立て続けに5回ライブに行った

最近ありがたいことにライブを見に行く機会が多く、2024年に入ってから立て続けに5本も見たので、せっかくなのでまとめて感想を残しておく(当方ライブ初心者です)

King Gnu "The Greatest Unknown" @東京ドーム

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1本目はKing Gnu。東京ドームにライブを見に行くのは生まれて初めてで、THEという感じで終始わくわく!津々浦々のアーティストがいつか立つことを夢見る場所が武道館だとしたら、武道館に立つアーティストが夢見る場所が東京ドーム…という勝手な偏見を持っている。実際、東京ドームでライブをやる=国民的アーティストとしての太鼓判な気がするんだけどどうなんだろう。

会場はファンの熱狂と心酔ぶりが想像以上で、改めてKing Gnuのカリスマ性を実感した。常田さんリスペクトの髪型・服装・佇まいの若年男性を一年分くらい摂取した。あそこでウォーリーを探せ!ならぬ、本物の常田さんを探せ!ができると思う。

そんなにライブに行く習慣がないので全然詳しくないのだが、全体の構成と曲順が見事だった。どういう順序でどういう曲を、どういう演出で演奏すれば一番ステージを高みに持っていけるのか、それが考え尽くされているな〜〜ということが素人目にも伝わってきて、プロの仕事を見た……

  • パート1:孤高の音楽性をこれでもかというほど見せつける、電子音ゴリゴリのエンジン全開やりたい放題祭
    • スタートダッシュ爆走されてもう見えないよ…早すぎて追いつけないんですけど…という感じの幕開け。圧倒的な音楽センスと演奏で(多分)、なんか全然わかんないけどめちゃくちゃかっこいい、でもわたしのようなアマチュアには全然わかんなかった(会場にいる大勢のうち一体どれくらいの人が理解しているんだろう?)これが俺らのやりたい音楽!なりふり構わずついてこい!ハイッ!って感じ。その突き放された距離が遠ければ遠いほど陶酔してしまうのかもしれないな〜〜などと思う。
  • パート2:圧倒的な歌唱力に酔いしれる、J-POPド真ん中のサービスタイム
    • 日本のポップシーンのKingとして、まさに王道をゆく!という感じの人気曲を出血大サービスで披露。ようやく井口さんの声も加工が外れて、みんなが聞きたい曲を聞きたい声でた〜〜くさんお耳に届けてくれた。これが聞きたかったんだけど、でも彼らは別にこういうことをやりたいわけじゃないのかもしれないな……悲しき需要と供給のずれ。
  • パート3:みんなで歌って会場がひとつに🎶感動の大団円🎶
    • 会場に歌わせたりみんなで歌う振りが多くて、まさにアーティストと会場がひとつになって作る音楽!という感じのハッピーエンディング。みんなで歌うときの、あの会場がほわ〜〜っと包まれるような声の響きと独特な幸福感、ライブという体験のとても好きなところ。

最初はスタートダッシュが激しすぎて「こんな電子音ゴリゴリでいくの…?せっかくなら生声聞きたいな…」と困惑していたが、この全体の3部構成(勝手に分けただけだけど)でステージそのものの価値が昇華していく感じ、計算し尽くされたカタルシスがあまりにも気持ちいい〜〜。

MCほぼなし、花道もなし、派手な演出もなし、その自信とプライドがかっこよかった。椎名林檎のサプライズ登場と会場の地響きは、確実にこの日の到達点のひとつだったと思う。観客の絶叫で会場より先に私の脳の血管が割れるのでは…?と思った。

Chilli Beans. "Welcome to My Castle" @武道館

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結成5年目、晴れやかな節分の日に初の武道館…!本当におめでたい!ほぼMCなしの2時間、8500人の観客の前で演奏する姿がとてもとてもかっこよくて、輝いていて、涙が出そうになった。最近は叶った夢よりも叶わなかった夢の悲哀を声高に語ることをかっこいいと称える風潮があるような気もするけれど、何もない更地で出会ってから数年、ひたむきに地を耕し、前を向き、腐らず努力を怠ることなく、自らの手で夢を叶える過程を見せてくれてありがとう。

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YOASOBI "POP OUT" @Zepp

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いや〜〜〜YOASOBIのライブは楽しいよ、と噂には聞いていたが、本当に楽しかった!「POP OUT」というツアータイトルの通り、ライブ中に3Dグラスをかけて、飛び出る映像を見ながら音楽を楽しむ、という新体験!もちろん音楽も素晴らしいんだけど、最初から最後まで演出がずっと楽しくて、YOASOBIというアーティストの世界観の強さ(そしてそれを支えている人たちの愛と途方もない尽力…)に祈るような気持ち。かっこいいのも感動するのも素敵だけど、明るくて元気をもらえるようなライブがやっぱり一番〜〜!なんだかエネルギーがチャージされた気分になった。欲を言えば、公演時間がかなり短かったからもっと曲数聞きたかったな。

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ikuraちゃんがとってもキュートで、ライブ中何度も「はて?」と意識を失いそうになった。なんだか動きも話し方も常にぷりぷりしてるんだよなあ…いま日本で一番「ぷりぷり」というオノマトペを体現している人間だよ…ぷりぷりを愛しぷりぷりに愛されるikuraちゃん、かわいすぎる…

諸々の事情で開場前結構早めに付近に着いて待機していたのだが、あまりの人の多さと列の長さにびっくりした。朝からグッズに並んでいた人もいると聞いて、YOASOBIがいかに人気なのかを改めて痛感した。若者に人気なイメージがあったけど、子どもから大人まで会場に集っていて、いいアーティストだなと思った。

ザ・クロマニヨンズ "HEY! WONDER 2024" @Spotify O-East

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中学生の時、THE BLUE HEARTSに出会い、狂ったように聞いていた時期があった。それが原体験になっているのかなんなのか、決してハイロウズクロマニヨンズを追いかけたわけでも曲を知っているわけでもないのだが、甲本ヒロトのMCや歌声を聞くと熱いものが込み上げてつい泣いてしまう病にかかっている。この琴線に触れるものが何なのか自分でもわからないのだけど、本物ともリアルともちょっと違って、なんだか「本当」って感じがするんだよなあ。どこまでもまっさらで、目を離したら簡単にどうにでもなってしまうのに、完全にこちらを信頼している赤ちゃんの純真さに打たれる瞬間の気の綻びとでもいうのか…。

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去年、昼間の熱狂の名残が漂うラブシャの暗がりで初めてクロマニヨンズを見て、立ち尽くして、疲れ果てた体で涙が止まらなかった。画面に抜かれる中年ファン達の熱い瞳、熱い拳、熱い表情、熱い涙、あんなに美しいものがあるだろうか?と本気で思った。本当に本当に好きで、この人たちの音楽と生きて生かされてきたのだなあと、ひとりひとりの簡単ではない人生の蓄積を思うと途方もなかった。

次は単独ライブも行ってみたい!と思い、ラブシャに一緒に行った友達と参戦。久しぶりのロックバンド×ライブハウスの空気感は、やっぱり独特だな〜〜というのが正直な感想(それがオリジナルなんだと言われそうだけど)。迸る熱量が目に見えるような異様な興奮と熱狂。みんな仕事終わりに急いで来た感じで、これを楽しみに仕事頑張ってきたんだろうな…と勝手に想像して心の中で握手。全然予習せずに臨んでもやっぱり最初の数曲は涙が止まらなくて、本当になんなんだろうこれ……碌に曲も知らないのに申し訳ないけど、甲本ヒロトという人間のいる時代に生きているのはとっても幸運だ〜〜。

Spotify "Early Noise Night #16" @Spotify O-East

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1月・2月の日記にも書いた、最近はまっているjo0jiと離婚伝説が出る!ということでウキウキで参戦。そういうイベントだから仕方ないけれど、招待や付き合いで来たんだろうな〜〜という感じの大勢のスーツ姿の男性客が、腕を組んで仁王立ちでステージを見つめるフロア、文字通りかなり異様だった。1組目のFirst Love is Never Returnedだけ聞いてポツポツ帰ってたけど何を思ったんだろう…アーティスト側もかなりやりづらかったのではなかろうか…

  • jo0ji
    • あの海に浸かっているアー写しか見たことがなかったので、初の生jo0jiは想像と違った。神尾楓珠と優里とデスノートのLを足して割った感じ。中身は知らないけど、割とチャラそうな見た目をしていて意外だった。
    • 生歌聞けて嬉しかった〜〜。個人的には最近出した2曲よりも圧倒的に「475」が好きだ…
    • 余計なお世話すぎるけど、ビジュアルがいい分、これからの周りの待遇や売り出し方や悪い大人に揉まれてどの方向にも転べてしまいそうなのが怖い。
    • 「vulnerable」という言葉がぴったりに見えた。強くて弱くて、真っ直ぐで捻くれていて、素直で斜に構えていて、アンビバレントで傷付きやすいその感性を、一時の若さの特権とせずに、どうか不完全なままでずっと守り続けてほしいよ…
  • 離婚伝説
    • 愛が一層メロウ、みんなで歌うの楽しすぎる。会場もすごい盛り上がり。
    • ギターを歯で弾いててすごかった。
    • やっぱりアーティスト名があまりにも良すぎるので漢字4文字が刻まれただけのドシンプルなTシャツ買っちゃった。

総括

そもそもライブに行く習慣も趣味もあまりないので、こんなに立て続けにライブに行けたのは面白い体験だった。観客層はもちろん、アーティストの売り出し方や演出も全く違って、音楽産業って本当すごいよ〜〜。

個人的に感じたファン層の違い↓

  • King Gnu
    • 20〜30代のKing Gnu(特に常田さん)リスペクトっぽい男性が圧倒的に多かった気がする。だからかグッズもグラフィティとかストリートっぽいものが多いような。革ジャン率が異様に高い。
  • Chilli Beans.
    • めっちゃ若い!大学生とか下手したら高校生くらいの子たちがボリュームゾーンな気がする。会場に着いてから席に辿り着くまで、ずっと「なんかみんなめちゃくちゃ若くない…?うちら浮いてない?」とソワソワしていた。あんまり好きな言葉ではないが、俗に言う陽キャ属性の人が多そう。
  • YOASOBI
    • 結構老若男女が揃っていた。ファミリー席を売っているだけあって、子供連れも一定数いた。わたしが参加した日は40代overの方も結構多くて意外だった。
  • ザ・クロマニヨンズ
    • 若者は超マイノリティ。平日だったのもあり、おしゃれ〜〜とか明るい〜〜とかじゃなくて労働者という名の戦士達が集結していた(もちろんわたしも)往年のロックファンはなんだか面構えが違う。

チケットの倍率とか日程とか会場とか色んな要素で客層は変わると思うけれど、やっぱり老若男女がみんなで楽しんでいるアーティストは存在感が一線を画していて、これぞ国民的だな〜〜と思う。これまでのあまり多くない経験でそれを感じたのはSEKAI NO OWARIとback number、そして今回YOASOBIもそのラインナップに加入しました。

Apple Musicでも十分音楽を楽しんでいるし、全然ライブ至上主義でもなんでもなく好きな音楽を好きな場所で好きに聞けばいいと思っているけれど、生の熱量に触れられるのはリアルならではだな〜〜と思った。その熱は快適な自室で音楽を聴いている自分ひとりでは決して生み出せないものだから。

2024年2月記

今月の主な出来事

何歳になっても誕生日を喜びたい

2月はバースデー月間。誕生日は平日で、特別なことは何もなく、普通に働いてひとりで過ごした。一方、実家では赤飯が炊かれ、喫茶店をやっている叔母からはホールのナッツタルトが届いた。朝7時に父からめずらしくLINEが来ていて、「お前の人生これからだ」と言われた。わたしのいない家で赤飯が炊かれるのは幸福だと思う。

独り占めは嬉しくて寂しい

わたしは今日の日付さえ満足に覚えられない人間で、人の誕生日を覚えるのも、当日にそのことを認識するのもかなり苦労するから、誕生日にメッセージをもらえるとありがたくって感動する。その人の日を繰る生活のなかに自分の存在があるってすごい。

加齢=悪とか、若さ至上主義の考え方は好きじゃないけれど、20代も後半に差し掛かり、なかなか誕生日が嬉しいだけのものではなくなってきてしまった。それでも、痩せ我慢でも、何歳だって誕生日を喜べる自分でいたい。あれもこれも楽しいし、好き勝手に手を伸ばして生きるのもいいけれど、この一年は自分が本当に欲しいものは何か、何を大切にして生きたいのか、それを分かりたいと思っている。

別日に会社の同期がサプライズでお祝いしてくれて大感謝
予知していたかのように胸からデンマーク語で "Thank you so much!"を発している
一週間くらい体調を崩した

ただでさえ短い2月なのに、原因不明の微熱がおさまらずに1週間くらい体調を崩してしまった。生まれてこのかたずっと健康優良児なはずなのに、ここ数年は翳りが見え始めてきて悲しい…

いつも前日のおぼろげな体感と世の中の雰囲気でなんとなく着る服を決めているのだが、2月は1日単位での気温の上げ下げや天候の変化が激しすぎたような気がする。そのせいで、寒い日にすごい薄着だったり、暑いフロアでもこもこに着膨れしていたり、周囲からも指摘されるレベルで日々失敗していたので、それが積み重なって風邪をひいた説が濃厚である。

この冬にも春にもなりきれない腹立たしいほど優柔不断なウジウジとした季節、「冬と春の間に新しい季節があるとしたら何だろうね?」と聞かれて、その場でぱっと思いついたのが「越(えつ)」!コンディションが悪くても、何かが思うように行かなくても、乗り越える過程の季節ならみんな仕方ないような気持ちになれそうなので新設いかがですか?

