最近ありがたいことにライブを見に行く機会が多く、2024年に入ってから立て続けに5本も見たので、せっかくなのでまとめて感想を残しておく(当方ライブ初心者です)
- King Gnu "The Greatest Unknown" @東京ドーム
- Chilli Beans. "Welcome to My Castle" @武道館
- YOASOBI "POP OUT" @Zepp
- ザ・クロマニヨンズ "HEY! WONDER 2024" @Spotify O-East
- Spotify "Early Noise Night #16" @Spotify O-East
- 総括
King Gnu "The Greatest Unknown" @東京ドーム
1本目はKing Gnu。東京ドームにライブを見に行くのは生まれて初めてで、THEという感じで終始わくわく!津々浦々のアーティストがいつか立つことを夢見る場所が武道館だとしたら、武道館に立つアーティストが夢見る場所が東京ドーム…という勝手な偏見を持っている。実際、東京ドームでライブをやる=国民的アーティストとしての太鼓判な気がするんだけどどうなんだろう。
会場はファンの熱狂と心酔ぶりが想像以上で、改めてKing Gnuのカリスマ性を実感した。常田さんリスペクトの髪型・服装・佇まいの若年男性を一年分くらい摂取した。あそこでウォーリーを探せ!ならぬ、本物の常田さんを探せ!ができると思う。
そんなにライブに行く習慣がないので全然詳しくないのだが、全体の構成と曲順が見事だった。どういう順序でどういう曲を、どういう演出で演奏すれば一番ステージを高みに持っていけるのか、それが考え尽くされているな〜〜ということが素人目にも伝わってきて、プロの仕事を見た……
- パート1:孤高の音楽性をこれでもかというほど見せつける、電子音ゴリゴリのエンジン全開やりたい放題祭
- パート2:圧倒的な歌唱力に酔いしれる、J-POPド真ん中のサービスタイム
- 日本のポップシーンのKingとして、まさに王道をゆく!という感じの人気曲を出血大サービスで披露。ようやく井口さんの声も加工が外れて、みんなが聞きたい曲を聞きたい声でた〜〜くさんお耳に届けてくれた。これが聞きたかったんだけど、でも彼らは別にこういうことをやりたいわけじゃないのかもしれないな……悲しき需要と供給のずれ。
- パート3:みんなで歌って会場がひとつに🎶感動の大団円🎶
- 会場に歌わせたりみんなで歌う振りが多くて、まさにアーティストと会場がひとつになって作る音楽!という感じのハッピーエンディング。みんなで歌うときの、あの会場がほわ〜〜っと包まれるような声の響きと独特な幸福感、ライブという体験のとても好きなところ。
最初はスタートダッシュが激しすぎて「こんな電子音ゴリゴリでいくの…?せっかくなら生声聞きたいな…」と困惑していたが、この全体の3部構成(勝手に分けただけだけど)でステージそのものの価値が昇華していく感じ、計算し尽くされたカタルシスがあまりにも気持ちいい〜〜。
MCほぼなし、花道もなし、派手な演出もなし、その自信とプライドがかっこよかった。椎名林檎のサプライズ登場と会場の地響きは、確実にこの日の到達点のひとつだったと思う。観客の絶叫で会場より先に私の脳の血管が割れるのでは…?と思った。
Chilli Beans. "Welcome to My Castle" @武道館
結成5年目、晴れやかな節分の日に初の武道館…!本当におめでたい!ほぼMCなしの2時間、8500人の観客の前で演奏する姿がとてもとてもかっこよくて、輝いていて、涙が出そうになった。最近は叶った夢よりも叶わなかった夢の悲哀を声高に語ることをかっこいいと称える風潮があるような気もするけれど、何もない更地で出会ってから数年、ひたむきに地を耕し、前を向き、腐らず努力を怠ることなく、自らの手で夢を叶える過程を見せてくれてありがとう。
YOASOBI "POP OUT" @Zepp
いや〜〜〜YOASOBIのライブは楽しいよ、と噂には聞いていたが、本当に楽しかった!「POP OUT」というツアータイトルの通り、ライブ中に3Dグラスをかけて、飛び出る映像を見ながら音楽を楽しむ、という新体験!もちろん音楽も素晴らしいんだけど、最初から最後まで演出がずっと楽しくて、YOASOBIというアーティストの世界観の強さ(そしてそれを支えている人たちの愛と途方もない尽力…)に祈るような気持ち。かっこいいのも感動するのも素敵だけど、明るくて元気をもらえるようなライブがやっぱり一番〜〜!なんだかエネルギーがチャージされた気分になった。欲を言えば、公演時間がかなり短かったからもっと曲数聞きたかったな。
ikuraちゃんがとってもキュートで、ライブ中何度も「はて?」と意識を失いそうになった。なんだか動きも話し方も常にぷりぷりしてるんだよなあ…いま日本で一番「ぷりぷり」というオノマトペを体現している人間だよ…ぷりぷりを愛しぷりぷりに愛されるikuraちゃん、かわいすぎる…
諸々の事情で開場前結構早めに付近に着いて待機していたのだが、あまりの人の多さと列の長さにびっくりした。朝からグッズに並んでいた人もいると聞いて、YOASOBIがいかに人気なのかを改めて痛感した。若者に人気なイメージがあったけど、子どもから大人まで会場に集っていて、いいアーティストだなと思った。
