが、私も今まで数人そういった生徒を見てきました。 この「覚えない→わからない→おもしろくない→覚えない→・・・」という負の連鎖に陥ってしまう生徒は、私が塾講師を始める前の予想より遥かに多くいました。

 

ただし、それは逆に言えば「覚えることは覚えなければいけない」というアドバイスをするだけで、成績を伸ばす生徒もたくさんいました。

ただし、さらにその逆を言えば「覚えることは覚えなければいけない」というアドバイスを無視して、いつまでも芽が出ない生徒もたくさんいました。そういう生徒は

  • ひとしきり説明したあとで、「これ覚えた方がいいですか?」
  • テスト前に問題集を持ってきて、「出そうなやつ選んでください」

などを常套句として用います。つまり、情報を少しでも減らそうとします。挙句の果てには、暗記量を減らして自分だけ得した気分になったりする子もいます。そういう生徒の場合は、具体的な数学や英語の指導ではなく、学習方法であったり意識改革を優先して行うべきだと気づきました。「そもそも学問をする上での最低限の知識やルールを覚えなければ絶対に頭を使う楽しさを感じることはできない。順番を間違えてはいけない。」ということを必死に伝えます。「自分勝手に情報を削減するんじゃない。まず最初は先輩である講師を信じろ。ゴールまでたどり着いて逆算のできる講師がこれは覚えた方がいいと言っているものは覚えろ。そしていろんなこと経験・体験して試行錯誤して自分なりにカスタマイズして、講師よりいいもん作って更なる高みに行っちゃえばいい。」またその際、私がよく紹介する言葉に、

オリオン座を知らない人にオリオン座は見えない。

というものがあります。ほんとその通りです。まずは知ることが大事。なにも始まらない。

 

どんな科目もどんな単元も、まずはじめは知識を得ること。いくらキレー事いってもまずは暗記です。そこを誤認してたり実行しなかったりしてたら勉強の本当の楽しさにはなかなか辿りつけないし、たぶん点数とか偏差値とかの数字も伸びないよ。ただ誤解してほしくないのは、「勉強=知識集め(暗記)」って言いたいんじゃないです。知識がないと考えるってこと自体できないから、順番間違えずにまずは知識を得ようね、ってことが伝えたいことです。ちゃんとした知識を得ずに勉強しても、その場で足踏みしてるのと変わらないよ。まあ足踏みしてても靴底はすり減るけど。