完璧な休日①:高尾山→焼肉ヒロミヤ

わたしの誕生日祝いを兼ねて、朝から高尾山登山→念願の焼肉ヒロミヤ→銭湯という完璧な一日を過ごした。思い返しても惚れ惚れするほど素晴らしい一日だった…。この日のことを書き残した記録、なんだかたくさんの方が読んでくれたようでありがたい。

aurorai.hatenablog.com

完璧な休日②:野音漫才選集→おでん

実は2月にはもう1日素晴らしい休日があった。日比谷の野音でお笑いライブ(なんと3時間かけて20組の漫才!)を見て、お多幸でおでん。つい数年前まで「趣味がないことが悩み」と言っていた友達が、知らぬ間にお笑いとCreepy Nutsに目覚め、かなりの熱量で一人で地方遠征するまでになっていた。好きなことや自分の趣味を持っている人って、きらきらしていてとてもかっこいい。

超豪華な面々でずっと楽しかったけれど、初の野音ライブは声が大きい人、勢いがある人、会場を巻き込める人がやっぱり面白かったな〜〜。ヨネダ2000が、お餅のネタ〜開始早々に会場総出のコール&レスポンスのフェスver.〜に切り替えて、一曲まるまるフェスやっていて可愛かった。

お多幸というネーミング、完璧すぎる
2月の好きワード大賞
  • クォーターライフクライシスに苦しまされる昨今、友達と手を取り合って決めた20代後半の目標「スピらない」
  • 年齢についての友の愛すべき宣誓「わたしはコロナ3年分は実年齢からマイナスだと思ってるから」
  • わたしが高校時代にDecologで書いていた激痛ブログについて「あの頃はかっこいいと思ってたけど、今考えると光が毎回ブログのタイトルを歌詞にしてたのめちゃくちゃ痛かったよね…」(恥)

今月の美味しかったもの

フダンのカレー(清澄白河

お恥ずかしながらずっと「パイコー」じゃなくて「ヒコツ」って読んでた

清澄白河の新星カレー。シンプルでおしゃれ〜〜な店構えで、行列が絶えない。排骨カツカレー、スパイスの効いたどろっと濃厚のルー。あまり甘味がない分、薄くてカリカリで甘い味付けのカツがたまらなかった。

curry rice 幸正

curry island

1-2月は個人的にカレーブームが来ていたのかもしれない。かなりカレーを食べた。なんとミシュランにも食べログ100名店にも選ばれているお店らしい。ルーはシャバシャバで牛テールががっつり効いている。味は濃いめ。真ん中に浮かぶごはんはターメリックライスとケチャップライスのような2層で、カットされたピクルス?がごろごろ入っていて食感が楽しい。頂点の牛肉は焼肉みたいなガツンと甘辛い味付け。総じて食べたことのない構成で、見た目も味も宝島のようだった。

魚と牛じゃ(麻布十番

輝きが一線を画している

会社の先輩方と女子会。価格設定はお高めだが、どれもそれに見合うくらい美味しくて一品ごとに恍惚タイム。光り輝く肉〜〜!先輩が飲ませてくれた十四代があまりに美味しくて過去一好きな日本酒になってしまったかもしれない。

博多もつ鍋 山笠(青山)

バースデーディナーで友達ともつ鍋。冬のもつ鍋は何度年が巡っても至福…。火を入れすぎたのか(そんなはずはないのだが)もつが溶けて食べ頃にはあまりに小さくなっちゃって切なかった。醤油ベースもあったけれど、味噌ベース(全然重くない)で〆をチーズリゾットにしたのが大正解。

九州に生まれていたら、わたしは軽くあと+10kgくらい太っていたと思うので危なかった。いかとオクラとだし醤油を和えたようなお通しがあまりに美味しすぎて衝撃を受け、後日自分でも作ってみたら、それも完璧な出来栄え!簡単なのに美味しくて、わたしのお通しラインナップに盛大な拍手で迎え入れた。

讃岐うどん 麺喜やしま(渋谷)

Spotify O-Eastの帰りに駆け込みうどん。おばあちゃんの家の匂いがするお店、大量のフィギュアと有名人の大量のサインに驚く。かなりしっかり歯応えで好みのうどん!店舗限定で選んでみた、初めてのラー油うどん、ピリ辛でうどん麺にもマッチしていて新しい発見!次は普通のうどんも食べてみたい。

牛ステーキのパイ包焼き

今月一番、雷に打たれたような衝撃と感動に震えた。会社の同期が誕生日をお祝いしてくれた素敵なお店で、メインに頼んだ料理。美味しい牛ステーキを、パイ生地に包んで焼く、という新しい出会い…!自分がパイ生地が大好きだったことを本能が一瞬で思い出した。ワインソースのコクとパイ生地とお肉の組み合わせがあまりに美味しくて、これが足し算じゃなくて掛け算ってやつね…(ドヤ顔)と心の中で精一杯の低音ボイスで呟きました。

お肉は質が高いほどいいし、より手をかけない状態(せめてステーキや焼肉のように焼くだけ)であればあるほどいいと信じて疑わない人生だったので、突然のコペルニクス的転回に新たな扉が開く音を聞く。はじめましてだけど末長くよろしくお願いしますという気持ち。あまりに美味しいので、自分でもチャレンジしたくなって、すぐに「オーブンレンジ」で検索した。パイ生地を好き勝手に焼ける生活になったらどれだけ素晴らしいだろう…🎶 いつか自分でも作るぞ!という誓いを胸に刻む。

Buvetteのチョコケーキ

平日の夜、無理矢理仕事を終わらせて(終わらなかったけど)映画を見に先輩と日比谷へ。いつも行列だな〜〜と思っていたお店、先輩お気に入りのカフェらしく映画前にお茶して腹ごしらえ。なんて優雅な平日🎶

人気メニューらしいチョコレートムース。生チョコのようなとろける口どけで、重くなくて、とってもおいしかった。日本人としては、このスプーンぶっ刺しスタイル許されてる?!(主に各方面の宗教とマナー教室に)と不安になってしまった…

ポークステーキの蕪ソース

今月の自炊、Twitterで見かけた長谷川あかりさんのレシピにチャレンジした。ただお肉と蕪を焼くだけなのに、なんだかおしゃれでは…?と気分が上がる。感動ポイントは、蕪の葉のソース!酢とわさびが効いていて、歯応えもあってよくお肉に合う。

お恥ずかしながら、生まれて初めて自分で蕪を買った。それを、実(根?)も葉もまるごと味わう贅沢。余った蕪は、そのままお味噌汁にした。難しいことはしていないのに、なんだか季節を楽しんでいる気がして温かい幸福感があった。旬の野菜や果物をその季節に食べる暮らしに憧れがある。今月はその第一歩を踏み出しちゃったのかもしれない!

ご褒美焼肉ランチで出会ったポスター、あまりに良すぎて座右の銘にしたい

今月買ったもの

登山靴(addidasのTERREX AX4 GTR)

これも高尾山の記事で書いた、念願の登山靴!完全初心者で登山のことは全然わからないのだが、神保町を歩いて色んなお店を覗くにつれて定まった個人的チェックポイント↓

  • ミドルカット(足首を固定したい)
  • 軽量
  • GORE-TEX
  • できれば街中でも履けるデザイン

本格的な登山靴はどれも最低でも2〜3万円くらいして、めったに使わないのに高いな〜〜と思っていた矢先にロンドンスポーツで運命の出会いを果たして、候補外だったけれどわたしのチェックポイントをすべて満たすadidasの黒いハイキングシューズを定価の2割引で購入。メンズの25cmが幅もサイズもシンデレラフィットして「これって運命じゃん…」と納得しちゃった。ソールが厚くて歩きやすくて、足首も固定できて、雨の日の通勤にも使えて、本当にいいお買い物ができた〜〜!

パソコンスタンド

会社のPCと私用のPCを使い分けるのが面倒すぎて、社会人になって私用PCは仕舞ったままでほとんど触っていなかったのだが、ブログ再開とあわせてPCも稼働させるか〜〜と思い購入。机がすっきりして、ひとつのPCを使う時のもうひとつの居場所に困ることもなく、ノーストレスで生活に馴染んだ。わたしに必要なのはこれでした…

Arabiaのプレート Paratiisi(パラティッシ)

母に誕生日プレゼント何がいい?と聞かれて、熟考の末「北欧のお皿」をリクエストして贈ってもらった念願のArabia!せっかくお祝いしてもらうから、シンプルなやつより賑やかなものがいいな〜〜と思って相談していたので、届いたときはとっても嬉しかった(北欧留学中からずっと欲しくて、なんならたくさん持ち帰りたかったけど、なんにせよお金がなかったので…)

たわわに実った豊かなデザイン、わたしだったら名前「豊作」にするわ…と思っていたら、Paratiisiはフィンランド語で「楽園」らしく、そうだよね…と心の中で握手。もうお皿だけで何も載せなくても白米食べられるレベルで胸がいっぱい。何を載せても、鮮やかなごちそうのように映えて、また生活が彩られてしまった🎶

今月の映画・本・音楽など

関ジャム「プロが選ぶ2023年マイベスト10曲」

mora.jp

毎年楽しみにしているこの企画。ここには知らないアーティストや楽曲との新しい出会いがある(去年はBialystocksに出会った)音楽を生業とする人たちが、本気で感動したり、嫉妬したり、衝撃を受けたりしている熱量がたまらなくて、選曲ももちろんだけどその熱量に触れることを心待ちにしている節がある(特に蔦谷好位置氏の)

今年も豊作で、特に離婚伝説、Enfants、Khaki、TOMOOの4組に、それぞれ違う方向性で胸を鷲掴みにされた。TOMOOは番組中で「今後メジャーシーンのど真ん中で長く活躍していく気がする」と評されていたけれど、まさにその通りの圧倒的な魅力に打たれてしまい、3月現在もほぼ毎日聞いている(わたしもiTunesじゃなくてApple Musicをスマートに埋め込みたいのに、未だやり方がわからない…)

愛が一層メロウ

愛が一層メロウ

  • 離婚伝説
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
Play

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  • Enfants
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
Undercurrent #3

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17

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  • TOMOO
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
『グッド・ウィル・ハンティング』

Netflixに登場してようやく見れた、ずっと気になっていた映画。清掃員として大学で働く荒くれ者のヤンキーが、実は高明な教授も打ち負かすほどの数学の才能を持っていた…!というだけでかなりの胸熱展開なのに、それを冒頭あっさりと片付ける潔さ。

ロビン・ウィリアムズの眼差しとか口元の微笑みとか話し方がわたしの琴線にドンピシャで、なんだかボロボロ泣いてしまった…。彼の語ることのひとつひとつが切実であまりにもよかった。言葉を聞いているだけで人生が愛おしく見えるような。

Chuckie Sullivan – Climbing Mountains

そして何より、ベン・アフレック演じるチャッキーとの友情がこの映画を特別なものにしているよね…。地元の一番のツレ、喧嘩もお酒も馬鹿騒ぎも毎日一緒で楽しくて、それでも確実に自分達とは違う才能を持っている相手に対して、「俺が毎日一番スリルを感じるのは車を降りてお前を玄関に迎えにいく10秒間。ある朝、ノックしてもお前は出てこなくて、挨拶もなく消えている。そうなればいいとずっと思っている」なんて言えるか…?ラストの展開と合わせて、とんでもない名シーンだと思う。

映画版『ゴールデンカムイ

映画「ゴールデンカムイ」2024年1月19日㈮ 公開

だれることなく2時間ずっと面白かった!世界観が強すぎるし、物語もキャラも濃すぎるし、実写化だからこそ、原作のあらゆる要素に屋台骨としての強度があることが浮き彫りになっていて、あらためてめちゃくちゃ面白い作品だな〜〜と実感。みんな恐ろしいくらいに役にはまりすぎている。隣の小学生男子2人組が上映前からずっと楽しそうにわちゃわちゃしていて、クライマックスでは揃って前のめりでぽけーっと見入ってて、とても可愛かった。

疲れている時でも見れたNetflix作品

ストップモーションのアニメが好きなのかも

心や体が疲れている時に見れる作品や読める本は限られる。個人的な感覚では、世界観が作り込まれているフィクション(現実世界とかけ離れているやつ)、パターンが決まっているもの(ミステリー、アニメシリーズなど)、重くないドキュメンタリー、のほほんとした優しい世界ものなどに手が伸びやすい気がする。