ザ・クロマニヨンズ "HEY! WONDER 2024" @Spotify O-East
中学生の時、THE BLUE HEARTSに出会い、狂ったように聞いていた時期があった。それが原体験になっているのかなんなのか、決してハイロウズやクロマニヨンズを追いかけたわけでも曲を知っているわけでもないのだが、甲本ヒロトのMCや歌声を聞くと熱いものが込み上げてつい泣いてしまう病にかかっている。この琴線に触れるものが何なのか自分でもわからないのだけど、本物ともリアルともちょっと違って、なんだか「本当」って感じがするんだよなあ。どこまでもまっさらで、目を離したら簡単にどうにでもなってしまうのに、完全にこちらを信頼している赤ちゃんの純真さに打たれる瞬間の気の綻びとでもいうのか…。
去年、昼間の熱狂の名残が漂うラブシャの暗がりで初めてクロマニヨンズを見て、立ち尽くして、疲れ果てた体で涙が止まらなかった。画面に抜かれる中年ファン達の熱い瞳、熱い拳、熱い表情、熱い涙、あんなに美しいものがあるだろうか?と本気で思った。本当に本当に好きで、この人たちの音楽と生きて生かされてきたのだなあと、ひとりひとりの簡単ではない人生の蓄積を思うと途方もなかった。
次は単独ライブも行ってみたい!と思い、ラブシャに一緒に行った友達と参戦。久しぶりのロックバンド×ライブハウスの空気感は、やっぱり独特だな〜〜というのが正直な感想(それがオリジナルなんだと言われそうだけど)。迸る熱量が目に見えるような異様な興奮と熱狂。みんな仕事終わりに急いで来た感じで、これを楽しみに仕事頑張ってきたんだろうな…と勝手に想像して心の中で握手。全然予習せずに臨んでもやっぱり最初の数曲は涙が止まらなくて、本当になんなんだろうこれ……碌に曲も知らないのに申し訳ないけど、甲本ヒロトという人間のいる時代に生きているのはとっても幸運だ〜〜。
Spotify "Early Noise Night #16" @Spotify O-East
1月・2月の日記にも書いた、最近はまっているjo0jiと離婚伝説が出る!ということでウキウキで参戦。そういうイベントだから仕方ないけれど、招待や付き合いで来たんだろうな〜〜という感じの大勢のスーツ姿の男性客が、腕を組んで仁王立ちでステージを見つめるフロア、文字通りかなり異様だった。1組目のFirst Love is Never Returnedだけ聞いてポツポツ帰ってたけど何を思ったんだろう…アーティスト側もかなりやりづらかったのではなかろうか…
- jo0ji
- あの海に浸かっているアー写しか見たことがなかったので、初の生jo0jiは想像と違った。神尾楓珠と優里とデスノートのLを足して割った感じ。中身は知らないけど、割とチャラそうな見た目をしていて意外だった。
- 生歌聞けて嬉しかった〜〜。個人的には最近出した2曲よりも圧倒的に「475」が好きだ…
- 余計なお世話すぎるけど、ビジュアルがいい分、これからの周りの待遇や売り出し方や悪い大人に揉まれてどの方向にも転べてしまいそうなのが怖い。
- 「vulnerable」という言葉がぴったりに見えた。強くて弱くて、真っ直ぐで捻くれていて、素直で斜に構えていて、アンビバレントで傷付きやすいその感性を、一時の若さの特権とせずに、どうか不完全なままでずっと守り続けてほしいよ…
- 離婚伝説
- 愛が一層メロウ、みんなで歌うの楽しすぎる。会場もすごい盛り上がり。
- ギターを歯で弾いててすごかった。
- やっぱりアーティスト名があまりにも良すぎるので漢字4文字が刻まれただけのドシンプルなTシャツ買っちゃった。
総括
そもそもライブに行く習慣も趣味もあまりないので、こんなに立て続けにライブに行けたのは面白い体験だった。観客層はもちろん、アーティストの売り出し方や演出も全く違って、音楽産業って本当すごいよ〜〜。
個人的に感じたファン層の違い↓
- King Gnu
- 20〜30代のKing Gnu(特に常田さん)リスペクトっぽい男性が圧倒的に多かった気がする。だからかグッズもグラフィティとかストリートっぽいものが多いような。革ジャン率が異様に高い。
- Chilli Beans.
- YOASOBI
- 結構老若男女が揃っていた。ファミリー席を売っているだけあって、子供連れも一定数いた。わたしが参加した日は40代overの方も結構多くて意外だった。
- ザ・クロマニヨンズ
- 若者は超マイノリティ。平日だったのもあり、おしゃれ〜〜とか明るい〜〜とかじゃなくて労働者という名の戦士達が集結していた(もちろんわたしも)往年のロックファンはなんだか面構えが違う。
チケットの倍率とか日程とか会場とか色んな要素で客層は変わると思うけれど、やっぱり老若男女がみんなで楽しんでいるアーティストは存在感が一線を画していて、これぞ国民的だな〜〜と思う。これまでのあまり多くない経験でそれを感じたのはSEKAI NO OWARIとback number、そして今回YOASOBIもそのラインナップに加入しました。
Apple Musicでも十分音楽を楽しんでいるし、全然ライブ至上主義でもなんでもなく好きな音楽を好きな場所で好きに聞けばいいと思っているけれど、生の熱量に触れられるのはリアルならではだな〜〜と思った。その熱は快適な自室で音楽を聴いている自分ひとりでは決して生み出せないものだから。