  • ポケモンコンシェルジュ
    • この世界に転生したくてたまらない…転職させてください…
  • リラックマとカオルさん
    • 癒し系かと思いきや、真綿で喉を締める系の現実描写が節々にあるトラップアニメ。優しい世界に浸って無防備になっている時に現実を突きつけられ、何度かこのアニメに求めていない感情が襲ってきたが、総じて癒し系
  • ミス・アメリカーナ
    • Taylor Swiftのことは全然詳しくないけれど、世界中を熱狂させるスーパースターなのに、ありのままで、人によくあろうとすること、正しいと思う方を信じて進むこと(その過程で涙を流すこと)等身大の姿が本当に素敵だった…。世界一の歌姫なのに、身近な友達みたいな感じ。ちょうど心がささくれだっていた金曜仕事終わりの深夜に見たら、なんだかぼろぼろ泣けて、Taylorのことが好きになってしまった。
テッド・チャン『息吹』

短編集を地道に読み進めて、ようやく読み終わった〜〜。どの作品も、どうやったらそんなの思いつくの…?という、突拍子もないがあり得なくはない、今はここにない確固たる世界が描かれていて、テッド・チャンの脳内を覗いてみたい。(正しい定義は知らないのだが)もしSFが、科学的な可能性に裏付けられた、フィクションの世界を作り出すこと、その細部までの徹底、さらにそこから到達しうる哲学の深さーーだとすると、テッド・チャンはあまりにも孤高の存在なのでは…。

特に印象に残っているのは「オムファロス」。主が世界を創造した証拠がそこかしらに(成長輪のない木、へそのない人間などに)観察される世界では、「主は何の目的でこの宇宙を作ったのか?」という問いが科学者の追求の目的となる。だが、実は人類は主にとってトライアルか副産物でしかなく、人類のために宇宙を作ったわけではないことが明らかになった時、人は絶望のなかで何を思い何を信じるのか?という話。

この人の作品はどれも、どんな着地をするかにかかわらず、物語が幕を閉じること自体のインパクトが大きくて、読後感がいいとか悪いとかじゃなくて「力強い」感じがして揺さぶられる。映画『メッセージ』(原作は『あなたの人生の物語』)でも思ったけれど、人間の自由意志や決意の強さを信じている人だと思う。

和山やま『ファミレス行こ!(上)』

前作『カラオケ行こ!』よりもシリアスなトーンで展開する本作。はやく、はやく続きを読ませてください…狂ってしまいそうなので…

完璧な日曜日の過ごし方

その月に起きたことや食べたもの、見たものをまとめて書いている日記が、月を追うごとに自分でも読みたくなくなるくらい長くなってきたので、書き残しておきたいことは日記じゃなくても小出しにしていこうと思う。

ある完璧な日曜日の過ごし方

最近一番わくわくしたのは、完璧なプランが予定されていた日曜日の前日の夕方〜夜で、一番幸福だったのは、そのプランが実行された日曜日の夜に「なんて幸せな一日だったんだろう🎶」という幸福度MAXの気持ちのまま眠ったこと。日曜日は、ただでさえ「次の日から仕事か…」というしゅんとした気持ちが隙あらば顔を出してくるハードDAYなのだから、その日曜日をどんな気持ちで終えられるのかは、翌週に響くくらい大切なポイントだと思う。

完璧な日曜日と言っても、その時の状況や体調、時期、環境によって何を快く感じるかは異なるし、最適解は人によっても日によっても違うけれど、たくさんの正解のうち今の我々にぴったりなひとつを見つけてしまいました。そんなベスト・オブ・サンデーを見事受賞した一日がこちら!

9:00 高尾山口駅集合→登山

午前中の明るさって特有の清々しさがある

春の気配をうっすら感じかけているこの季節に、朝日を浴びてゆるやかな登山。素晴らしい。ただ、一番の関門は、高尾山は意外と遠いし、起床時間は早過ぎるしで、早起きして集合場所に辿り着けるかということ。休日だからこそゆっくり寝たい(できれば昼まで…)と思うけれど、充実した一日にするには絶対に朝が早くなければならないという鉄の掟がある。今回も根性だけで老体をムチ打ってベッドを這い出しダッシュ高尾山口駅に向かったが、無事遅刻(すみません)

高尾山はコンクリ舗装の道しか歩いたことがなかったのだけど、それは王道の一番歩きやすい1号路で、他にも色々ルートがあるらしい。今回は自然を楽しみつつしっかり登山モードを味わいたかったので、若干難易度高めと思われる6号路のびわ滝コースにチャレンジ。小さい子どももいっぱいいて、ジェットコースターに並んでる時に小さい子を見て「あんな小さい子も乗れるんだからきっと大丈夫…」と勝手にパワーをもらうのと同じ現象が起きていた。

初おろしの登山靴、しっかり泥だらけに

まだかなり雪が残ってみんなツルツル滑っていて、「将棋倒しになって前のおじいちゃんおばあちゃんをうっかり殺しちゃいませんように…」ということだけ一心に祈って地面を踏みしめた。今年買いたいと思っていた登山靴、今だ!逃すな!と思って前日に神保町を練り歩いて、吟味した末にaddidasのTERREXシリーズを購入。初めて履くのに靴擦れしちゃわないか心配していたけれど、足のサイズぴったり、靴擦れなし、足首もしっかり固定、半分凍った雪の上を歩いても全然滑らない…!と、まさに運命の一足で、お買い物ドンピシャ成功体験にアドレナリンが止まらなかった。

全体的に歩きやすくて特にハードルもなかったけれど、終盤の階段地獄がめ〜〜〜ちゃくちゃ辛かった。何これ?!登山じゃなくて突然夏合宿の追い込み猛特訓させられてる?!と上がらない太ももを抱えてパニックになりながら登頂。

11:00 頂上で軽食

誰もいないよりも人がいた方が景色も賑やかで嬉しいね

地上で買ったコンビニのサンドイッチで休憩。本当は山頂で売っているビールや軽食を楽しみたいところだが、この後ビッグイベント(焼肉)が待ち構えているので我慢。山の稜線がとてもきれいだった〜〜。人がたくさんいてびっくり。大の犬好きの友達は、嬉しそうな犬がたくさんいることにキャッキャして、できるだけ犬の近くに席を陣取ろうとしていた。家族連れもカップルも友達同士もひとりで来ている人も(犬も)みんな嬉しそうなのが可愛くて、軽率に「人間みんな愛おしいな…」という気持ちになる。

11:30 突然のトレラン下山

個人的には6号路よりも3号路の方が自然が溢れてて好き

登りも山頂もゆっくりし過ぎたのか、時間に余裕を持って計画を立てたはずなのに、下山後半、気付いたら焼肉の予約に間に合わない?!といつものドタバタ展開で、突然のガチトレランスタート。下りは50分くらいかかるっぽい道のり(3号路→途中から1号路)を、30分くらいで駆け降りた。半分転がっていたかもしれない。靴がよかったのか空気がよかったのか、ずっと走っていたのに全く息切れせず、気管も辛くなく、これがゾーン?!という感じで清々しい汗をかいて無事電車に間に合った。

初めてのトレラン、高尾山の下りはかなり坂の傾斜がきついこともあって、下半身全体が筋肉痛すら待てずに限界を迎え、ぷるぷる小鹿モードで入店。せっかくなら太ももとかお尻を鍛えられたらよかったのに、完全に前もも増強一択だったのが無念…

15:00 焼肉とビールで喜びの酒池肉林@焼肉ヒロミヤ

くうぅ〜〜〜!!

暖かさと走った疲れで電車で爆睡してから、念願の焼肉ヒロミヤへ。ずっと行ってみたいと思っていて、予約は15:00の枠しか取れなかったのだけれど、そのおかげで登山→焼肉という素晴らしい日程を組ませてくれてありがとう。飲み物(アルコールもノンアルも)とごはんはセルフで飲み放題食べ放題、コース一本勝負でかわるがわるお肉たちが運ばれてくる食欲の楽園。

ユッケもタンも最高に美味しかった…

色んな部位のお肉を、生のピーマンに巻いたり、大根おろしで食べたり、卵黄につけたり、多種多様なタレや食べ方で楽しめて、舌も脳内も小躍りでもはやサーカス状態。(想定外に下りがハードな)登山を終えたボロボロの体に、ビールと肉の脂の染みることよ……

硬めの白米がおいしすぎて、不覚にも2杯も平げてしまったせいで、近年にないくらい本っ当にお腹いっぱいになった。締めにカレーも冷麺出てきて、どこまで我々を喜ばせるんですか…?という気持ちで幸か不幸か腹十二分目まで到達。

18:00 銭湯でさっぱり🎶

友達と、この上なく美味しいお肉とビールを楽しみ、いかに今日という一日が素晴らしかったかを心ゆくまで語り合い、17時過ぎには解散。別の友達に、この日がいかに充実した日程だったかという話をしたら「ずるずる夜まで一緒にいないで、その時間に解散できるのが素晴らしいね」という独特な観点でお褒めの言葉をいただいた。

公式画像、佇まいが良すぎる

「今日は絶対登山後に銭湯で〆る」と決意しており、迷わず有言実行(前日眠る前に、明日帰りに銭湯に寄ったら、さらに素晴らし過ぎる日曜日になっちゃうんじゃないの…?と閃いた時の興奮よ)森下の常盤湯、リニューアル後は初めて行ったけれどすごく綺麗になっていて、そんなに広くないスペースなのに高濃度炭酸泉・寝風呂・シルキーバスの3種類のお湯が楽しめてすごく満足度が高かった。今度はゆっくりサウナも入ってみたい。キャンプや登山の後に温泉で汗と汚れをさっぱり洗い流す時の生まれ変わるような気持ちよさ、かなり何物にも変えがたい。そのまま早めに帰宅して、おうちでゆっくり明日の支度をして、日曜日を終えた。

一応わたしの誕生日祝い!ということでお手紙をもらった
日頃から手紙を書けるってとっても素敵だね…

総括

数え切れないくらいの休日を過ごしてきたけれど、遠いところまで旅行に行かなくても、予定の立て方ひとつでまだこんなにわくわくして楽しい気持ちを味わえることがとっても嬉しい発見だった。遠足の前の夜の眠れないほどの興奮を思い出す、いつもは辛い早起きもなんとかこなせちゃう朝、たくさん動いて食べて笑って、童心にかえった完璧な日曜日。週末、まだまだ伸びしろあるぞ!

2024年1月記

1月にやったこと、正月ボケと正月ボケからのゆるやかな回復くらいしかないな…と思っていたけれど、振り返ると細々と色んなことをしていた。生活ってそうだったわ〜〜。そのこぼれ落ちる日常の細部をありがたがりたくって、今年も日記を書いていくぞ!

今月の主な出来事

社会人になって最長の1週間半帰省

お正月は実家でひたすら食っちゃ寝食っちゃ寝の、そこらへんの貴族もびっくりな放蕩ぶり。数年前から薄々勘付いていた、実家のリビングや寝室でアレルギーっぽい症状が止まらなくなる現象、通称”実家アレルギー”が長期滞在で重症化して終いには発熱。母が「生まれ育った家なのに…」と寂しそうで申し訳なかった。この実家での何もしないあたたかい日々が、知らないうちに削れていた色々なものをフラットに戻して、なんだか心がめちゃくちゃ栄養補給されたな〜〜という実感がある(もちろん体も!)今のわたしに必要な時間だった。半分くらい東京独り立ちモードから娘モードに戻っちゃって、東京に戻ってくるときは結構センチメンタル発動しちゃったぜ…

そして人生最高体重を記録

完全に気を抜いてたところに軽い気持ちで抜き打ちセルフ体重測定を実施したところ、人生最高体重を記録。ちょうど上京していた母に「ふっくらして幸せそうで可愛いよ🎶生活を楽しんでるね🎶」と言われて、やっぱ太ったんだ…と現実を突きつけられた。完全に冬にかまけてたね…。食べるのも動かないのも、言い訳はいつも冬。そこで一念発起して、12月に始めたピラティス週2に加えて、行かない日は家でYouTubeを見ながら運動するストイック派に突然の転向。数多のメニューの中で、筋力と言うより精神の問題で、プランクがめちゃくちゃ苦手なことに気付いた。たぶん、キックボクシングの追い込みのような「動」が必要とするのが「限界突破」だとしたら、プランクの体勢で1分耐える「静」が要するのはひたすらに「忍耐」であるからだと思う。この運動習慣が続く気はしないので、せめて続いている間は力を尽くしたい。

バスク料理屋で会合 with 叔母・従姉妹

叔母が営む喫茶店の居心地の良さ

叔母と従姉妹と、生まれて初めて3人だけで食事をした。昔パリで修行をしていた叔母の憧れの地であり、ちょうど最近旅行に行ったけれど現地でごはんを外しまくった従姉妹の交差点、リベンジバスク!わたしは初バスク料理、ちょっと田舎風の素朴さがおいしかった。去年しんどい思いをしていた従姉妹が、私の前で話していた時は泣かなかったのと同じ話をしながら叔母の前で泣いていたことに少し安心した。大所帯だったこともあって、近くにいても個人的なことや傷にはお互い触れずに笑顔ばかり見せ合って育ってきたから、今だからこそ話せる色々なことが沁みちゃうね…。「殺伐な暮らしをしているだろうから🎶」と叔母が最後にサプライズで手渡してくれた、かわいいチューリップ。人から花をもらうって、こんなにも嬉しい!

大きい花瓶しかない
舞台「ハリーポッターと呪いの子」

久しぶりに降り立った赤坂が街を上げてハリポタモードでびっくりしちゃった。演出がすごすぎてマジックを見てるみたいでわくわくした!わたしが見たのは石丸幹二ハリー。普段全然演劇を見ないのでもしかしたら演劇あるあるなのかもしれないが、みんな感情的すぎて「最後まで話を聞いて!そんなに感情的にならないで!!」とハラハラしていた。特にアルバス・ポッター(ハリーの息子)自分は人の話を聞かずに好き勝手言っておきながら、それで激昂した人間のひとつの失言ばかりあげつらって被害者面するな!とガチ説教しそうになった。役者さんの話し方が誰かにめちゃくちゃ似てるんだよな〜〜とずっと考えていて、終盤それが碇シンジだ!ということに合点がいってからというもの、思春期の息子の葛藤、さらに父との確執という設定も重なって半分エヴァの気持ちで見ていた。

1月の好きワード大賞

些細な会話の表現や言葉選びのセンスがいい人のことが大好き!なんでもない顔で聞きつつ内心「くぅ〜〜」と痺れながら、いつもその数秒後には忘れてもったいないので、1月の記憶に残っている言葉たちをメモ。

  • 紅白で生田絵梨花さまのあまりの完璧さに震えるわたしへの従姉妹の呟き「あのね、いくちゃんが可愛い分の皺寄せは誰かに来てるんだよ…つまり我々が支えてるんだよ…」(”可愛い”ってゼロサムゲームだったんだ…)
  • 二軒目に到着した時の先輩「一番トイレいただいていい?」(一番風呂っぽくナチュラルに言ってたけど初耳だよ)
  • 業績停滞「成長の踊り場」(上司のオリジナルではないようだが、停滞してる割に表現がおしゃれすぎるし、踊っている場合ではない)
  • 仕事上での悲しい事故・ミスとその連鎖「一連の不幸」(喪に服す姿勢がよい)
  • 他社とは違う領域を攻めるぞ!「競合他社とすれ違いたい」(乙女すぎ)
  • 仕事が暇すぎて干されてる説が浮上している同期「俺なんて最近観葉植物だよ…2年後にはマイナスイオン出せる…」(ポジティブすぎ)
  • 懲戒になろうがクビにならないため、やばい人ほど会社を辞めずに強メンタルで働き続け、逆に周りがバタバタやられていく不条理な現象について「もしかして、この世は狂ったもん勝ちってコト…?!」(悲しい現実)

今月の美味かったもの

石頭楼(麻布十番

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会社の先輩方に連れて行ってもらった、人様のお宅に土足で踏み込むタイプの隠れ家的名店(隠れ家すぎて最初素通りした)熱した分厚い石鍋にごま油をじゅーっと染み込ませ、お肉や野菜をサッと炒めたときの香り立つ旨味よ〜〜!本能にガツンとくるやつ。全部店員さんが作ってくれるタイプのお鍋で、お肉やら海鮮やら野菜やら、色んなタレの中からベストな食べ方を教えてもらいながら締めの麺まで楽しんだ。一食の食事としての密度と満足度が高すぎて、こんな世界があったのか〜〜と感激しまくり!

焼肉KAZUのローストビーフ丼(神楽坂)

この世で一番好きなランチ。もうこの5年くらいで何度行ったかわからない。今年も草の根で布教運動を続けて友達を端からこの沼に引き摺り込みたい。

THE KARI御成門

食べログ百名店選出のカレー屋さん。鉄板っぽいビーフカレーは結構辛めという表記にビビって曜日限定のロールキャベツカレーなる未知のメニューをチョイス。お、おいしすぎる…。トマトの酸味とキャベツと肉汁の甘味、そこにスパイスの旨味が合わさって、脳天を突く美味しさに手が止まらず、めずらしくライスだけ後に残った。

VIGORのカレー(清澄白河

結構ボリューミーなベジカレーにチーズトッピング🎶

全然有名じゃないうえに混んでいないので個人的にはありがたいが、その状況はおかしいんじゃないかというくらいかなりレベルが高いと思っている。スパイスが相乗効果をもたらした結果、甘味が生まれちゃっている、一番好きなタイプのカレー。

チーズリゾット

年末年始ヨーロッパに行っていた同期に、お土産で本場のパルミジャーノ・レッジャーノをいただき、せっかくなら!とリゾットにしてみた。レシピに見覚えがあるなあと思っていたら、留学中にやたらめったらリゾットを作っていた時に参照していたのと同じレシピで感慨深かった(でもヨーロッパの謎の米で作っていた時のほうが美味しかった…)

オペラフラペチーノ

叔母に花をもらって嬉しかったので、決算に殺されそうになっている友達の誕生日に桜を贈った(決算が終わったら咲きますように!)

普段スタバの季節限定メニューは飲まないけれど、一年の中でこれだけは格別。カロリーのことは考えないようにしても問答無用でカロリーの味がする爆弾ドリンク。今年は2回飲めたのでもうお腹いっぱい!

今月買ったもの

小林マキさんのイエティカレンダー2024

銀座の蔦屋書店で小林マキさんのイエティの作品群が飾られているのを見て一目惚れ!本当は絵を買いたかったけど残念ながらほぼすべて売約済で、Instagramから調べてカレンダーとポストカードを購入。可愛すぎる〜〜〜。在宅ワークには壁掛けカレンダーが便利だな〜〜と気付いてから、毎年ロフトで超シンプルななんでもないカレンダーを買い続けていたのだが、いつも目に入るところに素敵な絵がある生活の彩りよ!QOLに直結していていいお買い物だった🎶

ポストカードに仲間入り
MACのミネラライズスキンフィニッシュ ライトスカペード

マーブル模様が美しいが、ふたの開けづらさどうにかしてほしい

化粧品が底付きラッシュを迎えて、1月はハイライトを新調した。これまでセザンヌの定番品のみを使い続けていたところ、ハイライトこそ粉質や輝きの上品さにデパコスとプチプラの差が出るという話を耳にして、ついに堂々のデパコス格上げ。今回も、ローラメルシエやらボビーブラウンやら悩みまくり、実際に塗ってみてもぶっちゃけ違いがよくわからず諦めかけ、もうえいや!で、タッチアップしてくれたお人形みたいなお姉さんを信じて決めてもらった(投げやり)

繊細で控えめなラメが綺麗だけど、正直最初の数日はセザンヌと比べてなんか物足りないな…と思っていた。ただ、セザンヌがきらきらをプラスするものだとしたら、MACは光を集めるもの、という感じで、塗れば塗るほど「反射しちゃうんじゃない…?」ってくらいすりガラスみたいに磨かれていく感覚がある。実際に鏡を見た時も、セザンヌは「なんかきらきら!」MACは「顔が明るい!」って感じで、こっちの方が役割を果たしているんだろうな〜〜と思う。

というか、人生で初めてハイライト(それもセザンヌの同一品)を塗って浮き足立って出かけた数年前のディズニーで、集合した瞬間に友達一同に「なんか今日メタリックじゃない…?」「思った…すごいメタリック…」と突っ込まれた思い出があるので、普通に今までのセザンヌきらきらdaysがずっと失敗していた可能性すらある。

マリメッコ×UNIQLOの靴下

マリメッコUNIQLOも大好きなわたしのため?!と小走りで1/2に購入(多分日本中が小走りしてた)結構厚手の硬めでしっかりしている。UNIQLOで服を買わない宣言、靴下だからセーフ!

今月の映画・本・音楽など

※以下ネタバレしまくりですので悪しからず!

バカリズム脚本『ブラッシュアップライフ』『侵入者たちの晩餐』

4人よ、永遠であれ…

見ておけばよかったな…とずっとうっすら思っていたドラマを見ようの回、第二弾『ブラッシュアップライフ』(第一弾は『獣になれない私たち』)ありとあらゆる友達が絶賛して「絶対好きなのになんで見てないの?!?」と言われ続けていたので、Netflixでようやくチャレンジしたのですが、こりゃめ〜〜〜ちゃくちゃいいや😭

特に水川あさみ演じる真里も生まれ直していることが分かって、後半に差し掛かってようやく物語のテーマが提示された時の「こういう話だったのか!」からの怒涛のカタルシス。そこからは毎話泣いてたよ…こちとら努力・友情・勝利で育ってきているので…。友達2人を救うための人生を生きることを選び、そのために学生時代仲良くなる機会を逃してしまうのだけれど(超切ない)その後邂逅するたびに2人が「よっしゃ〜〜!」ってバタバタはしゃいで大喜びする姿に、もう感極まりすぎて同じ気持ちで「よっしゃ〜〜!」ってなりながら熱い涙を流していた。助けてあげなきゃ…とか誰か助けて…!とかじゃなくて、うちらが絶対助ける卍 自分らでどうにかするから待っとけ卍 精神がまず最高(最終話で同じように生まれ直して事故を阻止しようとする浅野忠信ステレオタイプな男性像、が登場するけれども、「俺がパイロットになってどうにかする!」とかじゃなくて「当日パイロットを脅して航路を変えてもらう」という強引かつ短絡的な道を選んであっさりあしらわれていたのが、超皮肉がきいているな〜〜と思った)

2023年のエンタメ振り返り記事でも書いたけど、当方愛の話で友情を持ち出されることに弱い党総裁なので、まっすぐ心を射抜かれたし、なんだか自分たちの存在が尊いものなのだよと認められている気がして、この時代にこの愛を示してくれてありがとうよ〜〜!!

aurorai.hatenablog.com

 

キャスティングもよすぎるのよ

『侵入者たちの晩餐』も面白かった〜〜。なんか洒落たタイトルだな…?と思っていたらマジで侵入して晩餐してて笑ってしまった。脚本が巧みすぎて、登場人物とそれぞれの視点が重なって事態が絡まれば絡まるほど糸が解けていく気持ちよさ。それがなんだかパラサイトを思い出した。菊地凛子さんは、我が道をゆく強気女王様タイプのキャラクターしか見たことがなく、話し方も相まってハマり役だな〜〜と思っていたので、今回は完全な「家事代行サービスで働く平凡な女性」すぎて擬態力が凄かった。

バカリズム、脚本の上手さはもちろん、シスターフッドというか女の友情というか、「美しい友情が世界を救う…」みたいなそんな高尚なものじゃなくて「主婦のファミレス井戸端会議(自転車集合)」とか「女友達の家でお菓子持ち寄ってテレビ見ながらだべる夜」みたいな、なんでもないんだけど一番楽しくてリアルな会話と空気感の解像度が高すぎてびっくりする。ドラマを見てから実生活で友達と話してる時に「あれこれブラッシュアップライフで見たな…?」みたいな逆転現象が起こりまくっていて、バカリズムわたしたちの会話盗み聞きしてる?!?

jo0ji「456」


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す、すげえーー!!!歌声もメロディも歌詞もあまりにも素晴らしくて、このEPを聞くたびにいまだに「すげえ才能を見つけちゃったよ…」と興奮で震えている。1月にして余裕で2024年のマイベストに入ると思う、それくらいの衝撃。他のアーティストと比べるのは野暮だけど藤井風とかRADWIMPSとかの面影を感じてしまう。

ゴジラ -1.0』

全編通して絶望感がやばい

すでに見に行った兄にゴリ押しされて地元で一緒に見に行った。一瞬で時間が経った。商業映画として100点すぎる。ゴジラ物を見るたびに、ゴジラ強すぎてこりゃ無理だよ…と思うのに、毎回なんとかしてる人間の叡智すごい。絶望の中で死に場所を探していた神木くんがみんなのために死んで終わるのではなく、それでも生きる!という道を選ぶ、シンプルで明快なテーマがよかった。最後はゾワっとしたね…

『PERFECT DAYS』

PERFECT DAYS : 作品情報 - 映画.com

音楽のセンスがあまりにも良すぎる。狙いすぎなくらい現実離れした美しき世界。色々批判が出るのもよく分かるけれど、職業を問わずにこんな世界と人生がどこかにポツンとあったらいいな…と思わずにいられない(実際、職業の性質と実態を無視することが問題視されているわけだが)ただ、この映画は渋谷区の公衆トイレのPRとして作られた背景を鑑みると、この作品を見て「掃除してくれている人のことを考えてトイレを綺麗に使おう!」と観客が思って行動を変えることこそがこの作品の意図が達成されたことになるんだよな〜〜(あとトイレ掃除への向き合い方としては実在のモデルがいる)

感情を喚き散らす映画は数多あれど、やはりぐっと堪える映画に惹かれてしまう。ラストシーンの西陽のなかの長回しがあまりにも凄すぎて泣いてしまった。これから西陽を浴びるたびに「Feeling Good」を流して不敵な泣き笑いがしたいです。一貫した音楽への絶対的な信頼、あの音楽なしにあのラストシーンは成立し得ないと思う。『君の名前で僕を呼んで』のラストのティモシーシャラメを余裕で凌駕してゆく我らが役所広司!!

映画版『カラオケ行こ!』

作品の呼び名が「カ!」なのも続編が「ファ!」なのも良すぎる

ついに見ちゃった…!実写化無理では?!と思ってドキドキしていたけれど、これはこれで違う世界線として100点満点〜〜!謎に熱い気持ちが込み上げて、帰りにそのままカラオケ直行して紅歌っちゃったよ。ありとあらゆる漫画の実写映画で主人公の業を背負う山崎賢人に対して、現代のヤクザの悲哀は綾野剛が一身に背負っているよね…

寺井奈緒美『生活フォーエバー』

生活フォーエバー | 寺井奈緒美 | rebelbooks

Twitterで「カスばっかだけど賑やかだったなと滅亡後に神を泣かせたい」という収録短歌がバズっているポストを見て、装丁とタイトルに一目惚れして購入。

特に気に入った、弱気なときに思い出したい短歌↓

活躍をお祈りされる筋合いはないが見たいのなら見せてやる

たましいのなかにある武器倉庫から釘バットがいくらでもでてくる

綺麗ごとが綺麗な国だ帰ってと言わずに蛍の光を流す

萩尾望都ポーの一族』『トーマの心臓

古典漫画を読もうの会、第一弾。年末年始に、超〜〜重い腰を上げて、いつか読まねばと思っていた萩尾望都作品を大人買いした。世界観といい物語といい詩的で哲学的、かなり読み手の想像力に託してるところがあって、この儚くて難解な作品が少女漫画の古典としてド真ん中で語り継がれるって素直にすごい…

2023年の超個人的ベストエンタメ

2023年は77本の映画を見て、ドラマは14本くらい見て(地上波でリアルタイムで見ていたものはカウントしていない)、本は漫画を除いて36冊読んだ。2023年の棚卸しを兼ねて、超個人的かつ直感的なマイベストエンタメを、各ジャンル3つ以内に絞って選出してみるという試み。映画とドラマはFilmarksで細々と感想を書き残しているけれど、本は読みっぱなしでそのまま忘却の彼方に飛んで行きがちなので、選定・感想ともに朧げ〜〜な記憶であることを誰に対してでもなく断っておく。

※わたしが2023年に触れたものなので、新作・旧作含みます。ネタバレも気にせず、好き勝手に書いていますので悪しからず!

各ジャンル3本ずつさらっと潔くまとめるはずが、ドラマパートで我を失いすぎてちょっと様子のおかしい人がいます…

 

映画

ザ・ホエール

主演男優賞でそれぞれノミネート! 映画『The Whale(原題)』/『The Son(原題)』第80回ゴールデングローブ賞 - otocoto |  こだわりの映画エンタメサイト

当時書いていたレビュー↓

金曜日の夜、仕事終わりクタクタの体で無理やり仕事を終わらせて映画館へ、ビールを飲みながら念願のホエール。わんわん泣きながら見ました。ブレンダン・フレイザーの演技があまりにも素晴らしくて、それと同じくらいホン・チャウの演技が珠玉で、ふたりの掛け合いや表情のひとつひとつが泣けて泣けて仕方なかった。最優秀助演女優賞はホン・チャウでは?!?元妻も娘も不穏ながら切実でよかったよー。どうしても言いたいことと本当に思っていることは自分の中でも違ったりするよねえ。ラストは置いてけぼり感もちょっぴりあったけど、素晴らしい映画でした。

狭い空間の、限られた人との会話だけで、こんな途轍もない傑作が作れるのか…と途方に暮れた。なぜかわからないけれど、家族との衝突とか本当の気持ちを言えない感じとか、でも大事に思っていることとか、何かがずっと琴線に触れていて、終始泣けた。ブレンダン・フレイザー、凄すぎる…。無理して取り繕った口元だけの笑顔も、必ずしも本心ではない言葉も、一人の人間としてそこにある様があまりにも本当だった。アカデミー賞のスピーチもよかった…

 

アフターサン

Amazon.co.jp: Movie Poster: Aftersun, Aftersun Poster, AFTERSUN, Paul  Mezcal & Frankie Collio, Advertising Poster, Art Panel, Wall Picture, Print  (Parallel Import), Contemporary Art (15.7 x 23.6 inches (40 x 60 cm) -

見ている時はわたしの貧弱な理解力では追いつけなくて(いま考えると色々なことを消化しきれていなかった)、頭を打たれたような衝撃とポカンとした喪失感だけが残り、そこから解説の記事を読んだり、思い返して考えたり、時間が経つにつれてじわじわと重く響いた。見終わった直後はマイベストに入るとは到底思っていなかったのに、その後の方が陰が濃く残る、稀有な映画。Queenの「Under the pressure」が脳裏に焼き付いて消えない。

 

君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

あらすじすら知らずに映画を見るのは本当に久しぶりで、わくわくしすぎてエスカレーターを駆け上がって早足でスクリーンに向かった。その感覚がとても楽しかった。宮崎駿が爆発してて、全然意味わからなかったけど、後から思い出した時にとめどなく画が脳内に溢れ出る感じ、すごいエネルギーだと思う!なんだかすごい励まされた。声優さんみんなすごかったなー、キムタクしか分からなかったよ。現代では貴重な、原始的な喜びが詰まった映画体験。あのわくわく感は唯一無二!ありがとう、宮崎駿

その熱量に飲まれたまま、SWITCHも読んだし(めちゃくちゃよかった、もはや映画の補完)『スタジオジブリ物語』も厚かったけど読んだ。NHKのプロフェッショナル宮崎駿回もかなり響いた。もう何年も経つのに、高畑勲に向けた宮崎駿の弔辞を折りに触れて読み返しては泣いてしまう。

 

その他

一年前どころか昨日のことさえ満足に思い出せないわたしですが、いま思い返してもその映画を見た後の心象が蘇るような、感慨深い作品を選定基準としてみた。ただ、この3本以外にも素晴らしかった映画はたくさんあって惜しいので、未練たらしく追記する。

 

シンプルに「好き!」部門

HD wallpaper: Movie, Little Miss Sunshine, Van | Wallpaper Flare

『しあわせの隠れ場所』サンドラ・ブロックの凄さを初めて知った作品。ああいう強い母ちゃんになりたいし、あんな風にまっすぐ手を取って人を愛したいよ。できすぎている…と思ったけれど、これが実話と知って文句なく満点。『リトルミスサンシャイン』はちゃめちゃにキュートで愛おしくて抱きしめたかった。じいちゃんには死なないでほしかった。バグダッド・カフェどんどん脱いでくヌードデッサン(と、果物!🍎🍐)どんどん盛り上がるマジック、心を開き始めてからの一連の展開があまりにハッピーすぎてきらめきが途方もなかった。大好きな映画になった。

※Filmarksのスコアで言うと、この群が圧倒的に高い。ハッピーエンド至上主義なので。

 

忘れられないシーンがある部門

ほの蒼き瞳」あらすじ、ネタバレ、海外の評価とレビュー! | 元ボクサーの一念発起

『ほの蒼き瞳』終始暗いし重いのだが、最後の衝撃のどんでん返しは圧巻だった(最後まで主人公がクリスチャンベイルだと気付かなかった)主演ふたり、クリスチャンベイル×大人になったハリポタのダドリー君のラストの会話シーン、凄まじくないですか…?近年見た映画のなかでも圧倒的な密度と緊迫感でゾクっとした。沈黙と研ぎ澄まされた僅かな言葉の雄弁さよ…。『クレイマー・クレイマー』冒頭の暗闇に浮かぶメリル・ストリープの横顔の、聖母のような美しさ。

 

新たな出会い部門

Once Upon a Time in Hollywood (2019) - IMDb

『ワンスアポンアタイムインハリウッド』破天荒なはちゃめちゃ復讐劇が想像を斜め上から裏切ってきて最高だった。もっとタランティーノ作品を見たい!と思った。『キャッシュトラック』2023年はガイ・リッチー作品をたくさん見て、この監督が好きだ…と気付いた。トーンを抑えた盛り上がりの渋み、拷問&取り調べシーンの音楽の入れ方や演出、あまりにもかっこ良すぎる(新作はつまらなくて残念だった)『グランドブダペストホテル』ずっと苦手意識を持っていたウェスアンダーソンと初めて和解できた。他の作品はまた寝てしまったが、この一本だけはドンピシャで、すべての瞬間に心掴まれた。おかしみが潜む、素敵としか言えないやりとりの数々。夢を夢のまま終わらせない、淡々としてちょっぴり切ないラストが忘れられない。

 

グッときた部門

アニメ映画「BLUE GIANT」― 上原ひろみが音楽を手がけるサウンドトラックCD 好評発売中|ジャズ

BLUE GIANTスラムダンク並に胸が熱くなった。どんな作品でも玉田的なキャラに気持ちが入ってグッときてしまう。「君のどんどん良くなるドラムを聴きにきているんだよ」おじさんに号泣不可避。『ベイビーブローカー』素晴らしい瞬間がたくさんあった。軽いテーマではないからこそ、みんな一生懸命でたまに剥き出しで泣きたくなる。「生まれてきてくれてありがとう」が登場人物一人一人の簡単ではないこの先の人生でずっと光ることの希望。薄っすらずっと泣きたいような映画が好きだ…

 

ドラマ

二十五、二十一

ナム・ジュヒョク〜〜(泣)

好きなドラマ、よかったドラマという枠をゆうに超えて、もはやわたしの個人的なエンタメ体験は『二十五、二十一』以前、『二十五、二十一』以後ではっきりと区切られてしまう。いまだに冷静に語ることはできない。この16話こそが、わたしの2023年を語るうえで欠かすことのできない季節でした。

22歳と18歳で出会った男女ふたりが、恋に落ちて、夢を追って、同じ時代に翻弄されて、そして25歳と21歳になって、(終盤までそれははっきりと明かされないのだけれど)別々に、違う人生を生きることを選ぶ。恋愛ドラマとしてのテーマを挙げるとすれば「初恋の終わり」ということなのだけれど、そんな言葉では括れない一人一人の生き様の群像劇。別れることを選んだふたりが、人生全部を賭けた青春の思い出(と、おそらく未練)をずっとずっと胸に抱きつつも、きっぱりと前を向いて自分のたったひとりの人生を進んでゆく、それがめちゃくちゃ辛かったし、強くてかっこよかった。終盤はもう毎話呼吸困難になるくらい「ウワ〜〜〜ン」って声あげて泣いてた(怖い)劇中で登場する「あの夏は私たちのものだった」という台詞が、この物語の真髄とすべての景色を一言で集約している。見ていて感情全部捧げてしまったな…

ふたりのその選択と、もう取り戻せないものを抱えたまま、それでも自分の人生を生きることがこのドラマの主眼かつ大傑作たる所以であることは十分に理解しつつ、今でもめ〜〜〜ちゃくちゃハッピーエンド要望書に署名したい。ただ、この作品が語っていたことを本当の意味で理解した時、この刻まれた痛みとやるせなさを乗り越えて、見ている側も大人になるのだと思う。これがアラサーの成長痛か…

日本でもロス続出!「二十五、二十一」ナム・ジュヒョクからキム・テリまで、主人公を演じた5人に注目 - Kstyle

当時書き残していたレビュー↓

やっと傷が痛くなくなってきたので記録します。わたしの2月の感情をすべて掻っ攫っていった2521。何の気なしに見始めたら、あれよあれよとハートを掴まれてしまい、終盤はバスタオルを抱えて号泣を超えて慟哭の日々。誰も悪くないのにすれ違っていく様が切なすぎて辛すぎて、このドラマで失恋を知りました。街を歩いても紫雨林の2521を聴くと胸が痛くて涙が止まらなくて、どんな悲劇よりも、もう戻らない日々を宝物みたいに抱いて生きていく美しさと切なさ。あーーーあの夏は私たちのものだった(号泣)

あまりにも心を捧げてしまったものだから、このドラマでマジで初めて失恋というものが何たるかを知り、あまりに傷が深すぎて、日常の中でもふとした時に思い出しては涙が滲み、歩いていてふとイヤホンから主題歌が流れてくると、どうしようもなく熱いものが込み上げて立ち止まってちょっと泣いたりしてた(怖い)自分の暮らしを過ごしているのに、喪失感と胸の痛みが半端なく、その後ゆるやかに回復していく傷心期間があり、ようやくこのレビューを書くまでも3ヶ月かかっている。辛すぎて友だち一同に打ち明けては、笑われながらも結構本気で「大丈夫…?」と心配されていた日々。この10ヶ月後に奇しくも自分も失恋を経験するわけですが、わたしの場合は大した年数も深い思い出もなかったからか、ぜんっぜん比にならないレベルでこのドラマ見た後の方が長く深く傷付いていたな…

 

主題歌は紫雨林の同名曲。今でもこの曲を聴くだけで胸がきゅっとなる。本当に美しい歌だと思う。何かの記事で読んだけれど、この歌を原案としてドラマを作ったらしい。天才の所業。別れた歳をタイトルにするって粋すぎるね…

스물다섯, 스물하나

스물다섯, 스물하나

  • provided courtesy of iTunes

ようやく傷が癒えてきてもなかなか他のドラマは見れなくて、数ヶ月経ってリハビリとして『恋のゴールドメダル』を見て(若かりし日のナムジュヒョクが男主人公の、何も考えずに見れるハッピーラブラブコメディ)、現実逃避しながら傷を舐めに舐め、時間とともに痛みが風化して、ようやくこちらに戻ってきたよ…

 

〈追記〉

下記の2作ふくめて3作選ぶつもりだったけれど、『二十五、二十一』とこのドラマをめぐる自分の傷と回復の過程がもはや人生に足を踏み込むレベルで途方もなく大きすぎて、他の作品を並べることはできなかった…

サンクチュアリ-聖域-』は、一話の最初の最初の息遣いと汗、痺れるタイトルバックからあまりに本物すぎてずっと夢中で追っていた。シンプルに胸を熱くしてくれるドラマって、最高の娯楽。相撲エンタメ、日本の文化のなかの位置付けとは反して(だからこそかもしれないが)あまり数は多くないイメージなのだけれど、面白すぎるのでもっともっと盛り上がってほしい。『バチバチ』も大好きでした…

『Modern Love』シーズン1は、ジョン・カーニーが現代における色んな形の愛をオムニバス形式で綴ったドラマ。どの話も音楽込みで素晴らしくって、毎日1エピソードずつ消化していく日々の30分が、ため息のもれるような豊かな時間だった。1話のドアマンの限りない愛、3話の美しくて仕事もできるけれど躁鬱病に苦しむアンハサウェイが、どう恋愛と折り合いをつけるのか(自分を理解してくれるパートナーを見つけられるのか)という話に着地するかと思いきや、本当の自分を受け入れていくれる、かけがえのない友人を得て光を見つけるという終わり方、すごくぐっときた。愛の話で友情を持ち出されることに弱い。友情は確かに愛なので…

 

活字

劉慈欣『火守』

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劉慈欣の物語絵本。すべての設定が夢のようで、というか夢なのに、壮大な設定を容易に思い描けてしまう。愛する女の子を助けるために、主人公は「火守」のもとへ行き、鯨の骨から作ったロケットを月に引っ掛けて空に飛び、月に帆をつけて星の海のなかを漕ぎ、その女の子の星を磨いて空へと返す。毎朝、海から浮上してくる太陽に火をつける。愛する人のいる世界を照らすために。その人と生きる未来を失うとしても、そこに光が届くところを想像して、彼女が生きる世界を照らし続けることを選ぶ。

なんて惚れ惚れとする、力強い物語なのだろう!想像力で果てしなくどこまでも飛んでいけるのだということ。本を読むことの喜びが詰まっていた。西村ツチカさんの絵も美しくて暖かくて、お守りみたいな本になった。

ミヒャエル・エンゲ『モモ/時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』

黄金色のクロワッサンとホットチョコレート〜〜!

どうしてかは分からないけど、今こそまた読まなきゃいけない本だ…とずっとうっすら思っていて、実家に帰ったタイミングで再読。児童書の括りに入るけれど、大人こそが読むべき本だと思う。時間を切り売りして、心の余裕をなくしていく大人たち。灰色の男たちが音もなく忍び寄って生活に染み付いてどんどん侵食していく不気味さがやけにリアルでゾクッとした(まさに現代って感じだ…)生活を楽しむこと、大事なものを見失わないこと、わたしが大事にしたいと常々考えていることが詰まったバイブル。自分でも一冊買っておうちに備えておこうと思う。

 

〈追記〉

村上春樹ねじまき鳥クロニクル大学時代から長らく積読のままだったものをようやく読破。井戸に閉じ込められるのトラウマになりそう。人の皮を剥ぐ描写とか、結構キツかった。村上春樹は紀行文とエッセイと短編が好きなのだけれど、長編だとマイベストはずっと『スプートニクの恋人』。ナイツ塙『言い訳』初めてお笑いの本を読んで面白かった〜〜。人を笑わせるって美しい職業。ベティ・リーハン・ハラガン『ビジネスゲーム』会社の先輩に強く強く勧められて読んだ。古い本だけれど残念なことに全く色褪せていない。いまだ根強い男性主権の東京砂漠を生き抜く限界OLの皆さまはぜひ一度読んでおくといいと思う。

 

漫画

和山やま『女の園の星』

女の園の星」特設サイト

畏れ多いことは十分に理解しつつ、どうしても和山やま先生と友だちになりたい、和山やま先生の脳内を拝見したい、そんな邪な願望が強く根を張った2023。もともと『カラオケ行こ!』は大好きな作品で、ただこの一作に心を占拠されすぎて他の作品に手を伸ばす余力がなかったのだけれど、ついに手を出したらやっぱはちゃめちゃにおもしれ〜〜〜。一言でまとめると「女子校で教師として働く星先生の日常」という、まったく食指が動かない魅力皆無のあらすじになるのだが、それなのにあんなに面白いってむしろどういうこと?もちろんどのキャラクターも魅力的ではあるのだけれど、設定の力を借りずに、大きなストーリーの本筋もなく、ただただ言葉選びやユーモアや温度感が、さいっこ〜〜な世界を作り上げている。同じ時代に生まれてよかった…これからももっともっと和山先生の作品を読み続けたい…

 

番外編:ポケモンスリープ

ポケモン、睡眠アプリ「ポケモンスリープ」配信開始─新デバイス「Pokémon GO Plus +」を発売 | 知財図鑑

ゲームはどうしても苦手で、小学生以来ほぼまったくと言っていいほど触れる機会がなかったのだが、唯一好きだったのはポケモン(と逆転裁判)で、さらに睡眠大好き!な性分がぴったり合わさって、ポケモンスリープがローンチしてからなんと一日も欠かさずに遊んでいる。まさにデイリー・アクティブ・ユーザー。びっくりするくらい生活に馴染んでしまい、毎日2〜3食はガビゴンにごはんを食べさせて、ポケモンとともに眠り、ポケモンとともに起きる生活。もともと毎日9時間くらい寝るので生活習慣の改善とかは特にないけれど、朝寝ぼけながらポケモンリサーチして覚醒するのが日課になってきたので、それはよい傾向だと思う。

 

総括

もう忘れたと思っていたのに、数ヶ月ぶりに『二十五、二十一』のことを思い出して言葉にしようとしたら、熱くなりすぎてかなり取り乱してしまった(紫雨林を流しながら書いたから余計気持ちが蘇ってしまったのかもしれない)2023年は活字をあんまり読めていなかったな〜〜と反省。仕事と心に余裕がないと、なかなか本に気持ちが向かない。2024年はなんとか時間を作りつつ、小説やエッセイ以外も読めたらいいな。今年も素晴らしい物語にたくさん心を揺さぶられますように!

2023年に買ってよかったもの

もう1月も半ばというのに、まだまだ2023年を振り返っている。年末に色んな方の記事を読むのが大好きで、やってみたいなと昔からずっと思っていた(が、面倒すぎて毎年見送っていた)ベストバイ企画。2023年の生活を飾ってくれたお気に入りの品々を記録しておく。

おうちグッズ

BAUMのルームスプレー 2 フォレストエンブレイス

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割と激務だった時期に、「森に行きたい…自然に触れたい…森林浴がしたい…」という我が心の叫びことSOSを察知して購入。初BAUM、購入体験までしっかり設計されていて、コンセプトもふくめこの時代のブランドだな〜〜という感じでかなり気に入った(あと森が好きなので…)3種類の香りの中でも「一番夜の森っぽい匂い」を吟味して購入。森の中で大きく深呼吸をしたような幸福感が感じられて、気分転換に最適。これまでルームスプレーを使う習慣がなかったのだけれど、在宅ワーク(と、それに付随する心理的負荷)のリフレッシュの正解に辿り着いたかもしれない。

香彩堂のお香 白檀、ベルガモット

f:id:aurorai:20240115233807j:image同期に会いに大阪・京都に遊びに行った時、「お香を買いたい!」とリクエストしたら紹介してくれたお店のお香。いろんな種類があったけれども、香りも同期のおすすめに倣って白檀とベルガモットをセレクト。お香独特の癖があまりなくて、とても使いやすい。気品のある落ち着いた香り。

きき湯 FINE HEAT リセットナイト

Twitterのおかげで出会えた入浴剤、ありがとうTwitter。例に漏れずコロナ禍で入浴剤に目覚めて色々試した中で、以下の条件が好みであるということに気付いた。

  • 高濃度炭酸タイプ
  • リラックスできる香り
  • お湯の質が変わらない
  • コスパがよい
  • 体が芯から温まる(寝る直前まで足先ポカポカかつ爆睡できる)

これらを満たしつつ、一番使い勝手がよかったのがこの商品。次点でクナイプのバスソルトGute Nacht(値段が高めなのが△)、バブのメディキュア温もりナイトラベンダー(結構ラベンダーの香りが強い)

ideacoのゴミ箱

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かれこれ4〜5年くらい欲しいなと思い続け、そのたびに「ゴミ箱にこの値段か…」となんとなく躊躇い続けていたideacoのゴミ箱。マットな質感、ゴミ袋が見えない構造、軽すぎず倒れにくいつくり、素敵な佇まい、かなりゴミ箱の真価を発揮している。ずっと適当な安いものを使っていて、ゴミ袋を見えなくするのに苦労したり蹴り飛ばしたり、なんとなく取るに足りないストレスをずっと感じていたのだけれど、ゴミ箱を変えてその些細な違和感の蓄積から解放されただけで、かなり精神の安定につながっている。使うたびにちょっとずつストレスが蓄積されるのではなくて、使うたびにちょっと嬉しくなるようなものが身の回りに溢れたら素敵だね、という価値観の芽生えがわたしをまた少し大人にした…

キッチン周り

無印良品キッチンタイマー

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本当〜〜に買ってよかった。ダイヤル式×マグネットが最強。もし壊れてもまたこれを買うと思う。

ぶんぶんチョッパー強化版

これもずっと気になっていたけれどなんとなく躊躇っていたアイテム。これも本当〜〜に買ってよかった。解消する日々のストレスと価格がいい意味で釣り合っていない。「みじん切りは面倒だけど、そんな時間かかるわけでもないしな…」となんとなく二の足を踏んでいた過去の自分にその場で買わせたい(ゴミ箱の件然り、この「勢い良く二の足を踏む精神」で年単位で買い時を逃しがち)

デスク周り

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BenQのモニターライト初代

12月の日記にも書いた、初めて出会った概念ことモニターライト。モニターが常設されている環境でデスクライトを探している方にはぜひ選択肢の一つとして検討してほしい。個人的にはかなり革命的な概念(しつこい)だったので。

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エルゴトロンのモニターアーム

これも11月の日記に書いてた。わたしを致命的な首こり&緊張性頭痛から救ったという一点でベストバイに挙げざるを得ないが(あと掃除もしやすい)、最初に設置した時からあまり位置や高さを変える機会がなく、実際のところ「高さ調整のできないモニターの高さを上げるもの」以外の何物でもなくなっている。アームのスペースがかなり必要で、デスクの奥に相当のデッドスペースが生まれてしまうのも割と気になっている。

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旅行・お出かけ用グッズ

RITEWAYのクロスバイク Shepherd シャンパンゴールド

2023年最大のお買い物!かなり吟味して選んだだけでなく、素敵な自転車屋さんと出会ってとてもよくしていただいたうえ、欲しい色味×サイズが国内でラスト一台だけこのお店の倉庫に残っていたという運命的な出会いを果たした過程が、この自転車をより輝かせている。移動範囲が広がると、視野も思考も広がるということを実感する日々。

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karrimorのリュック「SL35」

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マレーシアにバックパック一個で旅行することになり、メルカリで購入してみた。LCCに機内持ち込み前提だったので、とにかく軽いものを選んだ。35Lほどの大きなリュックは初めて買ったけど、腰でストラップをつけるとこんなに軽いんだ…と感動した。今後も旅行やら登山やらに大活躍させたい。

FREDRIK PACKERSのショルダーバッグ

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これも海外旅行用のボディバッグとして購入。ずっとグレゴリーの斜めがけのボディバッグを使っていたのだけれど、着脱が若干手間なのと、丈夫すぎてお腹や背中に当たる部分が固くて痛すぎる…という問題にかれこれ6年も悩まされており、ようやく買い替えた(グレゴリーが丈夫すぎるゆえに別れを告げる隙がなかったのである)紐できゅっと口を絞るタイプのショルダーバッグで、両側に500mlのペットボトルを1本ずつ挿せるのが最高。めちゃくちゃ水を飲むので、若干視線を感じつつペットボトルを2本挿ししたり、片方に折り畳み傘を挿したり、このサイズだとバッグの容量を取らないポケットが重宝する。

KIZAWAの軽量折りたたみ傘

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せっかく折りたたみ傘を持っているのに、携帯しないせいで肝心な時に傘がない問題を解消するために購入。こちらもとにかく軽いものをセレクト。モンベルの軽量傘にしようと思って店舗に行ったものの、仕舞う時に骨をポキポキ折らないといけないのが面倒臭すぎる…という盲点に気付いてやめた。こちらは仕舞うのも簡単なので、よい選択だったと思う。

KiU x adam et ropeのポンチョ

旅行が雨予報だったことをきっかけに、雨の日もウキウキウーマンでいるために購入。両手が空くって最高。トレンチコートっぽいカラーが可愛い。唯一のデメリットは、付属の収納袋がキツキツで仕舞うのに若干苦労するところ…

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nalgeneの1リットルボトル

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美容のためとかではなく、体質的に常にめちゃくちゃ水を欲している人間のため、日常のあらゆる局面で水枯渇問題に直面しがち。それが顕著に現れるのが出社時で、入社してから長きにわたり以下の変遷を辿り格闘してきた。

  • 周囲の目を気にして500mlペットボトルを買い、飲み干したら泣く泣く2本目、3本目を自販機で買っていた浪費期
  • 2Lの水を持参したら、チーム会で部長に開口一番「光ちゃん!気持ちはありがたいけど、みんなの分の水を用意するなんてそんな気を遣わなくて大丈夫だよ!!」と制止された一同困惑期
  • 1Lの水を朝コンビニで買い、それを1日で過不足なく飲むよう調整していたストイック期
  • フロアの給湯室の、通常の蛇口の隣に「おいしいお水」と書かれた謎の蛇口を見つけたコロンブス

この激動の時代を経て、nalgenの1リットルの空のボトルを持参して謎の蛇口から浄水を注ぐ、というルーティンにようやく落ち着いた。軽くてかわいくて1リットル入る、満点です。ようやく快適水分ライフが訪れたよ…

服飾編

ロンシャン「ル プリアージュ クラブ」

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OLのランドセルことロンシャンのルプリアージュ。人とは違う個性・オリジナリティを持ちたいという欲求に万人が苦しめられるこの時代に逆行して、勇み足でランドセルを購入。昔から母親が3つくらい使っていて、とにかく軽い、使い勝手が良い、ということが英才教育レベルで刻まれているので…。グレー×イエローのカラーリングが気に入っている。いつも会社にはTHE NORTH FACEのリュックで行っているけれど、クライアント訪問などちゃんとした時や一泊旅行などに大活躍。

TOGAの指輪

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表参道で約束した相手が現れず、このまま帰れねえよ精神でHEYをうろついていたらポップアップに出会い、ひとめぼれして購入。プラマイプラス。上司に「何その指輪?!めちゃくちゃ強そう!絶対キーボード打つ時邪魔じゃん!」と絡まれたけど、わたしは手元に目を落としては光に透ける様をうっとりして眺めているので、プラマイプラス。

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ユニクロ「パウダーソフトジャケットダウン」

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これも11月の日記に書いたが、やはり名品だと思う。しかし、ただでさえわたしがデカいのにダウンもデカめフォルムなので、気を抜くと写真を撮られた時の頭と肩のバランスが大谷翔平レベルになっていることがある。軽くて暖かいダウン、という謳い文句に一言も違わぬクオリティ。

コスメ編

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※初めてコスメをウキウキで物撮りしてみたものの、うまくピントが合わなくて見づらく、しかも使用感に満ち満ちていてすみません…

Dior「フォーエヴァーフルイドグロウ」

先代のファンデーションを使い切り、次なるファンデ探しの旅に出かけた。個人的に、というか一般的に、メイクのクオリティを審美的にも仕上がり的にも最も左右するのはファンデだと思うし、毎日かつ長期的に使うものなのでマジで失敗できない。本腰を入れてYouTubeを見まくり、薄膜っぽいツヤ肌かつ、スキンケア成分がたっぷりで肌負担が少ない、でも崩れにくい向かう所敵なしのリキッドファンデを探して、コスメデコルテのゼンウェア、RMKの新作、NARSのツヤ系、アディクションSUQQUの諭吉ファンデ…などを総合的に勘案した結果、選べれたのはdiorでした…(実は先代もdiorでした…)やっぱりこれだわ〜〜と愛を再確認した2023年。でもこれを使い切ったら、次はクレドポーのクッションファンデとか資生堂の例のやつとか試してみたい。

LUNASOL「アイカラーレーション」15 Flawless Clarity

人生で初めてデパコスのアイシャドウを購入。プチプラで十分と思っていたけれど、まぶたに乗せた瞬間から、圧倒的にラメの次元が違う。デパコスアイシャドウの強者レベルを実感して、こりゃ話題にもなるわ…と感服した。宝石きらきら〜〜というよりも、大小様々な星がきらめく満天の星空みたいなきらめき。

ローラメルシエ「ブラッシュカラーインフュージョン」06 CHAI

初めて購入したNARSのチーク、なんと使い切るまでに7年もかかった。そんなことあるの?最後は使い切りというよりは(いまさら)質の劣化を心配して処分。次も長く使うことになるなら!ということで、チークもデパコスで探してみた。初めてのローラメルシエ、BAさんがとっても優しくて大好きになっちゃった。肌馴染みのよいピンクベージュで、正直チークの良し悪しはよくわからないのだが(なんせ2代目なので…)毎日使っていて何も不満もない、ありがたい一品。

ETVOS「ミネラルクラッシィシャドー」モーニングクルーズ

コスメオタクの同期が「わたしに似合うメイク」をトータルプロデュースしてくれるという非常にありがたいイベントが発生し、その時におすすめしてもらったので即購入。使いこなす難易度はさておき、淡いピンクと水色のきらきらが見ているだけで超かわいい。ラメがザクザクで、粗めの質感。見た目より使いやすいし、透明感〜〜という儚げな目元に演出できる気がする。

KATE「リップモンスター」02 Pink banana、03 陽炎、05 ダークフィグ

左から05、03、02

みなさまが軒並み2022年のベストバイに選出していた泣く子も黙るリップモンスター、圧倒的スロースタートで2023年に初めて購入し、しかも気に入りすぎて3本も買っちゃって、リップモンスター以外持っていない癖強モンスターと化した。Pink bananaは可愛いピンクでわたしが塗ると若干青みがある、陽炎は一番肌馴染みのよいコーラルっぽいベージュで化粧が薄い時にも重宝する、ダークフィグは前者2つに見慣れると「濃!」となるけれども深みのある上品なカラー。みんな違ってみんないい。でもそろそろ違うリップも使いたい。

番外編:パーソナルカラー診断

わたしの精鋭ベストカラーたち

今年、一番お金を払ってよかった…としみじみした素晴らしい体験。そんなに短くもない人生で、なんとな〜〜く気付いてきた自分の特徴や、似合う・似合わないの傾向を言語化してくれて、目から鱗がこぼれ続けて大変だった。結果は顔タイプがフレッシュ、1st ライトスプリング、2nd ライトサマーで、とにかく淡〜〜い色を選ぶのが吉!この指針はいま何かしらアクセサリーや服を選ぶときもかなり羅針盤になってくれている。一番の学びは、1st ライトスプリング、2nd ライトサマーのわたしにとっては、イエベかブルベかというのはあまり重要ではなく、それよりも彩度が大事ということ。たとえば、イエベ春に分類される色味でも原色に近い強い色は似合わなくて、それならブルベ夏の彩度の高い淡〜〜い色の方が全然合う。春夏秋冬の四象限ではなく、16タイプで見るべき、というのは新しい発見だった。めちゃくちゃ学びと収穫が大きすぎて、出費ではなく投資だったと切に思う。誘ってくれた友だちにストロングハグ…

総括

2023年に買ってよかったもの、と題しつつも、実際は生活必需品以外で買ったものの過半数が入っており、単なる買ったもの紹介みたいになってしまっている。よく言えば失敗していないし、悪く言えば冒険していない。記事内にも書いた通り、何かを買おうにも「勢い良く二の足を踏む精神」に邪魔されて、購買に至らず買い時を逃す病にかかっているのだが、改めて振り返ると「もっと早く買えばよかった〜〜」というものがたくさんあることに気付けた。生活を0→プラスにするものは二の足を踏むのもよいけれど、マイナス→0にするアイテムはQOLと精神の安定に直結するので、勇気を出して躊躇わずに買っていくぞ!

おまけ:2024年に買いたいもの

買うか買わないかはまだ決めていなけれど、なんとなく買いたいな〜〜と思っているものを記録しておく。

  • ドラム式洗濯機(勤続8年目の洗濯機の調子が怪しい)
  • ユニクロ以外の服(2023年は密かに「ユニクロで服を買わない」という目標を立てていたのにもかかわらず、下着込で平均60%、調子の良い日には100%ユニクロの日とかあってむしろ増えている)
  • 登山靴(スニーカーで山に登ったらしっかり捻ったので足首を固定したい)
  • レインブーツ(カッパと合わせて雨の日も超・ウキウキウーマンになりたい)
  • 日傘(毎年、今年こそ買うぞ!と思ったまま夏が終わっている)
  • 壁に絵を飾る(わたしの生活に足りないもの)

2023年12月記

君の名はマジで師走、って感じの1ヶ月。果てしなく終わらない仕事、なのに毎晩どこかしらで忘年会、すべてを忘れたい気持ちだけは常にあるのに誰も何も忘れさせてくれない…そしてまた朝が来る…そんな感じの日々でした…

年内にやり残したこと、12月まで残っている時点でかなり手強い相手なのにもかかわらず、新年に何も持ち越したくない!ただその一心で重い腰を上げに上げまくり、仕事もプライベートもかなり忙しい生活でしたが、割と無理してギリギリ走り抜きました。

今月の主な出来事

まず、1年9ヶ月通ったキックボクシングを円満退会し、ついに港区の国技ことマシンピラティスに移行。移行した理由は色々あるのだけれど、やっぱり比較するとキックボクシングの方が有酸素運動だし疲れるし、当たり前に運動量は多いと思う。

わたしの汗と涙がこの回転の動力(gifにする前はちゃんとループしてたのだが…)

11月の日記に書いた、Blenderのドーナツチュートリアルも12/31にギリギリ完遂した。作業も英語も分からなくなり「キーッ」となることしばしば。1ヶ月半もかかったが、最後は意地だけで完成。なんならその間にBlenderがアップデートして、チュートリアルも最新版が出ちゃって、私の見ていた動画群はタイトルに「(OLD)」とか追記される始末。こちらそのOLDにさえ追いつけてません…。そもそもの話、Blenderのことを何も分かっていないのに、それを英語で理解するというのがもう鬼の所業。「初心者さんにはまずはこれ!」ってみんな揃ってネットに書いてたけど、本気か?とはいえこの途轍もない達成感と脱力感で気持ちを切らさずに、次は日本語のチュートリアルに挑戦するぞ!

左の均等な麺が先生、右の太くて不格好でキュートなのが我々の作品

めちゃくちゃ忙しいとか言っているなかで、突然の蕎麦打ち体験にも挑戦。粉から蕎麦を作っていく過程、とても面白かったし、勉強になった。蕎麦がどれだけ繊細な食べ物かということを知った。自分で打ったおそばが美味しすぎて、麺一本一本を抱きしめたいくらいの愛で食べた。その後、蕎麦生活するぞ!!とかつてない熱量が迸るも、カルディで買った一発目の蕎麦がゴムみたいであまりに口に合わず、その衝撃波で蕎麦への気持ちが全部どこかへ行った。この罪は重い。

苛烈な12月を生き抜く限界OLの心と体に、この上ない癒しと安らぎをくれたのが千葉勝浦のeden。水着を着て入るタイプのサウナ兼温泉?インフィニティプール?空と海の青の美しさよ…。

この景色を見ながら入る湯船、サウナの後にテラスで波の打ち寄せる音を聞きながらととのう至福。あの風景と波の音と風が忘れられなくてもはや脳裏にセルフで再現できる。かなり天国に近い空間だった。

クリスマス仕様のディズニーシーにも行った。ここ数年、友達とお互いの誕生日にディズニーチケットを贈りあっているおかげで、年2〜3回はコンスタントに夢の国に遠征している。何度行っても、ディズニーのごはんが好きすぎる。友達に至ってはディスニー行きが確定した瞬間「もう食べたいもの決まってたんだよね」と動画やらサイトやら送ってくる気合いの入りよう。

クリスマス限定のローストビーフサンド、カレー、いちごミルクタピオカ、ティポトルタ、カルツォーネ、クラムチャウダー、ユカタンロール。本気すぎて、欲望のままに食べ尽くしつつもお腹の最大容量を真剣に検討しては「まずい…あそこで優先順位が低いものを食べたのが間違いだったか…?」と悩むわたしに、「もう食べちゃったんだから仕方ないよ!次をどう入れるかを考えていかないと!」と前向きに励ましてくれる友のありがたさよ。

トレーは園内どこでも持ち出していただいて大丈夫です!って笑顔で送り出されたけど、これ持ってパーク内を歩いてる人は他に誰もいなくて羞恥

アトラクションにはあまり乗れなかったけれど、ソアリンに乗れたので大満足。ランド・シーのすべてのアトラクションの中でも一番くらいに好き。これまで3回?くらい乗ったけど、毎回乗り終わった後に拍手が起こるの美しすぎる。あの幸福感、何物にも代えがたすぎていつかソアリンという体験が人の命を救いそう。

緑の革靴とハッピーな赤&ピンク靴下でクリスマス感を演出してくれた友

クリスマスは事前にケンタッキーを予約して、友達とM-1を見ながらチキンやらケーキやらを食べまくり、ワインをあけまくり、友達の横で見事に爆睡。M-1面白かった〜〜〜!令和ロマンの圧倒的主人公感。鮮やかで華やか。令和ロマンの2本とヤーレンズの1本目が特に好きで何回も見ちゃった。いまだにM-1関連のYouTubeやらラジオやらに追いついていなくて、もう年越してみんな違う話しているのにわたしだけようやくニューヨークのM-1直後のラジオとか聞いてる?

思い返すと去年の12/23は、社会人史上最も辛かった日で、理不尽な目に遭い、誰もいないフロアで自分でも驚くくらい尋常じゃないレベルで号泣し、電車の中でマスクの中を涙と鼻水でぐっちゃぐちゃにして帰った。4時間遅れで忘年会に合流し、もう涙腺が馬鹿になってるから涙が止まらなくて「ごめん、気にしないで!笑」とか言いながら、両目から涙を垂らし続け笑顔で乾杯していた女、どう考えても怖すぎる。そしてそのまま発熱して12/31までコロナ罹患という、踏んだり蹴ったりにも程があるだろという悲しみの年末。あの時、母から電話で「涙が止まらないのはまだ泣ききれてないからだよ。沸点みたいな、泣いて泣いて涙ももう出なくなるまで泣ききると、もういいや!って思えるポイントがあるから、そこまで泣いて涙を出し尽くすんだよ!!」という謎に熱い激励を受けた。たしかに、泣くべき時に泣いて、悲しむべき時に悲しまないと、本当に悲しい出来事の前では何か自分の大切な部分をみすみす失って、後になっては取り戻せなくなってしまうような気がする。泣き時は逃してはいけない。

スウェーデンにいる友達からクリスマスカードと素敵なギフトも届いた。彼女が日本語がうますぎるということもあるけれど、海の向こうの、全く違う言語と文化を持った国で、こんなにも考え方や物の感じ方が共鳴するような人に出会えたことをありがたく思う。彼女から「『正しい生き方』とはみんながやってることじゃなくて、自分がやると幸せな気持ちになることだと考えてもいいんじゃない?」というLINEが来てハッとした(ていうか日本語うますぎる)人に流されたり比べたりせずに、自分の大事なものを大事にして生きるのが、北欧の若者はすごく上手だな〜〜と留学中常々思っていて、その生き方に肌で触れられたことはせっかくもらったギフトなのだから、大事にしなくちゃと思う。よく忘れそうになるけど。

突然ながら、ここで小っ恥ずかしい失恋の顛末の墓碑

11月のブレイキングニュースは遅すぎる熱愛発覚(←自分の)そのまま失恋。そこですべてが終わったと思いきや、自分の気持ちに気付いたのも、失恋したのも、すべて自分の中で完結するのっておかしいよね、恋愛って相手とするものなのに、この気持ちは勝手に仕舞い込んでどこにいくの?このままだと、「やっぱりそんな好きじゃなかったわ〜〜」とか思い込んで無かったことにしそう。でも、どれだけ拗らせても、ひねくれたくはないよ!もはや恋とか失恋とか言ってるの超恥ずかしいけど、今からでもそういうの恥ずかしくない人になりたい!わたしが、不器用すぎるこの恋をこの世の中にたしかに存在させる…!という謎の正義感が湧き上がり、12月に人生初の告白をしました。今日伝えるぞ!という日に、バスで前後に座っていて、前に座る丸い背中が冬のやわらかい陽射しに照らされているのがとてもきれいで、失恋とか告白とか文字面よりも全然大したことに思っていなかったのに、その一瞬で何かが緩んだようにブワッと涙がこみあげて滲みました。ときめきとか、そういうのはなかったけど、ぼかぽかして、一生このバスに乗っていたいわけではないけれどこの瞬間を忘れたくないと思った、これがわたしの恋だったのだと思います。飲み屋の席や隣同士で向き合って話している時には気付かなかったこと、後ろから見たときに初めて気付いた。最後にちゃんと蹴りをつけて、この世の中でたしかに人に恋をしたと認めることが、わたしが人として、より成熟するために必要なことだったと今は思うので、12月のわたしに一億点!(この一連の顛末を愉快な高校の友達に話したら、一言「それは人災だね…」と言われた)

今月の美味しかったもの

ずっと行きたかった代官山・ごはんや一芯。ごはんをより美しく照らすための照明。どれも気取っていないのに気品があって最高だった。特に名物の鯛茶漬け!どこかお酒の匂いがするような滋味深いお出汁、豊かな食事。

予約争奪戦の末、かろうじて22時の枠で滑り込んだ都立大学前・新田中。回っていないお寿司ってこんなに美味しかったっけ…?と歓喜の涙。食べ放題とはいえ時間制限があり、お客さん一組ずつ、二種類の希望を聞いてじっくり握ってくれる。こちらのペースでは食べられないため、卑しい我々は板前さんが掃除したり片付けたり席を外したりするのをやきもきしながら眺める始末。次回は広い心と余裕を持ってリベンジしたい。

地元の友達に子どもが産まれて、みんなではるばる会いに行く道中、偶然出会えた素敵なお店。ぽつんと青空の下の佇まいが絵本から飛び出してきたみたいで、陽射しが夢のようで、黒板に手書きのなんだかあったかいメニューで(そして安い!)店員さんもあったかくて、ふるさとって感じのお店だった。また偶然辿り着きたい。


www.youtube.com

料理のお兄さんリュウジ氏、大好き!この「至高のクリームパスタ」のレシピ、間違いなく自分が作った中でベストオブベストのパスタができて、食べた瞬間「うま!」と声が出た。本当に美味しいし材料もシンプルで最高。

今月買ったもの

BenQのモニターライト(初代)

夜は間接照明だけで過ごすことが多いものの、部屋の隅の机で作業する時に手元が暗すぎるのがずっと気になっていて、欲しいな〜〜とかれこれ3年ほど気持ちを温めていたデスクライト。ただ、欲しいと思うものに出会えなかったり、そもそも場所取るし電球熱くなるの気になるし…と腹を決めかねていたときに知ったのがモニターライトというもの。概念さえ知らなかったのだけど、いつの間に市民権を得ていた?モニターの上に設置できるからスペース的にも存在感的にも影響0だし、ちゃんと手元を照らせるし、掃除も楽だし、最高のお買い物でした。

ブラックフライデーでお安くなっていたので、どうせなら評価高い純正のにしよう!ということでBenQにしました。YouTubeを見漁ったところ、おしゃれガジェット系界隈ではHaloというBenQモニターライト第三世代のおしゃれ〜〜な棒が覇権を得ていたものの、見た目はこっちの方が素敵だけど絶対調光とか使いこなせないからリモコンいらない…ということで初代をセレクト。買って1ヶ月も経ってないけど、使うのは自動調光モード一択なのでよい選択をしたと思う。

↓ これがHalo。初代との主な違いは、デザインと手元の無線リモコンのみ(なはず)

GUのモコモコパジャマ

かつて祖母と母が買ってきてくれたtsumori chisato sleepの最高に可愛くて最高に着心地のよいもちもちパジャマと出会って以来、他の冬パジャマを一切受け付けられなくなってしまったわたしがついに出会った運命の二着目。まさかのGUで¥1,990。この羊、かわいすぎでは?!tsumori chisatoもびっくりのもちもちぶりで、初めて着たときあまりの至福ぶりにもはや泣きたかった。スタメン超えて殿堂入り。

ウルトラオレンジクリーナー

ピカピカに磨き上げた城…

年末恒例の大掃除のために購入。正直あんまり期待していなかったけれど、感動しました。ビフォーアフター撮っておけばよかったー!と悔やまれるくらい、かれこれ8年くらい使っている冷蔵庫や電子レンジの、もうそういうものだと思っていたなんとなく黒ずんだ状態が、ピッカピカの新品状態に蘇った。油汚れべっとりの換気扇とかキッチン周りも生まれ変わって超ハッピー!

※そう思ってピックアップしたわけではないけれど、今月の3商品、すべてTwitterで情報を得てゲットしたものたち。ありがとう、Twitter

今月の映画・本・音楽など

獣になれない私たち

見ておけばよかったな…と、ずーっとうっすら思っていたドラマを見ようの回、第一弾。今更すぎるかもしれないけど、本当にすごかったです、これ…。何より一話の職場とかガッキーの若手女性あるあるの立ち回りがあまりにリアルで、環境も状況も違うのに、ガッキーはわたしでした(あと顔も違うわ)ちょっとびっくりするくらい抉られて一話で瀕死状態。こんなに刺さる一話は初めてで見終わった時にはボロボロ。

恋愛ドラマのヒーローであるはずの松田龍平は第一印象普通に最悪で、どこにでもいそうな感じが絶妙だし、俗に言うTHEハイスペサラリーマン、順風満帆で彼氏としても羨ましがられそうな田中圭の弱点が元カノを家から追い出せないって・・・リアルすぎて絶対実際に起きてる。野木さんの職場とキャラクターへの視線が鋭過ぎてリアルを超えていた。でも結局のところ登場人物みんな魅力的で、ストーリーはしっかり面白くて、毎話楽しくて仕方なかった!5tap、近所にできてほしい。

ジェームズ・クリアー『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』

会社の先輩にかれこれ2年前くらいにおすすめしてもらった本をようやく読み切った。ビジネス書や自己啓発本に対していまだにどこか斜に構えている部分がある未熟なわたくしですが、この本はめちゃくちゃよかった。どうしたらよい習慣を続けて、悪い習慣を断ち切れるのか?ということを論理的かつ実践的にまとめていて、「うお〜〜やるぞ〜〜」としっかり啓発された。

この本を読んで改めて胸に刻んだのは、意向は行動ではなく、結果につながるのは行動だけ、ということ。どれだけ長い間「やってみたいなあ」と気持ちだけ温めたって、現実は何も変わらなくて、かっこ悪くても下手でも、行動だけが結果を生み出す、というのはシンプルでありながら痛烈な真実(ちなみに習慣の定着に大事な「繰り返し」も、行動の合計期間ではなく頻度が大事らしい)結果第一主義の考え方にはあまり賛同できないし、行動に至る過程にも様々な葛藤や美しさがあると思うけれど、得たい結果があるのならば、行動するしかないというのは紛れもなく本当だなー。

↓ 結果につながるのは行動だけ!論で、励まされたエピソード

授業の初日、フロリダ大学のジュリー・ユルズマン教授は、フィルム写真のクラスの学生をふたつのグループに分けた。教室の左側の学生は全員、「量」のグループだと彼は説明した。このグループの学生は、作った作品の量だけで採点される。(中略)一方、教室の右側の学生はみな「質」のグループになる。彼らは作品の出来栄えだけで採点される。学期中に制作する作品は一枚だけでもいいが、Aをとるには、ほぼ完璧な写真でなければならない。学期が終わると、教授が驚いたことに、すばらしい写真はすべて「量」グループの作品だった。学期中、このグループの学生たちは、写真を撮ったり、合成や光の工夫をしてみたり、暗室でさまざまな手法を試したり、失敗から学んだりと、とても忙しかった。何百枚もの写真を作成するなかで技術を磨いていった。そのあいだ、「質」グループはただすわって、完璧さについて考えていた。そして結局、努力を示せるものはほとんどなく、信憑性のない理論と平凡な写真ができただけだった。

MOROHA「革命」
革命

革命

  • MOROHA
  • J-Pop
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なぜか突然MOROHAブームが来て、冬の寒空の下ひたすらMOROHAを聴きながら歩きまくった。疲れてた?どうしても東京ホテイソンに聞こえてしまう時期は過ぎ、叫びも情けない声もしっくり来て、熱い気持ちで応えながら聞いてます。

日食なつこ「水流のロック」
水流のロック

水流のロック

  • 日食なつこ
  • J-Pop
  • ¥255
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御多分に洩れず、M-1きっかけで知った日食なつこさん。特に水流のロックが気に入った!深い声と軽快なピアノがとても素敵。リズムが気持ちよくて何周でもループして聴きたくなる。

年末は帰省して、地元でコロナ禍会えていなかった友たちと会い、実家で家族と賑やかに過ごした。泣きたくなるほど幸せで、何も変わっていないし何も成し遂げていないけれど、いい一年だったと思う。